経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会(第2回)-議事録

日時:平成21年7月3日(金)16時00分~17時40分
場所:経済産業省別館10階各省庁共用1012号会議室

議題

「CCS実証事業の安全な実施にあたって(案)」について

議事

「CCS実証事業の安全な実施にあたって(案)」について

三橋地球環境技術室長
暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは、昨年10月に開きましたCCS研究会を第1回と数えての第2回目でございますが、第2回の研究会を開催したいと思います。
昨年を振り返りますと、11月6日にワーキンググループを開催しまして、皆様のご協力をいただきまして、今日配付しました基準といいますか、とりまとめができ上がりました。この原案につきまして、ご審議いただくということで研究会を開催しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、茅座長に議事進行をお願いしたいと思います。
茅座長
茅でございます。久しぶりなのですが、この間に2つのワーキンググループが精力的に作業して、今日の説明される案をまとめていただいたわけです。大変ご苦労さまでした。今日は、とにかくこの報告書を論議して、できれば内容を承認していただくというのが基本の目的でございます。
その前に、まず配付資料の確認をお願いします。
三橋地球環境技術室長
お手元にあります資料を確認させていただきます。表紙に本日の座席表を置いておりますが、その次に1枚の紙で議事次第と配付資料一覧を合わせて置いております。配付資料はとりまとめの文章、40ページのものですが、それが1部と参考資料が2点ございます。1つが、A3の紙で色刷りになっておりますもので、今回のとりまとめの内容につきまして1枚の紙に概要をまとめたものでございます。こちらはワーキンググループの成果物ということではなくて、個別のワーキンググループの委員の承認を得たものではないので、参考資料という位置づけでございます。基本的に1枚の紙で説明をするために、経緯と合わせてまとめたものでございます。それから、参考資料2としまして、本日のCCS研究会の委員名簿をお配りしております。昨年10月に開催しました折からの変更は、電気事業連合会の技術開発部長に高見様が年明けに着任されておりまして、その関係で交代ということで名簿に変更がございますので、その点、ご報告させていただきます。
以上が配付資料でございます。もし足りないものとかありましたら手を挙げていただければと思います。よろしいでしょうか。
茅座長
よろしいですか。それでは、早速議事に入りまして、資料1について三橋さんから説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
三橋地球環境技術室長
少しお時間をいただきまして、20分から30分ぐらい、ちょっと暑い中ですけれども、この報告書の内容について私からご説明したいと思います。
昨年10月30日に、この委員のメンバーでお集まりいただきましてCCS研究会を開きましたが、その際に2つのワーキンググループの設置、そのワーキンググループの議論の内容として、CCSの実証事業を国内で行う場合に、どういった安全面での配慮、あるいは環境面での配慮を行うかについてとりまとめるということのマンデートをワーキンググループに与えたという経緯となってございます。
その後、11月6日に2つのワーキンググループの合同会合を開催いたしました。経緯をごらんいただきますと、37ページに書いてありますように、それを皮切りに精力的にワーキンググループを開催しました。11月からそれぞれのワーキンググループを月に1回ずつ3月まで開催するということを続けてまいりまして、それぞれ数えますと、4月30日に開いた合同会合が第7回ということで最後でございます。
その後、5月の1ヵ月間をパブリックコメントの期間としてインターネット上の掲示板に載せまして、広く意見をいただきました。その後、委員の皆様にその原案をお送りして、事前に意見をいただいて、ワーキンググループ、あるいはワーキンググループの先生方と調整させていただいたというのが全体の経緯でございます。
それでは、内容について順番にご紹介したいと思います。
表紙をめくっていただきまして、最初に「まえがき」と書いてございます。経緯につきましては、若干釈迦に説法なところがございますが、5パラグラフ目のところに、今回のとりまとめた文書の位置づけというものを書いてございます。その内容は、今回のこのとりまとめの文書が、今後行います国内でのCCSの実証事業のために創った安全上の基準であるということ。これを踏まえて、事業の実施者が自らの体制や組織、あるいは内規などをきっちり整えて実施して欲しいこと。その際には、サイトに応じた必要な、さらなる具体化も図ることが望ましいという位置づけを与えております。
次のパラグラフに少し触れておりますけれども、CCSの実証事業が国際的に各国が取り組む現状にありますので、実際にCCSが事業化されるようなタイミング、私どもが実用化のタイミングとして想定しています2020年頃には、諸外国での検討結果、あるいは各国の規制の動向、そしてこの実証事業の結果をぜひうまく反映させる形で、この安全をどうやって守っていくかということについて、改めての検討が必要だろうという整理をしてございます。
内容についてご紹介します前に、目次をごらんいただきますと、全体は9つの章から構成されております。ご紹介しますと、1章がCO 2を貯留する場合の地質面からの検討すべき事項。2章が輸送。3章が関連する施設を設置する場合。4章がインパクトアセスメント。5章からがCO 2貯留に近づいてきた実際の事業と関連してきますが、穴を掘るとき、そして穴を閉鎖するとき。6章に移りますと、圧入の運用時の安全性の確保、つまり運転時の安全基準。7章が圧入するCO 2の濃度について、スペックについてまとめてございます。8章がCO 2を圧入、貯留する際のモニタリングをどのようにするか。9章が、もし何か異常が発生した場合にどうするのかということをまとめております。
ワーキンググループにおきましては、9つの章それぞれを短冊に分けたドラフトのペーパーを用いまして委員の皆様にお配りして、個々の文章について2ラウンドから3ラウンド行って意見を取り入れる。その過程での意見は、委員の皆様に見えるような形にしておりまして、これはワーキンググループの審議の結果ということでございますので、配付資料の形でワーキンググループの配付資料とともにインターネット上に公開されているということでございます。
それでは、ポイントをご紹介したいと思います。まず1ページ目をごらんいただきますと、ここからが1章ということで、まず候補地を選定する場合の地質面からの検討すべき事項ということですが、まず大きなポイントの1つとして、モデルをきっちり構築する。しかも、そのモデルは大きく2つである。1つは広域のモデル、すなわち概念のモデル。もう1つが詳細のモデルということであります。対象も異なりまして、広域のモデルは関連するCO 2を貯留するその領域といいますか、その付近の主要な地質構造全体を含むものとして、より大きな視点からCO 2の動きを予想したり、影響の及ぶ範囲、あるいはさらに詳細なモデルを作るときの境界条件などを考えるという位置づけにしております。
後者の詳細モデルのほうは、実際にメッシュに切って数値シミュレーションすることをかなり念頭に置いておりまして、実際にCO 2が貯留される領域を網羅して、かつその上に当たりますキャップロックをちゃんと含む形ということで、実際にコアサンプルをとってきましたデータとか原位置での試験、あるいはモニタリングの結果として得られたデータをそこにフィードバックして、モデルを改良するということを念頭に置いております。この詳細モデルは、特にまず事業を実施する前段階としてCO 2がそこに留まるということの証明のために用いるということと併せて、事後にはモニタリングの結果と合わせてCO 2の挙動を予測するためのシミュレーションモデルとしても活用するという整理になっております。
ページをめくっていただきまして、候補地を選定する、あるいは地質について検討するときに、どういうところを主としてきっちりみるかということでございます。
大きく4点から構成されておりまして、1つが貯留層、あるいはキャップロックが存在していることを確認すること。2つ目が、CO 2を実際に圧入するという場合に、圧入する圧力、あるいは圧入する量、そしてそのレートが適切なものであるかということを確認する必要がございます。3つ目が、キャップロックが存在しているということに加えて、シール能力を確認するということ。最後はちょっと性質が異なりますが、付近での過去の地震活動についても確認して調べておくという構成になっております。
これらはいずれも、地質に関連します学問上の難しさということも踏まえてなのですけれども、基本的な考え方の背景としての考え方を提示した上で、具体的にどういうことを検討するかというのを2つに分けております。完全性を求めることが、性質上、大変難しいことを踏まえての記述の仕方でございます。
