経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第20回) 議事要旨

日時:平成19年5月28日(月)13:00~15:00

場所:経済産業省別館2階第233共用会議室

出席者

分科会委員

小野分科会長、小笠原委員、古城委員

独立行政法人経済産業研究所

及川理事長、藤田所長、高原副所長、 宮本通商産業政策史編纂ディレクター、 河津総務ディレクター、川本研究調整ディレクター、 鶴上席研究員、深尾ファカルティフェロー、 山田研究調整副ディレクター、尾崎研究コーディネーター

経済産業省

高橋経済社会政策室長、大川経済社会政策室室長補佐、木村経済社会政策室室長補佐

議題

独立行政法人経済産業研究所の平成18年度の業務実績について(報告その1)

  1. 研究活動の状況
  2. 産業・企業の生産性プロジェクトの紹介
  3. 研究運営の諸課題
  4. RIETIにおける研究のあり方:常勤フェローの視点と私見

議事概要

1.研究活動の状況

経済産業研究所・川本研究調整ディレクターより資料に沿って説明。

2.産業・企業の生産性プロジェクトの紹介

経済産業研究所・深尾ファカルティフェローより資料に沿って説明した後、以下のとおり質疑応答。

  • このプロジェクトは、全体で何人かかわってやっているのか。

    →学者が6、7人前後、博士課程の学生と研究補助者が8、9人前後。全員で15人、16人のメンバー。

  • それだけのメンバーを集めて年間どのぐらいのコストをかけてやっているプロジェクトか。

    →概算で、経済産業研究所の側の予算が大体2,600万とか2,800万ぐらいではないかと認識。

  • このプロジェクトは海外に同じようなデータベースをもっているということだが、その日本の占める割合、何%ぐらいが世界の中で日本が占めている割合になるか。

    →我々自体は日本だけをやっている。ヨーロッパは、EU KLEMSをやっている。ただし、EU KLEMSの場合にはEUがお墨付きを与えてるので国の統計局が協力しないといけない。したがって、国がそれをかなり支援している。フランスの場合だと国の統計局とCEPIIという、政府系のシンクタンクが共同でやってる。

  • 今日本で使われている3,400万ぐらいの費用は、これは除く人件費か。

    →人件費込み、ほとんどが人件費。非常に労働集約的な作業であるため。

  • 今そういった形のコストをかけてデータベース化をしているという話だったが、これを確立するための手だて、どうやってデファクトにするか、方策をお聞かせいただきたい。

    →ほかにどこもやっていないので、今事実上、日本においてはデファクトだと思われる。ただ、余りに大変なので、基本的には、やがては政府がやっていくべきことだと思う。ヨーロッパの場合はEU KLEMSがあって、基本的には3年間終わったら、政府の統計局が段階的にそれを受け継いでいくという方針をとっている。

  • こういったものの研究成果を出すまでの過程で、アウトプットが出されるまでにどういうような意見交流とかがあるのか。

    →アウトプットを出すにあたっては、RIETIは経産省のほかの部局とここの研究を連携させるという、例えばいろいろな会議の節目ごとに人を招く、ほかの研究会で何をやっているのかという情報を流していている。

  • 本作業は継続していないと意味が余りないと思われる。これをうまく継続してやりたいとする場合、働きかけはどのようにされるのか。

    →継続性ということが一方では大事であって、同時にフロンティアを研究するという両方あると思うが、これはかなり統計に近い分野なので、最終的に統計を担当している部署に引き取ってもらうのが一番適当ではないか。

    →できるだけ政策課題と密着した形でやっていきたい。ただ、日本全体としてこういうフロンティアを開拓したのはいいけれども、あとが続かないというのは困るわけで、こういう働きかけもなるべく我々研究所も一緒になってやっていきたい。

  • RIETIとのコミュニケーションだが、RIETIでは3段階でファカルティフェローの方と1年間を通じて詰めてきて、最初の年に、その年は何をやるかというのをやり、そして途中の段階で中間の報告をしてもらい、そして最後DPにまとめる、この手順でやるという流れの中で、いろいろな局面で議論をしていく。

