経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第9回)‐議事録

日時:平成16年10月21日(木曜日)16時00分~18時10分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

小宮山委員長、赤池委員、東委員、安宅委員、梅田委員、大滝委員、大竹委員、小澤委員、宍戸委員、菅野委員、杉本委員、田中一宜委員、田中弘夫委員、堤委員、東嶋委員、徳田委員、橋本委員、光川委員代理、三原委員、谷田部委員、山崎委員代理
事務局
齋藤産業技術環境局長、照井審議官(産業技術担当)、佐藤産業技術政策課長、土井産業技術政策課統括技術戦略企画官、中村研究開発課長、牧野研究開発課企画官、小林研究開発課調整官、清水研究開発課企画調査官、杉本課長補佐、鹿沼課長補佐、陣山技術評価調査課長、豊國技術振興課長、渡邊製造産業局化学課機能性化学品室長

議題

  1. 前回議事録(案)の確認
  2. 技術戦略マップの検討状況等について
  3. 今後の進め方について
  4. その他

配布資料

資料1 第9回研究開発小委員会議事次第

資料2 研究開発小委員会 委員名簿

資料3 第8回研究開発小委員会議事録(案)

資料4 技術戦略マップの検討状況と今後の進め方について(案)

資料5 情報通信分野の政策体系図及び技術マップ(案)

資料6 ライフサイエンス分野の政策体系図及び技術マップ(案)

資料7 製造技術分野の政策体系図及び技術マップ(案)

資料8 環境・エネルギー分野の政策体系図及び技術マップ(案)

資料9 ナノテク分野の政策体系図及び技術マップ(案)

資料10 部材分野の技術開発の方向について

参考資料1 平成17年度産技政策関連予算要求の重点

参考資料2 技術戦略マップの作成について

参考資料3 最近の科学技術政策の動きについて

議事内容

(1)挨拶

産業技術環境局長より挨拶。

(2)

前回議事録(案)の確認及び前回議論での指摘(省庁間連携、産学連携、中小企業への研究開発投資)について、事務局より、資料3、参考資料1, 3に基づき説明。

(3)技術戦略マップの検討状況等について(全体説明)

事務局より、資料4、参考資料2に基づいて説明。その後、以下の意見があった(フリーディスカッション)。

(質疑応答)

安宅委員:
個別の分野毎の特徴があると思うが、分野間の中の優先付けについて、総合科学技術会議のSABC評価結果を準拠するのか、この委員会の中でどのような技術分野が必要なのかを議論するのか。個別分野に進む前に教えて欲しい。
東委員:
資料4の5ページに関して、例えばライフサイエンス分野、情報通信分野を比べた場合、片方は創薬から実際に使われるまでに長い時間が掛かる。環境・エネルギー分野も実際に使われるまでに掛かる時間(タイムスケール)が情報通信に比べて大分違う。
また、業界自体の障壁がある場合には、他者が容易に参入し難い。例えば創薬は参入し難く電子工学は参入しやすい。業界モデルという形での分類をした上で議論すべき。
改良技術に関して、現在のシリコン90nmから65nmへの微細化のトレンドは作りやすい。逆にCDから光ディスクなど、技術を破壊しながら進む破壊技術もある。また、現在の技術を上手く組み合わせて横に展開して出口を見つけ出すものもある。更に、全く独創的なアイデアから生まれてくる技術があり、分類すると4つ位ある。これを明確に分類しないと議論が収束しないのではないか。どこを重点化するのか明確にするべき。
赤池委員:
例えば、DNAチップ、生体内有機化合物、光フォトニクス材料のような領域間を繋いでいくピンみたいなもの、技術開発ドメインがあるような気がする。そのような議論が事前に必要。
大竹委員:
ある目標を設定したときに、そこへ向かうプロセスはかなり自由化した方が研究開発は上手く行く。プロセスを開発するのは重要な役目であり、そのためには目標はある程度数値化しなくてはいけないが、できれば少し幅を持った数値化をするとやり易いと思う。プロセスでも、お金のかかるプロセス、安いプロセスがあるので、目標に少し幅を持たせ、複数のプロセスで研究開発を並行に進めて、競争環境の中で総合力を養うことができたら非常に良く、研究者もやり易いだろう。
出口分野で気になった点として、MEMS以外にも製造技術はあり、日本を支えているのはむしろ金型や基盤の方で金額的にも大きい。金型が日本から無くなってしまうのはかなりまずい。全体の中でハイテクに類さないものを排除しないような配慮が欲しい。
研究開発課長:
分野間のウエイト付けについては、基本的には新産業創造戦略の中で今後、強い競争力を活かして世界に立ち向かっていく新産業群といった観点から考えられる分野、及び、総合科学技術会議で指摘されている重点分野を踏まえ、まずこれらの分野についてマップを作成していきたいと考えている。特に分野間について重み付けをこの場で議論をすることは考えてはいない。むしろそれぞれの分野、技術領域の中で、どこに重点化すべきかを中心に議論していきたい。
小宮山委員長:
分野間にまたがる基幹技術についてはどうか。
研究開発課長:
各分野の個別説明の中で議論していきたい。
小宮山委員長:
またこの後の議論でも振り返って頂きたいと思う。

