経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第3回)-議事録

日時 :平成13年10月5日(金)10:05~11:40
場所 :経済産業省第3特別会議室(経済産業省本館17階西1)

出席者

<分科会委員>
大田弘子 政策研究大学院大学助教授、 Paul Sheard LEHMAN BROTHERS,CHIEF ECONOMIST FOR ASIA、 西岡幸一日本経済新聞社編集委員兼論説委員、 宮内義彦(分科会長)オリックス株式会社代表取締役会長、 吉冨勝(欠席)アジア開発銀行研究所所長 (敬称略・五十音順)

<経済産業研究所出席者>
岡松壯三郎理事長、 青木昌彦所長、 田中伸男副所長、 原岡直幸総務ディレクター、 荒木一郎研究調整ディレクター、 渡辺弘美総括担当マネージャー

<経済産業省出席者>
杉田定大大臣官房政策企画室長、 白石重明大臣官房政策企画室企画主任

議事

(大田委員)

経済政策レビューは、これから出版されるのか。一般の書店でも購入できるのか。

(青木所長)

現在、2冊脱稿する予定である。一般の書店でも購入できる。

(大田委員)

役員の構成はどのようになっているのか。

(岡松理事長)

役員は、常勤の理事が1名。理事では、根津氏が9月に非常勤として発令されている 監事は、非常勤で2名いる。非常勤の方々は、だいたい週に2回程度研究所に来ていた だき、研究所の基本的な問題を検討する月曜の朝のミーティング等に出席していただき 意見調整をする機会を持っている。

(西岡委員)

経済産業研究所のWebサイトを私も結構利用させていただいている。先ほど7万8 千件のアクセス回数と紹介があったが、その内10回くらいは私がアクセスしたもので はないか。

最近、経済産業研究所の組織の存在感が我々プレスの間でも増しており、それ以外の ところでも研究所の報告を見たと結構聞くようになるなど経済産業研究所の存在感が急 速に出てきている。

私個人も研究所で行っている国際競争力の報告、組織IQや様々なアンケート調査な ど非常におもしろい研究を行っていると感じている。研究所の行ったモジュール化の研 究でもある意味で実利的であり、プログラテックで非常に直接的なある意味で問題に関 する感度が高いと考えている。

研究所の行うBBL(昼食を持ち寄り自由に議論するセミナー)のセミナーにアプラ イドマテリアルのモーガン氏が出席するために、私との昼食がキャンセルになってし まったが、たくさんの方が、研究所に来られて交流することはとても良いことである。

米国の大学で行っている研究文化がどこかが先頭に出て、それが波及してメルトダウ ン効果というべき現象が起こって行けばよい。経済産業研究所の活動は、良い方向に動 いていると認められる。なんでも発言する人ではなくそれぞれの重要な分野で専門的な 発言する人を連れてくるというのはまさにそのとおりである。もっと掘り下げていって もらいたい。経済産業研究所が、インターネット上のgo(ガバメント)でなくor (オルグ)になれば良いと考えている。

(シェアード委員)

経済産業研究所の調査研究がこれだけたくさん多面的に行われ、高い生産性を出して いることに感銘した。これは、経済産業研究所の人材が良いのか組織が良いのか制度比 較分析の一つの実験のようであるが、どうしてこうして出足から良いのか考えている。 経済産業研究所が政策提言を通して、世の中を変えて行くということだけではなく一つ の実験として、世の中から注目を集めて日本でもこのようなことができる一つの前例に なれば良いと考えている。そういう兆しが見えてきている。

