経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第5回)-議事録

日時 :平成14年5月28日(火)14:30~16:30
場所 :経済産業省第2特別会議室(経済産業省本館17階西5)

出席者

<分科会委員>
PaulSheardLEHMANBROTHERS, CHIEFECONOMISTFORASIA、 西岡幸一 日本経済新聞社編集委員兼論説委員、 宮内義彦(分科会長) オリックス株式会社代表取締役会長、 吉冨勝 アジア開発銀行研究所所長

<経済産業研究所出席者>
岡松壯三郎理事長、 青木昌彦所長、 梅村美明副所長、 原岡直幸総務ディレクター

<経済産業省出席者>
杉田定大大臣官房政策企画室長、 白石重明大臣官房政策企画室企画主任

議事

(1)開会

<杉田経済産業省大臣官房政策企画室長>

(2)審議事項説明

i)独立行政法人経済産業研究所の平成13年度財務諸表について

<岡松経済産業研究所理事長>

<青木経済産業研究所所長>

ii)独立行政法人経済産業研究所の平成13年度の業務の実績に関する評価について

(3)討議(議事内容は、以下のとおり。)

i)経済産業研究所平成13年度財務諸表について

原岡経済産業研究所総務ディレクターから報告後、討議。

(吉冨委員)

予算金額と決算金額と差が大きいものはどう考えたらよいのか。

(原岡総務ディレクター)

受託収入については、当初計上する予定のなかったものが計上されてきた。予算金額が 決算金額を大幅に上回っているところ、特に支出については、初年度の立ち上がりで必ず しも多くの費用を要しなかったことや、初年度ということで足りなくならないように慎重 に使ったということである。

(西岡委員)

元々、予算が大きすぎたのか、それとも使い方が足りなかったのか。予算を全部使う必 要はないが、意図していた活動、予算に対してある程度見合うような活動ができなかった 理由が初年度だという要因以外であったのか。

(原岡総務ディレクター)

それは特にないと思う。意図した活動、事業について、特に数値目標を全部満たしてい る。意図した活動通りのことができたと思っている。

(西岡委員)

それは人員も含めてか。

(原岡総務ディレクター)

その通り。

(西岡委員)

とすれば予算が大きすぎたということか。

(青木所長)

例えば、研究スペースが一杯ということもある。もう少し順調な活動をしようとすると、 今の場所が一杯なので他のビルを借りなければならない。初年度なのでそこは辛抱してき た。

(シェアード委員)

余った7億円はこれからどのように使われていくのか。今年度は、20億円の予算が使 えるとの説明だが、この7億円と併せて27億円が使えるということになるのか、それと も本年度に使える予算が13億円になるということか。

(岡松理事長)

予算上は、新たについた20億円と繰り越した7億円の27億円が支出が可能である。 初年度、13億円で事業を行ったが、今後27億円全てを使って事業を行うということで はないが、与えられた目標を達成すべく2年度は初年度を上回る活動をしたいと思う。予 算的にいくらまでか目標まではまだ具体的には立てていない。

(西岡委員)

支出などで一番違うところは、資料収集管理業務だが。

(青木所長)

データでも非常に金額の高いデータがあるが、初年度ということもあって購入に慎重で あったことや、データ管理の体制がまだ作る過程であった。そのためデータ室を作り、デー タ室長を新たに任命した。また今後、特に研究所内部に今までなかったような企業のミク ロのパネルデータのようなものを作っていくことに費用がかかる。

(西岡委員)

これが平年ベースと比べると非常に落ち込んでいるということか。

(青木所長)

まだ立ち上げの時期であったということ。もう一つ、広報についてもコンファランスな どをストリーミングで配信するといったサービスを行っているが、これも最小限の人間と 設備で行っているが、これもスピードアップし、コンファランスで実際に人を集めてとい うよりもこのようなバーチャルな形で情報を広げていくということになると、色々な設備 費や人件費が更に拡大していくことも大いにある。

(吉冨委員)

業績は100点満点に近い、しかし予算ということになると、3割程度、調査研究業務 で残っている。その分だけ業務を行うと業績が更に3割以上増えるということか。

(青木所長)

業績は上がると思う。

(吉冨委員)

