経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第26回)‐議事録

日時:平成21年3月6日(金)9時30分~12時
場所:経済産業省本館第1~第3共用会議室

議事概要

1.科学技術基本計画8分野に関する産業技術の観点からのレビューについて
2.政府研究開発投資の重点化についての全般的審議

土井研究開発課長より資料4、5、参考資料1に基づき説明

  • 橋本委員長
    今、4-1で現状認識と課題抽出、5でそれを踏まえて第4期の科学技術基本計画に向けた重点化のあり方についてのたたき台を出していただいたわけです。これはたたき台として出していただいたわけで、きょう、これから残りの時間、1時間半ぐらいありますか。それをずっと委員の皆様方から御意見をいただいて、それでこれに加える。あるいは修正していく。そういうようなことになるのだと思います。
    それから、きょうも委員のたくさんの方に出ていただいておりますので、言い尽くせない部分があると思います。その場合は、議事終了後に追加的な御意見を次回までにメモの形で事務局の方に出していただければ、それもまた取り込んでということになると思います。
  • 川合委員
    まず今、土井さん、1時間ほどいろいろ説明していただいたのに基本的に非常に賛成です。
    僕も大事な点は、今回の経済危機というのはいい機会だと考えていて、今までのを少し直すというのではなくて、基本的には、もうリセットしたということで、非常に根源的なところ、例えば少子高齢化であるとか、環境の基本的なところをやるといういい機会だととらえています。それはちょうど4期でいいチャンスなんではないかなと思っています。
    問題は、それを知識ベースのいろんな施策にもたらすときに、どう結びつけるかというところが多分この研究開発小委員会の一番重要なところなんだと思っています。
    それについて少しコメントしたいのですが、きょうの説明で非常に明らかなことがあって、それは全体的に強いのは、やはりナノ材料分野である。それから、産業についても、輸出は75%、それでお金をもうけていますし、GDP26%ですから、そういう部分が強いというのは極めて明瞭だと思います。
    もう1つ明瞭なのは、一方、中国とか、韓国がかなり急激に追いついてきているというところで、その原因としては、もちろんいろんなものがありますが、例えばインフラ投資とか、そういうのに少し原因があるのではないかなと思っています。
    それで1つ提案ではあるのですが、明らかにナノ材料分野というのが強いというときには、その強いところを伸ばすという方策と、それから、あと弱いところを強くするという方策がありますね。これはどちらも必要ではありますが、やはり僕は強いナノ材料をベースにして、例えばバイオとか、それから、環境とか、ほかの産業にうまく展開させるというのは非常にいい勝ちパターンではないかと思う。
    実際に現状でも内視鏡の例をさっきおっしゃいましたけれども、ああいうふうにナノ計測が強いところというのは非常にパワーを持っています。それでそういう点でナノエレクトロニクスがちょっとアメリカにおくれをとりつつあるというのは非常に残念なので、そこら辺は考えるべきなんではないかと思う。
    そのときに、1つのキーワードとして、グリーンナノテクというふうな言葉を入れてよいのではないかと思います。つまりこれだけ強いナノ材料のところで、何に向かっていくかというときの1つの象徴的なキーワードとしてグリーンナノテクというふうな言葉を使うというのは非常に重要ではないかというのが1つの提案です。
    今後の方向性として、土井さん自身もおっしゃいましたけれども、この案にもありますように、COEとネットワークがうまくバランスしてないと非常に問題で、僕はCOEのある程度うまくいきそうなところに重点投資するというのは結構できていると思うのです。ただ、全く賛成なのは、インフラストラクチャーのところです。韓国でも100億円以上使ってファンドリをつくったりとか、今、諸外国でもものすごくナノに力を入れているときに、これは極めて深刻な問題で、COEとネットワーク、ネットワークの側が落ちるような施策があってはいけないと思うので、ここは非常に重要な点だと思っています。
    それから、もう1つは、トランスレーショナルなところです。前回も申し上げたのですが、結構日本では基礎科学でナノテクのいろんなシーズはあるのですけれども、それがさっき言った少子高齢化であるとか、環境であるとか、そこの道筋というのがもう少しきちんとつくっていく作業というのは必要で、それはちゃんと示さないと政策に生きてこないと思うので、やはり経産省としてもそこはきちんと出した方がいいと思います。我々の役目でもあるのですが。
    そのときに、大きなキーワードというふうになるのがグリーンナノテクノロジーということだと思いますので、これはトランスレーショナルにシーズのところをちゃんとあるべき少子高齢化、それから、環境に適合した社会をつくっていくときの1つのキーワードとなるので、その点を提案したいと思います。
  • 田井委員
    私は初めてですが、前回の議論とピントがずれているかもしれないのですが、初めてですので、ちょっと自分の思うところを述べたいと思います。
    土井課長が非常に雄弁に語られたところなんですけれども、私は実は賛成しない部分がございまして、そこから話をしたいと思います。
    まず日本の置かれている状況は、私が政府の方に言うのも変なのですけれども、やはり現在、私どもの会社もそうなんですけれども、ジェット機で成層圏を飛んでいたら、そのジェット機で突然雨雲の下を通らなければいけなくなった。こういう状況だと思うのです。まともに飛べないというふうになっているのだと思いますけれども、日本の国というのは、もともとそういうふうに成層圏を飛んでいたと思うのです。というのは、いろいろ輸出をして、輸出をふやして、ドルというかお金をかせいで、それで日本にない資源をたくさん輸入し、食糧を輸入し、これだけの生活レベルを1億人が享受しているわけです。だから輸出ができなくなると、これはできないわけですね、はっきり言って。できません。だから内需拡大だけでは無理だと僕は思います。
    それは何を売っていくのかというのはこれから考える、議論する必要があるのですけれども、やはりものづくりとも関係しますし、いろいろ関係するのですが、本当に今までどおりものづくりを、やろうとするのであれば、人口構成上、今のようにモノポリーな日本国民だけがいるような日本では成り立たないというふうに思います。もちろん給料を切り下げて、生活水準を随分下げていけば可能かと思いますけれども、これは非常に難しいことですので、もっと言い方は悪いのですが、外国の方をたくさん入れるような政策を取らないとだめだと思います。
    永久、パーマネントだけが生きるような日本の国内では、非常に有能な外国の人たちを時限でもって雇うこともできません。ちょっと今、雰囲気が悪いのは、一時雇用の問題がメーカーなんかでもごたごたありますけれども、こういったことが悪い方向に影響しなければいいなというふうに思っていまして、僕はもう少しグローバルでなくて、トランスナショナルというか、そういう形で日本が動いていかないと本当には勝てないのではないかな。
    何を売るかはちょっとあとでまた議論したいと思います。
  • 堤委員
    3点ほどあります。
    最初の点は人材育成で、今、田井委員の意見と全く同じであります。この参考資料の53ページ、各国の研究者数の推移が出ていますけれども、これを見れば明らかにアメリカが126万、EUは、各国は少ないのですが、トータルで106万人おります。だからこそアメリカとEUが対抗できているということ。それに対して日本は82万人で、中国が93万人ですから、結局これを見て明らかなのは、我々は要するに1億人を切るような小さな国で日本人だけを人材育成しても、これはどうしようもない。アジア全体で、アジアという枠組の中でまとまっていくという必要があるということなんだと思います。
    いろいろな分野のところで人材資源の確保ということがうたいあげられていますけれども、結局それは今、田井委員がおっしゃったように、1つはやはり外から入れざるを得ない。入れる場合は、これはアジア全体で考えざるを得ないということ。
    ですから、大学、大学院とか、そういった教育も含めて、日本の産業界の中でのちゃんとしたポジション、もちろん大学のポジションです。その確保をしつつやるということだと思います。
