経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成24年6月21日(木曜日)17時15分~21時20分
場所:本館17階第1~第3共用会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株) 岩根茂樹 取締役副社長、中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員、 東北電力(株) 加藤博 取締役副社長、 中国電力(株) 熊谷鋭 常務取締役、 北陸電力(株) 三鍋光昭 常務取締役、 四国電力(株) 山地幸司 常務取締役、 (株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長
(3)経済産業省
髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、米田ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

(1)事務局説明

安永電気事業制度企画調整官より資料3、4に基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 卸電力市場の活性化については、いずれの措置についても現在の需給逼迫の状況が解消されない限り実施できない。卸市場活性化の必要性は認識しているものの、過度の非対称規制や強制措置ではなく、事業者の自主的な取り組みに任せるべき。
  • 常時バックアップについては、本来、新規参入者に対する過渡的な措置であり、量的な面、価格的な面について一般電気事業者の収支面等に配慮した見直しにしてほしい。
  • 供給量についてベース電源比率の定義が曖昧であり、とらえ方によっては電力会社に大きな影響もあるため、電源の稼働実態等を踏まえた慎重な検討をお願いしたい。
  • スプレッドについては、詳細設計はこれからになると思うが、一定のスプレッドで行うと余力が多くても買いになったり、逼迫しても売りになったりといったリスクがある。収支や安定供給へのリスクに配慮頂きたい。
  • 卸電力市場の措置については、原子力発電の扱いも密接な関係がある。原子力発電の措置が決まった段階で改めて制度全体を決めるべき。
  • 卸電力市場について、理想的にはナスダックのようにマーケットメーカーが出現して取引が行われるべき。強制措置は避けるべきだが、現状を考えれば、一定期間はやむを得ないのではないか。代替案があれば提案していただきたい。
  • 取引所のガバナンスの見直しについては、取引所でご議論が行われていると思うが、こちらの考えを改めて言いたい。まず、事務局長、理事、監事については利害関係者を排除し、全員中立者にするべき。また、電力会社からの基金、拠出分は返還して、公共財として財政基盤を整えるべき。証券取引所は市場を活性化するうえで利害は対立しないが、電力市場は市場を活用するかという入り口から利害が対立することになる。したがって、意思決定者には、利害関係者は排除するべきである。
  • 分散型の小口の電力売買が6月18日からスタートしたことについて、対応の速さは高く評価する。
  • ピーク需要に対応するために老朽火力について、例えば、10万kW以下の電源コジェネで代替することも考えられる。電源コジェネは中長期的にはベース電源にもなりうる。短期的なピークカットのネガワットや長期的なベース電源向きのネガワットも創設されるべきだと思う。それにより古い電源から新たな電源に代わり、それが高効率であるため、日本にとって低炭素型に促進できるし、自家用発電を自家消費したり、余れば売電したりと両方にうまく融通ができるようになる。
  • 基本的な認識として、これまで電力市場にはほとんど競争が起こっていなかった。3.11以降、独占体制による弊害が明らかになり、これまでの体制を見直す必要性が出てきたため、競争して需要家が選べる仕組みにすることを目指している。それを実現するために、電力会社に対しては、実務的な立場から前向きなご提案をいただきたい。
  • 強制措置をどこまで入れるかがポイント。これまで事実上の独占事業者であった電力会社に対しては、負荷をかけてシェアを減らしていただかないと競争が起きないというのが現状である。これまで電力会社は独占体制だったからこそ、特権やノウハウ、設備などを得られてきたのであり、これからは競争になるため、ある程度は手放さなくてはならないというロジックである。強制措置は決して無法な措置ではない。
