経済産業省
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クリアリング機能の強化に関する研究会(第4回)-議事要旨

日時:平成20年4月24日(木)14:00~15:10
場所:経済産業省別館5階513会議室

議題

クリアリング機能の強化に向けた今後の取組について(案)

出席者

尾崎委員、加藤委員、川本委員、高井委員、多々良委員、中島委員、南學委員、茂木委員、吉田委員、渡辺委員

議事概要

資料説明

事務局より、資料3「クリアリング機能強化に向けた今後の取組について(案)」に基づき説明

意見交換

  • この研究会で検討された報告案は、我が国の商品先物市場の信頼性、安定性の根幹としてのクリアリングハウスの位置づけをきちっとしており、その強化が喫緊としていることについて、全面的に賛同し、方向性に全く異論はない。経営基盤の確立と信用力の強化のために提言された具体的な諸方策については、JCCHのみならず、業界を上げて真剣に取り組んでいきたい。取りまとめに際して、私どもが数次にわたり懸念を表明した事項については、随分と調整あるいは配慮がなされており、現実を踏まえた対応案がつくられていることに感謝する。この報告書が取りまとめられるといよいよ実行段階ということになるが、この報告の実施については、JCCHの中に本文中にも言及されている経営改革推進会議を設け、その下に実行部隊である経営改革推進室を早急に立ち上げたい。この推進室で精力的に根を詰めた議論を行い、具体化のための実施案とスケジュールを作成して、恐らくこの秋には、株主、利用者に説明をすることになると思う。心づもりとしては、この秋に臨時株主総会を開催し、その間も清算参加者に納得を得るための最大限の努力を行い、着実に取り組んでいくつもり。一点だけ確認と期待を表明しておきたい。資料3の29ページ3行目(2)に、環境条件の整備として、いろいろな関係者が転換・移行に伴う数々の環境整備を進めることが重要と書いてあり、恐らくこの報告書の中で「行政」という言葉が使われているのはここだけだと思うが、私どもは大いなる期待を持っているので、是非よろしくお願いしたい。
  • P13の株式の保有関係について、報告書の表現を変えていただき感謝している。なお、清算参加者の株式保有は、日本で例がないだけであり、国際標準としては例がある。違約対策財源の積立は、決済不履行積立金の税金を払って行うのではなく、非課税で行うという意味において資本参加が是非必要である。公平性等に十分配慮して早急に検討していただきたい。
  • 今の点については、先程説明の中でも申し上げたとおり、高い意識が醸成されて、公平性、さらには規律が確保された段階で検討すべきという書き方にしており、今のような意見を踏まえながら、検討が進んでいくことと思う。ただ一方で、公平性の面でみると、各国の清算機関は全員株式等の保有が義務付けられており、例えば50億円を50社で積むとすると、各社1億円出さなければならない。しかも、現時点ではその配当も決済不履行積立金に積むことを考えると利子も配当も出ないことになるが、それでも出してもらうことが可能であれば、将来的には検討可能であり、将来的な課題として書かせていただいている。
  • 報告書案の全体的な方向性は賛同する。JCCHの問題は大変重要なので、是が非でも具体的に実行していかなければならない点がたくさんあると思う。資料3の26ページの他社清算の資格要件として、50億円以上5社、100億円以上10社、200億円以上制限なしとあり、趣旨は十分理解しているが、現実問題としては、JCCHがモニタリングをしながら対応していくことになると思うが、前回にも話したとおり、今の現状においては、我々の協会の会員の中で約1/3程度が非清算会員となる。そうすると、残り2/3で清算の面倒をみなければならなくなるが、アレルギーというかまだ理解が深まっていないのが現状である。そういう中で、仮に50億円以上の社で清算していくとなると、50億円ぎりぎりのところが他社清算を受けた場合、その純資の動き方によっては途端に清算ができなくなり、その社に清算をお願いしていた他社清算会社がどこかを探さなければならなくなる。この混乱を招かないように、なにがしかの基準というものを考えていただきたい。JCCHの方で考えていただくのかわからないが、結局その下に委託者がいるので、委託者に混乱が生じないよう配慮いただきたい。
  • 今まさに指摘のあった混乱や不安定さを避けなければならないということで、資料3の27ページの「(ix)その他」に「いたずらに不安定になり、市場取引に影響することのないよう」、例えば、事前警告の措置やそれを下回ったからといってすぐに資格喪失を命じるのではなく、一定の回復期間を置くといった措置を講じることを合わせて検討すると記載しており、そういう文脈の中で必要な措置が検討されると考えている。