1点目のキャップロック、あるいは貯留層の確認については、例えば断層がないこととか、その地層に連続性があることをきっちり確認する。あるいは、近くに坑井などがある場合には、その位置や性状を十分に把握するということが基本的な考え方に立っております。そのために必要な具体的手法として震探調査を行うとか、コアサンプルの採取試験を行う、原位置試験を行うことによって、必要な地層、貯留層、あるいはキャップロックがしっかり存在して、連続的であることをチェックしようということになっております。
それから、当然のことながら、CO 2を貯留しますと、例えばカルシウムとかがありますと目詰まりを起こすような化学変化についても事前の分析を求めているということでございます。
圧入レートや総量に係わる圧入の計画につきましても、もともと最初に申し上げましたモデルをきっちり構築して、そのモデルのもとで過剰な圧力がかかったり、予想される容量を大幅に超えるような圧入量があったりすることがないことは当然のことでありますけれども、計画しているCO 2がきっちり貯留できるということを孔隙率、あるいは浸透率、そして地層の広がりなどを考慮してしっかりシミュレーションすることを求めているということでございます。
3ページ目、真ん中のキャップロックのシール性につきましては、キャップロックが存在することは最初の (1)のところで書いておりますので、このキャップロックはしっかりした能力があって、それが持続することということで記述させていただいております。内容的には、キャップロックのスレショルド圧力をきっちり測定して、通常の運転で特別な事態が発生しない限り、それを超えることは起きないということ。あるいは、破壊圧を超えることがないようにするということを求めております。
(4)へ行っていただきますと、地震活動に関連しましては、付近の地域と比べて特別に地震活動が頻繁でないことなどを事前にきっちり調べておくということを前提条件としております。
4ページに進んでいただきますと、具体的にそれらの項目を確認するために必要な取得すべきデータ、その取得をどういう方法によるか、それが何のために行うものであるかということについて、目安という形になりましょうか、整理を行ったということで、事業者もこれをみながら網羅性、あるいはこれに追加するという形で、これを軸に考えていただくことができるという整理でございます。
議論におきましては、どのように取り組むかという結論を導くに当たって、専門家の委員の皆様から具体的にプレゼンテーションをいただきました。その中に、過去どのように取り組んだか、あるいはどうすべきかというお考えの提示を専門家の立場からいただきましたので、それ自身も、6ページ以降、参考の形で加えてございます。
9ページに進んでいただきますと、CO 2の輸送にかかわります安全に関連して書いてございます。CO 2の輸送といいますと、車両を用いてローリーで運ぶケース、パイプラインで運ぶケース、3つ目として船で運ぶケースというのが想定されます。
車両やパイプラインでの輸送につきましては、高圧ガス保安法という既存の法律がございます。こちらは基本的に爆発する可能性があるような、不活性ガスである二酸化炭素よりも取り扱いに非常に注意が必要であるガスを対象とした安全上の基準がきっちり設けられておりますので、これを準用して対応することで十分ではないかという形になっております。
船舶につきましても、船舶安全法に基づきまして省令、そして告示がございます。これは CO 2が液体であるか、気体であるかということによっても分類されているのですけれども、ちゃんと必要な保安設備、例えば消火器をそばに置いておきましょうといったことが書かれておりますので、CO 2の場合も同じように、この法律にきっちり沿うという形で十分であるというまとめを置いてございます。
ページを進んでいただきまして、10ページ目に、関連する施設を設置するときにどういう法律に触れるのかということでございます。これも事例の主たる研究によっていますが、RITEが長岡で1万トンの貯留をしたケースを軸に検討を行っております。坑井の周り、あるいは関連する施設としてのポンプや電気関連設備などについて、鉱山保安法に基づきます許可を受けているということが確認されております。これは今後の事業を実施する者が、どういった法令に触れる可能性があるかということについて目つけをする上でも参照になるという形でとりまとめてございます。既存の法律をきっちり守って実施していただくという立場でございます。
CO 2の分離・回収の施設につきましても、今日飯島委員がいらっしゃいますが、三菱重工さん、その他、施設に関連します企業の皆様にヒアリングを行う形で実際に吸収塔、再生塔、あるいはその中で取り扱う溶液――その溶液も圧力にもよるのですけれども――によって、どういった法律に触れるかということを法務部門含めて確認してもらった結果を書いてございます。吸収塔につきましては高圧ガス保安法、例えば再生塔では第1種圧力容器としての労働安全衛生法なども触れます。あと、吸収液は水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどを使う場合には、毒物・劇物取締法に触れるということが確認できておりますので、あとは個別にその施設の条件の設定に応じて対応するということがごらんいただけるように参照事例を置いています。
4章に進んでいただきまして、これが環境アセスメントに関連する記述でございます。ここは既存の法令に倣うということとは少し異なるところでございまして、記述も少し分厚めになっております。この環境アセスへの取り組みは、アセスもこの分野で必要だろうといった議論から、今後行われる非常に大きな環境関連でのプロジェクトということで、どういうアセスをするのかということでも注目を受けているという考え方に立って文章を起こしております。
基本のベースは背景のところに書いてございますが、今よって立つ一番のベースの考え方はIPCCの特別報告書、2005年に出ているものでございます。この中で、主として二酸化炭素貯留にかかるリスクが2つに分類されておりまして、1つは地球規模リスク、すなわち気候変動への影響。もう1つは、局所的なリスクという形ですが、これは人体、あるいは生態系、そして地下水への影響という形で言及されているところが特徴でございます。地球規模のリスクということで、温暖化に対応するためにCCSをやらんとしているわけですから、私たちの注目するところは局所的なリスクということになります。
その具体的な検討に先立ってですが、IPCCの報告書でもう1つ、二酸化炭素が漏れる場合の経路とシナリオについて具体的に図とあわせてかいておりまして、それが12ページの下の箱の中に入っている経路でございます。
この経路につきまして、環境省におきます検討とあわせて、この7つについて深く検討すると、13ページの真ん中あたりをごらんいただくとわかるのですが、大きく4つの経路を通じた漏洩の組み合わせであることが分析できるという立場に立っております。1つは、坑井に沿って漏れていくケース。2つ目が、断層やフラクチャーに沿って移動するケース。3つ目は、圧入層を横に滑っていくケース。最後が、キャップロックを圧力の力をかりて、あるいは浮力を使ってにじみ出して突発するケースに分類できる。特に、経路にしっかり着目するというところで、この環境アセスに当たっての考え方の視点を与えているというところがこの章の特徴でございまして、検討に当たっては、特に圧入井、あるいは断層に沿って漏れるケースが、時間的には比較的短い期間という視点でいろいろな事象が起き得るということで、そこによく注意を払うということ。そして、そのドライビングフォースも浮力、あるいは圧力のどっちであるかということも含めてよく考えて、漏洩経路、シナリオを考慮することが重要であるということをまとめてございます。
それから、少し視点が変わりますが、この二酸化炭素の貯留にあっては、リスクが時間的にどのように変わるかということです。圧入し続けている間はだんだん上がっていって、圧入が終わった時点でリスクが一番あるのだろうと。その後はだんだん平衡状態に近づいていくということで、リスクも減衰していくということではないか。こういった時間的変化も考慮の重要な要素であるということでございます。
14ページに進みますと、ここに環境影響評価のどういった項目について着目してアセスを行うかということの望ましい項目として、他のプラントのアセスの事例に倣いまして項目を書き並べているということで、事業者の指針になるようにしております。
最後に、このアセスについては14ページの一番下、(5)に書いてございますけれども、CCS特有の環境影響の出現というか、その確認自身が非常に難しいこと。それが時間的に非常に経ってから発生するものであるということをふまえますと、将来のしっかりしたアセスを制度化していくときには、国際的なCCSへのアセスの取り組みなどの動向をしっかりみた上での取り組みが必要であるという形でとりまとめてございます。
17ページに進んでいただきまして、ここからが5章になりますが、いわゆる坑井の掘削と閉鎖に当たるところでございます。ここの坑井の掘削に当たっての安全性でまず最大のポイントは、吹き上げが起きないようにするということです。そのために必要な泥水を使って圧力制御を行って、BOPをきっちり設置するということ。そして、掘る過程でも流体が坑内に浸入していないことをきっちり早期に発見できる体制を講じることに最大限取り組むということで書いております。