良いことづくめであるが、独立行政法人になって予想していない障害や予想外に難し いとかというようなことがあれば教えていただきたい。

経済産業研究所の活動の中で、「不良債権問題に関するシンポジウム」の開催は、世 の中で関心と重要性が高まっている時期に非常にタイミングが良く、開催されたと考え ている。研究所の出版物やWebサイトなど様々な形で研究成果・政策提言の成果が上 がってきていることが分かるが、非常に喫緊の課題の場合、よりじかに政策提言を政治 集団や政策当局にどのように伝えて行くのか。現在は情報の競争が激しい。実際に意志 決定を行う方々、特にWebサイトを見ることも本を読む時間もないほど忙しい方々、 反面一番政策提言を行い、影響を与えたい総理大臣以下の方々にどのように政策提言を 反映させていくのか何かアイデアがあれば教えていただきたい。

(青木所長)

なぜこのようなことができるかというご質問に関しては、やはり人間の問題であると 考えている。独立行政法人経済産業研究所になる前は、インハウスの研究所でスタッフ は、基本的に通産省の内部職員であり、この方々が国際コンファランスへの外国人招聘 の手紙を用意したり、旅行のロジなど両面でウエスト・オブ・リソースだったと思う。 今回、独立行政法人になってからは、研究部門と業務部門、サポート部門を完全に機能 分化した。そして、例えばコンファランスチームは、コンファランスのセットアップか ら全ての事務を行っているが、コンファランス業者へのまる投げではなく、この開催事 務の中でも研究所のカルチャーを作り出したいと考えているので内部のチームで行って いる。その際、20代、30代の女性の方々にマネジメントを完全に任せてすばらしい 仕事を行ってもらっているが、このようにプロの人たちを使う組織を作ること、それさ えできれば日本は非常に活性化すると思っている。

経済産業研究所が非公務員型の独立行政法人になる際に大学の独立行政法人化の一つ のモデル足り得ないか絶えず意識していた。

先ほどの政策形成にどのように影響を与えるかとのご質問にも関連あるが、尾身大臣 は、大学改革や産学連携に非常に熱意を燃やしておられて私も、科学技術会議のシステ ム改革委員会の委員を行っている。この会議から産学連携の委員会が派生したりしてい るが、この会議の中で大学と産業との連携の中で大学の組織をどのようにするかという 問題が議論されている。今の議論の焦点は、非公務員型にするか公務員型にするかの議 論となっているが、その際に大学の管理をどのようにするのか、研究者の流動性はどれ だけ必要かという点についてフレキシブルな雇用形態の経済産業研究所という実例があ るので改革に対する不安感がかなりなくなってきた。

そういうプロセスを経て独立行政法人経済産業研究所の実験が広まって行くことが重 要。いろんなプロセスを経て日本を変えるにはワークする実験・実例が必要であり、実 例がないと改革できない。実験をすることを防いでいる規制を改革することが大切。規 制緩和が新しい制度を作るわけではない。規制改革を進めるためには政治のリーダー シップが必要だが、日本はうまく動きうる状況にあると考えている。 日本の状況は決して悪くない。

(岡松理事長)

シェアード委員が最後に言われたことは非常に大事な点。経済産業研究所の活動はあ くまで個人ベースでの研究活動を基本としており、外への発表も個人ベースである。政 策立案担当者へのアプローチの件に関して、相手方にもスタッフがおり、そのようなと ころからアクセスする場合と相手方から呼び出しがある場合がある。このような呼び出 しがあった場合は、研究員が積極的にアプローチして行くことを勧めている。

具体的には現職の大臣等から研究内容に関して聞かせてほしいとの呼び出しが現にあ るなどルートは出来ている。

個々の研究者の成果が外部に認められることが一つの在り方。ご指摘の点を今後とも 念頭に置きながらどのように成果を実現して行くか、そのプロセスが一つの課題だと考 えている。

(大田委員)

