経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 天然ガスシフト基盤整備専門委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成24年2月27日(月曜日)14時~17時
場所:経済産業省別館9階944会議室

出席者

委員
横倉委員長、柏木委員、橘川委員、八田委員、松村委員、山内委員

経済産業省
枝野経済産業大臣、高原資源エネルギー庁長官、安藤資源・燃料部長、糟谷電力・ガス事業部長、三田電力・ガス事業部政策課長、米田ガス市場整備室長、江澤電力需給・流通政策室長、吉川石油・天然ガス課課長補佐

意見聴取対象者
玉淵 仙台市ガス局次長、平田 株式会社ブリヂストン中央研究所兼環境推進本部フェロー(本部長)(社団法人日本ゴム協会会長・日本ゴム工業会環境委員長)、椙岡 国際石油開発帝石株式会社代表取締役副会長、石井 石油資源開発株式会社専務取締役執行役員、尾崎 大阪ガス株式会社代表取締役社長、増田 中部電力株式会社取締役専務執行役員エネルギー事業部総括・経営戦略本部副本部長

議題

  1. 天然ガスシフトに向けた基盤整備について事業者及びユーザー企業より意見聴取

議事概要

中堅・中小ガス事業者(仙台市ガス局)より意見聴取

【プレゼンテーション概要】

  • 仙台市ガス局管内の早期復旧の最大の要因は、パイプラインの供給ラインの復旧が早かったこと。
  • 被災経験を踏まえ、津波対策強化のみならず、ガスの受け入れ地点の多元化を図ることを検討している。
  • LNG受け入れに加え、パイプラインを導入する際のメリットは、(1)需要増に柔軟に対応でき経済的であることと、(2)有事の際のリスク回避が図られセキュリティが向上すること。
  • 災害に備え、事業者間の相互融通体制を整備しておくことが肝要。輸送手段としては、小規模需要ならLNGローリー車や移動式ガス発生設備で対応できるが、大規模需要の場合、全国にネットワーク化された広域パイプラインが必要。
  • 広域パイプラインは、官民連携の下で基本的に官主導で整備していくべき政策課題。民間主導で整備していく場合にも、官のバックアップが必要。

【委員からの質問・コメント】

  • 官主導とは具体的にどのようなことか。
  • 今後更に大規模な産業集積などの大きな需要が発生した場合への対応として、どのようなガスインフラ整備が望ましいと考えているか。
  • 需要増への対応のためパイプラインとつながることにしたと言うが、つながったことで需要が増えたとも言えるのではないか。
  • 天然ガスシフトを考えた場合、需要としての天然ガス火力発電所を必然的に巻き込める仕組みが必要。
  • 震災があったことで、仙台市の需要家はセキュリティに関するチャージを払っても良いと考えているのではないか。

【仙台市ガス局からの回答】

  • 広域パイプライン整備の方法、主体等については色々な考え方があるが、事業収支・投資回収・需要掘り起こしといった課題が重要であり、それらの解決のため、国全体でのシステム構築が必要。一般論として、公益特権や規制(農地・河川等)について、電気事業と同等の扱いになるようにするなどのバックアップをお願いしたい。
  • 大幅な需要の拡大へは、パイプラインのループ化、あるいはLNGサテライト供給により対応していきたいと考えている。

都市ガスユーザー企業(株式会社ブリヂストン)より意見聴取

【プレゼンテーション概要】

  • 熱の使用比率が大きいタイヤ・ゴム業界は、熱の有効利用を図るため、コジェネの導入を積極的に進め、高効率で運用できるよう取り組んできた。
  • 天然ガス価格の高騰により、天然ガス利用が採算にのらないこと、コジェネの安定的な稼働が行えないことなどの問題が出てきている。
  • 燃料転換がなされていない工場へのガスインフラ・価格等の条件が整えば、更なる天然ガスシフトが可能。
  • 今後に向けては、天然ガス価格低廉化の推進、パイプライン整備地域の拡大や供給リスク低減、分散型電源促進のための規制・制度改革等が不可欠。

【委員からの質問・コメント】

  • 熱需要が大量にある中で、更に省エネを進めるためには、余剰電力の融通が重要。電気・熱を柔軟に運用できるような規制改革の方向性についてどう考えるか。(30分同時同量制度、売買電等価、温室効果ガス評価手法統一等)
  • 天然ガスシフトの採算が合わなかった場合の国内生産への影響をどのように考えているか。

【株式会社ブリヂストンからの回答】

  • コジェネの稼働率を高め、余ったエネルギーは融通する等、効率的に利用したいが、現状色々な規制があり、自由な運用が難しい。改革を進めてほしい。
  • エネルギーの安定供給をお願いしたいが、なるべく生産コストに影響しないような方法を考えてもらえれば、生産拠点は何とか国内に残したいと思っている。

広域でパイプライン整備に取り組んでいる事業者(国際石油開発帝石株式会社、大阪ガス株式会社、中部電力株式会社)より意見聴取

【プレゼンテーション概要】

  • パイプライン整備は投資額が大きいが、潜在需要等について、ある程度の不確実性の中で投資判断をしているというのが実態。パイプラインの整備と天然ガスシフト支援策をセットで展開すべきではないか。
  • パイプライン建設においては、事前協議や地元との折衝に多大な労力と時間が掛かり、事業が長引くことになれば、採算性に影響が生じる。
  • 天然ガス火力発電所等の大口の需要は、インフラ整備を行うに当たってドライバー需要となり得る。
  • 地下貯蔵の検討に当たっては、大都市圏のLNG基地等との有機的な連携を考慮すべきではないか。
  • インフラ整備の課題解決に向けては、広域インフラの全体最適的なマスタープランやその政策的位置付けの明確化、コストダウンに資する金融・税制等の政策支援が必要ではないか。
  • 全国的な天然ガスインフラ整備が進めば、エネルギーセキュリティの強化、安定かつ低廉な調達、競争環境の整備といったエネルギー政策上の課題も解決される可能性があるのではないか。
  • 電力会社とガス事業者のLNG基地を導管によって接続することにより、通常時の供給能力の向上、緊急時のバックアップ体制の構築、柔軟なLNG在庫管理・調整等の可能性がある。
  • 広域パイプラインの整備促進に向けては、複数の大口需要家を対象とするガス導管事業に対しても、税制・金融上の政策支援等を拡充すべきではないか。

