経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会(第1回)  議事要旨

1.日時:平成18年10月30日(月)12時~14時

2.場所:経済産業省別館第4特別会議室

3.出席委員

茅座長、赤井委員、飯嶋委員、大野委員、田中委員、 鳥井委員、福島委員、村井委員、山田委員

4.議事概要

研究会開催趣旨

  • 石炭火力発電所の「ゼロエミッション」に組み込むなど、CCSの応用範囲は広いとあるが具体的にどういうことか。

    →事務局)石炭火力とCCSの組み合わせについては、諸外国のプロジェクト構想が進んでおり、こういった動向も踏まえ議論していただきたい。

  • このようなプロジェクトに対して、日本の技術を提供していくということなのか。

    →事務局)そのとおり。

温暖化対策としてのCCSの位置付け

  • 産油国は、CCSによりCOを油田に注入することで原油の増進回収に活用することができるため、サステイナブルな原油供給の技術と考えている。温暖化対策と位置付けている日本とは見方が違うが、双方の利益に合致した協力は可能である。
  • 石油鉱業界では、COを油層に入れることは1970年代から世界各地で研究しており、日本でも継続している。かつて、中東巨大油田でEORを実施した場合のエンジニアリングスタディーも行っている。日本近辺で検討することも重要であり、COを入れることで石油が回収できれば経済的にプラスになる。
  • CCSの位置づけとして短期的な面と中長期的な面の2つがある。省エネが完成するまでのブリッジテクノロジーとしての見方、中長期的に安定した1つの方策としてみるのかによるが、重点をどちらにおくのか。CCSの対象となる地層については、カテゴリAとBがあるが、短期的にみればカテゴリAが、中長期的に見ればカテゴリBが対象となり、調査の仕方も異なることにある。
  • 安全分野については、技術と切り離して議論することが重要である。安全について人々は何を期待するか整理し、世界で通用する安全の考え方をまとめて、人々に説明することが重要である。実際に行う時、こういう安全の考え方にもとづき、なにをやって、どういう安全が確保されるかを示すことが重要。技術論の中で安全論を議論すると考え方がなくて技術的な対応だけが出てきてしまう心配がある。
  • CCSについては、電力各社でどういった対応をするのか検討している段階である。一般的な考えとして、CCSは、温暖化対策の数多くある施策の1つであり、CCS単独ではなく発電所の高効率化、原子力の推進、需要家の省エネ対策等と組み合わせて総合的に考える必要がある。また、CCSの技術開発と実用化は分けて考えるべきであり、技術開発は将来に向け着実に進める必要があるが、実用化は、外国との状況も異なっており環境の違いを明確にするべきである。
  • RITEは、地中貯留の技術開発を進めており、実適用を目指している。そのためにはサイト選定をどうするか、ポテンシャルをどう評価するかが大きな課題である。また、海外の動向やこの場の成果も活用して進めていきたい。
  • 海外ではEOR等、CCSのインセンティブがあるが、日本では温暖化対策以外のメリットは考えにくい。中長期的対策としてCCSに過度に期待するのは問題である。ポテンシャルの見方、実現可能性、インセンティブを考える時、その対策は慎重に考える必要がある。
  • 本日の説明資料の中の追加コストが25ドルとあるが根拠はなにか。仮に、排出権価格関連であればそれ自体非常に大きく変動するものである。日本では追加コストが温暖化対策以外に無いとすれば、どういった目標を持つべきか考えなければならない。

    →ここで使われたIEAのシナリオ分析モデルの1つであるETPモデルは、CCSを対象としたシナリオスタディ(注:Prospects for CO2 Capture And Storage, IEA, 2004)の中で、パラメーターとしてCOペナルティーを50ドル、25ドル等と設定して分析を行っている。今回は25ドルのケースを使って分析したことになるが、特に根拠があるわけではない。ちょうど、EU-ETSのカーボン価格と同程度くらいであると言える。

  • CCSを短期的対策と中長期的対策という観点で考えるのが大切である。安全性問題は考え方を明確にすべきである。EORについては、日本の場合は極めて例が少ないが、日本と海外の違いを明確にする必要もある。法的側面に関してロンドン条約の動向はどうなっているのか。

    →現在ロンドン条約96年議定書締約国会合が開催中であり、COを海底下に貯留可能な廃棄物等として位置付ける議定書付属書の改正について議論されている。国内的にはこの議定書付属書改正案が採択されることを見越して、海洋環境保全の観点からCO海底下地層貯留に関する中央環境審議会の専門委員会を立ち上げ、議論をいただいているところであり、来年1月には答申を頂く予定。

    →事務局)ご指摘いただいた質問について当省の考えを説明したい。CCS技術について研究開発の段階から国内で政策論として議論が始まることに大きな意義があり、期待している。したがって現時点でどこに重点をおくということではなく、国内、海外、いろいろな形を含めて私たちが取りうる選択肢の幅をできうる限り広く取ることができるように、制度的対応、一層の技術開発、国外への働きかけなどを考えていきたい。

    短期的か長期的かについては、政策担当者としては、短期的に使える技術であることを期待しているが、技術的課題や制度的課題のあることは重々承知しており、できるだけ選択肢の幅を広げた検討をお願いしたい。
    海外の事情を紹介したが、日本でどうするかは別の議論である。ただし、海外の議論は国内の政策論にも影響を及ぼしていくので、選択肢を広げる観点からタイムリーに国際的に働きかけ、国内政策と同時並行的に進めることも必要である。
    安全性についてはご指摘のとおりであり、技術論といっしょに検討すべきものと切り離すべきものについて、ご相談しながら進めていきたい。
  • 安全性確保、リスクアセスメントについては、RITEや国内でのシンクタンクが研究しているが、この分野を国際的な枠組みの場で議論を開始している。年明けにはMETI主催により、CCSに関するコンフィデンス・ビルディングに係る国際ワークショップを開催する予定である。
  • 地中貯留の安全性は、モニタリングと貯留層である地層の品質の2つに分かれるが、モニタリングに比べ地層の品質をどう考えるかは難しい問題である。
  • モニタリングについても10年~20年なら問題ないが、1000年先の影響を考えなければいけない点は原子力の高レベル廃棄物問題と類似している。
  • COの海洋隔離は、日本が中心となって研究しており、貯留ポテンシャルを考えても無視できない対応策であるため、限られた時間内ではあるが検討したい。

その他

次回開催は12月中旬

 
 

最終更新日:2006年11月13日
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