とすれば、中期計画は1年くらい早く達成できるのか。

(青木所長)

研究所は国内の同様な研究所と比べてという基準はありうると思うが、独立行政法人で このような公共政策研究を行っているところは他にあまり例がない。既にアジアのネット ワークなど積極的に作っており、今後、国際的なネットワークを広げ、国際的な研究機関 として第一級として認知されるよう積極的に活動したい。その場合、国際部署を作ったが、 ジュネーブやワシントンなど既に行っている人がいるが支部というかリーゾンオフィスの ようなものを国際的に展開していくといったこともしたいと思っている。初年度というこ とで体制は、随分と活動はしたが予算を節約をするということで最大限努力し、これだけ の余剰ができたので、来年度はどんどん使うということではないが、効率的なペースで活 動を拡大して行きたい。必ずしも来年度、予算全部を使わなければならないということで はないと思っている。独立行政法人の良いところは、単年度主義ではなく繰り越せること になっている。繰り越せないのであれば、減らされると困るということで3月あたり凄く お金を使うという可能性が今までの慣習からするとあったと思うが、我々はその心配がな かった。このようなところで単年度に縛られることがないという独立行政法人のイノベー ションの意味があるのではないか。

財務諸表は「適当」であると議決された。

ii)独立行政法人経済産業研究所の平成13年度の業務の実績に関する評価について

(宮内分科会長)

実は先日、全体の評価委員会があった。分科会としては既に済んだと思っていたら評価 のやり方について色々説明があった。その説明を聞いて私はビジネスマンとして訳が分か らなくなってきて、少し苦情を申し上げた。手順が逆なのはやむを得ないが、経済産業省 全体5つの法人について全体としてこのような意見が出ていた。

独立行政法人になったという非常にインパクトのある変化があったのだから、業績が良 くなるのは当たり前だというような意見が一つあった。初年度というのはあまりに評価が 難しいから、そんなに良い点が出るのはおかしいのではないか、出ないはずだというよう なニュアンスの話もあった。これについてかなり議論も出たし、私はそうではないのでは ないかという意見を持っていた。この分科会として皆さんに評価をいただいた後で、全体 の評価委員会に行ったらそんな意見が出るというのは全くおかしいと私は意見を述べさせ ていただいた。いずれにしてもこの経済産業研究所の評価が済んでいるのであればそれを この分科会として意見をまとめていただければ良いのだと了解して本日の会議を招集させ ていただていると理解いただければと思う。

○「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上」

(吉冨委員)

「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上」は、どういう業務にも当てはまる ような非常に一般的なもので他の4つの独立行政法人にも同じことが記載されているの か。そういうことだと業務の特性は反映させていない。非常に評価がしにくい項目立てで ある。

(杉田政策企画室長)

この評価の仕切は、全独立行政法人共通のものである。

(宮内分科会長)

私は、この席に座ってこんな困った仕事はないなとまじめに思っている。

(杉田政策企画室長)

資料7の評価基準で中期計画上のチェック項目は、書かせていただいている。

その中で経済産業研究所の特性を考えたチェック項目も書かせていただいている。しか しながら、これで十分かという点については、まだまだ私たちも今後議論しなければなら ないところがあると考えている。しかし、とりあえずは、現在の評価基準でご審議をお願 いしたい。

(宮内分科会長)

分科会としては、AとかBとか点を付けて、委員4名の評点を混ぜて一つにするのか。 4名のコメントというのも変である。

(杉田政策企画室長)

コメントもまとめるということ。今日、ご議論いただいて、事務局で事務的にまとめろ というご指示であれば、そのようにさせていただくし、今日いただいたご議論を踏まえ事 務的にまとめさせていただき分科会長、委員の皆様にお諮りさせていただくなど何れかの 方法でやらせていただきたい。是非、委員の方々から意見をいただいたものを事務局で記 載させていただきたいと考えている。

(宮内分科会長)

お寄せいただいた評価については皆さん高い。評価、コメントに変更がないということ であればこのレベルで、ここに書かれているコメントをこれを全部一つの文章まとめるこ とになる。

(シェアード委員)

今回の委員のコメントにはだぶっている部分がある。だぶらないような方法で取りまと めれば良い。

(宮内分科会長)

