経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第9回)‐議事要旨

日時:平成16年10月21日(木曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

小宮山委員長、赤池委員、東委員、安宅委員、梅田委員、大滝委員、大竹委員、小澤委員、宍戸委員、菅野委員、杉本委員、田中一宜委員、田中弘夫委員、堤委員、東嶋委員、徳田委員、橋本委員、光川委員代理、三原委員、谷田部委員、山崎委員代理

議事概要

1. 前回議事録(案)の確認及び前回議論での指摘に対する説明。

特段の指摘事項無し。

2. 技術戦略マップの検討状況について

〈委員からの主な意見〉

技術戦略マップ策定分野・内容について
  • 分野間の中の優先付けについて、総合科学技術会議のSABC評価結果に準拠するのか。
  • 実際に使われるまでのタイムスケジュール、業界障壁等各分野に特徴があり、業界モデルという形での分類をした上で議論すべき。半導体の微細化のような改良技術、破壊的な技術(例:CDから光ディスク等)、現在の技術の組み合わせ技術、独創的なアイデアから市場を作り出す技術の4分類が考えられる。
  • DNAチップ、生体内有機化合物のような領域間を繋いでいくような技術も議論すべき。重点プロジェクト以外に領域横断型の新しい基盤や新設計の創製を目指すようなプロジェクトも検討すべき。
  • ある目標を設定した時に、そこへ向かうプロセスを自由にして競争させた方が研究開発が進む場合もあり、目標に少し幅を持たせた形で数値化すると良い。
  • 情報通信、ライフサイエンスについては、全体の構造、政策の基本的な考え方はまとまっているが、製造技術、環境・エネルギーは小分野が立っている。それぞれのロードマップ、政策の考え方が出されているが分野全体がない。小分野をどう立てるかは重要であり、分野の立て方が後の全体のマップの出来を左右する。環境・エネルギーでは、3R、化学物質総合管理、地球温暖化対策、エネルギーと並列に並んでいるがそれで良いか。
  • 例えば、ライフサイエンス分野のグリーンバイオと環境・エネルギー分野は出口イメージがかなりオーバーラップしており、どういう関係なのか分かり難い。例えば、ナノテクは情報技術分野の技術的なサポートをするという関係であれば、そのように関連付けておけばよい。
タスクフォースの運営について
  • 情報通信技術とナノテクは共通的な部分もあるので、この分野の専門家は、他のタスクフォースにも何らかの形で参加して欲しい。そうすることで、他分野の人が新しいニーズを知ることができる。
競争力について
  • 米国が強い分野に投資されている傾向が強い。我が国が技術的に強い分野に重点化していくべき。現状及び将来の技術競争力を比較していくことが重要であり、研究者にヒアリングする等してそういう視点を取り入れていって欲しい。
マップの策定の際の留意事項について
  • 現状及び未来のみならず、過去も振り返って技術ロードマップを作って欲しい。
  • 知的財産に関して再生医療は色々問題を抱えている。ロードマップに載る技術課題について、現状の法制で本当に保護できるのかについても盛り込んで欲しい。
  • 標準化の問題は国際戦略の1つであり、全タスクフォースで見て欲しい。特に、ナノについては、米国ではターミノロジーの定義から始まり、既にナノテクの標準化のパネルの活動がスタートしている。
  • 標準化に対して、日本の、特に民間の意識が欧米と異なり非常に低い。標準化の必要性を書き込んで欲しい。
  • 日本のアジア戦略はどういったもので、どういうスタンスで対処したら良いかを含めて技術戦略マップを描いたらどうか。
分野別技術戦略マップについて

1. 情報通信分野

  • ネットワークという分類の中で、センサーネットワークが抜けている。まだマーケットが見えていないので、日本ではそういうカテゴリーはないと思って消えていると思うが、数年後に出てきて伸びていく部分である。
  • 組み込みシステムの分類は軽く書きすぎ。ソフト技術はなかなか定量化ができないが、その技術開発によって、例えばどのくらいの自動化が進み、今までこれだけ掛かったテスト期間をどのくらい減らせた等、目に見えないところのソフト技術についても考えて欲しい。

2. ライフサイエンス分野

  • 出口の分野が規模と比例していないのではないか。再生医療等、どのくらい将来のマーケットサイズが見込めるか。
  • ライフサイエンス分野は情報化しており、各分野に情報技術が入らないと競争力が保てないのではないか。
  • 出来ることと、していいことにかなり差がある。うまく社会的に認知される部分も戦略的に必要。遺伝子組換えについてもなかなか理解が得られなかったが、戦略的な問題もあった。この点を考慮したらどうか。
  • 生物・生体機能保護系技術は、既存のプレーヤに、基礎生物学者、基礎医学者の参画がないと、中長期の新しい基盤技術や新設計は生まれない。
  • QOLの向上は重要であるが、フィジカルな面のみ扱っている。心の健康という側からのQOLの視点は重要であり、その点が欠けている。メンタルな健康を保つと、免疫力が向上して、ガンの治癒率も高まる。このことからも、QOLの中にメンタルの健康をどう考えるのかという議論を加えて欲しい。
  • 生理学的・生化学的な医療機器は多いが、メンタルなレベルを測るものがない。メンタルなレベルの健康を定量的に計測する診断計測機器が大きな効果を持つと考えるがここでは欠けている。
  • 診断治療機器分野において、疾患毎に技術課題を挙げて技術マップを作成しているが、疾患毎に具体的技術課題を挙げる必要があるのか。例えば心疾患であれば、診断治療機器だけではなく、再生医療も入ってくるし、人工臓器(人工心臓)、ナノテク、生体適合材料が入ってくるので、診断治療機器の分野だけ取り上げて、疾患別にマップを作っていくのは適切なのか再考して欲しい。

