経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第6回)-議事録

日時 :平成14年12月2日(月)12:30~14:30
場所 :経済産業省第2特別会議室(経済産業省本館17階西5)

出席者

<分科会委員>
小笠原直 太陽監査法人公認会計士
速水佑次郎 財団法人国際開発高等教育機構大学院プログラムディレクター
藤垣裕子 東京大学総合文化研究科助教授
PaulSheard リーマン・ブラザーズ証券会社チーフエコノミスト・アジア
宮内義彦(分科会長)オリックス株式会社代表取締役会長
吉冨勝 アジア開発銀行研究所所長
(敬称略・五十音順)

<独立行政法人経済産業研究所>
岡松壯三郎 理事長
青木昌彦 所長
原岡直幸 総務ディレクター
荒木一郎 研究調整ディレクター
沢田登志子 広報企画ディレクター
濱邊哲也 総括担当マネージャー

<経済産業省>
森川正之 大臣官房政策企画室長
白石重明 大臣官房政策企画室企画主任

審議事項

(1)独立行政法人経済産業研究所役員給与規程の改正について
(2)平成13年度の業績評価で今後の課題とされたものへの対応について
(3)独立行政法人経済産業研究所各事業年度に係る業務の実績に関する評価基準の改正及び平成14年度業務実績評価フォーマットについて

議事内容

(宮内分科会長)

ただいまから第6回独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を開催させていただ きます。

本日の審議事項は(1)「独立行政法人経済産業研究所役員給与規程の改正について」、 (2)「平成13年度の業績評価で今後の課題とされたものへの対応について」、(3)「独立 行政法人経済産業研究所各事業年度に係る業務の実績に関する評価基準の改正及び平成1 4年度業務実績評価フォーマットについて」、以上3件でございます。

審議に入ります前に、今回この分科会に新たに委員にご就任いただきました皆様方をご 紹介させていただきたいと思います。

今回、公認会計士で太陽監査法人社員の小笠原委員、政策研究大学院大学教授で、財団 法人国際開発高等教育機構のディレクターの速水委員、東京大学助教授の藤垣委員、この お三方が新たに当分科会の委員に就任されることになりました。

<新分科会委員挨拶>

(宮内分科会長)

それでは、まず、毎回ご連絡させていただいておりますが、議事録につきましては、独 立行政法人評価委員会運営規程の定めに基づきまして公開することとなっております。従 いまして、この会議の運営につきましてもご承知おきいただきたいと思います。 審議に入ります前に、本日の配付資料などにつきましてご説明をよろしくお願いいたし ます。

(森川室長)

まず、本日の配付資料の確認をいたします。資料は全部で10点でございます。「資料 1」の「議事次第」から始まりまして、「独立行政法人関係主要業務のフローチャート」 等々、最後の「独立行政法人経済産業研究所平成14年度計画の見直しについて」までの 10点でございます。不足等ありましたらおっしゃってください。

本日は、最初に、ちょっとおさらいということになりますが独立行政法人制度の概要と、 評価委員会分科会の役割分担について簡単にご説明させていただきしまして、その後、独 立行政法人経済産業研究所役員給与規程の改正案についてご審議いただこうと考えていま す。

その後、事務局から、平成13年度の業績評価で今後の課題とされたものへの対応状況 につきましてご説明いたしまして、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から通知の あった業績評価結果に関する第1次意見についても、併せてご紹介させていただきます。 なお、これらの中で関連する審議事項の評価基準の改正関係も一緒に説明させていただ き、研究所からも、対応状況について補足説明をお願いすることを考えております。 それではまず、独立行政法人制度の概要と、評価委員会及び分科会の役割分担について 説明をさせていただきます。 お手元の「資料2」及び「資料3」をご覧下さい。

独立行政法人制度の概要といいましても、制度全体というよりは評価にかかわる範囲で ございます。「資料2」をご覧いただきますと、「独立行政法人」「主務大臣」「府省評価 委員会」という縦の枠がございまして、この分科会はこの府省評価委員会の分科会という 位置づけになってございます。

一番左に「目標及び計画の作成」「年度業績評価」「中期業績評価」「中期期間の終了 時」というようにタイミングが分けて書いてございます。

ポイントだけかいつまんでおさらいをいたしますと、まず、「中期目標」につきまして は主務大臣、つまり経済産業大臣が定めて、独立行政法人に指示する。その過程でこの評 価委員会からの意見をいただくということになっておりまして、これは既にこの法人の発 足時に行われていることでございます。

それから「中期計画」につきましては、この「中期目標」を受けて独立行政法人の方が 定めて、これを主務大臣に認可の申請をして、認可のプロセスでこの評価委員会のご意見 を伺うという制度のものでございまして、最初の5年間の中期計画については、当分科会 あるいは上の評価委員会におきまして意見をいただいて、その上で認可をしているところ でございます。

それから「年度計画」でございますが、この独立行政法人制度では、中期で計画し評価 する、というのが基本になっておりますけれども、年度の計画につきましても、この独立 行政法人が作って、これを主務大臣に届け出るということになっています。従いまして形 式的に言いますと、年度計画についてはこの評価委員会との関係は切れているということ でございます。

あと、若干関連するところを申しますと、年度実績評価につきましては年度業務実績の 評価、あるいはその後、中期目標についての業務実績の評価というものをこの評価委員会 でやっていただくということになっております。

この関連で、この紙には書いてございませんけれども、評価基準というものをこの評価 委員会が作ることになっておりまして、後ほどこれにつきましてご審議いただくことにな っております。

また、この表にはございませんけれども、例えば役員報酬の基準につきましては独立行 政法人が作成して主務大臣に届け出る。そして主務大臣が評価委員会に通知して評価委員 会がその報酬等の基準について意見を述べる、というようなスキームがございまして、こ れも後ほどご審議いただくことになってございます。

「資料3」は、独立行政法人評価委員会と分科会の役割分担について書いてございます。 きょうの議論に関連するところだけ申しますと、一番上にあります「評価基準の作成」に ついては、まず分科会で議論をして、評価委員会に対して意見を言って、最終的な議決は 評価委員会の本委員会の方で行うという形になってございます。 それから、下から2つ目の「役員報酬等の支給基準」につきましても、同じような役割 分担になっているということでございます。

それから、直接、今日の議題ではありませんが、上から5つ目に「各事業年度に係る業 務の実績に関する評価」という年度評価も、同様のスキームになっているということを申 し上げておきたいと思います。

とりあえず以上でございます。よろしくお願いいたします。

(宮内分科会長)

ありがとうございました。

それでは審議に入らせていただきたいと思います。

独立行政法人通則法では、評価委員会は研究所の役員報酬の支給基準が社会一般の情勢 に適合したものであるかどうかについて主務大臣に対しまして意見を申し出ることができ ることになっております。それでは、独立行政法人経済産業研究所役員給与規程(案)に つきまして、研究所からご説明をお願いいたします。

(原岡総務ディレクター)

経済産業研究所の総務ディレクターの原岡でございます。「資料4」の「独立行政法人 経済産業研究所の役員報酬規程の改定について」に従いましてご説明をさせていただきた いと思います。

この説明が一番わかりやすいと思いますので、資料を2枚めくっていただいて(参考) という図でご説明をさせていただきます。 改正点は2点ございまして、1点目は、平成14年度の人事院勧告によりまして公務員 の給与が、括弧の中にありますように、本俸月額にして-2.2%、賞与にして-0.05ヵ月 分という少し下がる勧告が出まして、これをこの役員の給与規程にも反映させよう、とい うことが改正点の第1点でございます。

第2点は、この評価委員会による業績評価結果の賞与への反映ということでございまし て、一番最後の「※」印に、現行規程では業績評価の結果が確定した翌年度の賞与に業績 が反映されることになっておりますために、役員任期の集大成とすべき最終年度に業績給 が支払われないことになって、業績向上のインセンティブが働かないという支障が生じる ことが懸念されております。

したがって、これを是正しておいた方がいいだろうということで、今回改正をするわけ でございます。

ここの図にございますように、当初の支給額は一番評価が悪かった「D」を基準にして、 つまり賞与総額から25%を引いて75%分だけ払いまして、あとは業績給で、評価結果が確 定次第払う、こういう形にしたいと思っております。

この評価は、後で森川室長からご説明があってご審議いただくわけですけれどもちょっ と先走って書いてございまして、現在のA・B・C・Dの4段階を5段階にした図になっ ております。これは、「D」というのが給与・ボーナスが全く上がらない、つまり0%と いうことで、標準の一番中間的な評価が出た場合を想定しておりまして、例えば一番よか った場合は「AA」でそれに25%増し、それから今申し上げた一番悪かった場合の「D」 は-25%という形で、5段階評価の方が評価しやすいのではないかということで後でご提 案させていただくわけですが、それをちょっと先取りした形でここに載せてございます。 そういった形で評価が確定次第、追加で払うということを改正の中身とさせていただい ております。

以上でございます。

(宮内分科会長)

