経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第9回)‐議事要旨

日時:平成24年11月7日(水曜日)9時~12時15分
場所:本館17階第1~3特別会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員長代理、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株)岩根取締役副社長、中部電力(株)勝野取締役専務執行役員、(株)エネット 池辺代表取締役社長、公正取引委員会 中島経済取引局長、日本卸電力取引所 村上理事長
(3)経済産業省
髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、佐藤政策課長、片岡電力市場整備課長、都築室長、山崎企画官、岸電力基盤整備課長、竹谷ガス市場整備課長、安永電気事業制度調整官 他

議題

(1)事務局・オブザーバー説明

  • 安永電気事業制度調整官より資料7-1、7-2、7-3に基づき説明
  • 公正取引委員会 中島経済取引局長、日本卸電力取引所 村上理事長よりそれぞれ資料に基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 検討の基盤となる方向性が明確に示されている。取引所の改革など、すぐにできることを素早く具現化して欲しい。系統情報の公開も不可欠。公正取引委員会が主張している発電と小売の分離については、分離することで需要の動向が不明確になる面もあり、本当に良いのか複眼的に見る必要がある。事務局資料では法的分離の方が課題が少ないニュアンスを受けたが、分離する場合のハードルは制度設計によっていかようにも変わるもの。
  • 欧米では10数年かけて徐々に発送電分離を実現してきた。急に機能分離や法的分離にジャンプしようとすると、事業者によって有利、不利が生じる。特に、事務局資料では機能分離ではかなりの権限がISOに行くことになっているが、米国でも地域の給電制御機能まではISOに移管されていない。法的分離型も資金調達について課題がある。中間的なものを認めるなどしないとなかなか合意しにくいのではないか。分離のパターンの選択には時間がかかる。再生可能エネルギーの大量導入には機能分離型が向いていると思うが、そうでなければ法的分離型が良いのでは。充分な合意がされるのであれば、どちらのパターンでも良いと考える。
  • 機能分離の課題として、送配電設備の運用と保守の分離について保安上の不安が残るとされているが、発電では中央給電指令所が行う運用と、発電機の保守が分かれている。仮に送電で不安が残るということなら、発電でも不安が残るということになるが、どちらのパターンでも保安上の不安は無いと思う。送配電設備保有者が運転、操作を行うのは安定運用上普通のことであり、作業停止のように中立性が必要なものをISOや広域機関が行うと整理してはどうか。発送電分離についてのコストとスケジュール感を次回以降に議論したい。
  • 運用と保守については、機能分離の不安を煽るような記載があり、上述の意見に同感。運用と保守の分離ができないなら、全て垂直事業者が行わないといけないことになってしまう。対応のしようはあるし、ナローパスでもない。これが究極的な姿ではなく、まずは機能するかを見極めるもの。何十年も時間を掛けてというのんびりした意見とは考えが異なる。
  • 機能分離と法的分離では、「形だけの改革」になる時の発現の仕方が異なる。機能分離では多くの機能を電力会社に残した場合に骨抜きとなるが、技術的な話になるとごまかされてしまうし、システムを作り込むと後で変更しにくい。法的分離では行為規制が緩い場合に骨抜きとなるが、これは監視がしやすいし、改善もしやすい。こうしたことを考えると、あくまで機能分離を主張するという立場ではない。
  • 人事上の制限については、送電部門のトップマネジメントを電力会社に勝手に選ばせてはいけないというのがこれまでの委員会の議論。社外取締役を過半にすることによりこれまでの議論を置き換えるということなら、骨抜きにするものであり、なぜこれで代替できるのか説明が必要。