3. 製造技術分野
(ロボット)

  • 介護ロボットについては、ライフサイエンス分野からのインプットがないと中途半端になってしまう。
  • ロボットは産業分野以外に生活にも関わってきており、安全の評価等、今後はルール作りが必要。スケジュールの中では、単に技術の問題だけではなく、ルール作りのスケジュールが重要なポイントとなる。例えば、センサー認識に自己位置認識技術があるが、RFIDを使って自己位置を認識するには、来年度に予定されているUHF帯の開放がないとなかなかできない。これらは技術よりもルールを考える部分が大きい。ロードマップで時間を考える際は、その視点を含めて欲しい。
  • アプリケーションに深く依存するロボットはメーカーや大学の技術だけはなく、モーター、アクチェーターをどうデザインするのかといったデザインサイドからの参画が必要。
  • ロボットの出口について、2025年以降に汎用ロボットと記載があるが、汎用ロボットが最終的な出口となるのか。コンセンサスは得られていないのではないか。

(MEMS)

  • 製造技術分野の出口としては、MEMS以外にも日本を支えている金型や基盤もあり、全体の中でハイテクに類さないものを排除しないような配慮が欲しい。

4. 環境・エネルギー分野

  • エネルギーについては、既に出来ているロードマップ、技術マップが紹介されたが、今後、全体として更に見直しまとめていく動きはいつ頃からか。
  • 研究人材を育てる点を入れて欲しい。リスク削減技術のようなフィールドに近い研究では、学会的には評価されにくい。本当に必要な技術を真剣に研究する人材が評価されるようにして欲しい。
  • 3R、化学物質管理分野は、市場ニーズが、市場メカニズムだけではなく、社会のニーズからも決まってくる。政策と密接なリンクを持ってやって行かなくてはいけない。

5. ナノテク分野

  • 電子、情報技術の出口を中心に検討されているが、ナノテクノロジーは基盤技術であり、色々な分野に波及効果がある。例えば、色々な電池のナノ構造にも今後相当活用される。環境・エネルギーの出口やナノ材料そのものについても検討すべき。
  • ナノの普及促進にあたって、欧米で最近言われてきているのは、ナノテクノロジーの安全性に関する科学的知見の収集である。ナノ粒子の健康への影響等についても検討すべき。
  • ナノテクについては、安全性の問題も標準化の問題も議論がようやく始まったばかり。それよりも前に、実用化が近づくにつれて、ナノテクの定義や命名法の問題が、産業界の人間には必要となっている。ナノテクのロードマップを作成する際は、その辺からスタートしていくべき。
  • ナノ素材の可能性をロードマップ的に作ってもらいたい。ディスプレイや電子、情報技術関係はかなりオーバーラップしている。作業が集中している箇所としていない箇所がある。
  • ナノマテリアル分野では、面白い材料がたくさん生まれてはいるものの、その分野の研究者は用途開発に対して知識が乏しいため、それらをニーズとマッチングさせるような仕組みを作ることが必要であり記載して欲しい。
  • 材料関係においては、市場あるいは製品と技術との間のファンクションを意識しながら考えると出口を見据えたロードマップが作れる。

3. 今後の進め方について

(事務局)
  • タスクフォース及び技術分野の設定について、技術領域の設定に当たっては、それぞれの産業政策の中で研究開発施策のウエイトの高いもの、産業的に見て今後大きな動きを示すもの、社会のニーズが大きいものという観点からピックアップをして選択させて頂いた。その様な分野について、優先的にマップを作成していきたい。マップができあがった後には、毎年ローリングをしていきたい。
    また、新たな分野についても、必要が出てきた場合には追加していきたい。
  • エネルギー分野については、資源エネルギー庁において検討されることとなっており、その進捗状況については、本小委員会で報告することを現在、資源エネルギー庁と相談している。
  • 分野によってマップの構造が違ってくる。それぞれの研究開発について、全然違うフェーズがあること、今回、分野を一覧にして提示したことで、それぞれの研究分野で取り組んでおられる方々に分野の切り方についての意識を持って頂いたことが、我々としてはマップ作りのプロセスに意味があったものと考える。
  • 相互の補完関係について、ある分野の検討に他分野からも積極的に参入して頂きたい。実際のプロセスの中でシナジー効果につながると思う。規制の問題、安全の問題、特許の問題、標準の問題についてもプロセスの中でこなして行きたい。
  • 最終的な完成品がファーストバーションとなると思う。まず1枚、1枚のマップを完成させて、それぞれをどの様に繋げていくのかを考えていくことになる。進み方によっては、第2フェーズで相互関連マップというようなものを作っていくのではないか。

以上

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最終更新日:2004年11月8日
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