  • 冒頭の発言と同じ感じをもってこの報告書を受け止めている。私は、この研究会の冒頭に、私ども取引所は競争力強化のために今懸命に努力しており、それが真に力を発揮するかどうかは、クリアリングハウスの機能の強化にかかっており、両者は車の両輪であり、双方の強化によって我が国の先物市場の発展が期すると発言した。そういう意味において、クリアリング機能の強化は急を要するということはよくわかっているが、一方において、取引員の現状から、いろいろな経過期間への配慮や環境整備へ支援等についてバランス良く記載されており、評価したい。これからは、我々関係者がこの報告書の線に沿って精一杯、車の両輪が立派になるように努力していくことが、我々に課された使命であると考えている。
  • この間もクリアリングハウスのリスク管理体制について話をしたが、19ページのSPANマージンについて強調させていただきたい。SPANマージンは正味リスクをベースにして、それをネッティングするものであり、今後JCCHが自主的に保管する分離保管額は大幅に減少し、これによってJCCHがもつリスクは非常に拡大する可能性がある。同時に、その取引を受託する清算会員においても受託業務リスクが拡大する可能性があるので、クリアリングハウスはより一層リスク管理体制を強化する必要がある。それは必然的に清算会員の純資産問題にも当たってくることであるし、差入有価証券の値洗いについても、日々リスク量を換算する形の中でやっていくと思うが、現在、値洗い損金に対する追証を有価証券でカバーしていることについては大幅な見直しが必要である。そうしないと、36ページにあるポジショントランスファーに障害を与える。支払い不能あるいは支払い不能の恐れのある場合のトランスファーでは意味がないと感じており、もっと機動的に、投資家、委託者、市場参加者の自らの判断によってポジショントランスファーができる環境でなければ、その意味が半減してしまう。ポジショントランスファーが自由にできることが、クリアリングハウスそのもののリスク管理にも貢献するし、市場参加者自らのリスク管理にも貢献すると考えている。クリアリングハウスの業務について、報告書においても、クリアリングハウスがかなり弾力性をもって、将来的に選択的な取引を考えるという辺りのことが網羅された話が出ているが、クリアリングハウスそのものが、収益追求法人として自らの収益を追求できるような戦略的な業務へ参入でき、収益を上げることによって、市場参加者、あるいはクリアリングの清算参加者の清算コストを軽減することについてお願いしたい。
  • 冒頭の株式等々の問題に関する意見と重複するかもしれないが、現在JCCHの重要な問題の一つとして決裁不履行積立金の問題があり、これはJCCHの受取利息から積み立てていくという形になっている。本来、受取利息というのは欧米でも委託者に戻っていくものだが、今現在、JCCHはこういう方向でいかざるを得ないということは資料にも掲載されているとおりだと思う。ただ、決済不履行積立金について、例えば増資を受ける等の道も当然検討の余地があるということを考えていただきたい。要はJCCHの基盤をいかにしっかりさせるかということが大前提であり、この点についてはアライアンスをもたせておいていただきたい。
  • 今の指摘については、23ページの(iv)その他に、「引き続き、財務基盤の強化のあり方について幅広く検討する。」と明示しており、いろんな面で今後検討が進むと思う。ただ、繰り返しになるが、現時点で現実にできるのかというと、株式のお金は出すけれど、利息も払わないし、もし無議決権であれば口は出さないということになるので、50社から本当に1億円ずつ出してくれる状況があれば考えることができるが、その辺も引き続き検討の中で、将来的な課題として整理していきたい。
  • 財務基盤をつくるために、当面5年間は配当をせずに内部留保を高めていくということ。増資を行うにしても、株主に配当はないわけなので、その間はそういう増資ならいいという発言と理解。
  • 33億円、40億円、50億円、87億円と書いてあるが、(87億円の決済不履行積立金を積むためには)百何十億円の利益を上げなければならず、相当時間が掛かる。したがって、20億円、30億円ぐらいのある程度の資本調達をしておいて、両方(受取利息、増資)を合わせたやった方が、早い間にかなりの額が積み上げられると思う。配当等のことばかりを申し上げているわけではないことを理解いただきたい。
