経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第20回) 議事録

開会

事務局より新人事の報告、ロボット、応物、化学、機械分野ロードマップ報告者の紹介、資料3に基づき前回議事録(案)について説明。

(1)学会における技術/研究ロードマップ活動の状況について

福田研究開発課企画官より資料4に基づきアカデミック・ロードマップについて説明、佐藤日本ロボット学会会長よりロボット分野アカデミック・ロードマップについて報告、小田応用物理学会理事より応用物理分野アカデミック・ロードマップについて報告、井上日本化学会学術研究活性化委員会委員長より化学分野アカデミック・ロードマップについて報告、田口日本機械学会元会長、矢部日本機械学会110周年記念事業委員会集会等小委員会委員長・技術ロードマップ委員会委員長より応用物理分野アカデミック・ロードマップについて報告

西尾委員長

学会のロードマップについてはいろいろ御意見がおありだと思うが、むしろ学会が作るロードマップとここで議論しているロードマップはどういう関係にあったらいいのか。例えば各学会のロードマップに対するお考えが、ロボット学会では8ページの上の方に、応物関係は17ページ、化学分野が39ページ、機械分野が45ページというような形でまとめられていて、私なりに見ると、各学会がアカデミックなロードマップをどういうふうにとらえているかが分かれていて、大変おもしろい。そういう観点からでも結構なので御意見をいただきたい。

川合委員

今のことを中心にして3つ伺いたい。1つは、こういうアカデミックなサイエンスのロードマップが経産省の主導で作られたのは画期的だと思う。大変興味深く聞くことができた。技術戦略マップとの関係だが、応用物理と化学と機械とロボットがあって、バイオや生命科学の学会がないのはなぜかという質問が1つある。

2番目に、なるべく全体的な視野で見ていきたいという中で、学会の方もたくさんあって、再編成とか、連合、統合が大きな動きになっている。今発表された4分野は割合大きなところなので大体カバーはしていると思われるが、新しい方向を見るという意味だと、新しい芽は案外小さな学会のようなところで結構出ていると感じている。今後は、小さな学会での非常重要なところもうまく取り入れていただくと、いいロードマップになるのではないかと思われるのでそれを注文する。

3番目に、このロードマップで今日発表された方も、全体的なとらえ方と特に重要な方向(日本化学会でのケミカルバイオロジーのような例)を出されたが、研究開発小委員会との関係で言うと、例えば化学会のアカデミック・ロードマップでは、ほとんどが有機で、無機金属の項目が全く挙がっていない。だが、元素戦略のようにかなり緊急を要して、なおかつ、サイエンティフィックな面からも急いでやっていただきたいものもあるので、イマージングなものと全体的なものをうまく取り入れてマッチングしていただけるとありがたく思う。

安永ガス安全課長

生命科学は、渡邉企画官を中心に菅野先生に御紹介いただき、分子生物学会に1度アプローチした。長期的視点ではこういったところと連携を深めていきたい。ただ、やはり分子生物学の世界では、技術の体系、科学の体系が日々まだ発展しているということもあり、ロードマップという発想とは少し距離があると思われるので学問分野の発展を見ながらやっていく。決して我々が排除しているとか、我々の頭がついて行けていないということでは必ずしもないが、長期的課題としてやってみたいと思っていたところ。

渡邉素形材産業室長

ロードマップで道が描けるような研究はしていないという先生方が非常に多い。特にライフサイエンス系の先生方については、それに近い発想の方が非常に多くて協力いただくことが難しい。是非、川合先生のお力をお借りして、これからライフサイエンス系の学会でもお願いできればと思っている。

それから、2点目の比較的規模の小さい学会という話があったが、例えば今回のロボットのテーマについては、ロボット学会と人工知能学会と人間工学会、規模としては2000人、3000人、4000人といった中小規模に近いのかもしれないところが連合して1つのテーマでロードマップを融合的に作っていくという実績を作った。今年は、横幹連合という44の学会が入っている学会組織で4つのテーマを設定して、1つのテーマについて4つから5つぐらいの学会が力を合わせてシナリオとビジョンを書いていくということをスタートさせている。多分そこから来年おもしろい提案が出てくるのではないかと思っている。