当然のことながら、坑壁とケーシングの間にはきっちりセメントを充填して、さらに坑井についてはチュービングを使う、あるいはパッカーを使うという形で仕上げをするということとあわせて、CO 2が水に溶けた場合に酸性になる、長期での腐食の能力があるということにも着目しまして、CO 2と触れる可能性があるところについての耐CO 2腐食材料を用いること、あるいは必要な表面処理を使ったものを利用することもあわせて記述しているということでございます。
18ページに進んでいただきますと、坑井の閉鎖につきましても、従来の石油、あるいは天然ガスを掘削する場合の鉱山保安法の関連規定、これは2ページ先の20ページ、参考5―2に具体的な記述がございますが、そこをきっちり守る形で坑井を閉鎖する、プラグすることでよいということでまとめてございます。
それから、委員の具体的な指摘を受けて加えておりますのは、坑井の記録ということですが、事業者はどういった経路でどういう穴を掘って、それが今どういう状態になっているかということについての記録を、事後のためにしっかり保管しておくことも求めているということでございます。
6章に進んでいただきまして、CO 2を圧入する場合、あるいは運転を行っている間にどうするかということです。この多くのことは他の章で網羅されているということですが、事業を行う場合に作るはずである圧入用の運転の計画という中に、その圧力のコントロール、そして圧入レートなどをどのような考え方に基づいて設定するかということについて、計画を策定するということを改めてここで求めております。当然、最初に申し上げましたモデルも使いまして、モデルの更新を行って、そのモデルのシミュレーションを使った結果を踏まえた運用計画、今申し上げた計画の見直し、あるいは最適化も必要なことであるということでございます。
参考までに申し上げますと、21ページの一番下のところに書いてございますアメリカの規制の中では、CO 2を圧入する圧力は、地層破壊圧の90%を超えないという具体的に定量的な基準が書いてございますが、この部分についても委員の皆様からワーキンググループの中で議論をいただきました。この90%に特段の意味を求めるというよりは、むしろ当然破壊圧より下でやるわけですけれども、それをモデルを使って最適にコントロールして、事業計画を見直しておくことが本質的である。90がいいか、85がいいかとか、そういうことではないという形で議論をいただきました。
22ページに進んでいただきますと、CO 2の濃度基準ということで、この部分につきましては、海底下の貯留の場合は、既に海洋汚染防止法の中で必要な法整備が完全になされております。したがって、ここで書くべき基準は海防法の遵守ということに尽きるわけですけれども、ここでは問題提起を2点しております。それは今後の実証事業の可能性と連動しておりまして、現在の海洋汚染防止法の政令の改正を提起するという性質のものであります。
1つは、22ページ、真ん中のところに書いておりますが、既存の化学プラントの過程で回収するCO 2ということで、例えばアンモニアの製造、あるいは石油の精製の過程で既に二酸化炭素を事実上、分離・回収している化学プラントがございます。これは結果として分離・回収されたCO 2は大気に放散されているのですけれども、ここでは実際に回収されている体積百分率は95とか、96とか、現実にはそういった数字になっているケースが多いようです。これは、現在の海洋汚染防止法に規定しています二酸化炭素の回収方法とその濃度では、圧入してよいCO 2にならないということになります。この部分については、回収したCO 2からさらに回収するということが現実的にコスト、あるいは実現性ということも踏まえてあり得ない。あるいは、諸外国のこの分野での回収するCO 2の濃度に対する規制の動向などをふまえますと、むしろこういった現実的に行われているものについても道を開くことを本来考えるべきであろうということで、その問題提起をしております。
(2)としまして、IGCCについてCCSを行う場合というのがあります。これについても年初後、年初前の回収それぞれございますが、どういった回収方法をとるか、その場合に不純物をどう取り扱うかということについても系統が必要であるということで、これも仮に実証事業の対象地域となる場合には、必要な政令改正による法制度の整備をお願いしたい趣旨で問題提起をしているということでございます。これが海底下貯留に関するところです。
一方で、現在、陸域におけるCO 2貯留の二酸化炭素の濃度を定めるようなルールはございません。実際には大気、あるいは地下水などへの漏洩などを考えますと、現在の大気、地下水が許容する不純物の割合としてオーケーしているものを超えることがないようにするというのを、私たちがここであえてテキストとして書いた基準としているということでございます。海洋汚染防止法においての具体的な法令については、参考の中で書き込んでございます。
25ページに進んでいただきまして、次がモニタリングに関連する章でございます。モニタリングの中では、実際にCO 2を圧入する場合に、どういったデータについて常時監視をしていただくかということで、25ページの下のところ、ずっと監視するもの、そしてページをめくっていただきますと、定期的に監視する事項、3つ目が可能な限り監視すべき事項ということで書き分けてございます。
常時監視する事項は、坑底、坑口の温度や圧力ということで、当然のことを書いておりますが、さらに地震動、あるいは近くでの地震がある場合ということも合わせて、地震計の計測、設置を求めるような記述を置いております。
定期的な監視の項目には、先ほど申し上げましたCO 2の濃度基準などが判る性状を定期的に監視するように求めている。
可能な限り監視すべき事項、これも少し議論があったのです。可能な限りといったらやらないでしょうという議論ももちろんございましたし、こういう書き方をすると、やらないことにはちゃんと理由を用意しておく程度まではきっちり詰めるものだということ。あるいは、実証事業によってやる以上は、やはりこのぐらいはやったほうがいいのではないかということで、ワーキンググループの中ではいろいろ議論いただいたのですけれども、実際、サイトによっては、例えば海底下で貯留するようなケース、あるいは陸域で貯留するようなケースでは、海では計測がそもそも無理とか、コストを考慮すると、できない可能性が十分にあり得るようなものについては、やはり可能な限りという部分に写して書いたという経緯でございます。こういった計測データについては、ちょっと話が戻るようになりますけれども、25ページの8-2、ちゃんと圧入後のデータと比較ができるように、バックグラウンドデータをしっかり取っておいてくださいということをお願いしています。
それから、震探調査によるデータの取得ということも触れてございます。現在の海洋汚染防止法では、許可期間に2回程度ということで、すなわち2年に1回、2.5年に1回程度の地震探査を求めているということですが、これが非常にコストがかかる一方、圧入をやめてしまったら、二酸化炭素でちょびっと動いたことを確認するのに数億円というのが一体どれほど意味があるのかというのは、やはり皆さんから広く意見をいただきました。そこで、あえて他のモニタリングの手法を、震探を補完するものとして開発して、しっかり追求していくということの重要性を触れております。
最初の地層のところと少し触れますけれども、このモニタリングにおいても重要な役割を果たすのがモデルでございまして、このモデルでシミュレーションしている内容についても、実際にモニタリングで得られたデータを使ってフィードバックをして、改善を図って、そのモデルの信頼性向上を図る。そして、でき上がった信頼性が上がったモデルを使って、長期、これは50年、100年といったような単位での長期も含めて二酸化炭素の挙動をきっちり観測するということで書いてございます。
ちょっと性質が変わりますのは、CO 2の圧入井、あるいは調査井なども漏れの原因になるところでございますので、そういったところの健全性に関する定期的なモニタリングも必要に応じてやるということを書いてございます。
このモニタリングは一体いつまでやるのかというところでございますけれども、ここは国際的にも非常に議論があるところでございますので、まずはここでの記述は、そこにチャレンジしていないところがポイントなのですが、圧入井を閉鎖するまではまず実施すべしと。その後、もし圧入井を閉鎖する場合には、閉鎖する時期がはっきりする時点でいつまでやるかを改めて再度検討するようにということで具体的に書いております。
モニタリングについては、岩野原で圧入したケースについてどういったモニタリングをやったかとか、RITEから同時に出ました文献において、国際的にモニタリングの項目としてどんなものがあるか。あるいは、諸外国ではどんなモニタリングをやっているかということを合わせて記述してございます。
