経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会(第2回)

日時:平成18年12月15日(金)10時~12時

場所:経済産業省別館第4特別会議室

出席委員:

茅座長、赤井委員、飯嶋委員、大野委員、重野委員代理、 白山委員、田中委員、鳥井委員、村井委員、山口委員、 山田委員

委員の発言、事務局の応答は以下のとおり

  • 今回のCOP/MOPでCCSをCDMとして扱うかどうかについての議論が行われたが、どのような議論がなされたのか御説明願いたい。
事務局
資料には「COP/MOPガイダンスにつきCCSをCDMとして実施可能であることを決定」と書いてあるが、現地ではCDMとして実施するかについて厳しい議論がなされていて、「実施するためのガイダンス作成について合意した」というのがより正しい表現だと思う。 COPでは最後にコンセンサスによる合意が必要になるので、幾つかの国が強く反対をするとなかなか難しいことになるかもしれない。ただ、CCS自体を否定したわけではない。
  • CCSを実施すべきという意見がたくさんあったが、厳しい議論も含めて、「こういうことはやるべきではない」という類の議論もどこかにあるのか。
事務局
COPの場ではCCS-CDMについて技術的に、例えば漏洩率とかが正確に決まっていないという議論があった。「やるべきではない」という議論の背景には、CCSは余りに巨大なリザーバーなので、これが出てくるとバックストップテクノロジーとしてCO の価格が下がることへの懸念があると思われた。他方、先進国がみずからCCSを実施することについては全く否定されていないし、例えば中国は全くノーボイスで賛成でもなければ反対もしなかった。非常に賛成しているのは産油国であり、明らかに将来性を考えている。反対者は技術的な懸念も述べたが、バックには巨大なリザーバーがあらわれることに対する懸念があったということで、それは途上国に対する資金の移転が適切に行われなくなるのではないか、という不安感に基づくものと思われる。
  • 説明を聞くと海外が進んでいて、日本もやっているが外国との協力という意味では余り進んでいないという印象だが実際はどうなのか。それからもう1つ、いわゆるCCSは政府R&D、それから民間の投資という組み合わせになるが、どの辺が政府R&Dで、民間でできるのはどのくらいか。3つ目はコメントとして、今までの議論でキャパシティはあったが、コストには触れているものも触れていないものもあり、その辺を全部通してみると一体どのくらいなのか。IPCCで私と同じ章を担当しているドイツ人が、CCSをいわゆるボンド、あるいは保険を使って何とか民間投資を促進させようと論文を書き、それをドイツの政府の審議会が取り上げている。この研究会はかなり技術的な話になっているが、いわゆる経済的な観点でリスク移転の議論もここでした方がよいのではないか。
事務局
現在進行中の海外との共同実証プロジェクト及びその関連について回答したい。
石炭をいかに安定的に利用することは各国共通の課題であり、日本としても乗り遅れてはいけない。日本は石炭の安定供給にかけては各国に先駆けて海外石炭貿易を築いてきた経緯があり、このアドバンテージを失わないためにも各国に乗り遅れられない、もしくは各国に先んじて手を打ちたいと思っている。具体的には米国FutureGenプロジェクトと呼ばれるブッシュ政権の目玉の10億ドルプロジェクトであるが、これに来年度から日本もインド、韓国等に続いて共同参画するよう予算を要求しており、ほぼ認められる見通しになっている。 また、このFutureGenプロジェクトに、世界最大の石炭輸出会社であるエクストラーダも2週間前に参画を決めており、先進国及び途上国、さらには石炭の供給会社などで一大コンソーシアムをつくり、技術の実証だけではなく、CCSに向けた国際世論、国際枠組みの進展にも貢献したいと思っている。
また、大規模デモンストレーション試験として、来年度予算で、豪州で石炭火力発電所から産出されるCO を実際に地中貯留する国際共同プロジェクトを実施することがほぼ決定した。これは豪州政府及び豪州石炭協会のボランティアファンドを得て、豪州の発電会社CSエナジー社やフランスのシュランベルジャー社、日本のプラントメーカー、発電会社が参加する共同プロジェクトである。
事務局
2点目の技術開発における政府の役割と民間の役割は、シンプルにどこまでが国の役割、どこまでが民間の役割とするのは難しい。現在、経済産業省では予算を確保し、RITEを中心に技術開発に対する補助などを行っている。その中にも幾つかの支援策があり、政府が100%出して行う事業、またやや実用化に近いもの、ビジネスベースに乗ることが想定されるものについては半分の補助と、そういったものを組み合わせて施策を進めている。アメリカ、ヨーロッパの各国などはさまざまな技術開発の支援策というのを設けて進めているので、そういった諸外国の例も見ながら組み合わせを考えていきたい。
