経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第25回)-議事録

日時:平成20年5月29日(木)10:00~13:00
場所:経済産業省別館5階513共用会議室

出席者

分科会委員:
小野分科会長、小笠原委員、古城委員

独立行政法人経済産業研究所:
及川理事長、八田監事、菅沼監事、藤田所長、佐藤副所長、若杉研究主幹、戒能研究員、中西研究調整ディレクター、河津総務ディレクター、田辺通商産業政策史編纂ディレクター、尾崎研究コーディネーター、山田副総務ディレクター

経済産業省:
高橋経済社会政策室長、大川経済社会政策室室長補佐、木村経済社会政策室室長補佐

議題

  1. 独立行政法人経済産業研究所の平成19年度の業務実績について
    (1)国際経済のミクロデータ分析:国際的ネットワークの中での研究の推進(若杉研究主幹)
    (2)独立行政法人経済産業研究所における研究活動の現状について(戒能研究員)
    (3)独立行政法人経済産業研究所の平成19年度の業務実績報告
  2. 独立行政法人経済産業研究所の平成19年度業務実績評価における年度評価基準等について(審議)

議事内容

  • 小野分科会長

    第25回の独立行政法人の評価委員会経済産業研究所分科会を開催いたします。

    今日は議題が2つございまして、早速、最初の議題から入って参りたいと思います。

    経済産業研究所(以下、RIETI)の平成19年度業務実績についてということでございますが、最初に、事務局の方から資料の説明をお願いいたします。

  • 高橋室長

    評価委員の皆様におかれましては本年度もRIETIの評価を、よろしくお願いを申し上げます。

    まず最初に、本日の配付資料の確認をさせていただきます。お手元の「配付資料」に本日お配りさせていただいております資料が一覧で載っていると思いますが、まず、資料自体は資料1から7までございます。枝番がございますので、全部で9点ということになるでしょうか。それから参考資料が17点ありますので、よろしくお願いいたします。

    なお、RIETIの方には資料6と資料7は配らせていただいておりませんので、それはご容赦ください。

    今、小野会長からご紹介ございましたように、まず最初、業務実績につきまして、RIETI側からご報告・ご紹介をいただいた後に、2つ目の議題としまして、私の方から、先般、平成19年度の評価の基準の変更ということでご了解をいただいたところでありますけれども、その後、また評価委員会事務局の方から統一的な指示が来まして、微修正でございますけれども、この統一的指示をふまえた変更について、ご審議をいただきたいと思います。この議題のときには、いつものことで恐縮でございますが、RIETIの方々には、ご退席をお願いしたいと思っております。

    また、いつもと同じく、議事録と議事概要等について適宜公開させていただくルールでやらせていただきますので、こちらもあらかじめご了承ください。

    事務局からは以上でございます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。

    それでは、今の事務局からのご報告の順番で進めさせていただきますが、最初の議題は平成19年度の業務実績ということですので、及川理事長の方からごあいさつをお願いできますか。

  • 及川理事長

    おはようございます。

    事務局からございましたように、また大変重いご審査をお願いいたすことになります。また、きょうは足元悪い中、本当にありがとうございます。

    若杉研究主幹におかれましても、日ごろ大変お世話になってますけれども、またこういう場で本日お願いいたすことになりました。よろしくお願い申し上げます。

    後ほど、研究活動につきましては、佐藤副所長、それから業務実績等につきまして、それぞれ担当のディレクターの方からご報告を申し上げますが、一言だけご報告を申し上げたいと思います。

    研究実績等につきましての外部評価等につきましては、相当の、ほぼ例年並みに近い高い評価をいただいているところでございます。また、数値目標でございますとか、出版でございますとか、DPの件数等につきましては、昨年をかなり大幅に上回る実績を上げたかと思っております。

    それから、昨年ご指摘をいただきました外部資金、あるいは随契等の比率につきましても、それなりの所要の成果を上げたのではないかと思っております。外部資金につきましては、 1,000万近い額を確保いたしました。随契比率については、昨年申し上げましたように、60%台ということで、件数では、ぎりぎりでございますけれども、60%を切るところまでの実績を達成し、間違いなく、本年度においては、これも恐らく10%前後、近くまで削減できるのではないかという目処が立てられたところでございます。

    ただ、一方、目標達成に過不足なかったかという面もございまして、本年度につきましてはまた別の観点からそれなりの整理というものを、ちょうど計画期間の真ん中にも当たりますので、やっていかなければいけないかとも思っているところでございます。

    本日は、例年お聞きいただいておりますように、研究者の方々のさまざまな声を直接お聞き取りいただきたいということで、第3ドメイン通商戦略につきまして、主幹としてとりまとめをお願いしております若杉先生の研究並びにRIETIに関するお考え等をお聞きいただければと思います。

    それからもう一人、戒能研究員と申しますのは、お手元にこの資料をお配りしてございます。さっとご覧いただきますと、ノーベル賞を彼ももらったような格好になっておりまして、下にございますように、温暖化問題に関します国際機関でありますIPCCがございます。このIPCCに登録された 151人の世界のメンバーがいるわけでございますが、そのうちの一人が彼でございます。そのIPCCの事務局から、先月、彼のところにノーベル賞が、戒能研究員もその一員として加わって入ったぞというのを届けてくれたものでございまして、それなりに彼の活動というのが評価されたものではないかと思っております。

    以上で、簡単でございますが、よろしくご審議のほどお願いいたします。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。  それでは、藤田所長、お願いいたします。

  • 藤田所長

    どうも本日は大変お忙しい中、評価という大変なエネルギーを必要としますお仕事を大変ありがとうございます。

    RIETIは、昨年度も含めまして、従来までのいろんな評価をもとにいたしまして、研究所として、中長期的な観点から、日本経済の活性化、経済社会の活性化に向けて、この政策研究のもとになる研究を一層強めていこうと頑張ってきております。先ほど理事長からも説明ありましたように、ある意味でルーティン的な形での活動はある程度の目標達成していると思っております。

    ただ、世界経済が大きく変わる、世界全体、日本の政治経済も大きく変わる中で、中長期的な観点でこういう経済社会の大きな変革を、発展を支えることができるような本格的な研究をさらに強化していきたいと思っております。それを日本国内の研究者の協力だけでなしに、世界、特に現在もRIETIはヨーロッパの研究機関と一緒にやってますし、またアメリカのNBRを含めまして、研究機関、それから今進めております中国、韓国、台湾、こういう世界的な形での研究ネットワークとますます連携を強くいたしまして、グローバルな観点からも、情報発信、それから研究協力、研究成果を出していきたいと思っております。本日はよろしく評価のほどをお願いいたします。

  • 小野分科会長

    どうもありがとうございました。

    それでは、佐藤副所長から研究活動の概要ということでお願いいたします。

  • 佐藤副所長

    それでは、簡単に私の方から、平成19年度のRIETIの活動状況につきまして、概要を説明させていただきます。資料1の肌色の冊子、Annual Reportに基づきましてご説明させていただきます。

    まず1ページめくっていただきまして、2ページ目の「2007年度主な出来事」でございます。「ごあいさつ」の次のページでございます。最初に3つ写真が出ておりますけれども、前回、2月26日の24回の当分科会で、国際ネットワークの強化ということと地方への展開ということをご説明申し上げましたけれども、この一環といたしまして、2007年7月に、京都大学と研究協力の合意をしております。それに基づきまして、11月に京都・滋賀、京滋クラスターのシンポジウムを京大において開催しております。

    それから2007年9月におきましては、ヨーロッパのCEPRとの研究協力の開始ということで、RIETIにおきまして国際セミナーを開催しておりますし、また3月には、ロンドンにおきまして、所長が出席のもと、同様のセミナーを開催しました。

    中国との関係につきましては、2008年の3月に、国務院の経済発展中心(DRC)が世界的に大きなシンポジウムを開いておりまして、そこに理事長が招待されて参加しております。

    このDRCにつきましては、張大臣が、この5月21日に来日したときにも、RIETIとぜひ意見交換したいということでございまして、理事長、所長以下と意見交換会を開催してございます。

    それから2点目の出版物でございますけれども、政策立案に寄与する研究プロジェクトのタイムリーな発信ということで、8冊出版してございます。目標4冊でございますので、約2倍になっております。

    またシンポジウムにつきましても、昨年度14回開催しております。この写真は、「ワーク・ライフ・バランス」ということで、非常に世間の注目を集めたものでございます。そのほかにも、昨日も古城先生にご参加いただきましたようなワークショップでございますとか、あるいは国際セミナー、全部で22回、昨年開催してございます。

    それからその下にございますBBLセミナーでございますが、これも目標50回のところを64回開催しておりまして、写真にございますのは、地方の振興ということで、釧路公立大の小磯先生のお話、それから地球環境問題ということで、外務省の鶴岡審議官からお話をいただいた模様でございますけれども、このようなものを開催しておりまして、会長を初め評価委員の先生方にもご出席いただきまして、本当にありがとうございます。

    それから1ページめくっていただきまして、4ページ目から研究プロジェクトのご紹介でございます。まず領域Iの「少子高齢化社会における経済活力の維持」でございますけれども、これは吉川先生の「少子高齢化のもとでの経済成長」以下、全部で6本が動いておりまして、そこに掲げられておりますようなディスカッションペーパーが、またシンポジウム等が成果として出されております。

    6ページ目からがイノベーションでございます。これは数が少し多くて、10ページまでの14本が動いております。

    それから11ページからがグローバル化、国際化等我が国の戦略でございます。今日おみえいただいております若杉先生の「国際企業・貿易構造の変化と市場制度に関する研究」等を初めといたしまして11本が活動しておりまして、11ページの下にございますような、若杉先生が中心となりまして開催していただきました国際シンポジウム等によりまして成果を発信しております。コロラド大学のキース・マスカス教授、それからDRCの張小洪研究部長にもご参加いただきまして、発信しているところでございます。

    それから16ページでございますが、通産政策史、これは順調に編纂の取り組みが進んでおりまして、各その当時の行政を担った方々、またその関連された方々との意見交換、ヒアリングをこの1年間ずっと進めてきております。

    17ページから「隣接基礎研究領域」ということで、まずAの金融構造、コーポレート・ガバナンス、企業関連制度等、これも大変数が多くなっておりまして、全部で12本が現在動いておりまして、そこに掲げられておりますようなディスカッションペーパーが出ております。

    20ページからが隣接領域のBでございまして、規制改革、あるいは政策評価でございます。これにつきましては全部で4本が動いておりまして、そこに掲げられておりますようなアウトプットが出ております。Cが「パネル・ミクロデータの整備と活用」でございます。現在2本が動いているところでございます。

    次に、その結果といたしましてのDP、それからPDPでございますが、23ページから28ページに掲げられておりますような論文がこれらの活動のアウトプットとして出ておりまして、DPにつきましては全部で98本、PDPにつきましては、最後の28ページのところに掲げられておりますが、このような5本が出されております。

    それから次が成果の普及でございまして、29ページに、出版物、シンポジウム・セミナー、各種広報資料、それからウェブサイトということでございますが、次の30ページをご覧になっていただきますと、現在提供しておりますウェブサイト、非常にヒット数も多いわけでございますけれども、さらにみやすくしようということで現在見直しをしておりまして、6月中には新しいウェブサイトが提供できる予定になっております。

    31ページが昨年度中の出版物でございまして、先ほど申しましたとおり、8冊出ております。目標4冊のところ、約2倍というふうになっております。

    それから34ページからシンポジウム等でございます。先ほど研究活動のところでも申しましたのも入っておりますけれども、全部で、シンポジウムだけで14ということでございます。

    特に38、39ページをご覧になっていただきますと、地域への展開ということで、昨年度初めて、地域との共済によるRIETIシンポジウムを開きました。地方まで行きますと、RIETIという名前をまだ知らない方もいらっしゃるわけですけれども、このような活動によりまして認知度を高めるとともに、私どもの研究成果を広く日本中に発信していくという活動をしているところでございます。

    それから40、41ページでございます。このような広報資料をつくりまして発信してございまして、特に右側の上の RIETI HIGHLIGHTにつきましては、ダイジェストというものを今まで別冊で出ておりましたのを、この「RIETI High Light」の中に入れることによりまして、より包括的な発信をするという努力をしてきております。

    それから42ページから45ページがBBLでございます。目標50回のところ、64回開催しておりまして、実は新年度、4月、5月に入りましても、既に13回でございます。これは私どもからお願いするほかにも、ぜひここでお話をしたいということで自薦で来られる方もたくさんおられまして、そういう意味では非常に認知度も上がりまして、RIETIの看板事業の一つになっているのではないかと考えております。毎回50人から 100人ぐらいの聴衆の方々にご参加をいただいております。

    それから46ページから48ページでございますけれども、このような研究活動を担う方々といたしましてこのような研究所の方々にご参画をいただきまして、研究を進めているところでございます。

    簡単でございますが、以上でございます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございました。

    それでは、若杉先生、よろしくお願い申し上げます。

  • 若杉研究主幹

    ありがとうございます。京都大学の若杉でございます。

    今日は大変緊張しております。研究のプロジェクトなんかで時々私も審査を受けたりすることがあるのですが、こういう大変重要な会議で説明をうまくできるかどうか心配でありますけれども、せっかくの機会ですので、研究の現場からどういうことが行われているのかということを皆さんにご披露させていただければ大変ありがたいと思っております。

    私は、先ほどご紹介いただきましたように、国際経済に関して、この研究所の研究のアドバイザーという立場が1つございますが、それからもう一つは、実際の研究もある部分担当しているということで、今日はその2番目の、少し自分がやっているような部分を中心にして具体的な話をお話しさせていただければと思っております。

    私がやっております研究会では、一言でいいますと、「国際経済のミクロデータ分析」ということを中心にやっているというのが状況でございます。研究の対象は3つぐらいございます。1つは、「国際貿易の新しい現実に即した理論・実証」の分析、政策への助言と書いてありますけれども、一言でいいますと、今、国際貿易に関しては非常に新しい動きがあります。これまで、産業とか、国とか、財とかいうことであったのですが、企業ということに関して非常に注目を浴びてます。企業はそれぞれみんな違うということで、企業で貿易するところとしないところはどうして生ずるのかということでありますとか、さまざまな企業の分析が、これは世界の最先端で今行われてまして、それに関してやってみようというのが一つの部分でございます。

    そうしますと、当然、アウトソースとか、企業がどこまでの境界にあるのかということも分析しなければいけませんし、それによって経済政策がどんどん変わってくるということがございます。

    それから2番目は、非常にトラディショナルですが、国際貿易にかかわる制度・政策、これが実際に意味があったのかどうかということについて分析して評価して、それに対して政策提言していくということで、焦点の中心は、1つは知的財産権の保護、これを強化することがいいのかどうかという問題があります。それからFTAが本当に実際に効果を発揮しているのかどうかということも分析しなければいけないということであります。

    それから3番目は、主として中国の経済発展とミクロデータ分析ということに関してやってみようという、3つぐらいの研究領域を定めてます。

    具体的には、次のページをご覧いただきますと、もう少し絞り込んでテーマを設定してます。ちょっと細かくなりますけれども、「サブテーマ」ということで、アウトソーシングに関する包括的調査、これは後でお話ししますけれども、今企業の業績が非常によくなってきているというのは、かなりの程度、海外へのアウトソースというのが大きな力を発揮している部分があります。これに関して日本ではだれも調査してないというのが現実でありまして、去年初めてRIETIがコンプリヘンシィブなサーベイをやった、私たちがRIETIの力をいただいてやらせていただいたのですが、これをベースにして、これをデータベース化してどんどん研究していこうというのが1番目の点であります。それから2番目は、それとリンクして、今度は市場取引、企業内取引、そういったものに関する理論研究と貿易特性との関係をさらに深めていこうということです。ここは少しアカデミックに深めてみたい。この2つがまずサブテーマの上2つであります。

