経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第21回)‐議事録

小野会長
おはようございます。定刻になりましたので、第21回目の独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を開催します。
本日は、2回目の18年度実績についての報告です。前回1回やっておりますので、それに引き続いて、順序よく進めていきたいと思います。
それでは、本日の配付資料を事務局からご説明をお願いします。

高橋室長
午前中から、ご多忙のところありがとうございます。前回に引き続きまして、18年度のRIETIの実績についてのご報告をさせていただきたいと思います。
まず最初に、お手元の配付資料の確認をさせていただきたいのですけれども、お手元みていただきまして、配付資料の一覧がついてございますが、まず、資料1として1から3までがございます。こちらは、本日、尾高先生からご説明をいただきます通商産業政策史についての関連の資料が資料1、資料2、資料3とついてございます。
それから、資料2につきましては、今週の月曜日にRIETIの川本ディレクターからご説明いただいた資料と同じでございますけれども、先日、これの中の3つのテーマのうちの1つだけご説明をいただきましたので、本日は残ったところについてお話をいただこうということでございます。
それから、資料3ということで、業務実績の評価の進め方ということで、評価シートにまとめた形で入っております。これにつきまして、RIETI及び、一部私からアンケートのところについて後ほどご説明をさせていただきたいと思います。
あと、議事要旨につきましては、運営規程の定めに基づきまして、適宜公開をさせていただくことになっております。ご承知おきをいただきたいと思います。
以上です。

小野会長
ありがとうございます。
それでは、早速、議事に従ってまいりたいと思います。最初は、通商産業政策史の実施状況ということで、尾高先生からご報告をお願いいたします。

尾高編纂主幹
おはようございます。それでは、説明をさせていただきます。
RIETIでは、昨年度から、全体で5年の計画で、ここにお示ししました通商産業政策史の編纂事業を始めております。
その目的は、いろいろありますけれども、主なものは、通商産業政策の歩みの正確な認識をする。もう1つは、政策のあり方についての国民的議論を喚起したい。最後に書きましたけれども、現代の、あるいは将来の通商産業政策立案のための参照資料としたいということであります。
政策史の中身の概要なのですが、実は、ご承知かもしれませんが、第一期の通商産業政策史というのができておりまして、これは1945年から79年までをカバーして、17巻構成のものでございます。現在、編纂しつつありますのは、その第二弾といいますか、その続きの政策史をつくりたいということでございます。
実はここに関連の資料がございますので、ご関心があれば後でごらんいただきたいと思いますけれども、昔、上・中・下3巻の商工行政史というのを通産省がつくっておりまして、その後で、24巻の商工政策史というのがあります。ここに書きました第一期政策史というのは、この2つの書物の続編のわけです。つまり、商工省の時代に2つの印刷物ができて、通産省になってから、ここにあります通商産業政策史17巻がつくられたということです。そのように最初から数えると4回目の政策史をつくるということをやっているということになります。
今回の対象期間は、ここにありますように、1980年から2000年。「±」と書いてあるのは、歴史を書きますときにはどうしても昔を振り返ることがありますし、ここに書かれた立派な政策史の中身についても再評価をする必要があるかもしれません。それから、2000年に限らず、政策の内容によっては少しはみ出して対象にする必要があるかもしれないということで、1980年からの20年間を主な対象とするけれども、必要に応じて、その前後にも筆が及ぶことがあるということであります。
内容は、さっき申した目的と関連がありますけれども、通商産業政策の正史としての記述をしたい。しかし、それだけではなくて、この期間の施策、政策の分析とその評価も試みたいと思っております。一貫して読めるような、ただの記述ではなくて、難しいけれども、できるだけ読者が興味をもって読んでくださるような書物にしたいと思っています。 では、なぜ今編纂する必要があるかということなのですが、実はこれは、さっき申した、前回の隅谷先生を委員長とする17巻の政策史がつくられました直後に、その後続いて編纂したいということが議題になっておりまして、そういう意味では、かなり前から懸案事項だったわけでありますけれども、とりわけ今現在この編纂をすることの意味は、ここにあるような4つの事項が特に大事なことではないかと思います。
ご承知のように、日本経済は、1980年代から90年代にかけて、それまでアメリカやヨーロッパの後を追いかけてきた経済成長が、一応とにかく世界のフロンティアに飛び出して、自分でこれからどのような成長をしていくか、あるいは経済厚生を高めていくかということを考えないといけない時代に来たと思います。技術革新についても同じことがいえると思います。そういう意味で、経済政策、あるいは通商産業政策の上でも新しい時代に入ったと考えられると思うのです。そういうことを含めて、国内・国外のマクロ経済環境が変化したということが1つ大きくあります。
それから、いわゆるグローバリゼーションが進展して、その中での日本経済のあり方を考えないといけない時代になってきたということが大事な1つの考慮の事項かなと思います。
それから、ご承知のように、政府の役割も、そういう新しい時代環境の中で変わってきたし、変わっていかざるを得ないし、また、日本国民の期待も変化しつつある、評価の目も厳しくなりつつあるということだと思うのです。そういう中で、政策史をまた新たに考え直すということが大事だろうと思います。
最後に、地球環境問題、あるいはエネルギーの問題が深刻化してきておりまして、通商産業政策もそれと非常に大きくかかわる部分がありますので、その点からも、今、政策史を考えるということは大事であり、また必要であろうと思います。
書物としてのスタイルも、論文集ではなくて、こういう政策史なり社史をつくりますときには、たくさんの方々に協力をお願いする必要があるところから、なかなか難しくて、必然的にというか、論文集というような形になりやすいのですけれども、今回はできるだけ論文集ではなくて、さっきも申しましたけれども、一定の流れのある、読みやすい、単著的なものにしたい。
それから、政策の結果とか、その結果に対する反応だとか、そういうことだけではなくて、どうして特定の政策ができて、それがどのように推進されたかというような政策をめぐる背景についてもできるだけ配慮をしたい。
国内の読者だけでなくて、海外の読者にも発信するような内容にしたい。実は、先ほど申しました前回の政策史は、第1巻の「総論」のところだけですけれども英語になっておりまして、それから、全巻中国語に翻訳されておりますので、同じようなことが今回もあることを期待して、海外の読者についても配慮をした内容にしたいということがもう1つあります。
もっと技術的な内容は、商業出版ベースでやりたい。要するに、商業出版してペイするような内容、あるいはスタイルのものにしたいと思っています。読者対象も、研究者とか政策を担当なさる方々だけでなくて、一般の読者が手にとって、気軽に読んで批判をしてくださるようなものにしたい。12巻構成を考えておりまして、先ほどの趣旨からして、1冊ごとに、興味のあるところをお買い求めいただけるようなスタイルにしたいということを考えています。A5判で横書き、 400ページ±ぐらいで、索引つきのものにしたい。
そういうことで、イメージとしてはこういう本になって、これをごらんになると、そんなに気軽に読めないじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれども、前回のああいう大判のものでなくて、少なくともこういう普通の学術書スタイルのものにしたいと思っております。厚さもこのぐらいになるかなと思います。これを12巻のものにしたい。ついでに、これは前回の隅谷先生が編集された17巻の政策史の英語版であります。
内容構成とそれぞれの巻の担当者といいますか、分科会長と呼んでおりますけれども、実際には、書物が出るときに、編者の一人になる方々の名前と、それぞれの巻のタイトルを、少し小さくて読みにくいかもしれませんが、ここに記しました。
1巻が「総論」。2巻が「通商政策・貿易政策」、これは阪大の阿部さんに分科会長をお願いしています。3巻が「産業政策」、東大の岡崎さん。4巻が「流通政策・消費者行政」、関西学院大学の石原さん。5巻が「環境・立地保安政策」、東大の武田さん。6巻が「基礎産業」。基礎産業というのは、鉄鋼とかその他重要な産業をカバーするわけですが、首都大学東京の山崎さん。7巻が「機械・情報産業」で、青山学院大学の長谷川さん。8巻が「生活産業」で、法政大学の松島さん。9巻が「産業技術政策」で、阪大の沢井さん。10巻が「資源エネルギー政策」で、この4月から一橋に移られました橘川さん。11巻が「知的財産政策」で、東大の中山さん。12巻が「中小企業政策」で、同志社大学の中田さん。そういう12巻構成でつくりたいと思っておりまして、ごらんのように、12巻それぞれをリードしてくださる方々は、恐らく現在、日本で求め得る最高といいますか、最善の歴史家、あるいは経済専門家、または11巻のように特許に関する専門家の方などをお願いしております。
編纂委員会は、非常にたくさんになりますので、全員書いてありませんけれども、その中心になります幹事役の4名、私のほかに、中田さん、松島さん、武田さん。それから、今ご紹介した各巻の執筆責任者といいますか分科会長と、経済産業省の代表の方を包含した編纂委員会で、全体のとりまとめをしたいと思っております。
お手元に縦書きの数枚のメモがありますけれども、実は、たくさんの方にお願いして編纂事業に当たりますので、関係してくださる方々の目的意識をできるだけ共通にしたいということで、僭越なのですけれども、私がマニフェストを書きまして、そのマニフェストをお手元にお配りしたわけであります。今私が口で申しましたことを少し詳しく書いた程度のことが中に書いてあるわけであります。
現在進行中なのですけれども、ようやく第1年度目が過ぎまして、今ご紹介した執筆者の顔ぶれがほぼ全体決まりまして、その中身ですね、スケルトン、つまり各巻をどういう構成でどういう議論をしたいかという、その予定を今つくっているところであります。
その執筆構想が間もなく決まりますので、内容とか目次などを討議する機会を7月に設けるつもりです。実はもう予定も決めまして、日程も決まっております。それが確定しましたら、研究調査を開始する。実は、巻によっては既に研究調査を進めていらっしゃるところがたくさんございます。およそ2年をかけて研究調査をして、2009年の夏ごろには草稿披露のセミナー、合宿をやりたいと思っておりまして、そのまた翌年、2010年には最終原稿を一応書いていただいて、編集作業を開始したい。2011年には、その成果をとりまとめて、できたら国際研究集会のようなものを開催して、相互に、あるいは国内・国外の議論をした上で、最終の出版をする。あるいは、最終の出版と同時に国際研究集会をすることになるかもしれませんけれども、そういうスケジュールを考えているところであります。
簡単ですけれども、以上、趣旨と内容、予定等の説明をいたしました。