  • 改革で経済合理性の低下やサービス水準の低下が起こらない配慮が必要。また、失敗が許されないという電力事業の特性への配慮も必要。機能分離でここまでISOに集約することは世界的に前例がない、法的分離に誘導する印象すら感じる。
  • 行為規制を厳しくしすぎるとコスト上昇、サービス低下、トラブル増加を招くので、もう少し慎重な検討が必要。トラブルに関わる情報などについて、新電力を含めて送配電部門からの情報共有を促すルール作りをしてはどうか。
  • 金融機能に及ぼす影響についても精査が必要。欧州では、自由化で制度的担保が無くなり、ほぼ全ての電力会社の格付けが低下したが、他方で収益力は向上した例もある。日本は電力会社の収益が低下しており、金融機能にも十分配慮が必要。
  • 評価や検証をスピーディーに行いつつ、随時変更できるようにしながら進めてはどうか。
  • 行為規制としては、予算、人事、情報分離、発電部門との取引の明確化が欠かせない。これらはどちらの分離パターンでも必要。
  • 法的分離の方が望ましい。機能分離は、電力会社の中にある保有部門がISOの指示に従うようにどう分離するかが課題。法的分離では、各エリアの送配電が明確に分かれており、今後の改革が進めやすい。
  • 広域機関は需給ひっ迫時の需給調整を行うこととされているが、平常時も広域機関が行うべき。また、ボードメンバーの人事は規制機関の承認が必要。
  • 送配電子会社への親会社の議決権行使について、送配電業務に関する意思決定以外は行使できるとされているが、行使できることをポジティブリストで書く方法でないと非常に危ない。職員の部門間の異動については、送配電会社を本籍として発電会社に出向する形とすべき。
  • 資金調達を通じて親会社が何らかの影響を及ぼし得ることを懸念。広域機関が一括して資金調達をできる道を開くことが望ましい。
  • 今回の改革は、コストの低下、安定供給による停電可能性の低下を目指す基本的な改革。欧州はすべての国で少なくとも法的分離は行っており、ごく当たり前のことにすぎない。Win-Winになる議論。
  • 広域的連携はどうしても必要であり、将来的には地域間での統合が必要。できるだけ早く改革をしなければならないが、実際に運用する電力会社の方々の納得も必要であり、系統のプロが全面に出てくれば中立に設計していくことも期待できる。そのために、まずTSOの分社を急ぐべき。
  • 行為規制についてはフランスがモデルになる。人事は政府が握っており、親会社は議決権を持たない制度となっている。これらは根幹を成す部分。
  • 社債の特例は送電会社には残るが、他方、小売会社、発電会社は競争部門であり、改革が必要。
  • 行為規制については人事が極めて重要。法的分離の方式は持ち株会社形式のみであるのかどうか確認しておきたい。法的分離の方が望ましいと考えており、発電の利害を受けず、送電のみを行うプロの会社を作ることが重要。電力会社がどちらのパターンが良いと思っているのか聞きたい。
  • 運用と保守の分類は、給電制御機能についての議論であり、発電所では運用と保守を分けたりしない。発電部門では分離できているという指摘は、切り分け方の次元が異なる話。
  • 既発債の希薄化が進むことを懸念。金融機関からの意見を聞く機会を設けてはどうか。
  • 機能分離、法的分離が、どのように一般消費者に関わってくるのかが分かるようにしてほしい。また、新規参入者が参入しやすくなる制度に早急に変えて欲しい。
  • 送配電分離の目的は中立化。安定供給、地球環境、安価であることの確保が大前提。系統運用者と発電小売会社が協議できるルールがあれば、多くのことに対応が可能。検証しながらステップバイステップで進めるということではないか。
  • 機能分離は再エネ拡大に際し、エリアをまたいだ広域調整を行うには有利。法的分離は運用と保守を一体で行うことから、その間をつなぐルールが要らない分だけ、安定供給や保安確保には資する。昔は指令と操作は分離していたが、運転操作を行うのがISOなのか設備保有者なのかについては、これからルールを作る中で解決しなければいけない。機能分離についてはコストや移行期間の考慮が必要で、組織や業務の分離についても検討が必要。法的分離については、行為規制やルール次第であり、コスト計算には少し時間が欲しい。7月の基本方針取りまとめ時点から原子力についての不透明感が増しており、財務、収支、格付け、資金調達への懸念なども同時に考えなければならない。