ご指摘のようにコメントには、だぶっているところがある。各委員のコメントに反対な こととが書いていなければ良い。矛盾することは、コメントに書いていない。

具体的にどうするか。今日、事務局で「一つの文章にして下さい」と指示し、委員の皆 様にEメールで送っていただいて修正を加えるのか。

(杉田政策企画室長)

コメントには、評価の部分と希望する部分、具体的には西岡委員のコメントのところな どだが、基本的には少なくとも両方書かせていただきたい。もし、お許しいただければこ のいただいたコメントで大枠、この集合を作るようにとの指示をいただければのこの範囲 の中で事務局で作らせていただいて、委員の皆様にもう一度フィードバックさせていただ きたい。

(宮内分科会長)

そうするしかしかたがない。評価について変更があるかないか。コメントについて強調 したいところ変更がないかなどあればご発言いただくのが一番良い。

(吉冨委員)

中期計画に沿った仕事が、初年度に出来ているかとの設問だが、中期計画というと5年 なら5年の間に、最初はこれくらいやって次の年はこれをやってという計画を思い浮かべ るが、ここに書いてある計画は、こういうことよりも、タイムフレームに関係なくとにか くこれだけやるよという計画である。いわゆる時間を追った計画の中での初年度の成果と 思って見てみたら非常に難しい。コメントが書けない。

今後このようなことを繰り返すのは生産的でない。オーガニゼーションの業務の特性を 表した評価の目的にするとか、評価項目も「国民に対して提供するサービスその他業務の 質の向上に関する目標を達成するために取るべき措置」ではなくもっとステシファイする とか「研究をちゃっとしているか」とか何でも良いが。中期計画のだいたい最初の3分の 1ではだいたいこんなことをするとか、次にこれをやって5年の終わりにはだいたいこう いうことが出来上がればいいんだということではないか。5年の中期計画が終わるときに は何かまとまったものが完成すると思うので、何か全体をまとめるようなSynthesisPaper を作っていかないとシステムのコンポーネントはこうなっていますと分かっても仕方がな い。例えば銀行は昔と違ってこうなっていますと分かっても、日本経済全体は、労働指標 など見ても他の指標を見てもだいたいどうなるのかが国民のニーズとしては一番欲しがっ ている。個々の専門性の高い論文なんかよりニーズがある。計画のディテールがラフ過ぎ て評価しにくい。このままで評価を行うとこういうことが毎年起こって行くことになる。 ルールが後から出てきたという問題もあるが、中身をもっと的確に評価しやすいような基 準に直すことができないか。業務の特性を反映しないで、評価方法を画一的にしていると いうのは、上の方の総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の在り方そのものの問題 かもしれないが。

(シェアード委員)

評価基準の設問が非常に漠然としていると、評価はどうしても一般論的にならざるを得 ない。

(杉田政策企画室長)

中期計画自体については、当然変更はある。いろいろな手続きを経て中期計画を変更し て行くことは可能である。

今回、初年度立ち上がりで、このような形でご評価いただいている。評価委員会のお立 場も我々良くわかっている。事務局としてこれを評価する時になかなか難しいという認識 を持っている。もう少し評価していただき易い中期計画づくりを、今年度は間に合わない が、来年度は少し工夫をすることについても評価委員会からのご指示という形であれば、 経済産業研究所と相談してまいりたいと考えている。

また、諸外国のシンクタンクでの評価の仕方をどのようにしているか経済産業研究所と ともに調べているところである。分科会にも是非ご提示して評価していただきやすいシス テム作りの役に立たせたいと考えている。

(宮内分科会長)

おっしゃるとおりで、評価はこんなに難しい。その中期計画というのも非常にこれはや はり吉冨委員のおっしゃたように2年目から困ってしまう。

(杉田政策企画室長)

経済産業研究所にアドバイザリーグループというのがあり、今井先生とか奥野先生とか 何人かの先生方が委員でいるが、この場でも研究が9つのクラスターごとにまとまってい ればもう少し評価がしやすいとの意見があった。実はクラスターは一種の一塊りであって これ自身で評価する形のシステムになっていない。何らかのブレークダウンする工夫をす る必要があるかもしれない。大枠で全部を評価するのは事務局としても難しいとの認識を 持っている。

