経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第18回)‐議事録

(1)前回議事録(案)の確認等

事務局から、資料3に基づき前回議事録(案)について説明。さらに住田技術振興課長より、参考資料3に基づき産業技術強化法等改正案について紹介。

(2)技術戦略マップ2007に向けたローリング進捗状況中間報告について

安永研究開発課長から、資料5に基づき技術戦略マップ及びロードマッピング手法の研究開発マネジメントへの活用、各分野におけるローリング進捗状況について説明。

  • 川合委員
    技術戦略マップは、貴重な情報源だと思う。私も周りの人と組み、技術戦略マップはどういう使い道があるかを実際に検討した。ある意味では技術が全体的に見えるという非常に良い点がある。しかし、実際に自分達が取り組んだ技術の部分になると、次のステージが全く見えなくなるという特徴があるということがわかった。要するに、全般的にきちんと書いてあるが、個々の技術は深く記載されていない。
    今後さらに技術戦略マップが使われるようになるには、例えば、ある技術に関係する特許の状況や異なる目標までの道筋といったものも見えると、さらに使う人は増えるのではないかという印象を持った。
    ロードマップは、今後の政策の基本方針を決めるうえで非常に重要なものであり、どういうふうにしてロードマップを作成するテーマを選ぶのかが大事な問題である。イノベーションという観点からすると、市場規模が大きい、技術的に非常に飛躍があるかもしれないなど、様々な切り口があると思う。その選択の根拠、考え方を伺いたい。
  • 安永研究開発課長
    1点目は御指摘のとおり。具体的な研究開発プロジェクトや研究計画を考えるレベルでは、技術戦略マップは全く物足りない。また、関連技術とのつながりも必ずしも見えない。今海外の学会では、ロードマップのビジュアライゼーションの研究というものがいろいろ行われ始めている。まさしく論文や特許の世界で伸びている分野はどこなのか、研究発表が相次いでいる分野はどこなのかという情報がロードマップの中に反映されるようにならないと、本当の研究企画ツールにならないのではないかと指摘がなされている。これを全ての技術戦略マップの分野で行うのは非常に大変なことだが、学会などと上手く連携し、そういった試みも行っていきたい。また、それを行っていく際に異質なアイデアを排除してはいけない。いろいろなアイデアがあり、いろいろなアプローチがあるということを生かしながら全体認識の共有が可能になるように、お知恵をいただきながら工夫したい。
    2点目について。我々は経済産業省だからと言って、経済的な意味での市場規模のみからテーマを決めてはいけないと思っている。例えば、ナノテクのような非常に広範な分野に波及する技術は、波及効果ということを評価しながらロードマップの選定分野を決めていく。また、情報通信分野などでは、競争力強化という考え方から、どこを強くするのかという産業政策的な視点が必要。環境や医療の分野については、まさしくパブリックな観点から、地球環境の保護、あるいは日本の少子高齢化の対応のために、どういう研究開発領域へ取り組んで行くべきかという目的を持って議論しなければならない。
    今までもそれを議論してきたが、多くの方が技術戦略マップを使っていただくようになってくると、誰がどういう分野の技術戦略マップを策定することを決めるのかという議論が出てくる。全ての判断プロセスを示すということが国策の点で適当かどうかの議論もあると思う。そういうところについても答えられるように考えたい。ただ、選定方法も分野によって違うということがあるのではないかと考えている。
  • 西尾委員長
    今後の少子化対策として生産力を向上させなければならないということもあるが、マーケットもこのままだと小さくなる。マーケットをどうやって維持するかということも非常に大きな問題。ロードマップにある程度反映させていかないといけないと思う。
  • 橋本委員
    周辺研究領域への情報発信について。研究者の一人として、他の分野の情報をどうやって知るのかということを常々考えているが、実際は逆方向にばかり進んでしまっていている感じがしている。本当は情報発信を研究者が行わなければならない。それを経済産業省に頼むのはおかしいと思うが、ロードマップという情報発信のツールができ、これを活用していくことは重要なことだと考える。
    また、このロードマップをつくるのに対して、NEDOの協力を大変得ていると理解しているが、NEDOにはロードマップをつくるための調査を行ったことがある方が多いと思う。そういう方がこのロードマップを学会に持って行き、こういう問題があるということを定期的に情報発信する機会、合わせて異分野の情報を入手できる機会を是非設けて欲しい。それはNEDOの教育にもなり、そこから新たな情報も得られると思う。
