経済産業省
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医療機器に関する経済社会ガイドライン検討委員会(第4回) 議事要旨

日時:平成19年10月12日(金)18:30~20:30

場所:経済産業省別館11階第1120共用会議室

出席者

一色委員、鎌江委員、小柳委員、佐久間委員、菊地委員、茅野委員、土器屋委員、松田委員

社団法人日本画像医療システム工業会
日本医療器材工業会
在日米国商工会議所
A.T.カーニー株式会社
経済産業省医療・福祉機器産業室

議事

  1. 本年度事業の進め方について
  2. ワーキンググループのテーマについて
  3. 医療機器に関する経済社会評価ガイドライン共通理念(案)について
  4. 医療機器の経済社会評価を推進していくための今後の課題について
  5. 総括

概要

1.本年度事業の進め方について

配布資料に沿って、事務局より説明

(本年度事業のスケジュール、委員会のテーマをまとめた資料)

a)本年度事業のスケジュール

  • 今回の委員会にてガイドライン共通理念を検討する。
  • その後3月末に向けWGにおいて評価方法を確認する。
  • 係わる評価を推進するための課題などを検討する。
  • 年度末に報告書とりまとめ・政策の提言などを行う。

b)委員会のテーマ

  • 第1(4)回(10月12日)では、本年度の検討体制の確認、ガイドライン共通理念案の検討、そのとりまとめ方法の協議を行う。
  • 第2(5)回(1月上旬~下旬予定)では、各WGにおける評価の進捗状況報告、ガイドラインの活用のあり方、評価を推進するための課題に関する検討を行う。
  • 第3(6)回(3月上旬~3月下旬予定)では、各WGの検証の結果報告、ガイドラインの活用に向けた提言の検討、報告書のとりまとめを行う。

質疑

(追加)

  • 今回の委員会で議論したガイドラインの共通理念は、修正を加えた上で11月以降に対外的に公表する。その後今年度の検討結果を踏まえ、手法、課題等を報告書として年度末までにまとめる。

2.ワーキンググループのテーマについて

配布資料に沿って、事務局より説明

(ワーキンググループのテーマに関する資料)

a)DES冠動脈疾患の治療WGのテーマについて

  • 冠動脈疾患の内科的処置におけるDESの経済的な価値を議論する。
  • CABGまたはDES自体の患者予後と医療費の変化を相対的に論じる。

b)CT冠動脈疾患の診断WGのテーマについて

  • 冠動脈疾患の確定診断におけるCT血管造影の経済的な価値を議論する。
  • 従来の2次元CTと比べて診断能力がどの程度向上するのか相対的に論じる。

c)冠動脈DES研究資料 本格試験研究計画について

配布資料に沿って茅野委員より説明

  • DES(薬剤溶出性ステント)の外科治療(CABG)に対する優位性を検証するという目的で始まったが、ワーキンググループとしては方法論の検討という目的に修正する。
  • エンドポイントに質的調整生存年(QALY)、患者効用値(EQ-5D)を用いることが日本ではされておらず、医者の立場からでなく患者の立場である健康度をエンドポイントにしているということで画期的なアプローチである。

質疑

(質問)

  • 比較する際QALYを用いるのはベストだと思うが、CABGのグループとDESのグループ2つに分けてデータを取るのか。それともDESだけで取るのか。

(回答)

  • DESを用いている病院、CABGを用いている病院それぞれからデータを収集する。

(意見)

  • ある患者に対しどちらの方法を用いるかという調査は不可能である。スタートの段階でバイアスがかかっており、患者の納得を得るのも非常に難しい。
  • 病変の状態などは可能なかぎり一致させる。DESが行えないような患者は除いている。
  • そうするとDESは1本1本のステントが高価なためコスト面でCABGが有利な可能性がある。

(質問)

  • 増分費用効用分析は行うのか。

(回答)

  • 数字としては出てくるが、方法論を主体に考える。

(質問)

  • フォローアップの期間が非常に短いのではないか。比較期間も異なるが良いのか。

(回答)

  • 本来世界的には5年比べなくてはならない。今回の半年という期間はパイロット的なものになる。
  • 比較期間は同じにすべきだが今回は結論を出すことが目的ではなく手法論の確認なのでよい。

(質問)

  • EQ-5Dを使ったからこうなったので他の指標を使えば違った結果になったのでは、ということを言われないか。EQ-5D単独で行ってよいのか。

(回答)

  • EQ-5Dは非常に鈍感な指標であり、差が出ないかもしれない。疾患や技術に対して汎用的な指標の適用を検討するためのfirst approachとして試行する。

(質問)

  • 方法論が使えるかどうかの判定はどうやって行うのか。方法論の確認とは何を確認して、これで良いとはどうやって決めるのか。

(回答)

  • 方法論の検討の目的は、一般にデータが取れる、または能力を評価できる、という点にあると考えられる。今回は前者を狙いとするので、調査票の回収率や欠損値の割合の確認を行う。後者は別の疫学的な研究で論じられると推察する。

(意見)

  • この方法が現在考えられる最良の方法である。とりあえずこれでやってみて出た結果を見て次の検討を行う。

d)冠動脈CT研究資料 本格試験研究計画について

配布資料に沿って事務局より説明

  • MDCTでより高い的中率を得るためには熟練した技師による画像の再構成(三次元化)手続きが不可欠だが、現状ではその特性が報酬評価で十分議論されていない。
  • 本格試験では、冠動脈疾患における64列MDCTによるスクリーニング検査によって生じる費用と得られる効果を比較する費用効果分析を行う。

