自動車リサイクルイニシアティブで目標とされている自動車全体のリサイクル率95達成するために、ASRリサイクル率70%を目標に設定しているのは、明快でわかりやすい。 また、結果的に欧州のリサイクル目標と同水準となっていることもわかりやすい。
- 日本ではASR溶融スラグのリサイクルを念頭においた目標達成を考えているのに対し、欧州ではASRの溶融スラグ利用はほとんど試みられていないと聞いている。欧州におけ るリサイクル率95%達成のための手段について、何か情報があれば紹介してほしい。
→欧州では現在、マテリアルリサイクル、サーマルリカバリーを織り交ぜた形でリサイクル率を向上させる方法を検討している。従来は特定の品目を定め、回収・リサイクルする のが主流であったが、近年、日本と同様にASRのサーマルリサイクルを活用する方向で検討が進められているようである。
→欧州では2015年にリサイクル率95%(サーマルリカバリー10%を含む)を目標としているが、2005年12月31までに欧州議会等にて目標の見直しを行うことも規定されてい る。日本でも、環境評価項目の変化に合わせて、目標を達成していくための手段を総合的に判断していく必要がある。
→欧州では、現在リサイクル率95%目標を達成する方法を模索している状況のようである。日本で採用されている技術が欧州に導入される可能性もあるなど、どちらかといえば、我 が国が先行していると認識している。
- 欧州と日本ではリサイクル率95%を達成するための道筋に違いはないという理解でよいか。
→そう理解してもらってよい。今回の報告書では、処理技術の制約は設けず、ASR投入施設活用率0.40を達成できれば、メーカー等が経済性を勘案して、最適な技術を選択する という考え方を示している。
ASRリサイクル技術の経済性に関して情報があれば提供してほしい。
- ASR投入施設活用率を0.40以上と定めているが、資料3-3の16ページを見ると、0.40を境に相当ばらつきがある。0.40以上というのは安定して確保できる水準と考えてよいのか。
→ASRリサイクル技術の所要コストについては、現在、各自動車製造業者等がどの施設でどのような物流体制を構築するかを検討しているところであり、コストを公表できる段階 ではない。ただし、本資料に示されている技術に要するコストが甚だしく高いということはないと認識している。
→ASRリサイクル施設では、施設ごとに用いている方式が異なるため、施設間の活用率にはばらつきが出る。同一施設において大きなばらつきがあるというわけではない。
資料で十数ヶ所のリサイクル施設を紹介しているが、大体の施設は施設活用率0.40をクリアしている。16ページにおいて施設活用率0.40以下となっている施設は、一般的なご み焼却炉を比較参照として並べているもので、従来からASRの処理を行ってきた施設はおおよそクリアできているのではないか。
ASR処理単価は処理技術によって幅があるが、およそ1万数千円~3万円/tと言われている。残さ(スラグ等)の活用によってリサイクル率が向上することから、その活用に要 するコスト増が今後の課題であると考えている。
本報告では、ASR自体を削減するためのインセンティブ等が採り入れられていないのが残念である。指定再資源化物品としてASR、エアバッグ、フロンが定められているが、 ガラス、バッテリー、タイヤ等は含まれていない。バッテリーやタイヤについては、現状において十分にリサイクルされているわけであるが、今後、海外輸出の増加等により、リ サイクル市場が崩れることも考えられる。
ダイオキシン類の規制については、電炉では5ng-TEQ/Nm3以下とされているのに対し、産廃焼却炉では1ng-TEQ/Nm3以下と基準が異なる点を指摘しておきたい。
- 電炉に投入された場合、自動車製造業者が再資源化預託金を受け取ることになるが、その預託金の流れについて教えてほしい。
→バッテリーやタイヤについては、解体業の再資源化基準において、分別回収と再資源化が義務化される。また、ガラス等については法律で規定されていないが、事前に取り外す ことでASRが削減され、ひいてはASRのリサイクルに要するコストが低減される。したがって、ガラスのリサイクル技術が確立されていけば、実態的には減容化の取組みが行われていくと予想される。
→全部再資源化された場合の再資源化預託金は、まずメーカーに支払われ、その後、メーカーによりコンソーシアムを構成するメンバーに分配されることになる。分配方法にルー ルはないが、解体作業等が通常よりも手間がかかる点に配慮し、解体業者にはそれに見合った金額が支払われることになるであろう。
→ダイオキシンについては、ダイオキシン類特別措置法および廃掃法に基づく規制があり、各施設の技術的可能性に基づき規制値を定めている。したがって、将来的に基準が変更さ れる可能性はあるが、現状では各技術に見合った水準であると認識している。
ASR処理現場を見ると、ASR中のガラスくずが目に付く。また、溶解したガラスくずは処理工程に悪影響を及ぼすと聞いている。ガラスの取り外しはASRの重量削減に効果的 であることから、国としてもガラスの分別回収の推進をお願いしたい。
- ASRリサイクル率と投入施設活用率はメーカーによる公表を義務付けるのか。また、公表する場合はどのように公表するのか。
→公表を義務付ける。詳細については、この場でも御説明したい。
- エアバックについては、自動車販売業界の自主的取組により回収を行ってきたが、本報告では従来の回収の他に、新たに車上展開による処理方式が示されている。ディーラーは 従来、廃自動車の引取およびエアバックの回収を担ってきたが、今後は廃自動車の引取のみでよいという理解でよいか。
→エアバックの回収方式としては、従来から、取り外し、車上展開の両方が行われてきたと認識している。エアバックの取り外し、車上展開を行う主体は許可を受けた解体業者で あり、解体を行わないディーラーは通常、引取業者となる。