    その人材に関しては、結局技術開発というのは頭数なんですね。最終的には研究者数を増やして、特に重点分野における研究者数をふやし、かつ全体のボトムアップをするということが必ず必要で、そういった意味で単なる人材確保を大学の学生、日本人の学生の数をふやすとか、そういう話ではないんだというのが1点です。
    第2点目は重点化戦略の話であります。これは先ほど川合委員のナノとかバイオとかに選択と集中する必要があるという意見は、ちょっと危険で、もちろんある程度選択と集中ということは必要なんですが、全体のボトムアップを図るということが重要だと思います。
    そういった意味で、例えば先ほどからありましたような環境のところで、環境とエネルギーというのは表裏一体ですから、基本的にはこれを一緒にして考えるということなんですね。環境ソリューションを提供する戦略の重要性ということで、ここにいっていることは、すなわち環境という形だけで切り出した途端、例えば環境汚染物質を安全に処理するとか、そういうところにいってしまう。ここのところで環境の分野で見てもわかりますように、気候変動の方に非常に集中している。やはりこれはちょっと違うのではないかと思いますね。
    ですから、環境とエネルギーを一緒に考えて、さらに、ものづくりとか、ナノテクとかの連携も考えて、より次世代の産業基盤技術に波及効果がある課題をピックアップして重点的に取り組んでいく必要があるのではないかというのが2点目です。
    3点目は、それに関連するのですけれども、例えば今、宇宙、航空の話をされましたけれども、やはり先ほどのナノテク、あるいは材料に集中するのがちょっと危険だというのと同じように、こういった宇宙とかいうのは巨大技術なんですね。似たようなものに例えばエネルギー、原子力も含めてそうなんですが、例えばタービンとかいうのがありますね。タービンというのは大きいですから、世界で年間2けた受注するときと、1けた受注するときでは圧倒的に生産性が違ってしまう。したがって、こういう航空機とか、タービンとか、あるいは石炭のガス炉とか、こういったエネルギーに関する巨大技術というのは、世界で1社2社になってしまう。これを押さえないと幾ら材料とかいうところで頑張っても、材料技術というのは簡単に移転しますし、技術革新によって一夜にして覆されます。開発に資本を集中させる必要がある巨大技術を押さえる必要がある。
    さらに加えて言うと、ポスト自動車にかわるような次世代の製造業といいますか、これを真剣に考える必要がある。多分僕はロボットということになるのだと思います。前も話しましたけれども、ロボットが人を背負って走れば自動車産業にとってかわりますし、ロボットが人を背負って空を飛べば航空産業が変わるわけです。ロボットが家庭の省エネもやれますし、情報通信もやるということで、あらゆるITや、半導体や、燃料電池とか、そういったいろいろな産業の要素技術が入ってきている。
    だからそこら辺を重点的に考えていく必要があるのではないかというのが意見です。
  • 西島委員
    非常に大きな分野を含んでいますが、印象としては大体よくまとまっています。一方、資料4-1の先ほどの説明と、それから、研究開発投資の重点化の在り方という部分は非常に大きい課題が上がっていますので、その間がなかなか埋めづらいとの印象です。
    この大きな資料5を考えるとき、やはり継続的に一定の投資をすべき分野と、それから、緊急課題として集中的に重点化するという部分を分け、例えば健康産業とか、少子高齢化というのは緊急に対処するというよりは、むしろ継続的に対処しなければならない。
    さらに、少子高齢化の問題も、少子化への対策はもちろん必要ですが、間違いなく高齢社会に入っていくこれからが問題です。例えば脳疾患、特にアルツハイマー病とか、あるいは糖尿病、特に人工透析患者が増えるとか、そういう課題については継続的にお金を投資していかなければいけない。従って、課題に対する時間軸と、投資に見合ったアウトプットというのを少し考えて、第4期においても継続して投資する部分と、第4期だからこそ集中投資する部分を分けて審議する必要がある。
    というのは、8分野の中の産業界、先ほどライフサイエンスだ、ものづくりだとひとくくりで短時間で言いましたけれども、かなり業界によって重点課題が異なる。
    時間がないので簡単に言いますけれども、例えばライフサイエンスに関わる製薬業界というのは、大変特殊な業界です。先ほど全世界に比べて日本の製薬企業は投資額が少ないということなんですが、国内各社の売上に対する研究開発投資額の比率というのは10%から20%、平均として15%前後ということで欧米に劣っていないのです。それでは、努力して会社を大きくすればいいかということなんですけれども、会社を大きくしたくても日本の健康保険制度の中では、医薬品の総売上はもう6兆5,000億程度にとどめざるを得ない状況です。そうなると、グローバル展開しなければいけない。グローバル展開して成功していったのが、ここに書いてある武田を筆頭とする数社です。例えばエーザイ、この会社はもう既に海外の売上が50%を超えています。それではグローバル展開できるような新薬をたくさん日本が持てるかという点では国内臨床体制に大きな問題があります。つまり、日本で実施した臨床試験がそのまま海外で使えるのかという問題があります。この辺は多分、川上先生が詳しいので詳細は省きますが、日本で実施した臨床試験が海外で通じるか、海外の臨床結果を日本へ持って来られるか、あるいは、三極同時に臨床を開始するとか、そういった状況を考慮して、医療・薬事制度上の問題を含めて臨床の課題解決を重点化すべきです。
    それから、製薬における新薬の成功はハイリスク、ハイリターンですから創薬関連ベンチャーの活性化が重要です。そのベンチャーですけれども、今の国内ベンチャーに成果を問うのは非常にかわいそうです。つまり、創薬ベンチャーに限ると欧米に比較して大体10年~15年は完璧にスタートが遅れているので、現時点でベンチャーとしての投資に見合った成果が出てきていないというのは大変かわいそうなことです。これはバイドール法的な制度上の未整備とか、大学の先生がベンチャー企業のオーナーになれない経緯とか、いろんな問題が背景としてある。
    さらに、重要な課題として考えていかなければならないのは、人材育成というときに、やはりサイエンスに対する理科教育のあり方も考慮すべきです。ベンチャーの活性化には、失敗もおそれない、あるいは失敗も許せるような社会の環境整備が大切です。そう考えるとベンチャーに飛び込む若者の資質が問われます。子供の数は急激に増えませんから、先ほどヨーロッパとかいろんなところから人を集めるということですけれども、その中で日本人がリーダーシップをとることを考えても、早い時期からの理科教育ということに対する研究開発の投資も考えておくべきです。
    研究開発投資の重点化の在り方については、産業構造が違うので、その辺は多分、皆さんの御意見をもう少し集めた方がいいのではないかなと思います。
  • 川上委員
    土井課長からお話があったことには、私もほとんどすべて賛成するのですけれども、幾つか意見がありまして、まず2025年に日本の人口が減るという話はさっきありましたけれども、そうすると税金を納める人が減るわけですね、相当に。税金を納める人口が減るということは納税額が減る。納税額が減ると国策投資として科学技術に投資する額というのも減る。となると、企業や、あるいはそのほかのセクターが投資しているところに比べて国の投資は減っていくことは明らかなわけですから、今のうち、今、国が投資するべき技術分野というのはどこかということを、今のこの重点分野だけでなくて考えなければいけないと私は思っています。
    例えば、レギュラトリーサイエンスという言葉があります。レギュラトリーサイエンスというのは、医療に使用する医薬品における安全性や有効性を評価するための科学、あるいは制度を評価するための科学というふうに言われています。
    これは、実は医薬やライフサイエンスだけではありません。すなわち環境分野でどういうふうに水質を管理するのか、食品分野で遺伝子組換え食べ物というのは本当に危険なのか、あるいはナノバイオ、これなんかもアメリカで随分問題になっていますが、ナノバイオ分野の小さな粒子というのが腎臓に本当に詰まらないのか、体で使う場合に。というふうなことが本当に重要であると思っています。これは縦割り分野というよりも横断的なことで、横断的な投資というのは、企業は当然しづらいところがあります。ですから、国として投資すべきセクターとして、こういった横断分野としてレギュラトリーサイエンスを例にあげましたが、こういったところを考える必要が十分にあるのではないかと思っていますのが1点目。
