経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第8回)‐議事録

日時:平成16年7月7日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

小宮山委員長、赤池委員、東委員、安宅委員、梅田委員、大滝委員、大竹委員、小澤委員、川合委員、桜井委員、宍戸委員代理、菅野委員、杉本委員、田中一宜委員、田中弘夫委員、堤委員、東嶋委員、徳田委員、中辻委員、光川委員、三原委員、谷田部委員、山崎委員代理
事務局
照井審議官(産業技術担当)、佐藤産業技術政策課長、土井産業技術政策課統括技術戦略企画官、安田産業技術政策課企画調査官、中村研究開発課長、牧野研究開発課企画官、清水研究開発課企画調査官、陣山技術評価調査課長、豊國技術振興課長

議題

  1. 研究開発政策の現状について(フリーディスカッション)
  2. 技術戦略マップの作成について(フリーディスカッション)
  3. 今後の進め方について
  4. その他

配布資料

資料1 第8回研究開発小委員会議事次第

資料2 研究開発小委員会委員名簿

資料3 今後の研究開発小委員会の審議の進め方について

資料4-1 研究開発施策の現状について

資料4-2 研究開発施策に関するフリーディスカッションの視点(例)

資料5-1 技術戦略マップの作成について

資料5-2 技術戦略マップに関するフリーディスカッションの視点(例)

参考資料1 新産業創造戦略

参考資料2-1 産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会中間とりまとめ概要

参考資料2-2 中間とりまとめ本文

参考資料3 各研究開発プログラム概要

参考資料4 技術ロードマップ(TRM)の実例

議事内容

(1)挨拶

審議官より開会挨拶。

(2)委員紹介

研究開発課長より、出席委員の紹介。

(3)今後の研究開発小委員会の審議の進め方について

研究開発課長より、資料3に基づき説明。

(4)研究開発政策の現状について

研究開発課企画官より、資料4-1に基づいて説明。その後、以下の意見があった(フリーディスカッション)。

(質疑応答)