井上日本化学会学術研究活性化委員会委員長

川合委員は無機金属がないとおっしゃっていたが、日本化学会では昨年度に複合領域という形での第2次先端ウォッチングにおいてそのアカデミア・ロードマップを作った。次年度はサイエンス側からでなくて、政策側から投影した切り口の中で元素戦略に対応する項目で1つまとめたいと思っている。サイエンスばかり云々でなくて、政策側からというのは非常に大事なこと。

それから、小さな学会という意味も含めて、例えば川合さんは10ぐらいの学会に入っていると思われるが、日本化学会の会員もみんないっぱい入っている。先日、化学連合がスタートし、我々は16ぐらいの学協会を含めて今のところ延べ人数9万人とカウントしており、日本化学会がリーダーシップをとっている。そこに参加していただいている方はいろんな学会に参加しているので、我々としてはなるべく小さな学会や、いろんな境界領域や、昨年発足したようなグループも含めてうまくまとめていきたいと思っている。

菅野委員

ライフサイエンスが話題になったので一言。

私は学会を代表しているわけではないので個人的な意見だが、ライフサイエンスについてもロードマップが書けないわけではないと思う。先ほど渡邉室長がおっしゃったように、まだ原理が分かっていない、ニュートンの運動方程式が出てきていない、そういう段階だろうと思う。今話があった学会では多分16世紀あたりから蓄積したものの上で研究がなされている。生物学ではそういう蓄積したものがなく、そこにおもしろさも可能性もあるのだと私は思っている。

ただ、私が非常に驚いたのは大部分の学会が生命科学に関係している課題を追求されていること。例えば再生医療ではロードマップを機械学会がお作りになっていて、これに対して再生医学会はどういう感想を持つのかと非常に興味深いが、他方、そちらから揺すっていただくのもあるのではないかという気がした。

橋本委員

学会の発表を伺って、ロードマップを学会に委託することがいかに学会を揺さぶるかということが分かって非常に興味深かったが、私自身は実は日本化学会で物凄く揺さぶられている側で、まさにそういう視点がなかったところに入ってきて大変よかったと思っている。学会が作るロードマップと経産省が作ったロードマップの両方に共通することとして、ロードマップを作るということは、各分野の将来予測をして、それに対してどういくかということで、ある意味でその分野のローカルミニマムを求めていくような、最適化をしていくようなことに当然ならざるを得ない。ところが、一方で、全体最適が非常に重要な中で、例えば、応用物理学会では最後の方に環境・エネルギー課題と両立する快適社会の実現ということで各クラスターがあり、それを俯瞰的に見なければいけないということを言っておられる。機械学会の方はキーパラメータを持ってきて、それが進むことによって社会がどう変わるかということを予測したいと言っておられた。非常に重要な視点だと思うが、逆に将来全体最適はどうなければいけないということが実は今はかなり議論されなければいけないし、されつつある。実は経産省でもそれを議論している委員会があり、私もそこにかかわっている。つい先日もその委員会に出たときに、個々に議論すると絶対ローカルミニマムになっていき、個々の最適化になるが全体最適にとっては違う方向になりかねないということがあって、全体最適はどうあるべきかという視点で各学会なり、あるいはロードマップをどのように見ていくのかという視点が今後必要なのだと思った。今まではこれでよかったが、今後のローリングの中で、あるいは各学会にさらにやっていただく中で、そういう議論が一方で進んでいる。イノベーション25をはじめ、いろんなところで2050年とか、2030年とかが議論されている。それらに対して、学会が今後どういうアプローチをしていけるのだろうかという投げかけをしていただく必要があるのではないかと思っている。

五條堀委員

全体最適、それからローカル的にどう最適化するかという意味において、ライフサイエンスの話があったが、私は、すごい危機感を感じている。例えばライフサイエンスで言えばこの2、3年の間はゲノム配列のシークエンスマシーンの技術開発過当競争と言えるものが米国依存型でどんどん起こっており、日本では技術シーズを知らないままに、ただ、利用だけが行われていく。そうやって、何らかの形でサイエンスとしてのロードマップにさらされないと、全体的な最適化が、勝ち上がらない。特にアプリケーションのこの国の社会が目指す重要な問題として健康・福祉があるわけなので、日本化学会のように揺さぶっていきたい。私は、サイエンスとしてのロードマップは無理であっても、どういう技術シーズがあれば何が発展するかを描くことは結構できるのではないかと思うので、分子生物学会だけでなく、幾つかいろんな形でアプローチされると全体的なオプティマムに近づくと思われる。