ありがとうございました。 それではご質問、ご意見がございましたら、ご自由にお願いいたします。

(吉冨委員)

定義の問題だと思いますけれども、ここで役員というのはどういう人々を指すのか。 それから、月額とか賞与とかありますけれども、ベースラインみたいなものがわからな くて、感覚がちょっと出にくいので、絶対金額みたいなものがあれば教えていただきたい。

(岡松理事長)

お答え申し上げます。役員といいますのは、今の表の次のページをめくっていただきま すと、「給与規程(案)」がございますが、第1条にございますように、役員といいます のは、理事長、理事、及び監事を言います。そして下に数字が書いてございます。第4条 に理事長の月俸が書いてございますが、これは、今ここにお諮りいたします第1項の人勧 を反映した数字が入っております。

それから非常勤役員は、理事長以外の理事及び監事でございまして、その月額は第5条 に記載してあるとおりでございます。以上でございます。 (小笠原委員)

こちらの問題点の中に「役員任期の集大成とすべき最終」というお話があるのですが、 通常、役員になられた後はご退職されるということが前提なのか。その場合にどうしても 調整できない部分については退職手当の方に加味されるようなことが可能なのかどうかと いうのはいかがでしょうか。

(岡松理事長)

まず、役員の任期は2年と定められておりますので、当研究所の場合は5年が中期目標 になっておりますので仮に2年、2年と2つ転がるとしますと最後のところが1年はみ出 すという意味で、そことは合っておりません。

ただ、考え方として5年が1つの目標として与えられ、それに沿って行動しているとい う意味での集大成、というご説明をさせていただきます。

これは給与規程でございますので、退職金につきましてはこの規程の外です。 退職金につきましては法律上、業績を勘案して退職金を支給することができる、となっ ておりますが、退職金の規程につきましては、今日、ここにはございませんが、以前、こ の評価委員会にお諮りし、ご承認を得た規程に従って退職金の支給を行う、ということに なっております。

ちなみに当初決めておりましたものを、昨年の人勧、また、内外のいろいろな議論を反 映して引き下げた規程でスタートいたしております。 以上でございます。

(宮内分科会長)

私から質問ですけれども、この評価については、AA・A・B・・・の5段階評価で評 価が確定しましたら、賞与も自動的に決まる、そのように理解してよろしいのでございま すか。

(岡松理事長)

お答え申し上げます。「規程(案)」の3ページに「附則」がございますが、むしろ2 ページの7条の4項で「理事長は、準備金(今、留保している分)の支給の際に、評価結 果(分科会及び評価委員会の評価結果)を勘案し、準備金に、第2項の規定に基づく賞与 の総額に別表の規定する評価結果に即した割合を乗じて得た額を加えることができる」と。 「加えることができる」となっておりまして、今の分科会長のご質問にずばりお答えいた しますとそこは理事長の裁量の余地が残った形の規程になっております。

(森川室長)

ちょっと補足いたします。そもそもこの独立行政法人制度の賞与についての規程の定め 方の問題ですけれども、通則法の考え方といいますのは、基本的には支給の基準について 評価委員会の意見を聞いて、評価委員会が基準を社会一般情勢への適合性を判断した上で 主務大臣に意見を申し述べる、ということになっておりまして、実際の基準の適用につい ては最終的には法人の長、この研究所の場合には理事長が責任をもって行うという考え方 になっております。

従いまして、賞与についても、社会一般情勢から著しく逸脱しているとか、そういうこ とがないように枠をはめるという役割が、この評価委員会あるいは主務大臣に期待されて いるということですけれども、実際の運用については理事長に裁量を委ねるというような 整理になっているというように考えられます。

ここは最終的には、そもそも独立行政法人を運営する責任者であるところの法人の長に 責任をすべて負わせるという考え方になっていまして、その上で、例えばその理事長がひ どいことをやったとかいう場合には、最終的には役員自身を解任するというようなガバナ ンスの権限が主務大臣側にあるというような制度設計になっているということでございま す。

(シェアード委員)

この業績評価結果の賞与への反映の仕方は、ほかの独立行政法人のやり方とどれだけ共 通の部分があるのか、どれだけ当研究所の独自のやり方でやっておられるのか、そのこと についてお尋ねします。

(森川室長)

横断的な話ですので私からご説明いたします。もちろん、通則法はすべての独立行政法 人共通の考え方ですから、例えば支給の基準を定めるということは各独立行政法人がやっ てこういったプロセスを踏む、というところについては共通です。

その上で、各独法が実際に業績をどのように反映させるかというのは、評価の段階数な ども実は法人によって違います。例えば独立行政法人の貿易保険などは、経営の善し悪し みたいなものが非常に重要だというようなセンスがあります。従って段階の数も多く、か つ、業績への反映についても最大50%増減するというような非常に大きい幅をもっている 制度になっています。

他方、やや小さい法人の工業所有権総合情報館というのは3段階の評価になっていて、 10%の範囲内で上下させるというような形になっていますので、どの程度幅をもたせるか というようなことについてはその業務の性質によって幅がございます。

当省所管のものにつきましては、今度きちんと整理いたしまして、理事長あるいは法人 の長が、最終的に業績の評価を踏まえて実際の適用を判断する、というスキームで統一さ れているということで、数字の面では幅がありますけれども、スキーム的には共通になっ ているということでございます。

(宮内分科会長)

これは待遇だけに限らないと思うのですけれどもここに理事長の裁量というのが出てく るわけで、この評価委員会が一所懸命評価をして、した結果がそれに直接反映したのか反 映してないのかということについては、これでいいのかなということ。

それから、そういう裁量をなさった場合、結果をまた評価委員会にお知らせいただくと いうことでないと、後は全然違ったことになっていたということになりますと、やってい る我々評価委員にとりましても評価の意味合いというのが問題ではないかと思うのですけ れども、そのあたりについてはいかがでございましょうか。

(森川室長)

多分、13年度の評価の反映の話と一般論と両方あろうかと思いますが、一般論につき ましては先ほど幾つか申し上げたとおりですけれども、完全に対応するということではな くて、民間企業であっても多分いろいろな事情を考慮して行われているでしょうし、例え ば法人全体の経営の状況とかもありましょうから、賞与をどのくらい支払うかというとこ ろはそういったものを踏まえて総合的に理事長が判断するときに評価委員会の評価の結果 も勘案する、というような整理になっているということでございます。

13年度の評価の反映につきましては、後ほど説明しようと思っていた部分ですけれど も、実は「資料6」の後ろから2枚目に、経済産業省独立行政法人評価委員会からの業績 評価について5法人について横断的に書いた最終的なペーパーがございますけれども、こ の真ん中辺に5法人を通じての留意事項がございます。

この中の「1.」は後ほどお話ししますが、「2.」で、ここは主として賞与の部分です けれども賞与につきましては「業績結果を踏まえ、各法人において増減を行い得る仕組み になっている」と。そして「今後、本評価結果を用いて、実際の支給額を決めるについて は、平成13年度が初年度であり、評価指標や評価作業に試行的要素が含まれていたこと を踏まえ、各法人において、適切に判断されるべきこと」というように、当分科会の上の 委員会である評価委員会から、横断的な留意事項として指摘されているということでござ いまして、研究所についてもこういった評価委員会の最終的な意見を踏まえて、研究所の 理事長が最終的に判断をするという考え方をしているわけでございます。

(岡松理事長)

そこで13年度の実績結果について、私ども、A評価をいただいたということで大変あ りがたいことだと思っておるわけでございます。

今、森川室長からお話がありましたような評価委員会からの第2項の問題、それから規 程にございます役員報酬等については、基準は、民間企業の役員の報酬、その他の事情を 勘案して払わなければならない、という法律上の規程もございます。で、先ほどご説明申 し上げましたように、今年度の役員につきましても実際にカットいたしますが、職員につ きましても人事院勧告を反映し、民間準拠ということで2%カットを適用するという環境 の中で、13年度のボーナスにつきましては、13年度の評価Aをいただきましたが研究 所理事長といたしまして私自身が+-0%ということを決定したところでございますので、 ご報告させていただきます。

(宮内分科会長)

今のお話をお聞きしますと、評価は結局、処遇には全然反映されないと。そうすると、 理事長のご判断、決定権があるということですけれども我々評価委員は何だったのか、と いうことにもなりかねないのではないかという気が私はするのでございますけれども。

(森川室長)

確かにその議論はあると思います。もともと法律の趣旨となるべきは、業績の評価を反 映させるというようなことが書いてあるわけでして、もちろん、そうすることが望ましい ことだし、否定するものではありませんが、先ほど言いました本委員会で、初年度であっ て評価が試行的であったということを踏まえた意見のバックグラウンドとして、本委員会 の複数の委員から「5法人について評価ということでやってみたけれども、その評価が役 員の賞与に反映されるというように改めて考えてみると、こういう評価でよかったのかち ょっと疑問もある」というようなご意見が複数ありました。そういったものを踏まえて評 価のやり方を含めてそういったものが定着してないという前提で先ほどのような留意事項 というものが本委員会で付けられた、というのが私どもの理解です。