(4)技術戦略マップの検討状況等について(個別技術分野の説明)

事務局から資料5(情報通信分野),資料6(ライフサイエンス分野)、資料7(製造技術分野)に基づいて説明。その後、以下の意見があった(フリーディスカッション)。

橋本委員:
東大先端研の専門家と話をする機会があり、その中で感じていた国際競争力についてコメントしたい。我々はよく、この分野は日本では弱いがこの分野は強いのでここを攻略すれば良くなるはずという話をする。米国は、一般的に多く投資されている技術分野にどんどん研究開発投資を行っているが、日本はその米国の強いところに投資している。実際、日本では、その様な投資をする者の声が非常に強い。しかし、ある技術分野は日本が弱いが、日本が強い技術分野はこの分野であるというような議論を行えば良いのである。先程の製造技術の説明はその様な観点からの話であったと思う。
情報通信であれば、日本はソフトが弱くて、ハードが強い。一方で情報の方から聞くと、ソフトでも日本が強いところがあり、コンテンツの世界ではすごく強い。ゲームに近いもの等、ある特定の分野は特に強い。また、バーチャルリアリティーが日本は圧倒的に強いのはよく知られている。そういう視点を入れ込んで欲しい。ライフサイエンス分野の技術開発も同感であり、国際的にものすごく競争されているが日本は弱い。
日本は今後強くなる分野を見据えているのか、現状はどうなのか、将来予測はどうなのか、それを強くするためにはどうしなくてはいけないか。
また、産学連携について、日本の連携の程度のレベルは非常に低く、このままでは負けてしまうと聞く。
具体的に日本が強いところ、弱いところ、そして将来に向けてどういう技術分野が日本では強いかをヒアリングして取り上げて欲しい。
赤池委員:
現状と未来だけでなく、過去も振り返って改めて技術ロードマップを作るという視点を表明して欲しい。なぜ情報通信分野は暗黒の10年間になってしまったのか、ライフサイエンス分野は何故ダメだったのか。反対に、強い分野でいうと、例えばフォトマスク等は実際に米国に勝っている。経済産業省の政策やNEDO助成事業を行った故に成功しているだろう。成功したのはどういう政策パッケージ、ビジネスモデルがあったのか、その反省を踏まえ、将来像と併せて、技術戦略マップを作って欲しい。
徳田委員:
情報通信分野の資料5の5ページについて、ネットワークという分類の中に更に有線網、無線網と分類されている。基本的にコアのバックボーンと敷設系のネットワーク、構内網はカバーされているが、我々が注目しているセンサーのネットワークがここには無い。日本はセンサー個々の技術は良いが、更にセンサーはネットワークと融合して、ネットワークが広がって来ているのだが、ここでは、この記載が抜けてしまっている。
実はインテルがセンサーネットワークの研究開発をかなりやっており、既にセンサーネットワークを家庭内に持ち込んで実験を行っている。つまり、まだマーケットが見えていないので、日本ではそういうカテゴリーはないと思って記載していないと思うが、このように、2004年の枠組みで分野のカテゴリー付けをしてしまうと、数年後に出てくる、そしてすごい勢いで伸びていく部分が抜けてしまう恐れがある。
ソフトウェアの技術は目に見えないのでロードマップに書くことは難しいかもしれない。しかし組み込みシステムなどは簡単に書きすぎではないか。例えば、車でもたくさん導入されてきており、アウディーA80では60ノードくらいのプロセッサが入っている。
単体の検証技術・テスト技術はかなりできているが、複数のネットワークで組み合わされた場合の正しい検証技術や効率の良いテスト技術はなかなか確立されてこない。ソフト技術などはなかなか定量評価ができない。そのためには、例えばどの位の自動化が進み、今までこれだけ掛かったテスト期間をどのくらい減らせた等、自動検証するためのツールが必要。目に見えないところの技術が追いついていかないと、ハード面でのマップは見えるが、ソフト面でのマップは見えにくい。ソフトウェア技術についても考えて欲しい。
小宮山委員長:
センサーネットワークが抜けたのは、構造的なものかもしれない。有線網として「基幹」、「アクセス」、「構内」と分類すると他の選択肢が狭まり出にくくなってしまったため、抜けてしまったのではないか。
