経済産業省
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クリアリング機能の強化に関する研究会(第3回)-議事要旨

日時:平成20年4月14日(月)9:00~10:50
場所:経済産業省本館2階西8共用会議室

議題

クリアリングにおける信用力の強化(II)

  • 清算参加者の信用力の強化
  • リスク管理のあり方等

クリアリング機能の強化のために検討すべきその他の事項

  • 規律と信用力の強化を前提とした清算参加者の利便性の向上のあり方
  • その他の検討事項

出席者

尾崎委員、加藤委員、川本委員、高井委員、多々良委員、中島委員、南學委員、茂木委員、吉田委員、渡辺委員

議事要旨

資料説明

事務局より、資料3「クリアリングにおける信用力の強化について」、資料4「クリアリング機能の強化のためのその他の検討事項」に基づき説明

意見交換

  • 資料3の9ページ(vii)「概ね1年程度の経過期間を設けることとし、平成21年度から上記基準へ移行することが適当ではないか。」と問われれば、適当ではない、あるいは、判断に非常に苦しむという答えになる。基準自体はこんなところと思うが、経過期間の取り方については、過去の経緯、メンバーの現状を踏まえると、メンバー、JCCHのどちらにとっても難しいところである。基準から外れるということはメンバーから退出をするということになるので、理論がどのようなものであれ、世の中は営業の否定と受け取る可能性がある。メンバーになっていることはある種の権利というと変だが、そういうものでもあるので、退出するための十分な期間と受け皿をきちっと整備しなければならない。他社清算への移行は大事なことであり、先程事務局から説明があったとおり現在3社が他社清算を行っているが、これは自分の同族会社、もしくは子会社の清算を受けているということである。例えば、金融機関がそう簡単に参入して他社清算が早い時期に進むとは思えない。また、業種の転換、合併も大事であり、これらに関する支援策を、整備に目途がつくまで、もう少し時間をかけてとるべきではないか。一方で、やるなら早くけじめをつけてやってしまった方が信用力が上がるのではないかということはあるが、これは理論の上ではそうなるかもしれないが、全員参加型といういきさつ、業界の現状を考えると、実際面でなかなか動かないという気がする。JCCHの経営判断の問題としても、広く会員の意見を聞くべき事項であると思われるので、この点については留保させていただきたい。これとの関連で、13ページの「2.他社清算が円滑に可能となるような環境の整備等」という表題について、確かに自分で清算出来ない場合に営業を継続するなら他社清算ということは理論の必然かもしれないが、クリアリングの話は、業界全体のの近代化、再編成に続くことを議論しているので、他の環境整備の問題もきちんと入れて、しっかり取り組むというようにしていただきたい。その意味で言えば、「他社清算が円滑に可能となるような環境の整備」ではなくて、「他社清算が」を取って、「円滑な移行が可能となるための環境整備」にして、もう少し選択肢を盛り込み、主務省においてもそれに真剣に取り組むという姿勢を出していただきたい。
  • 会員は、クリアリングの問題について漠然とは問題意識を持っているが、清算、非清算会員の基準については、まだ具体的な数字等は理解していない。そういった意味で、会員の総意を申し上げる状況にないのが現状であり、これから会員に対してサウンドしながら理解を求めていくことになる。ただ、協会長の立場としては、財務要件等の方向性については否定をするつもりはなく、そういう方向性でいくと思うし、会員にも理解を求めていくつもりである。しかしながら、基準への移行時期については、「概ね1年程度の経過期間を設けることとし、平成21年度から」となっているが、厳密に言うと、平成21年の4月からということになり、この時期に実行できるかどうか疑問である。