従いまして、先ほどちょっとはしょりましたけれども、評価委員会の本委員会の方では、 中期計画に盛り込まれた業務達成のアウトプット指標についても見直して必要な指標の追 加、水準の変更などを行うこと、というのがもう1つの留意事項になっていまして、そも そも評価の物差しといいますか中期計画の目標自体が妥当だったのかどうか、というよう なことも各法人において検討してほしい、というようなことが付いてございまして、こう いったものも是正、修正される必要があれば修正されて、評価のやり方について試行的な 部分がなくなってくれば、法人の長としてもそれをかなり反映しやすくなるということで はないかと思います。

(宮内分科会長)

これを議論し始めるエンドレスなのですけれども、評価委員に対する説明責任という意 味では、今のお話で果たして十分であったのかどうかということですし、本委員会のこう いうコメントがある程度拘束するということもあろうかと思うのですけれども、去年1年 間やったことがこういう結果になって、果たしてこれでよかったかどうか。

来年も毎年試行だということが言えるわけで、物事というのは完成はしないわけですか ら、もし、そういう意味合いで評価は無視して待遇に反映しないのだというようなことで あれば、その他の評価についても同じようなことが行われると類推せざるを得ないわけで、 私はこれは小さな問題とは思えないのでございますけれども、その辺について、本委員会 に対して当分科会から注意を喚起するとか、ある程度の異論を差し挟むということはあっ てもいいのではないかなという気がするのでございますけれども、これは私の意見でござ います。

(吉冨委員)

業績評価のときにも問題になったのですけれども、評価の基準みたいなものも必ずしも はっきりしませんでした。試行錯誤と言ってもいろいろな試行錯誤があって、根本的な評 価をどういう基準に基づいてやるか、その時のある程度の細かさというのでしょうか、前 回は非常に大まかでよくわからなかったというコメントをしたわけですけれども、試行錯 誤の内容がある程度類型化できれば良いのではないか。初年度のように評価基準そのもの も曖昧だというようなときにはよくわからないわけですから、一種の情状酌量というので しょうか、初年度は厳格な形では適用できない、しかし、2年度からはそういう試行錯誤 のディスクレションのようなところがどんどん小さくなっていくような仕組みをつくると いうことの方が大事なのではないでしょうか。試行錯誤の内容を明らかにしたらどうかと 思うのです。

(森川室長)

その点については後ほど評価基準の改定(案)、評価フォーマットのところで詳しくご 説明したいと思いますけれども、去年の評価基準というのは、吉冨委員からご指摘いただ きましたように確かに評価のしにくい非常に大ぐくりのものだったので、そこをなるべく 評価しやすいように、ご意見を踏まえましてご用意しておりますので、そちらの議論を先 にいただいて、その上で、もし、それについてご意見があればということでいかがでしょ うか。

(吉冨委員)

そこらが会長のご質問に対してどう平仄が合うかということです。

(宮内分科会長)

私は全体の評価委員会にも出席させていただいているのですけれども、そこでは意見が 一致したように私は思わなかったのですけれども。いろいろな意見が出たということは事 実ですけれども、試行錯誤であるから、もう評価しなくていいんだよというような意見に はなっていなかったように私は思いまして、こういうことになるのかなとその点は非常に 不思議な感じがして拝見していたのですけれども。

いずれにしましてもそういうことで、しかも今の流れで言いますと評価は参考にすぎな いと。理事長はそれを参考にして周囲の情勢を見て判断するのだ、という程度のこの分科 会の評価委員の評価であるということでは、精密な評価基準をつくってみても意味がある のかどうかよくわからない。この分科会自身の意味合いがどの程度のものか。最後は全部 ディスクレションでやるということになってしまうのでしょうか。

(森川室長)

最初の本委員会の方の意見が必ずしもコンセンサスが合っていないというのは手続的に はわかりませんけれども、形式論で言えば最終的には本委員会の委員長が一任をいただい た上でこういった意見にまとめたということになっているのだろうというように思います。 後ほどご説明しますように、14年度については評価の仕方をなるべく本委員会の意見 も踏まえて、あるいは吉冨委員の意見も踏まえてきちんと細分化した上で、試行的な要素 をなるべく少ない形でやってそれを反映させますというように言う立場に私どもはありま せんから、そこは最終的には独立行政法人の長が判断するわけで、そこが先ほどの説明と してもちょっと歯切れが悪くなるのですけれども、評価のやり方自身が改善されたという ことを踏まえて14年度の評価を業績に反映させる、ということが、独立行政法人の長と してやりやすくなるのではないかというように我々としては考えています。

この研究所についてはこういった形で評価基準の見直しということを、今後、本委員会 でもご説明するわけですけれどもそこでも、評価方法の改善につながっている、というこ とで試行的要素があった、というような記述がなくなることを我々としては期待している ということです。

(宮内分科会長)

余りこの議論ばかりしていても仕方ないのでこざいますけれども、何か特にご意見ござ いましたら。

(シェアード委員)

今の話に関する考え方なり質問ですが、評価が役員の賞与に反映されるかどうかという 議論ですが、私の理解では、評価の目的あるいは評価のアウトプットというものは幅広い 目的があって、その中で役員の賞与に反映される、というのは重要なインセンティブベネ フィットの1つだと思いますが、評価が全体的に無視されたということにはなってないの ではないかなというような気がするのですが、疑問です。 ただ、我々がやっている仕事のアウトプットの中で、今、議論となっている賞与への反 映という部分がどれだけのウエートを占めているのかということです。

(青木所長)

先ほど、吉冨委員が、試行、試行というようにいつまでも言っていてもしようがないの で、評価の仕組みを、どういう形と言われたでしょうか。

(吉冨委員)

ディスクレショナリーなところをできるだけ少なくするという意味です。

(青木所長)

それに対して森川室長から、評価の指標を細かくするというニュアンスでおっしゃった ような気がするのですけれども、吉冨さんはそういう意味でおっしゃったのですか。もっ と細かくしろということではないんですか。

(吉冨委員)

細かくするかどうかより、基準そのものです。それが結果としてはそのアウトカムは細 かくなるのかもしれませんけれども。

(森川室長)

先ほどの吉冨委員のご質問に対する答えがちょっと踏み込んでいたのかもしれないので すけれども必ずしも今のご質問とは関係なくて、もともと、この評価基準の改正案を作っ た経緯あるいはそのフォーマットをつくって評価をしやすい形にしようというように試み たのは、去年の13年度評価のプロセスで吉冨委員が指摘された、評価がしづらい、これ では評価ができない、という意見を踏まえて対応しているということです。

(吉冨委員)

それが細かくなるかどうかは細かさの意味によるでしょうけれども。

(森川室長)

その細かさが妥当な細かさかどうかということについては、後ほど評価項目について。

(吉冨委員)

少なくとも項目的には増えているという意味では細かいでしょうね。

(森川室長)

最も大きいくくりで言えば、評価の項目は増えていません。

(吉冨委員)

いや、その下です。

(森川室長)

ですから、なるべくブレークダウンしていったということです。

(吉冨委員)

こっちの方を早くやった方がなじみやすいですね。

(白石企画主任)

シェアードさんのご質問にお答えすると、評価につきましては、役員のボーナスに反映 されるほかに、財務当局にその評価が行くことになっておりまして予算作成等々の面でも この評価が参考とされる、ということが現在の制度運営になってございます。

(宮内分科会長)

この評価基準があやしいからAがあやしいのだと言えば、議論はもうめちゃくちゃにな りますけれども、例えば去年、「A」と評価されたと。一所懸命議論して「A」と決めた と。そして「A」と決めたことに基づいて、役員の方はそういう処遇を受けたと。 しかし、今度の場合、「A」という評価を受けたけれども、全体の評価委員会から「い うならば試行段階だから、評価基準、評価作業に試行的要素が含まれていることを踏まえ、 各法人において適切に判断されるべき」と、非常に微妙なことが書いてありましたけれど も、私はお役所言葉がよくわからないのですけれどもあれを読むと、評価をやめろという ように読めるのか、よくわかりません。

これを「評価するな」と読むのであるとすれば、それによって「こういうことで縛られ ちゃったから、Aをいただいたけれどもゼロにいたしました」と。あるいは、「Aをいた だいたからAをちょうだいしようと思ったら、予算がない、と言われたから下げました」 と。この説明責任というのを果たしていただかないと、我々はやっている意味がないよう な気がするのです。

そういう意味では、これで説明していただいた、そういう説明だということであればや むを得ないのかもわからないのですけれども。

(岡松理事長)

理事長が判断するということで、私が説明しなければいけないわけでございますが、ま ず、役員の報酬の基準として法律で、国家公務員の給与、民間企業の役員の報酬等、その 他、事情を考慮して定めなければならない、という規定があるということが大前提でござ います。