このクラスターの考え方は、経済産業研究所設立当初からあったものである。クラスター の考え方は、この少し緩やかな形での集合体であり、研究活動の基本は個人なんだと先日、 青木所長からお話があったが、この考え方と評価する仕組みを何らか形でうまくコンプロ マイズしないといけないと考えている。総合評価をいただいたときに、後で本日のご意見、 改善すべき点などを付記させていただくことをお許しいただければと考えている。

(宮内分科会長)

とは言え、評価はしなければならないので、評価のAが3人、(A+B)/2まで様々あ るが、平均すれば、A少しマイナスではないか。良くやっていると評価した人が3人であ りAということでよいか。

(吉冨委員)

分からない点をBとして(A+B)/2とさせてもらった。経済産業研究所が良くやって いることには同意見である。

(宮内分科会長)

それでは、A評価とし、「理由・背景」についてはできるだけ4人の意見を名文に直し ていただくということとし、中期計画に向けて「とてもこの中期計画では5年間はやりき れないのでもう少し明示的な中期計画であれば評価はやりやすいという意見があった。そ の辺の改善の工夫がないか」ということを注記していただくことにしたいと思う。

評価「A」で決定。

○「業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置」

(西岡委員)

2番(業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措置)の問題になって いる評価を決めるときは、財務諸表とか数字のデータが前回の評価を委員が書くときにま だ出ていなかった。

(杉田政策企画室長)

その通りである。例えば6ページ目に人員の数、カッコ囲いになっているところで、フェ ローの総数82名ということで、上席の研究員が8名、うち経済産業省から出向している 者が3名である。研究員が9名、そのうち経済産業省からの出向者が6名、ファカルティ フェローこれはいわゆる大学の研究者の方が中心だが31名、上席客員研究員が14名。 こちらに一部経済産業省からの出向者が入っている。こういう形での人員構成になってい る。

(白石企画主任)

評価項目の1番と2番については、評価基準は共通となっている。これはそもそも中期 計画上、そのような形で整理をさせていただいているところである。 したがって、そもそもの活動状況については、評価項目の1で評価されることが期待さ れており、評価項目の2の「業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措 置」については、資料の6の12ページの年度の実績のところで右から3つ目のコラムの ところに大きく2つに整理されている。(1)情報システムを活用してパフォーマンスを向 上させて行こうという取り組み、(2)人的体制による取り組み、これは非公務員型独立行 政法人制度を利用して人材の活用を図るということである。したがって、評価項目2で主 に評価していただきたい内容は、そういった情報システムの活用をしっかりやっているか どうか、非公務員型独立行政法人として人材の活用をきちんとやっているのかどうかをご 審議いただくことが想定されている。

なお、これに関連して資料6、15~16ページにかけて流動的な雇用形態がどのよう に形で実現されているのかという情報が追記されている。

資料6の16ページになるが、それぞれのグループごとに任期付任用、非常勤職員、兼 職など形でのいわゆる流動的な人材登用がどのようになっているのかお示ししている。

(吉冨委員)

資料6の12ページの「効率化」の概念は、だいたいどのような概念か。

1億円当たりでどれくらい消費しているかということか。予算が分からなかったのでこ のようなコメントを書かせてもらった。この評価項目を評価するには前回は、情報不足で あった。

(西岡委員)

昨日か財務諸表の数字を見せてもらって、あれで平均単価500万円くらいで研究所の 方が働いているんだなということが分かる。当初の予算から3割くらい実現値が低い。こ れをどう解釈するかという議論が分かれるが、有意な情報であることは間違いない。こう いう情報が、この評価項目を評価するときになかったから、多少手探りで評価を行った。

(宮内分科会長)

そういう意味でコメントについて追加、評価の変化があれば是非おっしゃっていただき たい。

(吉冨委員)

経済産業研究所の業績はそのものはすばらしいから、そこ自体は変わらない。予算が節 約された分だけ非常に効率が良かった。本当はもっとできたとも言える。

(杉田政策企画室長)