研究開発課企画官:
情報通信分野のTFでは熱心に議論されているため、案は固まっていない。現時点での検討では、センサーネットワークの話も入っている。ネットワーク分野の構造については、構造自体が大きく変わりつつある。今回頂いた御意見もTFにフィードバックしたい。
小宮山委員長:
2次元で分類するとどうしても欠けるところが本質的にある。その様な視点を出して頂けると大変参考になる。
菅野委員:
ライフサイエンス分野について、ライフサイエンス分野は出口に至るまでに時間が掛かるが、出口イメージは比較的はっきりしている。例えば創薬・診断等、分かり易い例が並んでいる。逆に出口の分野が規模と比例していないのではないかと思う。資料は出口の規模に比例しているだろうか。再生医療等、どのくらい将来のマーケットサイズが見込まれるのか。
ライフサイエンス分野は情報化している。情報の方から見るとユーザとしての情報化なので、情報の最先端ではないかもしれないが、実際に応用されている。ライフサイエンス分野の中での各分野に情報技術が入らないと競争力が保てないのではないか。議論にも含めて欲しい。同じようなことが、製造技術、ロボットとも密接に絡む。例えば介護ロボットについては、ライフサイエンス分野からのかなりのインプットがないと非常に中途半端な技術になってしまう。独りよがりの技術も割とあるので、上手く工夫してマップ作成に盛り込んで欲しい。
堤委員:
情報通信分野、ライフサイエンス分野については、全体の構造、政策の基本的な考え方がまとまっているが、製造技術分野、環境・エネルギー分野は小分野が建っている。つまり小分野それぞれのロードマップ、政策の考え方が出されているが、分野全体のものが抜けている。それに関連して、小分野の建て方そのものによって、直ぐに出口イメージができてしまう。小分野をどう建てるかが重要。前2つの分野は明確なイメージがあって作成したと思う。後2つの分野は広範囲だからかもしれないが、分野の建て方が後の全体のマップの出来を左右するのでよく考えるべき。環境エネルギーでは、3R、化学物質総合管理・・・・と並列に並んでいるがそれでいいのか。
杉本委員:
これからの話は全ての分野に掛かることだが、例えば、ロボットは産業分野以外に生活にも関わっている。安全の評価等、今後はどんどんルールを作らないと正しく安心して使えない。この先の作業で、ロードマップを作成することになった時、スケジュールの中で、単に技術だけの問題ではなくて、ルール作りの時間が重要なポイントとなるので、もっと明確にタイムスケジュール化しなくてはいけない。新しく作るルールもあるが、壊していかなくてはいけないルールもある。例えばロボット技術マップ2ページのセンサー認識に自己位置認識技術があるが、RFIDを使って自己位置を認識するには、来年度に予定されているUHF帯の開放がないとなかなかできない。これらは技術よりもルールを考える部分が大きいと考える。ロードマップで時間を考える際は、その視点を含めて欲しい。
小宮山委員長:
重要だと思う。規制の撤廃もありえる。そこも含めて考えるべき。規制されているから日本は弱いと言うのではいけない。
三原委員:
知的財産に関しても、再生医療、スクリーニング特許等、色々な問題を抱える特許があり、知財推進計画でも取り組んでいるところ。
ロードマップの技術的課題について、現状の知財関連の法制で本当に保護できるのか、ワールドワイドに考えたときに本当に現状のあり方で良いのか、この様な観点についてもタスクフォースの中で色々と議論が出てくると考えられるので、是非、盛り込んで頂き、連携して進めて欲しい。
谷田部委員:
特にライフサイエンス分野の場合に、できることと、していいことにかなり差がある。戦略マップという以上、アクセルの部分が強い。やはりクラッチ、ブレーキなど、うまく社会的に認知されるという部分も戦略的に必要。今までの遺伝子置換えについてもなかなか理解が得られなかったが、それは戦略的な問題もあった。逆にブレーキを踏んでいく等の姿勢が見えないと、社会的なロードマップとしてどうかと考える。この辺を考慮したらどうか。

