経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第11回)‐議事要旨

日時:平成25年1月21日(月曜日)18時30分~21時20分
場所:本館17階国際会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員長代理、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員
(2)オブザーバー
関西電力(株)岩根取締役副社長、中部電力(株)勝野取締役専務執行役員、(株)エネット 池辺代表取締役社長
(3)経済産業省
髙原資源エネルギー庁長官、井上資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、佐藤政策課長、片岡電力市場整備課長、都築室長、山崎企画官、岸電力基盤整備課長、江澤電力・需給政策室長、塩手ガス市場整備課補佐、安永電気事業制度企画調整官 他

議題

  1. 事務局・オブザーバー説明
  2. 自由討議(含む質疑応答)

議事概要

(1)事務局・オブザーバー説明

  • 安永電気事業制度企画調整官より資料3、4基づき説明
  • 中部電力(株)勝野専務、関西電力(株)岩根副社長より資料5-1,5-2に基づき説明

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 格付け機関等の金融関係者によると、東京電力の格付け引き下げは、事故対応を含めた原子力リスク、エネルギー政策見直し等がその理由とされている。東電以外の一般電気事業者の格付けのネガティブ要因としては、原子力発電の停止に伴う財務の悪化や安全対策費用の増大等の原子力リスク、エネルギー政策の見直し動向に加え、電力システム改革が挙げられているが、これは金融市場にとって最悪の事態を想定しているものと考えられる。
  • 金融関係者の電力システム改革自体への懸念はやや過大。小売全面自由化までには一定の期間が設定される見込みであり、その間に足下での財務悪化原因の多くは解消されている可能性が高い。料金規制が撤廃されれば、需給がよほど緩和されない限り、現状よりも適正な料金を設定しやすくなる。発送電分離も、過大な非対称規制が導入されない限り、一般電気事業者の事業環境を大きく悪化させる可能性は低い。ただし、改革前に発行された既発債への一般担保に対する影響を及ばぬようにするとともに詳細設計の際の電気事業全体の健全性や金融情勢への配慮、金融関係者や国民への丁寧な説明は必要。なお、海外投資家を中心に、3.11以降のリスク要因として政治リスクを指摘する声が多い。
  • 需給逼迫時の広域調整や、再生可能エネルギーの導入はこれまでから行っているが、これまでと異なる点は何か。それにより、発送電分離の考え方も違ってくる。
  • 電力システム改革による資金調達への影響については、金融機関から改革への疑問の声を聞くが、これは、これまでも部分自由化がなされていて、投資回収が既に確保されない仕組みになっていることについて、理解が浸透していないことも一因。電力改革は、個人投資家も含め、多くの人に理解してもらう必要がある。
  • 電事連が文書で意見を公開の場に出したことは良いことであり、電気事業者の信頼回復にも資する。その中で、「多くの項目については対応策を考えつくことができるのではないか」とされていることは高く評価できる。他方、「諸外国に比べ高い供給信頼度を誇るわが国の電力品質」としている点は、(系統安定上不利な)再生可能エネルギーの導入が進んでいないなど、系統が脆弱な面もあることを含めて考える必要がある。
  • エネルギーミックスが決まらないと困るという一般電気事業者の説明については、これが決まらないと電力システム改革ができないということではない。
  • 電力システム改革が資金調達リスクの主な原因ということなら、逆にこれまでは、安定的な送配電部門を抱えていることにより有利な条件で調達できていたということになる。仮に資金調達が大きな問題なら、これまで公平性が欠けていたということであり、過度に強調すべき論点ではない。