現状、取次は非常に少なく、また、他社清算となると色々な問題が発生する可能性が高い。基準のボーダーラインにいる者は、自社で努力をしたり、合併をする等により清算会員になろうとする。このような動きを一つとってみても、時間的猶予がないのではないか。ましてや、他社清算を受けるとなると、証券でも他社清算は少ないと認識しているが、それ相応のリスクを持って実行しなければならないため、物理的な問題として時間的に厳しいのではないかと思うので、是非その辺の検討をお願いしたい。他社清算について、金融機関等の清算ができるようにするということも一つではあるが、金融機関等に限る必要はあるのか。例えば、金融機関ではないところが、共同出資して清算会社をつくって清算をするといったことも可能なのかどうか検討していただきたい。
  • 金融機関に限ったつもりはなく、「金融機関等」と書いているのは、まさにそれ以外にどういうものが可能なのかも含めて広く考えたいという趣旨である。物理的な時間が必要ということで、これから持ち帰って検討されると思うが、その際に、例えば、臨時総会、株主総会が終わる時期等、具体的にどのぐらいの期間が必要なのか。4月1日が本当に適切なのかについて議論いただいているが、何ヶ月延ばせば対応し得るのか、どういう環境が整理されれば良いのかということも併せて検討いただきたい。
  • 外部からみると、日本の動きが非常に良い環境になってきているが、非常にスローなので、参加する可能性のある市場参加者が参加することができない状況が続いているのが今の状況である。今の日本の状況は、アメリカの70年代後期とよく似ているところがある。当時FCMの登録が約480社、そのうち約半数がクリアリングメンバーであったが、現在FCMの登録が250~260社、そのうち、1/3弱がクリアリングメンバーであり、どんどん少なくなってきているという状況である。そもそも、日本の場合はすべての会員がクリアリングメンバーであるという歪な状況の中で歴史が刻まれており、ここでクリアリングメンバーとノンクリアリングメンバーというようなことを討議すること自体が、先物先進国の米国から見ると、かなり時代に遅れている。先程の他社清算に関連するが、クリアリングというのは金融サービスであり、市場リスクと清算取引リスクは裏腹で常に関連性があるので、市場取引に参加していない業者がクリアリングメンバーになるのはおかしく、歪なことが起きる可能性がある。随分前に、LCHのLME関係でこのような業者がいたが現在はいない。市場参加者であって初めて清算参加者になる資格があるということが望ましいのではないか。純資産額が適切であるかどうかの尺度を判断するときは、流動資産や負債の定義がどういうものなのか、どこにあるのかを明らかにすべきである。例えば、CFTC規則第17条において、これらの定義が明確に記載されており、BIS規制よりも若干厳しい調整済み純資産という中に純資産が記載されている。この辺が明確にならないと、20億なのか、50億なのか、100億なのかの判断が出来ず、例えばアメリカの純資産規定を持ち込んだ場合、アメリカの20億が日本の基準でいう50億に匹敵する可能性もあるため、この辺も考えなければならない。今後、新たな市場間、次世代システム等を踏まえ、新しい海外、国内の市場参加者に対するリスク管理体制を整える必要があるのではないか。現在の目先のリスク管理のことだけではとても追いつかないという状態が、今の日本に生じているということを含みおく必要があるのではないか。
  • 基本的に清算資格者の財務要件を上げることは賛成である。新たなクリアリングシステムをつくってやっていくのであれば先程の意見も理解できるが、現実は、今のクリアリングシステムで3年が経っており、こういう状況で大きく改善していくということだと思う。実施時期については、どのような条件にするか等いろいろなことが決まった後、最低でも1年以上の経過期間がないと、全部がうまく移行できるかどうか自信がない。他社清算資格の財務要件について、資料3の9ページに50億円で5社等と記載されているが、50億すれすれで取次5社の清算を引き受けていたら、何かおかしくなった場合に非常に不安であるので、できれば、もう一つの手前のところ、30億円で3社というような刻みをつくった方が円滑な移行ができるのではないか。