    2点目は、やはりNEDOに絡むことだが、説明のあった産業技術力強化法の中にある、サイエンスにさかのぼった研究を行うという重要な柱について。説明の中に産業技術研究助成事業の話もあったが、この事業はサイエンスにさかのぼった研究を大学に実施させるということで、たしか60億円近い予算が用意されていると思う。これは大学の方から見ると大変重要な研究のための資源であり、あるいは目的志向基礎研究をやる上においても大変重要な意義づけになるものだと思っている。
    ただし、この事業は、あまり大学に浸透していない。事業を知っているけれども、応募しようという気にならない。なぜかというと、例えば、募集区分Aでは民間企業との緊密な連携が必要条件と記載されている。これは非常に大きな縛りである。大学の研究者、特に若手の研究者から見ると、これは応募する段階で企業と連携していなければいけないと思った途端に、ほとんどの研究者はおりてしまう。そうではなく、この事業はもっと目的志向基礎研究を行ってもらいたいということで公募しているものだと思う。このように今回法律改正まで行い、このサイエンスにさかのぼった研究を行うということを強く出すのであるのであれば、産業技術研究助成事業についても、強いメッセージを出していただくと、大学の方からもっとすぐれた研究が提案されるのではないか。
  • 安永研究開発課長
    1点目について。我々は学会という非常にすぐれた組織とこれまでうまくコミュニケーションができていなかったと思っている。現在、渡邉企画官を中心に、学会などへ、技術戦略マップ、異分野融合ロードマッピング、あるいは当省の研究開発のリソースというものを紹介しながらネットワーク作りを行っている。ただ、これを組織的に、かつ橋本委員の御指摘のように定期的に行っていくということになると、やはりNEDOのパワーをうまく糾合して取り組んでいくことが必要と考える。我々は、NEDOと連携して是非取り組んで行きたいと思っているので、よろしくお願いしたい。
    2点目について。確かに、我々が極めて基礎的な領域の研究ファンドを持っているということが大学側に浸透していない。この制度を知っている方は、第2科研費と思っておられる方もいるが、我々はそのつもりはない。非常にベーシックな領域で取り組んでいただいてもよいが、少し仕組みに工夫がしてある。具体的には、最初の2年は大学を中心に研究を行い、次の2年でステージを上げ、NEDOも一緒になって研究のパートナーを産業界から見つけて研究開発を行う形にしている。最初から企業と組まなければいけないという形にはしていないつもりだが、その趣旨が大学側に浸透するように取り組んでいきたい。
  • 東嶋委員
    周辺研究領域への情報発信とコミュニケーションの活性化については、ロードマップを見ることにより、他の分野で解決されている方法を有効に活用することができ、大変重要だと思う。
    また、例えばライフサイエンス分野は、導入シナリオにおいて関連施策についてもあわせて記載していくということだが、例えば薬事審査の迅速化・効率化、あるいは医薬品医療機器総合機構の人員倍増といった施策があるかと思うが、ロードマップから問題点を抽出し、このような施策を打ち出し、それをまたロードマップに書いていくことによって研究者に対するインセンティブになると思う。是非、記載していただきたい。
    このロードマップでカバーされている分野は、サイエンスをほぼ網羅していると思うが、どちらかというと先ほど安永課長から発言があったように、産業界寄りの分野であると思う。例えばエネルギー分野では、核融合などはどうなるのか。これは本当に産業に結びつくものではなく、基礎研究だと思われているのかもしれない。今、核融合の分野は、もちろん文部科学省から予算が出ている。この分野では、いろいろな材料研究の成果も欲しいし、宇宙の研究者の研究成果も欲しい。シミュレーションに関する研究についても共同研究などを行いたい。産業寄りでない分野についても、もし文部科学省と協力できるのであれば、ロードマップをつくっていくことによって、周辺研究領域の活性化というのができるのではないか。
  • 安永研究開発課長
    確かに核融合は入っていない。今我々が策定しているこの技術戦略マップは、確かに産業技術という領域に限定している。ピュアサイエンス、あるいは目的志向であっても、かなり先だと思われる領域は入ってない。ロードマップのタイムフレーム上でも2020年頃となっている。もう少し先の技術については学術界では取り組まれているはず。サイエンティストが未来を見据え、ロードマップを作ることは、学会の活動として重要だと思う。そこでは我々はあまり押しつけることなく、学会の技術コミュニティーの自立的な議論の中でそういう取り組みを行っていただけるような仕組みに極力したいと思っている。