3.研究運営の諸課題

川本研究調整ディレクターにより資料に沿って説明した後、以下のとおり質疑応答。

  • RIETIと経済産業省との距離は非常に近い、そういうメリットがあって、難しさと同時にやりやすさも反面あると思う。
  • 研究部隊というのは、トライ・アンド・エラーのトライに少しウェートをかけてやってほしい。国際比較というのは一つのトライをする視点の大きな部分なのではないか。
  • トライの方を重点的にやる研究所というのはすごくいいとは思うが、こういう形の研究所だと、結局このような外部評価もかかるし、トライのところをどのぐらいにするかというのはものすごく難しいと思う。評価の基準も、結局政策へのインパクトが直接的に、短期的にどのようにあったかという尺度ではからざるを得ないような基準になってる。そこをどうやっていくのかというのがものすごく難しい課題。
  • RIETIの場合は、常勤のフェローが少なくてファカルティフェローの割合の方が多い。外部から風通しをよくするという面では非常にいいとは思うが、外部はそれぞれホームをもっているので、どうしてもホームの方が専業になってしまって、長期的なことを考えるのは例えば常勤の方とかマネジメントに非常に依存している。
  • 以上を踏まえて、マネジメントと常勤の方の関係が、うまく運営していく上での一番のカギになると思われるが、改革をしているところがあれば教えていただきたい。

    →一つご紹介をすると、昨年の年末ぐらいから、定期的に毎週1回ずつ会議があり、月曜日のある時間に集まって、いろいろなプロジェクト現状や進め方について議論したりする、というようなことを行っている。

    →我々の問題のポイントだと思っている質問。トライ・アンド・エラーの歴史であり、これだというのを見出しているわけではない。研究の自由をなるべく確保することが大事で、外からの強い介入等によってRIETIのよさをなくなさない、そのよき風土、環境は維持するというもとで、「秩序ある混沌」をどうつくっていくかというのの歴史だった。DPを研究者としては質のいいものにし、そこにマネジメントとして、3段階の工程管理、研究管理を導入しようということで、コンセンサスになってきた。

  • 6年前と現在と、環境が変わってきて非常によかった、満足がいったという部分もあれば、昔に比べると環境としてはかなり悪化しているなという点があろうかと思う。そのあたりを教えて頂きたい。

    →組織との関係において研究者には何が一番必要かというと、自由度というのは重要。その自由度というのが不確実性がある自由度であったら、サスティナブルなのか、予測可能なのかということが、大きい。不確実性が大きいと研究に対して非常に影響を与え、モチベーションも下がる。実際には長いタームでやっていかなけれはいけないものを、非常に不安定だと、研究の仕込みができなくなる。今の状況は、その安定度が、マネジメントのご努力もあってこの何年間かの中で安定してきた。そういう意味では、やりやすいという部分は率直に感じている。

  • 実際のマネジメント、自由度のところにもかかわることとして、複数年にわたって、今の現状、どういう障害があるのか、非常にやりやすいものなのか非常に厳しいのか、それを率直に教えて欲しい。

    →フェロー側からすれば、次の年に切られてしまうかもしれないと不安になる。そういう不安感があると、自分の仲間の研究者に対してもコミットメントできない。それは非常に大きな問題。研究所の中でのコミュニケーションとか、いろいろな問題意識の共有とかということがさらに乗り越えていくための重要な要素。

  • 研究者というのは自由を求め、まともな研究というのは最低3年はかかる。しかし、毎年予算をいただいて評価されている状態では、ある程度のまとまった成果を毎年上げていかなければいけない。そのためにはどういうやり方が一番いいか。今日本で政策・研究、それから学際的な研究でいろいろ違った分野の人が協力するという社会的なニーズ、また学際の研究の方向として生産性が非常に高い研究課題というのはたくさんある。経済産業研究所は日本で数少ない、一番最適な研究体制を整えて研究成果をどんどん上げていけるポジションにいる。与えられた条件を最大限に生かして、平均すればある程度コンスタントなものは出るという形で進めればよい。だから、評価も、個別よりもRIETI全体でコンスタントにどういう形で成果を上げてきているかということに着目すれば、個別の自由度と全体として着実に成果を上げることができていくと思う。日本全国、日本だけではない交流、経済学者だけではなしにいろいろ広い交流、それから社会との交流、こういう形で研究所をますます活性化していきたい。

以上

 
 
最終更新日:2007年10月17日
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