経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 天然ガスシフト基盤整備専門委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成24年6月13日(水曜日)19時10分~21時
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

委員
横倉委員長、柏木委員、橘川委員、古城委員、八田委員、松村委員、山内委員
経済産業省
枝野 経済産業大臣、高原 資源エネルギー庁長官、安藤 資源・燃料部長、森 資源・燃料部政策課長、吉川 石油・天然ガス課課長補佐、糟谷 電力・ガス事業部長、三田 電力・ガス事業部政策課長、米田 ガス市場整備室長、江澤 電力需給・流通政策室長
オブザーバー
松井 石油連盟専務理事、久米 電気事業連合会専務理事、田邊 一般社団法人日本ガス協会常務理事

議題

  1. 取りまとめに向けた議論

議事概要

米田ガス市場整備室長より、報告書(素案)について説明。

一般社団法人日本ガス協会からのコメント

  • 広域天然ガスパイプラインの整備に向けては、まず天然ガスシフトを実現するための政策・制度を具現化し、エネルギー基本計画においてもその位置付けが明確にされることが重要。
  • 天然ガスのセキュリティ向上のための投資は、これまでも事業者の需要開発の中で進められてきた経緯があり、今後もセキュリティ向上と利用可能性向上のバランスに留意すべきである。
  • セキュリティをどの程度向上させる必要があるかについては、エネルギー基本計画の中で天然ガスシフトの水準が明確された後に検討が行われるべきである。
  • 価格の低減に向けては、原料調達の選択肢を多様化し、天然ガス輸入における交渉力を高めることが重要であり、国際パイプラインとの連結やメタンハイドレートの活用を意識しながら検討することが必要。
  • 本委員会で示された「広域パイプラインネットワークの整備コスト試算及び各種効果試算」での効果の数字には社会的効果が含まれており、民間事業者としての投資判断は更に厳しいものにならざるを得ない。
  • 整備コスト試算と事業収入のギャップを埋めるためには、需要家の負担を軽減するための財政支援や事業収入を増加させる需要顕在化策等が必要。

電気事業連合会からのコメント

  • LNG基地のような投資規模が大きい設備は電気・ガス事業者の共同運用のメリットが大きく、今後とも合理的な設備形成の観点から一層の事業者間連携を進めていく。
  • 天然ガスの利用可能性については、エネルギーミックスの観点から天然ガス火力発電所の担う役割は大きく、既存発電所のリプレイスや新規発電所の建設を進めていく。一方、多様な供給の選択肢を持つことがエネルギー安全保障上重要であり、過度な天然ガスへの依存には留意すべきである。
  • 需要家の利益を高めるためには、供給基盤整備と併せてガス事業制度を見直していくことが必要であると考える。
  • 電気・ガス事業者全体の広域天然ガスパイプラインネットワークの構築に向けては、熱量・圧力等の在り方を検討する必要がある。電気事業者のインフラについては熱量調整の設備を備えておらず、熱量調整を前提とすると、コスト面での問題が生じる可能性がある。
  • 整備促進策として託送義務免除を検討する場合には、新規参入者が供給基盤を利用しやすくすることで需要開拓が活性化する可能性にも留意しつつ、慎重な対応が必要。
  • 供給基盤整備によって得られるメリットは受益者毎に異なると予想されるため、整備に伴い需要家が負担する電気・ガス料金と十分に比較した上で判断されるべきである。
  • 今後新たに敷設する広域天然ガスパイプラインだけでなく、既存のパイプラインにおいても競争が図られるような制度設計が行われるべきである。

石油連盟からのコメント

  • 石油・ガス・電気等エネルギー間での公平な競争を促進し、需要家がエネルギー及び供給事業者を自由に選択できる市場を整備する事が重要であり、電気事業と同じく、ガス事業の規制改革に向けた検討を行うことが必要。
  • 都市ガスは系統エネルギーとして災害対応力が脆弱であり、広域天然ガスパイプライン整備はエネルギーセキュリティの強化につながらないと考えている。
  • 広域天然ガスパイプラインの整備は今後とも事業採算性を勘案して進められるべきであり、エネルギー間の公平な競争を阻害するような政府支援は最小限に止めるべきである。
  • 天然ガスの需要増加に伴い、供給途絶への対応力を強化する観点から、今後LNG・天然ガス備蓄が必要であると考えている。

