経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 天然ガスシフト基盤整備専門委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成24年4月6日(金曜日) 18時30分~20時30分
場所:経済産業省別館9階944会議室

出席者

委員
横倉委員長、柏木委員、橘川委員、古城委員、八田委員、松村委員、山内委員

経済産業省
安藤資源・燃料部長、糟谷電力・ガス事業部長、平井石油・天然ガス課長、湯本資源エネルギー庁企画官、三田電力・ガス事業部政策課長、米田ガス市場整備室長、江澤電力需給・流通政策室長

議題

  1. これまでの議論を踏まえた論点整理について
  2. 海外調査結果について
  3. 意見交換

議事概要

これまでの議論を踏まえた論点整理について

海外調査結果について

米田ガス市場整備室長より、これまでの議論を踏まえた論点整理、諸外国におけるガスインフラ整備の現状について説明。

意見交換

【委員より意見・コメント】

  • 点在している事業者のインフラ間をつなぐ際の負担については、民間活力を利用すべき。その場合の官の役割は、需要開発を行って、民間活力を喚起していくこと。また、エネルギー供給事業者同士のアライアンスをどのように組んでいけば民間の活力を利用できるのかも重要。
  • 分散型への期待が高くなるが、コジェネや燃料転換を含めてどのような政策を打っていくのか。スマートコミュニティの推進やポリシーミックス等により、民間主導の活力あるシステムに持って行くことができるのではないか。
  • パイプライン建設のインセンティブについては、社会全体として必要なインフラであっても、企業にとっては必要でない場合もありうる。電力における連系線のように、整備を個別企業に任せるのではなく、第三者的に判断し、大所高所から勧告できる仕組みが必要。
  • パイプラインの費用については、限界費用については受益者負担、固定費については国が負担、等の考え方はありうるが、現状、普通は固定費も使用者が負担している。
  • 広域的なインフラについては、域外の人が利益を得るため、ある程度国が負担してもよいのではという話も出てくる。その場合、国が一時負担するが、将来的に受益者が出てきたら、そこで費用を回収することも考えられる。
  • ヨーロッパの電気事業では、連系線の両側のスポットの値差を一種の混雑料金として、建設者が収益する場合があり、それが投資のインセンティブとなっている。例えばパイプラインの太い部分の間の細い部分を強化するようなケースと類似しており、何らかのインセンティブが必要ではないか。
  • 欧州の「N-1基準」について、仮に日本の大手事業者に当てはめた場合どうなるのか。また、長期的にどのように改善していくのか、事業者にヒアリングをさせていただきたい。
  • 電力の連系線強化における仕組みは必ずしも十分ではないので、もしガスにおいても同様の仕組みを整備するならば、実効的な機能を持つ関与の仕方を考えるべき。
  • 「LNG基地がボトルネックである」と明記されたことには意味がある。パイプライン網がつながっていない状況下では、LNG基地のボトルネック性は高くなる。
  • 「天然ガスシフトとは何か」という点について、もう少し明確にする必要があるのではないか。例えば、LNG火力を基幹として位置付けることなのか、あるいは、コジェネを核として電源構成に入れることなのか等。
  • 国民の立場として一番気になると思われるのは、天然ガスシフトが進む場合、天然ガス価格がどうなるのかという点であり、日本の国内にパイプラインを整備することが、原料を安く買うことにどうつながるのかを論証すべきではないか。
  • 税関別LNG価格が安い港は必ずしもパイプラインの整備状況が優れているとは思えないが、価格においてロットの大きさが問題であるとすると、どのようにロットを整えるかが課題となる。大ロットとしてまとめるためには、資料のとおりLNG火力の稼働率を上げることが効果的であるが、電力会社とガス会社が一体となってどのように交渉を頑張るかが重要。
  • 海外において、パイプラインが整備されていることが、価格面でどのように優位に働いているかという点について教えて欲しい。
  • 全体最適とは、社会全体の利益とコストの関係が最適なバランスにあるということ。セキュリティという社会的利益が通常の経済取引の中で達成されない場合、それは外部効果的なものであり、その効果を入れた便益とコストのバランスとなる。