  • 部分供給のガイドライン化、常時バックアップの見直しについては両方とも行うべき。強制的に出さないと自主的な取組では無理。
  • 3年間強制的に実施し、競争が起きれば義務を外すなど、一定の経過措置や規模の小さい電力会社に対する措置期間は短くするといった配慮は必要。
  • 卸供給規制については撤廃するべき。一般電気事業者の補完として実施してきたものであり、自由化したら合理性を欠く。今後は送配電部門については中立化し、競争ができる発電部門は競争させるべき。卸電気事業者の発電量の一定割合については新電力または市場に供出することを義務付けることも考えられる。
  • 10年前であれば電力各社の自主的な取り組みにより卸電力市場を活性化する、との発言について信用できたが、これまでに自主的に電源を市場に切り出すことは可能であったにもかかわらず多くの電力会社は行ってこなかった。これは電力会社の行動としては合理的であり、強制しないと解決しない。直近の取組としても、関西電力を除いて電源開発(株)の切り出し要請に対応していないと認識している。
  • 卸電気事業者の切り出しについても強制すべき。現行契約は独占下で締結されたものであり、私契約とはいえ強制できないか議論の余地はある。自主的にできるのであれば、その方針を示していただきたい。自主的対応でできるなら、役員が命ずればすぐにでも対応可能であり、結果を次の委員会までに示していただけないか。
  • 一定期間でなく、一定量、一定シェアが達成されるまで強制することが必要。量については3~4割やるべきと考えている。競争が働いた後は、タマ出し量を減らすことは可能。常時バックアップ、部分供給については事務局提案内容がリーズナブルであると思う。十分に競争的な市場になるまで実施することに賛成。
  • 卸電力市場へのタマ出しは賛成。電力はどうしたら取引所の取引量が増えるのか提案するべき。
  • 取引所には大きな改革を行うべき。売りについて、電力会社は限界費用に固定費を上乗せしたものを出しており、それでは意味がないと考える。例えば、限界費用から1銭でも高ければ売るべきであり、それが自社の利益になると考える。限界費用よりも高いにもかかわらず売りを出さないのは独占力を行使して価格を釣り上げているということ。売りについては限界費用で出すべきであり、それを行政がチェックする仕組みが必要。この措置については、自社に損はないはずである。取引所取引が十分に機能してくれば部分供給や常時バックアップは廃止すべき。
  • 現状は需給がひっ迫しており、タマ出しをするためには需給の安定が大前提。今実施したら価格が暴騰する。関西電力はネガワット取引を行っているが、基本的には供給力の増強よりネガワットのほうが有効であればピークカットになる仕組みである。しかし停電を避けるためのネガワット取引は価格が青天井になってしまうこともありえるため、このような状況で強制措置を検討するのは危険である。卸の活性化について、電力会社は何もやっていないとの指摘があったが、前回の目標も達成しており、言ってきたことは達成してきたと考えている。
  • 競争については他社の価格を意識して、電力品質を維持しながら、5度にわたる値下げを行っている。他の公共料金と比較しても値下げが進んでいる。震災後の「選べない」というお客様の要望に対して応えるためにも広域的な競争や需給ひっ迫に対して広域的な調整で対応していくつもりである。手段ではなく目的に合わせて変わっていきたいと考えている。卸活性化についても需給状況が戻ればやる。
  • 競争を行うことに対して反対している訳ではないが、過度な形での強制措置はご容赦いただきたい。安定供給を保ちつつ過度なコストはかけられない。
  • 卸電力市場の活性化については、平成21年は約30億kWh程度の取引量であったが、3年で取引量を2倍にするという目標が立てられ、平成22年度には57億kWhに達しており、決められたことには協力してきている。
  • 取引所関係ではいろいろと検討をしており、一時間前市場も創設する。そこでも活性化はやっていく。
  • 取引所のガバナンスについては取引のルール等を決めることになるため、実務の分かる人が必要な面もあると考える。
  • 実務の分かる人が運営委員会やタスクフォースに入ることはあり得ると思うが、意思決定の中には入るべきではないと考える。
  • 卸電力取引市場に限界費用で売りに出せば、取引価格が下がることになる。それにより取引所で買える量が増えることになることから少なくとも限界費用で売りに出す運用にするべきではないか。
  • 供給力がない事態では、そのようなことが起こるとはあまり思えない。