シェアード委員の一つめの質問に関連するが、独立行政法人経済産業研究所は、いま のところ想像以上のパフォーマンスを発揮され、質の高い研究成果を上げられ大変評価 している。独立行政法人経済産業研究所は、シンクタンクの在り方としても独立行政法 人の試みとしても非常に心強く思っている。今も青木所長から国立大学の独立行政法人 化に際し、非公務員型の芽があると聞いて大変うれしく思った。今、だんだん国立大学 もそうだが財務省の印刷局や造幣局などの行政法人化に向けて、第二段の議論がなされ 始めているので、独立行政法人となって何かネックになっている部分がもしあればうか がい、総務省での議論に反映させたい。特に課題として出てきた資金調達や今の独立行 政法人の規則で何かネックがあればうかがいたい。

(青木所長)

独立行政法人の資金調達は、短期の問題でなく中期の問題ですごく重要な問題である 大学改革の際、民営化すべきとの議論があるが、米国の大学、例えばハーバード大学や MIT大学、スタンフォード大学では、10億から20億ドル、毎年の予算の25%程 度をウェンダーメントの収入でまかなわれている。

日本でこれに相当するものが文部科学省の基盤的経費で、どこに学科を作るかなどま で縛りをかけていた。国立大学が独立行政法人になれば、この点は変わってくると考え ているが、国立大学法人になっても大学にお金はないので、基本的に文部科学省の経費 交付金ということになるが、まだまだ文部科学省のコントロールが続いてしまう。でき るだけ各独立行政法人が自分たちの自由にできる基金を持ち、パフォーマンスによって このような組織ならお金を出しても良いという組織間の競争がなければいけないと考え ている。この際に問題提起されるのは日本の税制の問題であるが、実際に税率などを米 国と日本を比べると税率はあまり変わらない。日本で大学に寄付する際に文部科学省に 申請して許可が必要というサイコロジカルな違いはある。しかし、この違いをもたらす のは、単に税制だけの違いではなく、フィランソロィーの伝統というか、資産家の意識 の問題に関わるのではないかと考えている。これは、日本人がこれから公共意識をどの ように持つかという大きな問題ではないか。その意味で経済産業研究所で行っているフ ィランソロィー研究会で研究所全体のプロジェクトとして広いパースペクティブから税 制の問題も含め議論しているが、日本で大学に寄付金が集まらないのは単に税制だけの 問題ではないと考えている。

(大田委員)

独立行政法人が寄付を受けたり、会員を募り会費を受けることに何か障害はないのか

(青木所長)

障害はないと思う。

過去、当研究所で3回コンファランスを開催し、その際になぜ参加したかというアン ケート調査を行ったが、その中に数は少ないが無料だからという参加理由を回答した者 がいた。最近、外国のコンサルティングの会社が行ったエンロー会長を呼び電力自由化 をテーマにしたコンファレンスでは、金融関係者の参加者が多く、参加費用を一人20 万円とっている。独立行政法人が交付金で運営していることで、自ら収入を得ることに 自らバリヤーを作って良いのかとの問題を考えなければいけないがご意見をいただきた い。

距離が遠い、時間がなくシンポジウムに来られない方のためにWebサイトで配信し ていきたいと考えているが、一方、インターネットにアクセスできないデジタルディバ イドの問題をどうするのかなどの問題もありご意見とご指導をいただきたい。

(大田委員)

私は、コンファランスで参加費用を大いにとって良いと考えている。研究は、世の中 の保険みたいなもので何かあったときにしっかり機能するよう研究の蓄積が重要であり ある程度税金を投入しても全然おかしくない。

コンファランスは、特定小数の参加者が聞くわけだからそのフィーは当然とって良い と考える。

(宮内分科会長)

最後の点は私も同意見である。

経済産業研究所は、全体として短期間で非常にプログレスという印象である。

最近のテロ事件を見ると、21世紀は新しい世界観を持たないと対応できない。戦争 という概念も変わってきたし、ほんの今までアメリカ一極集中と考えていたが、違う構 図がでるかもわからない。世界に対する非常に大きなマクロの観点からの研究の蓄積が 日本ではあまりなかった。「文明の衝突」を読んでいるが、やはり文明の衝突を回避す ることがいちばん世界の中で必要なんだろうと考えている。