  • コストについては、過去にも試算と実績で桁が異なることがあり、粗い目安と考えるべき。法的分離は追加的コストがかかるというのは、今の会計分離がいかにいいかげんだったかということ。機能分離と法的分離でコストがそこまで違うとは思わない。ここでの試算に基づいて議論を進めていくことには若干危険を感じる。
  • 電気の単価は一定でいくら使っても良いというこれまでの日本の仕組みは、大量の余剰供給能力を持つことで供給信頼度を維持してきたが、他方、事故時に価格による需給調整ができないという弱い面がある。
  • 望ましい将来の姿は、全国で1つや2つの送配電会社が運用を担うというものであり、現在議論している法的分離や機能分離はいずれにしても途中段階の姿。長い目で見れば必要な移行コストであるため、あまりコストにこだわる必要は無く、道筋としてどちらが良いかを考えるべき。機能分離の場合、広域機関を作る際のガバナンスをどうするかが大問題となる。
  • 資料5-1の4ページの、今後需給調整力が必要となるという点については、発電事業者間での競争が活発になる結果として生じるものであり、発送電分離とは関係無く、競争促進を図る上で解決しなくてはならない課題。
  • 大口需要家については、需要を価格メカニズムで抑制する仕組みが重要。
  • 電事連の資料5-1は前向きだが、5-2は、非常に消極的な内容と受け止めた。現状がベストなのでそこから脱却しないということだと受け取れるが、再生可能エネルギーの導入を早急に進めるためにも、発送電分離を進めていただきたい。機能分離か法的分離かを決めるのを先延ばしにするということは、発送分離を先延ばしにするということではないか。
  • 日本の電力系統における電源の調整力は欧米の1/4~1/2の規模であり、周波数調整能力が少なく、再生可能エネルギーの受け入れ量が少なくなるのは当然。ある程度の量の再生可能エネルギー導入は、機能分離でも法的分離でも可能。それ以上に入れるためには、周波数のコントロールエリアを統合する必要が出てくるが、そうするには機能分離が有利。
  • 機能分離の場合、系統運用は複雑になるが、これは各エリア内の話なので、ルールを適切に作れば十分実現可能。「法的分離の方が安定供給に資する」というのは少し言い過ぎではないか。
  • 移行に伴うコストは、周波数変換設備の増強コストと比較しても大な額であり、しっかり議論すべき。
  • コストについては、便益との比較で考えるべき。他産業では同様の移行コストをかけてでも自ら持株会社方式を選ぶ企業があり、他国でも法的分離(または所有権分離)を行っている。少なくとも、移行コストがかかるから発送電分離をしなくて良いということではない。
  • 資料6の説明は分かりやすく客観的。一般電気事業者への融資や社債の引き受けを行っている金融機関は、競争促進によって影響を受ける利害関係者である。ただし、既発債の一般担保には適切な対処が必要。むしろ、電力システム改革の方向性を決めることで安心して投資が進むのではと、期待している。
  • 原発と発送電分離は直接の関係は無い。10年前に会計分離を導入した時から議論してきたことであり、個別の電力会社にとっては、競争上、分が悪いかもしれないが、個別の事業者を守るために改革をしないということにはならない。一般電気事業者は支配的事業者であり、その体力回復を待ってからというのでは論理矛盾である。
  • 送電網の建設については、運用と所有が一致している法的分離の方が進みやすい。再生可能エネルギーが大量に入る10年後を考えると、法的分離と広域系統運用機関を組み合わせ、より大きな所有権分離を目指すのが望ましい。また、発電会社が送配電会社から独立することは、発電会社の経営の自由度を増すものであり、電力会社の経営の観点からもメリットがある。
  • 法的分離を支持する。方向性を決めた上で、より精緻な議論が必要。
  • 一般電気事業者の説明には「先延ばし」への懸念を抱く。会計分離だけでは中立性が確保されていないというのが議論の出発点で、広域系統運用機関だけで良いというのでは今までの議論は何だったのかということになる。
  • コストについては、機能分離ではISO支部の費用は入っておらず、機能分離と法的分離で大差無いという感じを受ける。また、得られる便益や、コストの回収期間の長さも考慮しないといけない。
  • 機能分離か法的分離かについては技術的にはどちらでも対応可能とのことであり、送配電会社が自ら送配電網を所有する方が良い。いずれにしても発電と送電は分離すべき。外部から検証可能という意味での「わかりやすさ」から、法的分離を支持。