  • 送配電分離の目的は中立化。証券など過去の規制緩和では料金規制と人事がカギ。料金規制が無くなると競争が活発化するものであり、所有分離がされていなくとも、ノーリターンであれば働く人の意識は変わる。
  • 法的分離は分かりやすく、色々なことを考える必要が無い。親会社の議決権行使については、議決権行使ができない代わりに配当が多い優先株を使えば良いのではないか。
  • 一般担保を残す場合は送配電会社だけであるが、送電線を担保に取っても売却できないので、電事法上は有っても無くても同じ。会社法上、優先的更生債権である点に意味がある。競争部門については、自由化後に格付けが下がるのは当然であり、優良な事業者であれば格付けが再度上がる。総じて、この点についてはそれほど心配することではない。
  • 機能分離の方が広域調整が容易。また、広域機関の支部であるISOであれば東日本、西日本で長期的に一体化もしやすい。他方、法的分離は自然体では9つの需給調整機能が残るので、広域系統運用機関の重要性が高まる。
  • 財務に関しては、既発債については何らか考えるべきであるが、発送分離とはあまり関係無いのではないか。電力会社の自己資本比率低下は発電部門に原因がり、送配電部門はそうしたリスクにはさらされていないし、送配電投資を考えれば、さらされるべきでない。
  • 天下りの制限は必要だが、送配電会社の社外取締役を過半にする行為規制は、講じ続ける必要があるか疑問。生え抜きの人が出てくるはずであり、また、他の電力会社の送配電部門出身者は問題無いのではないか。
  • 基本方針を取りまとめた7月から、原子力を取り巻く状況などが大きく変化し、不透明性が増している。競争や投資がしっかりできるか、見通せない。
  • 卸市場活性化の自主的取組は喜ばしいが、「需給ひっ迫が解消されてから」といった付帯条件が多い。需給ひっ迫には広域で対応するとともに、取組状況のモニタリングが大事。
  • 系統情報公開ガイドラインは大変良い取組。ESCJがありながらなぜこれまで公開されてこなかったのか疑問。
  • 公正取引委員会の指摘は適切であるが、この問題点をいかに是正していくか。是正を期待することはできないのかという印象であり、改めて規制機関の必要性が明らかになった。
  • 取引所のガバナンスはまだ不十分だと思うが、これを第一歩として更に次の改革を進めていただきたい。事務局の中立性や、理事会の中立者の適切な人選も多くの人が納得できる形でお願いしたい。
  • 発電と小売の分離が必須だという主張だとすると、公正取引委員会には電気事業の実態をもう少し見ていただく必要があるのではないか。以前、公正取引委員会の機能強化をすべきと発言したが、このままだと撤回せざるを得ない。
  • 卸取引所については、実情に詳しい中立的な人をどう選ぶかが課題。また、今後取引参加者が拡大すると、破綻リスクへの対応の問題が生じるため、クリアリングハウスの設計を行うべき。
  • 予備力についてはESCJルールで当日3%又は最大電源相当と既に書かれている。前日についてはルールに定められていないが、当日より不確実性が高い分予備力が高くなるのは当然。
  • 系統情報の開示についてはESCJに新電力からの要望は無いと承知している。ただ、事務局提案の系統情報開示には粛々と対応していく。
  • 村上理事長プレゼン資料の2枚目に感銘を受けた。もっともな内容であり、規制当局、ESCJは真摯に考えるべき。取引所は中立者を誰とするかが重要であり、基準も作りにくく難しい。加えて、理事会での発言を原則公開として欲しい。
  • 公正取引委員会資料の5ページ目の考え方には賛成するが、出しっぱなしにならないようにしていただきたい。また、個別の内容は受け入れがたい点が幾つもあるが、別途お話ししたい。
  • 四国電力提出資料については、需給ひっ迫でどれくらいの不都合が生じた話なのかが問題であり、広域機関などが検証するようにしなければならない。