  • 主務省の非常に包括的な調査と提案について高く評価したいが、現状この財務要件を適用したときに、どれぐらいの数の人達が基準をパスできるのか。
  • どのタイミングで切るのかにもよるが、機械的に適用すると、受託会員約60社のうち、大体2/3が基準をクリアする。
  • 信用力の強化のためには財務要件の基準をつくるということについては、既に委員会で合意があると認識。方向性が決まったら、タイムリミットを先に設定すると先送りになり、関係者全員が思考停止なってしまう。いろいろな業界を見てきたが、業務をしている方が時間が欲しいというのは、ごくごく普通の反応であるが、約60のうち2/3がクリアーできるのであれば、タイムリミットを先に延ばすのではなく、他社清算以外のオプション出しをすることの方が重要である。その方が、物事をビジネスの判断として決めていくことができる。
  • いろんな意見が出されたが、今の商品取引員の1/3が1年以内に何らかのオプションでスムーズな転換ができるということであれば結構だが、今の現状から見るといろいろな混乱が生ずるのではないかという懸念がある。実施時期については、闇雲に遅らせるということではないが、環境整備と同時に会員とも対話をして意思の疎通を図り、大方の方向性について合意を得た上で進めていくのが現実的である。
  • 清算会員の資格を一定基準に引き上げるということは、リスク管理の一番基本なので、こういう方向で見直すことは賛成である。資料3の9ページに取得基準と維持基準を一致させるべきではないかとあるが、これは別々でも良いのではないか。入口のバーは高くしておかなければならないが、一方で、一時的に経営が悪化したらすぐに清算会員でなくなるというのはなかなか厳しい基準であるので、一時的な経営の悪化はある程度許容するという二段階方式が良いのではないか。JSCCも二段階方式になっている。これを一つにするということになると、実は入口のバーが低過ぎるのではないかという議論にもなりかねない。資料3の8ページにリスクヘッジのために市場を活用する当業者については合理的な配慮をするとあるが、こういう人は当然スペキュレーションもやるので、リスクヘッジとスペキュレーションの境目がどこにあるのかという問題があり、取引参加者を増やしたいということはわかるが、この人達に対する基準が甘くなってしまうことがないようにしなければならない。5ページに受託会員と市場会員という違いがあり、当業者は市場会員で自己取引だけをやるということなので、このように区別するという手はあり得るという気がする。他社清算については、皆さんのアレルギーが強いという感じを受けた。リスク管理の基準を厳しくしていくと、取引はしたいが清算のリスク管理に付いていけないところが出てくるが、こういう場合は、直接参加して清算をやっていくところと頼んでいくところに階層分化していくことになる。なお、金融の世界では外為円決済というドルやユーロを決済をしたときに円の決済をするシステムがあるが、数年前に間接参加という制度を認めたところ、決済を行っていた200社のうち、直接参加は20社ぐらいであとは全部ぶら下がるという状況になった。きちんとリスク管理を行って、清算預託金、清算基金、担保等を積むということをやっていこうとすると、中小のところは大変ではあるが、あまりアレルギーを持たずに進めていただきたい。
