経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第27回)‐議事録

日時:平成21年4月27日(月)16時~18時30分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

1.研究開発のマネジメントのあり方

(1)基礎研究の推進のあり方
(2)公的研究機関のあり方
(3)ナショナル・プロジェクトのあり方
(4)国際化への対応のあり方

2.研究開発人材の育成のあり方

3.日本のイノベーション・エコシステムの現状と課題

議事概要

・土井研究開発課長より資料4,5-1に基づき説明
・伊藤委員より資料5-2に基づき説明
・土井研究開発課長より資料6-1に基づき説明
・上原委員より資料6-2に基づき説明
・福田研究開発課企画官より資料7、資料8に基づき説明
・土井研究開発課長より資料9に基づき説明

  • 橋本委員長
    膨大な資料だったわけですけれど、やはり時間がかかり過ぎておりまして、短くなってしまいますが、すぐ討議に入らせていただきたいと思います。
    時間が短いので、本日につきましても議事終了後に追加的な御意見がおありの場合はいただきますので、次回までにメモの形で事務局のほうに伝えていただければと思います。
  • 前田委員
    3点ほどございます。
    まず1点目ですが、資料7について、「公的資金による研究開発のフェーズに応じた国際化のあり方について」ですが、本学、東京医科歯科大学の例を挙げさせていただきますと、先生から発明が出てきた場合、大学でその特許を預かるかどうか、特許を出すかどうかをプレマーケティングして判断をします。その際、日本の企業をまずプレマーケティングして、日本をまず見て、なかなかいいお話がなかった場合に、海外へ目を向けるというようなことがよく行われております。当然国立大学で国の予算をたくさん使っているということもありますので、まず日本の企業さんに貢献できればということでやっております。
    ただ、ライフサイエンス分野はどうしても治験に大変時間がかかりますので、今やっております人工心臓の共同研究等は海外の、ドイツの企業とやらせていただいたりしております。海外に出すことによって、海外で承認されて、それを逆輸入的に日本でも、じゃあ認められるねという形に持っていくという方法がありますので、そのような形で国内、国外を優先順位づけして、海外にも持っていっているというようなことを行わせていただいております。
    次に、資料5-1について、「プロデュース人材の育成」というのが15ページにあると思うのですけれど、プロデュース人材の育成というのは当然人材育成、大事なのですけれど、何よりも雇用の安定化が整わないと、そこでドクターを取られた方とかが安心してこういう人材になっていただけないということで、雇用の安定化がとても大事だと思います。それに伴って、プロデュース人材とか、イノベーション人材の育成というのは、知的財産本部など、よくいろいろなところでお話しさせていただくのですが、企業と大学、両方見ておりますので、こういうところでのインターンシップなど価値が高いのではないかというふうに思っております。以上です。
  • 谷田部委員
    全般的な話というより、最後に御説明のあったイノベーション・エコシステムというのは大変おもしろさを感じたのですけれども、日本の弱みというところを強化するための処方せんとして一応あるのですけれども、しかもこういう研究開発小委員会のようなたくさんの人材、優秀な人材が集まって検討している部分があるのですが、大学の研究などでも海外から一線の研究者を連れてきて、それで研究を推進させるというようなことがよく行われているわけですけれども、大戦略とか、基本的な戦略を練るときに、今、行政にも一部外国の方が来ていますけれども、そういったプロのマネジメントができる人材を海外から連れてきて、システムを基本的に日本人の発想から変えていくとか、そのぐらいのことをどんどん積極的にやる部分もあっていいのではないかと。特にベンチャービジネスを立ち上げるとか、そういったところに海外の力を、洋魂和才というか、そういった形で取り入れることが必要なのではないかなということを印象的に感じました。
    それから、資料8で、理工系に進学する人間が減っていると。一方で理科離れを防ぐために楽しさを教えようというような御説明があったのですけれども、この辺、すごく裏腹のことだと思うんですね。理科が楽しいと感じて、実際やると大変なんですね。理工系に進むと、遊ぶ時間もないし、バイトの時間もないというようなことになってしまって、むしろ教えるべきことは理科を学ぶことの大変さと楽しみみたいな、遊びではないというところをもっと強調して教えていかないと将来につながってこないのではないかと。そういったところも考慮していただきたいなと思いました。
  • 西島委員
    ライフサイエンス系方面の産官学関連の話題として2点あります。
