経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成24年4月3日(火曜日)18時15分~20時45分
場所:本館17階第1~第3共用会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員

(2)オブザーバー
(株)日本製紙グループ本社 林昌幸 代表取締役副社長、東京ガス(株) 村木茂 代表取締役副社長執行役員、JX日鉱日石エネルギー(株) 内田幸雄 取締役専務執行役員、中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員、関西電力(株) 岩根茂樹 取締役副社長、(株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長

(3)経済産業省
枝野大臣、中根大臣政務官、髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、米田ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

1.冒頭

枝野大臣より、前回(第2回)の議論の際に「現在の自由化部門でも競争が起きていない、選択肢がない」といった指摘があったと承知しつつ、新電力に切り替えたいという需要家の声は多いが、新電力の供給力には限界があり、また、一般電気事業者間の競争もない。このような状況では、選択肢があるとは言い難く、名ばかりの自由化と批判されても仕方ないことから抜本的な見直しが必要であり、需要抑制に加え、供給多様化を進め、低廉な電力の安定供給を確保することは、我が国に喫緊の課題である旨発言。

2.オブザーバーからのプレゼンテーション(供給の多様化、分散型エネルギーの活用について)

  • (株)日本製紙グループ本社 林昌幸 代表取締役副社長より資料3に基づき説明
  • 東京ガス(株) 村木茂 代表取締役副社長執行役員より資料4に基づき説明
  • JX日鉱日石エネルギー(株) 内田幸雄 取締役専務執行役員より資料5に基づき説明
  • 中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員より資料6に基づき説明
  • (株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長より資料7に基づき説明

3.事務局説明

  • 安永電気事業制度企画調整官より参考資料1-1、1-2、1-3及び1-4に基づき説明
  • 新原省エネルギー・新エネルギー部長より参考資料1-5に基づき説明

4.自由討議(含む質疑応答)