  • 我々が心配しているのは、他社清算をしてくれるような参加者が出てこないのではないかということ。過去に金融機関に対して、JCCHのメンバーでクリアリング業務をやって欲しいという話をしたことがあるが、日本の商品取引員のクリアリングを引き受けるのはリスクがあまりにも高すぎて、そういう方向で決断をするまでには至らなかった。現在は、系列の会社を引き受けてやっている3社しかいないという現状であるが、他社清算参加者が今後増えるのかどうかの見通しについて教えていただきたい。
  • そこがはっきりしていないので、資料3の13ページで、円滑に可能となる環境の整備について必要な内容を至急整理して、14ページで、私達が考えたことを縷々書いている。このようなものをいかに解決できるのか、また、これ以外の問題点もたくさんあると思うので、整理をしていくことが必要。
  • 現在の他社清算という制度には違和感があり、これが清算業者が参加を拒む一つの理由になっている。JCCH等の財務基盤のあり方、現在の商品取引員の全体的な財務基盤、顧客に関連する問題等について懸念しているところが多々あるというのが事実の姿であるが、その根幹で一番大きな問題点は、他社清算と取次業者と海外オムニバスが実は全部一緒ということ。一緒であるにも拘わらず、取引所会員である業者を清算するのが他社清算、取引所の会員でないところを清算するのが取次業者に対する清算、海外からの取引についてオムニバスアカウントという形で清算するのが海外取引業者に対する清算であり、これらは全部清算取引であるが、ある一定の清算取引を行うと純資産額要件が上がるという不合理な状態が起きているため、この辺の調整が経済的に必要である。それ以外についても、業者の参加意向、機運という観点から、制度的な見直しが必要である。
  • 先程、他社清算が円滑となるような環境整備以外にいろいろな方法があり、近代化、再編成ということであったが、具体的にこれを直す場合、他社清算が円滑に可能となるような環境整備以外にどのようなものが必要なのか。
  • 一つは合併であり、これにより基準をクリアしつつ業務をスリムにするという道がある。これは近代化の方向である。また、先程指摘があったが、取次と他社清算を分けたり混同したりしているが、十数社は取次の形でJCCHの清算参加者に清算を頼んでいるはずであり、もう少し取次の話を真剣にした方が良い。制度、法律を変えるという話であれば、IB制度の導入も一つの選択肢である。また、産構審の冒頭でも申し上げたが、ビジネスモデルとして成り立たないから入ってきていないが、海外では手数料が高くて堂々と行っている他社清算を引き受ける環境を整備する。さらに言えば、他社清算を引き受ける方々に対して、相手先の経理内容、経営内容がわかるようにする。ここ何年間か検査結果に基づいて相当厳しい処分がなされている状況では、経理内容が良くても、ある日突然業務停止というような会社の清算引受はしかねるという事実もある。このように、他社清算一つに拘らず、たくさんの選択肢を書いて整備していただければ、変な言い方だが安心して退出ができる。
  • そういう意味では委員の感覚は同じである。混乱があるかもしれないし、時間が欲しいということかもしれないが、受け皿というか、エグジットの方法があれば良いという理解。
  • 期限を切るのも基準をつくるのも賛成である。それからオプションをつくるが、そのオプションが環境整備を同時並行的にやって間に合うようにきちっと動くオプションでなければ意味がない。
  • 確かに環境整備が重要であるという指摘はそのとおりであり、各取引員が何をすべきかということについては、資料3の14ページの(3)に「財務内容の充実、取次への移行、合併等適切な経営判断を行うことが期待されるのではないか。」と記載している。合併は今の法律を前提としても十分できるので、(2)に合併を進める方策を書くとしたら、具体的内容は何があり得るのか。考えた限り思いつくのが難しいが、ここは各取引員の判断であると考えられるので、また別途教えていただいた上で書き加えたい。