    ただ、核融合などの将来的な研究テーマをやっておられる方にも、逆に言うと我々の技術戦略マップを発信することは大事だと思っている。例えばEUV(極端紫外線)と呼ばれる半導体の次世代露光技術がある。この研究開発プロジェクトでは、EUVを発生させる光源の部分を大阪大学の元プラズマ核融合のチームに取り組んでいただいている。まさしく2050年、あるいは2100年を目指していた核融合のチームが、半導体の露光光源という産業寄りの研究に取り組んでいただいて非常に大きな成果を上げている。課題がどこにあるのかということをコミュニケーションするためのツールとして技術ロードマップが使えることに意味があると思う。御指摘のように学術の場におけるサイエンス分野のロードマップともうまくコミュニケーションができるようにしたい。
  • 西尾委員長
    橋本委員、東嶋委員の発言は大変重要。本当に私も悩んでいる。例えば、超電導マグネットは電気の研究者が一生懸命取り組んでいる。超電導マグネットがクエンチすることによってノーマルな状態に変わるとマグネットは非常に発熱する。そのときにコイルが焼き切れたり、多量のヘリウムが出たりして大変問題だというので、1975年ぐらいから電気の研究者が熱的な問題を研究していた。
    熱の研究者がその問題を知ったのがその5年後ぐらいのころ。それを知った途端に大変おもしろい問題だと認識したと同時に、軽水炉の出力逸走事故というのにほとんど現象としては同じだとわかった。そういう知識を持っている我々、熱の研究者がもっと早くその問題を知っていたならば、マグネットのクエンチ対策は早く進んだだろう。未だにそういう事例は多くあり、これをどう取り組んでいくかというのは難しい。解決のためには、まずは研究者がいろいろなところに顔を出すことが必要。
  • 梅田委員
    ロードマップの電子化をしていただきたい。ロードマップのビジュアライゼーションに関係があるのかもしれないが、ある一つの技術についてロードマップを見ても、分野によって見え方が違う。例えば3Rのロードマップで言うと、廃棄物処理の専門家は煤塵などの物質名で並んでいないと馴染まない。製造側でリサイクルしやすいような製品を製造している人は、製品名ごとに並んでないと、どうロードマップを読めば良いかわからない。その視点の違いがいつも議論になる。動的にロードマップの見方を変えられるようなものができれば、その分野の中でも違う専門家の間でコミュニケーションがより促進されて、こういう技術には、こういう要素技術が使えるという閃きを促進できるのではないかと思う。
  • 伊藤委員
    産総研で意味情報に基づく様々な技術開発を行っており、その一環として、経済産業省の技術マップ、ロードマップ等の、単に言葉だけの検索ではなく、その周辺が見えるようなシステムを構築している。プロトタイプは完成しており、公開できる日も間近という状況。検索システムは、このロードマップがよりよく使われていくための重要なツールだと思っているので、産総研も一生懸命取り組みたい。
    前の話題に戻るが、最初の安永課長のプレゼンの「研究と市場の間の流れの円滑化」という資料について。産業技術研究助成事業は、本当に重要な制度だと思っている。私の身近な体験として、若手の研究者がこれに採択されたということで、非常にやる気を出しプライドを持って頑張っている例が多くある。この事業は、若い研究者が、違う大学、違う方法でチャレンジして、新しい自分の可能性を見出すための良い制度だと思っている。
    質問は、この事業は成果発表会を開催しているのだろうか。もし開催しているのであれば、人材育成の場になる。産業界、あるいは異分野の研究者と交流する重要なきっかけになる制度だと思う。場合によっては発表会とあわせてインテレクチュアル・カフェをここで一緒に開催する。そうすると産業界の経営者も、何かビジネス・シーズはないかと思って来たときに、今までは大学のプロフェッサーとしか話したことのない若い研究者が、企業の経営者と話す良い機会になる。技術のスカウティングの場をつくることも非常に良いのではないか。
  • 安永研究開発課長
    産業技術研究助成事業の成果発表会はNEDOで毎年開催していただいている。しかし、これが意外と盛り上がらないという話を聞いている。それは良い意味とネガティブな意味とがある。良い意味では、非常に良い研究に対しては、例えばオープンフロアの中で、「A社の○○でございます、あなたの研究に興味があります、こういう点はどうですか」と聞いてしまうと、それだけで企業の戦略が見えてしまうという非常にクリティカルな指摘がある。
    ネガティブな意味では、このような場が知られていない。また、学術的な価値と産業界の産業技術的な見方が合わない場合があり、うまく情報がキャッチされていない。情報を発信しても、キャッチする側が的確な形でキャッチできていない。ここは非常に悩ましい問題だと思っている。ヒントをいただきながら改善していきたい。
  • 菅野委員
