経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第8回)‐議事要旨

日時:平成24年7月13日(金曜日)18時~20時14分
場所:本館17階国際会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株) 岩根茂樹 取締役副社長、中部電力(株) 勝野哲 取締役専務執行役員、 (株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長
(3)経済産業省
髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

(1)事務局説明

安永電気事業制度企画調整官より資料3に基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 発送電分離が完成すればリアルタイム市場もできることになるが、発送電分離の完成を待たなくてもリアルタイム市場は創設するべき。なるべく早く、インバランス料金にリアルタイム市場の価格を適用するべき。
  • 事務局提出資料のリアルタイム市場の成立条件については一つの見解であって、これだけがリアルタイム市場と呼ばれるものではない。リアルタイム市場といってもいろいろあり、予備力の調達及び運用を決定するものとしては大陸・ヨーロッパ型のリアルタイムマーケットが参考となる。そこでは必ずしもメリットオーダーの価格で決済されている訳ではない。
  • 取りまとめていただいた基本方針はわかりやすくて説明がしやすい。
    P4の「安定供給マインド有するすべての供給者が」という書きぶりを「供給者のすべてが安定供給マインドを有する」と変更した方がよいのではないか。
  • 節電が電力選択の一つであることを明確に記載したことは消費者に対してわかりやすい。
  • 非常に格調の高い基本方針を示していただき感謝。
  • これまで60年間に亘って電力システム技術者が取り組んできた日本の電力システムについて評価していただいたことはありがたい。
  • 安定供給マインドを持たない供給者には市場に入るべきでないので、元の文でよいのではないか。
  • 基本方針の各所に「安定供給」をちりばめてもらったことは非常にありがたい。
  • P11の卸電力市場の活性化は極めて大事で、もともと電力システムは小さな地産地消でできており、それがだんだんとつながりながらネットワークとして大きくなっていき、今の地域区分になった。「自らの電源を自らの地域のために活用する」という点については、立地の問題もあり当然。風力発電などエリア内で制御不能なものは広域で制御し、安い電源は広域で利用し、全国題で最適に活用するという点もそのとおりだと思う。
  • P12の一時間前市場については、日本型のリアルタイム市場として十分機能するのではないか。
  • 関西電力の提出資料について、100億kWhを超える売り入札をするとあり、1社でこれだけ出るのであれば相当な量になる。評価したい。
  • P24の連系線の見直しについて、広域の調整機関はシステム化が必要であるため、詳細設計の際には時間軸やコストも含めて検討が必要。
  • パターン1、2についても、コストや時間軸の観点から詳細に評価して議論できれば良いと考えている。
  • 基本方針案はコンパクトかつきれいにまとまっており高く評価する。細かい点で幾つか指摘したい。
  • P16について、発電所を設置するのに5年ないし10年かかるが、送配電設備の設置が伴うとさらに期間が必要になることを踏まえ、送電設備の建設にも長期間を要することを追記すべき。
  • 法的分離について「実施には相当の時間を要する」との記述があるが、機能分離であっても相当な期間を要すると考えられ、法的分離のみ時間がかかるわけではない。
  • 市場の設計は、海外の電力取引市場だけでなく、金融など国内の他の市場なども参考にして制度設計すべき。
  • 全面自由化し、パターン1か2をやり、競争基盤を整備し、詳細設計を今後きちんと行うという基本方針に賛成。細かい点で幾つか指摘したい。
  • 基本方針には最終的な姿については記載があるものの、実施時期については濃淡があるはず。時限措置については詳細設計時に検討するものと理解。
  • 具体的には、P6(2)の規制料金の撤廃については、最終的に自由料金にすることは了解するが、競争環境が整うまでは経過措置が必要ではないか。経過措置が不要であるというコンセンサスがあるわけではないと理解。通信市場においても経過措置は講じている。
  • P19について、法的分離は「相当な時間を要する」とあるが、考え方によっては機能分離の方が時間を要するのではないか。法的分離にのみ記載があるのはバランスを欠くのではないか。不公平に扱う手段が残されているため、規制がそれなりに必要で、規制のつくり方が難しい、といった記載で良いのではないか。