最後、9章になりますが、異常が発生した場合に取るべき措置ということで書いてございます。こちらは、アメリカやEUなどでもそれぞれの規制の案の中に書かれているものですけれども、まずは発生する異常事態の内容をイメージする。そして、どういった場合が緊急性として高いものであるか、あるいは異常として改善のための取り組みの重要性が高いかということ、そしてその行動についても優先順位を付与することの重要性が委員から指摘されております。
CO 2が漏れますと、周辺住民に安全、健康面、あるいは生態系に影響があるようなケース、そして施設が壊れて作業員の生命に問題があるようなケースは、当然優先順位が高いということになりますし、そういった事態が起きる場合の周辺自治体への影響、遅滞なく行われることの重要性も委員からの指摘があったところでございます。そして、実際にこれをシステマチックに運用するということになりますと、異常が発生する場合、何をもって異常というかということについてもきっちり整理しておくということを書いてございます。
33ページに進んでいただきますと、異常が発生した場合にどういう措置をとるか。そして、異常が収束した場合に、どういう措置をとるかということを具体的に書いております。これは想定をきっちり膨らませていって、諸外国の実証事業のケースなどと情報を共有することによって基本のパターンが充実していくという考え方に立っております。
34ページに進んでいただきますと、CO 2が漏洩する場合の重要シナリオの抽出と書いてございますが、この分野でも想定して、イメージしてということばかりではなくて、リスク管理工学的なアプローチといいますか、どういうことが起きているから、その原因として考えられるものが何であるかということについてのマッピングを、あらかじめこの3分野できっちり充実させて、情報として共有させていく。これは、例えばFEPであったり、そういったものを活用する。原子力などでも既に導入されているということで、その内容も大変充実したものになっているということでありますので、そういったアプローチもCCSの分野で考えていく必要があるということでございます。そして、当然のことながら、関連する保安設備を設置して、例えば遮断弁とか、保安のための消火器とか、そういったものをきっちり整備しておくことの重要性を最後に書いてございます。
ちょっと長くなりましたが、以上が報告書のとりまとめ文書の概要でございます。参考までに最後に付言させていただきますと、5月1日から31日までのパブリックコメント、1ヵ月間置きましたが、合計7名の方から意見をいただきました。その意見は、技術的な内容が大変多くございまして、7件というのは、こういった分野のパブコメの量としては異常に少ないのですけれども、内容に専門性があることの現れかと考えています。7件の中には、単にお答えをするという程度のものもあるのですけれども、内容は可能な範囲で既に盛り込んだ案をここで提示させていただいております。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。
この案をつくるに当たっては、先ほど説明がありましたように、2つのワーキンググループが大変精力的な作業をされて、まとめた結果になったわけですが、その2つのワーキンググループの座長に補足的なコメントをお願いしたいと思います。
最初に松橋委員、よろしいですか。
松橋委員
今、大学のほうで緊急事態が発生いたしまして、ひょっとしたらちょっと早目に失礼することになるかもしれません。まことに申しわけございません。
私が担当させていただきましたCCS実施に係わる安全基準検討ワーキンググループでございますが、内容について私から、今の説明に加えることは特にございません。ただ、この委員会を進めるに当たりまして、三橋室長が大変精力的に文章をおまとめになったということと、このワーキンググループの進め方が、私、何回かワーキンググループの場でも申し上げたのですが、あたかも科学論文を審査し、まとめていくようなプロセスで非常に民主的、なおかつ科学的に進めてまいりましたので、変な政治的バックグラウンドも全くなく、意見の食い違いはございましたが、これはどちらかというと学問的なバックグラウンドの違いによるものでして、決して政治的なバックグラウンドの違いによるものではないということです。大変僭越ながら、私はこのまとめをお手伝いさせていただきましたが、これを終えた段階では非常にすがすがしい気持ちでございました。
そういった形でございますので、いろいろな意見をいただきましたが、それをできる限り取り入れて、まとめていったという形でございます。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。それでは、佐藤委員。
佐藤委員
これから委員の皆様からいろいろとご意見をいただくと思いますので、私もまないたの上で横たわって聞こうかと思うぐらいです。
1点だけ。1ページ目の注1―2に書いてあるのですけれども、「漏洩」という言葉と「漏出」という言葉がこのドキュメントの中では区別して書かれてあります。定義はここに書かれているようなことでございます。この意図は、世界で今よく出ているペーパーの中で "leakage" "seepage" というのをちゃんと区別しているということ。それを反映させるべきだということ。それから、日本の場合、特にキャップロックのとらえ方がもうちょっと幅広いとらえ方をしたほうが、CCSを普及させる面でよろしいのではないかという思いもありまして、あえてここでこれを区別して考えましょうということにしておりますので、その点についてもご意見いただければと考えております。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。
それでは、委員の方から、この内容についてのいろいろなコメントをいただきたいと思います。手を挙げていただいてやってもいいのですけれども、せっかくの機会ですから、少しずつでも各委員の方々からご意見をいただいたほうがいいような気もするので、また順番にやりますか。その場合、アイウエオ順のどっちからやるかというのがあるのですが、やはり赤井さん、お願いします。
赤井委員
茅先生の委員会なので、そうなるだろうと覚悟はしておりました。
大変よくまとまってきているなと思っております。ただ、最初にそもそもの話でお伺いしたいのですけれども、これは最初にご説明でもおっしゃったように、CCS、実証をやるための安全基準的なところをとりまとめたということなのですが、例えば具体的にサイトが決まって、プロジェクト計画を立案するときに、さらにこれを特定のサイトも念頭に置いてブラッシュアップされて、経済産業省としての基準にされることになるのか、それとも、今の文書がそのまま根拠になるのか。そこをまず伺ってからコメントさせていただきたいと思います。
三橋地球環境技術室長
今の考えは、これをサイト別に、個別に分化させたものをさらに作ることは念頭に置いておりません。冒頭、まえがきでも触れましたけれども、サイトに応じた具体的な適用の部分の柔軟性は事業者に、ただ、事業者もその範囲で自由にやるというよりは、自分でこのようにやりますということをあらかじめきっちり頭の整理をしていただくというイメージで考えております。
赤井委員
そうしますと、明日にも実証をやるときに、これを唯一の根拠としてやるということで、そうなるとちょっと気になるところがあります。皆様もよくご存じかと思うのですけれども、最近、この分野で先行しているヨーロッパでも、アメリカでも、日本に比べるとパブリックアウトリーチ活動などを一生懸命やっているのですが、やはり住民の反対運動とかでプロジェクトが追い込まれるような側面があって、リージョナルパートナーシップをうまく使ってやっているアメリカでさえ反対集会が開かれたといった例があります。そのときに、事業者さんが1つの根拠として、このドキュメントに沿って我々はやっていますというように主張されたときに、それを考えたときにこの内容でいいのかどうかという観点です。
先ほど佐藤先生が、1ページ目、注について述べられましたけれども、その上の圧入井、調査井、観測井とかというのが並んでいる注1―1、この辺の何となく遠回しな書き方が気になります。何のための実証事業をやるかというと、将来のCCSの商業化というか、完全にビジネスでやるのは難しいかもしれませんが、本格的実用化のための有効な知見を提供するのが目的だと理解しております。G8の声明にもある世界で20という事業も、みなそういう目的をもってやるものだと思うのです。
そうしたときに、プロジェクトコストの観点はもちろん大事なのですけれども、やはりそれなりのモニタリングなどはきちんとやらないといけないのではないかという根本的問題意識がありまして、そういった観点からすると、観測井があってもなくてもいいような記述とか、震探の問題とかについて、この程度の記述にしておいた場合、何かあったときに、別に観測井がなくてもいい、震探もこの程度でいいと書いてありますよということを事業者が主張する根拠とされてしまって良いのかという気がします。細かい点は幾つかありますけれども、全体にかかわる問題意識というか、質問させていただければと思います。