独立行政法人は、5年間の中期計画であるが、私どもが財政当局と毎年折衝することに なっている。独立行政法人の予算は、繰り越しはできるがそれぞれの年度の予算は折衝す ることになっており、財政の単年度主義は変えず整合が図られている。青木所長も説明し ていたが本年度も前年度2%くらい減で概ね20億円の予算をいただいている。しかし、 来年度も本当にそうかは分からない。13年度7億円を余らせたのは、財政当局に見えて いるので、それを踏まえて財政当局の判断はあるのではないかと考えている。

必ずしも5年間で20億円ずつ、計100億円を財政当局からいただくという形にはな らない。独立行政法人制度では繰り越しはできる制度にはなっているが、財務当局は「そ れぞれの年度ごとに独立行政法人のパフォーマンスを見て、予算額を別途は判断したい」 と本年度予算折衝の時に言っている。7億円全部使わなければならない、20億円全部使 用することを前提にした議論ではない。当然組織としての合理化努力、効率化を図って行 く、それによって出てくる予算の節約は、一つのパフォーマンスである。評価尺度となる。

(吉冨委員)

一歩進んで、今の話は、やはり昔の議論が残る。1年目には、使わないで3年目に使っ てしまおうという考え方。逆に、良い業績を上げたら、予算を沢山貰えるようにしないと だめである。そういうふうなことが提案できないか。まさに独立行政法人はそうあるべき である。

(杉田政策企画室長)

全体としてか。

(吉冨委員)

予算と業績についての基本的な考え方である。そうすると先ほどの問題がなくなってく る。クオリティが増えれば(予算を)増やせば良い。

(杉田政策企画室長)

パフォーマンスを財政当局が見るということは、当然減らすだけでなく増やすことも建 前ではあるはずである。おそらく、財政当局がパフォーマンスを見るということは、マイ ナスの側面で捉えて予算を減らして行くことを考えているのではないか。おしゃるとおり システムの中でパフォーマンスを見ると言う時に全て減らすという行為だけではないとい うのは建前にはなっている。予算を増やすには、よほど強くこれは良いことをやったので もう少し進めて行くべきだという分科会としてのご意見を出していただいた上で、財政当 局に伝えて行くことになろう。

(宮内分科会長)

予算より非常に小さな金額で非常に評価の高い業績を残した。したがって当研究所は、 効率的に運用されている。将来のこの研究所から要求される予算額は更に効率的に使われ るということが想定されるので削るべきではない。そこまで言えるかどうか分からないが。

(杉田政策企画室長)

そこは、非常に大事な点だと思う。3年経った段階で使い残した金額がいったい何だっ たのかよく分析することが当然あろうかと考える。

(白石企画主任)

そもそも交付金は、これだけのことをやるためにだいたい20億円が十分かかるからと いうことで予算が付けられている。だいたいこのようなことをやって下さいと国が言って いるのが中期目標である。その中期目標を満足するようなものを20億円かかるところが 15億円で出来ましたというのは、これはほめられる話。中期目標を超えることを行うが ために予算を増やして下さいと言えるかどうかだが、手続きとしては、中期目標自体を変 えることになるだろう。ミッションが大きくなってここだったらもっとできるから中期目 標を変えた上で予算をもっとつけましょうという議論をするという筋道になる。

この段階で効率的だからもっと予算を付けてもっと仕事をしろという議論は、中期目標 を変えるという議論になる。

(吉冨委員)

具体的に中期目標を変えてみても、量との関係で変えられるか。クラスターを増やすと かそのような話にしかならない。基本の問題はクオリティ。このマネージメントの問題と いうのはクオリティで、これについて評価するという意味で良いクオリティの量を増やす という話だけである。中期目標との関係は、昔風の考え方だとそうなる。

独立行政法人にした理由は、悪い独立行政法人は切るわけで、良い独立行政法人は残す ということだが、全部の独立行政法人は中期計画で残っていったら意味がない。

キャロットとスティックを組み合わせた中でスティックのかかるところが出てくるとい う前提があるのだから、当然キャロットのところもしかるべき。中期目標を量的に増やす という考え方とは違う。

(白石企画主任)

制度設計としては、「キャロット」の部分についていうと、その7億円が来年度にその ままに繰り越して使えるようになってディスポーザルのリソースが増える形でのキャロッ トを用意したというのが独立行政法人の制度である

(吉冨委員)

独立行政法人の業績が悪くてもBならBとして7億円を残さないことはできるのか。

(白石企画主任)