  • 十分に供給力を出し尽くしているということであれば、限界費用で売りに出しても損をすることはないと思う。
  • 売りに出せる電力会社が出して、他の電力会社が買うという状況にするべきである。
  • 供給できないということは、限界費用が無限大となり、強制されても何の影響もないということではないか。
  • 電源開発(株)の切り出しの可能性についてどの電力会社からも回答がない。その点について教えてほしい。
  • 今まで目標については協力してきたとあったが、取引量の実績がネグリジブルであったものを2倍の目標にして、十分だと言えるのか。例えば、需給が厳しい場合の停止条件付きで卸電源を3割切り出すという方向性を示すことについてはどうか。
  • 当社は電源開発(株)や共同火力、IPP、広域水力といった様々な卸電気事業から電気を購入しており、その割合は当社全体の供給力の1/3に当たる。それぞれの発電所には計画段階から関わっており、自社電源と同様の役割を果たしている。これらの相対契約が強制的に市場に投入される場合、安定供給が果たせなくなるおそれがある。また、強制タマ出しにより新電力に供給力を確保するスキームは、新電力の電源開発インセンティブをなくすことになるのではないかと懸念している。
  • 卸電気事業者とは双方で契約しており、電源の計画・建設時点から協議し、コスト負担もしてきている。卸電気事業者にとっては安定的に売り先が確保でき、電力会社は安定的に供給力を確保することができる関係になっている。民民の契約のいいところは生かしていきたいと考えている。
  • 3.11以降は需給がゆがんでおり、このような状況で強制措置を講ずることは卸電力市場もゆがむおそれがあることは配慮するべきである。
  • 卸電気事業者からの切り出しについては、基本的な契約で決まっている出力以外の余力については見直しをすることでよいのではないか。その際に固定費の負担について検討が必要になる。需給の歪みが是正された段階で自主性に基づく何らかのターゲットを設定した活性化策を行い、その後、強制措置を講ずるべきではないか。強制措置については、あくまでも過渡的な措置として考えるべきであり、長期間継続すると市場がゆがみ、国民への利益が薄れると思う。
  • 卸電気事業者との契約については、修繕により途中で追加の資本を乗せるといったことも行っており、固定費の考え方も難しい。固定費ルールや追加分の切り出しについては議論していく。
  • 常時バックアップの供給力拠出については、電源建設インセンティブに悪影響があるため、健全な電力市場の育成の為には、時限的な措置とするべき。電源建設へのインセンティブ付与も検討すべき。
  • 一般電気事業者や卸電気事業者の供給力は独占企業だったからこそ、得られた産物であり、新電力はベース供給力を持っていない。これでは競争にならない。競争環境がそろうまでの間はある程度の措置は必要である。
  • 発送電一貫を前提として、発電部門がないと安定供給が成り立たないという主張は今までの議論とかみ合わない。全体のバランスを図るのはネットワーク部門であり、日本全体の供給力を最適化して有効活用をしていこうという議論である。
  • 供給力が不足している中で需給が安定するまではシステムを変えられないという主張は説得力があるが、あくまでも長期的な方向性を検討しているのであって、短期的な話ではない。
  • 先ほど自主的な取組でも良いと発言したが、撤回する。
  • 強制措置でタマ出しすることは需給ひっ迫の状況では困難と主張されているが、規制で供給力が出されれば、限界費用ベースで出されることになるため、全部が買われてすべての電源が稼働することになる。したがって日本全体でその電気が失われることにはならない。需給ひっ迫状況では、それなりに高い値段になり、日本全体で動くべき電源が動くことになる。
  • 資料8に基づき説明。
  • 電力会社の方から現状の需給ひっ迫の状況では供給できないとの意見があったが、当社から見れば、お客様は当社に供給してほしいと待っている状況である。当社が供給力を購入した場合、デマンドレスポンスやアグリゲーションなどのサービスによりネガワットを作り出す仕組みを持っており、電力会社が供給される以上に需要を抑制できると考えている。全体の需給バランスを考えても影響がなく、お客様への要望に応えることなると考えている。
  • 総括原価方式や公益特権は電気の使用者を保護し、電気事業を健全に育成するための財産であり、過去のルールで得られたものを解放することは短絡な議論ではないか。