    2点目が医療の問題で、資料に記載されている選択、集中、ベンチャービジネス、健康増進もすべてそうなのですが、イノベーション・エコシステムができていない、乖離しているというのも全くそのとおりでして、これは、薬事承認の問題点や審査の数とか、いろいろ書いてあるのですけれども、本質的に環境問題、環境分野と同じで、制度や法律を変えないと絶対にうまくいきません。私もこの分野をずっとやっていますから本当によくわかりますけれども、日本で幾ら科学技術をやっても、薬やシーズのいい技術たくさんあるのですけれども、絶対日本でうまくいかない。2つの理由があります。
    1つ目が日本の薬事法体系というのが産業化、あるいは外資をかせぐためにライフサイエンス分野を増進するということに対し非常に不向きな制度体系を持っているということです。
    2つ目が日本の国民皆保険制度という問題です。国民皆保険制度がありますと、前もお話したかもしれませんが、人口が減ってきますから、納税額が下がっていくと、GDP100%維持していけば、今の33兆の医療費は維持できません。ですから、これも国内の需要というのは非常に望めないところですが、どういうふうに保険制度というものをもう少しイノベーションにつなげるために、あるいは皆さんがもう少し薬をつくっていくやる気が出るために考えていくのかということも、もしかしたらこの5年ぐらいである程度目鼻をつけておかないといけないかもしれないと思っています。
    あと最後3点目ですが、教育の問題を皆さんいろいろおっしゃっています。大学で、学生はみんな同じように理科を学んで、同じように技術を勉強してきました。ところが日本の社会構造や、日本の文化的背景から、例えば日本は100年以上続いている会社が世界で一番多いことを自慢するわけです。何でかというと、それはアントレプレナーシップを持った新しい会社をつくる人がいないから、たまたま就職しているからその会社が継続しているわけです。という社会背景があるわけで、彼らの頭の構造もそうできています。
    ですから、教育の中に技術を教える、技術を考えさせるだけではなくて、将来、自分がどういうふうに成功したい、どういうふうに一度の人生を送るのかというときに、例えば自分がやりたいことというのが今ない業態であれば、自分で分野をつくるために会社をつくる、あるいはイノベーションの確度を上げるためには、いろんなことに横断的に知識があり、そして確たるコアコンピタンスがあるというのが一番重要だと私は思っているのですが、そういうことを少し知らしめるような教育をするというのが大学のミッション、あるいはもっと言うと、僕は小学校からやるといいと思っていますが、そういうミッションではないかと思っています。
    ですから、こういったことも、科学技術が何をなし得るべきかということにバック・ツー・バックで考えなければいけないのではないかと思いました。
  • 阿部委員
    今日、いろんな分野の御説明があったわけですけれども、ちょっと私が違和感がありましたのは、やはり例えばIT分野とか、ライフサイエンス分野と同列にナノテク材料分野とか、それから、ものづくり技術分野とか、こういったのが並列に語られるというのは、やや違和感がありました。といいますのは、やはりナノテク材料なんていうのは、例えばITに活きるかもしれないし、あるいはライフサイエンスに活きるかもしれないし、環境エネルギーに活きるかもしれないということで、これはやはり縦糸と横糸の関係にあるもので、これをしっかり意識して、重点化の議論をすべきであると思っております。
    もう1つは、分野のことで言いますと、やはり環境・エネルギーというのをひとまとめにして、さらに重点化していくというのは、これは不可欠だと思うのです。環境・エネルギーとしてさらに重点化するとともに、もう1つの話として、やはりインベンションが経済効果を伴うイノベーションにつながってないという問題をどう解いていくかということだと思うのです。
    だから環境・エネルギーの分野で、これからどういうインベンションが必要なのかというところ、もちろん環境・エネルギーの中身をよく議論するとともに、どういうインベンションが必要なのか、もちろんアーリーステージの研究には、非常に多様性が求められるというのは当然なんですけれども、どういうインベンションが起これば環境・エネルギー分野でイノベーションが起こるかというところをさらに議論していくべきではないかと思います。
    サイエンスがテクノロジーにつながっていかないと、いずれ、中・韓・台に負けるということだと思うのです。ですから、いかにサイエンスをイノベーションにつなげていくかという視点で、産学連携のさらなる強化のための仕掛けをどうしていくかということが大切だと思います。先ほどグローバル人材のお話がございましたけれども、私どもも海外の研究者をできるだけ集めようとしているのですけれども、現実問題、集まってないというのが実情でございまして、現時点では、我々は、基礎研究の拠点を、中国と韓国、そしてアメリカにつくって、向こうで基礎研究をやるという考え方をしております。しかし、やはり日本にいかに優秀な研究者を集めるという仕掛けというのは、ますます重要になってくるということだと思います。
    また産学連携活発化の仕掛けのひとつとして、これは文科省の仕事かもしれませんけれども、分野別の日本の大学のランキングがしっかり明示をすべきだと思います。このランキングはアメリカなんかに比べると明らかに不十分で、そういったことを明示していただくと、我々も産学連携をますますやりやすくなるものと考えております。
  • 伊藤委員
    資料4-1から4の幾つまでの資料4の件ですけれども、これは非常によく整理されて、現状の認識と今後の方向性が書かれていて非常にわかりやすいと思います。
    それで幾つかこれに関してコメントを申し上げたいのですけれども、まずライフサイエンスの11ページのライフサイエンスから健康増進へというこの方向性、これは非常にいいと思います。その前の資料にも出ておりましたけれども、日本の医薬品の市場は非常にアメリカ等に比べれば、先ほどの議論もありましたが、小さいということ。それから、知財等の米国における存在感を見ますと、日本は食品、機能性成分を高含有する食品、多分、これはサプリ系とか、そういうものだろうと思いますが、その辺が強いということもあって、これは非常にいい方向性ではないかなというふうに思います。
    次の情報の方でも、今、例えばインテルが情報のプラットホームをつくりながら健康、ヘルスケアに進出しようという動きが顕著に出ておりますので、やはりヘルスケアという分野というのは、これから大きなフロンティアになるのではないか。そういう意味で、ライフと、それから、情報のシナジーを発揮して、この辺は大きく伸ばすべきではないかと思います。
    それから、情報の方ですけれども、ここで1つだけ申し上げたいのは、最後の今後の方向性のところで1つ気になるのが、やはり技術開発と、それから産業との関連が非常にここは難しいところで、技術は日本は結構やっているのですけれども、なかなかそこで産業のプロフィットに結びつかないという印象を私は持っているのですけれども、そういう意味では、プロジェクトを行う段階で、どういうふうなプロフィットの創出をこの技術で行うのかという、そのシナリオをつくりつつ、その要素技術を開発するという、少しその辺に軸足を移したプロジェクトフォーメーションというのがこの辺では有効ではないかなという気がします。
    つまりほかの分野と違って、この情報系というのは、非常に短期的に爆発的に市場が形成されたり、また、急になくなったりもいたしますので、そういう意味では、じわじわとやるのではなくて、あるシナリオに対して国が投資をしてリスクを取っていく。そういうやり方が結構有効ではないかというふうに思いまして、たしかほかの資料にNEDOがハイブリッド型のプロジェクトを今、始めているということですから、そこにぜひどういうふうにプロフィットをこれで生み出すかというシナリオを入れて、企業の努力と、国のリスクマネーというわけではないですけれども、支援を一緒にやるのが結構有効な分野ではないかと思います。
