経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成24年5月31日(木曜日)17時30分~20時30分
場所:本館17階第1~第3共用会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株)岩根茂樹 取締役副社長、中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員、北陸電力(株) 三鍋光昭 常務取締役、四国電力(株) 山地幸司 常務取締役、(株)エネット 遠藤久仁 取締役営業本部長
(3)経済産業省
髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

(1)事務局説明

安永電気事業制度企画調整官より資料4に基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 事務局資料に基づき、議論いただきたい。特に、送配電部門の広域化・中立化については、事務局からパターン1、2ということで提示してあるが、この何れかということではなく、その他の提案や、最低限担保しなければならない機能、電事連の提案との相違点ということについても意見をいただきたい。
  • 事務局資料5ページの電事連案は、事務局資料3ページの左側にある「全国大での広域運用に必要な業務」の全てを担っているのか、担っていないとすればどの点が担われていないのかご教示いただきたい。
    →基本的には、広域的な需給に関わる機能は同じと認識。系統運用部分、特に周波数調整は、まだ議論が尽くされていない。周波数調整の役割分担については、全国大での需給逼迫時の周波数調整の責任は、全国組織でということまでは一致しているものの、常時の電力需給の際の周波数調整はエリアに任せていただいてもよいのではないか。
  • それでは、エリア内の中立性を確保する分離形態は、どのようにお考えか。
    →各エリアについては、現状の形態を維持するということ。広域需給調整については、エリア内で需給ギャップが生じた際は、エリア内優先。広域需給調整とは、今回の震災後、或いは現在のようなエリアを跨いで大きな需給ギャップが生じた際は責任をもって供給力を確保するという意味。信頼度基準、要するに電源や系統をつくる基準については広域機関が策定し、それに伴い、需給に関連する部分で連系線の増強や、各社の基幹系統については、需給に関わる部分なので、広域機関が関与するということ。系統計画基準については、個別の負荷を生む部分については各社がチェックする。接続検討については、ルールを広域機関が策定し、電源の規模などにより、検討が詳細になる場合は、広域機関の関与のもとにエリアが担うということで提案している。
  • 事務局案も電事連案も、広域運用という部分については大きな差はなく、寧ろ電事連案は詳細に記載していただいているものと理解。中立性の厳格化について、電事連案がエリア内は現状維持というのであれば、それなりの説明が必要。電気事業者の立場から、事務局案のパターン1またはパターン2の組織を形成する場合、どのような問題が発生する可能性があるのか、どのようなシステムを設計する必要があるのか、どの程度の準備期間が必要なのか、コストは発生するのか、重複する業務はあるのか、ということを解説いただきたい。
    →広域機関を設置することで、かなりの部分での中立化が可能と認識。現状、前日に策定した計画に基づいて発電することから、当日の実需の部分では中立を阻害する要因は少ないのではないかと考える。今後、競争状況が進展した段階で、果たして今の段階で中立性が確保されているのか、ということで事務局からパターン1、2が提示されているものと理解。平常時にはどちらのパターンにおいても、電力あるいは新電力が需要に応じた最適な経済運用が計れるようにしつつ、瞬時瞬時に周波数を監視する機能やシステムはエリアに必要。広域機関との役割分担は、今後の設計と考える。エリアを跨いで需給が逼迫した場合は、広域機関が権限を持つが、エリア内での電源脱落等に伴うエリア内ギャップの調整や、復旧の指令、制御システムは、どちらのパターンでも必要。今後競争状況が進展していく中で、仮に新電力が2割~3割入った場合、色々な競争状況を見極めながら制度設計することが必要。他社の電源が域内に建設される競争と、他地域の電源が託送で需要をとりに来る競争と、どちらの競争の形になるかによってもシステムが異なってくるのではないか。先ずは広域的な運用をしながら、競争状況や再生可能エネルギーの導入状況を見極めつつ、費用対効果やその時々の信頼度を評価しながら検討していくことが肝要。
