経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成24年4月25日(水曜日)16時~18時50分
場所:本館17階第1~第3共用会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
ピエール・ボルナール仏RTE社(送電会社)副社長、中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員、関西電力(株) 岩根茂樹 取締役副社長、(株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長、鵜瀞恵子 公正取引員会経済取引局長
(3)経済産業省
枝野大臣、髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、米田ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

1.冒頭

枝野大臣より、需要家選択肢の拡大や供給の多様化の実現のためには、送電部門のあり方が鍵となり、また、地域分割を前提としたネットワークの見直しや広域での電源活用は、安定供給にも寄与するため、改革の方向性、具体策及び留意点などを精力的にご議論いただきたい旨発言。

2.オブザーバーからのプレゼンテーション(競争の促進と広域化について)

  • 仏RTE社(送電会社)ピエール・ボルナール副社長(株)より資料3に基づき説明
  • 中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員より資料5に基づき説明
  • (株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長より資料6に基づき説明
  • 公正取引員会 鵜瀞恵子 経済取引局長より資料7に基づき説明
  • 横山委員及び佐藤電力基盤整備課長より、資料9及び資料10に基づき説明

3.事務局説明

  • 安永電気事業制度企画調整官より参考資料1-1、1-2、1-3及び1-4に基づき説明

4.自由討議(含む質疑応答)