    それから、ナノテクですけれども、これは日本は材料系が強いということですが、この辺は特に人材の確保とも関係する領域だと思いますので、1つだけコメントいたしますと、やはりナノテクというのは、なかなか出口を特定して、集中的にお金をつぎ込むというのは難しい分野ではないかなというふうに思いますので、ここはむしろエコロジーをいかに魅力的に形成するかという、ややインフラ形成的なところに重点を置いていいのではないか。その上で、そうしますと世界中からその環境のよさにひかれて集まってくる研究者もいると思いますから、そういう方々を非常に魅力的なエコロジーの中で生き生きと研究させれば、そこでナレッジが発生し、次のまた芽が出てくるというふうに思いますから、この辺はどちらかというと、特定のプロジェクトにどんとやるよりは、エコロジー形成の方に少し政策を移すというのもいいのではないかと思います。
    それから、最後に、資料5の今後の方向性ですけれども、この中に4ページに知的・人的資源による国富の確保というのがあります。これは一見こうなんですけれども、もうちょっとくだいて言うと、先ほど私はビジネスモデルということを申し上げましたけれども、結局知識とか、発明とか、そういうものはあるのだけれども、これを国富に結局つなげてないということですから、ここはもうちょっと知的・人的資源ではなくて、まさに獲得した知識を国富に直結させるための話をここでしたらどうかなと。そういう意味では、先ほどのビジネスモデル一体型のプロジェクトとか、さまざまなことをこの辺でやれればいいのではないか。そういう気がいたします。
    それから、最後ですけれども、資料5の5ページで、(2)科学技術が挑むべき課題の4つのコラムがありますが、この中に健康で安全・安心な社会の構築とありますけれども、これも少し遠慮した言い方ではないか。もうちょっと言葉は悪いですけれども、まさに国富を増大させるような方向性をもっと入れた表現にしてはどうか。
    つまり健康だったらみんな安心なのかというと、やはり国の国富が減っていけば不安でありますし、仕事もなくなるという意味では、まさに健康で経済を発展させる。あるいは健康で国富をどうのという、まさに健康というのは1つの武器になるというぐらいの攻めの姿勢の表現、健康というのは決してただではないし、それによってまた新たな力が出てくるということの考え方での表現ができれば、もっと将来に向けての方向性が出てくるのではないか。そういうふうに思います。
  • 横山委員
    先ほどから何人かの委員の方々が環境とエネルギーの分野を統合して環境・エネルギー分野にするということは不可欠であるという御意見がありましたけれども、私も大賛成であります。
    この環境・エネルギー分野というのは、研究開発期間に非常に長期間を有するものです。10年以上、家電製品なんかの開発と違って非常に長い時間がかかります。これはエネルギー用の関連機器というのは、使用期間も15年から20年と信頼度も非常に高く保って、使っていかなければいけないものだからです。前回も申し上げましたけれども、この環境・エネルギー分野は、材料技術とか、情報通信技術、それから、コンピュータ技術、システム技術というような、そういう技術の統合化をするという、これは資料のどこかにもありましたけれども、この統合化技術というのを今後取り込まなければいけない技術分野と思っています。
    ですから、これは非常に開発期間も長いですから、継続的に研究開発投資をしていく必要があるのではないかと思っています。
    資料5にも、エネルギー利用効率の向上ということがうたわれて、何度も出てきますけれども、これは実はIECの世界電気標準会議の世界でも、昨年からエネルギー効率の向上というのが重要なキーワードになっています。我が国からも代表の方が、昨年のサンパウロ会議で、エネルギーシステムの上流の資源から下流の需要家までエネルギー利用効率向上を統合的に考えていく、そういうことをやらなければいけないというのを発表されまして、非常に喝采を受けました。その方は、今度、エネルギー利用効率に関してマネジメントボードの委員にも選出されたというぐらいに、標準化の分野においても、エネルギー利用効率の向上というのは非常に大事な分野になっていますので、日本もぜひエネルギー・環境分野ということで継続的に頑張っていく必要があるのではないかなと思います。
    それから、最後の1点は、資料4-6のものづくりのところで、電気・電子、それから、機械の分野で、産業界の人材養成が必須であるというふうに評価していただいているのですけれども、昨今、いろいろなところで話が出ておりますけれども、電気・電子分野もだんだん人気がなくなってきているということがあります。これは、電気はもともと目に見えないもので、ものづくりに電気・電子がどのように関わっているかというのが、最近の学生さんは、どうも関わってないと思っている、ものづくりは電気・電子の分野にはないんだというような誤解を、若い大学へ入りたての学生さんがどうも持っているようなのです。それは我々大学にいるものの責任もあると思うのですけれども、ぜひ国、産業界、マスコミの分野とかが一体となって、この辺をアピールしていく必要があるのではないかなということを最後、つけ加えさせていただいて終わりたいと思います。
  • 久間委員
    土井さんの資料は非常によくできているなと思いました。
    1点、ちょっと気になりますのが、やはり研究開発というのは、目標といいますか、これをとにかく明確にしないとろくな成果が出てこない。それは基礎研究にしましても、応用研究にしましてもそう思うのです。
    これはちょっと関係あるかどうかわかりませんけれども、まず経産省のプランでなくちゃいかんと思うのです。といいますのは、やはりそれぞれの内容が日本の産業界の国際競争力をとにかく高める。こういった目標と、そういったテーマになっているかどうか。ここはまず重要だと思うのです。
    書かれている内容というのは、それぞれ重要なんですけれども、やはりその中で、できるだけ具体的に書くということと、それから、詳細な計画をつくるということがまだ足りないのではないかと思うのです。
    先ほどナノテクの話はよく出ていますけれども、ナノテクというのは余りにもあいまい過ぎまして、ナノテクイコール産業ではないですね。それでこの資料の中でもナノテクのイグザンプルとしてシリコンのLSIに関係することも書かれているし、パワー半導体であるとか、MEMSだとか、こういうものもあるし、あるいはシリンコンフォトニクスとか、こういういろんなものが入っているのですね。もちろんナノ材料であるとか、今、いろんな化学的なものも入っている。ここをもっともっと整理せんといかんなと思います。
    まずシリコンの世界というのは、今、皆さん御存じのように、日本の半導体業界というのはもう死にかけている。それでここもナノに関係するような範疇に入っています。それでこれをどうするかという問題と、それから、今、日本がとにかくリソースを投入すれば世界を圧倒的に勝てる省エネのデバイスであるSiCとか、太陽電池とか、こういうのは今とにかくやれば世界をリードできるわけです。
    それから、その一方で、カーボンナノチューブとか、光の配線とか、まだまだ産業にはほど遠い、こういったものが全く同列に書かれているのです。それでここのところに同じようにリソースを投入するようなことが起こったら全く効率が悪いと思うのです。ですから、そういう整理が足りないなというのが1つです。
    それから、もう1つは環境技術、これは非常に重要なんですけれども、エネルギーに比べると環境というのは産業としてはまだまだ小さいです。ですから、この技術を産業として要するに大きくしていくにはどうするか。こういうふうな考察があればもっといいなと思います。
  • 上原委員
    分野に沿ってちょっと意見を申し上げさせていただきたいと思いますけれども、まず環境、それから、エネルギーを統合というのは、これは大賛成でありまして、NEDOも現在、既にこの2つの分野、年間で1,000億円以上、投資をしておりますし、これからもますます重要な分野になると思いますので、ここはぜひ重点分野ということでお願いしたいと思います。
    それから、フロンティアなんですけれども、これは航空・宇宙が中心ということでございますので、むしろ航空・宇宙というふうに書いていただいた方がよろしいのではないか。というのは、政府全体の大きな動きがありまして、今度の宇宙基本法に基づいた基本計画、これで先日も報道がありましたけれども、月面有人探査を2020年に向けて進めていくというような構想もあるように伺っておりますので、かなりいずれにしても力が入ってくるところではないかと思います。