小野会長
ありがとうございます。今お話がありましたので、ご質問その他ありましたらお聞きしたいのですが、少しお伺いしていいですか。部数はどのぐらいになるのですか。

尾高編纂主幹
事務局でディレクターをやっていただいております宮本さんにお答えいただきましょうか。

宮本編纂ディレクター
先ほどご紹介ありました第三期のときは 1,500セットを販売いたしました。今回は、これも先ほどご説明ありましたように、もう少し一般の方に読んでいただくということを考えてやりますので、 1,500を大幅に超えることを目標としておりますけれども、具体的な数字はもう少したってから考えてみたいと思っております。

小野会長
最近は、企業の社史を編纂するようなときには、ほとんどCDにしてしまうんですね。そういうことのお考えは今ありませんか。

尾高編纂主幹
それは今まだ具体的に考えておりませんけれども、十分に考慮に値することかなと思います。

小野会長
CDにしてみてもらうほうがより広くみてもらえるように思うんです。できればその中に動画を入れてもらって。動くというのはマンガチックな世代には受けがいいということなので。これだけ積まれちゃうと、ちょっと重いなという感じがします。

尾高編纂主幹
それは十分考慮させていただきます。ただ、1つの問題は、磁気媒体にしますと、技術革新の進行とともに、そのままでは読めなくなりますので、例えば図書館などにはハードスタイルの、つまり書物のスタイルのものも入れておきたいという気がいたしますので、その辺は少し工夫しないといけないかなと思います。

小野会長
どういう人をお客様にするかということで、図書館に置くのであれば本の形がいいとしても、一般にみてもらうのは、もう少しみやすい、できれば最近はマンガが一番いいらしいんですけれども。

尾高編纂主幹
わかりました。マンガは僕らの苦手とするところかもしれませんが、ちょっと考えさせていただきます。

小野会長
あと、こういう書物は、こういう事実がありました、こういう政策をつくりましたということが、やや総花的に書かれていくのですけれども、そこは余り読まないですね。エピソードみたいなのがコラムにあって、この人はこんなことがあったとか、こういう事件があったとか、こういう逸話があったとか、裏話的なエピソードみたいなのが割に読まれるんじゃないか。そういう意味では、中に、そういうコーヒーブレイクタイムを盛り込んでいただくといいんじゃないかという気もしますけれども、いかがでしょうか。

尾高編纂主幹
考えさせていただきます。実は、さっき、政策の結果だけでなくて背景も考えたいといったのは、おっしゃるようなことを私も考えたことからそういうことを申しました。それも研究したいと思います。
ただ、これは一応括弧つきですけれども、経済産業省の正史として編むわけで、そういう理由があるからこそ、税金を使って編纂事業をやっているわけでございまして、そうしますと、個人の名前をどの程度まで公表できるかということについてはいろいろ制約もございます。特定の方だけをコラムに載せたのはなぜかとか、そういうあり得べき批判に対しても答えられるような形にしないといけないとか、実は私自身が思っていたよりも難しい事情があるようなので、今のご発言、十分研究したいと思いますけれども、そういう制約もあるということも承知しないといけないかなと思います。

小野会長
それと、海外の読者に、中国版と英語版が用意されていくと思うのですけれども、日本がとってきた産業政策を一番勉強したいといっておられるのは、海外のそういう政策をつくられる方が、日本の独禁政策というのはどうなっているのだろうとか、そういうことを求められるケースが多いように思うんですけれども、そういう意味では、お客様がどこにおられるのかということなんですが、日本型の産業政策ということを今後活用される国を少しお客様の中にイメージしていくといいかもしれません。

尾高編纂主幹
それも既に考えつつございますし、十分考えたいと思います。ただ、12巻全体を英語とか中国語にする予算的な余裕があるかどうかは、また別途考えないといけないと思いますけれども、少なくとも全体をまとめて1巻を英語にする程度のことはやりたいと思います。

小野会長
小笠原さん、どうぞ。

小笠原委員
2つありまして、先ほど委員長からお話ありましたけれども、12巻というのは非常にきつい。ただ、総括的には把握したいという読者に対して、ダイジェスト版みたいなのは……。かいつまんで、いわゆる一般の読者、ユーザー向けにと、そのようなことの企画というのはないのかなというのが1つです。

尾高編纂主幹
これも事務局に答えていただいたほうがいいかもしれませんが、総論を書きますときに全体の総括をすることはいたします。それから、各巻に概説をつけておりまして、概説の中でその巻の内容についてまとめるということは必ずやると思います。ただ、12巻を全体ダイジェスト版をつくるかどうかということはまだ議論しておりませんので、それが望ましいというご意見であれば、それも考慮をする必要があるかなと思いますけれども、宮本さん、何かありますか。

宮本編纂ディレクター
あと4年かけていろいろ議論をしていきますので、その中で、そのご提案も検討してみたいと思います。ただ、おっしゃるとおり、全体の総論というのは第1巻にありますので、読み物としては……

小笠原委員
そちらに凝縮されると。

宮本編纂ディレクター
というふうになると思います。
それから、もう1点、全部読むのは大変だということからだと思うのですけれども、先ほど先生からもお話がありましたが、前回と異なるのは、今回のは分冊スタイルにしようと思っております。前回も17巻という分冊ではございますけれども、前回は時系列で分けております。したがって、一応全部買って読まないとみたことにならないということなのですが、今回はセクターごとに分けておりまして、例えば、ある業界の方の関心というのは特定の巻に集中するわけです。したがって、今回は12巻全部積まないと読んだことにならないということにはなりませんで、例えば、エネルギーだけに関心がある方は第10巻を1冊もっていただければいいということです。かつ全体であれば1巻の総論と10巻ということで、余りうずたかく積むことにはならないと思いますので、その点は前回とはちょっと違うかと思います。

小笠原委員
もう1点は、編集作業とかそういうプロセスのところで、これを正史でまとめられるということですから、内側からの視点だけではなくて、海外からどのようにみているかというか、一たん草案を出されたときに、実際に海外の目からみて本当にこれが正しいかどうか、そういう検証をするようなプロセスというのはあるのですか。

尾高編纂主幹
それは大変鋭いご指摘ですね。とりわけ通商政策に関しては、日本の国内にある資料だけでなくて、執筆あるいは調査の段階で海外に出かけて、海外の文書、そのほか担当者に面会するとか、そういうことをしたいと思っております。
最後にご紹介した、一番最後の段階で国際研究集会をして内容を討議したいと申したのも、今ご指摘の趣旨に一部合っているところがあるかと思うのですけれども、今おっしゃった、編集作業の中身にも海外からどなたか専門家を招いてということは、今の段階ではまだ考えていません。しかし、そういうことも十分考えたほうがいいかもしれませんね。考えさせていただきます。

古城委員
この第一期の政策史ができた後しばらく間が空いているので、私も、海外の人に、この後出てないのはどうしてかと聞かれたことがあるんですね。ですから、これが出るのは、海外でも研究者レベルではすごく歓迎されることだと思うのです。ですから、ぜひやっていただきたいと思うんですが、そうすると、正史として、オフィシャルなものとしての位置づけと、それから国民的な議論を喚起するというと、どうしても二律背反みたいなところが起こってきて、正史だと、割ときっちり書かなければまずいというのがありますけれども、先ほどみたいに、国民がそれを読んで議論を喚起できるかというと、そこのところはちょっと難しいと思うんです。
先ほど、委員長のほうから、マンガとかいう案が出ましたけれども、そういうふうにするのはかなり難しいと思うんです。ですから、何らかの形で、正史をつくった上で、PR――これを出すに際して、このような形で編みますというのを少しPRするとよろしいのではないかと思うんです。ひっそり陰に隠れてオフィシャルなものを編んでいたというのではなくて、いろいろな媒体で宣伝していただくといいのではないかと思うんです。