もう1つは、今、宮内分科会長がおっしゃられました評価委員会から指摘の留意事項の 第2項については、理事長として留意せざるを得ないということです。 第1点に関してさらに敷衍いたしますと、これは14年度のお話ではございますけれど も、先ほど触れた点でございますが職員については2%のカットが行われる中で、13年 度の評価がよかったということで理事長が14年度に入ってから13年度評価分の報酬を いただくということについては附則は入れなかった、ということで、本年度については1 3年度の評価に基づくボーナスはやめる、プラス・アルフアはやめるということで私が判 断した次第でございます。

その意味では、当然のことながらこの評価委員会の留意事項については十分留意させて いただいたということでございます。

なお、前回ご説明申し上げましたとおり、予算上、当研究所が25%の賞与を払えないよ うな財政状況にあるということではございません。

(宮内分科会長)

本件、よろしゅうございましょうか。

<分科会委員から異議なし>

それでは、本件に余り時間を費やすことはできませんので、分科会といたしまして、こ の給与規程(案)の改定部分につきましては「適当である」と、このような形で了承した 旨、評価委員会に報告するということでよろしゅうございましょうか。

<分科会委員から異議なし>

では、そのようにさせていただきます。

所要の修正があった場合にはご判断を私にご一任いただくということでお願いいたしま す。

時間をとりましてどうも申しわけございません。

それでは次の審議事項(2)「平成13年度の業績評価で今後の課題とされたものへの対 応について」などにつきましてご審議いただきます。ご説明をお願いいたします。

(森川室長)

「資料5」「資料6」「資料7」に即しまして説明をさせていただきたいと思います。 まず、1枚のペーパーでございます「資料5」の「平成13年度の業績評価で今後の課 題とされたものへの対応について」をご覧いただきます。「今後の課題とされた」という のは、この評価委員会から課題としていただいているものでございます。

まず、この経済産業研究所以外の法人も含めた全法人の共通の事項といたしまして、一 番上にありますように「中期計画に盛り込まれた業務達成の数量指標をすべて見直し、必 要な指標の追加、水準の変更などを行うように」という指摘をいただいております。これ については、中期計画の数量指標見直しに向けた議論を行う予定がされております。 次に、経済産業研究所固有の点で、まず、おさらいですけれども「資料6」の平成13 年度の業務実績に関する評価の8ページに、平成14年度業務実績評価等に向けた付記事 項が4点ほど書いてございます。それ以外に前の部分にも、今後の対応が一部書いてござ います。

こちらを踏まえまして「資料5」に戻って幾つか整理してございます。まず、「特記事 項(3)」で(評価単位の細分化等)とございまして「今回の評価は、独立行政法人発足に 伴う最初の取り組みであり、研究所という組織の特性に応じた評価のあり方についての試 行錯誤的な議論を経てとりまとめられた。こうした議論の中で痛感されたことは、今後、 さらに評価の客観性、妥当性、明瞭性を高めていくために、諸外国の経験等を踏まえつつ、 例えば評価単位の細分化など、評価方法について工夫が求められるということであった」 ということでございます。

これを受けまして、後ほど説明いたしますが、評価基準の見直し、それから業務実績評 価フォーマットというものを作って、これを平成14年度業務実績評価から使用すること を考えているということでございます。

次に「付記事項(1)」は、「平成13年度の経済産業研究所の成果は、独立行政法人制 度自体のメリットと研究所の努力によるものである。平成14年度以降は、制度のメリッ トを利用したことにより現れた成果を理由にした評価ではなく、研究所の活動実績に基づ く評価を行うべきである」というような付記事項がつけられているわけですが、この部分 は主に本委員会の方での議論を踏まえた付記事項でございます。

こちらについての今後の対応としては、独立行政法人になったということのメリットで はなくて、研究所の活動実績自体に基づく評価を行うという方向で評価をいただければ、 というように考えております。具体的には、昔の通産研究所との比較ということを重視す るものではなくて独立行政法人経済産業研究所の実績に基づく評価に重点を置いていく、 ということになろうかと思います。

次に「付記事項(2)」は、「現実の政策へのインパクトについては、研究を終えた時点 から、それが政策へ取り込まれるまでにはタイムラグがあることに留意しつつ、今後の評 価に向けて、研究所の提言と結果との因果関係を明確に追跡できるメカニズムを検討すべ きである」とございます。これに基づきまして我々事務局としてとりあえずできることと いたしましては、研究所の顧客というのはいろいろな範囲がございますけれども当省の政 策実施局等にアンケート調査を行うことを考えております。 また、その因果関係を追求するメカニズムとして、さらに他にどのようなことがあるか ということについて検討していきたいと思っています。

「付記事項(3)」は最初の全法人共通事項とほぼダブりますけれども「中期計画の指標 について所要の見直しを行うべきである」ということでございまして、平成14年度につい て、後ほど説明します年度計画上の指標を見直した上で評価をいただくということを考え ております。

それから、中期計画自体は5年間の計画ですけれども、これについては、15年度に改定 をするような方向で検討したいと考えております。と申しますのは、中期計画につきまし ては、例えば財務省の協議とか、会計のプロセスがやや時間がかかるというような現実的 な事情もございまして、これを14年度の評価に間に合うような形でやるというのは物理的 に不可能だということが大きな理由になってございます。

「付記事項(4)」の(運営費交付金の収益化)は、例の7億円の残があったということ に関連する付記事項で、運営費交付金債務について、単に未執行な部分と経営努力によっ て節減した部分の2つを分ける仕組みを導入するということ。また、戦略的裁量権のある 積立金にもっていく等の努力をすべきであるということ。この関連で、収益化について現 在採用されております費用進行型と期間進行型やプロジェクト進行型との得失比較につい て十分検討すべきである、というご指摘で、これは本委員会の方の会計に詳しい梶川委員 あるいは八木委員から指摘をいただいたところでございますし、また、総務省の方の委員 会からも関連する指摘を受けているところでございまして、後ほど研究所から簡単な説明 があるかと思いますが成果進行型収益化基準の採用に向けた検討を鋭意行っているという ことでございます。

それから「資料7」は、今の「対応」の基本的なところとちょっとダブるところがござ いますが総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会委員長から、経済産業省独立行政法 人評価委員会委員長あてに来た第1次意見という形で、今後、第2次意見があり得るよう ですけれども、4枚めくっていただきますと「別紙」として独立行政法人経済産業研究所 についての意見が書いてございます。

2つのパラグラフになっておりまして、前段は、研究の内容についてで「研究調査の顧 客を明確にするとともに、その具体的なニーズを反映した研究テーマ選定の観点を一層重 視した評価を行うべきである」というコメントがございます。

後段は、特に7億円、運営費交付金の3割以上が未執行になったということに関連いた しまして、「実施すべき研究のテーマ数等を盛り込んだ可能な限り具体的な計画を作成し、 それに沿った予算措置を行うこと等により、業務の進ちょく状況及び経費の執行状況を、 計画、予算等と対比して適切に評価できるようにすることが必要である」ということで、 「計画、予算等の上での取り扱いについて、経済産業省独立行政法人評価委員会から、法 人における適切な措置の検討を要請することを期待する」ということでございます。 この後、評価基準の改正案について「資料8」それから「資料8」の(参考)、「資料 9」これらに基づきましてご説明をしたいと思います。

「資料8」は、評価委員会として作成する評価基準の改正(案)でございますが、わか りにくいかと思いますので、「資料8」の後ろにA3の縦長の(参考)という形で新旧対 照のものに基づいてポイントだけ説明をしたいと思います。

下が改正前、つまり現在の評価基準で、上が改正後の評価基準でございます。 まず、最初のページの一番上の[評価方針]のところでは、従来4段階の評価であった ものを、5段階の評価にさせていただければというように考えております。具体的には、 下の[評価基準]のところにありますように、従来「A」~「D」であったのを「AA」 ~「D」というような5段階にすることを考えてございます。

2ページ目は下の方が改正前で、これが吉冨委員から、評価の基準としては非常に評価 しづらいというようなご指摘をいただいたところかと思いますが、これについては、まず、 左側の「評価対象項目」は従前と変えませんけれども、それを少しブレイクダウンした形 で具体的に評価しやすいような評価基準に書いたのが上の改正案の評価基準でございます。 具体的には、まず、(1)「業務運営の効率化に関する目標を達成するために取るべき措 置」ということで、評価基準としては、たたき台として「情報システムの活用は十分にな されているか」「人的体制についてパフォーマンスに応じた適切な取り組みがなされてい るか」というような評価基準を出させていただいております。

それから(2)「国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達 成するために取るべき措置」につきましては、「研究テーマの設定が中長期的な政策形成 ニーズに合致しているか」「研究活動が十分活発に行われているか」「研究成果・政策提 言内容が高い学術的水準に達しているか」「研究成果・政策提言の普及活動が十分行われ ているか」「資料収集管理・統計加工及び統計管理業務が適切に行われているか」という ような評価基準を書いてございます。

(3)「予算、収支計画、資金計画」につきましては、「予算管理は適切に行われている か」「本来得られる収入機会を逃していないか」「費用対効果について、他の類似の機関 に比較して十分か」「運営費交付金の収益化状況等は適切か」というような評価基準を設 けてございます。