RITEさんの長岡プロジェクトのモニタリングの項目等が書いてありますけれども、RITEさんのものが、諸外国の実験などに比べると非常にスモールスケールであるにもかかわらず、なぜそれなりのリスペクトを受けているかというのは、携わった皆さんが、いわば日本人的細かさで、いろいろなところをとにかく測定できるだけ測定して、それをきちんと公表しているところにプロジェクトの意義が非常に高く認められている点があります。この実証についても、諸外国に比べると恐らくそんなに規模は大きくならないと思うのですけれども、そういった観点をぜひ付けていただければと思っております。
それから、1点だけ。これは専門家の方々に質問したいのですけれども、文章中で「営力」という言葉があります。
三橋地球環境技術室長
ドライビングフォース。
赤井委員
三橋さんは先ほどのご説明でもドライビングフォースとおっしゃっていました。ドライビングフォースならわかるのですが、営力という言葉は、その分野では普通の言葉なのかもしれませんけれども、自分では使ったことがなくて、調べてみると、地殻変動を引き起こすような力とかということが書いてあって、それは漏洩を引き起こす力とはちょっと違うのではないかと思います。専門家の方々がこれで良いとおっしゃれば、もちろん構わないのですが。長くなりましたが。
茅座長
皆さんに一応意見をいただき、その中に質問が含まれていても、後でまとめて事務局に答えていただきます。ただし、今の赤井さんの場合のように、コメントが質問の答えを前提にする場合だけは別にそういっていただきたいと思います。
では、飯島さん、お願いします。
飯島委員
今回まとめていただいたのは、あくまでも実証事業をやる場合に考慮すべき事項だということで書いてありまして、そういう意味で目的がよくわかったのです。
私からの要望なのですが、実証事業を通じてここに書いてある、またはこれにプラスアルファもあるかもしれませんけれども、その手法とか基準というものを、よりきちっとしたものにしていただきたいなと。
具体的に、どういうのをお願いしたいかといいますと、例えばモニタリングで、地中のモニタリングは非常にいろいろ書いてありまして、専門的で書いてあるのですけれども、多分素人には非常にわかりにくいのではないかなと。一般の人がみますと、CO 2を入れたけれども、漏れはあったの、なかったのということを明確にするには、例えば30ページにモニタリングの表がずっと書いてある。下の3つぐらいというのは、比較的地表での、また境界面でのモニタリングなのですけれども、この辺が実際なかなか難しいと思うのです。ここら辺の技術としてもきちっと確立して、入れた前と後で変わりませんとかということをきちっと説明できるような形にして欲しいなというのが1つです。
2つ目に、当然CO 2の地中貯留なので、地中の話が非常に多いのですけれども、実際やりますと、地中以外でも、地上設備も回収と圧縮とパイプライン輸送、または液化して船輸送がありまして、ここに既存の法整備をいろいろ書いていただいているが、CCSにきちっとフィットしたものには必ずしもなっていないと感じます。例えば、CO 2のパイプライン圧力も、アメリカのEORで使っているパイプラインは百数十キロの圧力で使っているけれども、今の鉱山保安法だとそういう圧力は使えないとかありますし、例えばここに、CO 2ソースごとにCO 2を回収したときに、その純度だけでなくて、もし漏れたことも想定して、不純物の規定をどのように決めていくのか。例えば、IGCCの場合、硫化水素以外にCOも入っていたりするということもあります。
あと、それぞれ回収、圧縮設備を一個一個実際にやる中で、設備としてどういうものが出る可能性があるのか。または、万が一、事故を起こしたり、どういう可能性があるのかというのを一つ一つチェックしながら、実証試験をやる過程で基準を設けていただきたいということで、地中だけでなくて、地上設備についても、そういう手法を確立するのが実証試験の一番大きな課題ではないかなと思っております。
茅座長
ありがとうございました。では、岡津さん、何かあれば。
大野委員(代理・岡津)
済みません。今日は代理ということで出席させていただきました。
私、今回勉強させていただきまして、非常に短い時間でこれだけ多大な、重要なとりまとめをされたということで、まず非常に感銘を受けたわけでございます。
ただ、コメントといたしましては、今、飯島委員からお話がありましたように、実証を通じてこれをどのようにやっていくのか。これだけ遵守しなくてはいけない方法がたくさんあると、技術的な面も含めてそれを確立していくということが今後非常に重要で、そこに我々が今後取り組もうとしているR&Dの課題とか、そういうところが浮かび上がってくるのかなと思っております。ですから、これがガイドラインになっていることは、私たちにとっても非常に有益なものだと思っております。
細かいところはワーキンググループ等で議論されていたことで、私が知らないだけかもしれないのですけれども、1点、私がちょっと気になったのは、1―1の(1)の広域モデルの「広域」という定義なのです。これがどういうことなのかというところで、いろいろ読んでいくと、実証フィールドのバウンダリーであるとか、影響範囲であるとか、そういった言葉がこの中に見受けられる。こういったものの関係がどのようになっているのか、私には少しわからなかったところがございますので、後でご説明していただければと思っております。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。佐藤委員は被告のほうですからよろしいですね。
では、白山さん。
白山委員
京都大学の白山と申します。おくれてまいりまして、大変失礼いたしました。
今、多分この資料1についてのコメントをするということだろうと思うのでございます。私はどちらかというと環境影響評価みたいなところが専門でございますが、拝見したところで1つだけもっと強調すべきことがあると思うのは、何かが懸念されるときに、懸念はされるけれども、大丈夫ですよということをいうためには、事前に天然、自然の環境変動のレベルをしっかり押さえておくというのが重要ではないか。自然の環境変動の範囲を超えていなければ、一般的には生態系に大きな影響があるとは多分考えられないし、多くの人もそれに対しては納得ができるはずなのです。
それがある特定の値をびしっと決めておいて、それよりもプラスかマイナスかという話ではないはずで、実際の環境変動が存在するわけですから、そこをしっかり押さえる。つまり、これから事業をやります、あるいは実証試験をやりますという前に、一日も早く入れたいとは思いますけれども、ちょっと腰を落ちつけて1年なり2年なり、自然の変動をしっかりと押さえるということをされるのが、結局は長い目でみるといろいろな障害を克服できることにつながるのではないかと思います。
したがって、事前にしっかりと天然の、あるいは自然の環境変動を把握しておくということを強調されるとよろしいのではないかと思います。
茅座長
ありがとうございました。関根さん。
関根委員
どうもありがとうございます。私どもは事業者なので、いろいろ事業者云々という言葉で出てきましたけれども、関係者の方々にはこれだけのものをまとめていただいて非常に感謝するとともに、これからどうやっていくのかというところで責任を感じているところなのです。
まずご意見をいわせていただきますと、中身ではないのですけれども、この冒頭のところが、わたし的にいいますと非常に淡々としていて、もうちょっと迫力が欲しいなという感じがいたします。CCSが本当に温暖化対策としてなくてはならないこと、日本に広くポテンシャルがあること、あるいは実証試験を経て広く展開していかなければいけないのだというところが間接的には読めるのですけれども、もうちょっと書き込んでいただきたいという感じがございます。特にこういう技術開発において、ゴールがそろそろみえてくると、えてしてローギアに入るというのがよくあるので、決してこれがそういうことのないように祈っておりますし、そうはならないと信じております。また、そうであってはいけないと思いますので、私はその辺をまず書き込んでいただきたいと思っております。
私どもも、今月末には37社となる会社が参加して、民間の総力を挙げた協力体制で臨んでおりますので、ここにおられる三菱重工さんは入っておられないですけれども、間接的に協力いただいておりますし、そういうことで、国としてもタイアップして、強力に進めていただければと思っております。
もう1つ、飯島さんのご意見と重なるのですけれども、今後の責任体制みたいなものが、ある程度実際の実証する段階にはそろそろ出てくるのかなと。例えば現在、国の実証試験ということで委託を受けておりますけれども、どこまでが国でやるのか、どこでやるのか、あるいは既存の施設を使うときに、新しいものをつけたときに、その辺はどこでデマケができるのか、あるいは共同責任なのか、そういったところをある程度しっかりさせないと、実証試験には至らない。もちろん事業所として我々もその辺は十分検討させていただきますけれども、国としてもその辺のところを念頭に置いて対応していただきたいと思っております。
一般的な事業をやる場合には、先ほど風評的なところの話も出てきていますけれども、必ずしも異常な事態に限らず、そういった心配に対しても必ず説明を求められますので、その辺の答えは事前に用意しておくということが、事業を進める上で重要なことだと思っております。