尾高編纂主幹
宣伝は、できてからやった方がよろしいですか。それとも、今からやったほうがよろしいんでしょうか。

古城委員
私も宣伝の専門ではないので、どのあたりが効果的かわかりませんが、やっていただくといいのではないか。

尾高編纂主幹
確かに正史としての性格と、それから批判とか分析とかをする視点とがぶつかる可能性がある。その辺が一番勝負のしどころかなと思っておりまして、編纂の事業の途中、あるいは最終時点で、本省のほうからいろいろ専門家に来ていただいて、正史として序列が間違ってないかどうか、あるいは政策の実態が正しく書かれているか、反映されているかどうかということは検討するつもりでおります。しかし、最終的な執筆の責任は編纂委員会でとることにしておりまして、その辺、実際には難しいやりとりがあるかなと思っているのですけれども、できるだけ執筆者の意向も尊重した正史にしたいと思っております。
ただ、おっしゃるように、そうはいいながら難しいことは事実なので、一番好ましいのは、正史は正史で、それをもとにして、一般の研究者もしくは専門家が、彼もしくは彼女の立場から一つの政策史をまとめてくださるというようなことをすると、本当に国民的な議論が喚起されることになるかもしれませんね。そういう刺激を与えるような書物にしたいと思いますけれども、これはやってみないとわかりませんので、できるだけ心がけますけれども、最終的にどうなるかは、できるだけご期待に沿えるようにしたいという以上のことは今はちょっと申し上げられないと思います。

小野会長
大変な作業で、ご苦労さまですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

尾高編纂主幹
ありがとうございます。今後もどうぞお導きくださるようにお願いします。

小野会長
尾高先生、どうもありがとうございました。
それでは、経済産業研究所のほうから、研究成果の普及、国際的な展開という残っておりましたテーマについて、川本さんのほうからお願いします。

川本研究調整ディレクター
研究調整ディレクターの川本でございます。月曜日に続きまして、お話しさせていただきます。
研究運営上の諸課題ということで、月曜日は、私どものほうで課題を大きく3つに分けたうちの1つ目の「政策インパクトのある研究は十分できているか」という点についてご議論いただきまして、大変有意義なご意見をいただきまして、ありがとうございます。本日はその後半ということで、ここにありますように、世界的な研究ネットワークへの参画は十分か、それから、RIETIの研究のクライアントは明確になっているのか、あるいはその視点から運営されているのかどうかというようなことについて、月曜日に引き続きまして、私どもの悩んでいる、あるいは努力しているところを含めてご紹介をいたしたいと思います。
まず、課題2ということで、世界的な研究ネットワークへの参画は十分かという点でございます。問題意識と申しますのは、私どもは、RIETIという日本の経済に関する研究機関の中である意味で非常にユニークなポジションにある研究所として、世界的に顔のみえるような研究機関になっているかどうかというのは私どもの1つの目指すべきゴールでありますが、その意味で、先端的な経済のいろいろな研究のネットワークの中で我々は十分そういったレピュテーションなり役割というのを果たしているのだろうかという自問をいつもしておるということであります。
それで、8ページでちょっとご紹介させていただいておりますのは、日ごろの我々の問題意識でございます。あるいは認識として 100%正確かどうかという点はございますが、あえてご説明をさせていただきますと、こういった経済に関する研究ということで、特に我々の力を入れています政策に関連する研究ということで考えてみますと、やや時代をさかのぼり、1980年代までの状況を少し思い起こしますと、日本がアメリカに挑戦する経済的なパワーとして台頭したという時期でございまして、日本の市場の閉鎖性とか、日本のさまざまな経済運営に関して、アメリカやヨーロッパの、いわゆる政治のレベルだけではなくて、研究者のレベルからも大変強い関心を巻き起こし、かつ、それが日本のほうの研究者の方々の反応もさまざまな形で巻き起こし、ある意味で一種の知的な競争状態という状態であったのではないかと思われます。
以前この研究所の所長を務められました小宮隆太郎先生などが盛んに参画されたような経常収支のバランスの問題とか、そういったものを初めといたしまして、大変多面的に日本の経済というものに対して欧米の研究者の方も本気になっていろいろな研究をするという状況があったのだろうと思います。
それが、90年代以降、これは徐々にということであろうかと思いますが、1つは、そういった貿易摩擦問題が実態として後退をしてまいります。実際にアメリカ、ヨーロッパとの間で、経済産業省の状態をみても、1990年中ごろぐらいまでは大臣レベルで非常に激しい交渉を行ってきたのが実態だったと思いますが、現時点でみてみますと、いろいろな理由でそういった状態にございません。これは摩擦問題ということからすれば、喜ぶべき問題でございます。
もう1つは、日本経済自身が、少なくとも90年代のポストバブルの経済停滞の状態という中で、さらに最近における中国経済の台頭といった事態のもとで、相対的に地位が縮小してきた。引き続き日本経済は世界のセカンド・ラージェスト・エコノミーであるという実態は変わっておりませんけれども、少なくとも、世界の目からみますと、相対的な地位は低下しているということだろうと思います。
そういった状況で、私どももワシントンの経済産業省の方などとも話す機会がございますけれども、日本に対する関心というのは、ワシントンのようなところではプレゼンスが小さい。先方の関心も低いということもありますし、日本からアメリカやヨーロッパへ渡って日本の現状なりを議論するという方々の数も、一時に比べてかなり限られてきているというような状況があるということが現地ではいわれております。
日本経済は、ここ数年回復の兆しをみせておりますけれども、知的な状況を顧みますと、そういった状況は基本的にはなかなか変わっていないのではないかというのが、日ごろ私どもがもっている問題意識でございます。
もちろんこれは先生方のほうがご専門でございますけれども、社会科学の研究分野で申しますと、米欧が理論面でも実証面でもリードをしているというのは事実であろうと思います。したがいまして、もちろんこれはRIETIだけが国際的によりプレゼンスを高めるということで解決できる問題ではとうていございませんけれども、RIETIの置かれているユニークなポジション、あるいは研究者のネットワークということを考えますと、1つのそういう知的なバキュームの解消に寄与していく有力な担い手になり得るのではないかということを考えておる次第でございます。
具体的にどういうアクションをとっていけばいいかということを、この1年ぐらい、中でもずっと議論をしてまいりました。もちろん翻ってみますと、いろいろな形でご紹介させていただいております政策シンポジウムなどでも、必ずといっていいほど海外からのスピーカーの方、それも第一線級の方に参加してきていただいておりますし、RIETIでファカルティフェローとして研究を担っていただいている研究者の方々というのは、日本の中でも最もすぐれた方々と私どもはおつき合いさせていただいているというように自負はしております。したがいまして、個々の研究者の方々のネットワークというのはみるべきものがあると思います。
ただ、やはり私どもが反省しなければいけないのは、RIETI組織として、我々が相手とすべき海外の機関とどれぐらいきちっとおつき合いができているかということを顧みますと、そこはこれまで少し弱かったのではないかというのが問題意識としてございます。
そうはいいましても、アクションとしてどういうことをしていけばいいのかということで、あと、RIETIは国際的な専門的な大きな部門を抱えるほど大きな世帯ではございませんので、これまで、そういったことも少し考える中で、ややアヒルの水かきのような部分もあるわけでございますけれども、特にことしの2月以降、マネジメントがイニシアチブをとって、欧米の先端的な大学やシンクタンクとの組織としてのコンタクトを開始しているというのが実態でございます。
具体的には、私がアメリカに1回、ヨーロッパに1回、それぞれ1週間ぐらいずつ出張いたしまして、ここにありますような、ワシントン、ボストン、ロンドンといったところを訪問してまいりました。ワシントンですとブルッキングスですとかIIE、AEI、ヘリテージ・ファウンデーション等々のシンクタンク、ボストンのハーバード、MITといったようなところの指導的な研究者の方。それから、ロンドンは、ヨーロッパの研究機関として、CEPRという、特に経済政策を中心とする 800人くらいのヨーロッパの研究者のネットワークをもっていて、大変多数のリサーチペーパーを出しておりますシンクタンクがございまして、そこの本部にまいりまして、そこのプレジデント、あるいはCEOに会って、いろいろ議論をしてまいりました。正直なところ、そういったコンタクトを開始したというのが実態でございます。
今後どういうことから具体化していくかということなのですけれども、1つは、ここにありますように、ハーバード大学というのを1つの焦点としてもっております。もちろんアメリカも、先生方ご案内のように、ハーバードだけではなくて、シカゴとか、カリフォルニアのバークレーとか、さまざまあるわけでございますけれども、何はともあれ、少し具体的に話をしていくということで、まずは少しきっかけがございますハーバード大学でいろいろな研究者の方々と対話していこうということを始めようとしております。
具体的にそのステップとして、日本人でハーバード大学のケネディースクールにシニアフェローで行っておられる方がいらっしゃいまして、その方にリエゾンオフィサーのような形で正式に契約関係でお願いをして、RIETIで起こっている研究とのリンク、現場でのインターフェースを担っていただこうということを開始しております。
それから、経済産業省からさまざまな形で海外に駐在している方がおりまして、もちろん基本的にはボランタリーなベースでの協力になるわけですけれども、RIETIの代表としていろいろなときに手伝っていただくというようなネットワークも少しずつ強化しようということで、そういう方々も少しアイデンティファイしつつあります。
それから、私ども、もともとRIETIの英文のニュースレターというのを発行しております。ただ、これのターゲットとか内容につきまして、現在ちょっと見直し作業をしております。それから、アウトリーチをする研究者のコミュニティにちゃんと届いているかというところももう少し見直そうと思っておりまして、ニュースレターなどを通じた日常的なコンタクトも強化したいと思っております。
こういったコアとなるコンタクトポイントを強めながら、これから、私どものほうから少しイニシアチブをとって、国内でいろいろなRIETIのプロジェクトが走っているわけでございますし、それから、BBLというスピーチをしていただく機会もございます。できるだけたくさんそういった機会をつくって、海外からそういったネットワークを通じて研究者に来てもらって、研究活動等に参加してもらうということをやっていきたいと思います。
これは、そういう意味で少しマネジメントとして刺激を与えるという意味で努力をしなければいけないところかなと思っておりますし、さらに、いろいろな形での海外とのつながりというのはあり得ると思っておりまして、例えば、ハーバードの一線級の若手の研究者の方をRIETIに短期間、1ヵ月でも2ヵ月でもいいのですけれども、ステイしていただいて、いろいろな研究者との対話とか、関心をもってもらうというような客員研究員としての招聘、こういったことも考えていきたいと思います。
できればこの1年ぐらいはそういうことでいろいろな形でネットワークを強めてみて、うまくいきそうなところを探し出して、来年あたりからは、共同研究のプロジェクトみたいなものがもしできれば、非常にいいのかなと。これは私どもの心の中だけで思っていることでございますが、そのように考えております。
もう1つは、こういったネットワークへの参画を強めていくという意味で、形の上でも、海外の研究機関なりとのきちっとした形が何とかしてできないかなということは別途考えようと思っておりまして、海外の指導的な研究者の方と定期的におつき合いできないかなということも今後考えていきたいと思っています。これはまだまだこれからの議論でございます。将来の問題としてそういうことを考えております。
以上が海外の研究機関との関係ということでございます。
次の課題が、クライアントが明確になっているかということでございます。これは、私ども日ごろ研究を運営していく上で、我々は最終的に国民の中でどういう層に働きかけ、訴えかけていくのか。RIETIのアウトプットというのを、どういう人たちをターゲットに研究成果を伝えていったらいいかというのが1つの大きな関心でございます。
その場合、コアのクライアントとしては、ここにありますように、我々は政策の形成にどうやって有益に貢献できるかというのが組織の一番大きな目的かと思いますので、政策の当局者、あるいは政策に関心を有する経済関係者、専門家、学者の方々、こういった方々が我々のクライアントだということを考えております。
ただ、その層に働きかけをしていく際に、大きく分けて2つぐらいの問題点に常日ごろぶち当たっているということでございます。
1つは、私どもが研究プロジェクトで、RIETIの貴重な成果として考えていますディスカッションペーパー、論文につきましては、研究者の方々がきちっと客観的なデータをもって書いていただくということでございますので、大変専門性が高いということでございます。そういう意味では当然でございますが、他方、政策に実際に携わっている方々、あるいは議論に参加している方々というのは、必ずしも学問的な専門性を有している方だけではないということで、できるだけ議論を巻き起こしていくというのが重要かと思いますが、ディスカッションペーパーだけですと、潜在的な関心層になかなかアピールできないというのが構造的な問題点としてございます。
それから、もう1つの構造的な問題点として私どもいつも反省をしておりますのは、もちろん研究者の方に研究をお願いしているわけでございますけれども、テーマの設定、あるいは研究の手法自体、研究者の方をDPの供給者ということで考えますと、やはり供給者の側にやや偏するという傾向がどうしても出てまいります。それを受ける側の、私どもが最終的に訴えかけたいクライアントの視点というのが、最初から研究テーマの設定、手法に入っているのかというところが、私どもいつも考えさせられるところでございます。
そこで、そういった問題点を踏まえて、幾つかの点で努力をしておりますので、それを紹介させていただきまして、私のプレゼンを終わらせていただきますが、1つは、専門性の高いディスカッションペーパーの内容をどうしたら幅広い読者層に紹介・普及できるかということをしばらく検討してまいりました。
前々回のこの場でもご紹介したようでございますが、きょう再度配らせていただいていますが、リサーチダイジェストというものがございまして、つくり方を簡単にご紹介いたしますと、むしろクライアントという受け手の側からディスカッションペーパーの内容を紹介していただくという趣旨でございます。
具体的にどうしているかといいますと、外部のライター、特にジャーナリストとしての経験のある方なのですけれども、そういう方がディスカッションペーパーを書いた研究者の先生方にインタビュー形式で論文の内容をお伺いするという形でダイジェストをつくっております。当然、内容としては論文の内容がかみくだかれて、グラフなども交えながら紹介されているということでございまして、これまで5つほど、ディスカッションペーパーの紹介をさせていただいています。こういったものをこれから少しふやしていきたいと思っております。それが1つの取り組みでございます。
もう1つは、テーマ設定ですとか研究手法そのものについて、政策当局というクライアントの重要な役割を果たす方々の参加を早目の段階でいただいて、そこで、研究プロジェクト自身もクライアントのニーズに合う形で進めるというようなことを努力しております。これは、さまざまな形で、政策領域の責任者、ドメインごとに決めて、対象をはっきりさせるなどの形で、政策当局からの研究プロジェクトの早い段階での参加というのがかなりふえてきておりますが、我々としては関心のある方をできるだけ発掘して、研究プロジェクトの中に入ってきてもらうという努力を続けたいと思っています。
3つ目ですけれども、シンポジウムの開催に当たりまして、これまでややこういう面が弱かったという反省のもとにやっておるのですけれども、もともとシンポジウムの開催自身も、新聞社と共催する、あるいは、そうでなくても、新聞社の後援を得て、できるだけ幅広い参加、あるいはアピールといったことができるようにしたいというのが最近の取り組みです。
最後に、研究の手法でも、例えばコーポレートガバナンスの研究をするといったときに、ややもすると、専門家の研究者の方々が集まって研究会で研究するということで研究が終始してしまうということですと、実際に企業の現場でいろいろな実態を踏まえて対応されている方々の問題、関心になかなかビビットにこたえられないということもございます。
こういったものをどういう形で取り入れるかということなのですが、これもうまくいくかどうか全くわかりませんけれども、今、1つの試みとして、企業現場の方に、インターネットでの投稿などを通じて、我々からも研究会の状況をできるだけリアルタイムでシェアしてもらう。それに対する反応をできるだけいただいて、研究を少しガイダンスしていくというようなことを始めております。
ここら辺はややアドホックなアプローチで、いろいろな場面で考えながらアプローチをしておりますけれども、またこの場でもいろいろご意見をいただければありがたいと思っております。
ちょっと長くなりましたけれども、課題2、課題3につきましてご説明いたしました。