(4)「短期借入金の限度額」(5)「剰余金の使途」につきましては、それぞれ「限度額以 内か」「剰余金の使途が中期計画に定められた目的に沿っているか」。また、(6)「その他 主務省令で定める業務運営に関する事項(2)人事に関する計画」が「適切であり、かつ実行 されているか」という評価基準を設けております。

その上で「総合評価」という欄で、以上の各項目のうち、サービスの質、つまり研究の 内容とかテーマの内容を第1に踏まえ、その研究所の使命を効率的に果たしているかどう か。こういうのを評価基準としてはどうかというように考えてございます。 最後のページはそれを「評価表」という形に落としたものでございますが、これでも、 実際に評価するときにやりやすいかどうかという問題がございます。

この評価基準自体は独立行政法人評価委員会として定めるものですが、「資料9」のフ オーマットは、事実上、評価委員の皆さんが作業をされるときに使うもので、便利なよう にということで用意してみたもので、これは形式的な法律上の位置づけがあるものではあ りません。

左から「評価項目」「評価基準」がありまして、この「評価基準」というのが、今ご説 明した評価基準に書いてある部分でございます。

その上で、「評価細目」というのを設けて、例えば「サービスの質」では、「研究テー マの設定が中長期的な政策形成ニーズに合致しているかどうか」というのがありまして、 「評価細目」には「クラスターの設定/改変に際して政策ニーズの把握が十分か」「各ク ラスターの具体的な研究内容はクラスター設定の問題意識に合致しているか」「政策当局 等からの依頼に基づく調査研究件数が目標値を超えているか」。

また、「研究活動が十分化活発に行われているか」という評価基準に対応しては「ディ スカッション・ペーパー等の発表数が目標値を超えているか」「成果の出版数が目標値を 超えているか」「外部との共同研究実施件数は目標値を超えているか」というような形で ブレイクダウンしてございます。

それから、「研究成果・政策提言内容が高い学術的水準に達しているか」については、 「各クラスターにおける研究成果等が国内外の大学、シンクタンク等との比較において高 い学術的水準にあるか」また「外部レフェリーによる審査を受ける専門誌等で発表された 論文数が目標値を上回っているか」というようなことを書いてみました。

このうち、外部レフェリーの件につきましては、高い学術的な水準を確保するというこ とと、非常にインパクトのある政策提言というものが場合によっては必ずしも両立しない 可能性があるわけです。また、外部レフェリーということになりますと、いわゆるレフエ リードジャーナルということになりますと実際に研究をしてからそれがジャーナルに載る までに非常に時間がかかるというような問題が現実としてはあるわけでございます。しか しながら、こういった評価の細目の1つの要素として、こういった「高い学術的水準に達 しているか」という、もともとこの研究所が目指していた方向を要素の1つに入れさせて いただいてございます。

それから「研究成果・政策提言の普及活動が十分行われているか」では、「政策当局に おける具体的な政策形成に対してインパクトのある研究成果・政策提言の普及が行われた か」「一般に対するコンファレンス等の開催回数が目標値を超えているか」「コンファレ ンスにおける参加者の評価は満足できるものか」、これは、研究所の方でコンファレンス をやりまして参加者のアンケートを取っておりますけれども、こういった評価が満足でき るものかどうかと。「ホームページのヒット数は目標値を超えているか」等々、あとは省 略いたしますが具体的な細目を考えてございます。

また、「業務の効率化」につきましては、先ほど言いました「情報システムの活用が十 分行われているか」についても、細目を分けまして「電子会議を活用した政策研究は十分 行われているか」等々でございます。

「人的体制」についても、3つぐらいの細目に分けてございます。

「予算」につきましては、「予算管理が適切に行われているか」という評価基準の中に 「予算と決算との間に、大きな齟齬がないか」「固定的経費を十分に抑えているか」「使 途の透明性が確保されているか」というような細目を書かせていただいております。 また、「本来得られる収益機会を逃していないか」という項目につきましては、ブレイ クダウンは必ずしもしておりませんけれども、それぞれ対応する項目がございます。 あと「短期借入金」「剰余金使途」「主務省令事項」につきましてもそれぞれ所要の細 目を定めておりますので、ご覧いただいた上で意見を頂戴できればというように思います。 最後に「総合評価」ということで、こういった各項目のうち、サービスの質にウェート を置いた上でその使命を効率的に果たしているかどうかということを総合評価の基準とす るということでございます。

なお、(注)に「定量的指標については、目標値の設定が妥当であるかどうかについて も評価の対象とする」と書いてございますが、これは、先ほどちょっと話しましたけれど も年度の目標というのは評価委員の議決ではなくて、あくまでも独立行政法人の方で独自 に設定して主務大臣に届出をいただくという性格のものでございますので、この評価委員 会で評価いただくときには、その目標自体が妥当かどうかということを含めて最終的に評 価をしていただくのが適当ではないかというような考え方でございます。 とりあえず以上です。

(宮内分科会長)

ありがとうございました。

それでは、引き続きまして経済産業研究所からご説明をお願いいたします。

(原岡総務ディレクター)

2点だけ補足させていただきます。「資料5」の最後の「付記事項(3)、(4)」の2点で すが、まず「付記事項(3)」につきましては、平成13年度の実績からみると目標がちょ っと低過ぎたのではないか、こういうご指摘を受けている点は、我々の方で年度計画を見 直しましてその年度計画についておりますアウトプット指標というものを改訂しようと思 っております。「資料10」をご覧いただいてご説明したいと思います。

当研究所の評価というのはあくまで質で評価をしていただくというのが大前提ですが、 そういう質的に充実した活動を実現した結果として、期待される相応のアウトプットの指 標がどれぐらいのものであるべきかと。昨年度は年度計画を大幅に上回る実績があったこ とから判断いたしまして、昨年度の実績を維持して、さらにそれを上回るように努めるた めに一部指標の改訂を行うということでございます。

「★」印の部分が改訂を行うものでございまして、例えば「経済政策分析シリーズ」と か「経済政策レビュー」そういった出版物の刊行は、現行指標は年3冊以上でございます けれども、13年度実績が年4冊ございましたので、新しい指標では13年度実績以上の 年4冊以上を目標にしたいということでございます。

以下「★」印をつけた部分については、いわゆる13年度実績をもとにいたしまして、 それを上回るということを前提に作ってございます。先ほど森川室長からご紹介いただき ました学術誌、専門誌等で発表された論文、それから国際シンポジウム、学会等で発表さ れた論文、それから内部のレビューを経たディスカッションペーパー、それから商業誌、 政府系広報誌等で発表された論文、これらの学術的な質の高さと政策へのインパクトと両 方をバランスよく追い求めた結果、このような指標が適当ではないかというように考えた 次第であります。

若干テイクノートしていただきたいのは、中期計画では研究自体が自己目的化してはい けないということが書いてありますので、非常に高度な専門性というものを余り極端に追 求し過ぎるということは避けた方がいいのではないかなというように我々としては考えて おります。

以上が、年度計画の見直しについてでございます。

次に「資料5」の最後の(運営費交付金の収益化)というところでございますけれども、 既にご説明がありましたように平成13年度には費用進行型という会計基準を採用してご ざいましたけれども、15年度からはこの会計基準を改めるべきではないかというご指摘 をいただいております。平成13年度につきましては、中期計画の立ち上がり時期であっ たことから事業の執行が通年度化していなかった、それから効率的な業務運営にも努めた こともありまして運営費交付金が7億円余ったわけですが、14年度につきましては、こ の研究業務が通年度化いたしまして本格化しておりまして、13年度に比べるとこの運営 費交付金の使用執行がかなり大幅に増加する状況でございます。

研究業務とか政策提言業務あるいは資料収集業務などがだんだんと通年度化してまいり まして、これらの業務に関連する経費の支出パターンもだんだん明らかになってきており、 従って、14年度の実績をベースに15年度の経費支出の見通しを立てることが可能にな っております。

それから研究プロジェクトにつきましては、これまでも年度当初において、年間を通じ てどれだけ必要か、あるいは実施スケジュールがどうか、そういった研究計画を作成して きたところでありまして、そういう実績の上に立って運営費交付金の効率的な執行を徹底 し、その効率化状況を会計上明示できるような会計基準の見直しを検討していきたいとい うように考えております。

具体的に申しますと、研究業務においては成果進行基準を考え、それ以外の政策提言普 及業務あるいは資料収集管理業務、一般管理業務については期間進行基準を15年度から採 用できるような方向で検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。

(宮内分科会長)

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご説明を踏まえましてご自由にご意見を頂戴したいと思います。 まず、「資料5」と「資料6」の8ページでございますか、13年度の業績評価結果に 付された特記・付記事項と、その対応状況を中心に議論を進めさせていただければと思い ます。

(速水委員)

もう既に説明されているのだろうと思いますが、私、初めて来たもので、私にわかるよ うに説明していただきたいのは、「資料5」の「付記事項」に、制度の変更の効果と、制 度の中の努力とを分けて評価しろということが書いてありますが、これはどういうことな のでございましょうか。