あと、2ページ目の下のほうの3ポツ目、「湧出点の存在が予想される場合」と。予想は大体水かけ論になるところが多いと思いますので、予想ではなく、確認された場合とかというように具体的な話にさせていただかないと禍根を残すのかなと思います。
4ページ、注1―4です。これは冒頭のところでは、貯留区域及びその近傍ということで定義されているのですけれども、ここでは地下流体というところで一般的な話になってしまっているので、そこのところは加えたほうがいいのかなと思っております。
25ページで、ここは常時監視する事項のところでございますけれども、坑底圧、それから温度のところでございます。これはワーキンググループのところでも議論があったやに聞いておりますけれども、圧力計、温度計を設置できない場合もありますので、その場合は、推定によるとかというようなコメントがついていただけるとありがたいと思っております。
26ページ、注8―1、これは特にという話ではないのですが、実証試験に係る安全基準という観点からは少しずれているかなという感じがいたします。これは皆さんのご意見に従いますけれども、どちらかというと本来の研究マターではないのかなという感じがいたしますので、これは皆さんのご意見を伺いたいと思います。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。
今の4つの点、最後はともかくとして、できれば簡単に紙に書いて出していただけると、後で事務局が処理しやすいと思いますので、よろしくお願いします。
関根委員
はい、かしこまりました。
茅座長
では、田中委員、どうぞ。
田中委員
ワーキングの方が短期間によくまとめていただいたと思って、お礼を申し上げたいと思います。また、この基準は、実際に動き出すと、実証試験の事業者が用意する資料の大要を示したものかなという気がしているのです。実際にやられるときには、これよりもかなり膨大な資料がつくられるのだろうという気がいたしております。
この基準の中で、あいまいな表現というのはなるべく避けたほうがいいのではないかと思います。そういう目でみますと、1ページの1―1に、水理地質及び地質構造にかかるモデルの構築というところでございます。先ほど岡津さんからもご指摘がありましたけれども、ここに広域モデル、概念モデル、詳細モデル、数値シミュレーションモデルというように4つの名前が挙がっているのです。数値シミュレーションモデルは一般に使われていますけれども、ほかの3つは余り一般に使われていないし、非常に内容がはっきりしないものだと思います。それよりも地質モデル、数値シミュレーションモデルというように2つに分けてやられたほうがいいのではないかという気がします。地質モデルも、それまでの調査によって、やらなくてもいい調査もあれば、新たにやらなければいけない調査もあるし、もうでき上がっているモデルもあるしということで、サイトによって違いがあるかと思いますが、広域モデル、概念モデル、詳細モデルというのは非常にあいまいな表現で、実施される場合に非常に困られるのではないかという気がいたします。
2ページから始まる1―2、大規模実証事業の実施に当たって検討すべき事項。この節だけは基本的な考え方とCO 2圧入開始前で検討すべき事項という形で2つに分けて書かれているのですが、実際にやられるときにはどっちの考えが優先するのかという、判断に困ることが出てくるのではないかと思うのです。内容をみましても、基本的な考え方とその下の検討すべき事項とはほとんど同じことが書いてあって、場合によっては基本的な考え方に書いてあって、検討すべき事項に書いていないこともあるわけです。ということで、これは外して一本にしたほうがいいのではないかと思います。
基本的な考え方のほうをみますと、例えば2ページの(1)の貯留層及びキャップロックの存在確認のところですけれども、その基本的な考え方の一番最後のところをみると、「漏洩ルートとなる可能性がないことを確認する」と書いてありますが、これはまず不可能なことです。実際にやってみないとわからないことで、事前の調査では確認するといえないことだと思います。それが下のほうでは「検討する」となっていますので、実際には確認、検討、どちらだという論争になったときにつまらんことになると思うので、一本にされたほうがいいのではないかと思います。
4ページから5ページ、(2)のCO 2圧入開始前までに取得するデータのリストがございますが、5ページの真ん中辺に、貯留層及びキャップロックのスレショルド圧力、それから貯留層及びキャップロックの破壊圧ということで、貯留層とキャップロックを1つにまとめて書いてあるのですけれども、キャップロックと貯留層とは目的が違いますし、対象とする地質も違っているわけなので、これは別個に書くべきだと思うのです。キャップロックについてのスレショルド圧力は非常に重要ですけれども、貯留層についてもスレショルド圧力が必要なのかというと、それほど重要ではないと思うのです。破壊圧についても、キャップロックの破壊圧は重要だけれども、貯留層はそうでもない。そういうことを考えますと、キャップロックと貯留層を別々の項にして書くべきではないかと思います。
17ページ、5章のCO 2地中貯留を目的とした坑井の掘削・閉鎖に当たっての安全確保ということで、掘削仕上げ時に当たって注意すべき項目を挙げてございますが、坑井を掘る場合に一番最初にやるべき重要なことは、坑井計画といいましょうか、ケーシングプログラムを決めることだと思うのです。なぜ決めるかといいますと、浅いところにあります家庭用だとか工業用の地下水、淡水の地下水層を保護する。これが一番重要な項目になるわけです。淡水の地下水層を保護して、それがそれ以上汚染されないということを確認して、それから下を掘っていくわけです。ですから、その項目をきちんと入れておくことがいろいろな場合に重要になってくると思います。ということで、石油とか天然ガス関係ではケーシングプログラムといっておりますが、その項目を入れるべきであると思います。
あと、細かいことになりますけれども、「コアサンプル」という言葉は英語でも使っていますが、「コアサンプル試験」というのはないと思うのです。「コア試験」というのは、もう何十年と使われている専門用語として存在するわけです。コアサンプル試験というのは存在しないので、そこら辺の用語の整理をお願いしたいと思います。
それから、IPCC特別報告書等が引用されていますけれども、何ページを引用しましたというページ数まで入れていただきたいと思うのです。というのは、後々参考にするときに非常に便利だと思います。
あと、先ほどどなたかいわれましたけれども、営力の話がありました。営力のところをみましても、そんなに単純に圧力と浮力に分けられるものではないと思うのです。例えば、標準的な石油の層をみますと、上にガスがたまって、下に油がたまっていますけれども、これは浮力によって分かれているわけです。だから、圧入したCO 2が浮力によって貯留層の中を移動することだってあり得るわけなので、それを圧力だけと割り切っていいのかということもありまして、そこの書き方はちょっと検討していただきたいと思います。
大体以上でございます。
茅座長
今の参考文献という話は当然ですが、ほかのところが細かいので、申しわけないが簡単にメモを書いて事務局に渡していただけますか。今でも後でも結構ですから。
田中委員
昨日メールで出してありますので。
茅座長
大部分は大丈夫ですか。
三橋地球環境技術室長
後ほどご説明させていただきますけれども、新しいコメントも大分入っているので。
茅座長
では、後で事務局で対応できるところまでして、後は留意させていただきます。
では、高見委員。
高見委員
電気事業連合会の高見でございます。今回から参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
私ども、こういう分野に専門的な知見がございませんので、全体的な漠然とした話になって恐縮でございますけれども、そもそも今回の研究会というものが、我が国で実証事業を実施するに当たってどうするのか、そういう基準をとりまとめるということで話が進められている中で、今回まとめられたところ、まえがきの中でその辺はしっかり書いていただいているということは非常によかったと思っております。
具体的には、今回の基準が実証事業の実施のためのものである。それから、将来実用化されるときを想定しても、今回やる実証事業の成果であったり、あるいは諸外国の事情であったり、そういったものを含めて改めて検討するといったようなところまできちんと書いていただいている。これは非常にありがたいことであると思ってございます。
CCSというものにつきまして、私どもの認識としてはまだまだ未成熟の点が多い技術であろうと考えてございますので、これから国において実施されます実証事業を通じまして、さまざまな課題も当然明らかになってくるだろうと思われます。その解決に必要な技術開発ですとか、その技術的なところだけではなくて、長期的な責任といったところ、こういう規制といいますか、制度といいますか、そういうところの検討につきましても、当然これから必要になっていくのではないかと思っているところでございます。
当然、いろいろな諸外国等の状況等も含めて、そういうのを十分みきわめた上で総合的な検討を今後も行っていただきたいと思っているところでございます。
私から以上でございます。
茅座長