  • クリアリングハウスとクリアリングメンバーは、ある意味で運命共同体という状況であり、目先的に配当も何もなくても、将来的にクリアリングハウスの株主として参加する清算会員があって良いならば、例えば差入証拠金の利子を清算会員に戻して、その額を増資させるというようなことでもしないと、先程話があったように、相当額の利益を上げないと、我々が今後求めていくJCCHの財務基盤はできないのではないか。あるいは、もっと極端なことを言えば、JCCHそのものが投資対象法人として魅力のある環境をつくっていくことが、より良いクリアリングハウスをつくっていくことにもつながるのではないか。
  • この報告書は、短期間の間に細かい点も詰めており評価されるべきだと思うが、一番気になるのは、レポートの中に検証、見直し、モニタリングという言葉が出てくるが、誰がちゃんとやるのかが今ひとつはっきりしないところである。40ページの「おわりに」のパラグラフ2の4行目に「一定の規律(独立性)を確保しつつ」と書いてあるが、一定の規律イコール独立性ではないので、ここでは多分、クリアリングハウスは取引所や清算参加者から独立を保ち、自己規律を確立しつつ運営されることが重要であるとして、ただ、その自己規律は今回の研究会を立ち上げなければならなかったこと、また、数々明らかになったびっくりするようなことを拝見してもまだまだ確立できないので、結果として、パラグラフ3の3行目に「今後も、監督機関が適切な監視を行う」としており、この監督機関は主務官庁であると思う。商品先物のクリアリングハウスは、日本に一つしかなく、公共性があるので、これがちゃんとワークしていないということは主務官庁に責任があると思うし、ちゃんと監督しないのであれば、もっと他の代替手段を考える法律の作り方をするべきである。さらに申し上げれば、民だか官だかよくわからない組織が一番たちが悪い。官の規律も民の規律も働かないので、特に役所のOBが行っていると官主務官庁にとってもやりにくいということがあるので、国民経済を考えてきっちりやっていただきたい。
  • 先週、東京で世界の清算機関が集まった国際会議、セントラル・カウンター・パーティ・グローバル・コンファレンスがあり参加してきた。JCCHの方も参加していたが、清算機関が今直面する課題、問題点についていろいろ話し合われ、その一つがリスク管理の強化であり、特にサブプライム問題の影響についてはもう一回考えおかなければならないということであった。中でも、ベア・スターンズという米国大手証券会社がほとんど破綻しかけたという事件があり、最後は連邦準備銀行が貸し出しをして救ったわけだが、そういうエクストリーム・マーケット・コンディションが起きた時に本当に大丈夫なのかということで、もう一度ストレステストのシナリオや流動性の調達は本当に大丈夫なのかを見直すことが必要ではないかという議論が行われていた。欧米のCCPは、既に本研究会でも再三話題になったCPSS-IOSCO勧告をほぼ達成しており、日々のリスクエクスポージャーの計測、場合によってはリアルタイムの計測を行っている中で、さらに一段の高度化を進めようとしている。この研究会で議論しているJCCHのクリアリングと比べると遙か先を行っているCCPが、さらにまた一歩も二歩も進もうとしているので、今回取りまとめていただいたこの報告書の取組を、ここに示されたスケジュ-ルに沿って着実に進めていただくことが重要であるという思いを新たにしたので、報告させていただいた。
  • 15ページの清算手数料について、(清算会員の手数料を)6円にするというところで、取引所の手数料の引き下げが1円と書いてあるが、さらなる努力、経営合理化等によって、そういう成果のもとにさらなる手数料の引き下げに努力していただけることをお願いしたい。
  • (この報告書は)すばらしい提案がなさなれていて何も言うことはないと思って、委員の意見を聞いており、委員の皆さんの意見はもっともな話であり、あとはこれをどういうふうに実行していくのかにかかっていると感じた。昨年の取引所の競争力強化プラン、今回のクリアリングハウスの競争力強化プランの二つの強化プランが出てきて、良くできた計画であるが、最大のリスクは出来高ができなかったら共倒れになるということ。恐らく、そこでビジネスをしている清算参会者、プレーヤーも同じようなことになってしまって、出来高が不振になってしまったらどうなるのかという一抹の不安がある。現在の足下をずっと見ていると、日本の商品先物取引の出来高は、ずっと先細ってきており、非常に不安材料であるが、心配しても仕方ないので、とにかくやるべきことをやるしかないと思っている。クリアリングハウスに関して一つだけ付け加えるとすれば、日本の商品先物市場だけをカスタマーと思わずに、レベニューソースを独自に開拓することを考えていただきたい。もちろんメインカスタマーは日本の商品先物市場であるが、他にもクリアリング機能を欲している取引所、例えば国内の店頭取引市場、アジアの新興国の市場等があり得ると思う。クリアリングハウスはあくまでもインディペンデントなビジネスモデルなので、この辺をもうちょっとブロードマインドを持って見ていただいて、例えば日本の商品先物市場の出来高不振でダメでも、クリアリングハウスは生きていけるぐらいの気概でやってもらいたい。