  • 最後の安定的な供給は誰が果たすべきなのかという問題にも関わっており、総合的に判断していくことが必要。市場への供出も、全く行わないと言っているわけではなく、過度な強制には配慮して欲しいという趣旨。
  • 一般電気事業者に対する厳しいご意見をいただいているが、一般電気事業者は国の政策に基づき、地域社会や立地地域にもご協力をいただきつつ、発電、送電、配電といった電力システムを整備してきた。地域的特性や地域の事情を考慮しながら、全体のシステムを最適にし、安定供給を行ってきた自負がある。電気は国民の生活に欠かせないインフラであり、制度改革については、お客様の視点に立ったメリットやデメリットを十分精査した上で検討するべき。
  • 通信事業において、民営化によりNTTの独占体制にならないように協力をさせてきて競争環境になったことを考えると、ある程度、今までの権利は放棄して協力していくといいう発想が必要である。消費者からみれば供給者を選べるように様々な事業者が入れるようにしてほしい。
  • 電力会社からは慎重な検討が必要という意見が多いが、注文するばかりでなく、むしろ市場を活性化するための前向きな意見を出してほしい。
  • 電気事業連合会からご提案された1時間前市場があったとしてもリアルタイム市場は必要であると考える。どのような条件が整えばリアルタイム市場を作ることができるのか次回の委員会で事務局から提示してほしい。
  • 卸市場へのタマ出しについて、稼働している供給力まで市場に出してほしいという意味ではなく、余っている電源について限界費用で出してほしいという意味で申し上げている。事業者にとって無茶な話ではないと思う。
  • 予備力の確保についてはエネルギー市場型とキャパシティ市場型に分かれる。エネルギー市場型では固定費回収が重要であり、ピーク電源は暴騰の可能性がある。テキサス州ではエネルギー市場型の競争的な市場が形成されており、高い評価を受けている。ガスへのアクセスが容易であり、リアルタイム市場もあり、再生可能エネルギーやコジェネなどの分散型電源の導入にも積極的に取り組んでいる。しかしNERCの評価によれば、ここ数年は、需給ひっ迫が懸念されている。これは卸価格が低いため、固定価格の回収が期待できず、発電への投資が進んでいないという評価を受けている。これを解消するためには事務局案のような何らかの政府の補完的措置が必要となる。
  • 1時間前市場の議論を進めつつ、リアルタイム市場についての共通認識はするべき。
  • 1時間前市場までは需給をバランスさせており、30分同時同量を達成している。その後、広域の中給の制御により細かなバランスを取っている。しかし、リアルタイム市場の価格は限界費用になるとは限らず、事後精算にしか使えないのではないか。
  • リアルタイム市場の詳細設計をこの審議会で行うかは議論があるところだが、リアルタイム市場の共通認識を持つことについては賛成。
  • リアルタイム市場について、パターン1(機能分離)やパターン2(法的分離)のいずれにしても中立性が確保されれば、実需給を行う者と発電を行う者が分かれるので、必然的に今までのような内部取引はなくなるはずである。したがって、何らかの取引は発生するはずである。こういう相対を含めたマーケットがリアルタイムマーケットと考えている。
  • 短期的には10の地域に別れて需給調整することは避けられないと思う。その場合、圧倒的に一般電気事業者が力を持つことになるので、何らかの規制が必要であることは委員の中でコンセンサスが得られていると思っている。八田委員の主張するリアルタイム精算は売り買いのマーケットのようなものではない。いずれにせよ何らか取引化されることはピン留めしたい。
  • リアルタイム市場をイメージするには同時同量のイメージと不可欠に結びつく。1時間前市場価格にプレミアムを加えたものでインバランス精算を行うことについては、実需給のひっ迫状況を1時間前市場がもっとも反映しているとの考え方があるものと考えており、これは1時間前に計画値を提出する計画値同時同量と整合的である。この場合、1時間前市場価格がとてつもなく重要であり、ここで規制が重要になる。供給スケジュールと突き合わせながら1時間前市場価格と限界費用の整合性を確保すべき。八田委員は1時間前市場価格の適正性を限界費用でチェックするのではなく、むしろ限界費用でインバランス精算を行うべきとの主張であると理解。
  • 限界費用で卸電力市場に出すことは、供給力が回復されれば行うつもり。インバランスの清算については、基本的には松村委員ご指摘の方向で考えている。透明性確保の重要性も理解。1時間前市場は全国1市場であり支配性は薄いが詳細設計の中で検討する必要があると考えている。計画同時同量は1時間前市場でインバランスが少なくなることがわかれば前向きな検討が可能である。