(環境・エネルギー分野、ナノテク分野について、事務局より、資料8,9に基づき、また、部材分野について、製造局化学課機能性化学品室長より、資料10に基づき説明。その後、以下の意見があった(フリーディスカッション)。

赤池委員:
どこがどういう技術マップに従って、誰をどのブレーヤー達と育てていくのかが重要。特に、生物・生体機能保護系技術はいやおうなく既存のプレーヤ、基礎生物学者、基礎医学者の参画がないと、中長期の新しい基盤技術や新設計は生まれない。
ロボットも同じであり、アプリケーションに深く依存するロボットではメーカーや大学の技術だけはなく、モーター、アクチェーターをどうデザインするのかのデザインサイドからの参画がないとマーケットとしてなかなか成立し難い。このように考えていくと重点プロジェクト以外に新産業創出のためのモデルプロジェクトのような領域横断型の新しい基盤や新設計の創製を目指していくようなプロジェクトを技術戦略マップにぶら下げていくような選択肢があると考える。
安宅委員:
ライスサイエンス分野で欠落している分野があるのではないかと考え発言する。ライフサイエンス分野資料5ページについて、創薬・診断分野における技術戦略(案)の2.「健康でいられること、早い段階で手を打つために」、「健康で質の高い生活を実現する」の中で、QOLの向上は重要であるが、資料に書かれているのは生理学的なフィジカルな意味でのQOLの視点である。身体的な健康については取り組まれていると思われるが、心の健康という側からのQOLの視点が重要であり、ここではその点が欠けていると思われる。心の健康はフィジカルな効果や生理学的な効果にも非常に関係する。メンタルな健康を保つと、免疫力が向上して、ガンの治癒率も高まる。こういうことからも、QOLの中にメンタルの健康をどう考えるのかという議論を是非加えて欲しい。同時にこの分野が遅れている理由は、医療機器には生理学的な、生化学的なものが多いが、これらはメンタルなレベルを測ることができない。会社の中でもメンタルヘルスというと、カウンセラーや臨床心理士であってカウンセリングのレベルであり、定量的な評価はできない。メンタルなレベルの健康を定量的に計測する診断計測機器が非常に大きな効果を持つと考えるがここでは欠けている。
梅田委員:
この小委員会のアウトプットとしての技術戦略マップは俯瞰図を作るのか。トピックスとしてオーバーラップしている箇所がある。聞いている範囲では分かりにくい。例えば、ナノテクは情報技術分野の技術的なサポートをするという関係であれば、そのように関連付けておけばよい。また、例えばライフサイエンス分野のグリーンバイオと環境・エネルギー分野は出口イメージがかなりオーバーラップしており、どういう関係なのか分かり難い。そこの見解をお訊きしたい。
小澤委員:
エネルギー分野について、それぞれ既にロードマップ、技術マップができており、紹介されたが、今後、全体として更に見直しまとめていく動きはいつ頃からか。
ナノテク分野資料3ページについて、電子情報を中心とした赤枠を中心に検討されているが、冒頭に説明されているように、ナノテクは基盤技術であり色々な分野に波及効果がある。3ページの図でも、2の環境・エネルギーの中に記載されている色々な電池のナノ構造も今後相当活用されると考えられるので、一度は検討すべき。同じ観点で、ベースとなる3ページ1の材料そのものについても、その中でのナノレベルでの改良が非常に大きなインパクトを将来持ってくることがありうる。これらの領域についても検討するべき。
