経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第22回) 議事録

開会

(事務局より資料の確認、委員及び事務局の出欠につき連絡)

議事

(1)技術戦略マップのローリング及び活用の進捗状況について

(福田研究開発課企画官より資料3、4に基づき説明)

【西尾委員長】
分野分けは難しい。要素的なレベルのものがあり、それから出口を対象としたフィールドがあり、その間をつなぐ製造やシステム化の問題がある。本当は三次元か何かでやると、交点として、融合領域が出てきておもしろいのだろうと思う。今のところは一次元で話をしているが、それなりに進捗は図られているように思う。
【川合委員】
それでいいと思うが、全体として見えるためには、表がついていると非常に位置付けがはっきりすると思う。
【橋本委員代理】
まず2つ。
1つは、西尾委員長がおっしゃったロードマップの分類は、余りこだわると、シーズ側から見て、違うところに入っているものが幾つかあるというのは歴然としているので、それは、こちらの章立て、特にシーズから見たというふうに、学会とのコラボレーションも考えると、ある程度、分類分けせざるを得ないと思うので、余り分類なり、章立てと言うと、また哲学的にこだわる先生がたくさんおられるので、ロードマップについては、むしろ個別のロードマップが非常に大事だと思う。
それに加えて、これはいつも、本来、この委員である光川が申し上げているが、全体の俯瞰図を作っておくと、ロードマップとロードマップの間に落ちているものを見つけることができるので、全体的に見ながら、ここは抜けているということを意識されたらいいと思う。
今回、サービス工学を追加ということで、我々も非常に評価する。ただ、サービス産業そのものは大きいが、サービス工学という名前そのものが既に非常に狭くなっている。サービス産業には多分製造業のサービス化もスコープとして入る。別に、サービス工学の名前を変えろとか、検討を変えろということではなく、将来発展をする可能性があるので、是非、意識をもってやっていただきたい。
最後に、この技術戦略マップに関しては、関係者の意見を統一するのは非常に難しいと思う。また、最近では、例えば論文や特許のネットワーク分析をして、サステナブルという言葉では、どのくらいの分野で、何が研究されているかということが、既に学術論文では明らかになっているので、ロードマップの作成に役立ててほしいと思うし、NEDOとしては、是非協力したいと思っている。
【東嶋委員】
資料3の1ページで、前の方がおっしゃったように、分野ごとの分け方というのは、それほどこだわることはないと思ったが、例えばグリーン・サステナブル・ケミストリーやサステナブル・マニュファクチャリング技術は、日本にとって、我が国にとっては新しい概念であるので、片仮名でこういった名前を出しているのは仕方がないかもしれないが、今後、このように出していかれると、このまま一般の人に広がっていく可能性があるので、どういう言葉を使ったらわかりやすいか、あるいはネットなどで調べるときに、どの言葉が今一番使われているのかといった吟味をして、どの言葉をトップに持ってくるかを考えた方がよろしいかと思う。
【大竹委員】
同じく、設計・製造・加工あるいはサステナブル・マニファクチャリングと出たのは私個人としてはすばらしいなと思っている。実際に切った、張ったのものづくりをやっている人間から見ると、非常にわかりやすくなったという印象がある。
特に中小の企業の方にとっては、今回の改善は非常にプラスで、より見る気がするマップになったということで、100%支持したいと思う。