川合委員:
本小委員会の位置づけ、役目は何か明らかにして欲しい。
第3期基本計画の方向性をどうするのかについて意見を言うのか、プログラム(以下「PG」という。)に絞って意見を言うのか。
研究開発課長:
この小委員会での議論を踏まえて、プロジェクト(以下「PJ」という。)、PGがどのような政策目的で位置付けられるのか、全体像を明らかにしたいと考えている。その結果として基本計画の議論につながることもあり得るかもしれない。
川合委員:
既存のものに対して位置付けを行い、次にどう発展させるかが2番目ということか。
研究開発課長:
今実施しているプロジェクトの他、今後行うべきプロジェクトがあり、それらが全体像の中に位置付けられるものと考えている。
田中一宜委員:
グローバリゼーションに対応したインフラが必要でありそれが戦略というもの。これを踏まえて3点お話ししたい。
1点目として、最近ISOが社会的責任に関係する国際規格の作成を決めた。企業活動への影響は必至。その流れの一環としてEUが中心となって環境グローバリゼーションが進められているが、これは明確な産業戦略と捉えられている。例えば、ローズ指令により、電子機器に含まれる有害物質(水銀)規制が数年後に行われる。
ナノテクでは投資合戦が行われている。今後の社会への影響が大きくなるが、その影響について、EUはチャンスとリスクをセットにして議論することを明確な戦略として打ち出している。例えば、ナノ粒子の環境、人の健康に与える影響を既に実際のPJとして走らせている。米、台湾等でも同様の議論が進んでおり、日本は遅れている。
5年から10年後の中長期戦略の作成を考えているなら、予算、技術ロードマップだけではなく、基本構造を構築すべき。対症療法だけではいけない。
2点目として、異分野融合、組織連携を行って研究開発を行うことが重要。そのための具体的な議論、特に、どうやって進めるかというソフトの研究をすべき。
3点目として、中長期的な戦略を描くのであれば、官僚の人事システムを新しい時代にフィットするよう早急に検討し直して欲しい。短期間で人を回転させる人事では長期的な戦略策定へのインセンティブは湧かない。長期的視点に立って施策を推進する行政のプロが必要。
中辻委員:
プログラムをどう実施して有効な成果を出すのか。最適な研究開発チームを構築しオールジャパンで行うべき。
また、省庁間の縦割り行政が、チームの構築に対して人工的なゆがみを生じさせている。
川合委員:
新産業創造戦略では、社会の変化への対応を求めているが、将来像が無いまま語られている。産業構造が何年後にどうなるか、その時の社会の絵姿はどうなるかは描かれるべき。
小宮山委員長: 新産業創造戦略の3つの視点、3本柱を読むと、合理的で良いことが書いてあるが、これを書いたら上手く動くのかというと動かない。そのために具体的に何を行うべきか、もっと突っ込んで議論をする必要がある。
桜井委員:
産学連携の視点が重要であり、新しいメカニズムを考えていくべき。例えば台湾では国策としてディスプレー及びシステムLSIの開発要員のために、4年間で340人の新しいポストを国立大学に用意している。
米国にはサバティカル休暇という制度があり、数年に1度、大学教官が自由な時間を取得し産業界に入ったり、ベンチャー企業を立ち上げたりしている。
小宮山委員長:
融合、産学連携は、決して新しい議論ではなく、古くから必要性が叫ばれているが進んでいないだけ。枠組みの作り方が重要である。
大竹委員:
大田区、東大阪市等の中小企業こそが日本の産業を支えていると言われているが、大田区では現在工場数がバブル期に比して半減。その様な状況で、6千億円の政府研究開発投資のうち、中小企業へはいくら行き届いているのか。
ベンチャーを起こして、それを大企業に育てることは経済波及効果がある。そこに大学が参加して人材育成を図ることが重要。
小澤委員:
新産業創造戦略の「三つの視点」に記載された「視点1:世界との競争をどう勝ち抜くか」では、日本が強いところをより強くすること、アジアとの共存を考えなくては行けないこと及び日本の輸出を支えている産業の振興にどう繋げて行くかということを考えていると思う。科学技術基本計画の第1期、第2期では、基礎的な領域から研究開発がなされてきたが、第3期ではこの部分をもっと強くして行き、雇用創出、産業の拡大に繋げて行くのだと思う。
例えば、ナノテクでは、基礎技術がより大きな部品やものを作る技術に展開されるフェーズが来ているのではないか。ナノサイズのものがナノサイズで機能することも大事な話だが、マクロ、メガと言ったサイズを持った部品に対しても、どんどん利活用されることで、日本の産業競争力がより強化されていくと考える。このようなものに対して、ハイリスクの投資が必要な部分があり、施策を打っていくこと、あるいはロードマップを考えていく視点も考慮して欲しい。
東委員:
民間の研究開発投資が11兆円、国が3.6兆円、経済省が0.6兆円である。これに付加することはもうないのではないか。例えば、日本はこれまでロケット開発に多額をつぎ込み、他方、打ち上げは失敗。何が問題か考えてみる必要がある。
すなわち、従来、計画を立てることには熱心だが、結果のフォローが十分ではなく、今後どのように行うべきか検討が必要。
ロードマップについても、それを作った結果がどうなったのか、フォローができる仕組みが必要。
小宮山委員長:
