経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 天然ガスシフト基盤整備専門委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成24年5月15日(火曜日)9時~11時15分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
横倉委員長、柏木委員、橘川委員、古城委員、八田委員、松村委員、山内委員
経済産業省
高原資源エネルギー庁長官、安藤資源・燃料部長、平井石油・天然ガス課長、糟谷電力・ガス事業部長、三田電力・ガス事業部政策課長、米田ガス市場整備室長
意見聴取対象者
東京ガス株式会社 高松勝 執行役員総合企画部長、大阪ガス株式会社 田坂隆之 企画部長、東邦ガス株式会社 伊藤克彦 企画部長

議題

  1. 東京ガス・大阪ガス・東邦ガスからの供給継続性に関するヒアリング
  2. 天然ガスシフト基盤整備の新しいあり方について

議事概要

東京ガス・大阪ガス・東邦ガスよりヒアリング

【東京ガス株式会社ヒアリング概要】

  • 平成23年11月に、インフラ形成の方向性を含めた、東京ガスの「チャレンジ2020ビジョン」を策定している。
  • 最大のLNG基地である袖ヶ浦工場が停止した場合、現状ではピーク時需要量の約71%、日立LNG基地稼働後は約88%が供給可能。
  • その場合、大口の需要家を対象に供給制限を行うこととなっているが、病院等の社会的な重要性が高い需要家には優先的に供給を継続し、規制需要家にも影響は生じないと想定している。
  • INPEX、静岡ガスとの災害時のガスの相互融通体制の整備について検討を進めている。
  • 工場や主要幹線の重大事故、東京湾における重大事故については、業務継続計画(BCP)を策定している。
  • 今後小名浜地区での需要獲得が実現すれば、供給信頼性向上のため、JAPEXのネットワークとの接続や仙台方面への連結などが検討課題となってくる。また、新潟の枯渇ガス田を活用した地下貯蔵が実現すれば、ネットワーク全体の信頼性は更に向上する。

【大阪ガス株式会社ヒアリング概要】

  • 最大の製造能力を持つ泉北製造所第2工場の北地区が停止した場合、ピーク時需要量の80%程度が供給可能。
  • その場合、契約条件に基づく一部大口需要家への供給制限の後、社会的緊急度の高い大口需要家を除く他の大口需要家及び一部選択約款需要家への供給制限の要請や、規制需要家を含むピークシフトの要請を行う。
  • 三重―滋賀ライン完成後は、ピーク時需要量の90%程度が供給可能であり、その場合は契約条件に基づく一部大口需要家への供給制限のみで対応可能と想定している。
  • 泉北製造所の近接する3基地が停止した場合、三重―滋賀ライン完成後は、ピーク時需要量の45%程度が供給可能。

【東邦ガス株式会社ヒアリング概要】

  • 知多LNG共同基地または知多緑浜工場のどちらかが停止した場合であれば、ピーク時需要量を充足することが可能。
  • 知多地区の隣接する2基地が停止した場合は、ピーク時需要量の40%程度が供給可能。
  • その場合、大口需要家に対して需要調整の協議を行い、病院等社会的重要性の高い需要家や規制需要家には優先的に供給を行う。
  • 今後は、伊勢湾内のLNG基地間での更なる連携強化や、パイプラインによる連携強化を行っていく。