    経済産業省、NEDOの方も、航空・宇宙随分いろいろと頑張っておりまして、特に日本の強みであります新材料といいますか、今度の民間小型航空機MRJも、炭素繊維複合材という新しい材料があってはじめて機体としての競争力が発揮できるという、材料に根ざしたそういう先ほどのお話で言いますと巨大システムといいますか、技術というふうな形になっていまして、これはそういう戦い方ができるのではないか。航空・宇宙も。宇宙の方も、人工衛星も日本のハイテクの電子情報技術を活用してよりコストも安く、信頼性も高く、競争力のあるものをつくっていくというような、航空・宇宙というのは材料まで含めて非常に波及効果が、ハイテク波及効果が大きい分野なんですね。
    ですから、そこのところはぜひしっかりと位置づけをしていただいて、今後もこの分野の開発を促進していくということが大事ではないかと思います。
    それから、ものづくりなんですけれども、ものづくりの技能の継承、あるいは知識の継承という面がかなり強く出ているように思いますけれども、実際、例えばメッキの技術ですとか、あるいは溶接の技術だとか、なかなか技能的に、ロボットが継承できるものはロボットが継承していると思いますけれども、人的な継承が難しくなっている面がある。それはやはり企業の方でそれぞれ努力をして人材の教育というものが必要だと思いますけれども、もう1つ別の面があるのではないかと思うのです。先般、超小型衛星が打ち上げられまして、まいど衛星、これは実はNEDOのプロジェクトでもあったのですけれども、ああいういろんな実験ができる。それも学生も参加をするような形で、アイデアを実際に確かめるような、そういう実験をする機会というものをいろいろ工夫して、それぞれの分野の中でつくっていくのがいいのではないか。
    例えばロボットはある意味、そういう形になってきているわけですね。非常にロボットというのはそれを勉強もして、研究もする人の層が厚くなっている。そういう人たちは必ず自動車、あるいは航空機等、さらに大きな産業分野の中でその力を発揮できるようになってくると思うのです。そういう意味で、人材の育成が、ロボットの場合には、これは経済産業省、ずっと営々といろんなプロジェクトを継続してこられまして、その結果、今、そういうことになっていると思うのですけれども、何か自分で持っているアイデアをものにしやすい、それを支援するようなことをいろいろと考えていく必要があるのではないかと思います。
    例えば、月面探査というのは非常にチャレンジングで、少し先の話になると思いますけれども、もっと超小型衛星、先般のは大型ロケットに相乗りする形で打ち上がりましたけれども、超小型衛星をもっと簡単にいろんな軌道に、いろんな役割を持った実験衛星を打ち上げられるようなシステムといいますか、経済産業省が言っておられますロケットの空中発射のような形です。超小型衛星の空中発射、そういうようなことも、さっきから申し上げているいろいろアイデアを確かめる実験をする機会を与えるということになるのではないかと思うのです。
    そこには別に企業がビジネスとしてやるだけではなくて、それこそ高校の学生がつくるようなものが上がるのかもしれませんし、大学でもちろん開発をしているものが打ち上げられるかもしれない。そういったものづくりというものは結局人材の育成ということだと思うのですけれども、さらに知識の継承だけでなくて、いろんなアイデアをもっとどんどん確かめられるようなチャンスを心がけて、それぞれの分野の中でつくっていくという、そういう努力が必要ではないかと思っているところでございます。
  • 淺間委員
    私もこれを読ませていただいて、大変失望したというか、やはり問題が1つ大きくあると思っておりますことがございまして、これは先ほど堤先生、それから、今の上原委員も御指摘になりましたが、いわゆるロボット技術というのがここには全く触れられていなくて、ロボット技術というのは、いわゆる非常に多くの科学技術なり、産業というものを支えてきたような技術体系であるわけです。
    よく誤解をされるのですけれども、ロボット技術というと、いわゆる例えば家事をする二足歩行ロボットのヒューマノイド型のロボットを開発して、それを産業にするというようなことをイメージされる方がいらっしゃるのですが、実はロボット技術というのはそういうものではなくて、もちろんそれも含まれるのですが、いわゆる実空間でリアルタイムにものを計測したり、認識したり、制御したり、それからモデル化して記述したり、あるいはシステム化する。最近ではブレイン・マシン・インターフェースなんていうのも関わっていますが、マイクロロボテックスという分野もあります。そういうような技術であるわけですね。
    ですから、いわば実空間、実時間のITというふうに言ってもいいかと思うわけです。これは今までいわゆる日本はこれに対する比較的多くの投資をしてきたおかげで、非常に高い技術レベルを現在、持っておりまして、そういうロボットの技術を身につけた人材というのは非常に多く社会に輩出しているという現状があります。
    こういった技術というのは、いわゆる産業用ロボットだとか、余り今、産業になってないサービスロボットに使われているだけではなくて、いわゆる輸送機械であるとか、製造機械、それから、医療福祉機械、建設機械、セキュリティの機械、さまざまな機器にこういうRTの技術というのは今、埋め込まれているわけですし、そういうものを活用したものづくりであるとか、もちろんライフサイエンス、環境、それから、今、宇宙の話もありましたが、そういうところに実は非常に役立っているという状況があるわけです。
    実際、そういう技術が役立っているというだけでなく、やはりそういう技術を身につけた人材がそういう場面で非常に役に立っているということを忘れてはいけないと思います。
    従来、ロボット産業というと、どうしても産業ロボット工業会がまとめた産業用ロボットの規模でとらえがちなんですが、そういう意味では、それは非常にロボットを誤った側面でとらえていて、むしろロボット技術が与える産業的なインパクトというのは非常に大きいというふうに考えないといけないと思います。
    現在、アメリカは非常に多くの投資を、特に軍事が中心となって、軍事セクターが中心になって投資をして、RTの技術レベルを維持しているということなんですが、ここでもし日本がRTへの投資をやめると、非常に日本の技術力が底辺から落ちるということが懸念されます。
    もちろんそういった専門的な知識を持つ人材というのが減少するということになりまして、これは非常にローブローのようにきいてきて、ものづくりのポテンシャルががくっと落ちるという可能性もあるわけです。
    そういう意味から、私はロボット技術というものを、もちろん応用の側面もあるのですが、応用というよりも、基盤技術として位置づけて、情報通信分野の中にやはりその項目は入れるべきではないかと考えます。
    特にここの情報通信分野の中を読ませていただくと、どういった研究開発をするかという内容に関しては、非常にあいまいな記述しかなくて、むしろそれを取り巻く社会環境的な記述ばかりが目立ちまして、むしろ具体的にどういう研究開発を情報通信分野の中で支援していくかということをやはり明確化するべきであろうと思います。
    結論としては、やはり日本のお家芸であるわけで、こういうRTというのをどういうふうに育成して、日本の優位な産業に継続して結びつけていくかということをやはり考えるべきでありまして、そういう意味からも、先ほど阿部委員からも御指摘がありましたが、そういうインフラ技術としてのRTと、それから、そういう例えばものづくり、ライフサイエンス、環境というところの応用へ結びつける。この両方をRTに投資することによって進めていくということが極めて重要ではないかと考えます。
  • 安宅委員
    簡単に2点ほど述べさせていただきたいと思います。
    1つは目指すべき社会の話と、もう1つは、2点目はイノベーションのお話ということです。
    今、御説明いただきました資料5の6ページには、先ほど来、何人かの委員からも御指摘がありましたように、健康で安全・安心な社会の構築というようなことが記述されておりますが、このような目指すべき社会像というところのイメージをもう一歩踏み込んで具体的にされるのがいいのではないかと思います。