西尾委員長

橋本先生が先ほどおっしゃったことに対して私は若干抵抗感がある。経産省とか国の方向については全体最適はかなり重要であるが、学会レベルで全体最適が共有される必要があるのかどうか。それがトップダウン的に何かおりてくるというつもりでおっしゃっていないと思われるが、全体最適についてはかなり注意しなければいけない部分があるかもしれないのかなと思って聞いていた。

橋本委員

御理解いただいていると思われるが、私が申し上げたのは、そういうことを言うことによって会話のキャッチボールをすることが重要だということ。

大竹委員

先ほどの生命科学も含めて、ある目標に対して各学会でいろいろな考え方があることはおもしろいと思う。学会の考え方があって、我々のロードマップの考え方もあるのも事実だと思う。学会の方のまとめ方を統一化するというのは、これは無理なことで、自由にやっていただくのがいいのかなと個人的には思っている。また、できれば検索システムに、例えばナノ加工といったときには機械学会のナノ加工、応物学会のナノ加工、ロードマップのナノ加工も全部出てくるようにしていただくと非常にいいかなと思う。学会から出たものが検索システムに逐次のっていけば、小さい学会もやる気になると思うので、そういう素地を是非作っていただきたいと思う。そうなってくると、キーワードを引いた人がある程度理解するという必要があると思うので、機械学会の方がおっしゃっていたキーパラメータはそういう意味で非常にいいのかなと思う。数字で出していくというのは1つのやり方ではあるし、ほかの分野の方がわかるようなまとめ方を是非していただけるとさらにいいものになるのではないかと意識している。

赤池委員

応用物理学会と日本化学会の横断分野で、ソフトサンゴみたいな海洋生物からいろんな蛍光遺伝子を取り出してバイオデバイスに展開する研究がある。これはもともと日本が火をつけにもかかわらず、アメリカにがんがんやられようとしている。このような構造とか励起みたいな話になると、両学会が多分共同でやらなければいけない。さらに言うと、この手の生物機能のシーズというのは生態学とか、○○発生学とか、その系の先生たちが持っている。今、前段であったように、こういう特殊な生物系の学会にロードマップを作らせるのは無理だが、人材だけは実際にいる。ナノサンゴの研究をやっていて、蛍光遺伝子絡みのことをやっているのはごく限られた人たちである。

何を言いたいかというと、学会ごとのロードマップを重ねてみると、多分戦略的な重点テーマはおのずと浮かび上がってくる。それに対して工学系ではない人を、重要なアドバイザーとして投入すべき。例えばバイオ系の人材なんていうのは結構リアルに見えてきてしまうので、1度そういう取り組みを実験的にやるべきではないか。あるいは、これは今日の話だけではなくて、全研究分野の中の重点領域については1度ロードマップに呼応した人材マップを作ってみる。そういう特定分野のシミュレーションなどを御検討されたらよろしいのではないかなと感じた。

西尾委員長

先ほど再生医療について御発言があったように、当然、各学会間で共通のテーマが幾つか出てきているわけで、学会間でいろいろ議論をされることも非常にいいかなと思う。それぞれ特有の学問なり技術をお持ちの学会なので、共通テーマについてロードマップを含めて議論するのは大変有益だろうと思う。

それから、4学会について発表いただいたが、化学が一番基礎的だろうか。学術と実践という切り方で、揺さぶられたという表現があったけれども、そういうところからロードマップをどう考えるかという基本的な議論をしていただいている。応用物理の方は、もう少しシーズとニーズという対応からとらえられているような気がする。ロボットと機械学会は出口を見ながら基礎と応用という切り方でロードマップを考えているということで、それぞれロードマップのとらえ方が違って、それはそれで大変いいのだろうと思う。したがって、ロードマップの考え方はこれだというのはないが、それぞれのところで我々はここで作っている技術戦略マップの中に大いに学会の考え方を生かしていきたいと思う。

(2)今後の研究開発政策について

土井研究開発課長より資料5、福田研究開発企画官より参考資料8~9、住田技術振興課長より参考資料10について説明。

赤池委員

環境の主軸は低炭素社会づくりではなくて、生命産業社会づくりなのだという大目標の目標の大転換そのものが、エコイノベーションという言葉を使った以上、求められているのではないかと思っている。

