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審議会・研究会

産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第13回)  議事録

議事に先立ち、肥塚局長開会挨拶、産技局幹部異動に伴う新任紹介、配布資料確認、及び赤池委員の著書「ニッポンテクノロジー」(席上配布参考書籍)紹介等あり。

(1)前回議事録(案)の確認

事務局から、資料3に基づき前回議事録(案)について説明。

(2)エネルギー分野の技術戦略マップについて

資源エネルギー庁総合政策課政策企画室長から、資料4-1及び4-2に基づき説明。

【西尾委員長】
前回、川合委員、宍戸委員等何人かの方からコメントをいただいているが、特に川合委員からは、2100年までは非常に長いが、ログスケールというか、もう少し近い将来のところははっきりとしたイメージで、だんだんぼやけていくような形にしてはどうかとの意見があったと思うが、それは4-2の資料において、おそらくこれからの課題として、短中期的な視野から重要になるような視点の追加等によって一応は答えていただいているものと思料。まずは今の御説明に対して御意見、御質問を賜りたい。
【佐々木委員】
前回も紹介させていただいたが、今後のローリングの際にも参考としていただきたく、NEDOの技術ロードマップを紹介したい。燃料電池・水素、バイオマス、太陽電池の分野につき策定しており、2030年というターゲットに向けたときに、具体的にそれぞれの技術課題を拾い出し、どういう展開になるかという作業をしている。ローリング作業についても、我々が思っているイメージとはどういうものかを紹介したく、本日は燃料電池、水素について池谷主任研究員から、バイオマス、太陽光発電について小井沢参事から簡単に説明させていただきたい。
(NEDO池谷主研及び小井沢参事から、資料「NEDO技術開発機構によるエネルギー分野の技術ロードマップについて」に基づき説明)
【西尾委員長】
大変詳細な御検討の結果を短時間で紹介いただき感謝。おそらく先ほど御説明いただいた考え方、つまりバックキャスティングという手法とフォアキャスティングという手法で、多少視点が違うが、それはいずれかの段階でだんだんマージしていくということだろう。今回御報告いただいたものは、私も策定メンバーに入っているのでやや司会しにくいが、先ほどの資料4-1の1枚目左側の考え方が今回のアプローチの特徴であり、他の分野の技術マップとは多少観点が違った作り方をしている。将来2100年頃には天然ガス、2050頃年には石油生産のピークが来ると想定。これは最近ではもう少し前倒しが必要との話も随分出てきているが、ではその時に日本はどういう社会、エネルギー需給構造になっていなければいけないかということを想定し、そこへ辿り着くためにはどういう道筋で2050年、あるいは2100年の描かれている姿に行ったらいいのかという議論を、1年ほど行ったもの。バックキャスティングというのはおそらく日本ではあまりとられたことのないアプローチ。簡単に申し上げて、誤解を招くといけないが、アポロ計画に近い。背景は全く違うが、1960年代のうちに人間を月に立たせるとの目標を立て、それが荒唐無稽なものであってはいけないが、こうあるべきとの目標が立てられ、そこに向かって技術開発をしていく、というのに比較的近い。今回この小委員会で議論いただいている他の領域とは多少違った考え方、まとめ方になっている。
【橋本委員】
大変膨大な量をまとめられている。先ほど資エ庁の方から御説明があったように、もともと制約条件はしっかり2100年ということで認めておいて、繰り返し言っておられたが、“極端な”エネルギー構成によるケーススタディであるとのこと。技術的な洗い出しとしてはこれで良いと思うが、実際には技術だけではなく、社会的な中での位置づけを出さないといけない。そうすると2100年における社会的な行動、即ち技術だけでなくて費用負担のことも含めた、そういう社会構造自身がないと、なかなかこうした議論はここから先の積上げはしづらいと思うが、それはこの委員会のミッションではなく、別に行われると考えて宜しいか。二つめに、結局これはすべての洗い出しをしたわけだが、その重みづけをどうするのか。重みづけには幾つかあって、一つは技術水準や国際競争力があるが、最も大きいのは「効果」である。ある技術について、2100年を迎えたときに、どの程度効果があるのかということの位置づけは今後どのようにしていくのか。
【江崎資エ庁政策企画室長】
非常に重要な御指摘に感謝。まずミッションであるかとの点については、ここはあくまで技術の整理であり、社会構造その他の要因については、資エ庁の中の政策そのものに関わってくることと理解。先ほど御覧いただいた本文11頁の三角形、一番上が赤、左が青、右が緑というものがあるが、少し立体的にイメージしていただき、例えば縦軸を平面として、上方(天井)に向かって実現の目標値とすると、その三角形の端それぞれに糸をつけて上につり上げた時に、今言われた他の要素、効果というものがそれぞれの糸をどれぐらい上につり上げるか、下げるかというのに近い。図形中「現状」点がやや上方に星印で示されているが、これがボールと思っていただくと、その時々によってどの糸をより上に引っ張り上げるかで、ボールの行くべきところが決まっていくという感じになると思う。ただ、いずれにしても、本当にこの三角形の3点だけなのかという議論は当然今後出てくる。ブレークスルーによって4つ目の糸をつけることがあろうかと思うが、今のところ分かっている、議論されているアプローチの方向としては3つであるので、それに従って整理した。そこからすると、まさに御指摘のとおり、例えば技術開発の過程ではるかに効果が高いものが発見されれば、そこの部分は逆にコストが下がったり、実現しやすさがまた変わってきたりする。その現実はグッとそちらの方に進み、社会的な資源の投入もそちらの角に向かって進むべきだということが多分言えるものと思っている。