    →系統運用の立場から申し上げると、系統運用は、発電側と系統側の緊密な連携に基づいて、きちっと運用されてきた。今回、大幅に枠組みを変えるということに懸念がある。需給運用については、発電機を経済的に運用する、周波数調整といった機能があるが、今回の枠組みを導入すると、制御箇所をうまく分担して実務ができるのか、制御方式を変えるというのは、日本独特の朝の急峻な需要変動や再生可能エネルギーの導入に対してLFCや調整力不足、場合によっては周波数に悪影響を及ぼす懸念がある。エリアの送配電設備のバイアス抵抗は、エリアの需要動向を詳細に積み上げて算出しているが、これが、広域機関を設けた場合、エリアの設備の過不足を生じて経済的運用に支障を来さないか。発電所の定期点検については、現在、需給バランスを勘案して運用者側で決定し、需給が厳しいので定期検査の繰り延べを行ったりしているが、そういった運用に支障を来さないか。系統運用業務について、送配電部門は、発電機器の特性も熟知しておく必要があるが、電力会社はこれまで、発電所の保守運用を経て系統運用に異動させて人事ローテーションをまわしてきた。この人材育成は系統の安定運用に必要不可欠であり、ネットワーク部門が人事交流を遮断されると、安定供給上の懸念が生じる。従って、電事連案のように、全国的な組織をつくって、ステップ・バイ・ステップで進めていくことが必要。
  • 中立的な組織形成には、今後詳細な精査が必要。ニュアンス的なことを申し上げれば、広域機関はもう少し強めの権限を与えても良いのではないかと考える。原子力の比率が低減していく中で、系統設備形成や運用のあり方を広域的に行っていかなければ、というところまでは共通の認識があると思われるが、それをどこまで行うのか、ということが、事務局案のパターン1、2ではないか。より全国規模での運用を重視するのがパターン1であり、寧ろ独立性を高めるのがパターン2であるという印象。緊急時の供給は誰が担うのか、自由化に伴い供給責任がどのようになるのか、といったことも考慮しつつ、詰めていった結果、パターン1や2があるのではないか。
  • 既に事務局案のパターン1かパターン2か電事連案か、という選択肢の中で議論が進められていることに懸念。送電網を誰もが公平に使用できることがこの目的であり、競争が促進されることが重要。所有権分離の選択を排除する必要はないのではないか。テキサス州の事例のように、機能分離と法的分離を両方行うパターンもある。ステップ・バイ・ステップで進むにしても、将来的に所有分離を説明したい。
    (参考資料3に基づき説明)
    意見としては、電事連案では現状と何が変わるのかということが疑問。電力会社内の人材育成の話も重要であるが、再生可能エネルギーを導入しましょう、分散型エネルギーを導入しましょうというのは、既に方針として共通認識があるのであるから、様々な発電プレーヤーがいて、その中で送配電部門が信頼度をどのように維持していくのかということを前提に提案していただきたい。
  • 事務局案のパターン1、2は、最低限必要な話を記載しているのであって、選択肢を網羅しているものではないと理解。従って法的分離は最低限の話であり、その先にある所有権分離を排除したものではない。電事連案は、中立化については全く触れられていなく、今までも会計分離をしてきたのであるから、現状でも十分中立性は確保されていると理解できるがこれがどこまで説得力があるのか。これまでの専門委員会でも中立性が阻害されているということを議論してきたのだから、電事連案の、「中立性の追加対策はいりません」ということをしっかりと委員の間で検証する必要ある。少なくとも、私は中立性に関しては電事連案を全く評価しない。人事交流の話が先程あったが、安定供給を念頭において、経験者の意見を聞きながら、詳細の制度設計をしなければならないが、人材育成をシャットアウトすると、問題となるのか、問題があるとすれば、ここに配慮をしても懸念が払拭できないのか、ということも早い段階でお知らせいただかなければ、議論が進まないのでよろしくお願いしたい。先程電力から示された懸念は、一般電気事業者のシェアが高いことのみを前提とした運用であり、早急に変えていかなければならない。送配電の分離が運用に影響を及ぼすのであれば、既にJPowerは送電線を所有し、建設や運用は一般電気事業者が指示している例がある。送配電の所有や機能が分離されると立ち行かなくなるというのは、脅しとしては十分であるが、説得力があるかということは考えなければならない。