私は生命産業とは何かをこの委員会で何度か提言しているが、持続可能な食糧の調達とライフサイエンスである。ライフサイエンスについては、がんに対して何ができるかということが技術戦略の中で何度も議論されていて、この流れの中で比較的厚生労働省との省庁連携はうまくいくと思っている。他方、前者の食糧とか農業に対して経産省的な産業技術をどう展開していくかについては、まだ農水省との壁が巨大に立ちはだかっているような気がする。

具体的な提案としては、経産省として生命産業技術戦略みたいな大きな施策パッケージを作って、その中に省庁施策、特に農水系の出口官庁に花を持たせるような出入口をきちんと設ける。例えば具体的にはアグリ技術戦略マップみたいなものを農水と経産で連携して作ってみるようなワーキングをやってみたり、産総研と生物資源研とか、理研とか、植物総研等といったワーキングを通じて、持続可能な食につながっていく経産省の技術基盤の広げ方を議論するワーキングを御検討していただきたいと思う。

川合委員

資料の論点について、日本が、例えば経産省が管轄している部材とか材料とかで本当に世界で競争力を持っていくときの今後の方向を考える時期にきているのではないかと常々思っている。日本製品の品質自身は非常にいいし、高機能であるが、一言でいうとデザイン力が今まで日本は弱かった。前から、いろんな意味のデザイン、それから感性に結びつくような研究開発や技術が今後1つの大きな方向として出てきてもいいのではないかなと思っていたので、もし今後の20年度におけるこういうことを考えていくとき、またローリングのときにその観点を是非取り入れていただくといいかなと思っている。実際昨年から生活技術に入れたのは大変国民にとってわかりやすくて非常にいいが、それが技術にいくときに、例えばデザイン力というふうなものをキーワードにいくとさらにいいかなと思っている。

本田委員

論点の2の中に「技術を市場につなげるための関連施策との連携」ということが書かれているが、私の参加している総合科学技術会議の知財戦略専門調査会の内閣府の政策の中では技術、分野別の知財戦略ということが重点項目として挙がってきている。分野別の知財戦略ということとMETIが作っていらっしゃるロードマップとアカデミックなロードマップと、その中のどこに知財戦略をどう絡めていけばいいのかを考えていた。ロードマップを重ねていったり、スーパーハイウェイ構想の出口が製品であったり、市場であったりというところを考えると、ここの知財はとっておくべきというのが多分見えてくるのではないかと思っている。

応用物理学会の方の御説明だと、アカデミックなロードマップは30年先というようなところで構想される。私の感覚だと、常に特許は20年というようなイメージがあるので、それよりももっと超えたところの機関で研究開発されているのだというのがわかった。大学においてオープンでやるべきところと、知財としてちゃんととっておくべきところは是非ロードマップを重ね合わせて検討し、ポイントとなるようなところは、例えば経産省の方でこういう分野に関しては特許の支援をするような形できっちり知財をとっていけるような構造なども考えてはどうかなというふうに感じている。

菅野委員

ちょっと見当違いになると思うが2点。

1つは、先ごろ光合成の効率を上げる植物を作ることに成功したというような発表があったが、そうしなくても植物はCO濃度が大きいと光合成の効率は上がる。そこで、例えばCOをため込むということといわゆる植物を育てるということに直接つなげてみるというような方向性があるのではないかという点。

もう1つは、先ほど住田課長から御説明のあった開発効率が非常に悪くなったという話について、私は逆にこれは日本が先頭に立ったことを示しているのではないかと思う。要するに道なき最先端にきてしまったためではないか。したがって、9割は失敗するのだということを計算に入れた、失敗したものをどうスクラップ・アンド・ビルドしていくのかとか、競馬にたとえると、9割はするけれども、万馬券をねらうのか、地道に安いところをやっていくのか、私はそれは非常に戦略的に大切だと思っているので、是非計画の中に入れておいていただきたいと思う。