もう1つ申し上げることがあるとすると、各分野は個別でいいかどうかという話がある。確かに技術としては個別でいいかと思うが、今後、総合的にどういう出口があるかがより見やすくなると、さらにいいものになると思う。分野が個別になると、どうしても、例えば目標額にしても小さいものがいっぱい集まったような印象が否めないが、そこが気になる。要は、それを総合して非常に大きいものがあることを見せるのが、すごく重要かと個人的には思う。
宇宙でも海洋でも何でもいいが、それが理系離れの話にもつながるし、活力を与えることにもつながるかと、経産省としてあるいは国として、非常に大きい目標を立てて、それに対して個別の技術が貢献してできるとなると、非常にすばらしいシナリオになるのではないかと拝察した。
【堤委員】
今のことに関連して、戦略としてまとまってきていると思う。ただ、今のままだと、あくまでも商品のカタログだけであって、国全体としてどっちの方向に持っていったらいいかがまだ見えていない。
多分、例えばエネルギーの分野だと、「Cool Earth 50」だとか、あるいは新国家エネルギー戦略が相当すると思うが、先ほどのサステナビリティで、何がサステナブルかを判断するかと関連するが、指標や、分析や、評価がものすごく重要になってくると思う。例えば、日本のクリーン・コール・テクノロジーは、恐らく世界でトップなのに、どうも世界的には評価されない。その辺の評価と戦略との標準化や、評価指標や、分析等を束ねるところを何か一本設けないと、結局カタログを並べて、日本はこういうことをやっているという展示だけになってしまうのではないかと思う。
【西尾委員長】
似たようなことを私も感じてはいる。
【安宅委員】
多分出口の話になると思うが、サステナブル・マニファクチャリングや、サービス工学や、バイオテクノロジー、ソフト分野の人間生活技術に関連すると思うが、言葉として、この中に生活の質の向上とうたわれているものが、どういうような生活の質の向上を目指すのかというイメージづくりをしておかないといけない。例えば環境や、エネルギーというのは資源の制約から、比較的発想しやすいが、生活の質の向上というような言葉だけだと、とらえ方が、国によって、人によって相当ばらつくと思う。そういう意味で、ここの生活の質の向上というのは何を指すのか、どんなイメージを目指すのかというのを、やはり出口としてやっておかないと、言葉だけで置き去りにされるという感じがする。
【橋本委員】
いつも同じような議論になってきていると思うので、一回整理しておいたほうがいいと思うが、この技術戦略マップの位置付けについて、今、幾つか意見が出たようなことは、実は違う報告書や、違う委員会で出ているものがある。それで、私が理解していたのは、技術戦略マップというのは、ある意味でカタログであって、そのカタログのいいものを作る。それをつくって、また違った戦略を立てるところがあると思う。
だが、いいカタログが出てくると、それだけでは足りなくなった気がして、必ずそういう意見になる。堤委員の言われたことも当然だと思う。あるいは安宅委員の言われたような最終的な出口をどうしたらよいかということを検討している別の委員会があって、私も関わっているので、多少わかっているつもりだが、その委員会との関係が研究開発小委員会で見えるようにしておかないと、常にこういう議論になってしまうし、それから、作るほうもよくわからなくなってしまうので、経産省以外も含めた科学技術政策全体にかかわる全体像を見せた上で、これがどういう位置付けをしているということを一回整理したほうがいいという気がする。
【西尾委員長】
先ほど橋本委員がおっしゃったように、基本的には、まずは材料づくりで、それがうまくできてきたから、政策に反映させることが最初の目的であるわけで、そこに目が行きつつあるというのは、大分いいものができてきたという証左だろうと思う。