  • CCSのコストに非常に幅があるというのは、まさにそのとおりである。我々もコストの試算は相当行っており、なぜそれが出るかというと、1つはやはりエネルギーコスト。これが場所によって非常に大きく違う。これは当然のことではないかなと思っている。 あとは設備費等だが、今後、装置の大容量化ができればある程度下がるとは思っているが、一方では資材の値上がりも最近は結構あり、この辺でコストといっても現時点と将来と大分変わるだろうと思っている。
  • コストについて3,000円/トンというのはかなりいろいろな技術、あるいはエネルギーの総合的な利用ということではじき出しているが、次の2,000円/トンというのはかなり厳しいと思っている。
  • 炭層固定化の説明でコストの件に触れなかったのは、今現在まだ基礎的な実験をしており、この技術開発については、メタンの産出量がコストを左右するウェイトが非常に高く、現時点で小さな規模で仮に試算して、大体CO1トン当たり1万くらいの試算は出ている。 しかしながら、これはまだコースが1本で炭層が1枚というような状況、本当に基礎の状況での試算なので、今後、例えば炭層3枚にすべてのCOを隔離するとか、メタンの産出を良くする、あるいはフラクチャーを使ってCOの注入量をコース1本当たりにふやすことによってコストはもっと下がるだろうと思っている。今回述べなかったのは、やはり1万円という数値が余りにも帯水層に比べて大きな値なので、いま少し精査してからということで、今回は控えた。
  • 2点ほど海洋学の立場から伺いたい。 まず1つは、A2とかA3とかの分布を見ると、ほとんど海域にポテンシャルがあり、圧入のコストを見ても、海でどうするかということが書かれており、日本ではどうも地中貯留のポテンシャルを海域に求めているというふうに思える。ところが、外国での実例から見るとほとんど陸域で、海域でやっている実例がほとんどないような感触を持つが、この場合、工学的な見方から、日本は陸域ではポテンシャルがないということなのか、それとも海の方がやりやすいということなのか。 もう1つは、海底油田などが世の中にはたくさんあるわけで、そうすると将来、EORとして海底で現在生産している油田も使うというのが国際的な状況なのか、それともそれはもう大分先の話なのか。
  • A2、A3の分布が海域ではないかという話だが、まだ海域に絞り込んでいるわけではない。外国ではほとんどないという意見もあるが、スライプナーは海域であり、それからゴルゴンも島で地下に入れているとはいえ、実質的には海域である。そのほか、北海では英国、オランダ等も海域を利用する計画があると承知している。そういう意味で、海外でもそういう開発は進んでいるので、連携は可能ではないかと考えている。
  • 一応、我が国の炭層で未採掘の場所には必ずメタンが吸着しているので、炭鉱を開発されているところは既に放出しているが、まだ大部分の炭田が残っているので、そこにはメタンが包蔵されている。ただ、場所によって包蔵量は異なっている。
  • 日本は着手は早かったのに、あっと言う間に海外に追い抜かれた。やはり、海外のいろいろな展開とか、どういう組織になっているかとか、そのあたりはかなり学ぶことがあると思う。CCSに対してインセンティブを与えるべきであると主張している環境NGOも幾つかあり、CCSの実施を円滑に行うために、保険なども含めてどういった制度でどういうインセンティブを与えるのかという点について、検討が必要である。
事務局
今御指摘のあったようなさまざまな環境整備というものも含め、今後、CCS推進に当たっての課題がどういったものか、それに対して政策をどのように展開すべきかという政策提言の内容について御議論いただくということになっている。
海の部分について、先ほどのCOPでの議論を紹介したい。これはガイドラインをどう書くかということになるが、非常に強く反対した国が島嶼国だった。彼らの本質的な思いは、やはり地球環境対策としてCCSが本当に望ましいのか、まずは省エネにすべきではないか、埋めればいいのか、という非常に本質的な議論とともに、一番影響を受けやすい国に対する資金がきちんと回ってこないのではないかという不満が多分にあった。 それからもう1つは、技術的には処分した後の計測可能性、本当に海底に入れてその後のウォッチができるのかという議論、こういうものがガイドラインの中できちんと議論をされると思うが、一方ではスターン・レビューが出されたが、どういう見積もりをしたのか、どういう技術が使われるかまでは書いてないものの、その中には相当大規模なCCSが欧州で行われることを前提にしなければできないほどの削減量が書かれていたことも事実である。そういう中で我々がどうしていくかということを、きちんと議論する時期に来ていると思っている。
以上
 
 

最終更新日:2007年1月24日
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