    研究者もピンからキリまでおり、異分野のどの研究者のところに話を持って行くかで結果が全く違う。ところが、異分野のことについては、何が本物なのかわからないということがかなりの頻度である。こういった視点から、技術の目利きができる人が必要と思う。NEDOにこういった目利きができるお見合い専門の仲人さんのような人が欲しい。ある業界に非常に詳しいNEDOのベテラン職員が「サイエンティフィック・コーディネータ」になり、気軽に相談できる仕組みを作ることができないか。
    また、ライフサイエンス分野を見ていて気がついたことだが、ほかの分野は何かをつくっていく過程でいろいろなことが見えてくるという分野である。ライフサイエンスというのは、まだ自然を見て知識を得るところがかなり大きな部分を占めている。研究者の大部分は自然界をアナリシスする方にある。それを使って何かつくる方には向いていない。だからこそ、ロードマップに出ているものは診断機器、あるいは再生医療技術など医療寄りのものになっているという気がしている。欧米の動向を見ていると、実は最もイノベーションが激しいところは研究機器である。研究機器というのは、今は見えない自然界を見ようという考えで新しい機器をつくる。それにはナノテク、インフォマテックス、ロボット技術などのすべての技術を使う。ところが、市場規模は小さい。しかし、欧米は一生懸命つくっており、非常にエキサイティングな分野である。よって、このライフサイエンスの項目の中に研究用機器のような領域を入れると、世界が広がるのではないかという印象を持ったので検討していただきたい。
  • 本田委員
    例えば、「熱を除去する」という課題を解決するために、どういう技術が開発されたかという視点で技術戦略マップの検索が可能になると、意外と使える技術が他の分野にあるのではないかといった見方ができるのではないか。発信はしなくても、検索システムを介していろいろな人がアクセスし、違う分野を気軽に触れることができるというような見え方が可能になると異分野の融合が進むのではないか。
  • 安宅委員
    学術的価値を産業的価値へ翻訳するプロセスとしてロードマッピングを活用するという話は非常に重要だと思う。学術的な価値では論文の数などに高い価値があり、産業的な価値と評価のされ方が違うといった問題がある。また、安永課長が言われたように産業的な価値になると、各企業が個別に競争するので、お見合いすると言ってもそう簡単な問題ではない。さらに、社会的・公共的価値が入る。ロードマッピングには、課題を設定して価値を翻訳するといった機能があり、これが重要である。技術的な価値でのロードマップは比較的引きやすいが、社会的な価値、公共的な価値、それらを経済的な価値にどう変換するか、その変換のプロセスのような新しい仕組みを考えるとロードマップが生きてくるのではないか。
  • 西尾委員長
    そういう議論が出るようになったということは、ロードマップをつくってきた成果だと思う。
  • 堤委員
    技術ロードマップの複合領域について一言。個々の分野でそれぞれの技術ロードマップをつくるだけではなく、技術の本質に基づいて、要素技術まで分解し、それを全部串刺しにしたときに、何が本当に重要な技術なのか、あるいはそういった技術をどのぐらいまでに、どの程度進めなくてはいけないのかが見えてくるはず。そうすることによって全体の共通基盤技術が見えてくるはず。一つのプロジェクトで走るのではなく、そういった技術のマザーテクノロジーのような技術を、どのくらい育てられるかということが重要なのではないか。そこまで分解・展開することができれば、そういった融合領域とか複合領域の問題が出てくるのではないか。
    また、先ほどの学会との関係についてだが、技術の本質に基づいて要素技術まで分解する作業は学会の作業ではないのか。学会がそういうことを行い、いろいろな分野の技術を横断的に見えるような視点や仕掛けや枠組みをつくることができればうまく機能するのではないか。
    また、いろいろな分野でのイノベーション・スーパーハイウェイ構想は良いが、例えばエネルギー、環境分野とナノ、バイオ、IT分野などを一緒に考えるのは少し違和感がある。ITやナノ、バイオ分野は、新たな機能性を発現させる、あるいは機能を付加することによって市場が広がっていく。それをドライビングフォースにして展開していくというのが特徴。逆にエネルギー・環境分野は、いつまでにCO 2をどのくらい削減しなくてはいけない、いつまでにこのぐらい省エネルギーを達成しなくてはならないという要求になる。しかも市場化に関しても、IT、バイオは、例えば、ベンチャーで新しいビジネスが展開するということが一つの成果になるが、エネルギー産業はほとんど固定されている。もちろん、そういった中でも新しいエネルギー関連のビジネスはあり得るのだろうが。
    エネルギー・環境分野におけるイノベーションとは一体何だろう。ほかの分野と比べて違いがあるのではないか。バイオ、ナノなどではファンクショナリティー、機能性だろうが、エネルギー・環境技術だとサステナビリティーなどという違う価値観で取り組む必要がある。それを含めてイノベーション・スーパーハイウェイ構想やイノベーション創出を考えていく必要があるのではないか。