【西尾委員長】
その辺の議論は色々御意見もあり、おそらく1日くらい時間をとらないとなかなかできないと思うが、少し違った観点から、これは2100年、あるいは2030年、50年と時代を切っておられるので、技術によってどういう社会を目指すのか、あるいはどういう風に社会が変わってくるのかについて、少し時間をとって議論ができればと思うが。
【安宅委員】
これは、やはり国民生活とか産業構造に関わることから、キャンペーンを行うとか、コンセンサスを得る等ということになると思うが、そのときに、数値でこうなるとこういう技術が対応する、というのはいいが、やはり社会や生活のイメージ図のようなものが説明する時に要るのではないか。前回も述べたが、国民1人当たりどのくらいエネルギーを使うか、今使っているとこういう生活だが将来このくらいでこういう生活ができる、というような、何か分かりやすい社会的な議論を生むような投げかけが要るのではないか。非常に膨大な検討をされているので、それらを還流する意味でもそうした辺りを、この技術ビジョンの委員会ではないのかもしれないが、やっていただくと非常に分かりやすくなると思う。
【堤委員】
エネルギーの研究会には私も参加させていただいたが、やや恐れているのは、これはあくまでもバックキャストを行ってそれを実現するために必要な技術スペックを洗い出しただけであって、その実現が約束されたものではないということを、何らかの形でちゃんとアピールすべきではないかと思っている。
【西尾委員長】
前回も申し上げたかもしれないが、私は「トリプル50(エネルギービジョン)」において、2030年にエネルギーの利用効率を、現在は36%くらいのところを50%に、また、非化石率を50%に、エネルギー自給率を50%にしようと主張している。するとこのような社会の基盤になるとの絵が描けるかもしれない。今朝の新聞で、ロボットが自転車に乗る時代ということで「ムラタセイサク君」を見たが、少し前まで、恐らく21世紀に入る前には、一寸想像もできなかったような速さでロボットが所謂「鉄腕アトム」の時代に近づいてきているとの感がなくもない。したがって、2010年、20年、30年後にどういう技術にフォーカスした社会が訪れるかというのは、我々はある程度イメージしておく必要があるし、逆に言えば負の影響もあるので、こういう社会にもっていくべきだという少し先のビジョンを色々な所で議論し、それが施策に反映されるようになると、とても良いのではないかと思う。
【伊藤委員】
将来の社会のイメージは、今回のエネルギーの議論に関しては大変重要なポイントと思う。ただ非常に難しいのは、今いただいている資料は資源制約と環境制約という2つの側面できっちりと書かれているが、資源制約はかなり定量的な分析が可能と思われるところ、環境制約の方が問題であり、これは日本だけでは地球全体の環境を制御できないこともあり、また技術と環境との関係もなかなか難しく、ここを技術のロードマップに落としていくのは非常に困難と思う。一つ思ったのは、こういう技術のロードマップがあるのと同時に、特に環境に関しては世界に働きかけるややソフト的なロードマップ、ある種政策的な、日本でここまで技術が出来たら今度は世界に広めていくというような、地球全体に効果を及ぼすための政策的なロードマップの類が必要ではないか。そういう意味ではエネルギーというのは非常に面白いロードマップの対象になると感じていた次第。私の結論としては、この技術のロードマップ+政策ロードマップの類がもう一つあれば、先ほどの橋本委員等の議論と上手くかみ合うのではないかと思う。
【赤池委員】
今のお話とも緩やかに関係するが、やはり安全面の制約や危機管理の制約は、エネルギーの問題についてまわる。特に原子力について転換分野のロードマップを見ると、放射性廃棄物管理等とあって、地中埋設技術と書いてあるだけで、選択肢はこれだけなのか、あるいはプルトニウムの安全管理等はどうか。エネルギーの問題を考える時にはそれに伴うリスクを回避する技術のロードマップのようなものが添えられて然るべきではないかと思う。御検討いただきたい。
【西尾委員長】
おそらく、検討グループの中でも2050年に世界のGDPがどれくらいになるかということで、先進国の中では英国がトップで2.5倍くらいになるとされる中で、日本が2倍くらいと予測されているのは十分意識されている。もう一つは産業、経済の観点。エネルギー技術というものが、どういう風に日本の産業に貢献できるのかということも色々検討されたと聞いている。実に重要な議論と思うが、本日はメインの議論がまだ残っているため、また機会があれば是非議論したい。