    それから3番目は、知的財産権制度が進んでいる国がたくさん出てきたわけですが、それが技術移転とか、例えば日本企業の技術を移転するときにどのぐらいの影響があるのかということについて随分勉強しなければいけない部分があって、結構成果が出てまいりましたけれども、それに関する研究をやっております。

    それから4番目は貿易政策に関するミクロデータに基づく研究。例えばメキシコとの間でFTAを結んだわけですけれども、一般的にはこれは効果があるといわれているのですが、もう少し考えると、FTAが結ばれた期間の、しかも、そのFTAの実際にそれによって政策上変化が生じたそういう品目に限って、それとそうでないものとを峻別して、どのぐらいの効果があったのかということをきちんと分析しないと、実はFTAがなくても貿易は増加したのかもしれないということが起き得るわけで、そこのところをもう少しきちっと分析したいということで、ミクロデータに関する分析をやっているということがございます。

    それから最後のところは東アジアの貿易、あるいは経済発展、FDIということで、ミクロデータに基づく研究を進め始めております。この点については後ほどまたお話をしたいと思います。

    それで、研究の実施は実際上どのようにやっているのかということについてお話をしたいと思いますが、まず実施主体は、先ほど申し上げましたような研究テーマに精通しました外部研究者をノミネートいたしまして、その方々、私も含めて、研究を分担しながら、それぞれの研究テーマを深めていくというのがベースであります。上に掲げているような、メジャーなところがかなりカバーしているといいますか、それ相当の研究者の方にお集まりいただいているということで、先ほど申しましたように、サブテーマによる研究を分担していくということになります。

    それで、サブテーマによる研究の分担はかなりパーツパーツでやるわけですけれども、ばらばらに行われては非常に困るということもありますので、定期的に研究会を行って、そこで研究の調整、あるいは評価を行います。これは各研究担当者全員が出てまいります。そこには、RIETIのメンバーの方々にもご参加いただいてアドバイスをいただく、あるいは経済産業省の政策担当者の方にもおいでいただいて、これは違うのではないかとか、こういうことはもっとわかるといいんだけどというようなご意見もちょうだいしている、そういう研究会の形でやっております。

    それで、研究会はその都度、月1回ぐらいいろんな形でやるわけですが、ある程度まとまってまいりますと、ワークショップという形で研究成果を報告して、それを出席者でお互いたたき合うということを行います。ここにはできれば私は外国の人に入ってもらいたいと考えてまして、海外からの研究者を招いてワークショップに入ってもらって、そこでいろいろ意見を出してもらう。国際的な水準と比べてどうなのかということに関してアドバイス、評価をいただくのがいいのではないかということで、できる限りそういうふうにやっております。必ずしもそうでない、実現できてない部分も確かにございます。

    それで、最終的には、RIETIが開催するDP検討会という形でディスカッションペーパーで報告をまとめるということに行き着くわけでありますが、場合によってはワークショップで相当の議論があって、あえてDP検討会する必要ないというところであれば、それは両方兼ねてという形がございます。こういった一連の流れに関して、RIETIの職員の方々、それから研究助手の方が大変手厚いサポートをしていただいておりまして、私どもとしては、研究はすごく進んでいると思っております。

    それで、我々、大学をベースにして研究しているのですけれども、RIETIの研究の優位性ということをやはり考えなくてはいけない。どこが優位なのかということでありますが、私は3つあると思っております。

    1つは、先ほど申し上げましたように、アウトソーシングの調査を、コンプリヘンシィブな調査をいたしました。これは日本の企業約1万2,000社に出しまして、返ってきたのが約50%、 6,000弱。これは大学でやったのでは、とてもではないけれども、この数は集まってまいりません。せいぜい十数%集まればまあいいかなというぐらいの感じなのですが、こういう独自のサーベイをやるというのはこういう機関でないとなかなか難しいと思います。

    それからもう一つは、企業の個票データ、これを使って企業分析をやる、ミクロデータを使って分析するということが非常に国際的に重要な流れになっております。大学でもこれは可能なことは可能ですけれども、なかなかハードルが高くて難しいという部分があります。といいますのは、個票データですから、目的外使用になるわけであります。目的外の使用をするときに、単に研究目的だけではなかなか難しいわけで、それがもう少し高い次元での公共的な意味づけが求められる、そういうケースが多いわけでありますが、そういう面で、RIETIがそれをエンドースして、RIETIの研究としてやるということになりますとかなりその道が開けてくるという実態にございますので、この点に関しては非常に助かっていると思いますし、これは高い優位性をもつ一つの点だと思います。

    それから2番目は政策の実態を踏まえた分析を行うということでありますが、政策というのは外から見ていたのではなかなかわからない部分がありまして、実際に政策担当者から話を聞くと、なるほど、こういうことだったのかという部分があるわけで、それが研究に生きていくという部分があります。そういう意味では、政策に近いところで議論させていただくということは優位性ではないかと。

    それから3番目は、先ほど藤田所長がおっしゃったわけですけれども、海外の研究機関とのジョイントのさまざまな研究というのは非常に重要なわけで、研究機関として生きていくためには、国際的な水準を維持しないとどうにもならないわけでありますが、そういう意味で、研究ネットワークをつくる上において実は大変力になっていただいていると思います。後ほどその点については細かくお話をしたいと思いますが、経済産業省の関係機関も含めて、いろんな形でバックアップしていただいていると思ってます。

    それで、具体的な研究がまとまったところでどういう話をやっているのかということでありますが、例えば私たちは研究の中身に関してはコンプリヘンシィブなワークショップを2回、これまでやっております。2007年の3月、これは2006年度の研究成果をともかくまとめようということでやったものであります。これは東京でやりました。ここでは報告論文は13論文出ておりますけれども、ここで私たちはちょっとRIETIにお願いして、海外から10人の方を呼ばせていただきました。

    これはアメリカ、フランス、中国、韓国、台湾、それからベトナム、シンガポール、マレーシアということで、1つは我々の報告に対する評価をしていただくのと同時に、研究ネットワークをつくっていく上において非常に役に立つのではないかということで、その2つの目的でワークショップをやって、研究の中間的な内容を私たちから報告させていただいて、それから先方で出席した人たちも、関心のあるものについて報告をしていただいて議論を深めたということであります。

    それから2回目のワークショップはこの前の3月ですが、これは2007年度の研究成果を出して、それでたたき合うということでありました。これについてはいろんな外的な条件もあって、日本人だけでやりました。12の論文を報告して、ほぼこれが今DPとしてとりまとめるプロセスにあるという状況であります。

    こういったものが内輪のある意味での研究のとりまとめのプロセスでありますが、では外に対する発信はどうなのかということであります。これは11月26日、東京でCEPR(センター・フォー・エコノミック・ポリシー・リサーチ、ロンドン)とのジョイントのセミナーですけれども、リチャード・ボールドウィンに出席していただいて、ボールドウィンは、今、グローバルアウトソーシングの理論的な世界の五指に入るぐらいの研究者の一人でありますが、私どもは、このアウトソーシングについて、先ほどちょっとお話ししましたコンプリヘンシィブなサーベイをやりました。そのサーベイの結果を初めてお披露目をするということで、この場所を使ってお披露目をして、もちろん全部英文に直してありますけれども、それで世界に発信して、あわせてボールドウィンからもコメントをもらうという形をとらせていただきました。藤田所長初め皆さんには、このワークショップでは大変お世話になりました。

    それから、そのときに、どういうことを調査したのかということを一言だけ申し上げますと、日本の企業でどういう国にどういう形でアウトソースしているかということを、縦は国、China、ASEAN、Other Asia、それで横は仕事、工具等のアウトソース、中間材のアウトソース、最終材の生産のアウトソース、R&Dのアウトソースということで、全部で 100になるようにしてあって、どういう分布で世界にアウトソースしているのかということを一つの表にまとめたものであります。

    一言でいいますと、中国に対する中間材、ファイナルアセンブリ、このアウトソースがやはり圧倒的に多いという実態がありますが、これはアグリゲートしたデータでありますので、企業ごとに全部わかります。ということは、企業の別のデータとマッチングすることによって、その企業特性とこれとの関係をさらに分析するということで、我々は非常に高い関心を持ちながら研究を進めているということであります。

    それからもう一つは、知的財産の関係で、これは京都大学とRIETIの共同で国際シンポジウムを、1月28日、東京フォーラムでやりました。最初、私たち、「知的財産と東アジア・ルネッサンス」ということで、ちょっと固い話題だから人が集まるのかなと心配したのですが、大変な盛況で、写真にもありますように、多くの方がお集まりいただいて関心をもっていただきました。

    アメリカのコロラド大学のマスカス教授は、この知的財産権に関してはナンバーワンの研究者であります。それから中国に関して、今、知的財産権の制度を整えつつあるということで、ぜひ中国のDRCから来てほしいということで所長さんに来ていただきました。それから藤田所長のご報告とか、私の報告が終わった後パネルディスカッションをやって、ここでは政策当局の方、それから民間企業の方ということでキャノンの田中専務に、この方は知的財産に対して非常に造詣の深い方でありますが、ご参加いただいて、みんなでパネルディスカッションして、フロアからも質問していただいたということで、政策的にも、我々、少し役に立ったのではないかと考えております。

    そこで報告したことを一言だけちょっとだけ申し上げますと、ややテクニカルで申しわけないですが、グレーで囲んだ部分、Patent Indexというのがあります。これはパテントの、一言でいいますと知的財産権の制度が改善していくと考えてください。改善していくのに、南の国と北の国で何か非対称なことが起きるのかということでありますが、北の国は改善しているということが非常にシグニフィカントに出てます。ということは、ある程度所得水準の高い国では知的財産権を保護するということはいろんな意味でいい意味が出ている。

    ところが、ある水準よりも低い国では、知的財産権の保護を強めたからといって余り出てこない、なかなかそれだけでは難しいということをインプライしていると、一言でいえばそういうことで、南と北との関係で、同じような制度で適用することが妥当なのかどうかということに関して議論をしてもらったということであります。

    それから先ほどお話ありましたが、CEPRのシンポジウムで、今度は3月にロンドンで行いました。東京で行ったことに対するそのお返しということで。ロンドンでは英国政府の建物でやらせていただいたわけでありますが、そのときには、地域統合、金融、それから競争力、そういう形で幅広いテーマでお話をさせていただいたのですが、先方からは3本の論文、こちらからも3本の論文ということで報告をいたしました。

    Mayerはフランス人、Ottavianoはイタリアですが、これはヨーロッパの今のミクロ経済、特に貿易をやっているトップグループ2人です。それから Frankさんというのは金融をやっている方で、私は余り金融に詳しくないので、この方の研究がどういうことかと評価する能力はありません。それからBaldwinさん。

    彼らは、ヨーロッパのEUが全体として一体になったことがその企業にどういう影響を与えているのかということをコンプリヘンシィブに調べたいと。ところが、国ごとに全部違う。そういう中で、共通の調査をするにはどうしたらいいかということでスタートしたばかりなわけです。できれば日本のさまざまなそういう調査のノウハウも我々としては勉強したいと。こういうことで今議論が始まっているわけで、そういうことをベースにして、我々、今このシンポジウムでもペーパーを出し、先方からの話を聞いたということであります。

    そこで報告したのをご覧いただきたいのですが、赤はオフショアした日本の企業です。それからブルーはオフショアしなかった企業です。これを見ていただくと、成長率に俄然差があるわけです。それから労働生産性に俄然差があるわけです。それから賃金も高くなっているのです。ところが、Wage share、すなわち、労働の総金額は下がっているのです。ある種のリストラをやっているといえばやっているのですけれども、生産性を上げて一人当たりの賃金を高くして、そしてオフショアしている企業は伸びていっているというのが日本の姿であります。そうでない企業は逆になっているということで、これをどのように評価していいのかという問題でありますが、事実としてこういうことがわかったということは大変なことだと思ってます。

    グローバルにこれはどういう意味があるのかということですが、これは世界の製造部門での付加価値、これのシェアを示したものです。日本はものづくりに強いといわれてます。であれば、製造部門の付加価値が世界に占めるシェア、これが維持されているはずなのですが、日本だけがぐーんと下がっているのです。例えば10年前だと3割だったのが今は2割ちょっとになっている。その分中国がぐーっと上がっている。実はアメリカとかヨーロッパってそんなに変わってない。

    だから、ものづくり日本が強いというのは本当かということに関してはかなり考えなくてはいけない。その背景にはオフショアがある。オフショアがあれば工場が出ていくわけですね。付加価値はそっちでつくられてしまう。そういうことになっているというのが経済構成からみた話で、この点についても政策的には非常におもしろいというか、重要視しなければいけない、企業だけの問題ではないという、その点が重要かと思います。

    ただ、そうかといって別に保護主義とかそういうことではなくて、こういうことを前提として、長期的にあり得べき政策は何かということを議論したいという趣旨であります。

    成果に関しては、先ほどお話ありましたけれども、我々のグループで2年間で、主として英文で出そうと考えてます。日本文で出しても世界に発信できないということで、DPはできるだけ英文にしたいということで、12本、それからそのうち海外から6本出しています。

    我々、DPだけでとどまるつもりはなくて、これが国際学術誌にどれだけ採択されるかということが学術的には勝負だと思ってます。現時点では既に 「Research Policy」、これは準トップジャーナルであります。それから「Journal of Technology Transfer」、これはスプリンガーから出しているのですが、これも中堅クラスのジャーナルだと思います。それから 「The International Economics」、これは誤植があって、「The International Economy」に直していただきたいと思います。それから 「Asian Economic Papers」、これはMITプレスから出しているジャーナルですが、こういうジャーナルに既に4本掲載が採択されているということは、国際的に見てもそこそこかなとは思ってます。決して満足しているわけではありませんが、さらに上のジャーナルにいきたいという気持ちはありますが、そんな状況であります。

    それから啓蒙的な研究も当然必要なわけで、書籍・一般誌、それから経済産業省の広報誌、RIETI広報誌、それから政策形成機関で情報発信するということ。私自身、総合科学技術会議の政策専門委員会のメンバーでもありますけれども、そのほかにも私どもの研究会では統計審議会や統計委員会の関係、あるいは経済産業省から呼ばれまして、研究会で話をしてほしい、あるいはこれはどう考えていいのか。例えば現在のドーハ・ラウンドはうまくいくのか、うまくいかなかったときのシナリオはどうしたらいいのかということでありますとか、そういう話も来たりしますので、そういうことで情報発信。それから日本経団連での政策委員会なんかでもお話をさせていただく機会がございました。

    それから国際的な連携が非常に大事だということで2つお話ししたいと思うのですが、1つは、CEPRとの研究連携で、これまでワークショップ、2007年9月、11月、それから2008年の3月、3回続けてまいりました。これはこれからも続いていくと思いますし、RIETI全体とCEPRとの連携というのは幅広い接点で進むだろうと思うのですが、私が今担当している部分で進んでいることを深くお話ししてみたいと思います。先ほどちょっとお話ししましたが、ヨーロッパ企業全体、ヨーロピアンワイドのサーベイをやりたいと彼らは考えているわけです。