それは別途、中期目標が達成できない場合は当然問題が起きる。中期目標を達成してい る限りで20億円をかけずに15億円で達成してもその5億円は次の年でも使えるという インセンティブは働くことが想定される。

(杉田政策企画室長)

英国のニュー・パブリック・マネージメントを勉強しているが、本来、一生懸命がんばっ た功績は、フォーミュラを作って半分は財政当局に返し、半分はエージェンシーにとって おくというインセンティブ論が多分ないと、或いは第3者から得た収入をあなたにも使え るようにしてあげましょうというのがエージェンシーである。必ずしも私共の知る限りで 今回の独立行政法人のシステムの中にはこのインセンティブ論は反映されていないように 見える。

(宮内分科会長)

それは、われわれが提起できないか。今後、大学やその他多くの独立行政法人ができる が、その先頭を切って独立行政法人でがんばれば良くなるんだというところに研究所が なってほしい。そうするとやはりただ単に「目標を計画達成に向け順調である」とか、A でもBでも予算を全部使ってしまう、誰も文句も何にも言わない。それからCになると ちょっと文句を言われる。Dになると落第。B、Cまでであれば予算を全部使っても何に も言われない。これはおかしい。Aであれば、「もっと自分の思う活動をやらしてもらえ る」、思うようにやるには「中期計画もちょっと甘かった、もっと高い中期計画を作るん だ」ということでないと意味はない。

(西岡委員)

この中期計画を達成するために必要な初年度20億円という根拠は何か。

(白石企画主任)

もともとは、旧来の通商産業省の内部部局であった通商産業研究所を参考にして、この 程度のものをやるのであればこれくらいかかるであろう、仮にあのままの体制でこれだけ の中期目標を達成するのであれば一定のフィクションはあるがどれくらいかかるかという ことである。

(西岡委員)

最初にじゃぶじゃぶの雑巾を持ってきてたということか。

(吉冨委員)

それは分からない。

(杉田政策企画室長)

通産省時代にいくつかの課にあったを予算を統合し、そもそも通産研究所に持っていた 予算に、プラスアルファは多分あり、少し増えているのだと思うが、そういう形での組成 である。急に新しいものができたということではない。経済産業研究所は、経済産業省も 血を流して作らせていただいた組織である。

(西岡委員)

20億円に根拠はあるのだが、それにも関わらず3分1は減らせた。かつあれだけの業 績を上げられた。

(杉田政策企画室長)

一つは、先ほど所長も言っていたが、研究員を採用するとときにいろいろ時間がかかっ ているし、そういった立ち上がりの要因はあろうかと考えている。やはり完全に立ち上がっ ていないし、いまもまだ(研究員を)採用途上にあることをご理解いただきたい。

(宮内分科会長)

いまの議論は、分科会のコメントとしてどこかに出していただきたい。インセンティブ がないとおかしい。

(杉田政策企画室長)

PPP、公共サービスの民間開放をしようとしているときに、複数年度会計だけで一つ のインセンティブになる。だいたい契約論の中でのインセンティブというのは第3者から 得た収入を自由にエージェンシーの中で使えるようにする、或いは民間サイド或いは財政 当局とエージュンシーとの間でシェアするフォーミュラを作っておいて、努力する、効率 化を図れば図るほどお互いにシェアできるという、多分そういうフォーミュラをイギリス では作っているので、あめとムチの両方がないとなかなか独立行政法人のやる意欲が出て こなくなる可能性がある。

(宮内分科会長)

平均化して行くとみんなできの悪いものが出来てくる。

(吉冨委員) ピーナライズする仕組みとリワードを与える仕組みを両方作っておかないといけない。

(杉田政策企画室長)

ご意見として付記させていただきたい。

(宮内分科会長)

それでは、この2項目のところは、そういう意見も入れてうまくまとめていただきたい。

(シェアード委員)

いまの意見は、総合評価にいれるべきである。制度論である。

(宮内分科会長)

その通り。この辺は事務局でうまくまとめていただきたい。

(吉冨委員)

全部、(A+B)/2にした。Aと考えていただいて結構である。情報不足だったためだが、 Aと付けるには逡巡したという意味がある。

(宮内分科会長)