(森川室長)

これは実は経済産業研究所のところに書いてあるのですけれども、各独立行政法人につ いての割合に横断的な話だったかと思うのです。ほかに例えば貿易保険とかいろいろな法 人があるわけですけれども、要するに独立行政法人になったことによって裁量がやりやす くなるとか、そういうことで非常に高い評価になってきたというようなことがあるわけで す。

もちろん、この研究所についても、従来の経済産業省の内部組織であったときに比べて いろいろなことでの自由度が高まったというようなことがあって、それでパフオーマンス がよくなるのは当たり前ではないかと。それはつまり独立行政法人制度を利用したことに よるメリットというようにこの評価委員会では言っているわけです。そうではなくて、単 になったことのメリットの部分は抜いて評価をしなさいと。そういう意味なのです。

(速水委員)

私はそれは非常に不思議だと。素人の考えなんですね。今のお話は、独立行政法人にな ると必ずよくなるように言っていらっしゃるような気がするのです。多分よくなるのでし ょうけれども、理屈としては制度変更によってパフォーマンスが悪くなることだってあり 得るわけですよね。

そういう制度変更が行われて1~2年の間に一体どういう結果をもたらしたか、という 制度変更の効果というものは評価しなくてよろしいのでしょうか。

(森川室長)

私として申し上げられるのは、そこを評価に入れるな、というように言われているとい うことです。

ただ、独立行政法人制度そのものの評価、あるいは各独立行政法人の中期計画の方の評 価の段階ではそこは当然、議論になり得るかと思います。

例えばこの研究所であれば、5年たった後に中期計画について評価をした上で法人の存 廃を含めて議論がされることになっていますので、その段階で仮に独立行政法人になった ことが非常に不適当であったがために非常に悪いパフォーマンスになったということであ れば、その組織形態のあり方自身が見直しの対象になるということではないかと思います。

(速水委員)

ちょっと理屈をこねるようですけれども、パフォーマンスが前と違ったわけですよね。 その中で、新しい制度のもとでの努力か、あるいは制度が変わったからパフオーマンスが 変わったか、というのを判断するためには制度の効果というものも評価しなければ、ネッ トで一体どれだけ努力したのかというのはわからないんじゃないですか。

(森川室長)

観念論にならざるを得ないのですが、そこを分けた上で、後者の部分をAとかBとかい う評価に反映しろと。

(速水委員)

それを出すためには、制度のパフォーマンスが一体どれだけよくなったかという数値な り何なりの評価があったときに、制度が変わったからよくなったというものをディスカウ ントしてやらなければいけないわけですよね。それを評価しなければ、ネットが出てこな いのではないか、というのが私の質問です。

(青木所長)

制度変化によるメリットについて評価するな、というように言われているとおっしゃら れましたけれども、だれがそうおっしゃったのですか。

(森川室長)

評価委員会のメンバーの方々ということです。

(青木所長)

メンバーの方々ですか。

(森川室長)

評価委員会としての意見を付記事項としていただいていますので、最終的にはその評価 委員会の意見という形になっているわけですが。 つまり、これについてコンセンサスがないものについては書いてない建前になっている というように理解すれば、評価委員の委員長以下、皆さんの総意ということでこういう記 述がなされているというように思います。

(青木所長)

先ほど、宮内分科会長から、報酬の件に関してこの分科会と全体の評価委員会の過程に ついて疑問を出されておられましたけれども、例えば特記事項のところでさっき確かめた かったことですけれども、評価単位の細分化など、評価方法について工夫が求められるこ とが痛感されますと書いてあり、この分科会では、そういう細かい数値目標はこういう研 究所の評価にはなじまないのではないかということが、そもそも中期目標の作成のときか ら議論になったと思います。

それから全体の省の評価委員会でもそういうことを言われた方が1~2いらっしゃいま したけれども、この評価委員会全体としてはそういうことが痛感されたというような雰囲 気ではなかったのではないかというような気がするのですけれども。

森川さんはちょうどいらっしゃらなかったから認識の相違かもしれませんけれども、そ の点はいかがでしょうか。

(森川室長)

研究所から私に質問されても困るのですけれども、「資料6」の7ページの「平成13 年度に係る業務の実績に関する評価」というところの右側に(特記事項)というのがあり まして、その一番下に「今回の評価は」云々とあって「評価単位の細分化など、評価方法 について工夫が求められるということであった」と。これ自体については、この分科会あ るいは本委員会でディスカッスされた上で書かれているペーパーだと。あるいはそのディ スカッションを踏まえて、それを反映したものを文章化して、それらについてコンセンサ スをいただいたものだ、というのが私の理解でありまして、特に評価単位の細分化につき ましては、私が議事録を読んでいる限りでは吉冨委員からかなり強くご指摘をいただいた ことがここに反映されているというように理解しておりますが。

(吉冨委員)

「資料9」の評価細目と、右側に非常に数値目標化したターゲットみたいなのがござい ますが、ここまではほとんど誰も言わなかったような気がするのですけれども、一番左の 「評価基準」だけを見てもわからないと。従って、なるべく右側の、これは「サイモク (細目)」と読むのかどうか知りませんけれども、ブレイクダウンしてもわからないもの もあるかもしれませんけれどもいずれにしても一番左にある評価基準では余りにもブロー ドなのでブレイクダウンがあった方がいいのではないかということ。何か非常に中央統制 計画経済みたいにターゲットがばっと並んで、しかもそのターゲットが非常に正しいとい う大前提があって、何%アップ・ダウンと。そこを言った人は余りいないような気がする のですが。

これがたたき台ならたたき台で結構ですけれども。議論の中身はそういうことだったと 思いますが、よろしいでしょうか。

(森川室長)

白石から後でちょっと補足いたしますけれども、先ほどの青木所長の話ですけれどもこ れはもちろん評価フォーマットであって、できる限りブレイクダウンしてみたという性格 のものです。確かに第1回、第2回あたりの分科会の中で、なるべく質を中心に評価すべ きだという議論があったことはよく承知しております。したがって、例えばこれを単純に 集計してそれを数で割って、それが総合評価のところにつくということではもちろんない ですし、この中にもウエートの高いもの、低いものがあります。これをウエートでこれは 0.2とかこれは5%というようにつけるのは到底無理な話です。従って、「総合評価」の ところにありますように、サービスの質を第1に踏まえ、その使命を効率的に果たしてい るかどうかということで総合的に評価いただく、その総合的な評価をするときの材料とし てこういう基準を作っているということでございます。 白石からちょっと補足いたします。

(白石企画主任)

簡単にお答えさせていただきます。もともと昨年の評価単位の細分化というものは具体 的に何かというのを、我々なりの理解をもとにお示ししたのがこのフォーマットであると いうようにご理解いだたければと思います。 具体的に我々が理解したのは、細分化という言葉の定義について議論するというよりは、 このようなフォーマットを作るということであるということをもってお答えにしたいと思 います。分科会等の議論、ご指摘を踏まえてこのような1枚をつくらせていただいたもの でございます。

また、このフォーマットは、評価基準及び評価細目の内容につきましては中期目標、中 期計画、年度計画、それから評価委員会のご議論、それから総務省からの要請事項等に基 づいて必要十分と思われるものをピックアップして並べさせていただいてできてございま す。

それから評価細目の横の「AA」~「D」がどれがどうかということにつきましては、 1つの目安でございまして、大体このようなものではないでしょうかと。特に定性的なも のにつきましては日本語の問題でございまして、各具体に当てはめの段階では分科会の委 員の先生方にご判断をいただくということを当然の前提として書かせていただいておりま す。

それから数値目標につきましては、評価に際してできる限り定量的なものを提示するよ うに、という大原則が総務省等からもガイドラインとして示されていることを踏まえてあ えてそういったものを入れさせていただいているものでございまして、この数値目標によ って評価をしてくださいという意味では全くございません。その扱いについても、評価委 員の先生方にご判断をいただくということであろうかと思っています。

それを前提といたしまして、数値目標「AA」~「D」までそれぞれ1.3倍、1.2倍、0. 8倍等々の数値はどういった判断に基づくかといいますと、先ほどの賞与の話に戻ります けれども「AA」の場合25%アップになるということがございます。これに対してそれよ りは厳しく、要するに業績が3割増しだと最大25%の賞与アップがあり得ますという形で、 一応の目安として数値を置かせていただいたという性格の基準でございます。

それから、話はちょっと元に戻りますけれども、先ほど途中で制度のメリット論につい て議論があったかと思いますけれども、これにつきましては、要すれば独立行政法人とい う制度に乗った上でどの程度のハードルをクリアするのが普通なのかということをご判断 くださいと。端的に言うと、通産研究所時代の論文が何本あったかということと、独立行 政法人になってからの論文数を比較するということは意味がありませんよ、というご指摘 かと思っています。