  • 電力会社に質問したい。パターン1、2はどこで発電するかわからないから運用上支障が出るということであるが、これが計画同時同量制度を採用した場合、運用改善はなされるのか。2点目は、先程の質問と重複するが、新電力の割合が増えた場合、どのような対応を想定されているのか。3点目は、人材育成であるが、法的分離下において、送電子会社に採用された職員が、発電会社に出向し、経験を積みながら、ある一定の役職になったところで人事交流を禁止するという方法があり得るのか。最後に、これまで会計分離が徹底されているとのことであるが、本当か。形式上は会計分離がなされていても実は給電指令や託送部門の業務と発電部門の業務が分離されていないのではないか。
  • 関連して、パターン1と2では技術的観点からどちらが安定供給しやすいのか。敢えて選ぶとすればどちらか。
    →新電力の割合が増えた場合の対応については、新電力は新電力でバランスさせ、周波数調整は別途全体で行う必要がある。分離されると、調整電源が多く必要になる。従って、バランシングに必要な電源と周波数調整用の電源のシステム制御が必要になるということ。IPPにしても新電力にしても、一般電気事業者以外の電源の比率が高まれば、調整電源を多く持たなければならない。これは、ISOでも法的分離でも同じこと。人事交流については、電力系統は技術進歩もあるので、トップマネジメントについては人事遮断したとしても、例えば系統運用部長クラスまでは、人事ローテーションが必要。発電部門と送配電部門の情報連携の中で、どういう電源を開発すればどれくらい利用率が確保できるか、経済的か、といった検討をする人材も必要。計画同時同量については、何れにしても計画値と実需給の差分を調整する必要があり、調整電源はより多く必要になる。従って計画同時同量のほうがより不安定な運用になる。現在電事連から提案している1時間前市場、30分前の通告変更を可能にする制度設計は、系統運用面からも可能な制度であり、これについては適切に対応したい。
    →電事連案に公正競争の観点がない、というご指摘に関しては、我々もネットワークの公平性、中立性を高める方策は検討していく所存。エリアの安定供給を確保した上で、競争をしっかりやっていくことが重要と考えている。周波数調整についても最後の調整をエリア中給に担わせて欲しいということであり、それまでは1時間前市場を開設するため、全国レベルでの競争環境を整備している。何故エリアの需給が重要かということについて追加説明すると、現状、需給運用は大変厳しく、広域運用の他に発電部門では定期点検を延長したり、営業部門では、節電のお願いをしたりと、トータルとして対応している。時間軸の問題はあるが、当面はこの厳しい需給環境は続くであろうし、長期的になる可能性も否定できない。従って、先ずはエリアの需給が大事であり、これが確保される前提で競争環境も整備しながら、その後の運用を見つつ、ISOなり、法的分離なり抜本的なシステム改修も視野に入れるということ。これらを踏まえ、安定供給と競争環境整備を両立できるようなシステムを検討していきたい。
    →パターン1、2の何れのほうが安定供給しやすいか、という質問への回答になるが、何れのパターンも作り込んでいくうちに様々な課題が発生する可能性はあるものの、パターン1は、発電と送配電の運用を切り離している。需給運用は電源を集め、系統に乗せて供給することであり、系統と電源の両方をみなければならない。運用と計画あるいは設備実態の仮居、作業トラブル発生時などには、少し工夫をしなければならないのではないか。パターン2については、パターン1で分かれている送配電の所有と運用は一体であり、発電部門との情報のやりとりさえしっかりできていればいいのではないか。それからISOは広域タイプ強化、TSO型は分権型のようなイメージなので、パターン2では広域機関を介してしっかり安定供給する仕組みが求められるのではないか。