    それに対してどういうフォーマットでどういうふうに調査したらいいかという設計段階なわけです。日本のフォーマットをぜひ提供してほしいということで、実は日本のフォーマット、英語になってない部分もあったわけですが、RIETIの協力を得て、英語に全部直して、この間それを先方に渡したわけですね。渡したということは、我々、ノウハウが流れるかなという気持ちもあったのですが、でも、これがベースになって世界の統計がそのようになっていけば非常にいいことだということで、ぜひ参考にしてほしいということを申し上げております。

    それで、CEPRというのは非常に大きい研究組織で、研究集団としては大変な数がいるわけですが、その一部が今度コンファレンスやるので、RIETI、私たちの研究グループからも出てほしいという招聘が来ておりますので、ぜひ参加したいということを考えております。その中で日本とヨーロッパ企業の比較分析という形で、双方で知恵を出していこうということで、ミクロデータ分析の結果を報告したいと思ってます。

    それからもう一つは、中国の国務院発展研究センターの企業研究所というのがございます。これは、先ほど、国際シンポジウムで、陳小洪さんという人が方がおみえになったというお話をしました。DRCの所長さんですけれども、中国はようやく今データがそろい始めてきて、ぜひ我々としては中国の企業を少し勉強したいと思っています。

    マクロの経済成長だけでなくて、中国にはどういう企業組織があって、どういう市場になっているのかということをつぶさにみたい。それが中国の長期的な成長、サステイナブルであるかどうかということにも関連してくるので、ぜひそういうことをやりたいと思って、ミクロデータを用いた分析をやらないかという話をもちかけてます。これは背景がありまして、この国務院のセンターとRIETIとが研究連携協定を結んでくださったということで、それがきっかけになって、この研究を進めようということになってます。

    我々のところから一度向こうを訪問して、我々としてのこれまでの研究成果を全部差し上げましょうということで、提供いたしました。現在、DRCと中国の国家統計局との間で話をしていただいてまして、統計データがどの程度利用できるのかということを詰めていただいてます。そこの詰めが終わりましたら数量分析に入ります。そのときは我々としてはモデル、あるいは分析の手法についてアドバイスをして、共同研究を開始したいと思っております。

    それからそのほかに研究者レベルの交流というのはもう際限なくやってまして、例えば2007年の3月に招聘した研究者というのは、台北の大学、それからシンガポールのNanyang工科大学、それからKIEPという韓国の研究機関、それからベトナムのHanoi International University、それからマレーシア大学、それからフランスの Le HavreとかSanta Cruz、あるいはKorea University、いろんな研究者のレベルの交流、これは地道に進めていきたいと思っています。

    それから最後、これからのとりまとめまでの位置づけといいますか、大きな考え方なのですが、我々としては、研究目標が第2期中期目標期間の中でやっているわけでありますので、その中でのグローバル化、アジアにおける関係緊密化と我が国の国際戦略についてという大きなものをちゃんと支える研究ができれば非常にいいのではないかと思ってます。ちょうど折り返し点を超えたぐらいのところなので、私の意識としては、前半はできるだけ研究課題を幅広くカバーする研究に取り組むということで、かなり幅広いことをやって、後半は、その中で研究成果としてもっと深める、あるいは質高いものをやっていくということで少し選択したいと思ってます。その中でさらに高い研究成果を実現したいと思っています。

    成果のとりまとめは2つの側面から考えたいと思ってますが、1つは学術面での貢献、これはDPから国際学術誌という形で進めてまいります。それからもう一つは、RIETIが政策への助言ということをやはり大事にしなければいけないということなので、政策調査機関としての貢献を何とかできないかと考えております。

    以上、私の報告を終わらせていただきます。

  • 小野分科会長

    先生、ありがとうございました。

    それでは、今のご報告の件について、ご質問、あるいはご意見ございましたらどうぞ。

  • 小笠原委員

    大変興味深くお聞かせいただきまして、どうもありがとうございます。

    一点引かれた表というのがオフショアリングと経済構成のところでして、確かに先生のご指摘のとおり、ものづくり日本であるにもかかわらず、付加価値がどんどん下がっていると。この統計自体は96年から始まって2004年までですけれども、例えば最近ですと、そういう個々の、特に日本をリードしている企業というのは業績が回復していて、来年以降というか、今年以降どうなるかわかりませんが、この統計というのは、先ほどの1万2,000社のうち回答率が半分あって、6,000社という、ああいう統計の方法ではなくて、どういうタイミングで、どういう形でやっていらっしゃるのか、お聞かせいただけますか。

  • 若杉研究主幹

    ありがとうございます。これは国際比較をしなければいけませんので、UNの全体の統計の中における各国の製造業の付加価値、それを拾い上げてます。したがって、2004年というのはそういう意味で国際的にコンパラブルなタイミングということで、少し前になっているということであります。おっしゃるように、失われた10年、あるいは15年の残渣が残っている、名残が残っている時期なのかもしれません。したがって、それが急上昇して、2005年、2006年とまた回復したということが出るのかもしれませんが、それは私たちはまだ手に入れておりません。

    いずれにしても、データベースとしては、企業のサーベイは、これは個々の企業がどうなっているかということを調べる、そういう意味で非常に質の高いデータだと思っていますが、これはアグリゲートされたある種の各国のGDP統計に近いとお考えいただいたらいいと思います。

  • 小笠原委員

    統計上の個票というのは大体どんなフォームで回答を受けていらっしゃるんですか。参考までにお聞かせいただければ。

  • 若杉研究主幹

    個票に関しては、実は設定の仕方が難しくて、余り細かな数字を聞きますと回答率がすごく悪くなるんです。したがって、例えばこの間のオフショアリングのサーベイに関しましては、基本的には全部選択肢。そして、数字で出していただくときは、1から5の段階か、もしくは1,0、それを数値に直す、あるいはプロバビリティに直すという形で分析しようとしております。

    したがって、幾らオフショアしたんですかというものは聞いておりません。しているかしてないか、しているとしたら何をしているか。何をしているかも、例えば工具、中間材、最終、そういう欄を全部設けて丸をつけてくださいという形にしております。

  • 小笠原委員

    ありがとうございます。

  • 古城委員

    大変おもしろそうな研究で、こういうことが行われているんだと思って、かなり関心をもちましたが、特にこの実証研究というのは非常に望まれている部分だと思うんですね。今、個票についてのお話があったのですけれども、このデータですけれども、データ自体は公表されるのか、それともそのままオープンにしないのかというのは多分問題で、集めたのをどういうふうになさるのかというのをお伺いしたいんです。

  • 若杉研究主幹

    非常に重要な点だろうと思うんです。私たち、例えばこの独自の調査をやったときには、当然、調査客体に負担をかけるわけですから、それに対して見返りを当然考えてあげなくてはいけないわけです。したがって、調査結果はすべて集計したものとしてオープンにするというふうに考えておりまして、11月28日にワークショップをやった際にも、調査をご協力いただいた企業には全部ご案内をさせていただきました。その必要なディスカッションペーパーもプリントアウトしておりますので、冊子になっておりますので、それをお渡しするということができたと思います。それから、まだウェブには出してないんですけれども、これは今後検討したいと思ってます。

    ただ、調査をさせていただくときに、個票は絶対出しませんとお約束してますので、個票に関してはディスクローズすることは考えておりません。ただ、分析として使わせていただくということまでは了解をいただいておりますので、企業の名前がアイデンティファイできないような形で分析結果を報告させていただくということにしたいと思ってます。

    この点については、ご指摘のように、非常に気をつけてやらなければ、次が調査できなくなるということもありますので、慎重に考えて対応したいと思ってます。

  • 古城委員

    もう一点ですけれども、国際的な連携というのを非常にやられていると思うんですけれども、特に日本がフォーマットを提供して、ほかの国での基準になるようなものをつくられるというのはすごく重要なところだと思うんですけれども、ヨーロッパの方の研究というのは今後も歩調をあわせながらやっていくのか、それとも個別にそれぞれがやってというスタイルなのでしょうか。

  • 若杉研究主幹

    我々の希望としては、非常に望まれるのは、例えば私たちが提供したフォーマットとほぼ同じようなフォーマットを向こうがデザインして、それでヨーロッパの各国にその統計をつくるように働きかけて、その統計ができて、それで日本とヨーロッパが同じベースで分析して、その結果をお互いに報告し合うということが続いていくということがあれば、こんなすばらしいことはありません。これはしかし、ベストのケースですね。

    ワーストケースはその間にいろいろあるわけで、データもらったはいいけれども、ヨーロッパとしてはなかなかできなかった。できないというのは、実はこのCEPRでやってますのも、単にボランタリーでやっているわけではなくて、ECコミッションが絡んでいるわけです。コミッションで最終的に採択してやっていこうというようなことになってますので、その間にいろんなことがあるかもしれないというのが1つです。

    それからもう一つは、研究成果の報告に関して、実は報告といっても、先方も非常に手ごわい研究者集団なわけです。世界をリードしている研究者集団ですから、私ごときの力ではどこまでいけるのかというのは実は心配な点ではあるんです。しかし、日本にも非常に若い研究者が育ってきてますので、そういう人たちと一緒にやっていって、置いてきぼりを食わないように走っていこうということにはしています。一方で、そこでどこまでついていけるかという研究の能力、レベル、そういった問題も決して安心できるような状態ではありませんので、その両面から、いろんなケースがあり得ますけれども、まあナッシングということには決してならないので、その間のどの辺でこれからつき合っていけるかなあと、そういうふうに考えてます。高いところをねらいたいとは思っているんですけれども、相手もあることですから、身のほどを考えながらやっていきたいと思います。

  • 小野分科会長

    ありがとうございました。

    私の方から2つ質問したいんですけれども、RIETIの研究と大学の研究というのを比較していただいた5ページの資料があるのですけれども、これはちょっとお金の話に置きかえますと、RIETIを使うメリットというのが、大学サイドからご覧になるとどのぐらいの、何億、何千万円のメリットがあるのよというような、お金の面からの見方はできますか。

  • 若杉研究主幹

    なかなか難しい問題です。率直にいいますと、実は大学の研究費は最近多いんです。例えば科学研究費でありますと、私もここ十数年、科研費をいただいている。そういう意味では、身の周りの研究をするためのお金ということでRIETIからお願いしたいという状況ではないと思ってます。むしろ、大学で幾らお金があってもできないようなことってあるわけですね。さっき申し上げましたように、独自の調査をやるといって、大学からあるシンクタンクに委託をして調査票つくってもらって出したとします。それに 5,000万かかったとします。だけど、回収率が5%や10%では使いものにならないわけです。バイアスがかかっていて。そういうことは避けたいと考えてまして、したがって、お金だけではないかなあと。

    それからミクロデータの目的外使用、これはお金の話では全くないわけですね。お金は要らないわけです。私どもも申請もできるわけですが、しかし、そのときのタイムリーな申請、それからそこを受けつけてもらえるかという道を開いていただくという点においては、大学ではまだ難しいかなと。本来はそういうところも調査統計部局、日本政府の統計機関がオープンにして進めていただくというのがベストだと思うのですが、まだそこまでいってないということだと思います。

    それからもう一つ、お金のことで1つだけ、我々、力強いなと思ってますのは、例えばシンポジウムをやる、それから外国から人を呼ぶというときの費用というのはなかなか出にくいんです。ここは、我々、身の周りの研究をするときには大学研究費でいけるんですけれども、そういうある種のイベントみたいなものでネットワークづくりやっていくということを大学だけでやるというのはちょっと難しい。

    そういう意味で、例えば1月に国際シンポジウム、京都大学とRIETIの共催でやらせていただきました。この典型的な例は、やはり京都だけではあれだけのものはできないだろうなと。お金の面、それからファシリティの面とか、それから外とのいろんな連絡とかも考えるとなかなか手間暇のかかることですので、できないということで、そういう面では、お金に関してもある意味では助けていただいたというか、我々非常に助かったという部分はあります。ただ、それだけではないだろうとは思ってます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございました。

    もう一つは、これは若杉先生の個人のお考えでいいんですけど、RIETIの世界的なレベルについてです。研究機関としてどういう評判になってるんでしょうというのをお聞かせいただければ。

  • 若杉研究主幹

    正直いって、まだ定着してないと思います。そういう意味で、CEPRとの間での研究もまだ始まったばかりなんですが、CEPRは、アメリカのNBRと並んで、世界をリードしている研究者集団なわけですね。そこに関連をもって一緒にやっていこうというオファーをし続けているわけですが、彼らの目から見て、イコールフッティングだとはまだ全然思ってないと思うんです。

    ただ、RIETIの中でも、例えば藤田所長は空間経済学、都市経済学では世界的なレベルの先生なわけですね。そういった方がいるということは当然先方もわかっているわけです。

    それからボールドウィンは、私、20年以上前からつき合っている友達なので、そういう個人的なネットワークで、ああ、あいつがいるなという感じでつき合ってくれている、あの人がいるなという感じでつき合ってくれているということはあると思うんです。

    ただ、組織としてどうかというと、そこまでは多分いってないので、それをどうやっていくかということが非常に重要で、組織としてのRIETIを世界で定着させるには、RIETIとしての仕事をやっていかなくてはいけないということだと思うんです。個人の研究者だけではそこはいつまでたっても変わらなくて、RIETIとしてやっていく。そのためには、例えば地道な調査票を送ってあげるとか、そういったことも含めて進めていくということが大事かなあとは思ってます。おっしゃるとおり、これからの大きな課題の一つだと思ってます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございました。藤田先生在任中に何とか世界一目指してやれるようになるといいですねというのが感想です。

    ほかにご質問ありますか。

    よろしければ、もう一つのレポートをお願いしたいと思います。それでは、戒能先生、お願いします。

  • 戒能研究員

    経済産業研究所の戒能と申します。よろしくお願い申し上げます。

    私が現場の常勤のフェローといたしまして仕事をしている中で感じたことを含めて、研究どのように行っているかというのを少しご説明したいと思います。

    最初に、私が何者かということでありますが、大学を卒業いたしまして経済産業省に入りまして、技術系で15年間経済産業省に勤めさせていただきました。その間、在職中もほとんど仕事は数値シミュレーションを担当しておりまして、中小企業の政策の分析やエネルギーの需給見通しの作成などといった仕事に携わらせていただきまして、ほぼその延長線上でこの研究所に2002年にまいりました。

    2002年から、気候変動枠組み条約の審査専門家ということで、実は京都議定書の各種の温室効果ガスの排出量の計算が各国ちゃんとされているか否か、あるいはその基準として、国際標準値の策定や計算方式の妥当性の検討を行うIPCC-NGGIPという組織がございまして、この Lead Authorに併任させていただいておりまして、2006年から大阪大学のサステナビリティ・サイエンス研究機構の特任教授に併任いたしております。

    お手元に、お恥ずかしいですが、IPCCでノーベル平和賞共同受賞したときのレプリカがあると思いますが、実はこれをいただけるのは、百何十人、世界にいたのですけれども、私は、実は中でお話ししますが、この研究所の研究成果から派生した研究成果で国際標準値としての炭素排出係数の改定というのをやりまして、その結果これをいただいたと聞いております。

    私の研究開発の基本的な方針は政策現場第一主義ということでございます。つまり、制度設計の現場が必要とする定量的な評価・分析であって、大学や研究機関、シンクタンクができないことをやるということをモットーにしております。