あるところの研究会で日本で専門的に米国研究を行っているところは少なく、米国の 日本研究はものすごく厚い。それでも日本人は、全員米国のことを分かっていると思っ ていると聞いたことがある。中国に関しては、本日配布されている本で社会、文化だけ でなく、現在の状況も経済だけでなく全体が網羅されているが、米国研究はクラスター の中に分かれて全体で米国のことが分かるようになっている。米国の経済の各論を非常 に詳しく研究している。米国の歴史・文化に関してもっと広い研究もあって良い。

経済産業研究所の研究にイスラムは研究の対象に入っているのか。国際関係でひょっ として21世紀の一つの動きを示しているとするとイスラムの研究にも力を入れて行く 時期ではないかとの感想をもっている。

(青木所長)

先ほど何か独立行政法人になって困ったことはないかとのご質問に関して一つだけ考 えはじめている問題は、人件費の枠。独立行政法人は、予算の項目に縛られないで自由 にお金が使え、繰り越し、借金も出来るなどフレキシブルでありがたいが、人件費に関 してはがっしりシーリングが決まっているらしい。過剰雇用のたまり場となっては困る ので理解できる。創意工夫して人件費以外で人が雇用できるか考えたいが、いづれにし ても短期の契約が多い。なぜ、人件費の枠が問題なのかというと、現在、約60名研究 者がいるが、宮内分科会長ご指摘のように今後、国際的な研究を行うために研究者の枠 を広げたいと考えている。例えば、

中国の方で日本で教育を受け、博士号もとり、日 本の大学で教え、奥さんが日本人で立派な仕事をしている研究者が、最近、中国に帰国 され、精華大学の国情研究所という朱鎔基首相などにも直接アドバイスできるようなと ころに副所長挌で迎えられたが、この研究者の20%程度の時間を当研究所の研究員と して働いてもらいたいと考えている。インド、イスラムの調査研究は、これから重要で ある。ヨーロッパでもドイツのマックスプランク・インシュツートにいる日独のコーポ ーレート・ガバナンスの比較研究で博士論文を書いた研究者を当研究所の常勤研究員と して雇用したいと思っている。このように研究者の雇用を拡大すると人件費の問題が ネックとなる。そこが一つジレンマなところ。知恵の使いようで問題とならないかもし れないが、人件費の枠の問題がある。

(シェアード委員)

先ほどの説明の中で、中国語のWebサイトを立ち上げるとの話があったが、非常に 興味深い。もう少し、具体的な計画について説明していただきたい。計画としてどこま でWebサイト内容を中国語に翻訳するのか。また、人件費も問題になるのかもしれな いがどのように中国語のWebサイトを実際に作り、運営して行くのか教えていただき たい。

(青木所長)

中国人の方で吉林大学で日本語の学位をとって日本に来られた翻訳の名士の女性がい る。ITに非常に興味を持っているこの女性を研究所に雇って現在、中国語のWebサ イトの立ち上げ作業を進めている。

現在の経済産業研究所のWebサイトの中のコラムを全部中国語に翻訳し、日本の中 でもいろんな意見があることを中国の人に分かってもらうことが重要と考えている。

(シェアード委員)

当然ながら現在の経済産業研究所のWebサイトの全部ではなく、一番重要なところ ということですね。これは非常に重要な試みである。日本で中国語のWebサイトを 作った前例はあるのか。そういう意味からも経済産業研究所がまた前例を作ることにな る。研究者の政策提言のネットワークがどんどん広がって行く中で、当然ながら日米間 は非常に盤石であると思うが、それから日中間にも太いパイプができ、経済産業研究所 がそういう国際的な連携の中で一つの拠点みたいなものになりうるという点は重要。非 常に長い目で見たら中国経済が台頭してくる中では、どうも日本がちょっと取り残され ているような気がしてならないが、こういう試みを通じて改善される契機になることが 期待される。