  • 電力市場の現状を概括すると、独占状況であるということを再認識。自由化とは法定独占を外すだけでなく、競争を促進すること。我が国は、競争を促進する施策が採られてこなかった。前回の専門委員会でも議論になったが、規制なき独占が生じている。これは、電気事業制度に問題があり、政府に責任がある。電力会社の自主性に委ねた制度設計であったからこのような現状となった。何故このようになったのか明らかにする必要がある。その上で、公正取引委員会も、十分役割を果たしてきたのだろうか。新電力等からは、公正取引委員会に相談に行っても問題事例を取り上げてもらえない、といった話も聞く。今後、電力の地域独占に関する調査を実施するとのことであったが、どのような調査を行う予定か、この委員会で公正取引委員会から説明を聞く機会を設けていただきたい。
  • 今回の議論の中で、独立規制機関の問題が抜けている。欧米各国では、電力自由化後に独立規制機関を設けて、市場監視等に従事している。例えばドイツでは、1998年の電力自由化後にカルテル庁が監視をする一方、ネットワーク規制庁を設置し、競争促進に努めている。行政の仕組みを変えなくても良いのか、この専門委員会においても議論が必要なのではないか。
  • 如何に日本の電力会社が自由化にネガティブであったかということが良くわかる。一方で、料金値上げの際には自由化されていると主張する。これには憤りを感じる。卸電力市場に関しては、先ず、取引所のガバナンスについて、理事、監事、事務局長は中立な者とすべき。また、電力からの基金は返還させる。これを卸電力取引所が受け入れないのであれば、公的インフラとして機能しないのであるから、設置しなおすべき。続いて、取引所の設置の際に、一般電気事業者は自主的な電源拠出(タマ出し)を協力すると言ったが、結局これが機能しなかった。この反省を踏まえ、一般電気事業者及び電源開発株式会社を強制的な電源拠出の対象とすべき。他方、常時バックアップは廃止。予備率は全国レベルで確保する。一般電気事業者の地域間融通は公平性の観点から取引所経由の取引のみとし、連系線の利用も取引所経由の取引のみとすべき。また、30分同時同量や電源特定を一般電気事業者にも新電力と同条件で課すべき。
  • これら改革はこの夏のための対策であり、すぐに着手していただきたい。続いて、中期的な対策として、リアルタイム市場の設置が必要と考えるが、まずは時間前市場の取引要件の緩和を早急に実施していただきたい。最終的には、需要家が直接アクセスできる市場としていただきたい。予備力確保については、送配電事業者と発電事業者に予備力確保義務を課すべき。送配電事業者は、需要見通し、及び系統に関する情報公開の開示も行うことで、公正な環境を整えることが必要。
  • 事務局に対していくつかお願いだが、先程指摘のあった、公正取引委員会からの説明機会を設けることに賛成。調査項目やヒアリングに何故1年も要するのかを確認したい。スマートメーターについては、先日の週刊ダイヤモンド誌において、国際競争入札が出来レースであるとの記事が掲載された。この記事の内容の事実関係について教えて欲しい。アンバンドリングを議論する際に、アンバンドリングがスマートメーターの導入を阻害しないようにしなければならない。また、スマートメーター導入に際しては、計量法が問題であるとの指摘があるが、この点についてもご説明いただきたい。
  • 本日の日経新聞の朝刊に、電力小口市場を新設との記事が掲載されたが、これは歓迎すべきこと。これまで最低取引量がネックとなり余剰電力が売却できない事業者がいた。しかし、現行の取引所の取引要件を緩和しても良いし、取引所を「新設」しても良い。新設することの必要性を事務局としてどのように考えているのかがわからなかったので説明をお願いしたい。時間前市場の緩和については、現行制度では30分同時同量で変動範囲外インバランス料金に3倍という料金を設定しているため、市場価格はそれ以上の価格にはなりえない。限界費用を反映するような制度とすべき。強制タマ出しについては、タマを出しても、同量を買ってしまえば同じことであり談合すれば意味のない制度になるのではないか。他方、買い戻すことのない卸電気事業者がタマ出しすれば純粋に増えることから意味がある。タマ出しの実効性を高めるためには、1日中がいいのか、夜間だけがいいのか、毎時間がいいのか、といった具体的なスキームを提示する必要がある。外国ではタマ出しやVPP等でうまくいっている例もあるようだが、どのように実施しているのか教えて欲しい。
  • 部分供給については、競争政策として義務付けるべきと考える。
  • 少数意見だと自覚しているが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)はクレイジーな制度。合理的であれば、売ればいいし、そうでないものは淘汰される。北海道の風力を東京で消費する、そのために送電線を建設するというのは、送電ロスもあるし、再生可能エネルギーのブームが去ったあと、馬鹿馬鹿しい投資だったという話になるのではないか。むしろ、東北での工場の立地や、需要地である東京で発電する東京での再生可能エネルギー立地にメリットが出る仕組みにすべき。理屈に反したことをやろうとするから、一般電気事業者も再生可能エネルギーに対する嫌がらせをするのではないか。
  • 中部電力の資料は、電源設置に時間がかかるということで、上越火力の例を引き合いに出したことは良いが、コジェネに関しては、「今までも取り組んでいる」ではなく、しっかりデータを提出すべき。事務局資料について反論があれば中部電力以外でも文書で提出することを考えてほしい。
  • これまでの卸電力市場は取引量が少ないこともそうだが、流動性に問題があり、買いを増やすと価格が直ぐに上昇し、売りが増えると価格が下落した。この流動性を高めるためには、マーケットメーカー制度の導入を強く支持したい。これは強制タマ出しよりも優れている。需給逼迫時にタマ出しはできないというが、マーケットメーカーであれば「買い」で貢献することで流動性を高めることができる。マーケットメーカーは現物市場では機能しないとの指摘もあるが、一定量の「売り」と「買い」の両方を提示するというマイルドなやり方であれば現物市場でも機能すると考える。
  • 強制タマ出しは、出した分を引き取ることで骨抜きにすることが原理的に可能。買い戻しの心配が無い卸電気事業者の2社にタマ出しを義務づけることに意味はある。
  • 部分供給については、そんな例が諸外国にあるのかと言われそうだが、部分供給を使わなければ競争が起きないというほど競争基盤が脆弱なために要望が多いという状況を踏まえるべきであり、そういう中では義務づけが必要である。他方、他の競争基盤があれば、やめてもよいと考える。