ありがとうございます。では、村井委員。
村井委員
私も被告側の1人でございますので、あれですが、この基準ができたことによって、安全評価の課題がわかってきたという点は非常によかったと思っております。
あと、今後これを運用していくときに、もっと具体的にブレークダウンしていく必要があると思います。また、それの運用の仕方も課題であると思います。
あともう1つは、これを通じて思ったのは、フィールドでの作業になるので、できるだけフィールドでのデータ取りが今後の課題かなと。そうなると海外との連携も非常に重要な課題かなと思いまいた。
以上です。
茅座長
山口委員。
山口委員
私自身は、この中で一番知識がない男なのですけれども、この中身について、実際にやるときに説明が必要だというお話が何人かからありました。その関係でいうと、例えばここに書いてあることと原子力発電所などとはどのくらい違うのでしょうか。恐くリスクは随分違うと思うのですけれども、例えば原子力でやっているようなことと仮に同じようなことがここに書いてあるとしたら、それはもう十分過ぎるくらいやっているという説明ができるかもしれないと思うのです。しかしこのあたりは私は全くわかりませんのであくまで考え方として申し上げているわけです。
もう1つは、リスクをゼロにするということはあり得ず、80%、90、99と安全度を高めて行くに従って、コストは上がるに決まっているわけです。それをどの辺までやるのだというときに、例えばほかとの比較みたいなのがあるとわかりやすいのかなという感じがしました。
それから、この(案)は今日の委員会を通ると、恐らく(案)がとれるだろうと思うのです。もしその場合には、私はいつもどこでもいっているのですけれども、これを英語にして、どこからでもみられるようにしておくということは、いろいろな面で必要だと思います。
この内容については、そんなこと以外わからないのですけれども、これはまさに実証事業だけという限定がついています。どれぐらいできるかちょっとわからないわけですけれども、2020年までに日本がこれをやるという話になっていると理解しています。実際、麻生首相が決断した今度の中期目標は、限界削減費用が150ドル、1万5千円です。実はこの小委員会が始まるときに、もう1つ別の委員会が走っていて、そちらで経済性とか法的制度の問題を論議し、ここは技術だけという形でレポートが出てきたと思うのです。
そのもう1つの委員会のほうで、CCSの採算性ということも随分検討したわけです。その際に、70ドルから80ドルぐらいになると採算ラインということでした。ですから、今度の中期目標については、もし 150ドルということになると採算ラインに乗るという話になるのです。これはあくまでも計算だけの話ですけれども、そういう話になると、結構現実の問題になる可能性があると思うのです。
本当にやるということになると、2020年までに日本がどのくらい減らせるかという話ですけれども、2020年の前に、実際に動いていないと間に合いっこないわけです。そうすると、実証事業でなくて、民間で商業ベースでやる場合に備えてある程度、こういう面での準備を進めておかなければいけないだろう。そうなると、先ほどのお話で、事業者の責任の限度とか、だれが責任を負うのだというそのライアビリティーの問題がきちんとしていないと、あるいは実証でもできないのかもしれないと思うのです。その問題はどうしても避けて通れないので、もちろん諸外国の例をみるとかというのはあるにしても、極端にいえば、諸外国の例がなくても日本で考えるというくらいのことでやる必要があるのかもしれないと思います。
以上です。
茅座長
それでは、山田さん。
山田委員
CCSについては今、山口委員もいわれたように、今後の温暖化対策として期待値が非常に大きいと思います。ところが一方で、これを事業化してやるということは、またかなりハードルが高いと思います。したがいまして、この実証実験で実際にされる皆さんが本当に安心してできる条件を整えてあげませんと、なかなか進まないのではないかと思います。
今回まとめられたものがいい例にはなると思いますけれども、最終的な判断をだれがやるのか。国なのか、専門家の組織なのか、事業者なのか、その辺の役割分担をはっきりさせないとCCSの推進はなかなか難しいのではないかと思いますので、その辺の整備をよろしくお願いしたい。CCSの推進においてリスクを冒すわけにいきませんけれども、CCSの日本における可能性と限界というか、難しさを早目にみきわめるべきだと思いますので、ぜひともCCSを進めるためにもその辺の整備をよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
茅座長
ありがとうございました。
それでは、今の委員の方々のご意見に事務局側から返答してもらいます。
三橋地球環境技術室長
ワーキンググループで、最初に松橋先生にご説明していただいたように、意見が分かれたところに関する意見が幾つかございます。そこはテキスト上、基準というものを目指している一方で、記述振りで調整しているという経緯がございますので、背景をご紹介することを含めてご説明させていただきます。
まず、赤井委員からご指摘いただきました注1―1の観測井の掘削についてです。これは実際にワーキンググループの中で観測井の掘削といいますか、調査井といいますか、この掘削を必須とすることについては、事業を行うという視点に立っている人たちと、それによってデータの取得を非常にしっかりやって、将来に役立てるということに主眼を置く方とで意見が非常に分かれた議論になりました。
ここで書いておりますのは、圧入井に加えた調査井、あるいはその調査井を転じて後に観測井とすることが望ましいという書き方にしていることの決定的な理由は、特に海底下貯留を行って、プラットホームみたいな形で建設するようなケースで、具体的に候補地として考えられているケースについて、調査井としてあらかじめ掘った穴を、事後に圧入井として想定しているモデルが実際に有望なケースとしてあるがゆえに、観測井を必須とするということは、現実的なオプションとしてとれない背景が注1―1にございます。
それから、RITEの議論で、長岡におけます1万トンの貯留が、データの面で完全性が非常に高くて諸外国から注目されていること、あるいは貯留を圧入が完全に終了した後について事後的なデータの取得をしっかりとっている点、私どももその点に非常に注目しております。
少し関連してなのですが、田中先生からもご指摘がありましたモデルの書き方が、広域モデル、詳細モデル、あるいは括弧書きで概念モデル、数値シミュレーションモデルと書いていることがわかりにくいということで、このモデルの役割の分担についても大変議論が紛糾いたしました。経緯をご紹介しますと、キャップロックと二酸化炭素が及ぶ範囲について、そこをある程度仮定して、その領域を数値シミュレーションするということに関しては、だれも異論がないところではあったのです。では、さらに領域を広げたところ、特にキャップロックより上位層においてシミュレーションすることの重要性をすごく指摘される委員がいらっしゃる一方、そこを対象とする、つまりキャップロックより上位層から地上面、あるいは海底面までに及ぶところを数値シミュレーションとすることのコストの大きさから、それは現実的でないということの意見が強くスプリットしたという経緯がございます。
本件については (1)が広域、いわゆる地質モデルであって、(2)が数値シミュレーションモデルかと明確に答えますと、必ずしもそうなっていないところがポイントでありまして、すなわち広域のモデルのところの一番最後の記述については、境界条件の設定。つまり、数値シミュレーションモデルを行うところの一番境界のところの条件。地層が広がっているという前提で境界条件を設定する部分については、数値的な要素が明確に入っているということでございまして、この議論の中で数値シミュレーションという詳細モデルを設置するところは、キャップロックとその貯留層のいわゆる影響が及ぶ範囲とし、その広域モデルの中で大きな地層といいますか、大局的な流れを把握するということとあわせて詳細モデルの境界条件に当たるようなところが、データがとれるレベルのモデルであることが必要であるという形でとりまとめているという経緯がございます。したがって、モデルはおおむね地質モデルと詳細モデルということではあるのですが、完全に数値と地質と分かれられるかというと、経緯的にそうなっていないというのが正直な議論の経緯でございます。これは議事録とかごらんいただくことができますので、はっきりする内容でございます。
それから、飯島委員から、モニタリングが地中のところに非常に集中しているということでご指摘いただいて、実際に地域住民の理解を得ていただくということを踏まえると、より広範な手法、あるいはわかりやすい手法、変化が起きていないということを知らせる意味合いが非常に重要だということについては、26ページをごらんいただきますと、注8―1、先ほど関根委員から、そもそも研究的な要素であって、その存在がやや議論にゆだねますというご意見をいただいたところの注の一番最後のパラグラフ、今後、周辺地域の理解をいただくという観点から、地表面、海底面など比較的広い地域を対象としてCO 2が漏れていないことを確認するためのモニタリング手法について必要な検討をして、必要な技術開発もしてはどうかということを、あらかじめいただいた意見を踏まえて入れているというのが事務局の対応でございます。