評点は、Aということで異存ありますか。

(杉田政策企画室長)

2番で評価Aといただきましたが、吉冨委員から「情報不足である」などといくつかご 指摘いただいていますが、それは記載する必要はあるのか。

(吉冨委員)

いま、詳しく申し上げたことがその内容である。

(宮内分科会長)

効率的にやっているということになる。

評価「A」で決定。

○予算(人件費見積もりを含む。)収支計画及び資金計画

(吉冨委員)

受託は単年度のものか。

(杉田室長)

その通り。

(シェアード委員)

評価基準は、「実行額が総額として、大きなずれが生じていないか」と、なるべくずれ が生じないようにという前提になっているが、当然良いずれと悪いずれというものがある。 今日もらった財務諸表を見ると、受託業務が予算よりも多くなっている、国からの交付金 を3割程度節約しているなど、わりと良いずれがでている。大きなずれを生じないと書か れているが、ずれがあるが良い方向のずれになっている。評価基準はおかしいのではない か。

(白石企画主任)

実行額が予算額を大きく下回っているが、それが効率的に行った結果として下回ったと いうことであれば、そのように評価していただき、他方、そもそも国から与えられたリソー スを活用することなく一年を徒過してしまったということであれば、そのように評価して いただくということではないか。ずれがあることだけで、問題かということであれば、こ こに暗黙の前提があるということであろうが、むしろそこを顕在化させて理由・背景とし て明示していただくということが望まれるのではないか。

(宮内分科会長)

大きなずれが生じている。しかし、そのずれは例えばスペースの問題であるとか、人の 採用の時間差の問題でやむを得ないものと理解できるが、業績は当初期待していたものを 上回っている。したがってこれは大きなずれが生じているが、好ましいずれであるという ことで評点するということではないか。

(吉冨委員)

トータルを議論するのか、ある程度大きな項目についてプラス、マイナスを見るのか。 例えば、調査では予算が余っている、しかし一般管理費では超過している。といったこと を普通はすると思うが。

(宮内分科会長)

いろいろな問題を指摘すべき。

(杉田室長)

一般管理費も立ち上がったばかりでもあり、おっしゃるような評価がまだしにくい。初 年度をどう見るかとうことで、7億円が本当に効率化されたものなのか、それともまだ事 業環境整備がなされていないのかということについて事務局としてもまだ判断がしかねる 状況である。

(吉冨委員)

変な話だが、アウトプットが3分の2であったとしても、出ている数が膨大であるため 恐らく高く評価をすると思う。単価のような効率を図る指標が分からないので、全体の量 で圧倒されてしまう。ボリュームはきちんとしている、個々の内容もきちんとしているよ うだが、それが予算との関係で効率的と言われると分からなくなってしまう。予算という とアクティビティとロジスティックと分かれるので両方が必要である。

(杉田室長)

クラスターがあり、クラスターがこのくらいの予算があり、このくらいの成果物が出て くるといったものがあり、それごとに判断し、その集合体が全体の評価になっていくとい うことであろうが、現行のクラスターは、クラスター長がいて、しっかりとした部門長が 仕切っているというわけではなく、非常に緩い集合体であり、いくつかのクラスターにま たがる研究員もいるようになっているので、今のところそこまで細分化することはできな い。

(吉冨委員)

資料6を見ても13年度計画は項目が書いてあるだけで、実施を見るとクラスターごと の研究員の名前が書いてある。本当はこれが計画にあって、実際どのような論文が出てき たのかということが本当に見たくなる比較の仕方である。初年度なのでそのようなものが なかったということであろうが。

(杉田室長)

青木所長の考えは研究所は個々人の集合であるという考えであるので、クラスターを分 けて事業をやるかやらないかということは、研究所のアドバイザリーボードでも議論が あったが、次年度以降どうするのかということはまだ課題になっている。

(西岡委員)

Cと評価しているが、Bでも良い。要するに予算を100%消化することはなんら意味 無いが、あまりに違いすぎる。これを努力したと考えるのか、最初の設定の仕方が非常に 甘かったと考えるのかによる。研究所として効率的な運営、リソースを図った結果であろ うと、仮に6割、7割がそれで説明できたとしても、この余りようは異常な感じがする。 しかし、予算の上にずれているわけではないので良いと考えBかCか、Bでも良いと思う が。