  • 今までの話を伺っていて、基本的な流れ、方向性については、この場で合意されていると理解。金融機関の立場で考えると、必ずしも取引所の会員でなくても清算会員、他社清算になれるという資格要件の緩和は、門戸開放でありビジネスの機会が広がることになり、歓迎すべきことである。実際に、金融機関がどのようなインセンティブをもって、この他社清算のみのビジネスモデルに参画できるのかについては、今までこの場で議論のあったリスク管理の面、また、先程の発言にあったボリュームがどうなるのか、どの程度の実需、出来高があるのかということ抜きでは、なかなか踏み切れないと思う。リスク管理については、今まで値幅制限の中でやっているということは、JCCHで今後リスク量を算定するベースは恐らく過去のトラックレコードであるが、今後値幅制限が撤廃されてしまうと、過去のデータをどうみて、今後のリスク量の算定に反映していくのかという課題が当然残ることになる。また、出来高については、アウトハウス型のロンドンのクリアネットの最近の例でいうと、大口のユーザーがいなくなってしまうときには、トップが動いて商売オリエンティッドに個別に硬直的ではないディスカウントをする等を行わざるを得ない競争に晒されており、これを本当に活性化していくのは相当大変だと思う。今後、リスク管理と出来高をどうやっていくのかの大まかなピクチャーを世界との中で比較検討せざるを得ないと思う。ちょっと技術的なところでいえば、例えば、金融機関のLCや米国のT-Billを証拠金の代わりに入れて、いざとなったときに、金融機関にある特別融資枠は、日本の円のマーケットの場合、当日ノーティス、当日ドローというのは実際相当難しい中で、LCのベネフィシャリーであるJCCHが、どのタイミングでドローダウンリクエストをやるかによっては、コミットメントライン的でないと数日間ロ-ンが残ることになる。つまり、活性化していくために、LCでも米国のT-Billでも良いとした代わりに、それに伴う事務的な話や時限性において、今のやり方では難しいところがあると思うので、利便性を検討するときは、時間軸、事務の流れ等々も含めて、細かい議論をすることなくして先行的にそこだけで変えることは難しいので、今後何かあれば、技術的なところについて協力させていただきたい。
  • 只今いただいた意見の中で具体的な修文は、40ページの「おわりに」の2番目のパラグラフの4行目のところだが、「クリアリングハウスは、取引所や清算参加者からの独性を保ちつつ、自己規律を確保して運営されることが重要である」いう文章に修正させていただきたい。
  • 「おわりに」の箇所をそのように修文して、この案をこの研究会の報告書として処理させていただくがよろしいか(「異議なし」の声あり)。これまで4回にわたり、各委員に精力的に発言いただき感謝。これもすべてに日本の先物マーケットをいかに活性化していくのかということについて、工業品取引所の活性化の問題もあったわけだが、分科会においても、この点非常に重視しているところ。先程、発言があったように、まさに車の両輪としてクリアリングが機能しないと、いくら取引所が活性化してもどうしようもないという要素もあり、JCCHを出来るだけ良いものにしていく。ただ、世界はどんどん先へ進んでいるという指摘もあり、少なくても出来るだけ早くキャッチアップしていきたいという思いを皆さんが持っていると感じており、そういった思いがここまでまとまることになったと思い、感謝している。そこで、この報告書については、後刻プレス公表したいと思うがよろしいか(「異議なし」の声あり)。この報告書にあるように、関係者全員がスピード感を持って実施していただきたい。また、文書作成にあたり、実務の点に配慮したということについて、様々な発言があったが、基本的な方針という方向は是非確認していただいて、出来るだけ実現を図るべく努力していただきたい。本研究会は、今回で一応立ち上げた目的は達したということだが、「おわりに」にもあったように、いろいろと検証、検討を行うということで、行政サイドにおいても責任を持って対応することは当然と思うが、この研究会のフォロ-アップを少し意識した方が良いと考えており、その点についてはよろしいか(「異議なし」の声あり)。その時期については、JCCHの方でもいろいろと考えが固まって、実施の段階に移していくといことだと思うので、事務局と相談しながら、必要に応じてフォローアップをしたいと考えているので、その際はよろしくお願いしたい。

以上

 
 
最終更新日:2008年5月14日
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