  • 大事なのは報告書のまとめ方で、退出する者に分かりやすくするということが大事である。また、合併については、現在の情勢では大変難しいと思うが、いろんな手法がある。のれん代の評価や繰り延べ等の税制、卸売市場の仲卸の合併に対する助成等、金融、税制、補助金というのは行政の三大武器である。したがって、入口をシャットアウトせずに幅広く考えて、主務省も随分応援してくれているという感じが必要ではないか。
  • スパン証拠金の導入については、実質的なリスク管理上、大変不可欠な、いわゆるリスク連動型証拠金として捉えているが、まかり間違うと危険である。一般委託者が流動性を提供する日本市場においてスパン証拠金を適用した場合、業界が俗に言う超薄張りという形になり、これはネットマージンよりも低く極めてゼロに近づく証拠金制度であり、プロフェッショナルのための証拠金制度であるということを十分に考えなければならない。スパン証拠金を適切に運用すれば、委託者保護あるいは投資家保護につながることも可能であるが、受託業者としてのリスクは非常に高まることも考えなければならない。ポジショントランスファーを可能にするために分離保管制度があると言っても過言ではない。資料3の22ページにあるが、欧米においては、財政的危機に陥った前例はたくさんあるが、ポジショントランスファーを有効に活用しているため、クリアリングの不履行がないというのが実態である。したがって、トランスファーは受託業者が破綻する実情を確認してから行うのではなく、いつでも誰でも委託者の指示においてできる体制にする必要があり、これが委託者保護の根幹である。
  • 清算参加者の資格要件として、必ずしも取引所会員でなくてもいいということについては、先程の指摘のとおり、金利、先物、コモディティーが価格連動している中では、取引の一連の流れの中で取引会員であることが金融機関の立場からは望ましいが、グローバル取引により厚みを増して行く過程において、取引所会員でなくても清算会員として何らかの信用補完を行いながら、潤滑かつスムーズに移行できるということであれば、この考え方自体は問題ない。清算参加者の移行を円滑にするためのメカニズム、ガイドラインのバーというのが、例えば、30億円、3社にした場合にどこに影響してくるのかという影響度のマッピングを論点で整理し、全体の論点の列挙と合わせて、どれがどういう形の影響に結びついていくのかという一歩踏み込んだ作業が必要ではないか。なお、日本証券クリアリング機構の参加者である金融機関は株式がショートしてしまった場合、借り株をして清算することを迫られることになる。今回清算会員だけで参加した場合、取引の取次であれば異常な取引をダンする前に、取次業者であるがゆえにいろいろ言えるが、取引がダンした後で清算だけやらされてしまうと異例な取引等、取引のシステムヘッジが効かないことになる。単に我々が相対で清算業を受託する信用リスクだけの問題ではなく、今回列挙している論点をいろいろな角度から分析することをご検討いただきたい。
  • 資料3の9ページ(viii)に、「今後、維持基準を取得基準に一致させる方向で基準の見直しを行うべきではないか。(平成21年度中に規程類の見直しを行い、平成22年度から実施)」とあるが、一致をすべきかどうかの議論をして、その結論を平成22年度から実施するということか。要するに、維持基準と取得基準を一致させるという結論で、議論をスタートするのか。
  • ここにすべきではないかと書いていることについて、反対があれば言っていただき、賛成していただけるなら、最終的に報告書に書いて、皆さんにお諮りするということ。
  • 仮に取得基準と維持基準を一致させた場合に、どの基準がどれくらいの期間で割れると清算会員でなくなるのかというところも非常にシビアな問題である。我々のマーケットは1ヶ月で10億円やそこらの純資産が変わるということは多々あるので、その辺はどのように考えているのか。