小野会長
ありがとうございました。川本さんのほうから率直な、足らざるところ、こういうところをこういう努力をしているというような、課題2と課題3の話がありましたので、若干質疑を行いたいと思います。

古城委員
課題2のほうの研究者のネットワークの件で質問させていただきたいのですけれども、今、組織的なつながりを模索している段階というようにおっしゃったのですが、組織としてつながりをもつ、その目的といいますか、組織につながりがあることがどういう点でよいのかというところはどのようにお考えでしょうか。研究者個々でネットワークをするよりも、組織として密接な関係にあるのがよいと思われるのは、どのような目的にとってよいとお考えかというのをちょっとお聞かせください。

川本研究調整ディレクター
基本的には、それぞれの研究プロジェクトがより質が高まっていくというのが一番いいことだろうと思っております。
それは、それぞれの研究者の方にお任せすれば、あるいは一般的に先生方にお願いするということで、もちろんある程度済む部分があるかと思いますが、最初に私、課題のところでご説明した背景のところに戻るのですけれども、全般的な状況をみますと、自然発生的に今進んでいるネットワークだけですと、やはりまだまだ弱いのかなというのが――間違っているかもしれませんが、私どもの意識でございまして、これは永続的にマネジメントがやっていくということではないかもしれませんが、少なくとも現時点では、組織としてのつながりを強めるということがプラスになるのではないかと思っております。

小野会長
ちょっとコメントさせていただきますと、我々、製造の技術というようなものを海外に指導するんですね。そうすると、中国でも韓国でも同じようなんですけれども、技術が個人に所有されてしまうんです。ですから、その個人がいなくなってしまうと、技術は残らないわけで、何回も同じことをやらなければいけない。
日本の技術というのは、全部組織に残っています。個人がいなくなっても、必ず残る仕組みになっていますけれども、よその国はほとんどそういうのがないみたいなんです。日本だけが残っているんです。日本とドイツと、2ヵ国ぐらいは残っていて、あとはみんな人とともに消えていってしまう。そのぐらいですから、こういう部隊も、やはり組織とつながって、中は入れかわっていくわけですけれども、定期的なレビューの会合をするとか、そういうつながりをつくっておくことが、相互の信頼関係みたいなものを高めていく価値があるのではないかと思いまして、私はこれ賛成なんですけれども。

古城委員
私も賛成なんです。それで、もう1つは、先ほど前提でおっしゃったように、90年代に入って、日本への関心がすごく少なくなって、研究の層もだんだん薄くなっているというのがありますので、こういうところで組織的に、日本の政策に対して関心をもつ人、正確な知識をもつ人を育てるという意味が、この制度的なものには求められているものじゃないかと思うので、そういう知的関心層を育成するというか、日本に呼んでシンポジウムに参加してもらうとか、そこの研究所に行けばそういうルートがこことつながっているというような形にしておくという意味では、それが一番重要なのではないかなと思うんです。