【委員からのコメント・各社への質問】

  • 欧州におけるN-1基準は、極寒ピーク時を想定したものであり、我が国に当てはめる場合は独自の基準を考えるべき。
  • 基本問題委員会の議論では、電源構成の中にコジェネが明確に入ってくると予想しているが、コジェネの導入に向けては天然ガスのコスト低減が重要な要素になる。コスト低減のためには、電力・ガス事業者による基地の共同運用によるセキュリティ向上・調達面での協力等、エネルギー業界の中での連携が考えられる。
  • ガスが流れないパイプラインを作っても意味がないので、沿線の需要をどのように立地させる施策を打っていくのかが重要な課題。規制や支援等をうまく組み合わせるべき。
  • 天然ガスシフトは、LNG火力発電を基幹電源として位置づける方向性だと理解しており、天然ガスのセキュリティに重点を置くべき。
  • LNG基地が集中している地域で災害が起こった場合、かなりの影響があるということだったので、相互に連結するパイプラインをもっと大規模に整備する必要がある。
  • 欧州においてですら、ガス業界で「N-1基準」の話が出てきたのは最近のことであり、天然ガスシフトに向けてセキュリティの規制を行うかどうかや、どのレベルの供給安定性を確保するかについては、今後時間をかけて検討されるべき課題。
  • 各社によってN-1の定義の認識にばらつきがあるので、同じ定義に揃えて状況を見てみる必要がある。
  • 緊急時に電力のパイプラインとの融通を行う協定等は存在するのか。
  • 病院等に優先的に供給する事は、何らかの法律の要請に基づくものなのか。
  • 緊急時に供給を停止できる大口需要家には、何らかの対価を支払うことになっているのか。
  • 家庭用の需要に対して供給が落ち込んだ場合、ガスが途中で切れてしまうことになるのか、また、それに対し何らかの金銭的なペナルティはあるのか。
  • 災害時、LNG基地の送出能力が残っていたとしても、実際パイプライン網の配置との関係で、先まで送り届けることができるかどうかは検証しているのか。

<東京ガス株式会社への質問>

  • もし東京電力の袖ヶ浦工場等の施設を運用することになった場合、どのような影響があるのか。
  • INPEXまたは静岡ガスのパイプラインと接続することによって、どの程度の相互融通が見込めるのか。
  • ネットワークを強化するにあたり、自社のパイプラインだけではなく、例えばINPEXの新東京ラインとの接続等、他社のパイプラインを利用して強化していくことも想定されているのか。
  • 今後の天然ガスシフト等による需要増を織り込んだ形で需要想定を考えるべきではないか。
  • 箱根を越えて静岡の方面にパイプラインを延ばす計画はないのか。電力の面でも、中部電力の東側の地域は系統として脆弱であり、ここに火力発電所が立地することは意味があると考えられる。

<大阪ガス株式会社への質問>

  • 北陸から敦賀につながるパイプラインができるとすると、敦賀にLNG火力発電所を立地する可能性が出てくると思うが、企業戦略としてどう捉えているか。
  • 国際パイプラインやメタンハイドレートの開発について、今後どのような方向性を考えているのか。

<東邦ガス株式会社への質問>

  • N-1の事態になったとしても、ピーク需要を満たせるということだが、設備投資の過剰性についてどのように捉えているか。
  • 伊勢湾のパイプラインがつながった後は、三重―滋賀ラインと接続することによって大阪ガスとの相互融通ができる体制が整うのか。

【東京ガス株式会社からの回答】

  • INPEXからガスを送ってもらうとすると、3~5万m3/h程度の送出が可能であると見ており、東京ガスの需要全体の約1%程度に相当する。
  • 電力との融通については、特に契約等は存在していない。現状は熱量調整していないガスを、熱量調整及び付臭を行って送出しており、ガスの性状が違うので、そのままでの融通は難しいと考える。
  • 病院等の優先供給については自主的な取組による。
  • 大口需要家への供給停止については、非常時には供給を止めることを納得してもらう代わりに、料金を安く設定して契約している。
  • 家庭用への供給が落ち込んだ場合、一度に全て止まることはないが、外周部の圧力が弱いエリアからマイコンメーターが停止し、徐々に止まっていく状況が発生すると考えられる。
  • 東京電力の袖ヶ浦工場については、現状でも一体的に運用しており、LNGの融通も行っている。LNG基地を一緒にすれば、原料調達の面でプラスになる可能性はあるが、都市ガスの供給には気化器の能力が重要であり、課題が残る。
  • 新東京ラインとの接続については、INPEXとの協議が中断している状況。
  • 需要の増加については、日立基地の完成後の分を見込んでいるが、今後増えるのは大口需要がほとんどと考えているため、緊急時には供給制限を行い、規制需要家への影響はないと認識している。
  • 静岡方面には、根岸からの新ラインを作り増強を行っている。静岡ガスの基地とパイプラインがつながることにより、静岡ガスのセキュリティ向上に貢献できるが、現状では東京ガスのセキュリティへの寄与は小さい。