  • 同時同量を達成するため、新電力が増えていく中で、インバランスを小さくするインセンティブが必要。
  • リアルタイム市場については、インバランスとアンシラリーを同時に達成しており、どの部分がインバランスで、どの部分がアンシラリーか判別不能。
  • リアルタイム精算はインバランスを小さくするために必要なもの。リアルタイム市場の詳細設計については別途、海外の事例等も踏まえつつ検討が必要である。
  • 需給の透明性が図れば、新電力や発電設備保有者が価格に応じて動き、需給の調整インセンティブが働くことになる。
  • 基本認識は、(1)限界費用が刻々と公開されていること、(2)限界費用に合わせて追加発電や節電が行われること、(3)事後精算ではあるが参照可能であること、(4)1時間前市場とリアルタイム市場の裁定取引が行われること、である。ポイントは最後の限界費用である。1時間前市場だけだと、市場操作の余地があると考える。
  • 海外ではリアルタイム市場で清算することは当たり前になっているが、いきなりリアルタイム市場を導入しなくとも、まずは電力会社ごとに行政がチェックする限界費用で清算することでもよいと思う。
  • リアルタイム市場を作ることは賛成。発送電分離により必然的にリアルタイム市場が創設されるという点にも賛成。現状の発送電一貫体制では、内部で取引されており、その価格が公開されないため、透明性がないという批判を受けることになる。
  • 現在、2つの発送電分離の形が示されているが、法的分離を取った場合、全国の広域の系統運用者を作ることになり、9つの系統運用者と9つのリアルタイム市場ができることになると考える。一方、機能分離を取った場合、全国的なISOを作り、全国レベルのリアルタイム市場になると考えている。
  • 当面の間は9つのリアルタイム市場になると申し上げた。パターン1であっても少なくとも短期的には1つの中給で全体を管理するのは無理。集約についてはコストベネフィットや技術面から判断していくものと考えている。
  • 短期的に9つということであれば理解。中長期的には統合すべき。
  • 同時同量は、デマンドに供給力が対応しなければ電圧や周波数に影響が出るため、重要であることは理解。ただし、大規模集中型の電力会社と市場のシェアが数パーセントの新電力それぞれ同様に同時同量を課すことは市場の活性化という観点からは難があるのではないか。
  • 電圧の変化と需給のバランスは直接影響しないと考える。
  • 需給バランスは系統の周波数に影響がある。例えば50Hzの地域では周波数を48.5~50.5Hzの間に調整しないと、火力発電所を動かせなくなる。
  • 震災後、需給ひっ迫が起きたが、このような事態を避けるため、1時間前までには3%の予備力は確保することが望ましい。予備力3%を確保しつつ、それ以外で技術的に立ち上げられる電源は全て1時間前市場に出せば良いのではないか。価格も限界費用に近いものになり、インバランス精算にも使えるのではないかと期待している。火力発電所の立ち上がりスピードなどの制約はあるため、電源の持ち替えがうまくいかないこともあり得るが、余った電力が最適化されることを期待している。
  • リアルタイム市場における系統運用者を広域化するためには、各エリアの連系線の増強が必要になるため、整備が整う10年、15年の間はエリア内で調整しなければならないと考える。
  • 再エネのしわ取りも入れると調整容量は不足する。よって、ほぼ全ての電源を活用して調整しなければならない。このような状況を見据えてリアルタイム市場を検討すべき。
  • 連系線は太い所や細い所もあり、当初は10の地域でリアルタイム市場を作ることになるが、最終的に1つまたは2つの市場にするには15年程度かかり、広域化については、日本の連系線の制約に沿って行われるという理解でよいか。
  • 技術的な制約を考慮して、可能なところから変えていき、制約に対しては時間をかけてやれる範囲で検討すればよいと思う。
  • 同時同量について、各事業者において達成する仕組みになっており、全体で見ると無駄が多いと思う。新電力のシェアが大きくなると安定性の面から問題になるのではないか。そのため全体でバランスを取る仕組みが必要である。そのため、電力会社の営業部門を含め、全員に計画値同時同量を課すべき。系統運用者が調整力を確保するためのリアルタイム市場も必要。