飯島委員から、あわせてご指摘いただきました地上の、特にIGCCの回収施設ということでございますけれども、現行の海洋汚染防止法、政令に、実際に手法を規定する必要があるといいますか、実際に海底下で貯留するという場合には、そこの政令での追記はやはり必要ということになります。そうなりますと、実証事業をやる前に一定のクライテリアをきっちり検討した上で、その制度化を行った上で、その検証を行うようなアプローチにどうしてもなるのかなと。手続的には、実証で任せた結果を踏まえて必要な制度をつくるという順番に必ずしもならないところがございますので、それが実際に7章の22ページのところ、まずは必要な濃度とその回収方法の検討をして欲しいということで記述を置いているということでございます。
岡津委員からいただいたモデルに関する議論のところも、先ほど議論の経緯でご紹介したところを改めてご説明ということでかえさせていきたいと思います。
いただいた意見の中で、白山委員からいただきましたインパクトアセスメントについて、事前の通常の変化の範囲、天然の変動レベルをしっかり確認する点、きっちり盛り込むような対応をしたいと思います。
田中委員からご指摘いただいた多数の点がございます。あらかじめいただいていたところについては、可能な限り入れているところがございますが、今、新しい点もございましたので、幾つか簡単に触れますと、まず2ページ目の基本的な考え方と実際に検討すべき事項と書き分けているところは、実は基本的なところは地層が連続的であることとか、比較的、基本的な考え方を示すということを念頭に置いております。
一方で、それを確認する具体的な手法にもう少し近寄る方法、もしそれが具体的に適用できない場合には、何の目的でそれをやらされているのだという基本的な考え方に立ち返られるように記述する方法が、この分野で完全性を求めることがなかなか難しくて、サイトにもよる場合にとれる手法かなということで、こういう手法をとったというのが経緯でございます。両者によってむしろ混乱をするという点については、個別にきっちり吟味した上で、必要な対応ができればと思っています。
田中先生からは、あらかじめ地質の部分について確認を求めるのは、どだい無理なことを求めていることになりはしないかということのご指摘は、あらかじめかなり強くいただいておりますので、当初、例えば1―2のタイトル自身も、実施に当たって、あらかじめ確認すべき事項とかという形になっていたのが、検討すべき事項というタイトルそのものも変わっております。ここの確認という要望の1個ずつは、実はそれが確認できることか、本来確認しないと絶対だめなことかどうか含めて吟味をした経緯がございます。ご指摘の基本的な考え方、一番最初の漏洩ルートとなる可能性がないことの確認はもう無理というところは、今のご指摘を踏まえて考えたいと思います。
あと、赤井委員からもご指摘がありました営力という言葉は、ドライビングフォースの訳かなと自分も勝手に思っていたのですけれども、必ずしもそうでないことがわかりました。実は、環境省さんのモニタリングの検討グループの中で、訳語として使っていた経緯がありまして、環境省さんのせいにするわけではないのですけれども、若干うのみにしていた経緯がございますので、こういった記述になっている。ドライビングフォースという言葉が皆さんに共有していただく言葉として適切でございますので、そちらにすることを考えたいと思います。
それから、幾つか意見をいただいていますが、個別の細かい点の意見については、個々に対応するような方法をとらせていただきたいと思います。
以上でございます。
茅座長
ありがとうございました。
今の三橋さんの返事を伺いますと、委員の方々からいわれた基本的なポイントについては、少なくともほぼ答えはされたと思いますが、そういう答えの内容でご了解をいただけますでしょうか。あと、今、話に出なかった個別の字句の問題、例えば田中さんがいわれたキャップロックと貯留層を分けるといったようなことは、後で具体的に検討してまいりまして、その必要があればそのようにしたいと思います。
ということで、この案の基本的な線に関しましては、皆様方から特別にご異論が出なかったと思いますが、そう了解してよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
そうしますと、今申し上げましたように、個別のご指摘のポイントにつきましては、事務局側で検討してもらいまして、私と相談して、そしてまとめるという方向にもっていったらと思いますけれども、そういうことで一応私と事務局側で最終的な処理はお任せいただけますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
大体皆様、ご異存がないようでございますので、そのようにさせていただきたいと思います。
それでは、あと事務局側から。
三橋地球環境技術室長
たくさんのご意見をいただきましてありがとうございます。特にCCS研究会本委員会のほうは、ワーキンググループとは違いまして、頻度の問題がございますので、テキストを送って、中身の提案をみていただいた上で指摘いただけた点、ワーキンググループの議論とはまた違った視点で再度指摘いただけた点、大変感謝しております。
以降のとりまとめにつきましては、座長と相談しながら、あと、ワーキンググループの両座長と相談してセットさせていただきたいと思います。
茅座長
それでは、最後に有馬審議官にご挨拶をお願いします。
有馬大臣官房審議官
地球環境問題担当審議官の有馬でございます。本日は大変お忙しい中、第2回CCS研究会にご出席いただきまして本当にありがとうございます。また、いろいろと有益なコメントをいただきまして、今、茅座長、あるいは三橋室長からお話し申し上げましたように、いただいたコメントを個別に相談させていただいて、座長、両小委員長と相談して、我々のほうで反映させていただきたいと考えております。
昨年秋以降、両ワーキンググループで座長を務めていただいた佐藤先生、それから今、中座されましたけれども、松橋先生には本当に長期にわたる議論のとりまとめにご尽力いただきまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
CCSへの国際的な関心というのは非常に高まっております。昨年、この報告書にもございますが、G8のエネルギー大臣会合、それからG8サミットでは、20の実証プラントを2020年までにつくりましょうという中身の合意がされておりますし、それ以降も、例えばオーストラリアが主導いたしまして、グローバルCCSイニシアチブというものを立ち上げる。それで今回、来週の主要経済国フォーラムにおいての前後に論打ちをしたいという話もございます。あと、主要経済国フォーラム自体においても、CCSを中心とした革新的技術の協力をぜひ進めていこうではないかという議論もございますし、ことしの10月にはCSLFの閣僚会議もロンドンで予定されているという、CCSに関する議論も国際的に非常に盛り上がっているわけでございます。
そういう中、日本におきましても、CCSの実証のいろいろな条件整備を早急に進める必要があると考えておりまして、今回とりまとめていただきました安全基準の考え方というものは、CCSの実証を国内で早期に実施する上で非常に有効に活用できるものではないかと考えているわけでございます。今回の安全基準はCCSの実証試験について、安全面、環境面での取り組みについて、国としての方向性を示すことにつながるだけではなくて、こういった安全基準を公表することによりまして、CCSの実証の進め方について透明性を高め、国民理解の促進にも役立つと考えております。
CCSの規制につきましては、EU、米国、豪州などで規制の導入やその枠組みが決まったばかりでありまして、その細部の技術的基準などは世界的にみてもこれから議論されていくものでございます。今回のとりまとめについても、早急に英訳をいたしまして、まさしく山口先生からご指摘がありましたように、我が国の取り組みとして各国に紹介するとともに、また私どものほうも諸外国の規制や技術の動向をみながら、その内容を随時見直して改善をしてまいりたいと思っております。
先ほど申し上げたCSLFでありますとか、MEFでありますとか、いろいろなところでCCSがこれからまた議論されていきますので、今回の成果につきましては、そういった場でもぜひ発信していきたいと考えている次第でございます。
最後に、CCS研究会、ワーキンググループの委員の皆様におかれましては、今回の安全基準の検討に参加していただきまして、昨年の秋以来、非常にインテンシブに議論に参加していただき、かつお知恵をいただいたこと、改めて深く御礼を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
茅座長
それでは、本日の会合はこれで終了いたします。

以上

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最終更新日:2009年8月14日
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