経済産業省
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二酸化炭素回収・貯留研究会(第6回) 議事要旨

日時:平成19年10月3日(水)10:00~11:20

場所:経済産業省別館3階346第4特別会議室

出席委員

茅座長、赤井委員、飯嶋委員、白山委員、田中委員、
鳥井委員、福島委員、村井委員、山口委員、山田委員

議事概要

委員の発言、事務局の応答は以下のとおり。

  • 最近の海外動向について、EUは2015年までに12箇所の大規模CCSの計画があり、米国ではCO対策のない石炭火力の新規立地が許可されない州もあるなど、急速に具体的な動きが出てきている。現在、具体的に話が進みつつあるのは、EORでコストリカバリーをすることである。こうした海外の動きを認識したうえで我が国では何ができるのかを考えていきたい。
  • これまで国が行ってきた技術開発は、誰が使うのかという想定が弱いことが多かった。実際に使用する者を想定した技術開発を行うことが重要である。
  • 欧米の動きについては、新規石炭火力におけるCCS技術の導入等の動きを注視しており、技術面・制度面での対処を果断なく実施していくとともに、技術開発の実用化を具体的にイメージしながら資源配分のあり方を考えることとしたい。
  • パートナーシップのあり方については実証事業が始まってから考えるという書きぶりに読める。パートナーシップについては様々な形態について検討を行い、実証事業を進める過程で発生する事象を反映させ、ブラッシュアップしていくという書きぶりにするべき。また、「事業者の責任内容を予め明確化しておく必要がある」という点については、中間とりまとめ(案)を踏まえいくつかの課題の解決に向けた今後の具体的方策等の検討が必要。
  • 最近の海外の動きを2点紹介する。ノルウェーは、カルストに建設中のコンバインドサイクルからの集中回収処理のため政府が回収会社を設立し、年間100万トンという発電所からフル規模での回収・貯留をスタートさせる。英国では、石炭火力をベースに300MWクラスのCO回収貯留実施者の入札を行う。すなわち電力及び貯留アットフォーメーションについて国に対し提案を要請している。また、「具体的な事業が見えた段階で、支援策を・・・」という表現があるが、これは逆ではないかと考える。民間の立場で言うと、CCSといっても経済性が見合わないものは具体的な案件が立ち上がらない。政府が枠組みを決めてその中で動かざるをえない。
  • 本中間とりまとめ(案)では、不十分な点がある。具体的には、地中貯留後の環境影響評価である。海底下貯留後における二酸化炭素の漏洩が発生した場合に備え、海洋への影響について多くの研究が実施され始めている。中間とりまとめ(案)では地中貯留後のことについての記載が余り無いと思われる。
  • 経済性でみるとモニタリングは事業者に大きなコストを強いることになる。モニタリングのコスト削減も技術開発の要素とする必要がある。
  • 貯留にあたり背斜構造には安心してCOを入れられるが、層位トラップ等では如何にCOが地層内に保持されるかの研究が始まったばかりである。保持機能の研究開発が進まないと、地質的な調査だけではCO貯留による安全性の判定は難しいと考える。こうした研究にも十分力を入れるべきである。
  • 安全性をどう評価するのかを考える必要がある。安全性を担保できる体制構築が非常に重要。最初の段階でそれを無視すると、事後では立ち行かなくなることが、他の事象で経験をしており十分検討が必要。
  • 国際的枠組や海外の動向を踏まえ、CCSに関する技術的課題、政策的課題を取りまとめ、モデルプロジェクトの提言等、今後のCCS推進に向けて方向性を示したということで非常に有意義であると思う。ただし、日本国内と海外の環境の違いを報告書の中に反映する必要がある。また、今後のCCSの取組について挙げられていた3点「実証」「技術開発」「環境整備」に加え、パブリック・アクセプタンス(社会的受容性)を含む4つの取組が必要。パブリック・アクセプタンスについては、国内におけるCCSに対する社会的認知度はまだ低い。CCS導入にあたっては、国民の理解促進と合意形成は非常に重要である。技術的安全性、信頼性確保を前提にパブリック・アクセプタンスに対する効果的な取組も今後必要。
  • 事業促進、インフラ形成の意味で既存の鉱業法等の法体系をベースにしたCCSの位置付けの整備が必要。また、インベントリ・ガイドラインについては、各国で合意が進んでいるが、なぜ実施に移っていないのかが今後の課題ではないか。海防法により法的に整備されたが、CO濃度の規制や指定海域制度、許認可の更新期間などは、今後事業が進んだ時点で見直す必要があると考える。