  • 一致するとした場合には、これから詰めていくことになるが、一定期間後に見直すということになる。その前提として、日々におけるエクスポージャーを見ていただき、20億円に近づいた段階で、25億円なのか30億円なのか今後検討する必要があるが、何らかのウォーニングを発して、戻すようにとの指示が出ることを想定している。
  • 清算参加者の信用力については、近代化を図るために、基準を満たすか、業種転換するか、廃業するか、合併・統合するかという選択肢しかないので、これらについて主務官庁が税制などで再編を促進できるのかどうかを考えていただきたい。近代化の過程においては、業務を行っている既得権益者は変化のことを混乱というが、変化をさせようと思っている方は混乱と言われるとたじろいでしまうので、混乱という言葉をなるべく使わずに議論していただきたい。
  • 市場参加者、投資家がトランスファーすることを促進しなければならない環境が起きたときに、JCCH、クリアリングハウス、取引所、監督機関がどのようなアクションを行うのかということが大変重要である。トランスファーシステムがあればそれで良いというのではなく、いかに市場参加者、投資家が運用するか、そのようなアビリティーがどこにあるのかがより重要である。先程話のあったアーリーウォーニングについては、例えば一定の純資産基準を下回ったらポジショントランスファーを警告、勧告するようなものまで踏み込まないと、自主的な投資家救済にはならない。欧米のFCMの倒産事件において、倒産するFCMは全部分離保管が出来ており、このような形が望ましい。分離保管、純資産がある段階でトランスファーをする行為が必要であり、欧米では分離保管総額の6%を純資産で割るとアーリーウォーニングがかかって開示されることになる。
  • 東工取においてもトランスファーは行われているが、会員の脱退、所属区分の廃止、違約者となった場合等、非常に限定的な場合のみに限っている。先程の指摘のような考え方に従って、トランスファーをいつでも実施できるような方向で考えるべきということで、現在内部で議論をしている。
  • JCCHが信用エクスポージャーの測定を毎日やっていないのは驚きである。早く議論を始めていただきたい。
  • 海外では日中のリスク量の把握をどうするのかについて議論しているときに、月に一回しかリスク量を把握していないというのは、3周遅れ、天と地の差というか、かなりまずい事態であるので、早急にやっていただきたい。リスク量が分かって初めて、それに対して、例えば清算基金がいくら必要という話になってくる。違約対策財源が幾ら必要かというのも、まずリスク量がわかって、それとマーケットのボラティリティがわかる中でどれぐらい必要かという話になるので、前回議論した手数料引き上げとの問題も絡んで、違約対策財源が70億円必要との話があったが、リスク量をきちっと把握したら50億円で済むかもしれないし、80億円必要ということになるかもしれない。ここは基本としてきちっとやっていただきたい。リスク管理を行うときは、スパンやバーの算出等技術的な面もあるので、CCPの中にリスク管理委員会のようなものを設けて、きちっと内容がわかった人が議論をするのが普通であり、そこで議論したものを取締役会か何かで承認するという組織的な対応が必要である。
  • 例えば、70億円、80億円の資金の引き当てを利益でやるとすれば、株式会社で税金等がかかるので、150億円、160億円と倍が必要になる。したがって、出資金による資本金の増強等を含めて、両方でやっていくことを検討していただきたい。
  • クリアリングハウスのリスクを軽減するために、現在充用有価証券の見直しは月1回、もしくは30%動いたときとなっているが、現在の変動が大きい有価証券市場等においては、日々行うべきではないか。なお、国際的な他の市場においては、有価証券は本証拠金のみに活用でき、委託者にとっても、有価証券を追証拠金、値洗い損金に充用することは不可能であり、この辺を手当しないと円滑なポジショントランスファーにも障害が起きるのではないか。