では、独立行政法人として通常どの程度のパフォーマンスが期待されるかということに つきましては、1年目の実績と、2年目・14年度の実績を見ていただいてご議論いただ くと。

フォーマットの一番最後に(注)で書かせていただいております「目標値の設定が妥当 であるかについても評価の対象にする」というのは、まさに独立行政法人という制度に乗 った法人としてどの程度の目標を掲げるのが適当か、ということについても評価委員会で ご議論ください、という趣旨で書かせていただいているものでございます。 以上でございます。

(宮内分科会長)

今のご説明をお伺いしておりますと、非常に自己完結的でよく出来上がっているお答え かと思うのです。これは、研究所というものがあって、それを運営する側とそれを評価す る側でこのようにして評価しよう、ということでございますけれども、本当のところは、 評価される側が、自分たちはどういう点を評価してほしいかというようなことを聞かせて いただくということも必要なのではなかろうかという気がするわけでございますけれども、 評価される主体である研究所として、自分たちはどのようなところを評価してほしいのだ ということが、もし、今日のご議論で抜けている点がございましたら、教えていただけれ ばと思うのです。

(青木所長)

私ども研究所の任務というのは、あくまでも日本における中期の構造改革、あるいは特 定して言えば制度改革問題について、きちっとした理論的研究、分析的研究に基づいた政 策研究をする、それに基づいて提案を行うことだというように考えております。 そういう意味で、クラスターが9つぐらいございますけれどもこの関連がどうなのかと いうことに関しましてもきちっと比較してクラスターの選択を行っておりますし、どうい う研究課題が必要かということの認識が最初にあって、それにふさわしい研究員の方を補 充するという政策をとっております。

従いまして、研究所の組織として研究を行う、個人の責任において研究を行うというこ とを目的としておりますけれども、これは研究所が全体のニーズをどのように選択するか ということにはかかわらないということでは決してないわけであって、経済政策の必要な ポートフォリオに関しましてもきちっとした考え方に基づいて研究員の選択を行っている ということでございます。

それで、この分科会ではそういう活動について非常にご理解をいただいているわけです が、経済産業省全体の評価委員会では、幾つかの指標が不十分ではないかと。特に雑誌に ついての目標は、最初は専門誌などが念頭にあって、100件を5分の1に分けて20件とい うような目標が掲げられていたわけですけれども、論文というのを非常に広く解釈、集計 しちゃって報告段階で280件というような大幅な数になっちゃったものですから、この点 でおしかりを受けて、これは、内部できちっとレビューしたディスカッションペーパーで あるとか国際シンポジウム、学会等で発表された論文、それから学術誌、専門誌、それか ら商業誌、政府系広報誌という形で少しブレイクダウンして目標を掲げさせていただくと いうことにしています。

ただ、学術・専門誌に関してレフェリー付きということを非常に強く言われるわけであ りますが、この点につきましては、私は研究の質に関して妥協するということでは決して ないわけですが、レフェリー付きの論文ということで数値目標を掲げるというのはこの研 究所の性格として余りふさわしくないのではないかというように考えております。 理由はたくさんあるのですけれども、第1に、私自身、国際専門誌の編集長をやった経 験もありますからよくわかっておりますけれども、論文を作成して、それが雑誌に投稿さ れてレフェリーのプロセスを経て、2~3回やりとりがあって発表するというと、今、普 通3年ぐらいかかるわけです。で、この研究所が発足したときに、以前から研究員でいる という人は、上級の研究員30人の中にはおりません。もちろん、それ以前から継続してい るという人もおりますけれども、すべての人が1年半以内に研究を始めているわけです。 そういう意味で、この100件というのを機械的に5分の1ずつに分けて毎年20件をレフ ェリー付きの論文で埋めさせるというような評価は少し非現実的な計画目標ではないかと いうように思うわけです。

特に、自然科学総合研究のようにある程度普遍的な原語に基づいて専門論文が書かれ、 それが雑誌に載せられるのは非常に客観的な基準だと思うのですが、政策研究の場合、果 たしてそういう普遍的な、国際的なレベルでレフェリー論文で通過するような論文をたく さん書くという部分がこの研究所の性格として果たして一番いいことなのかどうか。もち ろん、そういうことをやれる方が多数おられることは望ましいことでありますけれども、 この研究所の目的としましても研究が自己目的化してはいけないということが書かれてお りますし、今回の総務省のご指示でも、研究調査の顧客を明確にしなければいけないとい うようにおっしゃっておられます。

例えば最近の地方分権の問題であるとか、道路等の公共財の建設の問題、あるいは地方 財政の問題、NGOの問題、あるいはワールドカップというようなイベントの後始末とい いますか事後評価の問題、例えば地方の分権化に係るような問題というのをいろいろな角 度から研究調査したいと思っておりますけれども、こういう研究が学術雑誌のニーズとし て出てくるかというと、これはちょっと考えられないのではないかというように思います。 そういう意味で、ここの数値目標というのが余り自己目的化というか一人立ちして動い してしまうということに関して私は若干の懸念をもっております。

それからもう1つは、経済学の場合には特に理論研究、実証研究、統計研究等におきま してはそういうレフェリープロセスというのは確立しておりますけれども、この研究所は 法学関係の方、政治学の関係の方もおられますけれども、例えばWTO等の国際法に関し てましても非常に有力なスタッフになるわけですけれども、そういう方たちの間では、レ フェリー付きの論文ということは必ずしも確立してないということもございます。 そういう意味で、このアウトプットの指標としては学術誌、専門誌等で発表された論文、 という形になっておりまして、この点は、特に省のレベルで理工関係の専門家の方等から、 レフェリー付きの論文はないか、というようなご指摘が強力になされているようでありま すけれども、私どもとしては、学術的なレベルを下げるということでは決してないわけで すがこの研究所の性格というものの上に立って指標を立てていだたけたら、というように 希望する次第でございます。

(森川室長)

一言だけ補足いたします。そういうことで用意しました「資料9」の「評価細目」のと ころで、学術的水準の部分では「外部レフェリーによる審査を受ける専門誌等で発表され た論文数が目標値を上回っているか」という形で、必ずしもレフェリー付きジャーナルと いうものに限定しない。ただし実際には、研究所の方でご用意いただきました「資料10」 の方で、学術・専門誌等で発表された論文、国際シンポジウム等で発表された論文、内部 のレビューを経たディスカッションペーパー(DP)といった形で、要は具体的にどうい うものが何本あるのかを見ていただくということでございます。

(速水委員)

今の青木所長の言われたことはまことにもっともなのですが、これの評価で要請されて いることは単年度評価なんですね。つまり、制度が変わってスタッフもそれに従って通産 省、大学だけではなくていろいろなところから連れてきて充実させている初期の段階です から、レフェリー付きのパブリケーションがすぐ出てくるということは期待しにくい。そ れはよくわかるのですが、これが何年かたった段階からステディーに何本か平均して流れ ていくということは期待さるべきことだと思うのです。それはたとえ地方分権だって何だ って、いいものであればある程度出てくる。

ただ、すぐには出ないから、これの評価というのは一体どのぐらいのスパンで考えた評 価なのか。単年度評価であれば、何本というのはちょっと無理だと思うのです。 と同時に、何年かたって、なおかつ出てこないということであれば、これはやはり問題 にされるべきことだろうと思うのです。そこら辺のところを、この評価というのは一体ど ういうタイムスパンで考えているのか。そこら辺を決めていただかないと評価できない。

(森川室長)

制度論ですので私から答えます。最初にちょっとご説明しましたが、この独立行政法人 の評価というのは、基本は中期という期間を評価するという制度設計・思想になっている のです。この研究所で言えば中期計画は5年間ですから、5年間やってみて、その5年間 たった上で評価するというのが基本になっていると思います。

さはさりながら、法律上は年度の評価もするというようになっています。年度の評価と いうのは、財務諸表とか利益とかいったものも出てくるわけなので、実は独立行政法人制 度というのは研究所を想定しているというよりは、貿易保険ですとかいろいろなものの共 通なものをベースに制度設計・法律ができていると。

従って、中期計画の評価というのが基本なのですけれどもその中で毎年の評価もやって いただかざるを得ない、という制度設計になっていまして、この研究所のような性格の組 織の場合には1年ごとに評価をしていくというのは本当は非常に難しいと思います。ただ、 速水先生がおっしゃるように、ある程度流れてくれば、例えばレフェリーの意見を踏まえ て中で修正するという作業自身も研究活動の一部だというように考えれば、ある期間たっ てくるとそういったものがそこそこ出てくるということもあるのかなという気がいたしま す。

そういうことで、最初の1~2年というのは年度の評価というのは非常に難しいと思い ますけれども、さはさりながら、そういう制度設計になっていますので、無理を承知で可 能な範囲の評価をしていただくということです。

(藤垣委員)

