経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第10回)‐議事要旨

日時:平成24年12月6日(木曜日)9時~12時10分
場所:経済産業省本館17階第1~3特別会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員長代理、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株)岩根取締役副社長、関西電力(株)香川取締役副社長、中部電力(株)勝野取締役専務執行役員、(株)エネット 池辺代表取締役社長
(3)経済産業省
糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、佐藤政策課長、片岡電力市場整備課長、都築室長、山崎企画官、岸電力基盤整備課長、竹谷ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官 他

議題

  1. 事務局・オブザーバー説明
  2. 自由討議(含む質疑応答)

議事概要

(1)事務局・オブザーバー説明

  • 安永電気事業制度企画調整官より資料3-1から3-6までに基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 最終保障サービスについてだが、本当に供給が受けられないという問題が生じることはあるのか。現在も自由化部門に最終保障サービスの制度があるが、使われたことはない。ほとんど使われない制度であれば、コストをかけて制度設計する必要が無く、リスクとの見合いで考えるという発想もある。小売事業者の倒産は有り得るが、例えば米国では銀行の倒産の際にも合併などによりサービスは継続されており、そのような形で乗り切れるものではないか。
  • 仮に自由化後の家庭部門で優良顧客にしか売らないといったことになると、それ以外の家庭向けにある程度のボリュームで最終保障サービスの供給がなされることになる。事務局案は、できるだけ最終保障サービスにはとどまらないように、という方向だが、小売競争の在り方を詰めた上でどちらにすべきか考えるべき。
  • 北欧では、他の電力会社に移った顧客が元の電力会社に戻ろうとする時にペナルティ的な料金を課すということが生じた。そういった点には規制が必要。
  • 最終保障サービスの提供者を入札で決めれば良いのではないか。供給力については他の発電事業者から調達するので、無駄に発電するということにはならない。小売事業者と送配電事業者ではエキスパティーズが異なるので、小売に特化するために最終保障サービスを小売事業者が担ってはどうかという考え。
  • 経過期間中は規制料金よりも最終保障サービス料金の方が高いので、最終保障サービスは使われず、実際に意味を持つのは経過措置終了後。小売事業者が競争を行った結果、料金の高い最終保障サービスは使う人がいないという状況が理想的。例外的にしか使われない安心のための制度設計なので、送配電部門が担うというのが事務局案。恒常的に使われるのであればともかく、そうでなければ、送配電部門に担わせる事務局案はリーズナブルな提案ではないか。
  • 自由化後に最終保障サービスを講じるのは一般的。システム改革の趣旨は自由化部門での競争の実現であり、最終保障サービスの料金は高めにし、基本的には使われないように、ということ。担い手については小売事業者が担うべきという意見。発送電分離の意義も考えると、送配電部門が担うのには違和感がある。小売事業者が担う方が、コストが低いのではないかとも思うので、確認する必要があるのではないか。
  • 自由化に伴い、極端な場合に備えた制度を講ずることは必要。競争促進が目的だとすると、中立的なエリアの送配電事業者が最後の砦として供給することが望ましい。
  • 自由化後に安定供給義務を負うのは送配電事業者。小売事業者はあくまで競争の世界であり、競争と非競争で仕分けることが望ましい。送配電事業者が入札をして他の事業者に委託する方法は有り得る。最終保障サービスはかなり限定的であり、料金も高くなる。離島については、過度な優遇にならないよう、一定の料金以上になった場合にのみ適用するといった制度にすべき。低圧配電部門の中立性確保については、ガイドラインでは不十分であり、発送分離が必要。それまでの間、ガイドラインに基づく監視を行うということ。需要家情報へのアクセスは重要であり、情報は需要家のものということを明確にした上で、大口需要家は送電事業者、小口需要家は配電事業者が管理することが必要。
  • 自由化後の消費者への情報提供については、欧米では、料金が調べにくく、競争のために必要な情報が隠れてしまっている現状。デマンドレスポンス等の工夫を促すよう、情報交換の在り方を議論してほしい。
  • 自由化は消費者には分かりにくいので、経過措置に十分な期間をおいて欲しい。需要家情報へのアクセスの重要性は理解した上で、反面、心配もある。電力の使用状況などの情報を信頼して託せるようにして欲しい。また、小売事業者の選び方が分からない時に相談に乗る機関が必要。売り込みでだまされることが無いよう、小売事業者へのガイドラインも作って欲しい。
  • 経過措置の解除については、資料では発送電分離と競争環境の整備・進展の両方が必要条件ということだと読めるが、発送電分離がなされれば自動的に経過措置が解除されるということではないことを確認したい。競争状態の検証をした上での経過措置解除であるべき。離島については、より効率的に供給できる小売事業者がいる場合はその小売事業者が供給すれば良いことは明らか。この点が確保されていれば、送配電事業者が担うのでも良い。