  • 公正取引委員会の発電と小売の分離はあまり評判が良くないが、あっても良い話。公正取引委員会はなぜこの状況を放置していたのか、具体的にどうするのかについて記述が無いが、競争できるような規制の整備が必要。公正取引委員会を強くする方法も有り得るが、賛同できない。3条委員会や8条委員会的なものなど、規制機関の事例やメリット・デメリットを議論できる資料を用意いただきたい。
  • 自主的取組については、不十分ではという懸念がつきまとう。今後は送配電会社が需給を管理するので、地域単位の考え方を改めて欲しい。自主的取組の数字は期待できるものだが、それだけでは不十分であり、モニタリングだけでなく、中期的にも規制機関の監視が必要。
  • 部分供給と常時バックアップは誰にいつまで規制をかけるのか。将来的には支配的事業者規制とし、シェアを伸ばしている新電力は規制対象になるようにすべき。
  • 同時同量とリアルタイム市場については既に決まっているので今回の先行的取組に含まれていないものと理解している。来年の夏にも実現をと考えている。
  • 前日で8%又は最大電源相当の予備力というのは、他地域からの調達を前提としないのでそうなっているが、全体で見ることが大事であり、個別に8%だと無駄を抱えていることになり、もったいない。リアルタイム市場での入札を、少なくとも電力会社間では始めないといけない。
  • 取引所への入札もかなりの量になると見込まれ、規制機関ができる前であってもメリットオーダーで行われているかチェックが必要。
  • 連系線使用が早い者勝ちになっており、古くから営業している新電力は既得権者の仲間入りをしている。
  • 系統情報公開についてはESCJに要望を出しても、委員会に上がるまでの途中で意見が消えてしまっているような印象。取引所のガバナンスは、公的機関とするのか、人事権者は誰なのかという観点から決めるべき。
  • 常時バックアップを先行実施としていただきありがたい。実効性の確保の観点から、既存部分についての現在の契約量の維持、標準メニューではなく実際の小売料金との比較、先渡し市場に移行できることが取引所活用の前提、という3点を確認したい。
  • 一般電気事業者の自主的取組については、前提が不明確であり、活用可能な価格水準になるのか経産省で実効的なフォローをお願いしたい。
  • 送配電中立化と広域機関の運用については、系統利用者の意見を聞く機会を電力会社でも設けて頂きたい。
  • 卸電気事業者が電源を切り出しスポット市場で取引すると、タナボタで利益を上げられるという論点があり、欧州では課税で取り戻すといった議論がされている。
  • 安価な電源がスポット市場に入ると購入電力価格が上昇してしまう。小売料金に円滑に転嫁出来れば電力会社の収支は均衡するので、スポットや、今後検討される先物を料金認可の中できちんと取り扱って欲しい。需要家の水準変化への受容性などの論点があり、短期的なスポット価格の変化と長期的な料金認可の関係をどう考えるかという問題はあるが、今後の課題と考える。
  • 公正取引委員会は権限をもって対応して欲しい。適正予備力については、卸電力市場そのものを予備力と考えられないか。
  • 自主的取組を誰がどのようにチェックするのか。予備率についてはスポットで8%ということは無い。3%だと心配ということなら、8%を切りそうな時に取引所で大量に買っていたはずであり、そうしていたかどうか震災の前と後、それぞれについての情報は無いのか。
  • 取引所の理事としては、ユーザーサイドで関わってきた方、エネルギー全般に造詣の深い方、市場取引に知見の有る方を中心に考えている。
  • 震災前は予備力8%を取引所なども使いながら集めていた。震災後はまた状況が少し変わっている。
  • 発電と小売の間の取引の透明性向上が図られれば、今後は独占禁止法の取締りの対象に充分なり得る。

文責:資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年11月13日
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