  • 前回の委員会でゲートクローズ時点のバランスの状況提出は可能かという質問があったが、それは可能であり、1日前は当然だが、システムの一部改修により、1時間前でもできる。
  • 最終的な予備力確保について、誰が最終的な供給力を担うのか検討することが重要。
  • 供給力を確保する方策としてキャパシティマーケットというものがあるが、瞬時のバランス、短中期的なバランス、長期的なバランスまで様々あり、必要となる時間軸の定義を明確にする必要がある。
  • 発送電分離により、事業者の競争が起きると長期の電源開発の確実性が公募で担保されるかについては疑問がある。
  • 電源開発を入札に移行することを考慮すると、高効率の火力への長期的な開発インセンティブが少なくなることは懸念。
  • 供給力の確保の確実性や公平な競争促進の観点も踏まえて民間の活力を生かした電源開発のインセンティブが働く仕組みの検討をお願いしたい。新電力を含めた小売事業者が予備力を確保する仕組み、民間の活力で電源投資が進むインセンティブが必要。
  • 供給力確保について、5~6年の期間でできる電源は、本来、小売事業者が等しく予備力を確保すべき。新規事業者もシェアが増えれば義務を持つ。10~20年の期間を要する電源は、広域機関が中長期の電源計画をチェックして、必要な電源は公募することで対応できる。
  • 電源が足りない状況では新電力が予備力を確保するのは無理という議論もあるが長期的には全員が負うべき。短期的には一般電気事業者が負い、コスト回収は保障すべき。新電力シェアが大きくなれば、等しく予備力確保義務を負う制度に移行するのが自然。
  • 規制機関の在り方について、原子力については震災による原子力事故を踏まえて原子力安全規制庁ができることになった。電力システムも同じように、規制と推進を分離、すなわち経済産業省から離した監視体制にするべき。
  • 規制機関の在り方について、新しく機関を作るのではなく、すでに独立した組織である公正取引委員会が電力市場のルール作りを行うことにすれば良いのではないか。
  • リアルタイム市場が10できるという点について、それぞれの市場が補完関係にあれば、自然に集約されていくと考える。また、市場のルールは状況に合わせて継続的なメンテナンスが必要。
  • 規制機関は、上から規制だけでなく、新規参入者の不満の窓口機能も果たすことで、市場の声を受けて反応し、市場改革をするような機能を持つことが望ましい。
  • 予備力の確保については、小売事業者が担うべき予備力の定義を明確化するべき。そのうえで、役割分担、環境整備を検討するべき。新電力のシェアが拡大した場合、応分の役割を分担するべきと考えている。
  • 市場の公正さを担保するためには、非公開の情報を監視して、ルール通りに運用しているかチェックする仕組みが必要。
  • 規制機関の人材については、電力との利害関係者を入れるべきではない。
  • 予備力の確保については、供給力を営業用と予備力に分離することが必要。将来、発送電分離によりリアルタイム市場ができるのは当然としても、それまでの間、今は電力会社が自前で払っているような面があり、予備力の費用を明確にすべき。
  • 今お話があった短期の予備力とは違う話になるが、長期の予備力については、ある程度の供給力を持つ小売事業者は予備力を確保して市場に参入する仕組みにするべき。
  • 発送電分離や小売自由化により供給力を確保する発電事業者と需要の拡大を予測する小売事業者に別れると、長期的な10年先の供給信頼度を評価することは難しくなる点が心配。詳細設計において十分な議論をするべき。
  • 我が国の電気事業は民営であり、欧米とは状況が大きく違う中で、必ずしも独立規制機関を置く必要はないのではないか。仮に独立規制機関を設置するのであれば、資源エネルギー庁、ESCJ、公正取引委員会などの既存組織の役割を踏襲した上で、欧米での事例も参考にしながら検討するべき。いずれにしても、広域系統運用者の運営に屋上屋を課す非効率な形を避けるべき。
  • これまでの委員の意見をまとめると、事務局が示した卸電力市場の強化策は必要で、規制色が低いものは競争が働くことを確認した段階で速やかに廃止するべきであると認識。過度な規制にならないように考慮するとしても事務局案のような一定の対策の必要性は委員間で同意したということではないか。
  • 今の同時同量を見直し、計画値同時同量を当然に導入することについても、詳細はともかく方向性は委員間で一致したと理解。
  • リアルタイム市場については、定義は別途検討するとして、少なくとも内部取引がなくなり、透明化された市場にすることに委員の同意が得られたと認識。