資料説明

事務局より、資料5「「クリアリングハウスの経営基盤の確立」及び「違約対策財源の充実」に係る取組の実施時期について、「清算参加者の信用力の強化」及び「清算リスク管理のあり方等」に係る取組の実施時期について」に基づき説明

意見交換

  • 我々には株主、カスタマーがおり、本日午後、JCCHで株主全部が参加する経営検討会議を開催して、これまでの議論をある程度集約して披露し、意見を伺う予定である。また、4月21日には清算参加者全員にこの状況を説明して意見を賜りたいと考えているが、特に1ページの6番の清算手数料の引き上げを本年度下半期からやることについては相当強い異論が出ると思う。2ページ目の財務用件の見直しについては詳細を説明していないので、どのような意見が出てくるのか保証の限りにはなく、間に立っている経営陣としてはまことに苦しいものがあり、最終的にはカスタマーと株主に拘束されるということになるが、できる限りの調整の努力をしたいと思っている。
  • 2ページ目の下の2段と3ページ目の一番上の信用エクスポージャー関連の取組は基本であり、これに対してモニタリングをするとか、違約対策財源等を考えているわけなので、中長期的な視野で研究というのはちょっとのんびりし過ぎているのではないか。今4月で、3カ月ぐらいで信用エクスポージャーを研究し、6月の段階で1回何か出して、10月、3月ぐらいで完成させて、それと一緒に測定結果に基づくモニタリングの方法というのは考え得ると思う。システムをつくっていくということであればそれなりの期間がかかると思うが、証券取引所等にも例があり、また、金融機関の方達もこういうものがなければ入りも出来ないという世界なので、早急な検討をお願いしたい。
  • JCCHが事務的にどの程度できるかということもあると思うが、行政としても、1日毎の信用エクスポージャーの測定を出来るだけ早くやっていただきたいと思っているし、中期的と書いているが、ある程度環境が整い次第やっていただきたい。
  • 先程の指摘のとおり、リスク量の把握がすべての前提であり、その前提となる事実がわからないことには、その上にあらゆる制度が成り立っていくため、できるだけ早く対応していただきたい。デイリーでも遅く、どんどん前倒しせざるを得ない感じはしているが、対応できるかどうかは別として、できるだけ早くデータが集められるような体制にしていただきたい。
  • 信じられないような話と言われるが、現実の話としてシステムがないため、これを日々行おうとすると、今の僅かな人間で取引所から来るデータを手作業で集計しなければならないという、まさに信じられない状況にある。システムの整備はとにかく急がなければならないし、手作業でどこまでできるのかを少し実験してみて、一番のコア中のコアなので手を抜かずに頑張りたい。
  • JCCHの取締役という立場で発言させていただくが、JCCHはそういう経緯できてしまっているので、現状をきちっと受け止めているし、現実として早急に対応しなければならないと思っており、先延ばしするつもりは毛頭ない。ただ、システムがないので、これを構築するだけでも物理的な時間とコストが掛かる。そういった面も含めて、早急にできることを具体的に実現化していくということで、既に着手しようとしているところである。
  • 経営検討会議で言うべきことかもしれないが、清算手数料のアップを2段階に延ばしたことは非常にありがたい。現実に引当等を行わなければならないという観点から考えると、取引所を含めてコストダウンに努めていただき、安いコストで運営できるようにお願いしたい。
  • 第1回から第3回まで議論いただき、まさにJCCHの改革が期待されており、タイムテーブルをつくったというのも、東京工業品取引所、東京穀物商品取引所等が改革をしていくに当たって、できるだけ早くJCCHの改革をしていただかないととんでもないことになってしまうという認識があったからであり、取引所の改革に合わせなければいけない部分もあると理解している。したがって、その趣旨を理解し、できるだけスピード感を持って実現していただきたい。この研究会で議論してきたことは概ね合意をいただけたと思う。時期の問題はあるが、財務要件を引き上げて一律にする、資格要件の継続的なモニタリングを行う、上場商品構成物品による清算資格の区分の見直し等。取得基準と維持基準についてはこれから検討していく。清算リスク管理のあり方に関しては、信用エクスポージャーを毎日見る。システムを構築するのは大変かもしれないが、データが揃わないと制度がつくれないのでよろしくお願いしたい。トランスファーについては、現状においても活用策があるなら検討が必要であるし、改善すべき点があればその点についても検討が必要である。資料4にいろいろな提言があるが、この周辺部分もこれから議論していきたい。スケジュール表に関しても、前回の部分は合意いただけたと思うが、今回取り上げた部分も検討するとなっている項目があるので、必要に応じてフォローアップが必要になるかもしれない。

資料説明

事務局より、資料6「「クリアリング機能の強化に関する研究会」取りまとめ(骨子案)に基づき説明

次回の日程等について

  • これまでの議論いただいたこと、議事要旨等で公表されている部分等を踏まえ、また、本日のご意見を事務局で咀嚼し、取りまとめ案を事務局の方で作成し、第4回の会合で議論をしていきたい。なお、議論が残されている部分等に関しても何か意見があれば事務局に寄せていただきたい。
  • 次回は4月24日(木)午後2時から開催予定。今までの議論を取りまとめた上で報告書案の形にしてできるだけ早めに皆さんにお渡しする。意見をいただいた上で次回の会議に臨み、議論させていただきたい。

以上

 
 
最終更新日:2008年5月13日
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