伊藤委員

「異分野融合や異業種の連携」は大変重要なキーワードだと思う。今の万馬券の話も異なるプレーヤーがたくさんいるということで大きなギャンブルが成立するわけなので、同じようなプレーヤーだけそろっていたのでは日本のイノベーション・メカニズムは非常に短期的な持続性しか持たないのだろうと思う。私の印象として多様性をより強調するという視点から申し上げると、アカデミック・ロードマップは、当委員会でやっている言葉とは違う言葉で、数値的なものも含めて書かれており、まさに物理的な限界はどこにあるのかとか(機械学会の指標は私は大変いいのではないかと思ったが)、技術のある傾向をしっかり示して、これが何年後には物理限界にここで到達するといったところを主張していただくのがいいのではないかと思う。

そういう意味で技術もサイエンスのレベルからしっかり見るセクターが重要で、技術を何かに応用しようという意図を持って行動するセクターも大事である。また、それら全体をイノベーションという日本の経済的な成長につなげる行政というセクターも大事である。それぞれのセクターが自分たちの主張を、個性をより強く主張するという態度がこれから大事ではないかと思う。

そういう意味で独法の話をさせていただくと、産総研はアカデミックセクターでもないし、ビジネスの方でもなく、その中間だと位置づけているが、ひどい言い方をすれば存在感がやや薄いところでもある。一方では非常に柔軟な機動的な動きができるところでもあるので、そういう3つの異なるミッション、業種セクターをしっかりと活用し尽くすということが極めて大事ではないかということで、特に独法に関してはこういう研究型独法の機動性を生かしたさまざまな試験的なイノベーション政策の実行とか、さまざまなツールとして使っていただきたいというふうにこれを見て感じた。

安宅委員

社会像というところについてコメントを1つ。

どうしても企業とか産業界だと、近視野的な現状の事業に相当引っ張られるので、なかなか発想が飛べない。そういう暗黙の縛りがどうしても抜け切れないところがある。そういった意味で本日お話をいただいたアカデミック・ロードマップに是非期待したいのは、(専門家、その研究分野、もしくは複数の融合領域かもしれないが)その分野の御専門の立場から、その視点から見たできなりの社会像ということではなくて、意思も含めたこういう社会であったらいいなとか、こういう社会にすべきだなというような何かを示していただくとビジネスロードマップ等を書くときに非常に参考になるので、是非そういったことをお願いできればありがたい。

桜井委員

資料の論点メモの2番目のイノベーション・スーパーハイウェイ構想の実現からというところの(2)の「画期的ブレークスルーを創るための科学への遡り」というあたりが、アカデミック・ロードマップと大変深い関係にあるのではないかと思うが、経産省側の働きかけで、こういうアカデミックなロードマップができたということで、ボールは1度投げかけたのだけれど、返されたという状況なのではないかというふうに思う。

したがって、これを経産省の技術戦略マップとどういうふうに連携させて、あるいは使っていくか、あるいは分かりやすく示していくかが今大変重要な時点なのだと思う。先ほどのウェブにもし載せていただけるようなことが可能であれば、それはそれでツールとして大変有効なのではないかと思うが、たくさんの学会が多分あるので、この経産省のロードマップのあるところを見ると、どういうところがそれに関係しているのかというようなある種のリンクを張る、ある種の俯瞰的な図をつける等があるともう少し使いやすくなるかなと思う。各アカデミック・ソサエティーの方もそれで引かれたときに、できれば何らかの半定量化がなされると使う方としては大変うれしいかなと思う。

関連施策との連携ということだが、私は、学振の方で3年間ぐらいユビキタス系のデバイスをどういうふうにこれから発展させるかという委員会をやっている。その結論としてたくさん技術があり、かつ、出口にほとんど到達している技術も多いのだが、(特にバイオ系で)実際に出そうと思うと、物凄く大きな法的な障害、あるいは規制の障害等がある。それが実は技術が、より生活に入らない大きなポイントだということがわかっており、それを答申とした。是非、特区を使うとか、何かある種のメカニズムでこの大きな壁を少し下げることが産業をより活性化することになるのではないか。

西尾委員長

特区については多分いいアイデアがあればむしろ作りたいというふうに省庁側では思っていると思うので、いいアイデアであれば是非ぶつけていただければと思う。

五條堀委員

これからこのロードマップから全体の俯瞰図を作られるということで、そのときにある種のソリューションというか、それも例えば桜井先生がおっしゃった画期的ブレークスルーをある程度提案できる、あるいはDNAを車の識別マーカーとして使うような異分野融合、異種間の連携や融合をやってほしい。これを可能にするには人材のフリーゾーンというか、違う分野の人がバーチャルな中ででも同じ時刻を共有し会話できるような場所が必要。