またミッションに関係する話が出たが、3.6兆円のうち、0.6兆円が対象になることは自然として、3.6兆円全体に関する議論や、それから例えばロケットの話が出たが、個別の産業分野について議論はしないというわけではないと考えて良いか。
研究開発課長:
当然、ロケットも含め個別産業分野について議論して頂くことになるが、政府全体の研究開発規模、科学技術政策については、別の場で議論があり、この場で行うことは考えていない。
堤委員:
1点、既存のエネルギー、電力、鉄鋼、化学という巨大な産業分野は産業基盤を支えている。これらの産業がどういう方向に向かうのかは重要。鉄鋼であればコークス炉が今後更新時期を迎え始めるが、また同じものを作るわけには行かない。エネルギー、CO2の4割くらいは、この業種で消費・排出されている。
サウジ、中国、シンガポールでは、どんどん100万トンクラスのエチレンプラントが出来ている。日本では高度経済成長期に35 040万トンクラスを建て、熱交換器を付けて省エネ化してきたが、これほどスケールアップメリット(規模が大きいほど効率的)のあるものはない。このようなインフラ設備を作り替える時期が近づいている。全く同じものを作るのはナンセンスであり、今後どのように鉄やエチレンを作っていくのか検討が必要。また、タービンや飛行機のような巨大技術の分野は、一旦競争に負けてしまうと、その後の差が大きく開いてしまう。このような分野の戦略が抜けている。産業形態をどうしていくのか視点が必要。
もう1点、ロボット、バイオは重要。燃料電池は、いわゆる半導体のような位置づけであり、それ単体での市場はなく、IT等で応用することで色々な製品が出来て市場が広がるもの。
安宅委員:
どのような新産業を目指すのか、ゴールの明確化が重要。
企業の研究開発では既存事業の収益性のあるものを中心にシフトして資源を投入しており、大企業でも新産業創造戦略に掲げている産業(バイオ、ナノテク等)のうちリスクのあるものへの資源投入は減っている。そのため、政府が行う施策が必ずしも大企業にとって戦略的に取組まれているわけではなく、新産業の創出が効率的に有効的に働いているわけではない。新産業を創出するには、リスクを掛けてでも挑戦できる施策が重要。ロードマップを作ると、評価しやすい既存事業だけが強化されやすい。企業は評価できるもののみを評価してしまい、リスクのあるものに手を触れないことになりがちである。国としてどんな産業を作りたいという話をして誘導しないと企業内の研究開発の取組との整合が取れないと危惧する。
小宮山委員長:
その辺は抜けている。堤委員の意見も抜けている。その辺りとPGの関係は非常に重要となる。
徳田委員:
資料3について、経済省とNEDO、IPAの様に縦の繋がりは分かるが、経済省と他府省との横の繋がりがよく分からない。
ロボットついては、総務省でもネットワークロボットのプロジェクトが行われているが、例えば、ロボット開発については、経済省、総務省、何々省が実施しており、経済省では何々を重点的に行っている、という様に横の繋がりを記述するべき。
米国の大学では、DARPAの予算を取る場合、ブロードエージェンシーアナウンスメント(マッチングファンド)によって、産業界と大学を強制的にジョイントさせてプロポーザルを書かせる等、意識的に産学官を連携させている。NEDOでは、基盤技術研究促進事業等で行われているようだが、産学それぞれの良いところを活かす異分野間連携を促進するため、政策の形で産学連携をもっと踏み込んだ形にするべき。例えば産又は学が単独では研究資金の申請ができないような政策のテンプレートについて議論をすべき。
小宮山委員長:
私の大学でもロボットの研究開発を行っているものが一番多い。例えば、ロボットの研究開発について、各省庁が何をおこなっているか、どこを見たら分かるか御存知か。また日本としてロボットの研究開発に係る俯瞰図を知るにはどうしたら良いか。
徳田委員:
個々の省庁がプログラム・プロジェクトを立ち上げた段階で行われた調査資料が散在しているのが現状。
菅野委員:
医薬品については、出口に当たる企業の規模は他の産業分野と違い中小企業となる。この分野の受け皿である産業の育成が大切になっている。
国内売り上げでも、武田薬品よりも外国企業の方が多いという状況をどうしていくか。また国内企業が外国企業に買われてしまう。企業がグローバルな活動をしている中で、国の予算で行う研究開発をどのような形で行っていくかは深刻な問題である。
杉本委員:
日本は、通信技術、半導体技術など要素技術は良いものを持っているが、最終的にアプリケーションとしてどう持っていったら良いか分からない。要素技術とコア技術が結びつかないと実用化にならない。
最終的にやりたいことの形をロードマップ作成で提示するかもしれないが、その中でやりがいのある視点を技術者に提供できれば、実際に研究開発を行う人たちの意欲が出ると考える。
東嶋委員:
これまで、国の研究開発内容が各府省で重なっているという批判がある。研究者側からも縦割りの弊害を聞く。
各府省がどのような研究開発を行っているか分からない状況では技術戦略マップの議論は出来ないだろう。各府省がどのような予算でどのようなプロジェクトを実施しているか、この小委員会の議論に関係するものだけでも良いので、次回までに調べて欲しい。
産学連携については、例えば先日、未公開株取得に関する批判記事が出た。大学TLO等も浸透度が低く、まだまだ一般的には産学連携について十分、理解が浸透していないと思われる。広報を十分に行い広く理解を得るよう努めるべき。