同じように、ナノテクノロジー分野資料1ページの「普及促進」に安全性の記載がある。ナノテクノロジーの安全性に関する科学的知見の収集においては、欧米では最近、ナノ粒子の健康への影響について話題に挙がっている。そう言ったものは技術マップに該当するのかどうか分からないが検討頂きたい。
宍戸委員:
ナノテクノロジー分野について、安全性の問題も標準化の問題も議論がようやく始まったばかり。それよりも前に、だんだん実用化が近づくにつれて、ナノテクノロジーの定義や命名法の問題が、我々産業界の人間には必要となっている。どこまでをナノテクノロジーと言って良いのか。ナノテクノロジーのロードマップを作成する際、他のロードマップとは少し違うので、その辺から議論をスタートすべき。
ナノテクノロジー分野資料1ページに、社会的効果が2つに分類されている。ナノテク産業として、1ナノ素材、2ナノ計測、それ以外はナノテクノロジーを使った産業の高度化とある。そのような分類をするならば、ナノ素材の可能性をロードマップ的に作ってもらえれば、逆に他でやっていないので非常に良い。
ディスプレイーや電子・情報関係はかなりオーバーラップしている。これを最終的にどう整理するのか分からないが、作業が集中している箇所としていない箇所があると思う。
田中一委員:
タスクフォースの運営について。情報通信分野とナノテクノロジー分野は共通的な部分もあるので、この分野で相当詳しく広くものを見ることができる方は、他のタスクフォースにも何らかの形で強く参加して欲しい。そうすることによって、他の分野のそれぞれが、新しいニーズを知ることができる。参加する方がそれぞれのタスクフォースの新しい技術的展開をコメントすることができる。これにより連携・融合の実質的な運営ができると考えられるので具体的に考えて欲しい。
戦略部分の問題について、標準化の問題は国際戦略の1つであり、共通的に全タスクフォースで見て欲しい。特にナノテクノロジー分野については、米国ではターミノロジーの定義から始まり、既にナノテクノロジーの標準化のパネルの活動がスタートしている。幸いこのナノテクノロジーの提案の中には、ナノテクノロジー標準化の推進が記載されているが、世界はかなり足が速い。見方によっては欧州と米国の戦略の違いの争いの中からかなり加速されて出てくるものと見ている。その点を注力して見て欲しい。
国際戦略について、アジア戦略は全体の方針の中にも出ていたが、そういった視点で各タスクフォースを見る方も必要と考える。特にナノテクノロジーは必要。例えば製造技術分野で宇宙の話があったが、スペースシャトルの様に殆ど米国に依存しているが、一方、アジアでは中国が有人ロケットを揚げた例もある。そういう中で、日本のアジア戦略はどういったもので、どういうスタンスで対処したら良いかを含めて技術戦略マップを描いたらどうか。
東嶋委員:
ライフサイエンス分野で診断治療機器の記載があり、疾患毎に技術課題を挙げてロードマップ、技術マップを作成しているが、果たして疾患毎に具体的技術課題を挙げる必要があるのか。例えば心疾患であれば、診断治療機器だけではなく、再生医療も入ってくるし、人工臓器(人工心臓)、ナノテク、生体適合材料が入ってくるので、診断治療機器の分野だけ取り上げて、疾患別にマップを作っていくのが適切かどうか再考して欲しい。