小笠原委員
私もこの点に関して少し突っ込んだお話をさせていただきますと、普通の企業社会ですと、お互いがお互いの技術なり成果をシェアし合うというときには、相手側も欧米の国ですから、契約というか、こういうノウハウ、こういう技術はこういう形で秘密保持をしながらやりますよとか、そういう取り決めがあると思うのですが、そういうのは実際に現場であるのかどうかという話。
あと、実際にそういう形でお互いにこういう約束でやりましょうということで始まったときに、成果が出ると思うんですが、その成果については、うちのものなのか。やっぱりおれのものだといわれてもっていかれてしまうのか。そういった内容というのは具体的に踏み込んでやってらっしゃるのか。どういうご予定なのかというのをお聞かせいただきたいと思います。

川本研究調整ディレクター
私だけで答えられるかどうかわかりませんけれども、補足していただければと思います。
今の段階で、小笠原先生おっしゃっているような、海外の研究機関と契約関係で共同研究をして、知的財産権の帰属が問題になるほどの深い共同研究というのは、まだ実態としてはできておりません。
当面、私どもが考えておりますのは、先ほど申し上げましたようなシンポジウムだとか研究会にどんどん来てもらって、それで話をしてもらうということでございまして、その場合、当然、来ていただいたときに、交通費ですとか、プレゼンテーションしていただいたところに対する謝金ですとか、そういったことはきちっと契約的な義務を果たすということはしております。
確かに将来の問題として、そういうジョイントの研究契約になったときに、RIETIの資金が海外の研究者にも行くということになった場合にどうなるのかというのは、1つの新しい局面だと思いますが、基本的には、RIETIの研究の場合、研究成果は論文を書いていただきますので、その論文は、研究者の方々が著作権を有するということになりまして、我々はそれを発表する権利をいただいているという関係でございますので、帰属がものすごくシビアな争いになるというようなことは、そのフレームですとそんなには起こらないのではないかとは思いますけれども、もしも本当にそういう委嘱契約とかそういうことを海外の研究者と本格的にどんどんやるということになりますと、ちょっと考えなければいけない点かもしれません。

及川理事長
これは高原副所長のほうからお話ししたほうがいいかもしれませんけれども、前例は、中国との間で、DRCという研究所と昨年MOUを結んでおりまして、それで研究を相互でやっていこうというのを結んだ。これが一種の覚書まで結んだ第1号になっています。ここまで欧米との間でいくには、まだ紆余曲折が相当あると思いますし、ご指摘のとおり、どこまで問題意識をもってやっているんだといわれると、手探りというのが率直なところであります。
ただ、古城先生にもご指摘いただき、また、会長からもお話ありましたように、我々としては、このままいくとどうしても内向きになってしまう。国内だけの先生方から――先生方は海外からいろいろなコンタクトがあるのですけれども、組織としてのRIETIが海外からどのようにみられて、そして日本をどうみているのか、あるいはアジアをどうみているのか等々について、定点観測的に我々ももちながら、それを問題意識としてやっていかなければいかん。中国との1つのパイプはできた。やはり欧米と同じようなところをもちたいというのが基本的な問題意識でございます。ただ、方法論が、ご指摘のとおり、どういう契約を結ぶのか、どういう方がいいのか。新所長おみえになったので、その点についてどうでしょうか。

藤田所長
補足的に……。我々、今からみんなで、日本の方々にも幅広いご意見を聞きながら、RIETI内部でも具体的に煮詰めていかなければいけないのですけれども、従来どおりいろいろな連携をする、来ていただく、これはすぐ思い浮かぶわけで、それはどんどんやりますけれども、もう1つは、日本がもっと積極的に外部に自分が出ていく。
例えば、RIETIが、ハーバードでもケンブリッジでもいいですけれども、2日間ぐらい、RIETIのファカルティフェローの非常に成果を上げた人たち、それから国際的な研究の成果、国際的に興味がある人を選んで、向こうの優秀な、日本に興味のある学者を入れた形で、学生も招いた形で、1日か2日のシンポジウムというか、お互いの勉強会を――どちらかといえば、学問的にはボストンがいいかもわからないですね。1ヵ所でやるだけでなしに、そういうので、アメリカの日本に興味のあるグループに来ていただいて、それでまた日本への興味を、学生も含めて広めるように努力する。これをヨーロッパでも、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでやって、ヨーロッパじゅうの潜在的に日本に興味のある学者も呼ぶし、学生も呼んで、レセプションもある程度お金を使ってやる。これをもう1つ中国でもやる。そのように日本から我々RIETIのほうが打って出る、外でいろいろな交流をするというのも、企画を考えたらいいのではないかなと。
そういうさまざまな形で積極的に、学問的にも経済についても日本に興味をもってもらうような形で、ある程度組織的にやりたいと思っていますので、皆さんのいろいろなご意見を伺いながら――企業は当然もうやっていますね。そういう形で日本に来てもらうということばかりではなくて、行くという形もやらなければいけないと思っています。

小野会長
ありがとうございます。
ちょっと私のほうからコメントさせていただきたいのですが、まず、課題2の参画は十分かということについて、日本の情報発信が弱いというトーンになっているのですけれども、産業自体はそうではないんですね。日本の産業技術というのは、もっとたくさん発信しているんです。トヨタの環境技術というのは世界を席巻するようなことになっているし、そういう産業のまさに政策をつくっておられる立場ですから、もう少し強い部分というのを主張していただいていいのではないか。
例えば、環境技術というような観点から、地球温暖化であったり、50%なんていって、非常に結構なんですけれども、例えば鉄鋼業をとると、1つの製鉄所のエネルギー使用量というのはこのくらいだと。どの製鉄所でも同じ効率化ができるわけです。日本を1にすると、今、中国は、大きな製鉄所でも2、小さいところだと4ぐらいのエネルギーがかかってしまうわけです。そういうそれぞれのセクターごとにこれだけ効率のいいことができるわけですから、それを集積していくと、50よりもっと削減することができる。それだけの先端技術を日本はもっている。
なぜそういうことができてきたかというと、日本人の職人意識といいますか、それと、四季折々の美意識というんですか、微細なところの変化を肌で感じたり、手でさわったりすることができる力というのがあるわけですね。これがそういう産業技術を構成している強い部分だと。それが、同時に個人ではなくてチームワークで行われているということが、日本の産業の強さだと思うんですね。
それから、統計のデータも、月曜日もいわれましたけれども、データベースがなかなか整っていない。日本は統計のデータが他国に比べると非常に先進的だと思うんです。中国も、ヨーロッパもデータが整備されていない。そういう強い部分というものをもう少し発信するというようなことなんじゃないかと思います。
世界経済が、今までは一国経済というのですか、国単位の百貨店方式の経済というのを前提にしていろいろな論文が書かれているのですけれども、どうも最近、2002年からみても、世界同時好況みたいなものが何でこんなに長く続くんだというと、経済が地球規模化されて、地球規模の中で分担関係がとられるようになってきている。金融は日本は弱いけれどもアメリカが強いとか、どの産業はどこが強いみたいな、そういう分担関係と、労働力も、高い労働力と安い労働力が有効に使われるように、ここの仕事だったら労働力が安いところに回してもいいけれども、このレベルの高さだったら高い人を使わないとだめなんだとか、そういう分担関係が少しずつみえてき始めているのではないか。
そういう意味では、日本から発信するというテーマはたくさんあるように思うんです。ここでは、弱さみたいなところからスタートされているんですけれども、我々からみると、うんと頑張ってほしいと思います。
それから、海外との研究――今のお話、結構だと思うので、ぜひ進めてほしいんですけれども、先日、ジェトロさんがシンポジウムをやられて、アメリカのユーラシア・グループと中国のリスクの問題、「中国の21のリスク、その可能性とインパクト」という講演会があったのですけれども、そこでは、共同研究みたいなことが非常に行われていて、アメリカ側の発表と日本側の発表と、それから、次はどういうテーマが出てきますかみたいな、そういうことが行われていました。
RIETIもジェトロも同じ仲間なんですから、そういう意味では、ジェトロは海外関係でいろいろな人脈ももっておられるので、そういうところをもっと使えるということがあるのではないかと思います。
それから、課題3のクライアントのところは、非常にいい指摘だと思うのですけれども、政策当局者とあわせて、経済産業省出身の政治家の先生というのは20人以上おられるんじゃないかと思うんですが、そういう方々の政策への影響力というのは結構おありになるんじゃないかと思っています。鉄鋼業関係で、鉄鋼業に関して議員の先生方とお話しする機会もあるんですけれども、経済産業省のご出身の方もたくさんおられるんですね。そういう意味では、政策当局を実際に――諮問会議で鶴さんの成果が生かされるみたいなところがあったと思うのですけれども、それはやはりこういうことをやっているということがわからないと、呼ばれないわけですから、こういうことをやっているということをそういう方々にも、時々は勉強会みたいなものに出席いただいて、お話ししていただくと、非常にいい論文がたくさん書かれているんですけれども、こうやって本になって、その本を読むのは大変だということがあるのだと思うので、先ほどのダイジェストなどで十分PRしていただくと、そんなことまでやっているのかみたいなことが生まれてくると思いますので、ぜひそういうことも加えておやりいただいたらいいんじゃないかと思います。
というコメントであります。よろしくお願いいたします。
これは議論をすると切りがありませんので、この辺で、次のテーマに行かせていただこうと思います。次は、経済産業研究所のほうから、政策提言、あるいは業務の効率化、財務内容ということで資料が用意されていますので、そのご説明をお願いできますか。