(2)日本企業の研究開発の動向と政策課題

(土井研究開発課長より資料6、7、8に基づき説明)

【橋本委員】
ものすごい勢いで世の中が動いているというのは、我々は感じているわけだが、今の説明はそれを具体的に示したという意味において、すごく刺激的である。
そのときに、我々は、何となくこういう動きがわかっていて、だから、日本もこうしなければいけないというのが、五月雨式にいろいろなところから来る。確実に言えるのは、アメリカのシステムを日本にそのまま導入してもだめだということをみんなわかっていること。みんなわかっていて言っているが、政策上はそういうふうに来るし、現場にはおりてくる。したがって提案だが、1つは、日本でどういうシステムを導入するか。今のままでよくないのもはっきりしているが、アメリカのものをそのまま導入するということもあり得ない。なぜかというと、典型的なのはモビリティとトータルな資金力の問題がある。この2つは明らかに違うわけだから、その中に日本モデルとしてどういうものがベストなのかが検討されていないと思う。いろいろなところで個々に言われてるが、こういう分析をベースに、是非、日本のモデルをどうすべきかということを考えるような場をつくっていただきたい。
そのときに、日本の企業も大学に対する期待がすごく大きいというのは、今回の最初の分析でよくわかった。アメリカも、やはり大学や国研をすごく使っている。そのときに、今、現場で私が感じていることは、産学連携がどんどん進行するに従って、具体的なテーマは非常に矮小化してきていること。包括連携みたいなことを一つ大きなことを言っておきながら、実際に要求されることというのは、非常に小さな個々のテーマになってきている。これは、昔よりもずっとそうなっている。それは、先ほどの企業の分析にあるような企業の要求が、そのまま実は大学の連携のときにも入ってきている。吉澤課長がいらっしゃるので、是非、吉澤課長にその辺を分析していただいて、今後どういうふうになるのかというのを調べていただきたいが、産学連携の現状も含めた将来の在り方を、その分析データもあるので、先ほど申し上げたようなこととあわせて、大学と企業との連携をどうするべきなのかというのを総合的な観点で設計する検討会を是非設けていただきたい。
今日の土井課長の分析をもう一回、2時間ぐらいかけてじっくり聞かせていただいて、その上で、大学の現場は今どうかも、また我々のほうから発表した上で、是非検討していただきたいと思った。
【伊藤委員】
本当に、何分かで理解するには、非常に豊富な内容で、充実したレポートだと思うが、3点申し上げたい。1つは、資料7の最後のほうに、土井課長がぐっと詰まったという、つまり日本のナショプロのやり方について、既存企業からのヒアリングをベースにテーマ設定をしていたら、基本的にイノベーションは出てこないのではないか、これは、非常に示唆に富む話で、これについて、私もある意味同感だと思う。つまり、今の既存企業が、みずからイノベーションのエンジンとして、機能している場合にはこれでいいわけだが、ある意味、企業の現在のビジネスの延長上に、ある種、補助的にナショプロが位置付けられる可能性も別途あるという意味で言うと、今のイノベーションの我々が直面している問題というのは、まさに既存企業の意見ではなくて、もっと別の意見を聞きながらやらなければいけない。
そういう意味では、例えば素材関係の分野の研究プロジェクトをやるのであれば、素材系の企業の意見ではなくて、むしろ別の、素材系を使う企業の意見を聞くとか、あるいは全く違う観点でテーマ設定をしなければいけないと私も思う。
そういう意味で言うと、今日の技術戦略マップというのは、ますます重要なツールになってくるのではないかと思うので、そういった視点で、今後のナショプロのテーマ設定をやっていくべきではないかというのが1点。