  • 広域運用のイメージは、事務局案も電事連案も大差はないと思われる。周波数調整は、詳細設計の話なので、今後詰めていけばいいのではないか。エリア内の形の議論になるが、先程来様々な意見があるが、一言で言えばいずれも一長一短があり、広域運用は当然コストがかかるとしても、エリア内の形についても、どれだけコストがかかり、どれだけ時間が掛かるのか、というメリットとデメリットを比較すべき。早くできてコストが低いものが良いと思う。また、重要な点として、信頼度のルールづくりと評価の機関を広域機関と同一にするのか、若しくは米国のNERCのように別組織をつくるのか。ルール作りは、NERCであれば、電力会社、消費者、需要家などが入ってくるが、系統の広域運用は、極めてプロフェッショナルな機関となり、プロフェッショナルであればある程、一般の目からは何をしているのか見えづらい。これは論点としてあるのではないか。人材育成については、若手、中堅クラスは発電と系統の両方を経験してもらいたい。計画同時同量については、1日前の計画値と実運用のインバランスということであれば、調整電源は増えるので避けた方が良いが、1時間前市場ができれば、うまく活用することで、計画同時同量的なことはできるのではないか。
  • この目的は、新しいビジネスが生まれ、コスト上昇を抑制できるようにするためにはどうするのか、ということ。そのために発送電分離をどうするか、広域運用をどうするか、中立性をどう確保するのか、という手段を議論しているということ。事務局案のエリア系統運用者への系統運用監視・勧告では広域性・中立性が担保できない可能性があるため、それを、エリア内でどうするのか、ということ。パターン2の法的分離は比較的理解しやすいが、パターン1のISOにどの程度の権限を与えるのかがはっきりしなければ、どちらかを選べないのではないか。
  • 新電力の立場から、送配電の中立化について申し上げれば極めて単純で、現状の会計分離、行為規制では中立化はできていないということ。将来的には、所有権分離を見据えた制度設計をお願いしたい。人事については、米国のPJMでは、職員は100%プロパーであり、電力会社を辞めて採用された職員はいるが、出向者はいない。中立機関は中立性が命であり、プレーヤーから見た信頼性が重要。人事のみならず、会計やルールづくりも含めて徹底的な中立性を求めたい。併せて中立機関を継続的に外部からチェックする仕組みも必要と考える。
  • ISO型であれば、送電の運用が分離してしまい心配という話であったが、これを排除した制度設計は当然行うのであって、根拠のない心配。先ほどの電力会社の説明は想定外であり、人事交流の中で、発電の方でも系統のどこにつないだらどれだけ動かせるかを学んでいるということは、一般電気事業者の発電部門の明らかなアドバンテージであり、事実上、電力会社の発電部門は託送料金で研修を受けているという予想外の事実であった。日本独特の需要変動という説明があったが、系統運用側はこれを大変だ、といい、そうであれば、もう少し需要側の管理を考えればいいのであるが、そういう話をすると、それは検討に値しない、需要側の管理は大変だ、と言う。経営のシナジーがとれているのか疑問。
  • 電力システム改革を通じて、電気料金の透明化が図られること、電源を選べること、に期待している。消費者の中には、自由化を通じて、電気料金が安くなる、原発以外の電源を選びたい、という人がいる。電気料金が安くなるかはわからないが、選べることにはなると答えている。この議論を通じて、電源の選択ができるのか確認したい。先ほど、電力会社の方から、新電力の電源が増えたら誰がやっても安定化は難しいという話があった。「誰がやっても」ということであれば、消費者は選べるようにならないのではないか。それで規制だけが取り払われるなら問題。選べるような電力会社が入ってきたら安定化が難しいという点はどうしたらクリアできるのか。
  • 意見を申し上げたい。最終的に所有権分離を目指すとして、その手段としての法的分離ということを担保することが必要ではないか。この観点から事務局案のパターン2のほうが現実的。同時同量については、事務局資料P23の対策は大きな進歩である。計画同時同量を強制する必要はない。インバランスについては広域調整し、1時間前市場から、全国大での調整ということだと思う。これに加えてリアルタイムでの精算も必要である。計画値同時同量については、強制する必要は全くないが、計画値同時同量でやりたいと希望する企業は計画同時同量を導入するという制度は有効。インバランス算定の広域化というところはおそらく1時間前市場を全国的に導入することで議論されてきたが、これは是非やるべき。私はそれに加えてリアルタイムの精算が必要。少なくともリアルタイムの発電の入札を当初からやる必要はなくて、今の電力会社でやっている方法を踏襲すればいいと考えるが、そのときのメリットオーダーで最後にその瞬間に使った価格というものを公表し、精算することが必要。供給力確保について。現在、予備力市場というのが今のところないため、新規参入者に予備力を何パーセントか義務づけ、その義務づけた予備力のパーセンテージをお互いに取引できる、売り買いできるという仕組みにすべきではないか。