(3)技術戦略マップの活用

  1. 「国際半導体技術ロードマップ」の活用状況や半導体関連研究開発投資への影響について(事例)
  2. 経済産業省平成18年度予算要求原案の策定プロセスにおける「技術戦略マップ」の活用について

安永研究開発課長から、資料5-1及び5-2に基づき説明。

【橋本委員】
まさに今御説明があったように、政策ツールとしては間違いなく使っていかれるであろうし、その点は安心している。他方、民間で使うとの点は、大企業であれば使い方が分かると思うが、中小企業や大学となるとどうか。実は私も自身が共同研究している複数の中小企業の方に「こういうものがありますよ、使ったらどうですか」とマップを紹介し、「ああ素晴らしいですね」と言われたが、それで終わってしまった。使い方が分からないのである。私自身の研究においても、策定に参画していながら、やはり膨大過ぎてどのように使っていいか分からない。そこで提案であるが、具体的にどのような使い方をするかということをユーザー、例えば中小企業の研究者や社長、大学等も入れて、具体的な使い方のモデル事例を作ってはどうか。それにより、とても分かりやすく、専門家でなく今までこうしたものを使ったことのない人たちも使えるように、具体的な提示をするというのを是非何か別の委員会等で行っていただきたい。あまり使ったことのない人に検討に入ってもらうことが非常に重要。
【安永研究開発課長】
橋本委員から非常に鋭い御指摘をいただいた。私どももまさにそういう御指摘を各方面からいただいている。経済産業省及びNEDOのホームページにこの技術戦略マップを掲載しているが、これを私はどうしたら良いのかという質問が実はいくつか届いている。私どもは橋本委員から御指摘があったように、これをどう使えば良いか。政府への研究助成の提案等でも良いが、それ以外も議論を深めていきたい。具体的には、中小企業等で自分たちの強みは明らかに有しているものの、あまり他の分野とのつき合いがないが故に商売が広がらない、技術が広がらない、といったところとは恐らく、より広い視野を持った大学の方等も交え、あるいは産業界の大手企業の方も交えて、実際に題材を決め、マップを中心に議論してみることが必要である。また、大企業でも、直近のビジネスに直ちにつながらない領域をやっているところについては、恐らく研究部門として色んな考え方を持っているが、ビジネスモデルにどうつなげていけば良いかお悩みかもしれない。こういうところについて個別にディスカッションしていきたい。大学についても同様で、大学ではもしかするとマップに載っていないところ、非常に新しいところを御提案いただかないといけないかもしれない。その際このマップとの関係をどう考えたらいいか、あるいは言ってみればこのマップの裏を書くというか、オフロードと呼んでいるが、今はオフロードだが今後大事になってくる技術としてこういうアイデアがあるという、非常に新しい御提案があるかもしれない。恐らくその時には研究プロジェクトをやっておられるNEDO、あるいは産総研の方々も巻き込みながら、議論のコミュニティをつくっていくことが必要と考えている。
【東委員】
2つの視点で意見を述べたい。一つは、今のお話のように技術ロードマップ、ムーアの法則は、このとおりだと思うが、他方現実にはシステムオンチップ、ここにも例に出ているが、シリコンの上に乗るシステムの搭載量が非常に多くなっている。搭載量は大体1年で1.4倍くらいの増加率。ムーアの法則が1.33であるから、ほぼソフトウエアの量もそれに応じて増えている。しかしながら、それだけ多量なソフトを中に載せるのは、非常に巧妙かつ短時間のシステムアーキテクトが必要。これが今現実にメモリー以外の分野のシステムオンチップの一番の課題。そういう意味では、今安永課長の御指摘のところプラスここの赤い箇所は、むしろシステムの方に重点を移そうとの流れが読み取れるので非常に良いことだと思う。しかしもっと加速しないと競争は今そちらの方に行っているはず。また、もう一つの視点、このロードマップの使い方について述べる。我々が非常に具体的な一つの事例をつくり、それをオープンにすると、現在グローバル的な競争をしている我々の英知、知識を結集して作ったものがものの見事に真似され、大量資本によって我々より早く作られてしまう。国際競争的にはあまり好ましいことではない。その辺の開示をどこまで行うべきかということは、ある一定の基準をもって臨みたい。
【安永研究開発課長】
東委員から御指摘のあった開示の件については、非常に注意して扱おうと思っている。実はタスクフォースを置いていただいたNEDOの方では、まさしく暗黙知、あるいはこれをつくる過程のデータを沢山保有しているが、それは一切外には出していない。もちろん相手が研究者、学会の世界と産業界の世界、あるいは分野によっても色々差はあると思うが、そこは注意深く扱っていきたい。