それから2つ目は、産総研の役割について幾つか出ていたが、特に最後のほうに、NEDOとの連携の可能性があって、これは、是非探ってほしいと私も考えたい。つまり、今、産総研の置かれている状況というのは、基本的に大学やコーポレート・ラボと同じような位置付けになっていて、ある種、競争ばかりしている。それでお互い、ある意味、不毛な競争もあるわけで、そういう意味では、やはり国の機関として別の位置付け、別の役割、それから、別の仕事をするべきこともあるだろうと思うから、競争は競争で大事だが、やはりお互いが、国全体のイノベーションシステムの中で違うプレイヤーだということをしっかり位置付けて、産業政策の一つの意図を持ってみずからやらせるべきではないかと思うので、是非、これは今後の論点として検討を続けていただきたいと思う。
それから最後に、そこも踏まえて一つの思いつきだが、先ほど垂直連携という話があったが、やはりプロジェクト、ナショプロにおいても垂直連携があっていいのではないかと思う。それで、ちょっと言葉にもあったかと思うが、文科省のやるプロジェクトと経産省のやるプロジェクトは、まさに垂直連携していいはず。そういう意味では、プロジェクトパイプラインみたいなイノベーション全体を流すためのパイプラインを形成するプロジェクトの垂直連携という視点でのプロジェクト設計もあっていいのではないかと思う。
【本田委員】
まさに産学連携の実務をやっている立場から、今日の日本企業の産業界からのいろいろなニーズなどの情報というのは非常に刺激的で、ほんとうにそのように思っているのかなと思うところも多々あった。
橋本委員がおっしゃったように、大学と産業界とで産学連携をどう進めていくのかを改めて話す場を持ったほうがいいというのをつくづく感じている。大学からは産業界に取り組んでいただきたいということでシーズ提案しているものの、実際に今実績として上がっている数はまだ少ない状況。
一方で、頭の整理ができていないが、産業界からは、コア特許というか、強い特許をしっかりとってほしいという意見があるが、大学でできることは、あくまでも限られた範囲なので、どこからが大学でやるべきところか、プロホーブコンセプトというのは大切だとは思うのだが、周辺特許というのは、産業界と一緒に連携していかないととれないところだと思うので、強い特許を取るといった場合の大学の役割と産業界の役割というのは、しっかり産学連携を進める上で、まず両者の認識というものを共有しておく必要があるのではないかと思う。
あと、国プロという話もあったが、国プロの中でオープン・イノベーションと言ったときに、何をもってオープンと言うかは、両者の認識をそろえたほうがいいとは思うが、守秘義務を結んだ上で、すべて情報共有する環境の設定ができないと、やはり同業他社が一緒に入っているような国プロで、ライバル企業が気になって情報の共有ができないということもあると聞いているので、そこは国としてきちんとした技術を立ち上げるという意味で、本当にオープン・イノベーションという意識、守秘義務をしっかりした上でその組織、プロジェクトの中での情報公開ができるようにしていく環境の整備も、きちんとプロジェクトの中で運営できるようにしていかなくてはいけないと思っている。
あと、今、産学連携という立場でいくと、国際化を進めようと話が進んでいる。技術移転の視点から考えると、国際化は、何をもって国際化をしていくべきかと考えると、積極的に海外に持っていけということにも聞こえており、本当にそれでいいのかと考えている。アメリカのバイドールだと、まず国内産業に技術を持っていくということで、バイドールとしてはルールができているが、日本は、それとはまた逆で、国際化を進めるということになっている。その考え方も、大学と産業界で話し合ったほうがいいと考えており、我々大学サイドで国際特許、外国特許を取る意味が、外国に持っていくためなのか、日本の企業さんが国際展開、グローバル展開をしたときに、外国での独占権が保持できるようにするための下準備をするという意味での国際化なのか、そこは、きちんと産学連携で国際化を進めようといった場合の国際化の考え方は、きちんと産学連携、大学と産業界とで話し合っておく必要があると考えている。
いろいろな視点で、いろいろ大学と産業界とで意識をすり合わせていかなければならないところが具体的に見えてきていると思うので、こういう意見が出てきているこのタイミングで、そういう場が持てたらいいのではないかと考えている。