    1つは、産官学連携を前提としたナショナル・プロジェクトに参加する場合ですけれども、やはり産業界から見ると、官学が余りにも出口を意識して、少し小ぢんまりしているかなとの印象です。やはり10年間に渡って取り組むとか、一企業が取り組むにはリスクが高いとか、あまりに基礎過ぎるとか、あるいは緻密、かつ地道にやるような研究分野で官学にはしっかり取り組んでいただきたい。そういう重要な官学の意識・動向については産業界がきっちりキャッチすると思います。一方において、本当に産業界を意識するのであるならば、テーマの採択時点から産業界の意見を聞かないと、全く的外れのことをやっていくことになると思います。個人的な感想ですが、日本の場合には、こういう採択とか、評価システムとか、評価側の質が少し劣っているというか、その辺がおかしいのではないかと感じることがあります。つまり、一流の研究に対して二流の評価をしているのではないかということを危惧すべきと思います。
    もう1点は、私も産官学の連携に関わることをいろいろ推進・支援した中で何をやってもある程度は成功したなという気がするのは、大規模共用研究基盤の提供、例えばSPring-8、スパコン、J-PARC等です。この種の大規模先端施設は民間レベルでは保有していないので、とにかく使いたいという希望から、多少使い勝手が悪くても、何とか利用する体制構築が優先します。
    ここで一番私が問題だと思うのは、日本はSpring-8にしても、J-PARCにしても、スパコン、あるいはNMR、恐らく一国としてはかなり恵まれた施設を持っていると思います。例えばアメリカとかヨーロッパでは共同体で使っていますね。アジアを代表する日本は一国で保有しています。ところが、その大規模施設を支えるスタッフにあまりに余裕がない。このスタッフの人材確保が重要です。我が国が単独で保有しているという機会を本当に活かしつつ、最先端施設を維持して、しかもサービス精神を持って企業に使ってもらおうとするスタッフの教育体制・人材確保が欠けていると思います。以上です。
  • 川上委員
    京都大学の川上です。
    私も3点あるのですが、1点目が、ここは文部科学省ではないので、余り言っていいのかわからないのですけれども、大学の分野名というか、例えば何々講座の教授が退官したら、その講座の後任教授人事をやるのですけれども、こういった人の分野があるから、例えばA講座という名前の学問があるから、A講座の次の教授を探そうというのは非常に時代遅れで、アメリカでは、例えばそのようなポストの後任人事をするわけではなくて、どういうような学問分野がそこに欲しいか、大学として必要かというふうに持ってこなければならないのです。また、科研費細目にも時代遅れになっているものもあり、今本当に必要な分野というものはどこかというのは細目をつけることで今後必要な研究領域を研究者に対して明らかにする。啓発しないと、その分野の研究者は育ちません。
    2点目が、オープンソースの話なのですけれども、例えば医薬品、医療の分野ですと、大学で幾ら基礎研究をしても、それを上に持ち上げるための非臨床試験(プレクリニカルスタディ)というのがあるのですが、そういったところを公的な場所で行うようなこと、日本ではどこにも場所がありません。こういうところを何らかの形で担っていただけるようなころが、AISTかどうかわかりませんけれども、あるといいなと思っています。
    関連して、日本は、VCとかエンゼルが少なく投資額も小さいですから、ぜひ一般の企業が社内ベンチャーをつくることが、例えば産総研の出口とか、大学との共同研究の出口にする。もしうまくいくのであれば、それはスピンオフ、独立して、社員による当該新規企業の株式買収みたいなことができるようなことに対して経産省が助成してあげますとか、ということをやっていただきたいと思っています。
    3点目が、私自身の経験からも、海外に人が流出していくというのは避けられないことがあることはあるんです。ただ、18歳のときに子供たちが医学部に入る。医学部に入った瞬間に将来医者にしかなれない。日本の医療を支えるために。27万7000しか医者はいませんから。というのは非常にもったいないのですね。つまり、偏差値が高いから医者になる。ところが、医者になると、もう全然他の社会を見られないまま一生過ごします。ですから、マルチタレントを育てるために、海外で外貨を稼いだりとか、行政の携わってもいいですし、そういうような人を育てる。そういうものを奨励する。別に帰る場所を与えなくても僕はいいと思うんですけれども、優秀な人は戻ってきます、それは問題ない。そういうことをちゃんと考えていかなければいけないのではないか、ということを思います。つまり、大学が人材の吹きだまりになってはいけなくて、本来、大学というのは研究して人材を輩出するところですから、履き違えるとろくな人が大学に来ないということで、そこを考えていただければと思います。
  • 久間委員
    今日いろいろと資料を読ませていただきまして、それぞれの資料、もっともだなと思います。こういった資料をベースにして、ナショナル・プロジェクトを再構築すればいいと思うんです。しかし、これまでのナショナル・プロジェクトでもこういった枠組みは多分きれいにできていたと思います。プロジェクトを成功させるには、枠組みプラス、オペレーションが大切です。特に、オペレーションをいかにするかということが大問題で、その中で省庁によってオペレーションの仕方というのは違いますね。例えば経産省は日本の産業競争力をいかに強くするか、それがまず基本にあるべきです。文科省は将来の産業競争力強化に責任がありますが、一部は大学人の興味も重視しなくてはいけない。そういっためり張りをつけたオペレーションの仕組みをつくるのが必要です。