  • 発電、小売分野は自由化、送電部門は、オープンアクセスが原則で、創意工夫ができる中立性を確保していただきたい。送電部門の広域的運用については問題ないが、電事連案のエリア内は今までどおり、では中立性は確保自できない。2点目は、事務局案のパターン1は、電力会社の中に送電部門が残り、運用は分離するというもの。ということは、送配電部門での社内での明確な分離を行った上で、さらに給電司令所は全国機関の地方組織になるという理解で良いか。3点目、パターン2の場合、各TSOの連携だけでは果たされない広域的機能を担うのが全国機関と理解。
  • 私は、事務局案のパターン1を支持したい。最終的に広域運用しやすく、エリア統合もしやすい、というアドバンテージがある。送電網の所有と運用が分かれるというデメリットもあるが、JPowerのように必ずしも運用ができないということもない。最も大事なことは、パターン1かパターン2のようなことを実行しなければならないということであり、ここでパターン1、パターン2の意見が分かれて、結局電事連案で落ち着いたということは避けるべき。部分供給と常時バックアップのところで一番気になっているのは、部分供給あるいは常時バックアップの見直しのいずれかに応じるとすればというのはかなり気になる。これは事実上現状維持である。リアルタイムマーケットについては作ることは少なくともパターン1、パターン2のどちらかをとる限り絶対に作ることになるはず。仮に法的分離であったとしても違う会社の取引になり、送電部門が発電部門から買ってくるという契約の形に必ずなるため、相対契約という形だったしても、相対契約というのをマーケットと呼べば必然的にマーケットになり、系統運用者が安定供給のためにやるのにものすごく不自由がかかるような制度を作らないことは所与として、ここは取引化し、なおかつこれは本来中立的であるはずの送電部門、中給の機能のところがやる取引なので、第三者が必ず契約の内容を検証するということは仮に相対契約でやるとしても不可避。どういう市場を作るべきかというのはこれからの議題になる。電力会社の「ステップ・バイ・ステップ」という指摘については、10年前なら説得力があったが、今の仕組みで競争が機能しないことが既に明らかになっているのだから、うまくいかなかったことを前提に議論すべき。
  • 今の30分同時同量制度は、新電力のシェアが小さい中で成り立つ制度。実同時同量制度では、新電力のシェア拡大や電力間の競争は進まない。同時同量の問題は、発送電分離と密接に関係している。常時バックアップも料金の見直しのほかにも、量的制約もある。量を担保する仕組みを考えて欲しい。マーケットメーカー制度は、おそらくザラバ市場で成り立つ制度と理解。だとすると、別途、スポットの厚みを確保することも重要。
  • 広域系統運用者と多分最初は9か10で出発するであろうエリアISOあるいはエリア送配電会社の関係で、配電会社がやがてM&Aを繰り返していって、全国1または2のISOもしくは送配電会社になった場合でも広域系統運用者というのは別に必要になってくるものなのか。また、法的分離というものが在来型の垂直統合の電力会社から送配電部分を独立の企業として、送電会社は、100%支配される子会社として発足することになるが、親会社は子会社に対してどれだけの配当をもらえるかに対して利害関係を持つわけであり、その場合、どういう意味で子会社が独立であり得るのか。更に、所有権分離というのが所有権そのものを完全に分離してしまうことになるが、垂直統合型の電力会社から見ると、それは送配電部門を奪われるということになり、その対価は誰がどういう形で従前の電力会社に払うのか。新しくできた送配電会社の株式を割り当てられるのだろうか。そうすると旧株主は送配電部門が抜けてしまった発電と小売だけの電力会社の株と新しく切り出された送配電部門の株の両方を持つことになるが、その株をずっと両方とも買い集めていくと、結局その両方を支配する親会社というか持ち株会社ができて、結局のところ両者を支配することになり、独立とか中立は一体どういう形で維持されることになるのか。