    医者にたとえますと野戦病院の軍医と。経済産業省の前線に一番近いところにいて、例えば審議会でやり込められた課長が半日で結果を出してくれという場合も対応する。あるいはマクロから実証までものすごく広い適用範囲で、実はRIETIの中にいらっしゃるいろんな先生方に尋ねていって、この問題解けないですかといってお話を伺うということは実は結構ございます。それから特殊な要請事項もございます。

    例えば図示しますとこういう形になるかと存じます。上が学術的な高度性として、右側に経済的実用性として、例えば企業で役に立つかという評価尺度をここに置きます。社会科学の全体の平面の中で、自分の考えですけれども、RIETIというのは恐らく行政庁の政策への応用性と大学の学術的高度性の中の少し政策寄りのところを担当していると。他の大学のパブリックスクールやビジネススクールと違うのは、当然上の側にパブリックスクールやビジネススクールは寄っているわけですが、下の方をやるということでありまして、野戦病院の軍医はこの辺にいるわけでございます。多分若杉先生は上の方にいらっしゃるのではないかと思いますが、仕事の性質がかなり違うことを請け負っているということでございます。

    過去、実はこちらで5年強仕事をさせていただいたのですが、仕事の研究課題といたしましては、一番最初にとりかからせていただいたのは、国や地方の財政のモデリングをやらせていただいた後、総合エネルギー統計の改善といったことをやりまして、実はこれから派生した業務がノーベル賞を共同受賞させていただく結果になりました。

    その後、都道府県地域経済の分析や都道府県エネルギー消費統計という形に派生しておりまして、ちょっと資料を拝見したのですが、18ページに、ウェブのこの研究所のアクセス数というのがカウントされています。1位が総合エネルギー統計で、3位が都道府県エネルギー消費統計だと承知しておりますが、この2つを私の研究室で作っております。研究室といっても1人しかいないのですけれども。

    それから中での他の先生方との連携ということで、主にミクロの先生方との連携で仕事をさせていただいてまして、東京大学の金本先生や政策研究大学院の八田学長にご指導いただいて、省エネルギーや電力、ガスの自由化の研究というのを進めてまいりました。

    ただ、非常に残念なことですが、これらの研究を行うための母体として使っていたデータベースを、去年、この研究所で廃止するという意思決定をされたものですから、自分で使うためのデータベースがないと仕事になりませんので、今、再構築するという仕事にかかっております。

    具体的にどんな成果を出してきたかということをご説明しますと、例えば財政分析ですと、2004年に前々所長の青木昌彦先生のご指導をいただきまして、国、都道府県、市町村と年金基金の挙動の識別可能な評価モデルを構築しております。年金につきましては、その後、中田研究員がもっとすごいのを今作っていただいてまして大変心強いことですが、90年代の財政運営を運営不能であると、このままいくと破綻するということを描いたということでありまして、本としては、出版物、「日本の財政改革」という出版物に所収されました後、自民党の財政改革研究会で講演されて、そこの資料として引用されまして、その後、財務省の財政改革審議会で審議会資料としてそのまま使われております。

    今でありますけれども、地域関係の研究として、都道府県と市町村の財政がどうかということの自主研究を続けております。

    それから「地域経済の動向変化の要因分析」ということでございますが、これにつきましても、各都道府県の県民所得や人口、産業構造といったものを30年分、パネルデータをつくりまして、県民所得は製造業の工場立地の動向、人口が商業サービス業の集積度と相関をもっていたということをモデルとして提示いたしまして、経済産業省の地域経済研究会で発表させていただきました。

    これが直接の契機になりまして、特定の地域にだけ工場を誘致するという工場再配置法を廃止すると。つまり、どこであっても県民所得が製造業の集積度の関数であるのだったら、特定の区域だけ優遇するということはむしろ経済効率を下げますので、やめるという意思決定の一つの材料として使っていただきました。

    この分野につきましての私の所感を述べさせていただきますと、経済産業省の本省からはコンサルテーション業務が最近非常に多くなってきたということでございます。某省の幹部にいわせますと、私程度がやるような分析は本来省内の若手の職員でもできるはずであると。これは正しいと思います。ですから、研究自体の需要というのは実はこの分野、余りありませんでして、どうやったのかという手法や関係する専門研究者の最新の動向を教えてくれという需要が非常に多うございますので、どうしても自分の研究ではなくて、コンサルテーション業務がふえてまいりました。

    これにつきましても、本来業務と思われるので積極的に今対応しておりますが、年間の研究時間、去年つけてみたのですが、大体1割ぐらい割かれているという状況です。

    それから主要成果のもう一つの分野で、政策評価というものに携わっておりますが、総合エネルギー統計という統計がございまして、これは実は日本国の温室効果ガスの総排出量を計算する基礎になっておりまして、エネルギーをだれがどのように使って燃やしたかというのを詳細に研究、表現している統計なわけです。実はこれはかつては2~3%の誤差がございまして、ご案内のとおり、京都議定書というのは90年比6%の削減をするというのが約束なのですが、3%誤差があると実は達成したのかどうかわからないという問題がありまして、それを直すために、ほぼ4年がかりで、誤差、15年間連続で1%未満という算定方法の開発に成功いたしまして、これの著作権を私が有しております。

    さらに、これを使って47都道府県にエネルギー需給増を分割するというものをつくりまして、それは都道府県別のエネルギー消費統計という形で公表させていただいております。これは2つとも公式統計として採用されておりまして、京都議定書上の日本国の温室効果ガスの排出量の基準計算値になります。それから都道府県にも温室効果ガスの、地球温暖化防止法に基づいて各県の排出量を計算・管理せよという義務がかかっているのですが、現在私が把握してますところですと、10都道府県で、この都道府県エネルギー消費統計という私が開発したものをお使いいただいております。

    ただ、これはちょっと愚痴になって申しわけないのですが、更新業務の負担がものすごく大きくなってまいりました。というのは、15年分ありまして、過去との精度の関係や接続ということを考えますと、毎年少しずつ業務量が増えていくのですが、去年、計算してみますと、大体4分の1ぐらいの時間をとられている。恐らく今後も少しずつ増えていくのではないかと思います。

    特に京都議定書の第一約束期間がもう始まってしまいましたので、多分2012年までは正確な算定というのを確実に続けていくということが要請されるわけですし、これは間違えますと、実は排出権取引を停止されたり、国連からいろんな権利停止をされてしまうので、やめることはできないというちょっと難しい問題を抱えてございます。

    それからその派生の研究といたしまして、実は省エネ法の各種の規制の費用便益分析ということを東大の金本先生や政策大学院大の八田先生のご指導をいただきまして行ってまいりました。関連のディスカッションペーパーを4本公開しております。実は現在、国で、排出権取引や、あるいは京都議定書上の目標達成のための炭素税というものが議論されているのですが、省エネ法の効率規制措置というのの費用便益をはかってみますと、実は炭素税や排出権取引より便益が上回っている、非常に効率的なものが多いと。もちろん全く反対のものもございます。

    一体どうなっているのかという全体のマップを、粗い形ですが、作ったというのが評価されまして、最近、EU委員会も、かつて自動車の燃費や家電のエネルギー消費量というのは自主行動でやらせていたのですが、規制に切りかえるというふうに意思決定されたようでして、論文をうちのホームページからダウンロードして、向こうで英語に訳して、流布していたようです。

    ただ、残念なことですが、実はデータベースを今なくしてしまいましたので、あとの研究をこの後行うことは直接はできない状態になります。

    それから電力・ガス部分自由化の政策評価につきましても同様に、いろんなミクロの先生方にご指導いただきまして、電力・ガス事業の料金が自由化によってどう変わったのかということを計量分析したり、あるいは現在行われてます自由化後の卸電力取引所の価格が一体妥当な値段がついているのか、不正行為はないかということのレビューのためのシステムの開発や、あるいは都市ガスの内々価格差の問題についてどう考えるかということの論文を書かせていただいておりまして、これはいずれも総合エネルギー調査会の審議会の報告書にそのまま収録されまして、制度設計の基礎として採択されてございます。

    これも、残念なことですが、基礎データのデータセットを失っておりますので、延長してくれという要望あるのですけれども、今はできない状態になってます。

    需要が実は大変増えてきたのですが、見てくださいという非公式な経済産業省や環境省さんからの依頼が非常に多くなって参りまして、中には非常におもしろい課題もあって、学術的にも意味がありそうなものもあるのですが、そうでないものも非常にたくさん含まれております。

    それから灰色データですね。データセットをこちらで提供できないものですから、先方に持ち込んでいただいて分析するという賃加工みたいなことをやることになっているのですが、そうしますと、それを一生懸命私が分析しても論文に書けないので、ちょっとこれは困ったなというのが最近の真剣な悩みとしてございます。

    本来、経済産業省の中にキャパシティがあれば、こういう政策の変更によって公共料金がどうなったかとか、経済構成が上がったとか下がったとか、自由化の効果いかんというのができれば非常によい。しかし、職務専念義務上、例えば某課の課長補佐が全然違う課の仕事を引き受けることにはいきませんし、それから実はこの計量分析やシミュレーションという仕事ですと、モデルを1回動かし始めると大体60時間とか70時間とか前に座ってないと、一からやり直しになりますので、実は8時間でとめて次やるということはできません。

    そうすると、官公庁に私いたころに、長期エネルギー需給見通しをやったころは、勤務形態が公務員体系にそぐわない形にしまいました。それからまた人員や能力配分の制約もございますし、あるいは役所が自分でやって審議会に出した場合、客観性や中立性ということで問題を起こす場合がございます。

    確かにこの分野は独法に適しているとは思いますけれども、ちょっと問題ありますのは、やはり人材・技能・経験の蓄積がないとできるものではございません。多分、データ扱うのがプロ、あるいはこういうものについての分析のプロがいらっしゃると思うのですが、政策に特化したものというのはなかなかやっておられる方は難しいと思いますので、おそれながら、人件費抑制という制約というのは、私どもがやっております分野ではちょっと難しい問題を抱えます。

    それから次でありますが、よく聞かれるのですが、私、実はこの研究所で公式な研究費、一円も使っておりません。なぜかといいますと、研究予算につきましては、必要がないからではなくて、本当は使いたいのですけれども問題が多いというのと、ほかで調達できるのでご辞退申し上げているというのが実態でございます。

    1つは手続に非常に時間がかかります。冒頭申しましたとおり、12時間以内に見てくれとか、あるいは午後から国会でいわれているのだけれども、3時間でやってくれとかいう仕事が多いのですが、そういうものについて予算を取っていて何かするということが不可能ですので、この場合は自腹でやります。どうしてもというのなら、依頼元に自己負担してくれということになります。そうするとちょっと悩ましい問題なのですが、さっき申し上げたように、灰色データを先方持ち込んでくるということになりますので、その成果物からは論文は書けないという難しいジレンマがございます。

    それから研究所に支援システムというのはたくさんございまして、実はいろんな制度が整備されておりまして、かなり計画的に使えば使えないことないかなと思うのですが、自分としては余り使っておりません。

    ただ、唯一、データベースだけは再現性の問題がありまして、分析をやったときに使ったデータを公開するというのが計量分析の世界ではルールですので、これだけはどうしても、一般に公開しているデータのセットがないと研究の能率が落ちますので、これを再整備させていただくためのプロジェクトを現在進めております。

    それから広報につきましては、自分といたしましては、過去5年間の経験でいいますと、一番ありがたいと思っていてこれからも続けていただきたいと思ってますのは、インターネットのホームページの広報であります。私、併任先の大学でも教えておりますが、これは非常にいろんな方から好評でございます。

    ただ、申し上げにくいのですが、シンポジウムや紙メディアの広報につきましては、ちょっと時間がかかるというのと、容量・対象・機会が制約されるということなので、多分アカデミアとしてエスタブリッシュされた方はこういうものの方が向いていると思うのですが、私のように、数時間、数日単位で次々政策の現場の課題をこなしていく野戦病院の軍医にしてみると、ちょっと使いづらいものかと思います。あるいは見方を変えますと、役所の審議会にそのまま報告した方が、実は広報手段としてはすぐれておりまして、多分、政策研究としては一番いいわけなので、これを使うべきである、あるいは代替するのではないかと思っています。

    以上でございます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございました。経済産業省のご経験も生かしていただいて活動していただいているということだと思います。

    それでは、ご自由に質問やご意見をお出しいただいたらありがたいと思います。

  • 小笠原委員

    いろいろな実態が明るみに出てというか、私ども、わかり得ないところがあったものですから、それに圧倒された部分が正直あるんですけれども、野戦病院の軍医として日ごろ行動されている中で、特に最後のところの、研究予算を基本的に辞退されていらっしゃると。また、ほかで予算を調達できると。これは具体的にはどういう形でやっていらっしゃるのかというのが1つ目。

    あともう一つ、随所に出てくるんですが、データベースを廃止したために連続性が得られないというのは、これは問題じゃないかなと思うんですけれども、そういった困難が継続しているとすると、どういう形で今後対処されるのか、あるいはそれは復旧するとかそういうことが考えられないのか、その辺をお聞かせいただければと思います。

  • 戒能研究員

    予算をどうやっているのかということですが、基本的には使わないで徹底的にやるというコスト最小化でやると、実はそんなにお金が必要なものはございません。ただ、裏を返しますと、実は2つ目のご質問につながるのですが、データベースがあったので、本当なら私が使った分をコスト計上されたとすると何千万という額になっていたんですが、それを無料でいただいていたので、ただでよかったと。しかし、それがゼロになったので、実は予算を使ってつくらなければいけないとか、あるいはいろいろ依頼されてくる相手に自分でもってきてくださいということになると、変な話、外部へ押しつけているわけなんですね。それでもやってほしいという方でもまだたくさん残っているということなので、なかなか難しい問題かと思います。ただ、時間的に考えますと、やっぱりどうしても追いつかないです。

    それからデータベースをなくすことは問題じゃないかというのは、実はこれはもう苦渋の決断でありまして、過去、この研究所がもっていたRIETI-STATというデータベースというのは、年間 5,000~ 6,000万の維持運営費がかかっていまして、しかも、非常に昔につくられたアーキテクチャーをもってますので、応用がきかないという大変な問題があったのです。それでもデータはそろってたので使い勝手はよかったのですが、今日的なデータベース技術からするともう時代遅れの蒸気機関車に近いようなものだったんです。ですから、いつかはこういう形にしなきゃいけなかったので、後送りにしてきたんですけれども、そのタイミングが来たと考えて、余りネガティブに考えずに、チャンスだというふうに自分は認識しています。

  • 小笠原委員

    その辺はデータが非連続的になるということはないんですか。新データベースに置きかえれば、その辺の格差というのは出ないと考えてればいいんですか。

  • 戒能研究員

    鋭いご質問なんですが、出ないようなデータを使って研究をしなければならないというのがルールなんです。ですから、古いシステムを使っていますといつかは乗りかえなければいけないんですが、なかなかお金と手間がかかるので、洗いがえと呼んでますけれども、難しい問題がございます。そのときがもう来たと考えましょうということでございます。

  • 古城委員

    15ページに「政策計量分析は独法に適した分野だが」というところがあります。私もそうだと思うんですけれども、人件費が抑制されている中で政策計量分析を続けていけるものなのかどうか、抑制されている中でこういう分野というのをどういうふうに続けていけばいいのかというのは、非常に無理があるのではないかと思っているのですが、展望なり何なりお持ちなのか、それとも悲観的なことしかないのか、お伺いしたいのですが。