(4)技術戦略マップについて

研究開発課企画官より、資料5-1に基づき説明。その後、以下の意見があった(フリーディスカッション)。

(質疑応答)

小宮山委員長:
ロードマップは経済省、産総研、NEDOが協力して作成するとのことだが、今年度中に作ること、領域の問題を考えると、投入する人的資源や作成スケジュールについて危惧するが皆さんはどう思うか。
梅田委員:
環境分野では出口イメージを書くこと自体が大きな問題となる。
現状は、例えばEUの戦略の基に流れが決まってしまう。その中では要素技術開発も重要だが、その他法律、社会、市民生活を含めて考えなくてはいけない。他の技術分野と違うイメージのものになるものがある。
プログラムは政策と研究開発が繋がりやすい形である。しかし、目に見える技術開発に加えて曖昧模糊とした(要素技術以外の)要素の検討も併せて進めることは大事である。
東委員:
技術戦略マップには、オフロード的問題、社会の構造・規制の問題の概念を入れるべき。
例えばユビキタスと言ったとき、セキュリティ、プライバシーの問題にどう手が打たれているか、携帯型燃料電池を飛行機に乗せられるのかについて、国として検討しないと、技術開発はできてもなかなか実用化に結びつかない。
参考資料4にNASAの例があるが、今後日本でも軍民両方に係る分野についても検討する必要が出てくると思う。その場合の技術戦略マップを含めた戦略をすべてオープンにして良いかどうか気になる。
堤委員:
これまで、電力、水素、石炭のロードマップを作ったことがある。
一番良かったパターンは、各技術を要素技術に全部分け、横軸を時間にしたもの。要素技術のロードマップをそれぞれ作成し、技術連関図にして積み上げると全体ができる。
例えば燃料電池では、膜技術、触媒技術等に分けられる。どちらかが遅れると完成しないが、このように仕分けすると、精度の高いものが出来る。
徳田委員:
例えばロボットは現状では公道を歩けない。ロードマップには、社会に受け入れられるために必要な枠組みを含める必要がある。
半導体の様なハードサイエンス系の他、ソフトサイエンス、例えば携帯電話の着歌、着メロの様な創出型技術はロードマップに書きにくいので手だてを考えるべき。
赤池委員:
当初想定した目的・市場以外で花開いたものがあると思う。予想される技術のパッケージ化だけではマップは書けない。知的センス、技術マーケティング、技術デザインセンスや出会いをどうマップに盛り込むことができるかの議論も大切。
シャープは、液晶そのものの研究開発だけなく、それを底支えした基盤技術、関連技術が存在したはず。過去の成功パターンの解析をすれば技術戦略マップを描きやすくなるのではないか。
中辻委員:
スケジュールから勘案すると、原案を作るだけで大きな作業になってしまう。
最初に原案を作る際に、我々委員は関わらないのか、関わった方が良いのか。少しは作業に関わっていた方が良いと考える。
大滝委員:
例えばフォーカス21等のように、羅針盤を作ってプロジェクトを立ち上げたはいいが、その後のフォローがなく、どう舵を取って、どう進んだのか、分からないのか実状。
技術戦略ロードマップについても、具体的な目標に近づいたのかフォローできるシステムを作るべき。
小宮山委員長:
これまでの議論をまとめると、マップ作成自体に反対はなく、技術分野の種類や内容により、作り方、作業状況が変わっていくという話があった。またEUの様な境界条件を良く考えなくてはいけないという御注意があった。
また、マップの作り方によって効率が違ってくるので、例えば製品と技術要素に分けてマトリックス的に作成したらどうかという御意見があった。なお、本件は相当の人間が労力を費やすことになるが、状況が変わったときに技術戦略マップを変えやすい体制を検討することも重要。更に、作業に関わった人が代わってしまうと、その後のフォローが難しくなるので、フォローが出来るような仕組みの検討が必要という御意見もあった。
以上のようにまとめたい。
堤委員:
マップの作成には企業等で実際に研究開発している人を含めるべき。
東嶋委員:
急いでマップを作る必要はない。作る過程において、社会・規制の問題もあるので、作成者には、産業界とアカデミズムの方も含めて議論すべき。
安宅委員:
ロードマップには2つある。合理的に根拠に基づいて作成するマップと、意志を示すもの、計測出来ないマップである。後者に対してどう取り組むかご留意頂きたい。
ナノテクビジネス推進協議会で企画運営にも携わっている。その中で7分野位のロードマップ作りをしているが、そこで問題になるのが、企業の方は企業機密については話さない。そこをどのように保護するかを考えることは重要。
桜井委員:
経済省は唯一各マップの関係、齟齬を把握することができる立場にある。経済省は各マップ間で調整が必要な際は調整を行って頂きたい。
光川委員:
NEDOとしても留意しなければいけないのは、ロードマップを作ること自体に労力を使って、それを活用せずに終わってしまうようなことがないようにすること。

(5)今後の進め方について

研究開発課企画官より、今後の進め方について説明。その後、以下の意見があった。

(質疑応答)

小宮山委員長:
今回、技術の中身の議論の他、人材育成、産学連携の進め方等、具体的な仕組みの議論も重要であるとの御意見を頂いた。このような仕組みについてもきちんとフォローして頂きたい。

(6)その他

研究開発課長:
今回の貴重な議論を踏まえて、各委員と御相談しながら作業を進めていきたい。その他御意見があれば事務局に御連絡頂きたい。

(閉会)

関連リンク

お問合せ先

産業技術環境局 研究開発課
電話:03-3501-9221
FAX:03-3501-7924

 
 
最終更新日:2004年11月8日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.