  • 独立規制機関については、独立性や専門性を高める必要性から人事については、ノーリターンルールを適用するべきという意見があったが、癒着については3つのレベルがあると考えている。1つ目は、天下りや研究費を期待するような「癒着」、2つ目は、人事のローテーションが多い行政職員が電気事業者に頼らざるを得ない状況である「依存」、3つ目は、電気事業者の力が強く、納得するような政策でないと動かすことができない「懐柔」である。3つ混在させると、行政当局も気の毒だし、規制機関の人が癒着したら目も当てられない。
  • 専門性を高めて依存をなくすということであれば、ノーリターンルールを適用することに意義はあるが、他の自由市場を見てきた人材も必要ではないか。公益事業委員会のようなものを作り極めて大きな権限を持たせることはメリットもデメリットもあるので慎重に議論すべき。
  • 独立規制機関の人材を全員に対してノーリターンルールを課すことは無謀。中堅以下は色々な経験を積む必要もある。
  • 先ほど、民営である電気事業には規制機関は不要ではないかという意見があったが、理解できない。民営のドイツでも規制機関はある。
  • 癒着の3分類の指摘があったが、政治からの独立性も重要。独立機関が決めたあとに政治が覆すことはもちろんあり得るが、そういうプロセスが踏める。規制機関の人事は独立性を保つことが重要であるが、規制機関同士の人事交流はあり得るのではないか。
  • 資料6、7に基づき「事務局案(機能分離型又は法的分離型)を実施した場合の懸念点」について説明。
  • 懸念点をクリアする工夫をすれば、機能分離型、法的分離型、いずれのパターンを選択しても安定供給に問題はないという説明だと理解した。
  • 新規参入者の電源が増えても安定供給が達成できないという主張なのか。
  • 新電力がシェアを拡大場合や、一般電気事業者が他社エリアに進出した場合、ルールの構築が必要。発電事業者に対してどのようなインセンティブを与えるのか、その費用はどこから捻出するのかなどの検討が必要。新電力の電源が増えると同じ問題が生じるかについては、発送電分離の必要条件ではないのではないか、ルールをきちんと決めれば解決できるので、十分検討すべき。
  • 時間軸や費用対効果、安定供給への配慮が必要であることは理解するが、懸念があるからできない、ということではないはず。これまで一般電気事業者の「供給責任」と言われていたものも、送電部門、発電部門がそれぞれ安定供給上責任がある。アメリカでは発電部門、送電部門、小売部門など、機能別に基準・要件を設ける枠組みになっている。
  • 地域独占をなくして分離しても、懸念がないように設計すれば良い話。大災害時にも協調が必要だというのも重要。発電と送電が分離していたら危ないということであれば、今の制度でも、新電力のシェアが増えたら危ないということと同義なので、そのようなシステムは速やかに見直すことが必要。電源開発(株)の発電所は現状の制度でも送配電部門から分離されているが、電力会社との連携が悪く、問題が生じていると言えるのか。
  • 災害が起きた際にどのような体制が組めるようにするのか検討することが重要。中立化については発電部門と送配電部門の情報遮断が重要であるが、緊急時への対応についてはルール化しておけばスムーズに動くのではないか。他社電源である共同火力の発電所との関係では、速やかに災害復旧ができており、情報の共有化が非常に大事だと申し上げただけ。他社の発電所が劣っているとかいう意味ではない。
  • 大きな改革を行うと元に戻すのは難しくなるため、改革による懸念事項について議論することは有効である。また、システム改革は全体の効率化を目指すものであり、費用対効果の検討も重要。
  • 説明いただいた懸念事項については、詳細設計あるいは運用の段階においてできる限り配慮するべきものと理解。
  • また、個別の電力会社ごとの懸念事項や、今日提示いただいた懸念事項について、どのような解決策があり得るか示していただくと、より理解が深まるのではないか。
  • 資料7で中立性を確保していると主張されたが、資料6では発送の協調が必要だと言われており、そんなに協調が必要なら、やはり中立性は保てていないということを明らかにしている。自由化市場で安定供給するためには、発送電分離したシステムが不可欠。一貫体制だから、連系線の整備や、広域運用が足りなかった。地域独占の一貫体制では北海道の風力が東京に送れない、送らない。震災後の自家発の活用が不足したのもそう。今後は様々なプレーヤーの参加が前提。それぞれの懸念点には制度的に十分対応が可能。電源トラブルの予兆や需給逼迫時の協調など、一般電気事業者の方がお認めになったとおり、ルールをしっかり決めることでほとんど対応できると思う。ルールがない中で社内でだけ協調している現状の方が問題。発電事業者もルールに従ってもらう仕組みにすれば多くの問題が解決する。