  • 戒能研究員

    実は考え方といたしましては、大学から優秀な学生をいただいて育てるというのが理想像なのです。人件費の抑制が問題だというのは、別に私の給料上げてくれということではなくて、実は後継者が育てられないことなんですね。ですから、この分野に近いことをやっていただいている研究室を出た、例えば、恐縮ですが、若杉先生が教えられた大学院の学生をいただいてきてとなると、実は誰か一人どかないと、抑制されている人件費の中では後継者を育成できないんです。そこが、ものすごく難しい問題です。

    私の場合ですと、統計の開発と運営をやっているんですが、後継者がまだ十分育ってないうちに自分が欠けますと、その後の統計の開発と運営ができなくなってしまいます。そういう場合については、人を育てるための特別の配分枠みたいなものものを何か考慮していただけるとありがたいのかなと思います。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。若杉先生、何かありますか。せっかくですから、どうぞ。

  • 若杉研究主幹

    大変なお仕事をされているなあという印象をもっています。テクニカルにこういうノウハウをもっているという方というのは非常に少ないことは確かなんで、一部の方に非常に多くの負担がかかっているということは否めないと思うのです。それをどういうふうにしてサステイナブルな形で続けていくか、もしそれが必要であれば続けていくかということが問題だと思います。

    人件費の問題というものが挙げられましたが、大学では、就職先がないんですね。私も大学院生が何人かいて、就職先をどうしようかというのはドクターをとったときはものすごく考えなくてはいけない問題です。そこで、独法である種の期間を決めて、3年とか5年とか任期付の若手をポスドクの形で雇用して、それで育てていき、場合によっては残っていただくかもしれないし、それからジョブマーケットに新しく出るかもしれない、そういうつなぎとして、やっていただくと非常にいいのではないかと思われるのですが。

    実は私のところにいた大学院生で、学士の特別研究員になって、費用の面はもう全然問題ないんですけれども、実はRIETIのヴィジティングスカラーという形で所属している方が現に1人おります。それから、これも私のところにいたのですが、アメリカで Ph.D.とって、今ウエストバージニア大学で教えているんですが、日本に帰ってきて、短期ですけれども、RIETIで研究して次のステップにいこうという人もいて、そういう意味ではわりにここは流動的な組織じゃないかなと。役所ではとても考えにくいことですし、大学でも結構流動的にそういうのをやるのも、一部枠があるんですが、必ずしもうまく機能してない部分もあって、そういう意味では、RIETIでそういう役割があるということは、私は、日本の若手を育てる上において重要じゃないかと思います。大変苦渋に満ちたお話であると同時に、次に何か解決できる道がないわけではないような気もいたします。

  • 小野分科会長

    よいアドバイスをありがとうございました。そういうニーズと、需要と供給のバランスですから、それを両方とも満足できる解が必ずあると思いますので、今後のRIETIの動かし方の中にもうまく組み込んでいけるといいなと思います。どうも本当にありがとうございました。

    戒能さん、どうも本当にありがとうございました。そういうコンサルティング業務もRIETIの顔の一つで、顔は一つだけではなく、十一面観音と同じですから、いろんな顔をもってRIETIの存在感を高めていただけるように、今後とも先生、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。お二人の先生から生のお声を聞かせていただきました。

    続きまして、産業研究所の19年度の業務実績についてのご報告を、中西さん、よろしくお願いします。

  • 中西研究調整ディレクター

    ご紹介いただきました、研究調整ディレクターをしております中西でございます。資料4の「平成19年度業務実績評価シート」に基づきまして、RIETIの実績についてのご紹介をさせていただきます。

    まず評価事項、調査及び研究業務とございまして、この中で、研究領域いくつかございまして、順次説明させていただきます。

    まず1番目の研究領域でございますが、「少子高齢化社会における経済活動の維持についての総合的な研究」ということでございます。この第1領域につきましては、19年度、6つの研究プロジェクトを実施してございます。ここにありますように、先ほど副所長からも少し言及ございましたけれども、東大の吉川先生の少子高齢化のもとでの経済成長を初めとする6プロジェクトでございますが、ここに代表プロジェクトの概要として2つご紹介させていただいております。

    まず、「社会保障問題の包括的解決をめざして:高齢化の新しい経済学」というテーマでございます。現在、国内で高齢化が非常に、世界にも例のないスピードで進んでいるわけでございますけれども、高齢者の生活の質をどういう形で維持していくか、そのための社会保障システム、どういったことを構築していくことが必要かという研究でございまして、実はこれまで行われている研究の中では非常に分野別全体としてのアプローチ、マクロ的なアプローチということで、個々の高齢者それぞれの方の状況に応じたデータというのはございませんでした。

    そこら辺に分析の限界があったわけでございますけれども、高齢者それぞれ一人一人がいろいろ多様性をもっているわけでございますが、そういった多様性を前提といたしまして、ミクロ的、かつ包括的なシミュレーションモデルの分析を行っていくということで、実は石川県の金沢市と東京都の足立区、それぞれの地域の 2,000人ずつのお年寄りの方にアンケートをとりまして、それぞれの方の健康状態ですとか経済状況、それから家族関係がどうなっているか、それから働いているかどうか、そういった細かいデータを一つ一つとりまして、この項目自体は実は世界標準として、アメリカですとかヨーロッパでもこういったデータが集められているわけですけれども、そういったのとあわせる形、国際比較ができるような形でのデータ収集を行いまして、この分析を行っているというテーマでございます。

    それから次に「社会保障研究:社会保障財政シミュレーションモデルの開発」ということでございます。現在非常に、社会保障、年金問題等々、国家的なテーマになっておりまして、今後、例えば税負担でいくのか年金でいくのかとか、いろいろな議論があるわけでございますけれども、この研究所の中で、先ほど戒能研究員から少しお話ありましたが、その後を受けた形で田中研究員が進めている中で、年金のシミュレーションモデルというものを開発してございます。

    これは今後西暦2100年に向けまして、例えば経済成長率、それから出生率がどうであるとか、消費税の動向がどうなるとか、そういったいろんな社会的な前提、財政的な前提を入れることによって、それぞれ年金の負担率なんかどうなっていくだろうか、そういったシミュレーションモデルを開発してございます。こうしたものを使うことによりまして、将来の少子高齢化社会において、例えば経済成長とどういう形で併存できるか、両立できるかといった形の保障の給付のあり方ですとか負担のあり方、そういったものの検討につながるようなテーマでございます。

    これにつきましては、この研究領域の(1)の部分では、19年度、全体として98件、ディスカッションペーパー出ているうち、この研究領域(1)では15件のディスカッショペーパーが公表されてございます。

    下のイの部分は社会室の方から後ほどご説明がありますので、私からはこの部分は飛ばさせていただきます。

    次のページを見ていただきまして、RIETIが実施したアンケートによるMETIの関係課室からの評価でございます。以上の6テーマ全体についてのMETIの関係課室の評価でございますけれども、政策ニーズとの合致につきましては、A、B、C、3段階で評価いただきまして、平均 2.5ということで、総合評価Aという形の評価をいただいております。

    また、研究成果が政策形成に与えるインパクトについて、これは5段階評価をいただいてまして、平均点3.00ということで評価Bという形の評価をいただいてございます。

    次に3ページ目でございますが、この領域での学術雑誌などで発表された論文数でございますけれども、8件という形になっております。また国際シンポジウムなどでの発表につきましては、21件という数になってございます。

    また、外部のレビューアー、大学の先生を中心に評価をいただいているわけでございますけれども、これも5段階評価をいただいてますが、平均4.04ということで、評価Aをいただいているところでございます。

    また1ページめくっていただきまして4ページ目になりますが、これは第2ドメインの「国際競争力を維持するためのイノベーションシステムについての研究」ということで、平成19年度、14のプロジェクトを実施してございます。ここに書いてあるとおりでございますが、代表的なものを3つほどご紹介させていただきますと、まず1番目といたしまして、「日本企業の研究開発の構造的特徴と今後の課題」という長岡先生のプロジェクトでございます。日本の経済が今後成長していくために、それぞれ企業におけるいろんな研究開発というものが非常に重要視されているわけでございますけれども、この研究開発がどういう形で行われているか。それこそ知識の源泉ですとか外部との連携、それからそれぞれの研究が要するにスピルオーバーしていくもの、また資金制約、発明者の動機ですとか、こういったいろいろな社会科学的知識、非常に限定的な中での知識になってくるわけでございますけれども、こうした企業内の研究プロジェクトレベルでそれぞれたまっているデータがあるわけですが、これを体系的に収集いたしまして、これが日本の発明者全体としてもどういった形で今日本の中で発明が行われているかという包括的なサーベイを行ったものでございます。

    こうした発明者の情報と、あと既存のいろいろな統計データと組み合わせることによりまして、日本の企業が研究開発としてどういった構造的な特徴をもっているかという、そういったものを明らかにしていく。それによりまして、研究パフォーマンス、どういうところに今後集中していくかといった政策的課題にもつながる、そういった研究テーマでございます。また、これは国際的にもいろいろ研究調査方法、フォーマットあわせることで国際比較もできるような形のものにしているところでございます。

    それから次に「産業・企業の生産性と日本の経済成長」ということで、実はこのプロジェクトではJIPデータベース、日本の産業生産性データベースというものがございます。このデータベースで、日本経済でそれぞれ生産性の向上が大事だといわれているわけでございますけれども、生産性の要素のいわゆる資本の部分ですとか労働投入、その他の部分、それぞれの部分につきまして、より精緻な形で多くのデータから、例えば資本を投入しても、年によって、減耗ですとかいろいろ生じてくるわけでございますけれども、そういうものを全部加味した形でのデータを総合することによりまして、日本の中の産業ごとの生産性がどういった形になっているかを明らかにするとともに、またアメリカとかEU、韓国、そういった海外との比較データも可能にするような研究をしているものでございます。

    それから3番目にあります「産業クラスターに関する調査研究」でございますが、イノベーション力の強化、それから特に地域経済の活性化ということで、この10年以上、産業クラスターというものが非常に注目されているわけでございます。この産業クラスターの形成で、単なる集積だけではなくて、いろいろな産業を超えたつながり、これはものの流れ以外にも、情報の流れですとか人の流れですとか、そういったものがあるわけですが、そういったクラスターがどういった形で今日本の中で形成されているかということで、先進事例として考えられてます首都圏西部、東京から神奈川の三多摩地区から八王子とかあの辺の多摩地域、それから京滋地域、これは京都の南の方から滋賀県にかけてのあたりですが、この2カ所を特に対象に実証分析を行っております。

    この実証分析の中からそういった産業クラスターがいろいろなイノベーションを起こしていくのに非常に有効な形であるというものを明らかにしていくということで、これは先ほど少しありました地域のシンポジウムでも、各地域に対してのいろいろなアプローチもしてまして、実践的な政策提言などにもつながっている研究でございます。

    この第2ドメインにつきましては、ディスカッションペーパーとして全部で18件公表されてございます。

    それから5ページの部分は、先ほどと同じに、社会室から後ほどご説明がありますので、省略させていただきまして、6ページ目でございます。RIETIの方でMETIの方の関係課室への調査の結果でございます政策ニーズとの合致につきましては、評価Aという形の高い評価をいただいております。また政策形成に与えるインパクトにつきましては、評価Bということになってございます。

    また、学術誌、専門誌などで発表された論文数でございますけれども、この第2ドメインにつきましては、19年度12件の論文が出てございます。また、国際シンポジウムなどでの発表論文は34件という形になってございます。また外部の先生方からの評価でございますけれども、これも5段階評価でございますけれども、平均点3.95で、評価Aということで、非常に高い評価をこの分野につきましてもいただいてございます。

    次に第3ドメイン、「経済のグローバル化、アジアにおける経済関係緊密化と我が国の国際戦略についての研究」ということで、これは先ほど若杉先生からご紹介いただきました国際企業・貿易構造の変化と市場制度に関する研究等々、全部で11プロジェクトがございます。

    この代表プロジェクトの中で、先生のお話につきましては、先ほど先生からご紹介いただきましたので、私から説明をするのは省略させていただきまして、もう一つの代表プロジェクト、「開発援助の先端研究」というテーマを照会させていただきますが、最近、いわゆる開発援助という中身が大きく変化してございます。発展途上国の経済成長支援という形から、より直接的な、貧困をどうやって減らしていくかといった問題ですとか、それから、いわゆるプロジェクト主義といわれていたものから、より財政支援中心、それから単なる融資から、さらに債務の削減、グラント中心、それからバイの関係からよりマルチの関係ですとか、いろいろな形で国際的な開発援助に関しては大きく転換点を迎えているという状況でございます。

    このプロジェクトでは、特にアジア、アフリカの援助効果の違いを体系化するということで研究を進めてきているわけでございますけれども、この中で特に2007年度の研究では、国際協力を通じた災害リスクのプーリングに関する保険機能機構のための基礎研究とございますが、途上国でいろんな災害がございます。例えばインドネシアとかベトナムとか、最近は鳥インフルエンザなんかありまして、鳥インフルエンザが起きますと、その地域の養鶏業者というのは全部鶏を殺さなくてはならないということで、非常に経済的に打撃を受けるわけですけれども、そういったものを例えば保険的なシステムでどういう形で保証していくというか、そういった形でリスクをプールすることで個々の危険度を減らしていくことができるといった基礎研究ですとか、それから企業データを用いた技術協力ということで、例えばインドネシアのイモの産業の個別の企業のデータなんかをみながら、どういった形の技術協力が本当にその地域にとって生きていくかといった部分についての計量経済学的なインパクトの評価について研究を行っているというものでございます。

    この第3ドメインにつきましては19年度に38件ということで、ディスカッションペーパーが公表されてございます。

    次にRIETIのプロジェクトに対する評価でございますが、8ページを見ていただきまして、イのところは事務局からまた後ほど説明いたしますので省略いたしますと、ウの方、下半分でございますが、政策ニーズとの合致につきましては、平均点2.57ということで評価Aという高い評価をいただいてございます。

    また、政策形成に与えるインパクトということでございますが、これも3.71ということで、5段階評価でございますけれども、評価Aということで、これも非常に高い評価をいただいてございます。

    次に9ページ、学術誌等での発表論文数でございますけれども、第3ドメインでは13件、また国際シンポジウムなどで発表された論文数22件という形になってございます。

    また外部レビューアーの方からの評価でございますけれども、ここにつきましては平均点4.07ということで非常に高い評価Aをいただいてございます。

    次に1ページめくっていただきまして10ページ目になりますが、今までの3つは研究ドメイン別の研究テーマでございますが、次に通商産業政策史の編纂でございます。編纂の進行状況でございますが、通商産業政策史自体、前のバージョンのものが1994年までに17巻刊行していたわけですけれども、以来二十数年経過しているわけで、その後いろいろな新しい政策の動向がございます。このため、1980年から2000年を中心とする20世紀の終わりの通商産業政策の歴史を編纂していくということで、今現在鋭意編纂中でございまして、2010年までに完成予定ということで作業中でございます。

    次に11ページ、(5)の「隣接基礎研究領域」でございます。この隣接領域につきましては18プロジェクトが平成19年度に行われてございます。この18の中から代表的なものを3つご紹介させていただきます。