(4)技術戦略マップ・分野別のローリング方針(案)について

安田研究開発課補佐から、資料6に基づき説明。

【川合委員】
私の関係するナノ材料のことでコメントしたい。この11頁、12頁で、ナノテクの社会受容等の検討が不十分であるとの記述がある。また、他の分野との融合が必要ともあるが、最近の世界の状況として、このナノ材料の持つ毒性の問題が非常に重要になってきている。これは避けて通れる問題ではなく、今回のアスベストに関しても、かなり前から分かっていたにもかかわらず大分対応が遅れたところもあるので、是非このローリングの際にナノ材料に関しては、どんなものがどの程度危険かをかなりきちんと調べることを前面に出した方が良いのではないか。欧州や米国を見ていると、非常に冷静に、ナノが全部悪いとするのではなく、あるものは非常に毒性が強いがあるものは全く問題ないと判断しており、そうしたことによって産業化の加速が進むので、是非お願いしたいところ。
【池上研究開発課調査官】
ナノテクの特性評価に関しては、ナノテク分野のマップでも導入シナリオで記述しているが、6頁を御覧いただくと、化学物質総合評価管理のところで、技術マップ右側の方、2006年版に向けての中段のところで挙げてあるが、特にナノテクの中でも今話題になっているナノ粒子に関しての特性評価ということで、サイズ、物性の評価と並んでリスク評価、暴露評価をやっていくことになっている。
【川合委員】
是非連携をとってやっていただきたい。この化学物質というのは、分かったものだけを深掘りすることがあるので、もう少しナノ全体のところと上手く連携をとってローリングすると良いと思われる。
【池上研究開発課調査官】
御指摘のとおりと考える。
【宍戸委員】
私もナノテク分野を代表して出ているので、今の川合先生の御発言に追加で意見を述べたい。最近各種報道でアスベスト関連ということで、どちらかというとネガティブに報道されている面も多いが、急に混乱してきているというのが実際のところ。実際専門でやっている人間は分かっているが、一般の方々は、例えば、ナノ粒子と従来から言われている化学物質との違いすら全然分かっていない。今問題になっているのは、サイズ効果による新たな特性なり毒性の増長というものがあり得ることをよく検証しないといけない、ということと私は理解。ナノ材料すべてに拡大解釈されてしまうような懸念もあると思うので、まず何をはっきりさせなければいけないかを導入シナリオで明確にしていただきたい。また、化学物質は、この6頁にもあるが、日本では化審法、米国ではTSCA、欧州ではREACHという化学物質関連規制がしっかりあるわけで、これでカバーできるものがこれだけ既にあって、しかしやはりそういうサイズ効果により追加で何か措置しなければいけない等、そういったことを一般の国民に示さないとブレーキがかかってしまう。やはりナノテクは21世紀の日本の競争力の源泉になり得る技術。我々産業界から見ると、米国や欧州というのは結構2、3年前からこういう問題を明確に打ち出している一方、産業化もしっかり進めている。日本はどちらかというと先行して産業化をしてきたものの、この問題が出て慌てて対応している感があるので、ここでこの問題に余り時間をとられるのは国際競争力の観点から非常に問題があると考える。是非宜しくお願いしたい。
【池上研究開発課調査官】