川本研究調整ディレクター
それでは、資料3―2に基づきまして、私と総務ディレクターの河津のほうから、それぞれ10分ずつぐらいでご説明をいたしたいと思います。
18年度の業務評価シートということでお配りをしております。若干駆け足になりますが、逐次ご説明をしたいと思います。
私の説明する部分は、一番左側の欄、評価項目のI「サービスの質」という部分でございますが、まず最初に、月曜日に若干ご説明いたしましたRIETIの各研究領域ごとに、研究成果のクオリティーにつきまして、さまざまな観点から評価がなされております。順次、ドメインごとに、テーマごとに分かれておりますので、それに基づきましてご説明いたします。
まずは、ドメイン(1)の研究領域といたしまして「少子高齢化における経済活力の維持についての総合的な研究」の領域でございます。この領域は、18年度は6の研究プロジェクトが実施されております。
1ページ目の中ほどの下のところに表になっておりますが、ディスカッションペーパーは18年度17件発表されております。件数は後ですべてのドメインをまとめてお示しいたします。
これに対する評価でございますが、1ページ目にイというのがございまして、幾つかの研究成果についてのレベルでの評価がございます。これは最初のレベルの評価でして、具体的には、経済産業省のそれぞれの政策研究領域代表者という方々を選んでおります。これは課長クラスの方々ですが、その3人の方々に、政策ニーズにこの成果が反映しているのかどうか、あるいは、次のページにまいりますが、政策形成に貢献しているのかどうかというようなことをお聞きしました。ドメイン(1)につきましては、反映している、あるいは貢献したというお答えが3人という結果になっております。
次のページでございますが、ちょっと急いで恐縮でございますが、ウのもう1つの評価のアプローチがございまして、関係課室に、プロジェクトが6つあると申し上げましたが、そのうち成果が出てきている4つですけれども、そのプロジェクトごとに、このプロジェクトは政策ニーズに合致しているか、あるいはインパクトがあったかというアンケートを行っております。これはMETIの関係課室に対してやったものでございます。その結果として、ドメイン(1)につきましては、5段階評価で4段階目の評価Aという結果になっております。
次の3ページでございますが、さらに幾つかの側面から評価をしておりまして、ドメイン(1)で出てきた論文で、学術誌等で発表された論文は幾つあったかということで、これは6件。それから、オでございますが、シンポジウム等で発表された論文の数は11件。それから、カで、それぞれの論文につきまして、外部のレビューアーの方々に、これは同じ分野で研究されている大学の教授、助教授の方でございますが、その方々にお願いをいたしまして、評価をしていただきました。その結果、これも5段階で評価をお願いしたのですけれども、この分野の論文につきましては、平均して4段階目のAという評価になりました。これは内訳で幾つか評価がございます。
それがドメイン(1)の評価でございまして、以下、ドメイン(2)、ドメイン(3)につきましても、それぞれ同様の評価が行われております。恐縮でございますが、これは読んでいただくと、今申し上げましたような評価が、ドメイン(2)については4ページ、5ページ、6ページにわたりまして書いてありまして、例えば5ページをみていただきますと、経産省の課室に対して行ったプロジェクトごとの評価ということですと、政策インパクト、5ページの真ん中の評価につきましては、平均した評価が5段階で上から3段階目のBという結果になっております。
6ページ目にまいりまして、同様でございますが、ドメイン(3)につきまして11の研究プロジェクトが実施されておりまして、それについても各段階の評価がその後で出ております。7ページのイのところが、先ほどの領域代表者4名の評価。それから、ウが関係課室に対して行ったアンケート調査の結果。それから、8ページ目のカのところをみていただきますと、先ほど申し上げました外部レビューアーの評価が出ております。これは平均してAでございます。
その次の通商産業政策史の8ページ、9ページ目のところは、先ほど尾高先生のほうからご説明がありましたが、これはオンゴーイングのこれからの事業でございますので、重複になりますので省略をさせていただきます。
9ページ目ですけれども、3つの主要ドメインのほかに、隣接基礎研究領域という、いろいろなテーマが入っている領域がございまして、それにつきましても評価がございます。
10ページ目をみていただきますと、隣接基礎研究領域で、表のところをみていただきますと、18年度の論文としては27件出ております。これらについて評価をしたという結果でございます。10ページのウですけれども、先ほどと同じように、政策領域代表者の方の評価、政策ニーズ、インパクトということで、11ページにかかりますが、それぞれAとBということになっております。それから、エとオというのは抜かせていただきますが、カの外部レビューアーの評価ということで、これも29件の論文につきまして評価をお願いしましたけれども、平均しますと3.41、Bという結果になっております。
以上、3つのドメインと基礎研究領域全体の論文を合計した数字が11ページの下の方にございまして、18年度の実績として89のDPが発表されている。11ページの下のほうにあります「内部レビューを得た論文の公表総数」という表ですけれども、その右側に89件と。これは18年度のRIETIの計画としてもっておりますのが55件ということでございますので、数としては目標以上の論文が出ているということでございます。
以上が論文の質の評価ということでございます。
次に、12ページに、政策提言・普及という観点での実績評価をお示ししております。12ページの下半分以下のところですけれども、政策提言・普及業務。
まず、研究書の発行でございますが、これは18年度実績としては3冊ということでございます。
それから、シンポジウムの開催総数は、その下にあります6回。次のページにまいりまして、BBLの開催総数が54回。
それから、幾つか指標がございまして、普及ということでございますが、RIETIのホームページへのヒット数、あるいはダウンロードの実績というものもここに掲げさせていただいております。
それから、エのところにありますが、ニュースレターの発行回数。それから、先ほど最後に申し上げましたリサーチダイジェスト、これは18年度から開始したものでございまして、計5本。これはこれからふやしていきたいと思っております。
こういった発行した本ですとか普及業務につきましての外部のレビューというものの結果もお示しをしておりまして、13ページからですが、具体的な数字は14ページということで、4段階評価になっております。これはアンケート調査ですけれども、2つ質問がございますが、いずれも評価はBという結果を得ております。4段階評価のうちのBということでございます。
14ページ、RIETIはデータベースをさまざまな形で提供して皆さんに使っていただくという業務をしておりますが、これにつきましての実績のご報告ということで、15ページに表がございまして、各データベース、(1)から(8)までございますが、18年度はアクセス数ということで数字をお示ししております。特に(3)と(7)の、この前深尾先生にご説明いただいたJIPデータベース、あるいは都道府県別のエネルギー消費統計といったものが新しいデータベースとして一般に提供しておりまして、ここに示されるようなアクセスをいただいているということでございます。
それから、15ページの4.で、シンポジウムやBBLセミナーに参加した方々の満足度というもので1つの評価をお示ししてありまして、この数字は、シンポジウムにつきましては、次の16ページの上の表の下に、平均満足度が82%ということで数字を出しております。BBLにつきましては、参加者の満足度が86%ということになっています。
ちょっと駆け足で恐縮でございますが、以上でございます。