(1)オブサーバーへの質問と回答

【RTE社への質問】
・資料の19ページ以外にもRTEの独立性を維持する方法についてご教示いただきたい。特に、日本では親会社と子会社間で人事交流を制限することが大事であると考えており、社長以外のスタッフの人事上の交流もあるのか伺いたい。
・フランスは他国との連系線を多数有しているが、連系線利用のルールはどのようになっているのか。特に混雑料金で得た収入の使途について。
・緊急時は、システムオペレーター間で電力融通をし合うことが必要と思われるが、連系線のマージンを空けているのか、若しくは、急遽融通が必要になった場合、市場価格で連系線のマージンを買取る仕組みとなっているのか。
・インバランス料金については、バランスさせるために必要な発電価格をリアルタイムで決めているのか。需要側のネガワットインセンティブを導入しているのか。
・本日のプレゼンテーションのメッセージは明確で、発送電の分離をしなければならないこと、即ち発電と送電は同居できないということ、そして、送電網の所有と運用は同一でなければならないということと理解。法的分離、運用分離、所有分離の3形態のうち、運用分離方式のISOは駄目ということであるが、これには同感。フランスでは、法的分離に近い形でITOという形式と規制強化を選択しているが、欧州の他国では、所有分離をとっているケースが多い。発送電分離をする過程で、国営電力企業であったということが背景でもあるが、フランスも国営企業であったにもかかわらず、所有分離ではなく、ITOでなければならなかったのか。今後所有分離をする計画はあるのか。
・日本では独立規制機関は不要ではないかとの話であったが、その理屈について理解ができなかったので補足説明をお願いしたい。例えばドイツにおいてもネットワーク規制庁があり、独立した規制機関がある。日本では、資源エネルギー庁において規制と推進が同居していることに対する批判が多い。
・ISOは日本では骨抜きにされる可能性が高い。既にESCJという組織があるが、これが機能していない。理由は、人事を含めて電力会社の支配に置かれているため。
・ISOは懐疑的とのことであるが、所有と運用が分離されていても、ISOにどういった権限を与えるか、ということでうまくいくのではないかと思う。これついては如何お考えか。
・分散型、スマート化をしたとき、コジェネや再生可能エネルギーは、リアルタイム市場やリアルタイムプライシングが必要と考える。欧州では国境を越えて、経済ベースで取引が行われているものと思われるが、リアルタイム市場の現状はどうなっているのか。
・EU各国は、国策に即したエネルギー戦略を策定しているが、各国が国情に応じてエネルギー選択している背景には、国際インフラが整備されているから、ということなのか。
・EDF本体の業績と独立して決まる範囲はどこまでか。従業員全員か。EDFがRTEにオペレーションできないことは理解したが、RTEがEDFのオペレーションに関与することはあるのか。例えば、RTEがEDFの発電部門にスポット市場にはこれだけ入っては困る、といった指示をすること。
【RTE社からの回答】
・人的な面も含めた独立性については、様々な形で担保されており、例えばRTEの主要な役職に就いた者は、RTEの退職後、4年間はEDFに戻れないというルールがある。これ以外の従業員については、委員会での判断になるが、情報遮断ルールは徹底されており、例えば、守秘義務違反の場合には、1年以下の懲役、160万円以下の罰金といった刑事罰を受けるといったこともある。送電部門の業務、特に契約行為については、例えば、アンシラリーサービスのような特殊な例を除けば、全て規制当局が承認することとなっている。我々は基本的にEDFから独立しており、(EDFの指示ではなく)市場原理によって行動する。透明性については、リアルタイムで価格を公表し、バランシング市場で15分単位で全て知ることができる。当初、アンシラリーサービスのように最後の需給調整にかかる情報は極めて難しく、仮に公表しても、そのような情報に何らかの誤りがあった場合は大きな混乱を来すことになるであろう。しかし、自分の意見としは、全て情報を公開し、透明性を確保することで何か間違った行動をとれば、それが外からみて分かることが重要と考えている。
・混雑料金の使途については、インバランス補給用電力の容量維持のための費用(全体のごく一部)、将来の連系線建設費への充当があるが、主要な使途は送電料金への還元(送電料金の引き下げ)である。いずれの方法を選択するかは、規制当局との協議によって決まる。また、予備力確保のための費用や、地域間の送電料金の平準化のために利用されることもある。
・緊急時の対応であるが、これは信頼度基準に基づき、TSO間の調達ではなく、個別の契約に基づいた調達となる。システムオペレーターは、緊急時のためにマージンを確保しているが、まずは市場ベースでの取引として潮流を確保し、マージンが必要ならば相殺潮流を流す形で対応している。(通常時の)バランシングに要する価格については、典型的な市場価格に2%から5%を上乗せした価格となる。バランスを取れていないときにバランスさせるための費用なので少しペナルティを上乗せしているが、これも規制当局が決めた額をルールに則って徴収している。
・連系線の両側で価格が同じであれば、連系線を流れる電気はゼロで、値差が生ずる場合には連系線経由で取引が行われる。当初、このシステムはあまり大きな成功を収めていなかったが、アグリゲーターの登場などによって徐々に成功の度合いを高めている。アグリゲーターのシェアも増加している。