    それは例えばどんな社会的な価値があるのか、経済的な価値があるのかというようなことまでも少し記述をしたような目指すべき社会像というのをつくることが大事かな。それは単に思いつきだけでなく、何らかの仮説ですとか、根拠に基づいてつくりあげるという作業は必要だとは思いますが、そういったものができれば、各分野での戦略目標の策定との連携ができるというふうに思いますし、また、そこをきちんと国民がやはりイメージできる、合意形成ができるというところまで目指すべき社会像というのをもう一歩踏み込んだ形でつくるということが大事かなと。
    そうしますと、今度は合意形成のために何らかのパブリシティではないですが、ムーブメントをつくるとか、そういう形でこういう国に日本はなっていくのだなというような日本としての考え方、姿勢を国民的につくっていくことができるというふうに思いますので、1点目の目指すべき社会像のところをもう一歩踏み込んだ何か作業も踏まえたことができれば、非常にありがたいなと思います。
    2点目のイノベーションということですが、これも同じく資料の3ページ目のところの真ん中ぐらいに、絶え間ないイノベーションを生むというふうな記述がございますし、土井課長さんの方では、イノベーション・エコシステムの研究をなさっておられますけれど、このイノベーションというのは非常に重要だというふうに思います。ただ、例えば高度成長のときに技術革新というようなとらえ方をして、バブル崩壊後にイノベーションということが改めていわれたというような形になっていますが、これはまだまだなんか成長のために手段として技術革新がいるよとか、景気浮揚のためにイノベーションとかがいるよというような手段として取り扱っているというような取り扱いだったと思いますが、先ほど川合先生がおっしゃったように、ちょうどいい機会、チャンスだと思いますので、この際、やはりイノベーションを持続的に生み出す体質というようなものを社会にビルトインしていくんだ。そういう視点でイノベーションを取り組むべきではないかというふうに思います。
    そうしますと、近々でやはり新事業をつくるとか、新産業をつくるというような、例えば大学とか、社会人とか、企業のアントレプレーナーを育成するというような視点にもなりますし、それから、先ほど来、どなたかの委員、川上先生がおっしゃっていたように、小さいころからやはり企業家精神だとか、挑戦をするだとか、想像力開発をするだとか、そういうもっと基礎的なところから精神構造も変えていけるのではないか。そういうようなことを思いますので、やはりイノベーション体質を社会にビルトインするというような、そういう姿勢で今回は臨むべきではないかなと。そういうふうに思っております。
  • 谷田部委員
    全体、よくそれぞれの分野の状況がわかると思うのですけれども、特にライフサイエンス分野についてちょっと意見を述べたいと思うのですが、ライフサイエンスということで、11ページのところに今後の方向性というのが書かれていて、これに書かれていることはもっともということであるのですけれども、ただ10年、20年前でも同じような問題点があって、ずっと継続して努力を続けてきた結果としてまだ残っているというところだと思うのですけれども、かなりやはりその前の10ページにあるような指標で見ても、そう簡単に克服できるようなことでもありませんし、例えば薬事承認審査の審査員の数というようなことも圧倒的に違いますけれども、こういったことというのはほかの分野でも、研究開発の成果を、例えば特許1つにしても、迅速に処理するという面で日米の差というのは大きいと言われてきているわけで、そういったことをいかに克服できるのか、克服してきたのかということが1つ第4期を考える上では非常に大きいと思うのですけれども。
    ですから、例えばベンチャー企業がなかなか育たないとか、しかし育たないといいながら育てる努力をしつつ結局育たなかったといったようなことがあったりとか、あるいは薬事審査が時間がかかるとか、臨床検査がなかなかうまくいかないとかいうようなことがあって、その一方で、例えばiPS細胞が発表されて、直ちに予算化されて、人材も投入されるというようなことが起きた。
    それから、例えば私は基礎研究の方とお会いする機会が多いのですけれども、例えばゲノム解読みたいなことに大量に資本が投入されて成果も出た。しかし、それが、では日本の製薬企業の中で活かされているのかというようなことが非常にその辺が、お金は出して、成果も上がって、例えば11ページの(4)にあるように、着実に知の蓄積は進んでいるけれども、産業化に結びつかないというようなことが、どうしてもやはりいろんなところに障害のある、それが解決されないからうまくいかないというようなことがあって、ですから、そういうシステム、この11ページにも、変えていかなければいけないんだということが強調されているのですけれども、本当に実行できるのかという部分でまだまだ問題が多い。そういったことも基本計画の方できちんと方向性をもっとはっきりと出していくべきではないのかなと思います。
    それと(4)の健康増進ということなんですけれども、これでいくと、確かに日本は今、長寿社会で、この長寿社会をいかにそのまま続けていけるかということだと思うのですけれども、例えば今の子供たちの体力が非常に低下しているとか、あるいは食の問題があって、今の子供たちの食事のままで、では将来も健康でいられるのかといったようなことが大きな問題になっている中で、ライフサイエンスがいろんな成果を上げたとして、それが直接健康増進に結びつくのかな。言葉としては非常に魅力的なんですけれども、基本計画の外側の部分でやはり不安がたくさんある中で、あるいは医療の質そのものにとってみても、なかなか希望どおりに救急医療が受けられないとか、そういった現状がある中で、健康増進ということをうたうこと自体に何か少し社会から浮き上がっているような部分も出てきてしまうのではないかということで、やはりこの辺も慎重に考えていくべきなんではないかなと思います。
  • 宮部委員
    3点、コメントをさせていただきます。1点目は、政府研究開発投資の重点化の在り方について(たたき台)という資料5に関してです。この中で6ページ目のところに、世界を魅了する財・サービスの提供という項目があります。この重点分野の議論等々では、主としてこの辺の要素技術の強い、弱いとか、どこを強化するのだという議論があるのですけれども、最後のこの提言の中には、世界を魅了する財・サービスの提供という項目があって、要は、この辺の強い要素技術をいかに組み合わせて、持続可能な富を生み出す経済・産業システムを構築するかというところ、このあたりのギャップがすごく感じられるのです。
    このあたりで我々日本の産業界が失敗をして、結局強い技術を持っているのだけれども、何かそれを世界に広められずに、あるいは産業として成立させずに止まってしまっているというようなことが多いので、この項目につながる研究開発は何なのだろうな、あるいは研究開発でないのかもしれませんけれども、その辺をはっきりしておかないと、何か言っただけに終わっているような感じがするなというのが1点目であります。
    加えてここに関して言うと、ちょっと細かな話ですが、2番目のパラグラフのところで、我が国の高度な科学技術は、最先端製品のみならず、コンテンツやサービスといった云々と書いてあるのですけれども、ここでどうしてもネットワークが抜けちゃうのですね。こういう議論の時に、必ず日本の中では、議論が分断されてしまいます。したがって、これが1つのガラパゴス化の遠因にもなっていると思うのですけれども、そこの全体のトータルな議論ができるような場をぜひつくっていかないといけないのではないか。これは医療だって同じだと思います。同じようなことが起きると思うので、そのあたりをどう議論するんだというところが1つ目のポイントであります。
    それから、2つ目は、きょうは分野の議論なんですけれども、時間軸の議論で、昨今のやはり日本の経営というのは非常に短期的な経営指標が表に出るような形になっていて、もちろん中長期的な成長ということに対してやはり企業の一番大事な点だということが頭ではわかっていながら、四半期毎の決算開示とか、そういうところがもう自転車操業的に回ってくると、どうしてもその辺の意識が薄れてくるというふうなことがあると思うのです。
    今、アメリカの自動車産業が環境技術に投資してなかったというようなことを批判する人がいますけれども、これは人ごとではないという気がします。日本もそうなってくる危険性が高いと思います。