  • 強制タマ出しについては、現行制度では一般電気事業者にとって出さないことが合理的と理解しており、合理的でない行動を求めても意味がない。魅力のない市場であれば無理なことを求めることに疑問。人間は合理的に動くものであり、現状のシステムでは、タマを出さない、競争にネガティブ、ということが合理的なのであるからシステムを変える必要がある。マーケットメーカー制度については松村委員と同意見であり、合理的な制度であり、ボリュームが無くても可能な制度。
  • 再生可能エネルギー導入に際して基幹送電網整備を公費で助成することは、おかしな話。発電をしてそれを送ることに外部性はないため、公的資金を投入する謂われはない。クレイジーとは思わないがナンセンス。むしろ、FITは効率の良いコジェネに適用すべき。
  • 中部電力のプレゼンテーションにおいて、地元との調整や用地所得等に長期間を有するとの説明であったが、これも菓子折は不要で、公益特権に基づく強制収用を使うべき。また、環境アセスメントには時間をかけなければ良いし、自治体に制度を超えたコミットメントの機会を認めるべきではない。それでも電源が建設できないなら、それはそういうものだと割り切るしかない。
  • 安定供給と自由化は、ある程度トレードオフであり、やってみないとわからない部分があるのは以前に申し上げたとおりだが、自由化されても大抵の生活必需品と呼ばれるものは安定的に供給されていると認識。
  • 部分供給については、それを認めないことは経済機能としては抱き合わせ販売をしていることと同じ。
  • 系統情報の透明化は重要。
  • コジェネと不安定な電源を組み合わせ、需要側の努力も取り入れながら負荷平準化する組み合わせのルール作りは重要。分散型電源の取引市場は重要。プロジェクトを評価・認証し、そこに優先接続を認めて、そして市場化していく、という順序ではないか。
  • 自営線の要件緩和や、再生可能エネルギー自家発の要件緩和も重要。
  • ガスか電力か、ということではなく、エネルギー業界の垣根がなくなることについて業界がどのように考えているか関心あり。ガス&パワーでいくのか、ガス&オイル&パワーでいくのか事業者の方の意見をお聞きしたい。
  • マーケットメーカー制度や仮想発電設備(VPP)に関する制度は、キロワットの確保を行うものであり、新電力からの「供給力の確保」のニーズに応えるものであるが、一般電気事業者の余剰供給力の活用がなければ成立は難しい。現状、電力が不足している状況の中でアンバンドリングや強制タマ出しを実行するということは、電力危機のあったカリフォルニアの市場設計と類似性があり、カリフォルニアのようにならないためには、どうすべきか考える必要がある。
  • コジェネについては、建設までの時間が短期で済むが、余剰が「出なり」であり価値が小さいとされている。個々のコジェネを制御することは困難であるからアグリゲートして活用することや、スマート化を推進して制御機能を高めること、需要と組み合わせることなどにより価値を高めることが必要。
  • 予備力確保については、中長期で8~10%、当日で3%の運用をしているが、キロワットの確保のための、キャパシティペイメント、容量市場のような枠組みも有効。政府が最終的に供給予備力を確保する仕組みについて、研究者の間で定説は無いが、強制タマ出しを行うと、一般電気事業者が余分に供給力を持つことにディスインセンティブになり、長期的に供給不足になることも考えられ、そうだとすると、政府が最終的に予備力確保を担保する仕組みは妥当性がある。
  • 市場監視については、政府がどこまで何をするか、ということで、供給命令は計画停電時も発動されなかった。これは発動要件が明確でなかったため、計画停電時に対応できなかったとの説もあるが、実際のところを事務局に伺いたい。
  • 電源に競争があれば好ましいが、タマ出しに関して電力会社間に温度差があることは当然で、これは電源が異なるため。電源のコストも異なるため、一律にタマ出しを求めるのは反対。電力システム全体のコスト低下につながらないと考える。新電力がメリットを享受する裏側にはデメリットがあり、総合的な妥当性を検証する必要がある。
  • 石油製品の取引所改革の経験を見ても、分散型電源の小口市場の創設は検討に値する。
  • 再生可能エネルギー、分散型電源、ガスにバイアスがかかりすぎていると思っているが、本日のJX日鉱日石や日本製紙グループ本社からのプレゼンテーションは、これに一石を投じることになると思われる。また、石油火力の活用については、異常時の電源確保という観点から賛成。但し、石油火力の多くは経年劣化が激しく、設備のリプレースが進む仕組みを検討すべき。
  • 基本的には大規模電源があり、その中で分散型電源を位置づけるということ。発電所建設には6年から10年、基幹送電網は10年から15年を要する。発電所と送電網の一体的開発が必要不可欠であり、制度設計上留意する必要がある。
  • 予備力の持ち方は、国土面積や送電網の容量から、偏って持つよりは各地域に満遍なくもつことが重要であり、8%~10%が適正予備率とされている。また、連系線で3%を確保している。分散して予備力を持つことで緊急時にも適切に対処することが可能。
  • 全面自由化した際に、例えば発電事業者が倒産した場合の予備力の確保、再生可能エネルギーの導入拡大に際しての予備力確保については、今後検討する必要がある。
  • 一般的に欧州など大陸では、系統規模が大きく、ドイツでは4社のTSOが各地域のバランスを調整しているが、これ以外の連系線は日本と比較しても多い。これがバッファーとなっている。
  • 事務局資料に、系統から独立したスマートコミュニティとあるが、これは筋が違うのではないか。系統連系があるのであればともかく、完全に独立した系統では、コスト的に見合わないのではないか。
  • 今日の話を聞いて、今の電気事業制度は決して良いものではないと感じた。皆がおかしいと思っているのに何故今までこのような状況であったのか、何故変えられなかったのか、今の仕組みの良い点は何なのかを知りたい。
  • 今の時代のキーワードは、公正性や、透明性、持続可能性であるが、例えば、NTTの通信回線をKDDやソフトバンクに開放したという変化と比較してみたい。送電線の混雑状況の公開は当然。
  • FITについては、世の中全てが経済原理に基づくということではない。再生可能エネルギーの導入目的は、国内で自立できるエネルギー源の確保を目指すために北海道の風力が必要ということ。コストの話ばかりであったが、世の中とは多少異なっている。