我々はこの「資料9」に基づいてこれからどのようにやっていくかということを恐らく 議論しなければいけないと思うのですけれども、これは本委員会の方とかかわるかもしれ ないのですけれども本当に細かくした方がいいのか、この評価項目は妥当なのかというこ とを議論する上で先ほども議論があったこの評価結果、我々分科会として出したアウトプ ットが、最終的にどういうものであってほしいということで作業が進められているのか。 私は今年初めてでありますし、かつ、今日の議題(1)の皆様の議論を聞いている限りでは、 宮内分科会長は、それは給料に反映されるという形でティピカルに出るべきであるという 強い意見をお出しでしたし、シェアード委員からは評価のアウトプットというものの使わ れ方が他にもいろいろなあるはずだというような意見が出ました。

昔、政策研におりましたときに、各国の評価についての国際レビューを行ったことがあ るのですけれども、そのときに、イギリスというのは、評価というのはあくまでバリュー ・フォー・マネーです。お金に相当する価値があるかどうかを基準としてやっていると。 ところが、オランダというのはとても特徴的で、セルフインプルーブメントのために評価 を得るのだというのです。だから我々は、こういう評価細目を研究所の方がセルフインプ ルーブメントのための次なる目標を立てるために作っているのか、それとも独立行政法人 のバリュー・フォー・マネーのために細分化するのかによって今後の議論のもっていき方 がかなり違うと思いますので、その辺をお伺いできればと思うのですけれども。

(森川室長)

いろいろな目的があると思うのです。もちろん、評価というのは最終的な「A」とか 「B」とかだけではなくて、その中に、例えば13年度についても文章でいろいろ書いて あるわけで、そういったものを踏まえてみずからの業務を見直す参考にするということが あると思います。

独立行政法人の制度そのものができる前に、例えば平成9年の行革会議の報告の中で、 評価結果の反映というものをどのようにすべきかということが、基本的な全体の方針で書 いてあります。これに限られるわけではないと思いますが、中期目標、中期計画への反映 ですとか、トップマネージメントへの反映、それからボーナスみたいな職員の処遇への反 映というようなことが例示されています。

ですから、例えば中期目標とか中期計画への反映というのは、「A」だからどうする、 「B」だからどうするというものではなくて、定性的、定量的に指摘されたようないろい ろなことを踏まえてその業務自体の見直しをしていくというような思想があるのだろうと 思います。

ですから、ある特定の1つのことではありませんで、今、申し上げましたようなことが 制度上、評価委員会の評価の役割として期待されていることというのが、一応、制度全体 での整理ではないかというように思います。十分な答えになっているかどうかわかりませ んけれども。

(青木所長)

ご質問に対する答えはなかなか難しいのですけれども、私はどちらかというとイギリス 的な考え方に近いのです。ただし、政策研究というのは一種のパブリックツールですから、 特に短期の例えば不良資産をどうするかとか、マクロ政策をどうするか、これを研究して おられる方もおりますので、この研究所のラインに含めていいと思うのですが、もうちょ っと中期的な、例えばの話、大学改革をどうするか、地方分権の制度設計をどのようにす るか、あるいはビジネスに対しても例えば企業組織のアーキテクチャーに関する哲学とい うか分析的な考え方、実際にビジネスのコンサルティングなどをするという意味ではあり ませんけれども、そういうパブリックグッズとしての政策論議に貢献するということが、 税金をいただいて研究をしている以上この研究所のミッションではないかというように思 います。

それでは、単年度ごとにやっている研究が実際の政策の実施にどういう影響を及ぼすか というようなことで迫られるとなかなかしんどいところもあるのですけれども、大学改革 などに関しましても、独立行政法人化、非公務員化ということで、前身の通産研究所の時 代から研究所としてかなり取り組みまして、具体的にはそういう方向で進んでいるという こともありますので、3年とか4年とかいう中期的な、だんだんと、じわじわと効果を及 ぼすような政策研究に基づいてこの評価をしていきたいと。

(速水委員)

先ほどの話を蒸し返すようですけれども、制度の効果という話ですが制度の効果という のは、制度が変わったからといってその効果がぱっと出るものではないわけですね。制度 が変わることにおいてその運用をどう変えていくか、あるいはそれを通じてトップがどの ようにやるかだけではなくて、青木さんの好きな言葉で言えば、内部の人に対してノウム (規範)と言いますか、お互いに守り合うような原則とかいうものをだんだんと作ってい くプロセスを通じて、その制度の効果というのがだんだん出てくるのだと思うのです。で すから、制度が変わったから効果がぱっと出るということではなくて、その制度をいかに して効果あらしめるようにインスティーショナルアジャストメントと言いますかそういう のをやるというのが、ここの運営担当者の非常に大きな力だと思うのです。そういうもの を含んだ評価でないと、制度がぱっと変わったから出てきた効果というのを捨象してとい うことだと、ここからこう変わったという実際のここの人の努力は評価できないと思うの です。その制度をうまく使うようなその努力こそが、ある意味で一番重要な、ここの経営 者の方のやるべことだと思うのです。

そういう意味で、制度の変化の効果というものと、ここの内部の努力の効果というもの は分けることはちょっとできないのではないか、また、分けるべきでもないと私は考える のですけれども。

(シェアード委員)

付記事項(2)に関するコメントですが、幾つかの疑問みたいなものがあるのですが、1 つは、研究所の提言と結果というようになっているのですが、そもそも研究所の提言があ るのかどうかという点があると思います。この研究所の政策提言ということになりますと、 青木所長が当初からおっしゃられていることの1つとして、研究所そのものの提言という 形にしないで、各研究者が自ずから自分の努力と能力のもとにその政策提言をぶつけてい くという、非常に有機的、ダイナミックな形になっているはずです。その辺のことが今ま で継承されてきているかどうか。それから、独立行政法人のもう1つの委員会の方でそれ が十分理解されているかどうかというのが1点です。

それからもう1つは、政策提言が1つの目的である以上は、当然ながら、それを評価す るに当たって提言した政策が本当に実現したのか、これをチェックするのがもともとの話 のように聞こえるのですが、実際問題としてはこれを計っていくのは非常に難しいと思い ます。

政策提言は当研究所から出ているだけでなくていろいろなところからいろいろ出てきて いるわけです。それから「資料10」を見ても、特にホームページからダウンロードされ た論文件数が2万5,000件と、びっくりするほどの数字がダウンロードされております。 ですからいろいろな形で情報が浸透していて、いろいろな人たちによって評価されていろ いろな形で使われているだろうと。

ですから、聞こえはいいのですが、実際問題として、では、どうやって計っていくのか というのは大問題だと思います。

その1つの答えとしては、当研究所の顧客の1つである経済産業省の方の政策実施部局 に聞くということにはなっているのでこれが1つの出発点だろうと思いますが、研究所の 9つのクラスターと取り組んでいる研究の幅と、政策課題が多岐に亘っていることを考え ますと、政策提言が本省の方にどれだけ反映されたのかを中心に政策提言の影響、結果を 計ることは研究所の研究アウトプットの過小評価につながりかねないのではないか、とい う一種の危惧をもっているわけです。

もう1つ最後に、仮に政策提言を行って、それが政策の実行に全然反映されなかった場 合でも、果たしてそれが研究所のせいなのか、そのいい政策に関して聞く耳をもたなかっ た当局なのかということが1つです。

(宮内分科会長)

ひょっとして議論が佳境に入っているのかもわかりませんけれども、言うならば、この 特記事項、付記事項に対するご意見、評価基準の改訂、フォーマット等につきまして、い ろいろのご意見を頂戴いたしました。これをまとめるということは恐らく大変難しいこと ではないかと思っています。

それで実は本評価委員会が12月17日に開催されまして、この分科会を代表いたしま して私から、分科会の意見ということでお話を申し上げないといけないわけでございます けれども、どのようにまとめたらいいか、ちょっと見当がつかなくなってまいったわけで ございますが、いただきました原案に今日のご意見をどう反映していくかというのは大変 難しい作業でございますができるだけ反映させていただけるだけ組み入れまして、その評 価委員会でお話をさせていただきたいと思います。

それで、まだご意見があろうかと思いますので、それまでに、この部分はこういう意見 だということにつきましてありましたら、事務局の方にできるだけインプットしていただ きまして、少し手を加えましていい形に整えていくと。恐らく完璧にはほど遠いかもわか りませんけれども、少なくとも、今日、お出しいただいたものよりは評価し得る評価内容 にしていきたいと思うのでございます。まとめ方につきましては、時間もございませんの で、そういうことで私に一任させていただくということで閉めさせていただければと思う のでございますが、よろしゅうございましょうか。

<分科会委員から異議なし>

(森川室長)

事務的にいろいろな経緯がある話でございますので、このフォーマットあるいはパフォ ーマンス、評価基準につきまして、具体的にここをこうというのがございましたら、準備 の都合もありますので、できたら今週中ぐらいにお願いできればと思います。

(宮内分科会長)

最後に、これは評価される側の研究所からも、こういう形で評価してほしいということ について、引き続き、参考意見を頂戴できれば、その方がいい形のものができるのではな いかと思います。

そういうことでよろしゅうございましょうか。

それでは以上をもちまして終了させていただきます。長時間ありがとうございました。

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