    まず1番目、「地方分権・国際競争時代における地方活性化に向けたインフラ資産活用に関する行財政制度のあり方に関する実証的、国際比較制度分析」ということで、実は地方の空港についての分析でございます。地方分権という流れの中で、地方がそれぞれどういった形で自主的に責任をもって地方経済を運営できるかということが非常に大きな課題になっているわけでございますけれども、一方で、地方の活性化のために地方空港を求める声は非常に多うございます。最近でも地方で、佐賀空港ですとか、神戸空港ですとか、静岡空港の議論もございます。地方の空港、いろいろ議論があるわけでございますけれども、それぞれが港湾整備特別会計、特別会計の中で行われたりするわけですけれども、そういった特別会計の財務分析、それから空港自体のガバナンス、それから地方活性化との関係、こういったものにつきまして、例えば実際チャーター便がどのぐらいどう飛んでいるのかとか、空港のターミナルビル、どういう形で運営されているかとか、そういったものにつきましていろいろの考察をしまして、地域のインセンティブを高めるために、例えば空港の関係する制度設計をどういう形にすればいいのか、国がどの程度まで関与するのがいいのか、地方がどのぐらい自主的にやったらいいのかとか、そういった制度設計が急務であるといったことを明らかにした研究でございます。

    それから2番目は「労働市場制度改革」でございますが、今、労働市場の新しい形というのが非常に注目されているわけでございますけれども、労働問題といいますのは、単に一つの分野だけの研究ですと、法学、経済学、経営学、そういったそれぞれの領域からの研究が必要ということで、それぞれの垣根を超えた包括的なあり方についての政策提言を行ってございます。先般、シンポジウムも開催いたしまして、非常に各方面から好評いただいたわけですけれども、法律から、市場、雇用システム、パフォーマンス、そういったものの関係を明らかにした研究でございます。

    それから3番目でございますが、「経済社会の将来展望を踏まえた大学のあり方」の研究でございます。2005年度から国立大学法人ということで、これまで国立大学という形で本当に国がやっていたのがある種独立して、それぞれ我々独立行政法人と同じような形に制度が変わってきたわけでございますけれども、それに伴いまして、教育と研究、どういう形で大学がそれぞれ資源配分していくのか。これも大学によって、研究中心でいくところ、教育にかなり重点置くところとあるわけでございますけれども、そういった資源配分のあり方ですとか、それから文部科学省から運営費交付金という形でいろんなお金が来ているわけですが、その配分方法、それから競争的な研究にどういう形で配分していくか、そういった方法ですとか、それぞれの大学のガバナンスのあり方、こういったものが非常に未解決というか、なかなか試行錯誤で、それぞれの大学がまだ研究を続けているところでございます。そういったものについてどういうあり方がいいのかということを、もちろん文科省とも連携をもちながら研究を進めているテーマでございまして、実は明日、このシンポジウムが開催されます。

    このシンポジウムは、それこそ予算配分を考えてます財務省、それから文部科学省、そういったところにもご参加いただきまして、海外からの研究者もお呼びする形で開催するわけでございますが、そういった形につながるような研究を昨年度行ってきたというものでございます。この隣接領域でのディスカッションペーパーが全体で27件、19年度に出てございます。

    それから次のページ、めくっていただきまして、RIETIのこの業務に関するMETI関係課室からの評価でございますけれども、政策ニーズとの合致、それからインパクトともに評価Aということで、高い評価をいただいてございます。

    また、学術雑誌で発表された論文数18件、また国際シンポジウムで発表された論文数44件という形になってございます。

    また、次の13ページでございますが、外部からのレビューアーからの評価も平均点4.05という形で、総合評価Aという非常に高い評価をいただいてございます。

    今、それぞれごとに論文件数、個別に申し上げましたが、総合指標といたしまして、内部レビューを得た論文の公表総数98件という形になってございます。

    RIETIからの関係課室へのアンケート評価、13ページの下のところでございますが、政策ニーズとの合致につきましては、全体として平均点2.76ということで評価Aをいただいてございます。

    それから次の政策形成に与えたインパクトでございますが、14ページにございますように、全体としても平均点3.5に評価Aをいただいてございます。

    また、学術誌・専門誌の論文総数51件、国際シンポジウム、学会での発表、合計 121件ということで、これはそれぞれ19年度の目標を大きく上回る形の実績を上げてございます。

    次に15ページ、政策提言・普及業務でございますが、出版総数、19年度、先ほど副所長からも少しお話ありましたが、8冊出てございます。またシンポジウム、BBLでございますが、地方の開催なども含めて14回やっておりまして、そのほかワークショップなども22回開催してございます。これは19年度目標を大きく上回った形になっておりますし、BBLにつきましても、目標を大きく上回る64回の実施でございます。

    また、ホームページのヒット件数も目標40万件ということだったのですが、実績として75万件ということで、非常に多くの関心を得てございます。また、ディスカッションペーパー等、ダウンロードできるようになっているわけでございますけれども、19年度、論文1本当たり4,748件のダウンロードということで、目標の2,400件を大きく上回る、倍近いダウンロード数になってございます。

    次に16ページでございますが、電子メールによるニュースレターは毎月4回発行でございます。また印刷物による広報誌でございますが、既刊の「ハイライト」という形で5回、うち1回は「リサーチダイジェスト」との合併号ということで、このほかに「リサーチダイジェスト」ということで単独で3回発行してございます。

    全体としてのRIETIに対する評価でございますが、他省庁、地方公共団体、経済界、企業等々にアンケートを行ってございます。その中でRIETIの活動は参考になりましたかということで、平均2.96、評価Bという形の評価をいただいてございます。

    また、2番目の質問といたしまして、RIETIの目標でございます政策立案プロセスへの貢献ということでございますが、どの程度果たしているかということにつきましても、2.85ということで評価Bという形のものをいただいてございます。

    次に18ページでございますが、資料収集管理統計、これはデータベースのところでございます。データベースアクセス数、下の表がございますが、(1)から(9)までございます。先ほど戒能研究員からご紹介いただいた中で、総合エネルギー統計、それから都道府県のエネルギー消費統計、(6)、(7)でございますが、19年度も非常に多いアクセス数になってございます。

    それから次に19ページでございますけれども、政策研究・立案能力の向上ということで、これは特にMETI、経済産業省の職員などの満足度ということでございます。シンポジウムそれぞれ開催してまして、シンポジウム全体としてアンケートを毎回取ってございますけれども、平均81%の満足度ということで、特にMETIの職員から86%の満足度をいただいております。またBBLに対する満足度、これは全体、87%の満足度、うちMETI職員の満足度83%という形になっております。またMETIとの関係では、コンサルティングフェローを新たに10人受け入れて、経済産業省との連携強化に努めているところでございます。

    私からは以上でございます。

  • 河津総務ディレクター

    続きまして、業務の効率化、それから財務に関してご説明させていただきます。業務の効率化のところにつきまして、大きく3つに分かれておりまして、マネジメントに関するもの、それから随意契約の状況に関するもの、それから給与の状況と、こういうふうにご説明させていただきます。

    まずマネジメントに関する事項といたしまして、RIETI発足以来流動的な雇用形態ということでやってきてございまして、この流動的な雇用形態の割合、86%というのが昨年度の実績でございます。

    なお、補足のところでございますが、昨年度のたしか評価委員会の親委員会のところだったと思いますが、流動性が高過ぎるがゆえに科研費の申請などがなかなか行われないのではないかというご指摘もありまして、若干補足をさせていただいております。

    補足の2番目のところでございますが、今年度の科研費の申請に当たりましては所内で説明会を行いました。それから所長、ある意味、科研費の世界のこれまでのご経験を私どもの研究員に対して説明し、また相談を受けるということ、事務的なサポートも含めましてサポート体制をとったわけでございます。後ほど20年度の科研費の申請の状況についてご説明させていただきます。

    管理部門の割合でございますが、昨年同様32%でございます。

    それから次のウの効果的で効率的な研究マネジメント、どういうことをやったかということでございますが、業務・システムの最適化につきましては3点ございます。1つは、18年度に引き続きまして、私どもの分室の方のシステムの入れかえを行いました。それから19年度に、グループウエアと書いてございますが、要はイントラと思っていただいて結構でございますが、要するにプロジェクト進捗管理と呼んでおりますが、私どもの研究会、大体50ぐらいのプロジェクトが常にアクティブな状態でございまして、それの終了で新規というものがございます。それからいろんな先生方が出入りされておられますので、そういうものが一目でわかるようにということで、研究会の開催の予定及び実績、それから成果物であるDPが、検討会が終わった、ホームページ上も公表された、そのような情報を共有できるように、そういうものをイントラに載せるようにしたというのが昨年からでございます。

    それからセキュリティポリシーというのを国に続きまして独立行政法人も実施するということが政府の方針として決まっておりまして、私どもといたしましても、その作業を昨年度行いました。副所長をISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)管理責任者とするという体制の整備、それからそれぞれの担当の業務の可視化、フローチャート化までしかできておりませんけれども、行っております。それからこのセキュリティに関します規程類の整備、それから内部監査、これはお互い職員が別部署を相互に監査するということを行いまして、制度の導入、それから意識の改革というのに非常に効果があったと思っております。これはプラン・ドゥ・チェック・アクションで、これから毎年このサイクルを繰り返していくということになります。

    それから研究マネジメントのところでございますが、これは昨年度同様、ブレーンストーミング、中間報告会、ディスカッションペーパー検討会、それに成果の普及を行っていくというプロセスを続けておるところでございます。

    それから官民競争入札等の活用ということで、昨年末のいわゆる独法改革の結論といたしまして、「公共サービス改革基本方針」というので、私どもに関しましては、そこの下に小さい字で書いてございますが、1つはJIPデータベース、あるいはRIETI-TIDといったデータベースの管理、更新を外部に委ねる。官民競争法に基づくところの手続にのっとって委ねる、それから中国語のホームページの維持管理業務を同じく外部に法の手続にのっとって委ねるということが決まっておりまして、現在、内部の打ち合わせを重ねております。6月には、法の所管課でありますところの内閣府と打ち合わせを行うということで進めているところでございます。

    それから次は内部統制の充実・強化ということで、これも閣議決定で全独法横断的に決まったものでございます。内部統制といいますと、財務諸表の適正性、公正性ということで民間の方で進んでおりますけれども、その分野に関しまして、具体的にアクションということではまだこれからというのが正直なところでございますが、広い意味での内部統制、内部の管理・監督と理解してございますが、その意味で、先ほど申し上げましたセキュリティポリシーの作業を行ったということでございます。

    それから2つ目でございますが、同じくセキュリティの話ですが、そのセキュリティポリシーの策定作業を行う前に、実は昨年度2回も、メールのアドレスをほかの方々が見られる状態で配信してしまうということがございまして、そこにつきましても技術的にメーリングリスト方式、あるいは個別の情報管理システムの改修を行いまして、こういうことが起こらないようにという周知を徹底してございます。

    それから人材育成の状況というのも項目として挙がってございます。1つは、まず研究員に関しましては、そこにございますように、大学院の聴講ということで、常に新しい外の情報を仕入れるということを行ってございます。

    それから事務スタッフにつきましては、先ほどご説明申し上げましたけれども、流動的な雇用形態ということで、非常に人の出入りが多いということでもございます。したがいまして、担当者の引き継ぎのみならず、所内での研修というのをきちっと充実させていこうということで始めてございます。正直申し上げまして、まだ試行錯誤の状況でございますけれども、常に毎月人が入るといってもいいぐらいの状況でございますので、これを充実していこうと思っております。

    その他といたしまして、非常勤の研究員の方ですが、博士号をとられたという方がおられます。

    次に契約の状況でございます。契約は、昨年度もご説明しましたけれども、随意契約を減らすべしということで取り組んできてございます。18年度に比べまして、19年度、さらに随意契約を減らすということで方針の見直しを行いました。現在の方針がそこに書いてあるものでございます。18年度から変わったところを中心にご説明させていただきます。

    一般競争のところは基本的に同じでございまして、機器について競争入札としよう、順次やっていこうということでございます。

    次の企画競争・公募のところでございますが、ここにこの形を取り組もうというものを19年度の下期から増やしてございます。番号で申しますと(2)でございますが、シンポジウムの会場借料でございます。シンポジウム、先生方のご都合等々で、日程の方が先に決まり、それから例えば企業向けであれば大手町がいいが、むしろ役所中心の方がよければこの虎ノ門界隈、どうしても事実上1カ所に決まりがちであったわけでございますが、少しでも競争性といいますか、公開性を高めようということで、次のような工夫をすることにいたしました。

    まず公募いたしまして、例えば天井とか、こういうディスプレーができる等、高さ、広さ、座席数、そういった一定の要件を満たす会場を登録していただくということで、公募してございます。これはホームページ上常時出ておりまして、私どもが従来知っている会場のみならず、そうやってアプライしていただく。こういう会場もありますよという、一種売り込みといってもいいかもしれません。そういうものをまずリストアップして、そのリストも公開してございます。

    先ほど申しましたように、案件が決まり、代替品も決まります。そうしますと、適当な場所、霞ヶ関界隈、あるいは大手町界隈、5~10ぐらいはリストがありますので、そこのエリアの会場に、この日付であいているかというのを聞かなければいけない。聞いた上で、大体お見積もりこうですというのを伺った中で、値段とそのファシリティの状況を考慮して場所を決めていくという形をとることにいたしました。これは19年度途中から行っております。

    それから次の3番、データベースの利用・購入、これは事実上ここしかないということで随意契約でやっておったわけでございますが、そういうものについても、本当にほかにないのかというのを確認するという意味で公募すべしというご指摘もありまして、それに従って、今公募するということで19年度下期からやってございます。

    それから洋書の購入というのも、複数のいろんな種類の洋書を、しかも定期的に必ずもらわなければいけないということで、どこでもいいというわけにはなかなかいかないというところがございまして、単純に安いと結果的に届かないとかいうことがあるものですから、それを避けたいということで、今はリストを公表して、公募の形で業者を選定してございます。

    それから人材派遣につきましても公募という形をとってございます。ただ、安ければいいということでは決してございませんので、その方の能力、あるいは経歴といったことと総合的に評価をするという形で、これも19年度下期、実際は20年にずれてからになりますけれども、全体をそういう形に改めてございます。

    (3)でございますが、引き続き随意契約を続けるということで、これはいかんともしがたいというものが3つございます。1つは、先ほど申しました分室の賃貸、これは場所が決まりますので、そうやっております。それから他機関との共同研究。先ほど京都大学と提携もしということがございましたけれども、ちょっとご紹介させていただきましたクラスター関係は京都大学と組むという形で契約してございます。これはどこでも結構なので手を挙げてくださいといってやるようなものではないということで、これは随意契約を継続することとしてございます。それから既存のソフトウェアの改修が発生するということも考えられまして、そういう場合にも随意契約ということになろうかと思います。

    なお、先ほど申し上げましたように、民間競争入札を実施するものが2件、ことし予定されているということでございます。

    このような状況で、実際にどのような数字といいますか、結果になったかというところをご説明させていただきます。22ページの表でございますが、1番から、「一般競争入札とする」という方針のもとで、18年度既に実施したもの、それから19年度、今年度やったものが書いてございます。それから20年度は、それに加えまして公用車、それからコピー機の保守、それから中国語の翻訳。これは先ほど申しました官民競争入札法に基づく手続に切りかえなければいけないということで、これも含めて今年度は20年度競争入札になるということでございます。それから2.企画競争・公募方式としたものが、19年度途中で計画を変更したものも含めまして実際に実施したもの。それから3.が共同研究と分室に関しまして、それぞれ件数でいいますと5件と2件でございますが、これは今後とも随意契約が継続するというものでございます。4.と5.でございますが、4.は、19年度下期の見直し前に随意契約の形でやったものでございまして、20年度になればこれが減っていくといいますか、なくなっていくことになります。それから5.の19年度で契約が終了するもの。これは当然に昨年度で終わりでございますが、これもゼロになるということで、そういう意味で、20年度は随意契約の比率というのは相当に減っていくということで今進めている、もう既に方針変更してやっておりますので、今の状況で、20年度という区切りでみれば大きく減っていくものと思っております。