(青木所長)

日本では中国語のWebサイトを作った前例はないと思う。

その点はどうも日本は今かなり危険な状態にあって、中国脅威論とかで中国をスケー プゴートにするようなことがある。そんなことの憂慮もあって、経済産業省の通商関係 の幹部の方々のご努力で経済産業研究所も参加して大阪で日中経済討論会を行った。こ の会議に中国から200人近い人が参加したが、そのうち、20名位の方が招待された 参加者であとの方はお金を払って参加していただいた。これは、すばらしかったが、日 本人の参加者を含めると1千人位の人が5つのセッションで議論を行った。この会議を いままでの試みと違いなぜ大阪で開催したかというと、あまり政府が前面に出るのは良 くないという考えからで、中国からの参加者はたいていビジネスマンで国有企業ではな く、むしろ私有企業とか個人企業の方だった。例えば、ユニクロなどとコントラクトを やってすごく成長している企業の方などが参加した。この会議の一つの印象として、中 国からの参加者は会社の経営者としてすごく若々しいということだった。

もう一つは、中国に行き感じるのは、中国では行政分野では40歳位の人が中心に なって政策決定を行っている。中国の古い世代の人はコンピュータが使えないので、こ のITの時代に政策決定過程で全然影響力がなくなっているのがその理由である。文化 大革命の時に田舎に行っていたが、1977年に大学に入学した人々が今、行政官とし てリードしている。また、修士課程を終わった30歳位の人たちがリポートを書いて大 臣に直接政策提言を行っている。このように中国では、若い世代が活躍している。大阪 の会議を見ても、日本人の参加者はどうも年をとった方で、中国からの参加者は年齢が 若い。この中で今まで中国に進出して失敗したとか、年をとった人たちのパーセプショ ンが日本で拡大していて、ユニクロなどのように実は中国でうまい活動をしている企業 もある。

また、インターネットがものすごい勢いで発達し、中国と日本は、同じ漢字国民とい うことから北京などでは、インターネットの一番最先端行っている人たちは日本がどう いうステータスで通信政策を進めるのかすごく興味を持っている。

中国と日本はいろんなコンフリクトがあるにしても、ヨーロッパでドイツとフランス が前世紀に二度も戦争をしたのにある和解に達して統合の推進力となったのと同じよう にアジアでも日本と中国はまったくいっしょになる必要はないが、ドイツとフランスと 同様に統合の2つの焦点となって活動して行くことが大切ではないか。先ほど分科会長 からイスラムの話もあり、私もまったく同感で、アングロサクソンがグローバルスタン ダードを作って行くことに限界がきたということではないか。アメリカに行って大学の いろんな人と議論したが、大学などの良識ある人たちはアラブとイスラエルの和解がな い限り絶対テロは終わらないということだった。

そうすると日本とか中国とかアジアの国が、世界の統合の中でどういう役割を果たし て行くのかということでは、いろんな意味で協力しあえる点もあるし、そういうパース ペクティブを含めて日中問題は研究を行いたい。セーフガードなどの問題だけでなく、 その本の中にもあるが、グローバルな政治経済的なパースペクティブとか歴史とかを踏 まえて、日中の問題を理論レベルで研究して行きたいと考えている。実際の経済では、 中国の脅威というよりも、日本と中国で市場統合が起きているのが現実ではないかと考 えている。首から下はどんどん統合しているが、頭の方がついていかないのではないか

(岡松理事長)