    そういう視点で、やはり企業の研究開発はどうあるべきかとか、あるいはそれに対して国はどういう時間軸で投資をしていくのだとか、その辺の何か時間軸の議論をぜひしたらどうか。
    この資料の中にあります例えば企業の研究開発投資額につきましても、例えばエレクトロニクス産業なんかでいうと、今年の商品開発、来年の商品開発にかける設計費用もこの試験研究費という形で開示されている中に含まれているので、大半がそういった部分でしょう。だからそこら辺の開示のさせ方なんかももう少し検討していければいいのではないかなと思っています。
    それから、3つ目は海外人材、海外の人材をいかに日本のこういう技術開発なり産業に組み込んでいくかということは、やはり喫緊の課題だと思います。
    その中で、例えばアジア人財資金とかで日本に留学生を呼んできて、そして日本の産業界に溶け込んでいただくというような施策を取っておられて非常に期待すべきところなんですけれども、実際にそういう制度で来ている留学生なんかと懇談をしてみると、あるいはアジアの国々を回ってみると、やはり日本のプレゼンスが低いのですね。要は留学対象先としてなぜ日本を選ぶのだということに対して、向こうの学生の立場になってくると、やはりアメリカに行きたい、ヨーロッパに行きたい。場合によっては中国に行きたい。日本というのはなかなか出てこないのですね。だからそういうところをまず上げていく方策を考えないと、日本のプレゼンスを上げていく方策を考えないと、優秀な人たちが日本に集まってこない。そのために、例えば今、アジアを中心にした大学に日本の教員を派遣するとか、ポスドクなんかがもっともっと行って、日本人の研究者のプレゼンスを上げていくとかようなことも1つの方法かなとも思います。今、実際に留学して来ている人に聞くと、10人に8人は日本の漫画が日本語で読みたいから日本に興味を持ちましたと言うのです。このことぐらいしか日本を引きつける魅力がないというふうに謙虚にとらえて、どういうふうにして日本が留学先、あるいは勤務先としてふさわしい国になるかということを考えていくというのは非常に大事だと思います。
  • 宍戸委員
    我が国が克服すべき根源的課題というところで、はっきり書いてないので、どうしても書いた方がいいと思うところが1つありまして、先ほどどなたかおっしゃっていましたけれども、やはり日本の産業の国際競争力があってはじめて豊かな国が維持できると思っています。
    このまとめ方だと、何か安全・安心な社会を実現するためにいろんなことをやっていきましょうという見方ができるのですけれども、やはりそれが結果的に国際競争力強化につながるような施策というのが必要なわけで、もう少しその辺を強調した書き方、まとめ方をされた方がいいのではないかなというのが1点です。
    それから、ナノテク材料の話がいろいろ出ていますけれども、これは2期に重点分野としてナノテクを我が国として取り入れて、その結果として現時点では世界をリードしているということは間違いないと思うのですが、この数年、欧米、それから、中国、最近ではロシア、相当な勢いでナノテクに力を入れている。これは国がかなりリードをして民間がついてきているというような今、構図ですけれども、非常に危機感を持っております。
    したがって、ナノテク材料というのは基盤技術ですので、そのインフラ部分を少し遅いぐらいだと思うのですけれども、これから早急に強化していただくというのは当たり前だと思いますし、それから、ナノテク材料の出口がなかなか見えないということが3期においてナノテクになかなかお金がつきにくい原因だったと思うのですが、ようやく幾つかの分野で出口も見えてきているということで、特にナノ材料の標準化とか安全対応についてはここで手を抜くと、今までの苦労がむだになって、ほかの国がつくった基準に我々が従わなければいけないというようなことがあり得ますので、ここはしっかりやっていただきたいと思いますし、一番最初に川合先生がおっしゃられたとおり、ナノテクというのは非常に広いので、今後、やはり1つのキーワードとしてグリーンナノテクというような形で重点分野をそういった分野に導いていくというようなことも必要なのかなと思います。
    それから、3番目は、前回も申し上げたのですが、最初に申し上げた国際競争力強化にも関係するのですけれども、エネルギーと環境を1つにまとめるというのは大賛成なんですが、何か水とかいう言葉を入れた方が、4期というのは世界的に水というのが非常に重要になってくるような気がしまして、もうその中に入っているよということなんでしょうけれども、水という言葉を入れてもいいぐらいではないかなと思います。
  • 新名委員
    環境・エネルギーに関連して、バイオ、特に植物バイオの立場から1つコメント申し上げます。
    地球温暖化防止のためにいろんな太陽光発電、あるいは風力、あるいは先ほど来、省エネ技術、随分頑張っておられますけれども、それをやったといっても、化石燃料の消費が少し減るだけであって、出てしまった炭酸ガスはどうしようもないわけです。あるいは最近、バイオ燃料、エタノールとか、バイオディーゼルはカーボンニュートラルといいますけれども、これはあくまでもニュートラルであって、植物が固定したCO 2をまた燃やすので、差し引き同じですけれども、出てしまったCO 2は変わらない。ということは、多分我が国は、E3、エタノールをガソリンに3%まぜるのがようやく始まっていますが97%はガソリンを燃やすわけですね。ということは、多分2050年の大気中のCO 2が500ppmというのがそんなに間違った数字でないと思います。
    ということは、出てしまったCO 2をいかに固定するかということなんですよ。CO 2 を膜で濃縮して地中に埋め込むというプロジェクトがありますが、果たしてこれからまだ石油をばんばん燃やして、それをまたそういう操作で埋め込むというのは現実的かどうかと私は非常に疑問に思っています。
    ところがよく皆さん、過去30年、100年の大気中のCO 2の変動のグラフを見られたときに、1年の内容を詳しく見ますと、のこぎり状に上がってきているわけです。あれは夏場は植物が光合成を活発にしますからCO 2は固定される。冬場また上がってくる、そういう繰り返しなんですよ。ということは、植物はCO 2を固定するのですよ、はっきり言うと。
    現に地球上の植物のバイオマスは90%は樹木ですけれども、炭素に換算して6,500億トン貯留しています。ところが一方で、今、残っている石油を全部燃やしても出るCO 2の炭素量としては1,200億トンぐらいのはずです。植物が蓄えているものの5分の1なんです。
    ということは、植物を多分2割増産すれば全部吸収するのですよ。そういう意味で、私たちはNEDOの植物のプロジェクトで10年ほどやらせてもらっています。ではどうして植物をふやすかということなんですけれども、例えば酸性土壌で育つユーカリとか、あるいは塩類集積地で育つユーカリができているのです。地球上の約40%の陸地に植物がいるわけですね、農耕地、あるいは森林です。ところが残り60%は砂漠、乾燥地、あるいはもちろん高山、氷河なわけです。農耕地は大体陸地の12~13%なんですけれども、そこでも40%以上が酸性土壌で使いにくい。あるいはアルカリ土壌、塩類集積、乾燥化の進行ということで、遺伝子組換え植物をうまく使えば、そういうところをフルに使えますし、陸地の3割を占めている乾燥地、今、ブッシュが繁っているところ、そこにも植物が育つはずなんです。
    そういうことで、ぜひとも植物のバイオマスを増産、特に樹木の増産ということをやはり積極的にやっていけば、私はCO 2は減らせると思っています。ただ問題は、やはりパブリック・アセプタンス、我が国、なかなか遺伝子組換え植物が認知されない。それが非常に我々の悩みなんですけれども、そういうことで植物をふやせばCO 2が下がりますよという視点をぜひとも加えていただければありがたいと思います。
  • 岡島委員代理
    重点領域の中の5ページ目、(a)低炭素社会の取り込み、これは我々ずっとこの問題に取り組んでおりまして、昨今、急にこれにスポットライトが当たってきました。
    この中で我々気をつけたいなと思っていますのは、気をつけたいなというか、バブルに終わってほしくないな。はやり、アメリカであったり、欧米であったり、世界中が急にこれに向いたからといって、短期的な成果が出る、どうなんでしょうか、短期的な目標に向かってだけ集中的に投資をされたくないなというのが思いとしてあります。