    【参考1】【参考2】は飛ばさせていただきまして、【参考3】をご覧いただきますと、実際に何%になるのかというのが載ってございます。18年度が左側、19年度が右側でございますが、先ほどの表を競争入札、企画競争、随意契約ということで整理しますと、それぞれ、件数でいいますと、競争入札が3件、企画競争、公募も含めて42件、随意契約が66件という数字になります。件数でみますと、59.5%、金額では61.5%となってございますが、先ほど申し上げましたとおり、19年度下期から方針転換してございますので、20年度では、件数でいえば少なくとも10%ぐらいにはいくのではないかというのが私どもの計画となってございます。

    それから、24ページ、給与のところに進ませていただきます。まずアのところでございますが、法人に特有の背景、状況といったところからどういう措置に至っているかということでございます。これもご承知のとおりでございますけれども、RIETIは政策研究・提言を効率的・効果的にやろうということで、設立当初から非常に流動性の高い任期付採用、あるいは外部の兼任研究者ということでございます。それからイでございますけれども、私ども、常勤の役員が1名ということで、そういう意味では若干高めの金額、参考1のところをご覧いただければと思いますが、となってございます。それから研究員につきましては、次のページに資料ございますけれども、基本的に任期付、1年間の年俸制という形をとってございます。それから海外でいいますとテニュアというそうですが、要するに終身雇用の約束がございません。それから退職金というのも支給しない。すなわち、退職金分も年俸に織り込んだ形で給与を決めるという形になってございますので、結果的に、研究員については高めの水準になるということがございます。恐縮でございます。下の【参考2】【参考3】【参考4】はファクツでございますが、飛ばさせていただきまして、次の25ページの【参考5】を見ていただきますと、「職員と国家公務員の給与水準の比較」ということで、国家公務員を 100とした場合に、RIETIの給与水準が幾つになるのかというラスパイレス指数が出てございます。今これは総務省の方で集計中でございますので、全体的な公表はたしか夏からだったと思いますが、その数値で比較いたしますと、事務・技術職員、いわゆるスタッフの方は94.9でございますが、研究者の方が 133.9ということで高めになってございます。先ほど申し上げましたように、永続的な雇用を保障していないということと退職金がないということで高めになっているということでございます。【参考6】でございますが、独立行政法人は国にならって、先ほど戒能研究員からも話が出ましたが、5年間で5%人件費抑制せよということになってございまして、その状況でございます。18年度に比べて19年度は7.92%減ったということになってございます。実は17年度をベースにして、18,19ときたわけでございますが、18年度が若干の増がございました。どうしても、小さい組織でございますので、人の出入りで結果的に大きくぶれることがございます。18年度はある時期人の異動が重なったということがございまして、その結果ちょっと大きくなったというのがございます。19年度は、逆にどちらかというとこの異動があいたというところがございまして、減っているということでございます。どうしてもこの増減のぶれのようなものは小さい組織でございますのでありますが、その下にございますけれども、5年間においては5%の削減を達成しようということで今進めてございます。そういう中で、人材を充実させながら、しかし抑えるというのに今非常に苦慮しているところでございます。

    それから次のページ、財務についてご説明させていただきます。まだ監事監査で、最終的に決算書の監査が終了してございませんので、暫定値ということでご理解いただければと思います。

    またポイントだけご説明させていただきたいと思いますが、26ページは、予算・決算の状況、あるいは収入・支出の状況でございます。

    次の27ページをご覧いただけますでしょうか。今のところということではございますけれども、19年度の当期純利益、 1,500万円程度になると見ております。それから目的積立金につきまして、この場でも何度もご議論いただいたわけでございますが、独法会計基準、昨年度も少しご説明させていただきましたが、これにつきまして、最終的に独法の制度を所管しております総務省の行政管理局の方に、その解釈についてもう一回念のため確認していただいたのが昨年度でございます。目的積立金の認定を受けられる利益は、運営費交付金以外の収入から生じたものであって、かつ経営努力によるものだということで、どうしてもRIETIの場合、運営費交付金の収入が大きいということで、目的積立金の申請は行っておりません。それからその2つ下に保有資産の有効活用というところがございまして、これもほかの独立行政法人では使っていない土地とか建物というのは随分話題にもなったわけでございますが、RIETIの場合は、建物ということになっておりますけれども、いわゆる建物に附帯しているパーティションとか、次の工具器具というのは電話交換機、あるいはソフトウェア、そういったものがございまして、そういう意味で、有効活用を図らねばならん、いわば遊休資産というのはないということでございます。それから9番目が収入に関することでございます。ここは少し丁寧にご説明させていただきたいと思いますが、昨年度は、特に親委員会の方で、自己収入のところもいろいろ議論がございました。私どもとしても、できる限り目にみえる形で、外部資金、競争的資金というのを獲得しようということでさせていただきました。まず自己収入と競争的資金と、どういう基準で分けるのかというのは必ずしも明確なものがあるわけではないのかもしれませんが、自己収入ということで、私どもが、民間の方々というと変ですが、個々人の方とかからいただいたものということで、普及業務関連の収入というのがトータルとして530万ほどございます。1つは、これも18年度、あるいはそれ以前もありました、本を出版するときの監修料、それから本をRIETIからお買い求めいただいたという場合の書籍の販売収入というのがございます。ここに記載がございません。恐縮です。上の方に、【当期純利益の発生要因】というところがございまして、そこに普及業務利益という形で書いてございますが、この27万 7,464円というのが今申し上げました監修料と書籍の販売の収入でございます。それからシンポジウム参加料ということで、シンポジウムに来られた方から 1,000円とかいう形でいただいております。それから昨年度は、先ほど副所長から、地方でシンポジウムを開催したということがございましたけれども、その際にそれぞれ地方の団体と共催という形をとりまして、経費的には私どもが支出をするのですが、その分担金という形で共催団体からお金をいただきました。それが 400万円強ございます。そういうものを合わせまして、上の表でいいますと、合わせて 498万円。トータルといたしまして 530万円ほどの収入が最終的にございました。予算上は 455万円でございましたので、ちょっと多めに最終的に入ったということでございます。それから次の競争的資金等獲得実績ということで、1つは受託収入ということでございます。これは外部の方から依頼を受けて私どもが何がしかのことを行ったということでございますが、具体的には、海外の会議に私どもの職員、あるいは役員を出席してもらいたいという要請を受けて出したというものが幾つもございまして、一つ一つの金額は決して大きくございませんが、トータルとして292万円になったというものでございます。それから科研費につきましては 110万円。これも先ほど若杉先生からお話がありましたが、若杉先生の教え子の方で、今私どもでお預かりをしている研究者の方がおられますが、その方が 110万円の科研費をお持ちでございまして、それを私どもで管理しているというのが19年度の実績でございます。それから助成金70万円というのがございます。これも若杉先生のプレゼンテーションの中で、3月にロンドンでCEPRと国際セミナーを開いたというのがございましたけれども、それにつきまして、助成機関と申し上げていいのでしょうか、グレートブリテン笹川財団というところから、イギリスとの交流ということで70万円の助成金をいただいてございます。それから、先ほど申し上げましたように、所長にもご指導いただきながら申請いたしまして、結果的に、20年度で 1,787万円の内定をいただいているということでございます。努力をした部分、結果が出たかなと思っております。

    私の方からのご説明は以上でございます。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。大変たくさんの資料を要約説明していただきました。八田先生の方から監事コメントをお願いします。

  • 八田監事

    監事を仰せつかっております八田でございます。もう一人、菅沼監事と2人で監事を行っておりますが、一応平成19年度の概要について簡単にご説明させていただきます。

    今、河津ディレクターからご説明ありましたが、最終的な平成19年度の運営費交付金の執行を中心とした会計領域の監事につきましてはほぼ終了していますけれども、あと1~2回、最終数値を確認するという作業になっております。基本的には、この監事の役割として、多分、適切な当法人の業務遂行に関して監視・検証を行うということであろうかと思います。

    基本的に、週の頭に開催されます、役員を中心とした定例会議に参画させていただき、適時な業務の報告を伺い、直近ないし将来的なスケジュールの確認、それからその時点その時点で処理している議案等についての会議にも参画させていただき、かつ、随契等を中心とした必要な決済案件につきましては稟議のもとにおいて処理させていただいております。

    それから、ご案内のように、当法人の直接的な特徴というのは、収入・支出といっても、収入は運営費交付金で基本的に賄われるという体質ですので、その適切・健全な執行状況を確認すると。ただ、これもものをつくっているわけではなくて、いわゆる知の創造といいますか、研究がベースですので、作業の進捗状況は具体的に見えにくいものでありますが、ただ逆に、極めて恣意的な部分で進捗状況がなされるかもしれないというリスクもありますので、特に期末におけるプロジェクトの進捗状況の収益化に関しては、詳細なデータを拝見しながら確認させていただいていると。

    それと、これまでの分科会等で提案いただいております随契の問題、それから外部資金の導入、こういったことに関しましても積極的に取り組まれている姿を業務の一環として確認しております。

    ただ、人件費の問題に関しましては、非常に多くの方々の出入り、研究のスタッフといいますか、アルバイト等もありまして、旧来、必ずしも十分なバウチャーがそろっていなかったという面もあったようですけれども、これも内部統制の規程類の整備の一環、あるいは内部監査ということをお進めいただいている中でかなり充実してきており、今後、会計面での内部統制整備についても力を入れていかれると。したがいまして、私どもの役割も、その検証、モニタリングをするという方向を考えております。

    平成19年度の今まで行っております執行状況等につきましての状況の中で特筆すべき事項はございません。

    以上です。

  • 小野分科会長

    どうもありがとうございました。今の話は組織的にはペーパーになるんですかね。

  • 八田監事

    私ども、監査報告書を交付・発行いたします。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。八田監事からのコメントもいただきました。昨年に比べて相当充実してきたという評価であります。

    それでは、質疑応答の時間に入りますが、どうぞ。

  • 古城委員

    16ページから17ページの、特に17ページの方なんですけれども、政策立案プロセスに貢献することを目的にしていて、それについてRIETIはどの程度果たしていると思いますかというこれが、昨年に比べて随分低くなっているんですけれども、これは何か理由があるんでしょうか。対象者をうんと広げたとか、何か。

  • 中西研究調整ディレクター

    昨年度の40.4というところから26.1ですが、これは18年度が非常に高くなってまして、これは15,16,17、毎年アンケートを行う中で、18年度に実はアンケート対象者を大幅に増やしてございます。どうも傾向として、初めてアンケートを受けた方はわりに、すばらしいねという評価をいただくようなんですが、2年目になると、多少、冷静な評価の目をもつようで、下がる傾向があるようでして、18年度の増えた方々が、初回効果というか、高く評価されたのが、19年度になって、去年と同じかなみたいな感じで少し下がってきたのかなと想像はしてるんですが。

  • 小笠原委員

    まずサービスの質の点ですけれども、こちらの研究領域が大きく4つあって、そこの中でサブプロジェクトというか、これがあろうかと思うんですが、この1から4で、それとそれぞれの、(1)ですと6テーマ、(2)、14テーマ、(3)が11テーマで、(4)が19テーマと、こういう中で、それとディスカッションペーパーの数ですかね。比較してみますと、(1)が6テーマに対して15件、(2)が14テーマに対して18件、(3)が11テーマに対して38件、(4)が19テーマに対して27件。こう見ると、(2)が、出されたテーマに対してディスカッションペーパーの数が、相対的にですけれども、やや少ないような感じがするんですが、この原因というか、中期的なテーマで取り組まれたとか、そういうことなんでしょうか。

  • 中西研究調整ディレクター

    本来ですと、プロジェクト1つで本当は1つディスカッションペーパーが大体出るイメージで研究を進めているのですが、研究領域によりましては、研究の中身が比較的同じ一つのプロジェクトでも多岐にわたっていたりとか、先生方が、このテーマから幾つか論文が書けそうだというものになると、プロジェクトによって3つとか4つとか、ディスカッションペーパーが一つの中から出てくるケースがございます。個別個別でたまたまという感じなんですが、そういう事情でございます。特に第2ドメインが何かというよりは、研究テーマの中の特質でそういう形のものが出てきたという感じでございます。

  • 小笠原委員

    ありがとうございます。あと、僕もここの部分は何とも判断が難しいのですが、随意契約のところなんですが、これは主に、率でいいますと、23ページに、昨年との比較で8割から6割にという、ここは大幅に随意契約の割合を減らしたと判断できるんですが、これは相対的に見てほかの独法と比べてどうなのかとか、こちらの独法としての自己評価としては、これはエクセレントだったんだというのか、いや、ちょっとまだ相対的には追いついてないかなとか、その辺ちょっといかがでしょうか。

  • 河津総務ディレクター

    自己評価をせよといわれるとなかなか正直難しいと思っておりまして、国も含めて、要するに随意契約は減らしなさいというのがあるわけですけれども、どこまで減らすのかということは具体的にいわれているわけではない。できる限り減らしなさいということでございます。

    他の独立行政法人の例でも、いただいた資料など見ますと、最終的には10%、20%、中には30%までしか下がりませんというところも確かあったと記憶しておりますが、大半は10%、20%という数字だったと思いますので、そういう意味では、他法人と遜色がないというレベルではないかもしれません。

    先ほどご説明申し上げましたように、私どもの契約のパターン、中身が幾つかのグループに分けられるものですが、できるものはそのグループとして少しでも工夫をしながら、随意契約ではなくて、少しでも競争性を入れようと、あるいは透明性を高めようとやっていきますと、結果的にこの数字、まだ途中でございますので、6割ちょっと切るぐらい、金額で6割前後ですが、最終的に20年度になりますと10%台に下がるのではないかと考えております。

    そのときそのときでどういう契約を結ぶことになるのかというのは、私どものように、テーマも変わりますし、いろいろ流動的なところもございますのでわかりませんけれども、今の状況でいけばそのぐらいまでいくというのが、他法人との比較でいえば、同程度、ちょっといいかもしれない、そのぐらいかなあと思っております。

  • 小野分科会長

    20年度10%台といわれてますから、今はまだ6割ですから、まだ道半ばですねと。10%台になったらまあまあ他法人ともいい勝負かなと、こういうふうに理解していいんですよね。

  • 若杉研究主幹

    ちょうどいい機会なので、随意契約について非常に私困ったことがあったので、発言させてください。このRIETIのことではないんです。他省庁の関係で、やはり随意契約にしてほしいということで、出版助成というのが学会に対してあるわけです。その出版助成は何のためにあるかというと、ジャーナルを出すためにあると。そのジャーナルを出すときに、ジャーナルというのは何年間かかけて、エディティングも含めて話し合いをしながら続けていくわけですね。しかも、それが日本語じゃなくて英文で、外国の雑誌社と契約していると。そういうのは随意契約じゃないとできないんですね。それは、毎年競争入札をやられると実際上廃刊に近い話になるので、RIETIではそういうことはないようにぜひお願いしたいというのが私の逆の立場からのお願いです。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。ほかにご質問ありますか。