  • 全体最適的なネットワークを構築する際には、採算性のある部分とない部分が存在することに留意し、採算性のある部分とない部分の境目を動かすことにより、なるべく採算性が取れるようにすることが考えられる。例えば、ガスと電気の連携や、エネルギー全体での連携など。
  • 費用負担については、受益者負担を基本とし、マーケットだけでは解決できない部分については埋める必要が出てくるため、受益の程度・内容・範囲についてどう考えるかということになる。極端な例としては、セキュリティのような公共の利益が大きいところは、国が負担するなど。ただし、その場合に重要なのは、誰にどのように利益があるのかが誰もが納得できる形で提示されるということ。
  • インフラは長期的に使うものなので、現在の費用負担者に対して、将来の受益者が出てくるという問題があり、その中でうまく受益と負担を結びつけることができるシステムがあれば、今よりも進めやすくなる可能性がある。
  • 必要があれば、例えばガスパイプラインに対する公益特権を多様な主体にとって公平にするなどを行うべきではないか。その手段として、公益性として託送義務やインフラの開放性等のメルクマールを作り、規制を弱めていくなどが考えられる。
  • たとえ天災であっても、供給を止めた際の損害賠償等、責任の範囲を明確化することで、事業者にとってセキュリティを強化するインセンティブが起きる可能性がある。
  • 従来のガス事業者が整備していない部分に対して、整備できる事業者がいても必ずしも参入するような状況になっておらず、もし自ら需要を集める自信があるならば、コンソーシアムや共同投資などによって整備し、規制料金での託送で事業収入を得るなどの仕組みがあってもよい。
  • パイプラインを整備した方がよい場合は二つあり、一つは、ガス料金が高い地点と安い地点があり、両者をつなぐことによって高い地点の消費者が得をする場合。その場合、建設コストを消費者が負担することは理屈上可能で、もしできないとすれば、高い地点の供給者が困るからであって、何らかの方法で対応する必要がある。もう一つは、安定供給面でプラスが出てくる場合であり、その場合消費者が積極的に負担してくれないため、問題となる。事業者にとっての安定供給性の基準・規制がないと、事業者がどのようなインフラを整備すべきかという判断基準もないため、投資ができないのではないか。どの事業者も義務を負うならば消費者からもコスト回収できるが、ファイナンスできるかという問題が出てくるため、融資制度等で補う必要が出てくる。
  • 基準を作れば国がセキュリティに対して投資する必要は無くなると考えており、例えば北欧などの電気事業では、停電した場合事業者が賠償の責任を負い、一般家庭に対しては公正報酬率を下げることになっており、それが事業者が送電線を整備するインセンティブとなっている。実際どのような事例があるか調べて欲しい。

【株式会社三菱総合研究所(説明補助)より回答】

  • パイプラインによる調達のメリットについては、欧州においては、パイプラインを通じて複数の選択肢を持ってガスを調達できることが安価な調達に繋がっていると認識している。

【事務局より回答】

  • N-1基準のような長期的な計画についての事業者へのヒアリングは、事業者に協力してもらえるよう事務局として働きかける。
  • 天然ガスシフトの定義の明確化については、基本問題委員会において試算が行われていく中でどのように議論が進み、決まっていくかによるため、基本問題委員会の事務局とも相談したい。
  • 基本的に天然ガスシフトは、業種を問わず、天然ガスを利用しやすくし、結果として国民に利益があるインフラをどのように整備していくかということと捉えている。整備支援を行うとして、国民負担になる場合は、本当に国民が納得できるのか、支援だけでなく制度のあり方そのものの見直しが必要なのか等、単にパイプラインだけではなく、電力システムや熱システム等と相互に響き合う部分もあると考えており、引き続き議論の中でアドバイスをいただきたい。

議事終了後、横倉委員長より、次回からオブザーバーとして事業者に同席してもらう旨提案、委員より了承された。

お問合せ先

資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

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最終更新日:2012年4月25日
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