先ほど大田委員の質問にあった独立行政法人になって障害になっている点が何かあれ ばということに関してお答えしたい。

独立行政法人の資金調達面の話は先ほどお話したとおりである。

一般論から申し上げれば、特殊法人、これは予算も組織も運営面でも細かいところま で官庁と調整しながら事業を進めて行く。かたや公益法人は、民法第34条法人になる と形式的には、何年かに一遍検査があるがほとんど放っておかれ、これがいろいろ問題 を起こしている。独立行政法人は、その中で新しい試みとして国からも独立し、その代 わり国から中期目標を与えられ、それに対して中期計画や年次計画を出す。そして誰に 対して独立行政法人の活動が評価されるかというと監督官庁ではなく、評価委員会から の評価が独立行政法人の活動の評価であると思っている。そういう意味でできるだけ独 立行政法人にフリーハンドを持たせ、しかし、押さえるところを押さえるという評価委 員会と独立行政法人の在り方、その本来の在り方、姿というものを良く見極め、認識し ながら進めて行くというのが本当の独立行政法人を育てる道だと思う。是非、この在り 方を我々はその先陣、先鞭をつけながら進んで行くが、この在り方が特殊法人型に戻っ てしまうと何のための独立行政法人か分からなくなってしまう。かといって公益法人型 になってしまうとこれはもう糸の切れた凧のようになってしまう。その意味で評価委員 会の在り方はものすごく大事であると考えている。

評価委員会の評価で我々は行動するということ、逆にそういうことを年度当初に決め ておいて途中で評価委員会に聞いていただき、ご意見をいただく、年度末に総合評価を いただくということで進めて行くのが独立行政法人の在り方ではないか。

(宮内分科会長)

そう言われると我々は非常に責任を感じる。ただ、例えば、国が予算を出してこうい う研究活動をやっている。経済産業省は非常にすばらしいものを作っている。しかし、 見ると隣でまた財務省や日銀が研究活動を行い、報告を作っている。おのおのが非常に 立派にやっていただければいいが、我々、評価委員という立場で言うと国がいろんなと ころで出している研究内容を比べようがない。自分ところの子供は良くできると一人 言っているみたいな感じになって、その研究活動の相対比較が非常にできにくい。別の ことをやっているのだからいいじゃないかとの話もあるが、ひょっとして同じようなベ ースがある可能性がある。おそらく将来、そういった問題が出てくるかもしれない。

(岡松理事長)

ただ、経済産業研究所も経済産業省の領域を超えて、広く調査活動を行っている。そ の他のところは、幸か不幸かまだ独立行政法人になっていないで縛りのかかった中で やっている。みんなも同じ野に出てくればいわばそこで競争的な研究活動が行われる。 これは、本来のあるべき姿ではないかと考えている。そういう形で政策競争、政策提言 をして行く。

(宮内分科会長)

そういうときに総合評価委員会がないといけないのではないか。

(青木所長)

それは、総務省にあるのではないか。

(杉田政策企画室長)

総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会は、まだアウトカムをどのように評価す るのか十分に整理されてないと聞いている。

イギリスで勉強したが、イギリスのエージェンシーは、先ほど大田委員からも部門の エージェンシーと機関のエージェンシーの両方あるとのお話があったが、多分これから 出てくるのは部門のエージェンシーではないか。機関のエージェンシーの場合はマー ケットベースでかなりやりやすい面が逆にあるのかもしれないがそういう意味で民間の 同種の機関と比較し、その中でどのようにアウトカム、アウトプットを出して行くか。 日本のエージェンシーの場合は、なかなか難しい評価の問題などがある。もう一点、こ れから苦労するかどうかわからないがエージェンシーは、理事長が言われたとおり、中 期目標、中期計画を立てて、その中期計画に5年ないし3年などの一定の期間の予算の 目安をつけるのが財務当局の考え方。しかしながら、例えば、平成14年度の経済産業 研究所の予算折衝を当室が財務省との窓口になって行っているが、財務省の考え方は、 やはり基本は単年度でいくらとの考え方で、全体の予算がこんなに厳しい、研究所の予 算も厳しいと今言われているところである。後年度負担と単年度予算の中で整合性が合 わなくなってきつつあるという感じがしている。特に、アウトプット、アウトカムを見 れば見るほど単年度主義で予算消化してしまう、予算消化することが良いことだという 従来の考え方は、かなり無理が来ていると感じている。