御指摘に感謝。御指摘のとおり進めていきたい。
【大竹委員】
私もカーボンナノチューブを使っているので少し気になるところだが、国際会議に出るとそうしたプレゼンが最近は多く見られるので、重要であると考える。私は部材分野について申し上げたい。昨年の部材分野の内容は、他の分野に比較して、その間を上手く埋めるようトピック的に網羅していき、それで全体としてのロードマップのバランスを保っていたように私は認識していた。今回の2006年版に重点技術を絞り込むというのはもっともなことと思うが、これはかなり思い切って絞り込んだなという印象。光学、環境、医薬、燃料、いずれも重要と思うが、例えば根幹たる部材の製造技術、ナノまでいかないような、例えば新材料を形にする等、精度良くモノを作っていくということは、産業の中ではかなりのウエートを占めているところだが、そこが少し欠けてしまった感があり、若干心配している。どこかにその製造技術というのは生かしておいた方が良いのではないか。それを生かすとすると、この部材分野ではないかと私自身は認識。御検討いただければ幸い。
【池上研究開発課調査官】
部材の分野については、ロードマップを作成するにあたり、かなり分野を絞っているのは事実であるが、これは一つにはすべての分野をやっていくだけのパワーが一寸足りないとの実質的な問題もあり、絞らざるを得なかった面がある。次の回の改善に向けてまた必要なところを補強していきたい。
【梅田委員】
環境エネルギー分野のロードマップについては、見方が悪いのかもしれないが、結構色んなことを頑張って、おそらくそれぞれの技術開発が環境問題の解決に良いことであるとの前提で書かれているように思う。それは本当にそうなのかもしれないが、やはりお互いに矛盾するところもあるであろうし、副作用もおそらく書いていないだけであろうと思うが、このロードマップの使い方として、この環境エネルギー分野だと5つのロードマップがあるが、これらを横断的に見ながら、我が国の長期的な環境に調和した社会のイメージを描くという使い方が、この小委員会においてかどうかは別として、あってもいいと思う。
【菅野委員】
感想であるが、ナノ分野で所謂標準化に絡めて、医薬品等で特にそうであるが、安全性という標準化を欧米の基準でとられてしまうと、手も足も出なくなるという状況がある。これはかなり積極的にやった方が良い。さもないと安全認証する機関が日本にないため、全部外国で行わなければならないような状況が簡単に生じると思われる。ライフサイエンス分野等とも連携してきっちりとやっていくべきではないか。翻って、ライフサイエンスの方は全然違う観点で、これは研究ツール分野というのをさらに追加検討という感じに書いてあると思うが、これは非常に大切。特に医療というのは研究と産業の間の感覚が曖昧。今の日本の大企業中心による開発のような感覚でいると遅れてしまう。何をやるかというのと同時に導入シナリオをしっかり作っていくことが重要。実際それは、病院など経済産業省にとってはやや不得手な分野のところが必要になるので、そこも考えながら作っていかないと無駄になる可能性がある。
【西尾委員長】
私もこのローリングの方針を見ていて、横並びの比較、あるいは技術の総合化というのか、それぞれが進んだ時にどういうことが出来てくるのかとの意味での横軸が通されているのか、一寸心配ではあるが、またそれは議論させていただくこととしたい。