  • マスタープラン中間報告書については、この委員会においてオーソライズはしていない。報告書の内容については最低限必要であるものの、十分であるとは思っていない。当然やるべき事項が記載されており、これを中心に他のことも検討していく、という記述とすべきではないか。
  • リアルタイム市場についての議論があったが、リアルタイム市場に限らず、先渡市場やスポット取引、一時間前市場などあらゆる手段について、すぐできるものはすぐ実施し、時間がかかるものは検討するというのが基本的な考え。時間軸をリアルタイム市場についてのみ取り上げる必要はないのではないか。
  • ブロック取引については震災前から十分議論がされており、それが現状においても実現されていないということは取引所の怠慢である。すぐに行うべき。
  • 現場の高い士気や安定供給に対する意識は日本の宝であり、技術も世界に誇ることである。一方、その中にも脆弱な部分があり、その弱い部分についてはシステム改革によって変えていくことが必要であって、今までのシステムで問題なかったという解釈になるようでは困る。
  • 日本の人材は宝だとすれば、詳細設計において、特にパターン1、パターン2を設計する段階で、現場の声を聞くことも必要かもしれない。現場の今までの蓄積を壊してしまうと大変なことになるので、これまでこの委員会で重役の方のお話を伺ったことも意味があったが、現場の方の声を聞く機会を設けても良いかもしれない。
  • 随分明快な報告書になって、その点が一番良い。
  • 卸市場の活性化について、供給予備力を超える電源は卸市場に投入する考え方が記載され、非常に明確化された。
  • 分散型電源促進には送電料金を地点別料金に変えることや受電料金と送電料金を変えることが必要。需要超過地に対しては発電に対して補助金を出したり、東北のような需要の少ない地域では受電側である工場の立地などに補助金を出すような仕組みを検討するべき。
  • 規制機関については、人事はノーリターンルールが必要になるが、強いインセンティブがないと優秀な人材は集まらない。例えば手厚い待遇や、外部から広く公募などを行うべき。
  • P15について、供給力、供給予備力の確保の記述があるが、現状では供給予備力について厳密に定義されていない。発電部門は営業用と予備力用に区分を行うべき。これは分離する前に実施すべきこと。それが予備力確保のインセンティブになる。
  • P22のインバランス料金の透明化については、1時間前市場の料金を決算に適用するなどの決め打ちの議論を外して詳細設計で議論を行うべき。インバランス精算はリアルタイムの限界費用で行うべきであり、1時間前市場の価格を適用することは反対。市場操作の温床になる。少なくとも卸活性化の文脈で1時間前市場を記載すべきではない。
  • 家庭部門の自由化は多くの消費者に選択を与えることになるが、価格規制の撤廃は社会の要望だとは思わない。規制料金を維持しつつ、競争環境が整ったら料金への自由を少しずつ与えるべきである。
  • 報告書はかなり明快に書かれて斬新な内容にまとまっている。細かい点は完全に一致していなくても、こういう方向で詳細設計に向かっていくことについては賛成。
  • P15の供給力予備力確保について、一定規模以上の事業者に課すことになるが、予備力が余ってしまった場合に運用できる仕組みがなければコスト上昇の要因になってしまい、競争政策にも支障をきたすことになる。そのため、バランスをよく考えて検討を行うべき。
  • P16の参考図(供給予備力の考え方)について、予備力の水準はエネルギーミックスに依存するもの。7~8%というのは一貫体制を前提としたもの。再エネの導入や市場動向によって適正な予備力の水準は変化するものであり、固まったものではないと考えている。
  • 事務局提出資料はリアルタイムマーケットの一つの例であって、これがすべてではない。委員によってはリアルタイムマーケットのとらえ方が異なるので、今後、詳細について検討が必要。
  • タイムテーブルをどのように示すかについては費用対効果や安定供給を実現する観点からも大変重要。
  • 報告書については、明快に方向が示されていて、大変いい。
  • 経過措置や改革の全体の進め方は大変重要。送配電部門の中立化をせずに小売自由化を進めると規制なき独占に陥ることになる。改革に一定の時間をかけて経過措置を設ける場合であっても最終的な姿とそこに至るまでのタイムテーブルを示すことは重要。
  • 規制改革を進める時、事業者の反対で、中途半端な自由化をして失敗する。挙げ句に規制緩和がよくなかったんだという話になることがよくある。規制改革は全体を包括的に行うことが大変重要。
  • 報告書案は、非常によくできていると思う。一つは、大胆な、まさにシステム改革と言うにふさわしい内容になっている点。もう一つは、この報告書は、非常に公正な、ちゃんと委員で議論したことを忠実に反映した内容になっている点。