(宮内分科会長)

ではAとBの間で、B+ということではどうか。しかし議論のあった部分は指摘する必 要がある。評価基準の「大きなずれ」というのは誤解が大きすぎる。

評価「B+」で決定。

○短期借入金限度額

「実績無し」

○剰余金の使途

「実績無し」

○その他主務省令で定める業務運営に関する事項(2)人事に関する計画

(シェアード委員)

非常勤に当たるのはどの部分か。ファカルティフェローもそうなのか。

(白石企画主任)

非常勤にはファカルティフェローを含んでいる。

(吉冨委員)

人事だが、経済産業省から出向している人は全員常勤で20名ということか。

(杉田室長)

正確に言うと、経済産業省に本務があり、研究所では非常勤という人が3名いる。あと の20名は常勤であり、研究職の人間もいるが、どちらかというと総務の人間が中心であ る。

(吉冨委員)

6ページを見ると、フェロー数が80人程度いるが、このうち経済産業省出向者という のは何か。

(白石企画主任)

経済産業省から出向している者ということで、上席研究員で管理職以上のレベルの人間 が3名。それ以下の者が6名いる。その他、非常勤扱いになっている者は上席客員研究員 9名、客員研究員3名が経済産業省職員である。

(宮内分科会長)

評価について「A」ということでよいか。理由・背景については追加がなければ事務局 でとりまとめること。

評価「A」で決定。

○総合評価

(宮内分科会長)

これ以上ない評価をいただいているということだと思うが。

(シェアード委員)

初年度としてはそのような評価だと思うが、せっかくこれだけ立派な成績を出している のだから、2年目、3年目評価した時に、2年目は初年度の倍くらいやったなどの成績を 出してほしい。初年度がこれだけやったのだから、このままこの繰り返しで行くといった ことではないと思う。5年経ったら、もの凄い功績を残している、日本を代表する研究所 になるようなことが、この1年間で見えてきたのではないか。

(宮内分科会長)

今の議論も踏まえ、総合評価Aということでよいか。

理由・背景の文面については、委員皆様に確認いただくが、最後のところの表現などの 修文については任せていただきたい。

評価「A」で決定。

資料6を独立行政法人経済産業研究所の業務運営並びに財務及び会計に関する省令第5条 の評価委員会に提出しなければならない報告書とすることとした。

○最終コメント

(宮内分科会長)

中期計画が年度計画ごとに追えない。初年度良いスタートだったが、2年目はどこまで 行くのだろうかといったことが非常に分かりづらいので、中期計画をもう少し年度ごとに 追って行けるように、分かりやすく訂正できないだろうか。

初年度として、良いスタートを切ったが、それに対して高い目標を目指してもらうのに はどうしたら良いか、それには中期計画を高い目標に変えてもらうといったことなのか、 また、予算との関係でもずれがあったが、それは良いずれであるとするともっと渡すともっ と良くなるのかといった全体として初年度ということでなかなか難しい場面があるが、全 体のフレームワーク自身について、評価委員としてはとまどうところがある。多くの独立 行政法人の中でアメとムチのような、よくやったところにはもっと高い目標を与えて、もっ と活躍してもらえるなどのインセンティブが必要ではないか。

(吉冨委員)

評価基準が業務の特性を反映しない、国民のサービスを満たすということになっており、 一般化されているので非常に評価しにくかった。独立行政法人の一つの目的は、良いとこ ろはもっと伸ばす、悪いところは切るということであるから、単年度主義を2年、3年に するという考えよりも、良いところには予算を更につけていくといった発想で考えていっ た方が、今年余った7億円についても評価しやすいのではないか。

(西岡委員)

わずかな期間に非常に存在感のある研究所になり、計画は十分に達成できていると思う。 予算の余りが問題になったが、これは独立行政法人になる前の組織をベースとして予算が できていたという説明があったが、組織を変えてスタートしていくと、これだけ絞れるも のなのかとある意味感心した。

(シェアード委員)

大変立派な一年目のスタートであった評価するが、これに甘んじないで、2年目、3年 目に更なる進歩、期待以上の功績を残してもらいたい。

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