(5)融合分野における技術戦略マップ(技術ロードマップ)の策定に関する試行的ディスカッション(案)について

(6)技術ロードマップ策定・利用等に関する海外動向調査について

渡邉研究開発課企画官から、資料7に基づき議題5、資料8に基づき議題6について説明。

【堤委員】
融合分野でやるとの考えには全く賛成であるが、他方ここで挙げられている例でいうと、どうしてもこのような違う分野の集合というか、共通部分だけにスポットが当たってしまう。もう一方、24の分野がある中での連関・連携する“コラボレーション”-フュージョンではなく、コラボレーションの問題があると思う。例えば先ほどのナノ粒子の安全性等の問題は、裏返してみればサイズ効果のナノ製剤等と関連する。そうすればライフサイエンスや人間生活技術分野等と技術的に関連するし、資源配分においても重複を避ける意味で、そうした辺りのチェックが必要と考えるが、今の融合分野のやり方だけではチェックできない。例えば先ほどのローリングについて一つ提案したい。それぞれのワーキンググループがあるが、そこで24×23の組み合わせでいうと4000くらいあるので、全部見るのは大変だが、1つの分野で残りの23との2つを並べてチェックし、その分野のワーキンググループで他の分野との関連性、連携がとれるかどうかをチェックするというように、“フュージョン”だけでなく“コラボレーション”による検討も必要ではないか。
【大竹委員】
敢えて若干反対気味の意見を述べるが、研究者として申し上げれば、融合というのは本質的に新しい領域と考える。技術マップも然りで、そこの行間を読んで如何に新しいものを出すかが研究者としての価値であるし、研究者がおそらく自分で見つけ出す、“宝の山”であると思う。そこを経産省として一生懸命オープンにしていく必要がどこまであるのかということを、少し研究者としての自分は疑問に思うところがある。非常に魅力的ではあるので、ナノテク、バイオ、ITといった例を出すことを否定するつもりはなく、是非やっていただきたいが、どこまでオープンにするかということはよく考えた方が良い。
【西尾委員長】
「融合」というのは2文字であるが、英語でいうと“マルチディシプリナリー”があって、それが“インフレンシャル”になり、“インターディシプリナリー”になり、それが融合すると“トランスディシプリナリー”になる。結構大変なプロセスを経て、物理化学というものが出てきたことを考えると、大変時間のかかる問題だと思うが、それなりに独創性の必要な分野であると思う。
【伊藤委員】
融合とは少し離れたコメント及び質問であるが、まずコメントとして、先ほどのローリングの方針で標準化との連携が出ている点について、これは非常に重要なことだと考える。例えば半導体のITRSのロードマップについても、あれが実際に産業界で一番利益を受けたのは、標準化によってリスクが減った点。そういった意味で様々な技術分野で標準化が上手く進めば、新しい技術に移っていくときのリスクが減り、産業界としてはおそらくかなり使っていただけるものになるのではないか。もう一つは、ロードマップ全体の話。人間生活の話が出ていたが、本日の主題であるエネルギーもそうであるがここにバックキャスト的なロードマップがあり、もう一つは、先ほどの半導体等はムーアの法則という、別に自立的なルールで進行していくロードマップと2つがあって、その2つが交錯するところがある。例えば人間生活分野でいえば“人間生活”という技術はないことから、それは様々な技術にブレークダウンされ、半導体であり、ロボットであり、情報といったところへブレークダウンされた時のロードマップがあるわけだが、その意味では少しその交差軸、交差点が自立的にきたものとバックキャスト的にきたものとで上手く整合がとれるのか。逆にそこに非常に意味があって、その辺でまた大きな新しい絵が描けるのか、その辺りはどのようなお考えを持っておられるか。