【西尾委員長】
本田委員のほうで、ある種の見解を出していただけるとありがたいと思う。
【本田委員】
はい。
【山崎委員】
産業界の視点で、お話させていただく。
1つは、橋本委員がおっしゃったように、日本型モデルを作るということは、とても大切で、例えば親会社は外資だが子会社は日本での社名を使用している会社がある。どういう意味かというと、日本のイノバティブな力や、日本の文化が生きないとグローバル企業としてやっていけないということで、金太郎飴みたいな一つのマネジメントスタイルで全世界制覇という時代ではないということに親会社が気がついた。米国にあるバイオの会社も同じ。だから、それぞれのグループが持つ文化やイノバティブな力というものをお互いに認め合って、ウィン・ウィンで行くようになってきている。
私どもが求められているのは、日本のイノベーションがないと判断されたら、出先の支店であるわけであって、イノベーションがあって、日本の文化の中から出てくるエネルギーや、力や、貢献というのがあるからということで認められているという認識。日本のモデルを作ることはとても大切だと私は思うので、大賛成。
あともう1つ、それをどうやって具体化するかということで、伊藤委員がおっしゃられた、結局、プロジェクトマネジメントというか、パイプラインをそろえていくということ。今もそうだが、iPSという話が出ると、もう日本全国同じパターンで、同じような議論で、そこにお金をどうばらまくかというような話に行き着く。それは、日本の方向性としては、非常に国際競争をしていいところに行きたいということであると思うが、実際のプロセスになってくるとおかしくなってくるところは結構ある。
それで結局、前に成果主義があって、事業を評価して、事業化しないといけないんだという議論があって、すべてのプログラムは、全部そういう目で評価されてきた。だから、先ほど伊藤委員がおっしゃったように、このプログラムは10年単位で、具体的な科学の底上げに必要だからやっておくというプログラムだってあってもいいし、それから直近で、かなり目標を明確にしたものがあるものを、どれほどそろえてパイプラインとして持って、どうマネージするかというところに行くべきだと思う。
それで、今日紹介された話は、既に数年前から言われていたことも入っているし、それを新たに、また違った角度で分析していただいたので、新しい目でもう一回見直しだということで非常に新鮮な部分があったが、産学連携サミットも相当やってきている。そういう中で、もう一歩進むモデルケースをつくらないと、いつも場を設けているだけでは、なかなか進まないような感じがして、大学の中には私どもも経験している。プランの段階から入り込んで、場を提供したり、それから、技術や先端の学問の流れは、全部撤去するような、あるいは知り得る、勉強するというチャンスを与えて、それをどうやってビジネスに持っていくかはモデルケースも出ているので、実態的には起こっている。だから、そういうものをよく拾い上げて、動きをつけていくという時代が来たというふうに思う。
【夏梅委員】
私も非常によくまとまっているなと思う。だから、産業政策やこれからの技術戦略についてこれを解析することによって、また、さらに深みが増してくるかなと思って聞いていた。
それで資料の3ページだが、実は、日本のこういうところでかなり強い、ものづくりで強いことがあるが、この図の見方は、日本が強いという表現よりも、特定の会社が強いというか、私が常々言っているのは、金・銀・銅の会社じゃないと世界の中で生き残っていけない。いわゆるトップテクソールというか金・銀・銅、要するに、日本の会社が強いというのは、日本の特定の会社が強い。いわゆるキャッチアップ型からフロントランナー型へとか、模倣から創造へという言葉がありますが、いわゆるフロントランナー型という、言葉はいいが、実際にはどうするかというのは、非常にリスクにとんでおり、そのうちの一つがターゲット・ドリブン、要するに、目標を決めてやっていくのが、企業にとって求められる時代に今来ております。