  • 需要家情報へのアクセスについては、当然認めるべき。個人情報保護は、どの程度深刻に考える問題か。個人情報が含まれるのは家庭部門だが、数が膨大なので同意が必要とすると実務上対応困難。秘匿すべき箇所をマスキングするということではないか。小売事業者にとって必要な情報は個人名ではなく、どこにどのような需要があるのかということ。
  • 現在は、一般電気事業者が情報を持っており、安心して託せる。多様な事業者が参入した時に、社内で悪意を持った人が、例えば独り暮らし世帯かどうかが分かってしまうということが心配。
  • 需要家情報へのアクセスを可能とすることは、潮流情報を明らかにすることにも繋がる。最適な電源立地が分かるので、コジェネなどにとっても重要。
  • 最終保障サービスについては、政府が直接行うのか、エリアの送配電事業者に責任を委ねるかの差だという印象を受けた。送配電部門が一生懸命発電するのはおかしいと考えたが、そうではなく、責任の所在ということであれば、送配電事業者とするのも理解できる。
  • 自営線供給については、オープンアクセス義務を課さないのは反対。これでスマートコミュニティが発達しなければ、それで結構。助成が必要ならば、そこに補助金を出せば良い。
  • 容量市場はあくまで供給予備力確保のためのものであり、一般の供給力のための部分は価格メカニズムを用いて容量確保をすべきだ。
  • インバランス精算を限界費用でやれば良いと主張している理由は、1時間前市場への売り入札量が少なくなることへの懸念と、売り入札を義務づけても買いが少ないことへの懸念と、ゲートクローズ後に電源脱落が起きた場合に実際の需給状況がインバランス精算価格に反映されないのは不合理だ、という3点。限界費用を使わない理由が無い。
  • 電話で指令しなければならない電源やネガワットは調整までに時間がかかるので、実際の需給運用においては時間軸の整理が難しいのではないか。調整までに時間がかかる電源と、ガバナフリーなど自動的に調整を行えるものをどう整理するのかを、具体的な制度設計の際に議論していきたい。
  • スマートメーターの積極的な普及が大切であり、プロファイリングは過渡的なもの。1時間前市場は小売事業者向けであり、リアルタイム市場は系統運用者向けのもので、両方とも作ることで市場を用いて需給調整を行うということであり、クリアになった。
  • 市場原理が機能しないといけないので、全量投入、メリットオーダー、ネガワットなどの徹底を行いたい。一般電気事業者の責任感に頼るのではなく、市場メカニズムを活用して需給調整をするという精神の徹底が必要。
  • 一般電気事業者と新規参入者を完全に同一に扱うのは、競争促進の観点から不適切。新規参入者に過度な負担にならないよう、供給力確保義務を課す際は配慮をして欲しい。
  • インバランス精算価格については、海外事例の詳細な分析を行ってから検討するという方針はその通り。新電力にとっては、電源脱落時に大きなインバランスが出ることとなり大変なので、どう考えるべきか、新電力からも意見をいただいた方が良いのではないか。
  • 容量市場は英国での検討により、ようやく整理が進んできた段階。どのような仕組みにすると、どのように効果的か、海外の検討成果を生かしながら設計していけば良い。
  • 低圧部門の料金体系が事業者によって大きく異なるが、スマートメーターの導入が進み、合理的な料金になっていく中では、歴史的経緯があるからといって今の料金体系が残るのは適切でない。長期的に何が合理的な料金体系かを電力会社は考えて欲しい。低圧託送料金の水準もよく考えて欲しい。規制料金なので、新制度を実施する時点での課題だが、現状の割安な料金(オール電化料金)から高圧の配電料金や発電コスト相当分を差し引いた価格から乖離しないよう、監視が必要。純粋に競争が働いているとすると、価格スパイクで固定費が回収できるので、本来は市場に任せれば供給力は確保できる。ただ、そうならない場合に備えた万全の措置として供給力確保策を講じるものであり、高コストになるのではないかという批判を覚悟の上で、かなり安定供給に配慮した仕組みにしていると理解。
  • 1時間前市場は一般電気事業者からの前向きな提案であり高く評価する。インバランス価格算出の際にこれを参考にするのはリーズナブルであり、問題が生じるなら限界費用と乖離していないかの検証で対応すればよい。工夫する余地はあるが、これを基盤にしてはどうか。実需給に近いところでメリットオーダーを実現するといっても、一定の裁量を系統運用者に与えないといけないので、限界費用を用いる方式にも一定の限界はある。
  • 自営線供給へのアクセスについては、将来的にシェアが大きくなればオープンアクセス義務の議論は出てくるが、今の限定的な状況では必ずしも不自然ではない。
  • 自営線供給に初期に援助をするのは分かるが、恒久的な利権になってはいけない。規模や時間軸で一定の限定をするということなら良いが、原則はすごく大切であり堅持すべき。援助をするなら補助金で行うべき。
  • トラブル発生時への配慮が重要だが、事務局提案はその点が配慮されている。決め打ちにしないことが重要であり、小売全面自由化の経過措置については要件を明確化した上で、満たさない時は解除しないということ。