【渡邉研究開発課企画官】
御指摘のように現在20分野、新たにつくるものも含めて24分野のマップがあるが、私どもの経験に基づくと、大きく分けてITRSに代表されるマーケットプル型のフィールドと、ナノテクに代表されるテクノロジープッシュ型、そしてエネルギー環境、人間生活も含めたソーシャルニーズドリブン型、この3つに分類されるようである。それぞれマッピング活動を見てみると、導入シナリオ、技術マップ、ロードマップと3つのレイヤーで作っているが、それぞれの課題設定や技術を詰めていくプロセスにおいても、多少その方法論が異なるような気もする。特にソーシャルニーズドリブン型のマップは、御指摘のように幾つかの要素技術を組み合わせて、実際に世の中にある課題なり問題を解決していくとの意味での、先ほど融合の話にもあったが、まさに問題解決型、政策ニーズにどう対応していくかという意味における複合的な対応を考える分野であると考えている。その意味で我々が技術戦略マップをつくる最大の目的も、やはり政策目的の実現のための一つの検討と考えているので、このテクノロジープッシュ型ではないソーシャルニーズドリブン型の分野の設定、それに向けて多少交差するかもしれない技術の組み合わせを一体的に考えていくというアプローチは、極めて重要なものだと考えている。
【西尾委員長】
まさにここで扱っているエネルギー以外の技術がどういう風に進展し、社会がどういう風に変わっていくかによってバックキャストの結果も恐らく相当変わってくるので、交差しながらローリングしていくのだと思う。
【小澤委員】
今度海外調査をされるとの話があったので、最初の方で議論が出た国家間の競争、競争力強化をどう図っていくかとの観点でみた時に、やはりその辺の評価をどういう風にみられているか等は当然お考えと思うが、それらに関する意見交換をされた話などは、我々も是非聞かせていただきたい。恐らく何年後かには非常に挑戦的な試みの戦略マップの評価をどう行っていくかとの話になってくるであろうと思うが、国レベルでどういう評価をされるかということは、我々産業側も参考にさせてもらいながらやっていかないといけないと思っている。
【西尾委員長】
海外動向調査に行った際「日本はどんな国になりたいのか」という質問がもし出たら、それに対して明確な答えが出せることが大事。世界の中で日本はどういう国なりたいのか、だからこういう技術マッピングをしているのだ、との話が、今でもできるとは思うが、もっとしっかりできるようなになれば大変良いと思う。

(7)その他(閉会)

【安永研究開発課長】
本日は御多忙のところ熱心な御討議をしていただき感謝。本日、非常に有意義な御指摘を沢山頂戴したので、是非これらをローリングにせよ、融合分野にせよ、海外調査にせよ、建設的な形で生かしていきたい。また、基本的なローリングの方向については皆様に御理解いただいたと思料するので、これまで同様、NEDO、産総研、それから産技局の三位一体で作業を進めたい。本日時間の都合でお伺いできなかった御意見等があれば、事務局までメール等でお寄せいただきたい。

以上

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