河津総務ディレクター
続きまして、16ページの真ん中から、業務の効率化という点についてご説明させていただきます。時間が余りございませんので、特に今年度項目が変わったといいますか、追加されたところを中心にご説明させていただきます。
まず、業務効率化の1つ目、5番となっておりますが、マネジメントに関する事項でございます。流動的な雇用形態の占める割合が、昨年度82%、その前は一番下でございますが83%で、ほぼ横ばいでございます。
イ、管理部門職員の割合でございますが、昨年度末で32%でございます。表の下、参考で、17年度末39%、若干の減少でございます。これは組織がえといいますか、分担がえをしまして、管理部門職員を少し減らしたということでございます。
ウ、効率的で効果的な研究マネジメントということでございますが、1つは情報の電子化ということで、コンピュータシステムの入れかえを行いまして、スペックのアップ等を行っております。
それから、次のページになりますが、グループウエアというのだそうでありますが、イントラネットのようなものでございますけれども、それでスケジュール管理をし、一斉に会議の予約などができるというようなことを進めております。
それから、研究マネジメントの効率化及び明確化ということで、これは中期目標、中期計画でも明らかにするようにといわれておりますが、マネジメントプロセスの年度計画に明示し、そのプロセスでやっている。それから、METIの関係課室への案内もしながら、当初段階から交流をするというような格好でやっております。
それから、エ、その他といたしまして、ほかに書く欄がなかったので宣伝させていただきますが、昨年度も常勤研究スタッフが博士号をとらせていただきました。2年連続ということでございます。
6.契約に関する事項でございますが、これは項目としては第1期ではございませんでしたので、第2期からの新規項目になります。少し詳しくご説明をさせていただきます。
ご承知のとおり、政府あるいは独立行政法人も含めて、契約ではなるべく、入札を活用すべきといわれておりまして、それに伴いまして、私どもも18年度の上期におきまして契約の見直しを行いました。実態を見直させていただいて、現在、次のような方針で進めておるところでございます。後で出てまいりますが、実はそれ以前、17年度はほぼすべてが随意契約で1社随契で済んでおりましたので、それを改めようということでございます。
1つ、資料でいいますと(1)として、一般競争入札をするということで進めたいと思っております。機器のレンタル・保守契約は基本的に一般競争入札としたいと思っております。ただ、恐縮でございますけれども、タイミングというのがございまして、一遍にはなかなかできないというところがございまして、18年度以降順次ということで進めております。リムジン契約についても一般競争入札を今年度やろうということでございます。
(2)でございますが、他方で、ここにございます委託調査、あるいは翻訳といったもの、これは研究活動あるいはシンポジウムの質に直結をしてしまうものですから、値段だけで決めるというわけにはいかないものでございます。委託先の能力を重視するということから、企画競争・公募という形に昨年度の途中段階から切りかえております。後ほどご報告いたしますが、昨年度の10月以降は基本的にこれでやらせていただいております。
(3)でございますが、他方で、さはさりながら、どうしても随契で進めなければいけないと思っておるものがございます。項目的、あるいは件数的には結構多うございまして、ここのご理解を賜ればと思っております。(1)から(7)までございますが、1つは分室でございます。大同生命ビルの20階、隣のビルに分室を構えておりますが、これは今さら入札とか、あるいは安ければどこでもいいというわけにもいかない。場所がございますので、これは随意契約で維持させていただきたいと思っております。
それから、シンポジウムの会場借料、これも、先生の都合で日程が決まり、それから場所を探すわけでありますが、安ければいいというものでもないということはご理解をいただけるかと思います。
3番目、他機関との共同研究。先ほど、海外と組織的にという話がございました。今までも、個別テーマごとに共同研究をやる例が、国内もございますし、海外もございます。そういう組織のノウハウと組むというものもございます。これは、委託調査といいましても、公募ではなくて、相手を決めてやるものだと思っております。
4番、データベース利用・購入。これはそこしかないものでございますので、随意契約となります。
それから、既存のソフトウエアの改修、これも随意契約でやりたいと思います。
それから、件数的に非常に多うございます、後でご説明いたしますが、私ども、人材派遣の職員の方々に大変お世話になっております。ここも値段で決めるというわけにはいかないと思っておりまして、下にございますけれども、結構件数が多うございます。
今申し上げた方針で18年度の途中からやってきておりますが、その下のイにございます表でございますけれども、一般競争入札ということで、18年度に2件実施をさせていただきました。今年度、19年度にさらに6件、コピー機の補修から、いろいろな機器の入れかえでございますけれども、それから20年度以降、さらに6件予定をしております。
それから、企画・公募ということで、18年度中に既に11件やっております。
3.で、引き続き随意契約ということで考えておりますのが、今ご説明をしました分類にしたがいまして、分室が2件、シンポジウムが2件等々並んでおります。下から2番目の派遣職員のところ、28件とございます。延べでございますので入れかわりもございますが、18年度は28人の方々にお世話になったということでございます。
それから、4.ということで、昨年の10月から公募方式を導入いたしましたけれども、それ以前に5件、随意契約でやったものがございました。これは、今年度、19年度になれば企画・公募の形になるということでございます。こういう形で今進めさせていただいているところでございます。
【参考2】は、具体的にどんな契約があったか、【参考3】は、規定上どうなっているかということでございまして、これは横並びで記載をさせていただいております。
19ページでございます。役職員の給与に関する事項、これも新しい項目でございます。アといたしまして、基本的な方針ということでございます。かいつまんでご説明させていただきます。私ども、非常に流動性の高い任期付でありますとかの形をやるということにしておりまして、したがいまして、研究員、事務職員ともに原則任期付採用、それから研究員については年俸制ということをしております。役員につきましては、ご承知のとおり、常勤の役員は理事長1人ということで、組織のフラット化をしておるわけでございます。
その結果として給与がどうなっているかということでございます。後で他機関との比較の数字をご説明させていただきますが、役員につきましては、常勤役員が1人ということもございまして、ほかの独法に比べてやや高目になっております。研究員につきましては、下に、うちの規程に書いてある、考慮する要素がそのまま書いてございますが、その要素を考慮して考えておりますけれども、研究員を外から私どものところに採用させていただく場合には、その方々は任期付ということで、つまり永続的な雇用を保障しておりません。そのような状況、あるいは退職金を支給することを前提にしてございません。退職金はないという形で採用させていただきます。そんなこともございまして、全般的に高目の数字になっております。
【参考1】は、全独法平均などに比べると高目になっております。【参考2】は、役員の給与、こちらの評価を踏まえて業績給は上限するという規程の概要でございます。【参考4】が常勤職員の給与支給状況、【参考5】が職員と国家公務員等の比較でございます。
【参考4】【参考5】は、総務省が毎年、ことしもやりますけれども、独立行政法人の役職員、特に職員の国家公務員との給与比較をやっておりまして、そのときのデータでございます。したがいまして、定義がその定義に従っておりますので、少しわかりにくいところがございます。
【参考4】の常勤職員に関しまして申し上げますと、丸1年間当該者がいたことというのが定義になっておりますので、実際上、私どもは職員が50名ぐらいおりますけれども、それがここでは29名になっております。
【参考5】には、国家公務員を 100としたときに独法が幾つなのか、あるいは独法平均を 100としたときにRIETIがどうなのかという数字が、指数が記載されております。17年度、18年度と並んでおりますが、事務・技術職員と研究職員という2つに分かれております。事務・技術職員、RIETIの場合は事務職員だけでございますけれども、みていただきますと、17年度が対国家公務員で 129.1が18年度91.1と劇的に下がっておりまして、下に(注)が書いてございますが、先ほど申し上げた横並びの定義が、17年度は任期付とか年俸制を除くという定義だったものが、今年度はRIETIに関してはそういうものも入れろという指示が来ましたので、定義が変わっております。それで数字が大きく変わっております。事務職につきましては公務員に対しても低いのですが、研究職につきましては、先ほど申し上げたような事情で高目になっているということでございます。
【参考6】でございます。中期目標で、5年間で5%人件費を削るということをいわれておりまして、中期計画でもコミットさせていただいております。RIETIとしては、常勤人件費を減らすということで、頭数ではなくて、金額の方を減らすということで進めておりますけれども、17年度実績に対しまして18年度は若干の増、1%ぐらいふえております。人事異動のタイミング等々で、人が重なったりすることもございまして、なかなか厳密にコントロールできない状況でございまして、結果的にこうなっているということでございます。
ただ、年度末の常勤役職員数をみていただきますと、50名が49名ということで、私どもの目標はあくまで金額ベースでございますけれども、頭数ベースでは1人、結果的に減っておるというところでございます。
しかし、正直申し上げて、なかなかコントロールは難しゅうございます。組織も小そうございますし、若い組織でございます。定年退職というものが、ほかの大きな組織のようにございません。したがって、計画的に、例えば欠員不補充を何年度どうするというような計画が立てられないという状況にございます。他方で、私ども非常に流動性の高い組織でもございますので、そのような欠員が出たときに、例えば若手の研究者を活用させていただく、あるいは業務分担を見直して、常勤ではなくて非常勤とか派遣とかというような形にするというような形でこれを実現していきたいと考えておるところでございます。
【参考7】は、私どもが内部でとっている評価制度の概要でございます。
8.でございます。予算の関連でございます。時間もございませんのではしょらせていただきます。大変申しわけございません。まだ監事監査が終わっておりませんので、恐縮ですが、この数字は暫定値ということでご理解いただければと思います。次の会で最終的なものをご報告させていただきます。
ざっと申し上げさせていただきますと、利益という格好で出てまいりましたのが 1,200万円ほどでございます。それから、繰越が1億 2,800万円ほどございます。繰越が結構多いのですが、22ページの表の下、運営費交付金の未執行の理由というところをご説明させていただきます。先ほど尾高主幹からございました政策史の編纂でございます。これは最終年度のほうに先生方に執筆料という形で謝金をお支払いする予定になっております。当然、支出がテールヘビー、後ろのほうでどっと出るという形になります。したがいまして、予算管理の観点からは、全体で5年間で支出されるであろう見通しを立てて、それを5分割して予算を確保し、それを後年度に送っていくという管理をしようと思っております。先ほど、1億 2,800万円の未執行、繰越と申し上げましたが、この政策史の関連が 5,300万円ほど、計算上出てきております。したがいまして、実質的な研究プロジェクトの立ち上げのおくれ等から繰り越された部分というのが 7,500万円ほどあるということでございます。
大変恐縮でございます。はしょらせていただきましたが、私のご説明は以上です。

小野会長
ありがとうございます。3―2の資料に基づいてご説明いただきました。この全体で何かご質問ありますか。研究の成果のほうと事務の効率化の数字ですが。
1つ、ちょっと気になるところがあるので、質問させていただいていいですか。4ページの下の段の「理由」と書いてあるところの3行目なのですけれども、「RIETIと当局との間で時々成果をまとめて説明を受け、意見交換する機会があれば望ましい」というコメントがあるんです。これは、産業政策課長、技術課長、開発課長さんとかとは余り対話がないのかなと。