委員からのコメント

  • 今後の天然ガスの供給については、電気・ガス・石油事業者それぞれが協調して行っていく必要があり、エネルギー事業者同士の連携を後押しすることが重要。
  • 2030年までに発電電力量の15%のコジェネを導入することは容易ではなく、報告書においても需要喚起を積極的に打ち出すべき。
  • 天然ガスパイプラインを建設する際に重要なのは、輸送料金をどう設計するかであり、混雑料金の設定等も含め早急に検討すべき。
  • 広域的なインフラについては、負担の時点と将来受益者が出てくる時点が異なる場合があるため、例えば融資を行い、将来的には受益者から回収するスキーム等が必要である。
  • 熱量については、諸外国のように、基幹パイプラインについては自由度の高い熱量とし、必要に応じて需要家が調整するような仕組みを参考にしつつ、国が調整を行い検討すべき。
  • 本委員会の議論は、都市ガス事業のためではなく、電力等も含めた天然ガスシフトのための議論であることを改めて確認する必要がある。
  • 供給基盤の整備は民間事業者が行い、国が整備基本方針の策定やサポートを行うという基本的な役割分担は理解できるが、本当に整備が進むかについては、民間事業者が相当な覚悟を示すべき。インフラがきちんと整備されて初めて天然ガスシフトを大々的に進められるという側面もあり、国が天然ガスシフトにコミットしなければ整備を進められないという民間事業者の考え方は改めるべき。
  • 電気事業の制度改革もガス事業の制度改革も重要であり、本委員会ではどのような制度になろうとも必要な供給基盤について議論を行った。一方、報告書において今後の制度改革を見据えている旨を明記しておくことには意味があると考えられる。
  • 熱量については、電気事業に全く必要のない熱量調整のコストを電気の需要家のみが支払うのは不公平であり、全体として最もコストが低くなる設計とし、必要な需要家が負担するのが制度として自然である。
  • 報告書において原子力依存度を低減させる方向性に触れられておらず、電源構成の中で天然ガス火力発電を中心に据えていくという迫力が読み取れない。原子力発電所の周辺には大容量の送電線や変電設備等が既に整備されており、今後は原子力発電所を天然ガス火力発電所に置き換えていくことが原子力の出口戦略になると個人的には考えている。
  • エネルギー間の公平性を主張するだけではなく、石油事業者が天然ガス供給に参入するような成長戦略を描いていくことが国際的な潮流としても一般的な考え方ではないか。
  • 社会全体としてパイプラインネットワークを接続すべき場合に事業者の利益と対立する場合は、国が何らかの形で関与して検討する場が必要である。
  • 整備費用負担については、セキュリティ基準を義務化し、料金によって回収できるようにするという手法やパイプライン整備が最もコスト的に安価な場合には、それ以上のコストが掛かるセキュリティ対策は原課算入を認めないという手法も考えられ、現行制度においてもアメとムチをうまく組み込んでいくことは可能である。
  • 受益者負担については、どこまでを受益者と見るかという「範囲」の問題と、どれくらいの利益があると見るかという「程度」の問題、そして、時間の流れの中でどの世代で負担していくかという「時間軸」の問題が存在している。インフラについては長期にわたって使うことを考えれば、通常の事業者の採算性だけでなく、長期間で負担していくというのも可能性として考えられる。

米田ガス市場整備室長より、本日の議論をもとに報告書(素案)の修正を行った上で次回委員会において提示する旨回答。委員より了承。

お問合せ先

資源エネルギー庁電力・ガス事業部ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

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最終更新日:2012年7月9日
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