    それを実現するにあたっては、7ページ目、知識ベースによる重点化戦略、ここでしっかり長期的なスパンでいかに基盤を強化していくかというところも重要なんですけれども、例えば環境・エネルギー戦略の中のどの分野にどれだけ投資をすれば、どれぐらいの時間スパンで効果が上がってくるかというのをしっかり目利きをして、その中の例えば太陽光発電なり、燃料電池なり、蓄電池なり、そういう配分を総合的に時間スパンも入れながら配分を決めていっていただきたいなと。目利き能力が重要かなと思います。
    あともう1つ、研究開発の基盤を強化するというところで、研究拠点を形成したり、あるいは人材育成が重要であるということ、皆さん、おっしゃっていらっしゃいます。ぜひここのところは文科省としっかり連携を取って進めていっていただきたいなと思います。
  • 川合委員
    土井さんに対する質問です。
    これは非常に重要なことで、きょう、さっき前回、欠席した阿部委員やほかの人から、アジアの人材、海外の人材という話が出ましたね。覚えていらっしゃると思う。これは第1回目にも私自身も申し上げましたし、実は前の西尾委員長のときも意見があって、僕だけでなくて、橋本委員長も。これは4期の重要なこと、だけどやはり明示をあんまりされてないのですね。これが続くと、今回、欠席した委員がまた同じことを聞くのではないか。
    これは多分理由があると思うのです。今までもどうも経産省としては、やはり国のお金なので、あんまり外国のというのにはちょっと、というふうな、そういうのを感じるのですが、これはきょうもたくさん出たように、すごく重要な意見でもありますし、ちょっとその対応を今後もまだ書かれないつもりなのか、それとも少しは今後ちょっと心を入れかわるのか教えてください。
  • 土井研究開発課長
    心はもう入れかわっておりますので、次回の議題に入れます。研究開発マネジメントというか、エコシステムというか、そういうところで不可欠な要素なので扱います。
  • 川合委員
    そうですね。そうしないと、委員の人はせっかく出てきて、あれだけ言って、取り込んでいただかないと、非常に重要だと思いますので。
  • 土井研究開発課長
    最終報告に盛り込みます。
  • 田井委員
    今、川合先生が言われたので、私は言わなくてもいいかなと思っているのですが、実を言うと、最初、内需だけではだめだよとだけしか言わなかったので、きょうの目的には全然合致しないことしか言わなかったのですが、私はやはり日本の単なる垂直構造で仕事をして輸出するということではなくて、外国の力も使って、それで世界一になって、日本の商品か、サービスを売っていくという構造をつくっていかないと、流れがある構造をつくっていかないといけないな、それでそういうことを言いました。
    現実に、清華大学の人とかと一緒に仕事をさせていただいています。大変優秀です。何年か前、10年か前はそれほど感じなかったのですけれども、今は大変優秀でありまして、はっきり言って中国の場合は、学科というか、コースで中国中の順位がついていますので、私のところは2番だとか、5番だとか、8番だとかありまして、そこから来た生徒はやはり優秀です。やる気もあるし、そういう人と日本が組んで一緒にやると、もう日本へ行って聞くことなんかないよと言われるぐらいすごいものをやってくれるので、我々は安心して商品を出すことができるというような構造が中国でも、インドでも、いろんなところで起きてくると思うのです。
    ソフトウェア、インドのIITほど中国清華大学、高くないのではないかといっても、今はレベルがものすごく高くなっているし、本当にうかうかしていると、日本の大学は、ということになる。
    私が言いたかったのは、やはり基盤となることというのは人材ですね。その上に応用の事業があるわけですね。これのうまい関係がないと、日本全体がうまくいかなくて、総合科学技術会議の中でも議論があるのですけれども。やはりですから、ぜひ何かさっきの久間さんではないのですけれども、こういう分野をやらなければいけないとなったら、そこのところはぜひ大学の人材とうまく経産省とがタイアップできるような形でやっていただけるととてもありがたいなと思います。
    それから、民間の立場としては、宮部さんが言われたことと全く同じようなイメージでおりますので、分野と時間軸の議論をして、やはりここでつくったロードマップがほかの日本の全体の指針になるようにしたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 阿部委員
    先ほど産学連携のところでちょっと言い忘れたのですけれども、基礎研究は大学、応用研究は企業、こういう分け方は非常におかしいと思うのです。我々のカーボンファイバーの例をとりますと、これは大阪工業試験場の進藤博士の発明をベースに東レが1961年に研究を開始して、10年間かかって1971年から生産を開始した。それが今、ようやくここに来て、半世紀近くなってボーイング787に使われる、あるいは風車に使われる、そういう産業になっています。これは日本の企業が3社でワールドワイド70%のシェアを持っている。では本当に進藤博士のインベンションだけで今の産業ができたのかというと、そうではありませんで、やはり我々の基礎研究、企業での基礎研究といいますか、それが重要であったと思います。たとえば、最初のカーボンファイバーというのは非常に弱かったのですね。それが今でいうナノテクの技術だと思うのですけれども、技術の極限追求の基礎研究によって、強度が3倍か4倍になって、ようやく飛行機に使えるようになったわけです。すばらしいインベンションを、経済効果を伴うイノベーションにつなげるための基礎研究にも、そういう地道な基礎研究にも注目していただいて、資源配分をいただきたいと考えております。
  • 橋本委員長
    ではここでちょうど時間ですので閉めさせていただきたいと思います。
    今回の議論は、第4期に向けた資源配分論の各論だったわけですが、お気づき、今の御説明からありましたように、今回の出し方としての今の議論は、どこの分野が重要だということではなくて、出口の方で、どういう社会が重要だということを出して、それに向けていろんな分野を拾いあげていくという、そういう構成に大きく枠組を変えようというのが案として出てきているのだと理解いたします。
    それは非常に私は賛成なんですが、1つ重要なのは、やはりどうやって日本が、幾つか議論がありましたけれども、20年後、あるいはもっと近いのかもわかりませんけれども、日本は国としてどうやってかせいでいくのかということをやはり議論をかなり明確にしながらしていく必要があると思うのです。それをやはりこの中に入れ込んでおかないと抽象論で終わってしまうのかなという気がいたしました。
    それでそれには今、幾つか議論がありました時間軸を入れた議論をしっかり入れていく。そういうメカニズムをこの4期の中に入れておかないといけないということを強く思っております。
    もう1点、これも幾つか出たのですが、そのときに、こういういろんな成果をサイエンティフィックに、あるいは技術的な成果を目標に持っていく、製品、あるいは産業に持っていくというときに、トランスレーショナルな人材が不足ということがもうこれは明確にわかっているわけですし、それを育てなければいけない。育てるのは大変重要なんですが、一方で、私はあちこちで申し上げているのですが、私は基礎研究側の方の人材をある程度知っているのですけれども、優秀な人材はかなりいるのですね。多分出口側の方にもたくさん優秀な人材がいるのだと思うのですね。そういう優秀な人材をここのトランスレーショナルなところに引き込むような政策、これはそれによってまた人材も育つでしょうから、そういうことを、優秀な人材をトランスレーショナルなところに引き込むということが第4期の非常に大きな課題ではないかなと思っておりまして、最後、私の感想として述べさせていただきたいと思います。
    予定の時間が近づいてまいりましたので、本日はこの辺で議論を終了させていただきます。

3.その他

土井研究開発課長より、次回の開催日時等について連絡。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月11日
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