  • 総理提唱の2050年半減はCCSがなければ不可能だということを明確に記載する必要がある。また、世界的でみればCCSは絶対に必要であるが、国土が広くない日本にとってCCSがどの程度可能性があるのか。これに対し海洋隔離となると状況はまったく異なる。現在、世界は海洋隔離の実施はNOであるが、地中貯留と比べリスクがどのくらい違うのか。海洋隔離を必要とする国は日本を含めあまり多くない。日本単独で主張しても、反論が出てくるだけであろう。先ずはサイエンス面において日本から発信していくべき。また、「事業化に向けた環境整備の検討」は非常に重要。パブリック・アクセプタンス(社会的受容性)がなければ実現できない。リスクの開示が必要であり、金融や保険を利用してこのリスクを軽減していくことが必要。事業者の責任についても原子力のやり方等を応用して軽減できるのではないのか。
  • 短期間で非常に良い議論ができた。内容について特に異論はないが2点意見がある。ひとつは、事業主体が誰かを今決めるのはなかなか難しい。元来コストインセンティブが働かないため、分離から貯留まで幅広い事業形態にならざるをえない中で、どのように事業主体を作っていくかはかなり難しい課題。実証プロジェクトを早期に実施し、起こる現象を検証して、誰が事業主体で誰が責任をとれるのかという前向きな議論をするべき。もう一点は金融や保険について、保険によって様々なリスクをヘッジするというのは理解できるが、金融を呼び込めば事業が進むのではなく、事業が安定しているから金融が安心して入っていくものであると考える。
  • 各委員の指摘の通り、パブリック・アクセプタンス(社会的受容性)や安全性の検証の問題等の多くの課題がある。更なる専門的知見からの検討にあわせ、実証実験をできる限り大規模に早急に始めるなかでの検討と実証という双方向のサイクルを確立する必要がある。国際的動向に関しては、2013年以降の枠組のあり方等について、国際的議論はCCSを前提として捉えられているので、今回の研究会の後も間を空けずに、次の課題に取り組んで参りたい。
  • パブリック・アクセプタンス(社会的受容性)や安全性については、今後検討して参りたい。委員からご指摘があったインベントリガイドラインについては、96年のインベントリ ガイドラインを使うことがCOPの決定であり、原則これに締約国が従っているのが現状である。
  • 大規模実証にあたり、技術的検証は当然であるが、社会的な問題の検証も重要。何を検証するのかということを明確にした上で、社会的検証を実施されたい。
  • 全体としてパブリック・アクセプタンス(社会的受容性)については、慎重であるべきであり報告書に是非反映してほしい。
  • 意見に出た金融については、CDMと金融機関の関係が念頭におかれていると考える。政府がいつまでも事業の100%を支援し続けることは不可能だろう。そこで以前話題としたボンドのように、リスクがあるところに民間の資金をうまく入れていくかという点である。
  • 例えばインベントリガイドラインについては、今の国際的な取り扱いの現状や課題を海外コンサルが調べた例がある。重要な情報をいくつか別冊子にして、情報共有をすることも重要と思う。パブリック・アクセプタンス(社会的受容性)は国際的枠組みの中でも議論が進んでおり、プロジェクトを実際に行っている国ほど真摯にこの問題を取り扱っている。国民にどのように理解を得るかは、日本や欧州、米国と地域によって環境も違うので、今後の検討課題である。
  • 社会的受容性やPA(パブリック・アクセプスタンス)という言葉遣いは避けるべきであり、『合意の形成』や『相互理解』という言葉のほうが望ましい。
  • 本取りまとめ案の中で社会的受容性という言葉は、一般的に使用すると判りにくくなる場合もあるので事務局と相談する。この報告書の中では、CCSが社会的にどう理解してもらえるかという辺りの議論が足りない気がするので、委員の意見にあった動きを「国際動向」に追加したい。
  • 国際協力については、民間の立場からどう思っているかによるが、CCS自体がProfit(利潤・利益)を生み出すものでないと事業として成り立たない。唯一Profitを生み出しているのはEORである。米国でEORの実施者に聞くと原油高を受けて相当利益が出ているらしい。国内の枠だけでCCSを考えると限界がある。日本で回収したCOを中東に運びEORに利用しても油価が高ければ採算が合うと思う。このような構想を描いて産油国と交渉を進めるのも面白いかと思う。
  • 今後、本中間とりまとめ案については、各委員から頂いた意見を踏まえて、事務局が修文し、座長がチェックする形とし、最終的には座長に一任頂きたい。

以上

 
 
最終更新日:2007年10月11日
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