  • 古城委員

    先ほど、研究員の方が任期付で、流動性が非常に高いというので、親の委員会の方で、流動性が高いから外部資金を取るのが非常に難しいんじゃないかという指摘を受けたということなんですけれども、今年度は科研費でかなりの額をもらえると、外部資金としてもらえるということになると、流動性が高いから外部資金を取るのは難しいという、そういう理由づけは難しくなるということになるんでしょうか。

  • 河津総務ディレクター

    私どもとしては、流動性が高いから外部資金、科研費等の競争的資金をとらないとか、そういうことではないと思っております。ただ、今までそういう努力を所内としてやってこなかった、18年度までは余り力を入れてなかったことも事実でございますので、19年度は、先ほど申し上げたような説明会をするとか、所長からも過去の経験をみんなに話をし、個別の相談に応じると。そういうような形で努力をした結果として、もちろん応募した分が全部が得られたわけではございませんけれども、先ほど申し上げたような金額をいただいたということです。そういう意味では、努力不足といわれるとそうだったと思っておりますが、決して雇用形態云々と実際にそういうものをとらなかったことというのはちょっと次元が違うのではないかと思っております。

  • 古城委員

    その科研費なのですけれども、科研費はここの研究所の研究のあり方にうまく合致するようなものなのか、それとも外部資金をたくさん導入しなければいけないので、科研費で導入するけれども、でも、実際には研究がやりにくくなるとか、そういうことというのはないのでしょうか。

  • 河津総務ディレクター

    ないように運営していこうということで、申請するときのテーマについても、先ほど申し上げましたように、所長と相談しながらというようなことでやっております。今後、注意をしていくべき事項としては、これからはそこそこの規模の研究が、しかも複数同時並行で走っていくようになりますので、事務的な問題が発生する可能性がございます。今も実は細かなところについて所内の打ち合わせを重ねているところでございまして、先ほどご指摘あったようなことが起こらないように、できるだけ先手先手で手を打とうとは思っておりますけれども、これだけ同時並行させたのは初めてでもありますので、そういうことのないように気をつけていこうというのが今の状況ということでございます。

  • 藤田所長

    ただいまの科研費の件についでですけれども、これは先ほどの随意契約の話もありましたけれども、非常に難しい話で、RIETIは基本的には交付金で活動していくのが前提条件になっております。しかし、外部資金、競争資金をとれということですが、ただ、私は、外部資金を取るのが、競争資金を取るのが多ければいいと、大学と同じように考えるわけにはいかないと思っています。

    というのは、RIETIが一丸となれば、年間何億と取ることが可能かもしれませんが、それはRIETIの存在の目的とかなり離れているような気がいたします。

    だから、我々としては、基本的には科研費に向いている外部の教授の方もファカルティフェローの方も入っていただきまして、これはRIETIでやる研究として、しかも科研でやるのが適当だというのを見定めてやらせていただきたいと考えています。科研費を取るための研究をやったからRIETIの本来の研究ができなくなったというのは困るわけで、両立する、ないし、やっぱり科研費を取ってもらうといろんな形でRIETIでの研究がやりやすくなるという点を選定の基本的な考え方としてやっていくことを確認し、20年度は 2,000万円ぐらいですけれども、獲得できそうです。我々としては、むやみやたらにふやすのがいいとは必ずしも思っていないのですが、これにつきましてはいろんな昨年の評価委員会での議論もありましたので、改めて、評価委員会皆様のご意見も伺っていきたいと思っております。

  • 小野分科会長

    ありがとうございます。科研費のところは、去年大分議論がありましたから、効率性を評価するときに、民間でもこんなに勤務形態が流動的だということはあり得ないんだと。だから、これは物すごい高い評価をしていいんだと。そういう話もしたんですけれども、逆にそれを、流動性が高いと、だから科研費もらえないんだろうなんていうような、そんな議論になったと記憶しています。しかしながら、余りそこの連続性はないと理解していただいた方がいいんだと思うんです。

  • 藤田所長

    その流動性との関連ですけれども、科研費は例えばファカルティフェローの方もRIETIの研究だということで取っていただくことできるわけで、流動性が高いからとかいうことはほとんど関係ないことだと思います。

  • 小野分科会長

    そういう意味で、19年度は科研費 110万円ですか、20年度は 1,787万円というのが書いてありますけれども、あのときの議論は、むしろRIETIは他の大学とかそこに助成金を出す立場なんじゃないのかと。それがとりにいったらかえって迷惑かけるんじゃないかみたいなことも議論としてあったように思います。今、藤田先生いわれたように、相互に助け合うような研究の環境づくりをするということができると一番いいんだと思ういます。お互いに相手の強いところを借りてくる、貸すとかいう点こそが政策研究機関としては、評価すべき点であると思ういます。何でもいからもってくるということではないように思います。

    そういう意味で、昨年そういう議論があったので、今回随分ご努力いただいたなあということではないかと思います。

    もしほかにご質問なければ、第一議題はこの辺で終了させていただいて、次に評価基準の方に議論を移したいと思います。

    経済研究所の方、本当にありがとうございました。大変懇切丁寧にご説明いただきました。また、若杉先生、戒能先生、ありがとうございました。

    (経済産業研究所退室)

  • 小野分科会長

    それでは、次の評価項目についての案について、説明をお願いします。

  • 高橋室長

    今、この実績資料の中で1点だけ、事務局から紹介しなければいけないところを抜いてますので、これはごく簡単にお話しさせていただきます。

    アンケートを2つ取っておりまして、RIETIが主体となって打っているアンケートと私どもが打っているアンケートと2つあります。その中で1ページ、5ページ、8ページそれぞれの基盤領域ごとのイという項目ですけれども、私どもが政策基盤領域の代表者ということで、関係管理職に聞いたものがあります。結果をみると、ニーズを反映しているかしてないかという質問に対して、ニーズを反映しているという評価が、100%になっています。個別の意見として、その下の欄にある理由というところまで見ていただくと個別の指摘がありますので、ご紹介します。

    まず最初の領域のマクロ経済のところについてですけれども、これもおおむねいいわけですが、例えば社会保障をみると、遺族年金なんかにターゲットを絞って研究している部分とかがあったりして、そこはやや今のマクロの政策ニーズを本当に拾えているのかという面はないわけではありません。

    ただ、総じていえば、生産性が当省を含めた政府の大きなアジェンダになってますので、この生産性というところについての研究は非常によかったということとか、あと、何回か今までの話でも出てきましたワーク・ライフ・バランスのシンポジウムは、非常にタイムリーで、出席者も非常にいいメンバーが集まってまして、他省庁、内閣府あたりからも非常によかったという評価を得ているということでございます。

    5ページのイノベーションのところでございます。ここは見てみますと、発明者のサーベイというのが今までなかった切り口だということでありまして、多くの代表者から、これはおもしろいと、これからの政策の種になるという、ここは非常に高い評価をいただいているということでございます。これはニーズの反映という点でもそうですし、政策形成ということでもそのような評価をいただいております。

    あと8ページ、ここが国際回りのところなのですが、1点ここでいわれていることで、これはダイレクトにここの項目ということではないですが、2の方の下に書いてあるところです。RIETI-High Lightという雑誌は、これも何回か今までの中でも言及がありましたが、非常におもしろいではないかと。おもしろいけど、初めてみたぞと。そんなおもしろいもの出しているのに全然知れ渡ってないというのはなんかもったいないという、ある種当を射たというか、評価をされております。そういう意味では、今いろいろ試みとしてやっている中で、IR活動というのもちょっと変ですけれども、その中では非常にいい取り組みがいろいろRIETIに出てきていると思いますけれども、できたものをどう使うかとか、どう知らしめるかというところにもう一工夫というのが、こういうところに出てきてしまったなあというような気がしております。評価 100%というのはそれはそれとしてまた受けとめていただければと思いますが、それ以外のコメントのところで主だったものをご紹介すると以上でございます。というのが1点目でございます。

    2点目の議題は、評価項目についてです。お配りの評価シートは基本的に昨年のフォーマットとほとんど同じなのでありまして、ただ、その中では、前回、昨年以来1年間いろいろあった競争的資金等の議論を踏まえて、そのいろいろ中では微修正させていただいています。

    それは、前回、こんなことを評価しますということをご説明したとおりなのですが、その後、また政評課から重ねて指示がまいりまして、一言で申しますと、資料6-2という横長の一枚紙を見ていただきたいのですけれども、変えたところは、細かなところを除くと、ここでご紹介することは多分2つだけでございまして、1つは、そこに青字で書いてございます保有資産の有効活用とかリスク管理体系の適正化というところについてです。これは、前回お示ししたときには、余りRIETIに関係ない話なのでこの項目はオミットいたしますというようなお話をさせていただいたのですけれども、横並びで、各独法、こういう項目についてはきちっとスペースをつくるようにと。もしも全く独法が該当しないというのなら、それは該当しないということを書いてもらっても構わないと。構わないけれども、項目自体を落としてしまうということはやめてほしいというご指示がありましたので、新しくつくらせていただいた評価シートには項目を入れてございます。

    それからもう一つ、サービスの質の向上につきましては、今までざっくりと60%というウェイトづけを振らせていただいておりましたが、主要業務にも複数種類があったり、周辺業務があったりと独法毎に個別の事情があると思いますので、そこはそれぞれの項目毎に分割して、ウェイトづけを最初からしておいてくれというお話がございましたので、主業務であります調査研究のところが一番メインでございまして、ここのウェイトを40%とさせていただきまして、それ以外の政策提言でありますとか政策研究・政策立案能力の向上というところにつきましては、全部ひっくるめて20%ということで整理させていただきたいと思っております。

  • 小野分科会長

    一応この評価基準というものは、独立行政法人評価委員会運営規程によって、分科会の議決事項になってますと。分科会で決めてくださいということですから、議決を取る議案であります。こういう4,2、2,2という内訳をしましたよとか、あるいは青字のところを追加してありますよという、こういう基準でやりますよということが決定事項になりますということです。

    その大項目の4,2、2,2というところはいいのですけれども、例えば財務内容のウェイトの中の競争的資金は5ですとか7ですとか10ですとかいうのは書いてないと。それはまあ自由にやれということではあります。

  • 小笠原委員

    ただ、ちょっと個人的な意見ですけれども、メインであるIのサービスの質の向上(1)が5割切るというのは何となくちょっと、余り財務内容にこの青字を増やしても、別に論点がないわけですから、むしろ5、2、2、1ぐらいでもいいような気がするんですけどね。

  • 小野分科会長

    そんな気がしますね。だけど、この財務ウェイトを1にしちゃうといけないのでしょうか。

  • 高橋室長

    評価委員会事務局からは財務ウェイトは2で固定するように指示がありました。

  • 小野分科会長

    要するに、ほかの独法からすると、財務ウェイトで赤字の独法というのは結構あったり、累損を抱えていたりするのがあるので、RIETIの実態からすると、財務のウェイトは10%ぐらいでいいんですけれども、他の独法はむしろ、財務を何とかしろと、こっちは3ぐらいにしろとか、そういう横バランスがあって、それで財務のウェイトは一応20にしてくださいというのが全体の基準ではあるんですね。

  • 小笠原委員

    そうすると、他も減らせないでしょうね。

  • 小野分科会長

    もう一つは、経営努力みたいな項目がこの業務ウェイト3の運営の効率化に入ってくるんですけれども、その中の契約に関する事項とか、マネジメントとかいうのがありますね。マネジメントというのは本当はもうちょっと焦点を当てた方がいいんだと思うんですけどね。契約というと、随契がどんどん進んでいってしまえば、そこは議論にならなくなっちゃうので、むしろどう継続的に先ほどの人材の採用をやっていくとか、そういうマネジメントにもうちょっとウェイトかけた方がいいように思うんです。この中ではですね。

  • 小笠原委員

    そうですね。

  • 小野分科会長

    財務のところでは、無駄なお金は使わないで、それは余したらほめてあげるというのが必要だと思うんですけど、それは独法の評価にはなかなか入らない。それは、実際に評価する立場としては、コメントをしたいと思います。

    一応分け方として、このベース、4、2、2、2の分け方でご了解をいただいて、今回ご評価いただくときに、こういうふうに重点を置いたらどうかと、まさに今の話の中に出てくるようなことをちょっと記述していただいて、それを親委員会に持ち上げるようにしておきたいと思います。

    (異議なし)

    よろしくお願いいたします。

    あとは、次のスケジュールがありますので、よろしくお願いします。

  • 高橋室長

    それでは、今後のスケジュールということで資料7をご覧いただきたいと思います。基本的には昨年と同じような形でございますので、お手元に配らせていただきましたこちらの大部のものでございますが、資料4の右側のところに評価・コメント欄というのがございます。こちらをそれぞれ、今日のご説明、あるいは数値目標等をみながら適宜、AAからDの間で項目ごとにご評価をいただいて、かつ、今会長からお話がありましたように、もしも、今回その中で、自分としてはこういうところに着目、重視してこういう評価を行ったということがあればコメントしていただければと思います。あるいは、今回はこの枠の中でこういうことだけれども、全体としてこういうような評価もあり得るのではないかということで、来年度以降のご提言のようなものがあれば、それもあわせて付していただくということかと思います。コメントは各項目について書いてくれということはございませんので、思うところがあるところ、あるいは特記して事務局側にお伝えいただきたいものがあるところだけコメントを付していただければと思っております。

    全部お書きいただくと、たしか9項目か何かについて評価が出てくると思いましたが、それを、恐縮でございますけれども、一番最後、この大部の資料の28ページの表がございますので、こちらに転記していただきたいと思います。それを点数化していただいて、ウェイトを乗っけた点数をして、もうここから先は機械的に結果が出てしまうということでございます。それに照らしていただいて総合評価を書いていただいて、さっき申しましたように、こちらの右端の方は各項目ごとにご評価を、コメントをちょうだいしようとは思ってないのですが、もしよろしければ、この総合評価のところにつきましては全体的なコメントを一言でも二言でも頂戴できると大変助かりますので、よろしくお願い申し上げます。

    それでスケジュールでございますけれども、今日が木曜日でございますが、3週間後の金曜日、6月20日までに今お願いした作業をしていただきまして、事務局までご提出をいただきたいと考えております。ご多忙のところ恐縮でございますが、よろしくお願い申し上げます。

    それを踏まえまして、私どもの方で1週間ちょっと作業させていただきまして、改めて来月末、6月30日月曜日の14時から、もう一度その評価、皆様からいただいたものをまとめたものをお諮りいたします。そこで、こういうことであればここはこうした方がいいのではないかというご意見があれば改めてそれをちょうだいして、当分科会のRIETIの19年度実績に対する評価ということで、そこでできればとりまとめさせていただきたいと思っております。

    小野会長におかれましては、7月の下旬にいわゆる親委員会がございまして、ここでまたご議論があるかもしれないので、またよろしくお願い申し上げます。もし今後評価するに当たってわからないこととか、ご不明点があればご遠慮なく事務局まで頂戴できればと思いますので、本当にお忙しいと思いますが、よろしくお願い申し上げます。

    以上でございます。

  • 小野分科会長

    以上のスケジュールで、大変またお手数かけますけれども、よろしくお願いします。

    それでは、以上をもちまして、本日の評価委員会、経済産業研究所分科会の会合を終わりたいと思います。どうも長時間ありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年8月13日
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