    →先ほど、電力会社は周波数調整だけで同時同量は行っていないとの指摘があったが、電力会社は経済負荷配分を前日に計画している。当日、需要変動がある場合は需要を修正しながら発電所の予定の出力を変えていって、それに対して先行制御をかけているところ。基本的には同時同量を電力会社も担っている。また、新電力がどんどん入ってくると系統がだんだん不安定になって、本当は原子力以外の再エネとかそういうのを買いたいのだけれども買えないのではないかという質問について、風力についても今回の広域電力会社は、風力をどんどん入れるようなシステム構成にしていく。太陽光に関してもきちっと連系照会があれば託送部門で情報分離しながら公平性を担保しながら運用していく。系統が不安定になるのではないかというご質問に対しては、一気にシステムを変えるのではなく、ステップ・バイ・ステップでシステムを検証しながら進めていく必要がある。
    →同時同量というのはインバランス量をできるだけ減らしていくというインセンティブと、それの公平化、透明化ということが重要。需給直前市場を活用することにより、インバランス量が減少し、透明な価格ということができるのではないか。場合によってはその時点での計画値同時同量も、その際には当然ネガワットの市場化も併せて考えていきたい。また、現在は需給が非常に厳しいため、新電力への供給の強制的な措置は苦しい。需給がある程度安定していればいかようにも対応できるが。さらに、常時バックアップの価格帯でも、原子力が稼働しているときの価格帯で設定されているが、今原子力は稼動していないため、そういう状況も含めてこういう制度がワークするのか、需給がある程度回復すれば当然電力会社としても前向きに考えていきたいが、こういったことも勘案いただきたい。
  • 通常の新規参入者は営業部門で同時同量を達成している。要するに全部十把一絡げに電力部門はやっている。電力会社の営業部門は新電力に比べて負担が軽い。取引所の活性化のためには、今の取引所は基本的には新電力は入れるが、需要家だけで独立して入るという仕組みにはなっていない。需要家が取引所に参加するためには、結局は確定数量契約を入れて、相対契約で何時何分これだけ買います、という量を入れた人であれば、取引所に参加できる。従って、何らかの形で同時同量がリアルタイムの場面で導入されると、確定数量契約というのが初めて発生し得るようになり、取引所は活性化すると思う。今は人為的に非常に活性化しにくい仕組みになっていると思う。取引所が活性化したら、おそらく部分供給とか常時バックアップを義務づける必要はないのではないか。しかし、まだそこまでいってない段階では何らかの競争促進策をとるためには、部分供給であろうと思う。従って、今の常時バックアップ制度を廃止して、義務づけを廃止して、部分供給にするのがいいのではないかと思う。スポットの活性化に玉出しというのがあり、それはいろいろ相殺されるから無理なのでは、という議論が前あったが、取引所を活性化させるということは、電力会社間の競争が起きればいいのであり、取引所を離れて電力会社に、他地域に発電所を持つということを何らかの形で義務づけることが競争政策としては一番有効なのではないか。
  • 送電会社がM&Aで集約かされたらどうなるのか、とのご質問に回答したい。知っている範囲でお答えすると、まず送電会社がM&Aを続けた結果、1つか2つになったらISOは要らないのか。これは要らない。独占の設備を持っている会社が競争分野の利害関係に影響されてはいけないというのが発送電分離の考え方であり、当然送電網を持っている会社が統合した結果、全国で1つになれば必要はなく、2つになれば広域的な東西間の調整の枠組みがあれば十分。法的分離の場合はどうなるのかという話については、フランスの例は国営の会社だったので日本の例とは多少異なるが、先程、参考資料3で説明した例は民間企業である。民間企業がホールディングカンパニーを設立した。このホールディングカンパニーには様々な規制があり、例えば課長レベルの異動は禁止されていたり、送電会社の課長が発電会社に異動するのも禁止されていたりする。普通の従業員は異動できるけれども、届出を義務づけられている。規制機関に対して届出をしないといけない。事務局案をベースにして私の考えを述べれば、広域性を担保することの緊急性が高いと考える。そう考えた場合、パターン1は、一定の広域のほうの担保はなされているが、中立化という意味においてISOだけで本当にうまく機能するのだろうか。あるいはISOの組織の作り方を誤ってしまうと骨抜きにされてしまうのではないかという懸念が残ることから、所有権分離を見据えた上で、パターン1と2の両方をやるべきではないか。法的分離をして、ホールディングカンパニーの下にまず会社を分け、その時点で中立性は一定程度担保されるだろう。プラス広域性をしっかりとやるためにはパターン1も取り入れる。ISOを全国かつ地方も持った組織、この2つのやり方、法的分離と機能分離を両方組み合わせた、やや複雑であるが、これぐらいはしないとなかなか現状の弊害、問題点を解消する策にはならないのではないか。