質疑

(質問)

  • 異なるメーカーの装置を用いるのでスクリーニング検査における検査条件、測定条件の共通性はどのようにするのか。

(回答)

  • 機種の違い(操作性)などはバイアスにならないよう補正する。またはMDCTの平均値としての議論を行う。

(質問)

  • 医者以外の技師などの貢献も検討すべきである。

(回答)

  • 費用調査については医療費原価の考え方に近い方法で可能な限り網羅性を確保する。
  • 費用調査の範囲は検査料と診断料となるが、3次元化は検査料が中心になると考えられる。

(質問)

  • 三次元化をどうやって二次元から切り離すのか。

(回答)

  • 計測からワークステーションにおける解析作業において区分を設ける。

(質問)

  • 検査全体や診断におけるMDCTの位置づけを整理するのは難しいのではないか。

(回答)

  • まずは方法論のチェックということで調査を行い、全体の位置づけ等は別の議論となる。

(質問)

  • 冠動脈CTのエンドポイントである診断能力は、このガイドラインの共通理念のどこに相当するのか。

(回答)

  • 大きな意味で費用効果分析にあたるものと考えている。効果(NPV/PPVなど)と費用(コスト)のバランスを勘案しパフォーマンスを評価する。

(質問)

  • ガイドラインを制定する立場となったとき、評価のパラメータは色々あるという前提で作るのか。このパラメータの選択は重要であるが、どのように方向づけるべきなのか。

(回答)

  • ワーキンググループの検討結果などを踏まえ、今後議論を行うべきと考えられる。

3.医療機器に関する経済社会評価ガイドライン 共通理念(案)について

配布資料に沿って、経産省より説明

(ガイドライン共通理念についての資料)

  • 医療機器に対する経済社会評価の必要性は、今後ますます高まっていくものと推察される。しかし現状では取り組みは十分とは言いがたい。課題を解決していくための一つの手段として、ガイドラインを策定することが有効であると考えられる。
  • 評価の最終目的は、社会全体の効率性向上であり、評価の視点も個々の立場でなく社会的な立場で行われる必要がある。
  • 分析手法について、基本的には費用効用分析(CUA)の利用が望ましいと考えられる。費用効果分析(CEA)や費用便益分析(CBA)を利用する場合は、その理由を合理的に説明する必要がある。

質疑

(意見)

  • 社会資本の一つである医療機器に投資するための指標がいろいろあって現場では困っている。こういう形のものが提示されれば今後の議論において非常にありがたい。
  • 最初から理想的なものをつくるのは難しいと推察される。今回の議論も中間的な位置づけであると考えている。まずはたたき台を作成しそのイメージの共有化を図るべきである。
  • 医療的には優れているが経済的には引き合わないものがある。そういうものにおいてこのガイドラインは重要である。また、対外的な反論ツールとしてのガイドラインの役割もある。

4.医療機器の経済社会評価を推進していくための今後の課題について

配布資料に沿って、事務局より説明

(今後の課題についてまとめた資料)

  • 今後の課題として以下のものがある。
  1. 普及活動
    • 臨床やメーカーなどの経済社会評価に対する理解を如何に促進していくか
    • 経済社会評価を行うインセンティブをどのように付与していくべきか
  2. 評価を行うためのツールの整備
    • 日本人や各疾患に適したQOL換算法を如何に構築していくか
    • 個別疾患毎の評価ルールをいかなる体制で構築していくべきか
    • 標準コストテーブルは必要なのか
  3. 評価が行いやすい環境の整備
    • ITなどの活用によりデータ収集(特に患者へのアンケート)を如何に効率化できるか
    • 過去の評価結果や実施過程で収集されたデータを如何に効率的に蓄積できるか
    • 評価を行える人材をどのように育成していくか
  4. 評価結果の妥当性等の検証体制
    • 英国NICEのような評価の公平性・妥当性を評価・検証する機能が必要なのか。必要であれば、我が国ではどのような組織体制で行うべきか
  5. 評価結果の政策決定への活用
    • 評価結果をどのように政策に活用していくか
    • 義務化の是非も含めた議論は必要か
    • 海外の評価結果の応用導入の可能性はあるのか

質疑

(意見)

  • 標準的な診断法についても施設ごとによって対応が異なる。医師の裁量にもかかわるので、そこに踏み込むには気をつけなければならない。
  • 医療機器の価格決定に対し、現状では友好的なツールがないように感じているので、大いに期待している。
  • 医療機器の開発力があるのにどうして国際競争力が向上しないのか。それは評価がないからと考えているので、現場の期待感は高い。
  • 研究者のインセンティブになるよう、定量的に納得されるようなものを作成していくべきである。

5.総括

  • 第一回に始めたときは大変挑戦的な課題だったが、2年目になってある程度ベクトルが見えてきた。
  • 医療機器の発展によって医者は他の付加価値を産み出せるようになった。ガイドラインの議論は医者のQOLの話でもある。
  • パーソナルメディシン、メディカルスタッフのサポートの2つの理念がこれからの医療技術の最も重要な点である。3月の報告書はインパクトがあると思われる。報告書だけでなく、会議中に出た意見なども含めたほうが良い。
  • 義務化の是非はどうするのか。市場化へのハードルとならないよう留意すべきである。
  • 評価自体のコストも問題である。誰が、何を評価するのか、誰が費用を負担するのか、といった5W1Hなどの議論も今後行っていきたい。

※ 次回は、平成20年1月中を目途に開催。

以上

 
 
最終更新日:2008年1月4日
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