もう1つは、アメリカだったら午前中にビジネスモデルが出れば、午後には特許がとれていて、ファンドに話を持っていける。そうすると、ビル・ゲイツが30兆円のファウンデーションを作り、ポール・アレンがそれに何十兆入れて、グランドチャレンジやビジネスまで持っていける。この国でも2000~3000億円のレベルの大規模なファンドを民間と政府でやっていくようなソリューションが、ある程度組み込まれるようなトータルなロードマップができるといいと思う。

堤委員

どうも最初からちょっと違和感があって、それはどういうことかなと思って考えていたのだが、今日主に議論されたのは、アカデミック・ロードマップにあるように、どちらかというと、シーズの発掘というか、異分野の融合、ブレークスルーをどう能動的に見つけていくか、やっていくかというところ。これは、ロードマップを作って粛々と組織的にやっていくというよりは、いかに新しい次の産業のシーズがどこに転がっていて、それをどう見つけて、どうマッピングして、どう整理していくか、育てていくか、つまりアカデミック・ロードマップというよりはアカデミックのシーズマッピングが求められているのだろうと思う。また、後で出てきたエコイノベーションはどう見てもすべて環境・エネルギーの問題で、これはCO問題が政治的、実態的に重要な課題になっているということを意味しているのだと思う。それに関してエネルギーのマップとロードマップでやってきたように、何をすべきか、何をどの分野でどういったことをどのぐらいしなくてはいけないかというのはかなり明らかになってきている。それと最初のシーズの話については、イノベーションのシーズとはちょっと切り離す必要があるのではないか。環境・エネルギーのエコイノベーションに関して何をすべきかは明らかになってきて、さらにそれを組み込むには、ここにあるように社会像とか、ビジネスモデルをどう作っていくかという段階にきている。だから、2つのやり方をはっきり意識的に区別しなくてはいけないのではないか。アカデミック・ロードマップはどちらかというと、シーズの発掘の方に重点がある。技術戦略マップは両方重要だと。そこら辺の問題意識を持ってもう1度方法論、やり方を見直して、場合によってはやり方を考える必要があるのではないか。

西尾委員長

最後に堤先生におまとめいただいたような感じになったが、まさにおっしゃるとおりだと思う。環境あるいはエネルギー問題といってもやらなければいけないことはある程度ターゲットも決まっている。どうやっていくかという話と、別な意味でどうマップを作っていくかという話は、最終的には同じ方向にいくだろうが、考え方としては少し分ける必要があるだろうと思う。

(3)技術戦略マップ2008に向けたローリング基本方針について

福田研究開発企画官、福田標準企画室長より資料6について説明

西尾委員長

このローリングの基本方針は今日の御議論をいただく前に書かれたが、今日幾つかの視点をいただいているので、それを加味して、少し変更が起こるということを前提にご覧いただきたいと思うが、何か格別御意見をいただきたい。

夏梅委員

今の委員長のお話にあったように、活用というところがこれから非常に重要だろうなと。企業にとってもこれから本当に競争力という面で見ると、やはり事業のコンセプトを作る段階の優劣がほとんど事業の成功、不成功を決めるという段階まできている。そういう意味でいくと、イノベーションの初期段階で一番重要なのは今日の議論のようなところが非常に求められ、役に立つだろうと思っているが、これを実際推進していくような人材、イノベーターとかビジョナリーとか言われるいわゆるサイエンスとビジネスを結びつける人材やシステムは日本にとって非常に重要なのだろうなと。そういう意味で、MOTや主な企業でやられているように、やはりこういう考え方は大学でも、あるいは官庁の研究機関でも非常に重要なものになっていくのだろうなと。そこら辺の充実というか、サポートすることも付け加えて検討いただけるとありがたいと思う。

西尾委員長

今年度の課題の1つに人材育成が入っているので、今の意見もあわせて今年の課題の1つにさせていただければと思う。

(4)研究開発小委員会の今後の予定

資料7に基づき土井研究開発課長より連絡

閉会

 
 
最終更新日:2007年11月9日
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