  • 今までの電力システムは、平常時は問題ないが、災害などにより需給がひっ迫した場合に需給の調整が効かなくなる問題が生じることは今まで指摘してきた。それが震災で顕在化した。分離は、危機の時に有効だという側面もある。分離するとISOやTSOが安定供給に対して責任を持ち、停電にペナルティを課す北欧の事例もある。
  • 過去に自由化を議論した際に発送電分離は物理的に可能というところまできたが、電力会社から発送電分離の良い所は生かし、現状で中立化を図るという意見があり、様子を見るという結論になった。
  • 懸念点は、詳細設計で考慮するのは当然。電力会社は、外国で懸念点をどう解決しているか徹底的に調べて前向きに対応して欲しい。
  • 以前の原子力を50%に拡大していくという前提では、発送電分離を行っても市場にプレーヤーは参入しにくく、ある程度の一貫体制であっても安定供給に資すると考えていたが、最近は縮原発という方向性に変わり、原子力の代替となる分散型電源を拡大するうえで、分散型電源の実力を十分出すためには発送電分離が必要となってくると考える。
  • 時間軸が問題であり、全面自由化と同時に実施するのか、ステップを踏みながら進めるかは議論の余地がある。
  • 発送電分離は私的財産の侵害、憲法違反という議論があるが、分割が憲法違反なら独禁法が憲法違反になってしまう。機能分離や法的分離がそんなに大きなハードルなのだとしたら、所有権分離も同じハードルなのか。パターン1,パターン2で所有権分離が外されていることの意味もだいぶ変わってくる。
  • 現状では、供給責任、最終的な周波数調整を電力会社が担っており、電力会社のシェアが小さくなった時に、アンシラリーやインバランスの調整がなくなり、今のままでは難しくなる。それを電力会社と新電力がそれぞれ持つとすると、まとめてしっかり周波数調整する機関が要るので、ある時期、ISOなりTSOなり、何か違うものが要るのではないかという認識は持っている。それがいつなのかという観点から時間軸について指摘した。
  • ISOとTSOは、需給と系統の制御が分かれるか、一緒なのかが異なり、技術的に違うのかどうか、設計次第では影響ないかもしれない。また、調整力をどう役割分担して、どう給電指令するか、今後議論が必要。また、電源の広域的活用を進めると、連系線の強化が必要になり、系統の構成が変わると制御の仕組みも変わってくる。これがパターン1とパターン2で違う仕組みが必要だとすれば、そこを見極める必要がある。将来ずっと現状のままということではなく、ステップバイステップと申し上げた趣旨は、この見極めの問題。それまでは何もしないのかと言われれば、全面自由化の中で競争・中立がおろそかにならないように、設備計画、接続検討、情報開示、系統運用など、広域の独立組織で対応していきたい。
  • 電源開発(株)の電源は、安定供給に役立っているが、いろいろな電源の作業調整は自社電源に比べて調整が効かないのが実情。そのため、結局、自社電源で調整している。
  • 資料7について、誤解に基づくものや推測の域を出ないものもある。中立性への疑義については、現行の枠組みで対応可能であると考えている。一足飛びに分離ということではなく、問題の所在がどこにあるのか明らかにしていただきたい。ネットワークの利用ルールや託送料金の透明性・中立性の確保については、政府が示した「適正な電力取引についての指針」に基づき対応してきた。
  • 託送料金については引き続きコストダウンに務めるが、省令に基づき算定し、毎年度、託送業務に関する収支は公表し、行政及び会計士の監査を受けている。このように、現状でも中立性を確保していると認識している。また、市場監視小委員会においても問題となるような報告はされていないと理解している。このため、広域的な組織における系統情報の開示、託送サービスの受付などにより一層の中立性向上が図られると認識している。
  • 大臣から大きな方向性について一定の取りまとめという話があったので、次回はこれまでの議論を整理して、取りまとめに向けた議論をお願いしたい。

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最終更新日:2012年7月5日
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