    →卸電力市場の活性化については、現在の需給状況が収まった段階で、当面の対策や抜本的対策を考えたい。このような状況下で、過度な非対称規制とか強制措置というよりも、一般電気事業者も入った自主的な取り決めについて、まず積極的に考えていくべきだと考えているところ。卸規制の見直しの件については、発電事業者が長期安定的な投資回収というものが担保される、事業の安定性が確保されるという点から卸供給契約には意味がある。見直しについては中長期的な安定供給を支えていく、自社の電源と同様に大変不可欠な存在であるという需給両方においても非常にメリットのある契約であり、各社事情もいろいろ異なり、影響の大きい会社もあるため、強制的に一律に制約することはないようにしていただきたい。部分供給については、真摯に対応していく所存。そういう場合にガイドライン化ということであれば、部分供給は様々なケースがあり、少し裕度を持って考えていただきたいと考えているところ。マーケットメーカーは強制的に売りと買いを行うということであり、それに伴うリスクも含めて検討して欲しい。
  • 機能分離の場合、所有権はしっかりしており、ただ運用だけを独立機関が行うという方が、国家戦略としては妥当ではないか。また、事務局資料にコジェネのことが記載されているが、熱併給システムをずっと推進してきた立場の科学者として、現在基本問題委員会で議論している、エネルギーミックスの議論では、コジェネレーションという枠で1兆kWhのうち15%程度となっている。これ達成するためにどうしたらいいか。これは今の電力システム改革と兼ね合ってくる。新しい市場形成は困難な面があり、今の取引所の延長線上で考えられる市場創成であればいち早く対応して欲しい。特に分散型グリーン売電市場は、ネガワット市場をつけた形で進めることが重要。 
  • 十分意見交換ができているのは5ページまでと認識しており、それ以外についても重要な論点であり、文章で意見を提出させていただきたい。
  • 同時同量、最終的な電源建設確保、規制機関、あまり議論されていない。是非じっくり議論させていただく機会を設けていただきたい。送配電部分の広域化・中立化に関しては、これは詳細設計を行う段階でその妥当性を評価した上で、考慮すべき事項を書き込んでいないといけない。実情を踏まえた状況をできるだけ正確に把握する必要がある。電力会社に懸念事項を文書で提出していただき、その妥当性を評価しないと前に進めない。
  • 中立性以外のところはまだ十分議論されていない。次回以降もう1回きちんと議論することになると思う。少なくともパターン1、パターン2は必要である点については合意があったのではないか。電力会社の文書が出てこないと議論できないということでもないと思うが、今後の詳細設計を考えれば文書の提出は重要。
  • 今の形は変える必要がある。パターン1、パターン2、これは合理性がある。あえてどちらかといえば、パターン2の方が比較的スムーズだと思うがそれが妥当かは判断しきれていない。
  • 予備力の確保の仕組みという点で、参考としてPJMの例を記載している。基本的に小売事業者が予備力を確保した上で市場に参入してもらう。キャパシティマーケットの創設または、キャパシティマーケットでできない場合には当然自分で電源を持ってきちっと入ってきていただく。この仕組みも有力な候補。是非PJMの案も事務局案の中に入れて議論していただきたい。
    →提案のあったパターン1、パターン2を含め、それから広域の独立組織、これら詳細設計で書き込む必要な点、あるいは技術的に見極めがつかないといった問題点にいては電事連内で少しまとめて提示したい。
  • 送配電部門のパターン1、パターン2について、大きな方向として、大きな反対はなかった。むしろ、詳細設計や書き方にかかわる意見もあったが、皆様の御意見は可能な限りとりいれたい。

文責:資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年6月12日
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