  • 一方で、これまでのシステムを評価する部分があり、それは非常に大切なことだが、だからこれまでのシステムを維持するんだと捉えられないようにして欲しい。
  • P19の発送電分離について、機能分離「又は」法的分離を検討するだけにとどまらず、両者を併用することも選択肢に加えるべきである。
  • また、所有権分離がもっとも望ましいと考える。欧州では所有権分離が基本になっている。将来的には所有権分離を検討することも強く言及するべき。
  • これらについて、他の委員の方の御意見も是非伺いたい。
  • 「予備力を超える電源の市場投入」を高く評価するとの委員の発言があったが、「前提とする」という表現は当然行うことであって、「さらに」ということは、追加で行うことであると理解。
  • 発送電分離は手段であって、中立化が目的であると理解しているが、機能分離または法的分離のいずれでも中立化が十分機能するのであれば、そこにとどまることでよいとするべき。所有権分離が必ずしも最終形態ではない。ただ、「効果を見極めたうえで長期的に議論」であれば反対しない。
  • 電力会社から本日提案されている自主的な取組については、大変意欲的な提案であり、是非やっていただきたい。自主的取組に対する信頼性はかなり上がると思う。しかし、前提条件も色々記載されているので、実際にどうするかを見極めてから評価したい。
  • 前回、四国電力から意見のあった「J-POWERの電源は融通が利かない」点について、具体的にどのような問題であるのか詳細を求めたい。本来自社が持つ電源より融通が利かないということであれば、どういうタイミングで、どういう情報提供を行い、どのような要請を行い、その結果、電源開発がどのような対応をしたのか。具体的にどの電源を指しているのか詳細に教えてほしい。それによりどのような問題が潜在するのか書面で提出してほしい。これにより、より実態に即した将来設計を行うことが可能になる。
  • 発送電分離は手段、中立化は目的であって、たとえ会計分離であっても中立化が十分達成されればそれでよいと考えている。効果が不十分であれば次の方策として所有権分離を検討するべきである、目的が達成されないのであれば次の手段も考えなければいけないということを示すべきという趣旨で申し上げた。
  • 今の制度を作る時にも、うまくいかなかったらもう一歩進めましょうという話だった。まさに今それをやっているということ。
  • 卸市場への電源供出についての中部電力の提案は画期的である。
  • 1時間前市場の創設は良いが、広域系統運用機関が市場運営も行うとある。卸電力市場とシステムオペレーターが行う取引とは種類が非常に違うものであり、1時間前市場は卸電力取引所にやってもらえば良いのではないか。
  • 報告書は、大きな方向性が出ている点で評価しており、細部にわたってはこれから時間をかけてじっくり考えていく必要がある。
  • 機能分離と法的分離を両方行うのは複雑すぎる。所有権分離は民営資本の事業者に強いるのは不適切である。
  • 2030年に向けた電源構成として大型の大規模集中型と分散型電源の比率が7:3である中で、分散型電源がいかに市場に入ってくるか重要であるが、ベースネガワットや需要地密着性について託送システムに組み込むべき。託送の条件については、もう少し突っ込んだ記述をしても良いのではないか。
  • 新電力が電源立地を行うことはリスクが高い。リスクを減らすような制度設計を行うべき。電源立地をしやすいような市場が必要。
  • 欧米でのアンバンドリングの議論において、10年前は所有権分離が重要であるという議論がされていたが、最近では再生可能エネルギー政策が強化され、エネルギー政策に応じたネットワーク増強のあり方が今日的な課題になっている。所有権分離は過去のテーマになりつつあり、所有権分離をしたからといって、政府の言うことは聞いてくれない。日本も電源構成や需要を大きく変えていこうという中で、政策とネットワークの摺り合わせが重要。このため、広域機関の設計・運用が非常に重要。
  • 欧州で所有権分離が過去の話になっているのは、すでに所有権分離が進んでいるからである。大送電網を作っていく中で、発電部門を持っていない事業者が送電に特化してネットワークを広げていくことが欧州型のTSOの考え方である。だからこそ所有権分離が望ましいが、そこに至るにはステップが必要である。
  • 再生可能エネルギーの設置が進み、域内で電源構成が変わってきた。再エネの投資は電力会社がやっているわけではなく、電源投資の主体がかわってきている。再生可能エネルギーは稼働率が低いため、託送料金の上昇要因になってしまう。そのため、別途収入キャップなどの制度を担保することが必要になる。