・何故、EDFが所有分離を選択しなかったか、という点については、ITOのほうが所有権分離よりも優れたシステムであるという趣旨ではない。重要なことは「ステップバイステップのプロセスを踏む」ということである。フランスの場合は、改革当時は所有分離という選択肢は、政治的にも社会的にも困難であった。しかし、当初は親子関係の中で配当をもらうというITOの形態を選択したとしても、5年、10年と経過するうちに所有分離をする電気事業者が増加していくのではないか。たとえばドイツにおいても最初はITOが選択されたが、主要電気事業者のうち、2社は送電部門を売却している。
・日本では独立規制機関が不要ではないか、との発言については、欧州で独立規制機関を設置した理由の1つとして、それまでの規制官庁は、国営電力会社のオーナーでもあり、管理体制の透明性を確保する必要があったため。日本では、省庁と電力会社の資本関係はない。
・エネルギー政策との関係であるが、これは欧州委員会にはエネルギー政策の立案については権限がないために、各国ベースでエネルギー政策を立案している。
【公正取引委員会への質問】
・電力間の広域相互融通について、10電力会社間のみで行われている広域相互融通について、独占禁止法上、どう位置づけているのか聞きたい。また、電力市場における競争実態を把握するための調査の期間はどの程度を念頭においているのか。
・欧州では1998年に競争と消費者の選択のために自由化がスタートしたとのことであったが、日本では、小口需要家は自由化していない。今回の調査で小口需要家へのヒアリングも対象としているのか。
【公正取引委員会からの回答】
・広域融通制度については、電力会社の共同行為自体が独占禁止法違反になるとは考えていない。しかし、電力融通機能が新規参入者の促進の観点ということであれば必ずしも好ましくないことであり、この点についてはあり方も含め抜本的に見直すことを10年前に提案。系統運用に必要不可欠な融通に限る、ということ。
・調査の期間については、競争の実効があがっていないということで、我々も迫力がないということなのかもしれないが、調査を行う予定。アンケートなども考えており、調査集計にはそれだけの時間がかかる。
・調査をするにあたり、今回は自由化範囲の拡大が目的ではないが、消費者の意見も聞きたい。
【地域間連携線等の強化に関するマスタープラン研究会中間報告に関する質問】
・これまで、系統については規制当局がモノを言えなかったという状況からすればFCや北本の増強に触れたことは画期的だったという評価なのかもしれないが、しかし、より画期的なものを期待していた。本報告書は中間報告書であるから、今後更なる画期的な内容になることを期待。期待したい部分は、(1)一部広域運用を前提としているものの、地域独占を前提としたものであるが、例えば日本全体を1つのTSOとした場合、どういった系統が必要かといった提言、(2)系統の建設費の話で、日本の送電網の建設費用はオーバースペックで高く、この費用を託送料金で利用者に転嫁してきた。資源エネルギー庁も系統の必要性は査定してきたのかもしれないが、建設費用の適切性のチェックについては十分とは言えない。国際入札を経ているのか、といった観点が必要で、FCについては、2~3割安く調達できる仕組みもあるとも聞く。何れにしても、電力会社は、資源エネルギー庁が建設費用の査定に必要なデータを提出し、資源エネルギー庁がしっかり査定するということも考えなければならない。また連系線増強費用については、国が計画策定に関与することは賛成。しかし、報告書中、国がカネを出すようにも読み取れるが、これには反対。発送一貫体制の下で、一般電気事業者が、系統を建設するのは一種の義務であり、これを託送料で回収しているのだから、闇雲に国は補助金を出すというのは不要であり再検討を促したい。
・これは、「中間報告書(案)」なのか。本件は、報告を受けたのか審議なのか確認したい。
【事務局からの回答】
・方向性については、広域運用を考えている。地域間は当然地域を越えたものであるので広域ということである。中間報告の29ページの(2)検討の方向性には、「安定供給確保、再生可能エネルギー導入促進、電力取引の活性化等の観点から、広域運用は、今後より一層重要性を増していくことになることが見込まれる。すなわち、再生可能エネルギー導入のためには、送配電部門は、今後より一層中立性の確保を求められることは不可避であり、また、地域間連系線等を増強したとしても、それを活用した広域運用を可能とする仕組みがなければ、その効果を最大限に活かすことはできない。」とご提案いただいている。
・連系線の整備に関し補助金を出すべきではないとの意見もいただいたが、これについては、28ページの上段に「国による「基本計画」の策定あるいは中立的な機関による策定への関与、公的資金、補助金の活用又は事業報酬率の優遇や総括原価コスト(保守・運用等のコストを含む。)へ各日に反映できる仕組みの構築などが挙げられる。」とご提案いただいており、補助金の活用だけではなく今後多面的な検討をするということである。
・本マスタープラン研究会の中間報告をこの専門員会の場で審議するのか報告するか、というご質問については、同じく中間報告の3ページの下段に、「今次、研究会において中間報告書を取りまとめたことから、検討結果を専門委員会に報告することとする。」とある。ここに記載してあるとおりである。
【(株)エネットに対する質問】
・プレゼンテーションの中で、独立規制機関が必要とのことであったが、これに対しては、中部電力からESCJがあるとの話であった。これを知ってのご提案と理解しているが、ESCJのどういった点が不十分なのか、もう少し詳しく聞きたい。
【(株)エネットからの回答】
・ESCJについては人員構成の殆どが電力会社からの出向であり、ルール策定、会議運営、日々の運用について既存の電力会社の行動をベースにしたものとなっている。また、権限とミッションははっきりしているが、新しいことに踏み込むということができていない。さらに、何かを実施するにも権限がない、ということであり、競争促進の観点から権限を持って政策をすすめる独立した機関が必要ということである。