5.オブザーバー及び事務局からの回答

  • 広域的な電力流通には前向きに取り組んでまいりたい。
  • 強制タマだしについては、安定供給、経済合理性なども踏まえつつ、VPPやマーケットメイクなどの仕組みの得失を踏まえて検討していきたい。
  • 予備力確保については、誰が責任をもって設備形成をするかという視点が大事であり、ご議論いただきたい点。
  • 今回の議論の中では、比較的短期に解決しなければならない項目や、長期的に検討を要する項目が入り交じっているが、当社としては、今のこの状況では取引所では買い札しか出せない。卸電力市場の活性化は、需給が安定した後に、しっかり考えていきたい。
  • 需給状況、メリットオーダーや系統の情報開示に関しては、真摯に対応していきたい。但し、セキュリティの問題もあり、開示内容については検討していきたい。
  • 分散型電源の小口市場は、実態としては難しい。インバランス調整のためには、アグリゲートするビジネスとの組合せが必要。
  • 分散小口市場については、早く実現するという観点から、ここでは現行の取引所を前提として記載。
  • 計画停電の際に供給命令を出さなかった理由は、命令が必要であれば実施したが、連系線に制約があり、既に容量いっぱいまで送電されていたため、供給命令を出す必要がなかったため。

6.結び

  • 中根大臣政務官より、委員各位から貴重な指摘を頂戴し、具体的なご提案・ご要望をしっかりと受け止めていきたい、これまでの電力政策にとらわれず、虚心坦懐に制度を考える必要性がある旨、発言。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年4月6日
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