(西岡委員)

比較の問題は難しいし、経済産業研究所と他の研究所、例えば野村総合研究所と見比 べたことはないが、印象論で言うと吉川氏が旧工業技術院で行った研究がMETIのホ ームページの下の方に出ている。時々よく見比べるが、そういう目から言うと、経済産 業研究所のWebサイトを通じた一般への告知の仕方、研究員の構成のやり方、そもそ もWebサイトのページの作り方など一番やっぱりアドバンテージは先進的だと思う。 Webサイトに見られるような経済産業研究所のこういう取り組みの効果を及ぼして 行ってもらいたい。

(岡松理事長)

まったくゼロからのスタートだったが、海外のシンクタンクなどの例を引きながら作 らせていただいた。

(シェアード委員)

評価ということになってくると、他と比べ、競争するという概念が当然ながらあるわ けで、それも重要。しかし、もう一つの観点は、この経済産業研究所はまさに先端を 走っているという感じがしているが、私がいつも想定しているモデルは、オープンアー キテクチャ、非常に風通しの良い研究所であって、いわゆるネットワーク型。ですから 各官庁が自分系の研究所があるわけで私はいくつかお世話になったことがあるが、将来 全部独立行政法人になった場合、果たして全部横並びで競争しあうかという点について は、必ずしもそうでもないような気がする。例えば、その独立行政法人の中で一つか二 つか、例えばブルッキングス研究所とかMBIのような組織に進化して、ある人がどこ の組織に入っているのか、実はあのシンクタンクとも関係があるし、あのシンクタンク とも関係がある。ただどうも中枢になってくるのは一番アイデアとか、人とか資源が集 まりたがるところが結果としては経済産業省の経済産業研究所になるかもしれない。し かし、経済産業研究所がそれだけで立派なビルになるかというとそうでもない。

また、将来像になるが研究所もネットワーク型とかいろんな形ができるわけで、逆に 言うと我々の評価委員会としての仕事も楽になってくる。つまり非常に良くやっている 結果が、ケア評価や世間の評価で結果として出てくる。官僚的に考えると評価は難しく なる。

(大田委員)

独立行政法人の評価としては、経済産業研究所は一番の優等生で、むしろ私のほうが 一つの実験として勉強させていただいている。宮内分科会長の言われた総合評価となっ た時に、逆にやらなければいけないのは外部のシンクタンクへの委託も含めて官庁が政 策研究に対して払っているお金がある。そういった官が関与している政策マーケット全 体のお金の使い方がどうかという評価が多分あると思う。経済産業省も外部のシンクタ ンクに委託調査をお願いし、国土交通省は、外郭団体をたくさんもっていてそこに審議 会の報告を出させている。そういう政策マーケット全体の評価はやはり必要だなと考え ている。

(ii)経済産業研究所役員退職手当規程(案)に関する説明

原岡経済産業研究所総務ディレクターから説明後、討議。

(シェアード委員)

経済産業研究所役員退職手当規程(案)第2条第2項「経済産業省独立行政法人評価 委員会が行う業績評価の結果を勘案して」の規定があるが、これは誰が決めることにな るのか。

(原岡経済産業研究所総務ディレクター)

経済産業省独立行政法人評価委員会が経済産業研究所の業績評価の結果を仮にA評価 とした際に、これに該当するのは10%増と経済産業研究所が決めて支給するとの主旨 である。

(宮内分科会長)

本事項については、分科会として「適当」であると了承したいと思います。今後、評 価委員会の精査等によって、所要の修正があった場合、私と事務局に判断をご一任いた だきたいと思います。

なお、修正があった場合は、委員の皆様に後日ご報告させていただきたいと思います

(各委員)

意義なしの旨発言があり、経済産業研究所役員退職手当規程(案)は了承された。

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