(2)自由討議

  • 連系線の増強に関する国の関与のあり方については、従来の設備の信頼性向上等については、従来のルールで電力会社が整備していくということである一方、緊急時対策や風力、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う増強は、従来のルールとは異なる建設コスト低減、建設期間の短縮に向けた公的支援の活用も必要でないかと考えている。2020年にFCを210万kWまで増強するということについては、従来の建設スピードでは到底達成できないため、スピードアップのために国が関与していく、更には、政策的措置として必要不可欠である300万kWへの増強についても、国が積極的に推進していくことが重要であると考えている。
  • ESCJのあり方に関しては、現在ESCJが与えられている範囲の中では適切に運営していると考えている。ESCJについてはこれまで、権限の拡大について提案してきたところであり、場合によっては、発展的解消もあり得ると考えるが、拡大範囲を給電指令まで含めるのであれば、ハードの増強、ソフトの対応或いはシステム投資を通じた共通化には現場の訓練も含めて長期間を有するため、本専門員会において早期に判断し、現場に十分な準備期間を与える必要がある。
  • 新電力のシェアが低いというのは、ベース供給力の確保に積極的に取り組んでこなかったことでもある。勿論、環境アセスメントなど制度的な障害もあり、行政刷新会議においても検討しているが、根底についてはこの委員会の中で議論することも考えるべきである。
  • 新しい制度をつくるにあたっては、モラルハザード、制度を悪用されない仕組みを構築することが必要。同時同量については、この委員会中でも触れられた3.11以降の運用に関する指摘については、事実であるが、新電力のシェアが低かったことや供給力に需要を合わせるという特殊なオペレーションであり、平時ではない対応であった。同時同量は、新規参入者にとって厳しいとは思うが、どこかで必ず必要なものであり、これを計画同時同量に変更するのであれば、時間帯毎に価格が異なるため、時間単位で一致させる必要が生じるのではないか。
  • 資料8として意見の提出があったが、従来とは異なり、明確な回答であった。このような情報開示は評価しており、今後とも積極的に情報開示の強化に努められたい。資源エネルギー庁もこのようなQAを充実させて欲しい。
  • この専門員会は、3.11後の電力システムの問題を考えていく中で、社会コストの上昇分を最小に抑えつつ、我が国の特性にあった制度を構築していくという理解であり、我が国は国土の面から電源や送電網の立地が限られており、今までは発送が一体となって、設備形成を行ったということである。電源の計画と系統の計画の一体性を考慮することが必要であり、狭い国土や、需要の急峻な立ち上がりなども考慮しなければならない。また、発送分離の議論をする際は、システム構築の費用等を考慮しながら検討する必要がある。
  • 再生可能エネルギーの導入促進と発送電分離については、あまり日本では関係のないものと考えている。需給調整の技術的な問題、連系線の問題、広域的な運用問題等実務的な運用であると理解。
  • 同時同量については、参考資料1-1の同時同量の見直しについてもオプション、(3)50Hz全体のインバランス算定の広域化については、潮流を考える必要があり、偏った潮流である場合、無用な潮流を流す必要が発生しコスト上昇につながる。また、計画値同時同量はコスト増になるものの、先程中部電力からのプレゼンテーションにあったようにリアルタイム市場、1時間前市場であれば結果的に現在の実同時同量と同じになる。その他の論点は粛々と検討を進めれば良いのではないかと考える。
  • 広域運用の見直しに係る論点について。参考資料1-1の(5)の予備力の広域的算定については、場合によっては、マージンを多く取ることにもなり、地域において8~10%の予備力、連系線のマージンを3%又はユニット脱落の最大、というのは合理的なのではないかと考える。
  • 同時同量については系統制御区域を越えてインバランスを算定するということ自体を聞いたことがない。30分同時同量は見直す必要なし。何らかの形でインバランスを算定する必要があるが、今の同時同量システムの構築が大変だという新規参入者の話は聞いたことが無く、むしろインバランス料金の問題ではないか。リアルタイム市場の創設や、インバランス料金の透明化、需要家参加をどのように扱うかということで、どの時点での算定かということが変わってくる、等を考慮する必要あり。
  • スポット市場でのヒモ付けについては、ヨーロッパでは金融商品として取引されており、事業法で規定して解消するかが論点。
  • RTEからプレゼンテーションをいただいたが、国際的には、テキサスやMISO(ミッドウェストISO)は、コントロールエリアを統合した事例であり、参考にすべきと考える。
  • 発送電分離については、明確に切り離すということ、地域独占を完全に解消し、全国レベルでの電力間競争をすることが重要。発送電分離の形態については、所有権分離は2/3の特別決議が得られないと考えられることから、法的分離が望ましく、ITO形式とすること、その際予算と人事については、完全に分離する。フランスにおいては4年間という戻り禁止があるとのことであるが日本の雇用慣行では一時的には禁止をしてもいずれ戻ってしまう可能性があることから機能しない。日本は9電力体制であるため、9つのITOができたとしても意味がないため全国を統合する機関をつくる。これは公的なものが望ましい。この全国を統合する機関は、予備力確保、広域調整、同時同量の管理も行い、ITO+全国統合機関+独立規制機関がイメージとして必要。競争促進のために、電力会社間の広域融通を禁止し、卸市場にて取引を行うこととすべき。電力間の広域相互融通について、10電力会社の送配電網の排他的な利用と独占禁止法上の整理については改めて検討をお願いしたい。