  • 参考図をたくさん入れていただき、非常にわかりやすい。特に、P9の総合エネルギー企業に関する図は、将来像が一目瞭然である。報告書に図はこのまま入れていただきたい。
  • 報告書を拝見して、役所の答申にしては斬新で感銘を受けた。特に総合エネルギーサービスの絵(P.9)に感銘を受けた。今まではエネルギーキャリアごとに業法があるのは、技術的制約があるから合理的であって、現在はそのような制約がないからこそ可能になった。ただし、総合エネルギー企業を育成する産業政策を行うということではないと理解。総合的な企業ができてもよいし、小さな企業ができてもよい。それは市場が決めるべき話。
  • 発送電分離について、他の業界において資本関係がなくても事実上の支配はあり得る。発送電分離が手段であることを確認できたことはよいこと。
  • 今日の議論を踏まえて修正していくが、大きな方向性としては了承が得られたと考えて良いか。詳細設計という課題が残っているが、この基本方針をステップとして、可能な範囲で修正をするということで一任していただきたいと思うがいかがか。

【委員】(異議なし)

  • 全面自由化の導入について積極的に我々も取り組んでまいりたい。部分供給や常時バックアップも真摯に対応していきたい。会社によって需給構造も違うので、すぐに対応できるかどうかは各社判断。需給直前市場は、取引所の取引拡大にも貢献するし、同時同量のしやすさにもつながり、経済的な活用にもつながるため、積極的に進めたい。
  • 震災以降課題となっている広域的な需給調整と再生可能エネルギーの広域的な調整のため、まず広域的な組織の設立に向けて協力させていただき、透明性も高めていきたい。
  • また、今後競争が進展していく中でも周波数調整機能は必要であり、機能分離あるいは法的分離に向けた組織検討も、広域機関の設計を通じて役割分担等、詳細設計をしていきたい。競争関係や、再生可能エネルギーの導入状況、系統構成のあり方によっていろんなケースに応じた設計が必要。費用、移行期間も含め、懸念事項への対応も併せて検討してまいりたい。
  • 機能分離や法的分離は電気事業者にとって始めての経験であり、克服すべき課題も多いが、これまでの知見を生かし、中立性が確保された競争環境と安定供給が両立できる電力システム改革の構築に向けて一緒に検討を進めさせていただきたい。
  • 報告書の方向に沿って協力していきたい。需給逼迫が解消されない現状において配慮を頂きたいものの、できるところからしっかり対応を進めてまいりたい。
  • 1時間前市場について価格操作の御心配もあったが、9社が一斉に出す市場であり、これをしっかりワークさせて透明性を高めることがまず第1。
  • システム改革を真に意義あるものにするためには、事業者が健全な競争をし、お客様の利益を高める中で、国全体としてエネルギー基盤が強くなり、しっかり投資をしてイノベーションしていくことが大事。そのために、事業者が継続的に投資をして、強い電源の供給力がある状況が必要。大規模電源は投資リスクが大きく、需要も原子力の動向もわからない中で、どう投資マインドを高めていくか。投資が少ないと安定供給や価格高騰の問題も出てくる。原子力がこのような状況で、経営環境が非常に不透明だが、しっかり投資をしていくため、引き続き詳細検討の際に是非議論させていただきたい。
  • 新電力の供給力確保について、常時バックアップ、部分供給など即効性のあるものについて、一般電気事業者に対して迅速な対応をお願いしたい。新電力に変更したい需要家は待っている状況なので、成果はすぐに出せると考えている。
  • 今後、規制なき独占を防ぐためには、競争の進展状況をきちんと評価する仕組みが大事。
  • 本日いただいた御意見による修正は、委員に確認いただいた後、委員長に一任いただくこととして、本日、とりまとめとしたい。
  • 今回のようなシステム改革にあたって大事なのは、国民が変化を実感できること。通信においてはブロードバンドが広がるなど、イノベーションによる見える変化が起きて欲しい。国民にとって使いやすいのみならず、事業者のダイナミックな活動にもつながる。この報告書が一つのエポックになって、電力分野で目に見える変化が出てきて欲しい。
  • 日本がこれからどうやって活性化していくかを考えたとき、イノベーションが非常に重要。意識しなければならない分野は高齢化医療と、エネルギー・環境。まさにこの分野。日本が活力あるほうに向かっていくための重要な分野の議論を一緒にできたことは非常によかった。
  • もちろん、悪魔は細部に宿るということで、どんなきれいな絵を描いても詳細設計を誤ると大変なことになる。気を緩めないで秋以降の議論を続けていきたい。

文責:資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年7月27日
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