【大阪ガス株式会社からの回答】

  • 三重―滋賀ラインによる電力会社との融通については、今後取り決めをしていく予定。
  • 敦賀における計画は今のところ想定していない。
  • 大阪湾内の3基地が停止した場合には、ガスが届かない地域が出てきてしまうと考えている。
  • 国際パイプラインやメタンハイドレートの開発が進めば、調達面での競争力や調達先の選択肢が出てくると認識している。

【東邦ガス株式会社からの回答】

  • 設備投資については、N-1のような考え方として、各基地の最大の気化器が故障したとしても供給に支障がないようにしてきた。
  • 災害時、仮に緑浜工場のみが供給可能という事態になった場合には、全域に対してガスの送出が可能である。
  • 現在中部電力とLNG基地の運営で協力しており、ガスの融通についても検討中である。仮に三重―滋賀ラインと連結しても、三重県側は中部電力のパイプラインであり、大阪ガスから中部電力にバックアップする際の余力で融通してもらうことはあり得るが、今後の検討課題と認識している。

天然ガスシフト基盤整備の新しいあり方について

株式会社三菱総合研究所より、「広域パイプラインネットワークの整備コスト試算及び各種効果試算」について説明。米田ガス市場整備室長より、「広域パイプラインネットワーク整備促進方策とコスト負担の考え方」について説明。

【委員からのコメント・質問】

  • パイプラインを整備するための天然ガスの価格低減という観点から、LNGの調達面での政策も必要。
  • 民間では難しい投資については、社会的利益を考え、何らかの公的な介入、政策、バックアップが必要であり、その際の費用負担をどのように行うかが重要。
  • 社会的便効果が誰かに帰着したところで費用負担を行う、という考え方もあるが、この場合法律や施策を展開することが難しく、ある程度割り切って負担の手法を考える必要がある。
  • 整備コスト負担の手法は、それぞれ排他的なものではなく、色々な形の組み合わせが考えられ、全体としての説明性、納得性、合理性、資源配分性を歪めないようなスキームを追求していくべき。
  • パイプライン整備に係るコストの低減と、整備事業収入の増加、の両面からの施策が必要。

<「広域パイプラインネットワークの整備コスト試算及び各種効果試算」に関する質問>

  • 導管の整備費用は10億円/kmと試算されているが、コスト増となっている要因は何か。
  • 天然ガスシフトに伴い増加すると見込まれるLNG火力発電所やコジェネ等の沿線需要が、パイプライン整備の採算性を向上させると考えられるが試算に含まれているのか。
  • 価格低減効果として、税関別輸入価格で価格の高いところだけ下げるという試算になっているようであるが、もう少し考察が必要ではないか。大手の事業者が安く買っていないことが問題である。
  • パイプライン敷設に係る全体の費用と収入が示されているが、4ルート別の費用と便益は試算しているのか。
  • 既存の導管敷設計画があるルートについては、延伸すると試算したのか、あるいは敷設し直すと試算したのか。
  • 需要の弾力性はどのように想定したのか。

【株式会社三菱総合研究所より回答】

  • コストは工法によって異なるが、大都市圏ではシールド工法を選択せざるを得ないため、コストアップの要因となっている。
  • 価格低減効果の計算方法としては、対象とするルートの沿線上で最も調達量の多いところからガスの融通が行われるという仮定で試算した。
  • 既存導管があるものについても、新規敷設で試算を行っている。
  • 需要の弾力性については、検討を行ったものの、数値の仮定を置くことが難しく、今回の試算には加味していない。

【事務局より回答】

  • 燃料転換とコジェネの導入による需要増は試算に織り込んでいる。大規模な発電設備については、大きなものになるほど仮定を置くのが困難であるため、今回の試算には入れていただいていない。
  • 今回の試算には入れていただいていないが、LNG基地間の接続により、大ロットで安く調達できるメリットもあると考えている。今回試算した効果は、地域間の天然ガスの価格差をどう解消していくかを評価している。
  • 4ルート別の費用と便益については整理して報告する。

お問合せ先

資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

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最終更新日:2012年6月1日
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