  • 分かりやすい法的分離の方を支持する。なぜ分社をする企業があるかというと、独立性を高めるには分社をした方が良いから。同一企業では、賃金体系等を変えるのも困難。会社が分かれれば、だんだん独立して振る舞うようになる。法的分離の場合のみにかかるコストがあるが、会社が分かれれば名刺や看板の作り直しなど、お金がかかるのは仕方が無い。それを上回る便益があるかということ。
  • そもそも、会社分割の対象である一般電気事業者に対し、協力して欲しいと言うこと自体に無理があり、一般電気事業者が反対するのは当然の話。一般電気事業者が協力しないと言ってもなお分離させるという考えが我々の側にあるかということ。
  • 大規模集中電源が広域でのメリットオーダーに入ってくることが重要。また、技術開発を進めていくことも大切。自由化で新しいビジネスモデルが出てくることも重要であり、これらが確保されるのであれば、機能分離か、法的分離かには、こだわらない。
  • 自由化は2段階で進めるものと認識。ステップ・バイ・ステップで進めるに当たって、時系列が重要になる。そこは慎重な対応が必要。
  • 役所が改革の議論を電力会社と行う際には、発電と一体となった送配電部門と相談するよりも、系統運用が前面に出た送配電会社と議論する方が生産的。そのためには、法的分離の方が良い。
  • 法的分離と機能分離のどちらにするか、ここで決めるべき。この先、決めなければならないことは膨大にある。やることを決めて進めていかなければならない。どちらかの方式が安定供給上問題があるということなのであればともかく、どちらでもやれるということはかなりの程度明らかになってきたので、ここで方向をはっきりさせることが必要。今後、仮に詳細設計で問題が明らかになれば、方針転換することもあり得る。安定供給の観点から法的分離が妥当との意見は一理ある。
  • 前々回の委員会で「改革の骨抜きリスク」について申し上げたが、法的分離は中立性と規制コストのバランスの良いところを探しやすい。機能分離では中立性確保の強弱の調整が技術的に難しい。
  • いずれの方式も大きな差は無い。機能分離は系統運用者がプレーヤーとして意見を言えるのでルールの議論をしやすいが、系統運用は独占となるのでその弊害が出やすい。消去法的に、法的分離の方がより実現性があるのではないか。今後は是非需要家の意見も聞くべき。
  • 新規の発電投資をする際、石炭火力は事実上作りにくいため、電源投資の主体はガス火力と再エネ投資となる。そのうち、ガスは価格がガスの需給で決まっていないという問題があるため、電力市場で市場原理をうまく機能させるのは難しい。詳細制度設計を考える上では、新規の電源投資の主体が何になるのかも重要な観点になるので、エネルギー・環境政策とシステム改革論は全く独立ではない。
  • 電発電源の切り出しの自主的取組は、関西電力や中部電力を見習って各社とも進めて欲しい。ただ、自主的取組では間に合わないので、制度的、強制的措置を検討すべきではないか。独立した規制機関がモニタリングを行うことを報告書に明記して欲しい。
  • 法的分離の方が望ましい。どちらも方式でも目的は中立性であり、制度の作り込みを合理的に行えば、得られる効用に大差は無い。
  • 法的分離は分かりやすく、また、現行規制からの移行がスムーズに行える。コストは重要なので、配慮が必要。また、電力関連産業や電力の需要家の懸念についても、制度設計の過程で反映をお願いしたい。
  • 需要家からの意見はヒアリングで伺ったが、競争が十分に生じていないという話であり、それを踏まえて基本方針やこれまでの議論につなげてきたということ。
  • コストについては、回収期間を考えると各年の額は非常に小さくなる。例えば各電力会社の営業の普及開発費用と比較し、どれほど多いかどうかということだ。
  • 送配電部門の中立化策について方向性がより明確になった。次回は報告書や工程表のとりまとめの議論を行いたい。

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年12月13日
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