  • 同時同量については、それが技術的に必要なのであれば、電力と新電力に対して同じルールを適用すべき。望ましいのは、各社が個々に同時同量を行うのではなく、計画同時同量を行いつつ、全国統合機関が瞬時瞬時で需給を一致させること。
  • 事務局の審議の運営方法に不満。これだけ重要な、大事な議論を2時間で会議を終了させろとは。次回以降考えて欲しい。
  • 地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会中間報告書は、全くオーソライズしていない。具体的な点は事務局に指摘しているが回答がない。
  • ESCJの権限が小さすぎたということには賛成するが、その権限の範囲内において中立性、透明性が機能していたという点については賛成しかねる。機能していないところに権限を拡大すればより機能しなくなるということ。本当に機能しているというのであれば徹底的に検証すべき。ESCJは抜本的に作り直す必要があると考える。
  • 所有権分離は、差別的な取扱いをするインセンティブを奪うということ、機能分離は、差別的な取扱いをする手段を奪うということ、垂直統合は、差別的な取扱いをするインセンティブがあるということ、と整理している。ITOは、差別的な取扱をするインセンティブも手段も両方あるため、発送電分離とは呼べないと考えているが、本日のRTEの話を聞いて、徹底的な規制をここまでやれば機能するということと理解した。但し、日本と欧州の状況は異なり、欧州の競争的なマーケットがあって初めてITOモデルは機能するのであって、日本のように競争が全く行われておらず、collusion(共謀)ではないかとの疑いが否定されていない市場の中で、欧州よりもっと厳しい規制を採用するのであればある程度実効性はあるが、欧州より緩い規制であれば、問題外。
  • 同時同量については、震災により顕在化した問題ではなく、震災前からそもそも問題のある制度だが、提案のあったリアルタイム市場と30分ごとの市場での精算を行えば、自然と問題は解消するはず。
  • 震災からの復旧が早かったとしても、垂直統合や資本関係があったことが理由にはならない。資本関係がない自動車部品産業であっても、結果として復旧が遅かったということはなく、復旧のスピードと関係する会社の資本関係の有無は無関係。 再生可能電源と発送電分離は無関係ということについては全く証明されていない。一般電気事業者が自らのビジネスモデルと異なる分散型電源の事業者を差別しているのではないか、または差別しようと思えば可能である懸念が繰り返し指摘されている中で、再生可能電源と発送電分離は無関係とは言い難い。
  • 分散型電源の普及拡大のためには、リアルタイム市場の活性化の仕組みが重要。機能分離については、ISOに与える権限次第で、所有権分離と同様の公平性が担保できるのではないか。これについては、きめ細やかな解説が必要だが、説明責任を持たせて公平性を担保することもできると考える。
  • 電力会社間の競争については、自由化分野と言いながら仁義を切るような状況であるから、他地域に電源をつくらせるといった規制が必要。
  • 実同時同量については、それ自体は悪いことはないが、インバランスの精算の仕方がおかしいということ。きちんとしたリアルタイム価格での精算がなされなければならない。計画値同時同量については、無理矢理導入する必要はなく、計画値を届けさせて、インバランスはリアルタイム価格で精算するということであろう。先程、(電気事業者から)リアルタイム市場の創設について提案があったが、これは欧州でいうところのリアルタイム市場なのか、欧州でいうところの時間前市場ではないのか。限界価格で精算されるのかどうか。
  • RTEの話を聞き、完全なTSOにしなくても十分に規制が有効なのだということがわかった。規制にそんなにコストをかけなくても、ヨーロッパより厳しい規制で実効性が確保できるのかもしれない。ただし、将来的にはTSOを目指すこととすべき。
  • 連系線の使い方については、送電料金制度のあり方と併せて検討することが重要。
  • フランスでの10年以上かけた取り組みに感銘。一気に全て変革するのは難しく、フランスでも段階を踏みながら進めたことがよくわかった。再生可能エネルギーの導入拡大と送電部門の中立性の話は、別問題ではない。
  • 発送一貫だから設備投資が進んだ、運用が円滑化する、といったことについては全く同意していない。地域別の発送一貫だから部分最適を追求することになり、全体最適が構築できていない。目的は、日本全体で1つのネットワーク、1つの市場をつくる、ということであって、手段として発送電分離はどうあるべきか、ということを考えるべき。地域間連系線等の強化に関するマスタープラン研究会報告書についてもこういった観点から最終報告書を作成していただきたい。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年5月1日
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