出口の点でロボットについて、研究開発ステップが3段階あり、その中で、最後の2025年以降に汎用ロボットと記載があるが、果たして汎用ロボットが最終的な出口となるのか。この点を疑問に思っており、コンセンサスは得られていないのではないかと考える。この出口の点について再検討されたらどうか。
橋本委員:
環境・エネルギー分野について、研究人材を育てる点を是非入れて頂きたい。リスク削減技術のような研究開発では、フィールドに近い研究になり、学会的には今、評価されない。そのような重要な技術を研究したい若者が育たない環境にある。是非、本当に必要な技術をまじめに研究する人たちが評価されるような仕組みを是非とも考えて人材を育てることを入れて頂きたい。
ナノマテリアル分野について、人材資源、開発資源がかなり掛かっており、面白い材料がたくさん生まれている。しかし残念ながら、その人たちは用途開発に対しては知識が乏しく、不得意な方が非常に多い。ナノテクノロジー材料というとカーボンナノチューブばかり挙がるが、それだけではなく、たくさんの材料ができており、それをニーズとマッチングさせるような仕組みを作ることが必要であり記載して欲しい。
標準化について、ナノテクノロジーに限らず色々な分野において、標準化に対して日本の、特に民間の意識がものすごく低い。これは全く欧米と違う。経済省はそこの重要性を気づいており、力を入れていることは分かっているが、民間も含めた標準化の必要性を是非書き込んで欲しい。
光川委員代理:
NEDOからタスクフォースを実際に運営する側から一言申し上げる。本日の御議論は参考になったので、持ち帰って各タスクフォースに反映させていきたい。
我々は有識者の方々と認識を摺り合わせしながらタスクフォースを運営している。情報通信等のように、市場から製品イメージ、製品から技術という3層で、市場のニーズから降りてくるロードマップは明確に重要である。例えばロードマップという言葉が最初に文献に出たのは、1987年。モトローラのFM車載ラジオからである。このようなアセンブリ型製品でロードマップが先行して作られてきた。しかし、材料関係では全く同じようなやり方ではできない。色々と議論をする中で、我々は、市場あるいは製品と技術の間にはファンクションというレイヤーがあると考える。ファンクションを意識しながら考えると最終イメージが必ずしも製品の形でなくても、出口を見据えたロードマップが作れるだろうと考えている。
もう1つのタイプとして3R、化学物質管理の様に、市場ニーズが必ずしも市場メカニズムだけではなく、社会のニーズとして現れてくる分野がある。これは政策と密接なリンクを持ってやって行かなくてはいけない。ロードマップは分野によって、作り方や議論の仕方を変えながらやっていくべきとの認識を持っている。
最近、研究マネジメント関係の学会の動向をフォローしているが、必ずしもアセンブリ型製品ではなく、材料のシーズから発信したマップや、極端にはオフロードマップやクロスロードマップという言葉も出てきている。こういったものも上手くマップに盛り込みたいと思っている。
小宮山委員長:
まだまだ御意見があると思うが、この後、メール等で事務局に提出して頂くようお願いする。この資料を事前に頂いたおかげで色々と活発な意見が出たのではないか。みなさんから出た意見を形にするのは大変だろうと思うが、多面的なものの見方など、今日の委員からの発言は、現在考えているポイントだと思うので、是非、出来る範囲で反映して頂きたい。