【委員からの質問・コメント】

  • 富山ラインについては、北陸電力の火力発電所との接続もつながる可能性があると思われるがどうか。能力的・技術的に供給は可能なのか。
  • 地下貯蔵と大都市圏のLNG基地との連携を考える際、電力会社のLNG基地も検討対象に入ってくると考えているか。
  • パイプラインと電線で公益特権はどう異なるのか。
  • 地元調整等のコストはどれくらいと考えるか。
  • 大阪ガスと中部電力はパイプラインで結合することとなり、また、中部電力と東邦ガスはLNG共同基地を持っているのに、なぜ中部電力と東邦ガスのパイプライン結合は考えないのか。
  • 電力とガス大手がパイプラインをつなげて行った時、中堅・中小ガス事業者の役割をどのように考えるか。また、ガス・アンド・パワーモデルを本格的にやるつもりはあるのか。
  • インフラ整備の資金のスキームとして、国が資金提供・整備を進め、事業が伸びれば利子を付けて返すという方法ならば、整備が進むのではないか。
  • 国内ハブというのは、新しいスペックでパイプラインを引き直すのか、既にあるパイプライン網をつなげていくイメージか。
  • 三重―滋賀ラインから北上し、福井、金沢、富山まで行くと、富山ラインとつながり、日本のパイプライン網整備がかなり進み、セキュリティも向上すると思うが、どうか。
  • 今後、南掛川のように電力事業者のパイプライン敷設事業への投資が活発化する見込みはあるか。
  • 途中でパイプラインを分割して整備するよりも、全体を共同で整備した方が、片方が接続を拒んだ際の不確実性を回避できるのではないか。

【国際石油開発帝石株式会社、大阪ガス株式会社、中部電力株式会社からの回答】

  • 北陸電力の火力発電所との接続は、供給能力的にも技術的にも可能。将来的には、両者を連結して地域の供給安定につなげることも考える必要はあるだろう。
  • 地下貯蔵とLNG基地との連携については、電力会社との連携も考えられる。
  • 地元調整のコストは今後明らかにしたいが、時間がかかることの方が事業の経済性に影響がある。
  • 現状で取り組んでいるもの以外にはパイプライン延伸の検討はしていない。
  • 国内ハブについては、引き直しではなく、既存パイプラインを接続してできるだけ融通し、供給安定性を向上していき、需要が増大したら圧力や口径を上げたら良い。
  • 小規模ガス事業者については、地域密着型であることに意義があり、大手はそれらに卸供給していくという現在のビジネスモデルで良いと考えている。
  • ガス・アンド・パワーについては、ガスと電力が各々それを目指し、その結果として競争することでメリットがあると認識。ただし海外進出に当たっては、規模が小さいので、何らかの協力は必要。
  • インフラ整備に向けて、国が資金提供し整備した上で、使用料に応じて回収するモデルならば検討に値すると考えられる。
  • 伊勢湾横断パイプラインの中が、電力とガスで分かれているのは、双方にとって基幹パイプラインであるので、お互い運用の自由度を確保したかったという理由がある。ただし、3.11以降の話として、信頼性向上のために湾の西側で接続するなどはありうる。
  • コスト等の条件が見合えば、電力会社が都市ガスのパイプラインの整備に出資することは、今後も十分あり得る。
  • パイプラインの全体を共同で整備するよりも、それぞれの得意な地域における目的に応じ、双方から延伸して接続する方が、このケースの場合良いと判断した。

地下貯蔵に知見を有する事業者(石油資源開発株式会社)より意見聴取

【プレゼンテーション概要】

  • 都市ガス事業者や電力会社への天然ガスの供給能力を、緊急時においても維持するためには、広域天然ガスインフラネットワークに、天然ガス地下貯蔵を位置付けることが重要ではないか。
  • 地下貯蔵においては、既存の枯渇ガス田の利用だけでは貯蔵量に限度があるため、大消費地に近い帯水層等の地質調査によりポテンシャルを探っていくべきではないか。
  • 輸入LNG気化ガスの地下貯蔵の実現に向け、必要な法整備を行うべきではないか。

【委員からの質問・コメント】

  • 地下貯蔵については、都市ガス用の需要と発電用の需要の需要期の違いを組み合わせて運用すれば、効率性を高めることができるのではないか。
  • 輸入LNG気化ガス地下貯蔵の費用対効果はどの程度か。

【石油資源開発株式会社からの回答】

  • 都市ガス用と発電用を合わせ、安定供給を図るには、春や秋にLNGを地下貯蔵し、絶えず2億立方メートル程度の貯蔵可能量を持つことが望ましいと考えている。
  • 地下貯蔵の場合、大都市圏まで天然ガスを輸送する大口径のパイプラインが必要となるが、その場合でも、10年間の操業で比較した場合、LNG基地を建設するケースと比較して経済効果が高いと試算されている。

意見聴取終了後、枝野経済産業大臣より閉会挨拶。

お問合せ先

資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

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最終更新日:2012年3月13日
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