先ほど話があったように、つくったものを売るから売れるものを作る、本当の真の顧客。先ほど、委員の話にありましたが、材料メーカーも、我々材料メーカー自体がわかっているわけではなく、直接顧客もわかっているわけではなく、直接顧客の顧客がわかっている。そうすると、先ほどの顧客も知らないことや、サプライチェーンの中で何がこういう材料を本当に必要なのかということを理解しながら我々はやっているが、そういう意味で、ターゲットをどこに決めてやっていくか。要するに、目標もなしに、やっているうちに何かにたどりつくことではなくなってきた。そういう意味で10ページの表は非常に示唆に富んでいる表だと思っている。
先ほど申したように、何を求めているか。表現としては、私は「市場研究」と言っているが、市場研究と技術研究のシンクロナイズ、それから、基礎研究や応用や開発、これは出口商品、お客様が本当に求めているものをターゲットにすると、実は同時並行にやるケースのほうが非常に多くて、一般的にこれからスピードのある中で、トップテクソールの中でやっていこうとすると、基礎と応用、開発を同時並行でしなければいけない時代に来ている。それをどう乗り越えていくかが、企業にとっては非常に悩みの問題があり、特にこの基礎のところである。これは、私はいつも言っているが、技術というのは「術」と「技」で、サイエンスがないと、こういうものはブレークスルーできない。
ここにベクトルがあるが、これは出口商品というか、ターゲットのベクトルだと思うが、実は大学の場合は、これと全く重なるということではなくて、この基礎のところで、違った目的でテクノロジーのプラットホームがあって、それを先端の技術で解明していこうという学問的なサイエンスとしてのプラットホームがあって、その上にこういうものが複数クラスターで出てくるのがこれからかと。そういう意味で、同じ出口商品を重なってやるというよりは分担が違うのではないか。だから、先ほどのロードマップの話も、どこのところでロードマップの視点でまとめるかによって大分違うという話があったが、出口商品やサイエンスとしてのあれだと。まさに、この辺のところが、これからも大事な視点かなと思って聞いていた。
【西尾委員長】
今のことで私が経験したことを2つだけ簡単に申し上げたい。
橋本委員がおっしゃるように、ジャパンスタイルというのはつくらなければいけないということはあるが、世界トップ拠点が大学で始まって、日本の大学あるいは国研で5つ採択された。それは、世界の有数の研究者を30%以上含めることということで、多分、これをまじめにやっているのは東大だけだと思う。
何が言いたいかというと、給料のダブルスタンダードが、もう日本でも起こり始めたということ。アメリカの大学は、先生のダブルスタンダードは、大変大きな問題で、いわゆるハンティングにかかる人たちとそうでない人たちが、完全にダブルスタンダードになっている。東大でカリフォルニア大学等々から呼んでくる先生は、総長の給料を抜いている。これは多分、東大始まって以来のことだろうと思う。それは研究でトップであるということで、ある種、当然のことだが、これを日本の中でどうやって定着させていくかというのは、大学にとって大変な問題。
それからもう1つは、ある産油国で堤委員も関係したが、カーストプログラムというものがあって、自国で世界有数の工科系大学をつくりたいということで、世界中からプロポーザルを設ける。東大からも出した。日本からは、東大、東工大からしか出す権利がなかったので、その2校が出したと思うが、多分、両校とも負けたと思う。少なくとも東大は負けた。あとで分析してみると、完全にマネージャーの力。残っている20ぐらいのプロジェクトのうちの10ぐらいは、半年ぐらい前から旧学長クラスが走り回って、これとこれとこれを、こういうコンセプトでまとめ上げると、とてもいいことができる。これは、本当に1人が走り回ってプロジェクト、しかも、かなりレベルの高い方が走り回って専属でやった。東大は、そんな体制はとてもつくれなかったので、そういう意味でマネージャーの力というのは、これから大変大きくなる。大学でもそういう時代になっていると思う。
だから、ここに上げられた課題は、大学にとっても大変大きな課題だと思っている。