(5)今後の進め方について

事務局より、資料4に基づき、今後の進め方について説明。その後、以下の意見があった。

研究開発課長:
タスクフォース及び技術分野の設定に関して、堤委員から製造技術分野、環境・エネルギー分野の技術領域の設定についてよく考えるべきではないかという御意見があったが、それぞれの分野は幅も広く、内容的にも非常に性格が異なっている。我々としては、技術領域の設定に当たっては、それぞれの産業政策の中で研究開発のウエイトの高いもの、産業的に見て今後大きな動きを示すもの、社会のニーズが大きいものという観点から、ピックアップをして、例えば製造技術であればロボット、MEMS、航空機、宇宙という形で選択させて頂いた。そういった分野について、優先的にマップを作成していきたい。マップができあがった後には、毎年ローリングをしていきたい。また、新たな分野についても、必要が出てきた場合には追加していきたい。
小宮山委員長:
分野設定については、環境・エネルギー分野で見ると、今、経済産業省で行っているものを書いているのではないか。他の分野の優先度が低いかというとそういうわけではないだろう。経済産業省が現在行っているプログラムを中心に考えたと言うべき。
研究開発課長:
研究開発プロジェクトを行う必要性の高い技術分野を踏まえて我々はマップ作成を進めている。ご質問があった、エネルギー分野についても、現在、既に技術マップ等を整理しているものもあるが、今後どのように進めていくかについては、資源エネルギー庁において検討することとなっており、その進捗状況については、本小委員会で報告することを資源エネルギー庁と相談している。
産業技術環境局長:
技術戦略マップを一覧にして全分野を本日お見せしたのは、全体の作業の意義を100%とすると30%くらい。これから技術戦略マップに落としていくプロセスに関する作業が40%くらい。完成品を作るのが30%と考える。誤解無き様に申し上げると、完成したからこれが御紋章になる訳ではない。まず一覧にお見せしたことで、できるだけ構造を揃えようとしても、これだけ分野によってマップの構造が違ってくる。要するにそれぞれ研究開発について、全然違うフェーズがあるということが御理解頂けたと思う。
分野の追加という御議論が当然出てくるかと思うが、そう言った御議論は、一覧としてお見せした1つの効果だと思う。こういうやり方で技術戦略マップを作成していくということについて、それぞれの研究分野で取り組んでおられる方々に意識を持って頂くことで、かなり我々としてはマップ作りのプロセスに意味があったものと考える。
一覧にお見せしたので、相互の補完関係というのもずいぶんご指摘を頂いた。今後、作業の40%を占める一番重要なプロセスを行うことになるが、ある分野について積極的に他分野からも、これはうちの研究分野だと言うことで積極的に参入して頂けることを期待申し上げる。それにより、相互補完という絵で見えたものが、実際のプロセスの中でシナジー効果につながると思う。御指摘があった、規制の問題、安全の問題、特許の問題、標準の問題についてもプロセスの中でこなして行きたい。最終的な完成品がファーストバーションとなると思う。それぞれの相互の関係について御指摘があったが、まず1枚、1枚のマップを完成させて、これとこれをどうつなげていくのかを考えていくことになるだろう。その中でどこまでこなせるかは分からないが、こなせなかった場合、第2フェーズで相互関連マップというようなものを作っていくのではないか。
全体としてこれからいよいよ一番重要な作成プロセスに入るので、是非積極的な御参加をお願い申し上げる。

(5)その他

小宮山委員長:
委員の方から特別な御発言があるか。よければこれで終わらせて頂く。

(閉会)

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電話:03-3501-9221
FAX:03-3501-7924

 
 
最終更新日:2005年2月4日
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