(3)産学官ロードマップ・コミュニケーションの進捗状況について

渡邉企画官から、資料6に基づき産学官ロードマップ・コミュニケーションの進捗状況について説明。内山会長(ロボット学会)から、参考資料1に基づきロボット分野のアカデミック・ロードマップ作成状況を説明。続いて、阿部リーダー(科学技術と経済の会)から、参考資料2に基づきイノベーション支援技術プロジェクトの概要及びプロジェクトの進捗状況について説明。

  • 岡崎委員
    阿部リーダーが発表されたTAMA地区の2つの事例については、私が参加企業を紹介した経緯がある。最初はなかなか企業が受け入れていただけなかった。どういうことをやるのかといった説明が難しかったということがある。多分、技術ロードマップだけでは、中小企業は受け入れていただけなかった。阿部リーダーがつくられたビジネスモデル設計が組み合わさったことによって、企業は参加してみようということになったと思う。
    しかし、この取り組みは中堅企業でないと受け入れないと思う。例えば最初のIT関連の企業については、売り上げが30億近くあり、新たなビジネス展開を考えている企業であったので、受け入れた。もう一つの化学系の会社は、素材をつくっている会社だが、なかなかエンドユーザーが見えない。そういう中で計画的に研究開発をしていきたいという思いがあったので受け入れた。最初は疑心暗鬼だったが、やった結果、非常に評判がよかった。
    中堅中小企業だと、技術の方向をなかなか自社でロードマッピングできない。そういう中でロードマップと、加えて先ほどのビジネスモデル手法があったので、自社の研究開発の方向がクリアになったと言われていた。
    この取り組みを中小企業同士の連携や、大手企業と中小企業の連携で行っていくためには、企業が今の自社技術を隠していきたいという考えがあるので、双方に信頼されていて技術がわかるコーディネータが加わるべき。これは有益な手法ではないかと思う。
    私の団体もクラスターの推進機関なので、研究開発志向の企業があれば、出口、例えば国の施策である新連携や地域新生コンソーシアムなどそういうものを意識しながら、こういう手法に企業が乗るように誘導していきたい。
  • 橋本委員
    アカデミック・ロードマップは学会が自由につくっているものだと思うが、学会にいる立場から見ると、多分そういう方法は非常に発散したものしかできない。よって、目的などの大きな課題、例えばエネルギーや高齢化社会に向けた技術など大きな枠組みを設定し、それに向けて各学会がどういうロードマップがあるかと議論する方が、学会側も議論しやすい。そういうふうに学会に考えてもらうことがこの取組の目的だと思う。
  • 西尾委員長
    私も機械学会でいろいろ意見を申し上げているが、今はそのラインからはずれている。全く同感。

(4)今後の予定等

西尾委員長から橋本委員を委員長代理として指名。異論がなかったため、橋本委員を委員長代理とすることが決定した。

  • 安永研究開発課長
    第19回研究開発小委員会は3月末の開催を目標として、技術戦略マップ2007の取りまとめの案をお示しするとともに、今回積み残しになった技術ロードマップの海外調査結果報告についても御紹介申し上げたい。
  • 西尾委員長
    御議論に感謝。これで閉会としたい。

以上

 
 

最終更新日:2008年9月10日
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