(3)研究開発プログラムの見直しについて

(土井研究開発課長より、資料9と10に基づき説明)

【橋本委員代理】
細かいことだが、3ページのところに、NEDOが中期目標で、プログラムを踏まえてやると書いてある。おっしゃるとおり。注にあるように、資料の9にある中期計画が、この4月から新しい段階になる。それで、実は中期計画の申請は先月末に出しているので、適切なタイミングかどうかはよくわからないが、まさにここに書いてあるように、NEDOとしては、この研究開発プログラムは非常に大事であるので、今回の見直しも、むしろプログラムの拡充・強化ということ、あるいは関係方面にも広く議論をして、均てんしていくというふうに解釈して、この検討をサポートしたいと思っている。
一方で、今日はアメリカのお話を土井課長から伺って、実は、ヨーロッパでも全く同じように、イノベーション推進機関という、実際にNEDOに非常に近いものができていて、是非、次回はヨーロッパの説明もしていただきたいと思うが、世界中でイノベーションを進めるための体制づくりが活発になっていて、日本も、この研究開発小委員会をはじめとして、いろいろいい議論をしていただいているが、一方で、私どもは独立行政法人化して、非常によくなったという評価を今日もいただいてありがたいが、独立行政法人は100以上あって、中には、いろいろなところが入っていて、これを十把ひとからげに独法評価委員会というところが評価をしている。NEDOの場合はなぜ技術開発に関して企業を補助しなければならないのかというところから議論が始まっている。行政改革というのはそういうものなので、私どもは耐えながら、国としてどう科学技術政策はあるべきか、あるいは国としてどういうイノベーションを進めるべきかという観点できちんと反論しております。
したがって、この委員会と私どもというのは非常に大事で、独法であるNEDOあるいは産総研、それから、今日議論があった国立大学法人も、さっきの給料の話は、非常に法人化してできたことだと思うが、やはりそういうところを、国のイノベーション政策としてサポートするというメッセージをここから出していただかないと、他のところでは一切出していただけないので、是非、そういう観点でこのプログラム、あるいは先ほどの議題2の検討課題も、より進めていただきたい。
【安宅委員】
前の議題に戻るような感じだが、先ほど、土井課長の報告の中で、セレンディピティの話だとか、それから、プロセス特許やプロダクト特許の話があったが、昔から言われているように、日米の違いがずっとある。やはり技術戦略マップというものをイノベーションプロセスにどうつなげていくかということを考えるときに、基本的に昔からそのことを言われていて、文化によるのか、発想の原点によるのかはわからないが、そこをずっと引きずっているので、この際、先ほど橋本委員がおっしゃったような日本型モデルというのは、非常にいい言葉なので、日本型のイノベーションシステムを考える上で、なぜそうなのか、何が障害になっているのかというのを考える。だから、技術戦略マップと本当に表現していいかどうか、先ほども、科学技術の研究だけじゃなくて、市場の研究もというお話もありましたので、出口を考える上でも、その辺のところを何かアプローチ、考えるということが非常に重要ではないか。
特に、先ほどのセレンディピティのところでR&D以外から特許が出ていると、これは非常に重要で、日本人は非常に不得意なところなので、逆に出口思考になったときには、そこをどうとらえるかという仕組みもあわせて考えることが重要かと思う。ずっと底流に流れていることで非常に気になりますので、是非検討、議論したいと思う。
【山崎委員】
今回、プログラムの再編は賛成。非常にきちっとした明確な政策目標の中でくくられているので、個別にその中で、どういうプロジェクトが出てくるかは楽しみである。
あと、ここに触れられていないことで、結局、イノベーションマネジメントを、世界の中でも日本独自のもので競争できるようにしていければと思う。そのマネジメントの基本となる人たちは、どのようにそろえられるかというところは、今後、さらに検討していただきたいと思う。
【西尾委員長】
この委員会の課題が大きな課題になってきて、研究開発だけではないようなところにも入りつつあるが、橋本委員がおっしゃったように、いろいろな情報を集めながら、議論のための議論にならないように、何らかの結果に結びつくようにしていきたいと思う。

(西尾委員長より技術戦略マップと研究開発プログラムの最終調整については委員長一任の依頼があり了解された。西尾委員長より議論の内容について意見があれば1週間以内に事務局に送るよう連絡)

(4)その他

(土井研究開発課長より、技術戦略マップと研究開発プログラム基本計画は、3月下旬に事務的に取りまとめ、委員長に相談、4月上旬にホームページでアップすること、また、技術戦略マップの印刷物は、5月末にできあがること、次回開催について、5月中旬以降で調整することを連絡)

閉会

 
 
最終更新日:2008年4月4日
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