  • 一般電気事業者の送配電設備は総括原価の下で整備されたものであり、オープンアクセス義務がかかるのは当たり前。自営線はいわば「私道」であり、原則はオープンアクセスにはせず、判断は設備所有者に任せるということではないか。規制機関については独立性、専門性が重要だが、いきなり事情のわからない組織に担わせるのではなく、少なくとも当面は経済産業省内に設置すべきだと考える。
  • 短期の供給力確保については、1時間前市場と実需給をしっかり分け、後者については系統運用者が責任を負う考え。1時間前市場はなるべく早く作りたいが、この段階までは小売事業者が責任有る供給主体として義務を果たすということではないか。責任の主体と仕組みがうまく作られており、事務局案を評価する。リアルタイム市場はアンシラリーサービス、インバランスの調整、負荷追従という3つに分かれるが、発電までの時間や調整速度など必要な能力がそれぞれ異なるので、計画同時同量が入る中で必要な調整力をどう集めるか、詳細な検討が必要。連続性があるシステム作りが必要。エリア単位の周波数管理をしなければならないので、どこまで小売事業者が実需給に責任を持つのか、という問題もある。
  • 長期の供給力確保の仕組みは難しい問題。上記の3つの調整力の組み合わせや、応札者への配慮が必要。古い火力発電所の容量なども織り込むべき。自由化により、自社需要の不確実性が高まるため、入札制の適用に当たっては、電源ミックス論、小売の効率性、応札者が電源建設を遅延した場合の責任などを考えた設計にすべき。
  • 規制機関については日本の様々な分野の例も示されているが、十分に機能していないものが多く、大事なのは権限と人を備えること。経済産業省の中にだけは置いてはいけない。産業を所管する所と、利用者を所管する所は別であるべき。
  • 小売自由化の経過措置の終了については、何年に終了するか、期間を明示すべき。
  • 規制機関を経済産業省から外すことに賛成。司法では高い給与が裁判官の不正を防ぐために役立っており、能力がある人が集まるよう、託送料金による費用負担で処遇を良くすることが必要。
  • インバランス精算については限界費用を使うのが理想だが、1時間前市場価格を用いるなら、少なくとも、どの電源を予備力としているのかを明確化するとともに、ネガワット入札を行うべき。
  • エネルギー政策について一定の方向性を出していただければ、健全な投資がなされていくが、現状では今後10年先を見通して考えた時にリスクが高く、実質的な投資が進まないのではないか。エネルギーミックスとシステム改革は一体的なものであり、この点も考慮して欲しい。
  • 現在予備力の大半は電力会社が保有しているため、新電力の予備力確保において、電力会社の市場支配力が及ぶことを懸念。より良い仕組みとなるよう、英国やPJMなどの事例も参考に幅広いご検討をお願いしたい。
  • インバランス精算はリアルタイム市場価格を用いるのが最も透明かつ公平。創設当初は市場の流動性が見通せないので、価格スパイクのリスクに対し、一定の経過措置が必要。
  • 一般電気事業者は発電所を多く持っているため、インバランス発生においても一般電気事業者に有利となっている。新規参入者が柔軟にインバランス発生リスクを減少できる仕組みが必要。一般電気事業者の発電部門のインバランスを全国融通発動分に限定する案では、新規参入者とのイコールフッティングが担保されない。計画値同時同量実施に当たっては、発送電分離にかかわらず、需要想定や発電計画、運転指令等の業務を送配電部門から分離することが必要。
  • ドイツの規制機関は、うまく機能している事例とは言い難いのではないか。容量市場、デマンドレスポンスなど、複雑な制度となるので、規制機関には相当高い専門性が必要。EUのフローレンス規制フォーラムなどが参考となるのではないか。
  • ドイツがベストだとは言っていない。欧州で作られている独立規制機関など色々な事例を踏まえ、日本でも独立規制機関を作ることが必要だと確信している。
  • 自由化については準備を加速したい。料金をはじめサービスメニューの拡充を行い、顧客満足の向上を目指す。米国の状況なども見たが、一般ユーザーへの制度趣旨の浸透には一定の期間が必要という指摘があった。制度の趣旨と中身の周知を徹底しないといつまでたっても経過措置が残りかねない。自由化の趣旨と平仄を合わせた規制が必要だが、需給状況やコスト構造などを踏まえ、自由化実施時期の判断は慎重に行っていただきたい。
  • 1時間前市場については、新電力が使いやすい提案だと考えており、その上で、責任は分担をしていただきたい。発送電分離までの間は、一般電気事業者が系統全体で予備力を持つが、インバランスの算定は難しい問題。一般電気事業者の計画値同時同量については、制度を作る中で議論いただきたい。
  • 独立規制機関については政治からの独立性が重要ということはよく分かるが、推進官庁や業界からの独立が必要という点については具体的にどのようなことか全く理解できない。
  • エネルギー政策が決まらないと投資が進まないという指摘はよく分かるが、なぜシステム改革と関係するのかがよく分からない。どのようなエネルギーミックスにも対応できるフレキシブルな仕組みを作ろうというのがシステム改革の議論。システム改革をしたら投資がしにくくなるということでは無いのでは。
  • 推進官庁からの独立は、エネルギー政策全体は資源エネルギー庁だが、規制の執行はその外に出るべきということ。業界からの独立は、天下りなど人事面を指している。

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年12月13日
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