高橋室長
ここをとりまとめたのは経済産業省なものですから。ここのコメントは、正直、相当属人的なところがあります。そういうことでいうと、総じて、基盤領域、2)については、理由のところをごらんいただくと、総論としてはいいんだけれども、各論としては必ずしも役に立ってないということが書いてあるのが割と多いのです。1つには、プロジェクトの性格上というのもあるかもしれませんが、ここに書いてあることについていうと、今、会長ご指摘のところは、やや属人的な意見を反映しているのかなという気がいたします。

小野会長
BBLだとかあるわけだし、なるべく出てくるようにお願いしてください。
ほかに何か。何なりと……。

古城委員
15ページなのですけれども、シンポジウムをおやりになって、満足度が非常に高いのですが、それはとてもよいことだと思いますけれども、経産省の方は人数的にどのくらい出てこられているかというのはわかりますか。

山田総務副ディレクター
シンポジウムにもよりますし、シンポジウムを開催する場所が役所に近いほうがよく出てくるとかというのはありますけれども、最低でも10人以上ぐらいは出てきています。ただ、この満足度のアンケートは、来ても出してくれない人もいますので、回収数はもう少し少ないのですけれども。

小笠原委員
16ページの、毎回議論になるのかと思うのですが、流動的な雇用形態という話が、きょうも、もとのほうに議論がありましたように、できるだけ個人に帰属しているようなものを組織に結集するんだというときに、流動的な雇用形態を保持しながらそういった組織力をつけるというか、組織の中に知的集積度を高めていくというのは、ある種矛盾したようなところがあって、目標50に対して、今82と。これは一面でいえば、すごくいいという評価をすべきなのかもしれませんけれども、本当の意味でいうと、質的にはどうなのかなと、そろそろ迷い始めてくる時期かなと思うのですけれども、どのようなご見解をおもちでしょうか。

河津総務ディレクター
私がお答えするのは適当かどうかわかりませんが、研究員と事務スタッフというものは分けて考えなければいけないと思います。研究員について私がとやかく申し上げるのは変ですが、テーマもいろいろ変わりますので、そういう意味での研究員に関しての流動性というものはより重要ではないかと思いますが、事務スタッフに関しては、ご指摘のとおり、広報といいますか、あるいは機関とのネットワーク、事務的なつながりというものも含めたネットワークという意味では、流動性というものに設立当初のように必ずしもこだわる必要はないのかなというように、個人的には正直思っているところではございます。

小笠原委員
特に8割とかなっていると、ちょっと心配だなとか、危惧されているということもないんですか。

及川理事長
いや、あります。おっしゃるとおりでして、やはりロイヤルティーの問題もありますけれども、最初のうちは、いろいろな機関からの出向等も含めてお願いしてきた経緯もございますが、もうRIETIも7年目になってまいりますと、それなりのスタッフも育ってきておりますし、他方で、やめていく方の補充等において、本当にしょっちゅう出たり入ったりでいいのかという感じがございます。
ただ、82は高いのですけれども、一方で、先ほどの人件費の制約があるものですから、どうしても毎年減らしていかなければいけないとなりますと、常勤の形でというのは率直にいってできない。ですから、そこの悩みをどうするかというのが、まさに我々マネジメントの人間の一番つらいところでございます。
その点は、先般、鶴さんも若干、研究者としても一種終身的なものの保障ということもおっしゃっておられましたが、形の上ではどうしても任期付になっていただかないと、一遍にRIETIの人件費はなくなってしまう、こういう状況でございます。

小野会長
企業ですと、成果を上げれば人を雇っていいわけですが、独立行政法人だと全体に5%削減というのがかぶさってしまっている。大きな組織とか、現業をもっているところとかは、そういうことはあり得ると思うんだけれども、研究組織は、優秀な研究者を集めてくることが必要なわけだから、ちょっと難しい問題なのかもしれないですね。
例えば、年間の売上高がふえていったら、それに見合ってコストがふえていくのはしようがないと思うんです。研究活動がどんどんいい成果を上げてくればくるほど、本当は人件費が上がっていくものだと思うんだけれども、難しい指標のつくりになっている。

小笠原委員
つなぎとめるためにはね。

小野会長
そうなんです。そういうことは必要だと思いますが。
まして海外とやりとりしようなんていうような話になってきたら、必ず国際的な水準の比較が行われるわけですからね。
基礎的な研究の(1)(2)(3)とあるのは割に評価が高いのですけれども、隣接の研究テーマのほうがちょっと低い感じに今のところなっているんですが、何かコメントありますか。隣接というのは、自由研究だから、本当はここはRIETIの売りのはずなんだけれども、評価が出ないのかなと思って……。

及川理事長
ちょっと申し上げますと、例えば、11ページの外部レビューのところがご指摘の点だろうと思うのですけれども、上のほうのMETIからの評価もあるのですが、3.41なので、ちょっと上がればAなんですね。たまたま1本D評価があるものですから、これがないと、ぎりぎりでございますけれどもAということになります。それで、AAが4、Aが26というのは、実は相当高いのではないかと思っております。Dという評価が1つあるのが足を引っ張っているから、統計的にはそういう感じだろうと思います。
それから、METIの評価が若干低いのは、この分野はそれこそかなり専門的なところがありまして、理論が多かったり、あるいは極めて統計的な分析が多かったりするので、直接インパクトという点ではどうしても少ないという気がするので、そこはまたあるかと思います。

小野会長
ありがとうございます。
以上で、ご説明をしていただいたところの質疑ということで、最後に、18年度のまとめのご報告を理事長さんからお願いします。

及川理事長
もう特に申し上げることはございませんけれども、私がどのように受けとめているかということをちょっと申し上げて、ご評価の際、ご指摘をいただければと思います。
数値目標に関しましては、出版を除きまして、ほぼ達成をいたしていると思います。出版等につきましても、初年度でございましたので、どうしてもこうならざるを得なかった点、ご了解いただきたいと思いますが、RIETIの成果を踏まえて職員等の出した本等はかなりございます。ただ、厳密に我々の手で編集した本というのに限定をいたしましたので、こういう格好になっております。したがいまして、数値目標はほぼ達成したというようにお受け取りいただければと思います。
それから、DPの質につきましては、今、会長からご指摘あったとおりでございます。隣接がBでございますけれども、外部のご評価は、引き続きそれなりの水準を維持したのではないかと思います。ただ、それが政策的にMETIにどれだけインパクトを与えたかという点では、なお厳しいご指摘もあるようでございます。その点では率直に受けとめて、なお意見交換等進めていかなければいけないと思っております。
それから、外部のアンケート等で一番厳しかったのが、政策の普及の点でございまして、これは先ほど川本ディレクターから悩みのクライアントのところでも申し上げたような点がございまして、これについては、インパクトのある普及対策というものをさらに検討していかなければいけませんし、広報等についてもさらに工夫を凝らさなければいかんなと思っております。既に今年度になって、広報分野の体制等の強化というのは組織的に講じているところでございまして、ご指摘、アンケート等率直に受けとめて、さらなる努力をしていきたい、かように考えているところでございます。よろしくお願い申し上げます。

小野会長
どうもありがとうございます。
以上で、説明を受けたわけですので、これを材料にして18年度の評価をしていこうということであります。事務局のほうから連絡があると思いますけれども、6月21日までにコメントとして出してほしいということになっていますので、小笠原先生、古城先生、よろしくお願いいたします。
それでは、最後に。

高橋室長
今、お手元にお配りいたしましたこのシートを、今日中にも電子媒体で皆様のお手元に送らせていただきます。結構重いファイルらしいのですが、そこはご容赦をいただきまして、その電子媒体のほうに埋めていただいてもいいですし、もちろんこれに手書きで書いていただいても、どちらでも結構でございます。先般ちょっとご説明させていただきましたけれども、昨年に比べれば簡略化をさせていただいたつもりでございますので、評価をしていただいて、21日までにお送りいただければと思います。
また、評価の過程で、書き方でありますとか、あるいは指標の中身でありますとか、いろいろとご疑問の点等あると思いますので、それは随時私どもまでお申しつけいただければ、ご説明させていただくなり、あるいはもし用意できるものであれば、補足的な資料を送らせていただくなりさせていただきますので、それはご遠慮なくお申しつけをいただきたいと思います。
先日もお話をさせていただきましたが、次回の日程調整を取り急ぎさせていただきまして、次回は7月5日の午前中、きょうと同じ時間でございます、7月5日(木曜日)の10時から12時ということで、皆様のお時間をまたいただきたいと思います。そのときに、きょうはちょっとまだ確定でなかったということでありますので、財務諸表について、恐らく監査も終わっておると思いますので、そこでご説明をいただくとともに、皆様からご提出いただきました案をもとに作成させていただきました事務局としての業務実績の評価をもう一度配付させていただきますので、それを踏まえて、もう一度委員の皆様方に、この分科会としてのRIETIの18年度の業務実績をどう評価するかということをご審議いただいて、結論をとりまとめせさていただきたいと思っております。なお、そのときの場所は、こちらがとれなかったものですから、この前と同じで、別館の2階のほうでやらせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

小野会長
次のスケジュールもそういうことで、1ヵ月ありますけれども、とりあえず我々は21日に出さなければいけないので、頑張ってやりたいと思います。

高橋室長
それでは、以上をもちまして、本日の会議は終了させていただきます。ご多忙中どうもありがとうございました。また、評価委員の皆様方にはこれからが本番でございまして、お忙しいところまことに申しわけございませんが、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

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最終更新日:2007年6月1日
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