    もう一つ重要なことは、それぞれの分野にどうリソースを配分するか、短期、中期、長期という時間軸でどう配分するか。それから、テーマごとで先ほどホームランをねらわなくてはいけないと言いましたけれど、ホームランをねらうテーマと、ヒットをねらうテーマがあるんですね、それぞれの分野で。それらにどういうふうにリソース配分するか。もう1つ、リーダーですね。リーダーの役割がものすごく大切で、大学の先生がリーダーをやるのが適切なテーマもあるし、企業の人、国研の人が適切なテーマもある。最適な人をリーダーに持ってくることが大切です。こういったところのバランスとテーマとを選ぶセンス、リーダーの質、成果の評価、これらをどうするか。こういったところのオペレーションの仕組みをしっかりつくっていく必要があります。多分一朝一夕ではできないと思うんですけれどね。何年かかけて、学習効果を使いながら、いい仕組みをつくればいいのではないかと思います。
  • 夏梅委員
    2点ばかり。
    1点は、今回非常にいい指摘があったなと思うのはプロデューサー。私は、イノベーションというのが今議論になっているのですけれども、いわゆる技術革新というと、イノベーションと一体化されているような気がするのですが、実はイノベーションというのは、市場と技術を結びつけて、大事なことは経済価値を生み出すということで、ですから技術と出口を結びつけて、経済価値を生み出す活動をしていく。実際それを推進するのがプロデューサーかなということになると思います。ですから、我々企業においてもここら辺非常に悩んでいるところでもあるのですが、実は国際競争力を勝ち抜いていくとなると、ここの人材が欠かせない。だから、逆に言うと、この指摘がございましたので、これをどういう具合に具体化していくか。人材育成をどういう具合につくっていくかということがもう少し深められると非常にいいかなということでございます。
    言いたいのは、コーディネーターとはちょっと違う。要するにマーケット、市場創生とか市場形成力ということと、それをつくるために技術をどういう具合マネージしていくか。これを一体化してプロデュースしていくという立場ですから、単なる技術と市場の部門をつなぎ合わせるというようなコーディネーターとは全く違うものだと思っております。
    もう1ついいなと思ったのは、死の谷を超えるために、大事なことは、こういうところは余り議論されてこなかったなと思うんですが、実証だとか、こういうところを国の機関でもかなり力を入れていく。これは非常に重要なことでして、実は新しい発明発見があったとしても、それを経済価値に結びつけるということになると、かなり品質とかコストとか安全とか、こういったところをつくっていかなければいけない。ここら辺のところにはかなりいろんな分野の人が参画して、あるいはエンジニアも参画してやらないと、実証ができないということで、特定の人間だけではできないところがございまして、ここら辺がこういう指摘があって、ここら辺のところをかなり強化していくということでございますので、これを具現化していくということで取り組んでいただけたらという要望であります。
  • 射場委員
    1点だけですけれど、今日は研究開発のマネジメントという議題だと思います。私はトヨタで10年ぐらい研究のマネジメントをずっとしてきまして、何を言われたら一番厳しいかというと、研究成果なり、その成果の評価をどうするかというところが、経験からいって一番厳しかった。そういう視点からいくと、今日は幾つかの事例は、NEDOさんも産総研さんも紹介していただいたのですけれど、その成果の評価、例えば費用対効果がどうであったとか、成果の定量的評価がどうだというふうな話が余りなかったのかなと。何回も企業からの声ということで途中に出てきましたけれど、ホームランを打つ研究をしてほしい。だけど、ホームランは見えないわけですね、まだ。ホームランを打つために筋力トレーニングしていたり、動体視力のトレーニングをしていたりしていることも評価するような、そういう仕組みを研究開発課のほうで考えていただくと、何か長期的な基礎研究でも伸び伸びやれる環境になるのではないかなと思います。以上です。
  • 安宅委員
    伊藤委員の使われた資料の3ページ目で「産総研に対する期待」というところと、土井課長の御説明があった「ナショナル・プロジェクトのあり方について」の1ページ目をあわせて一言だけ申し上げたいと思います。
    「産総研に対する期待1」というのをどう読むかということで、私なりに読んでみますと、短期的で製品化研究のところの象限のところに少し厚くプロットがあるというのと、長期的で基礎的なところにプロットが少し厚くあるということをどう考えるかなのですが、第2象限の短期的、製品化研究のところは、企業にしてみると、見えるけれども、資源がないのでお願いしたいというふうに見える。それから、4象限目の長期的研究で基礎的研究のところは将来が見えないので、だからやっておいてほしい。何が必要かわからなので、やっておいてほしいというふうに見える。
    それから、土井課長から御説明があった資料6-1の「ナショナル・プロジェクトのあり方について」ということで、経済的意義だけでは研究開発投資はそれこそ先ほどの評価はできないのではないかというお話がありましたけれど、まさにそのとおりで、逆にナショナル・プロジェクトでは経済的な価値だけではなく、国として意義、社会的な価値があるとか、科学技術的な価値でもいいのですが、そういった尺度をもう少しきちっと、逆にこういったことは日本国として必要だということを全面に出してやるというようなことがあると非常に産業界も助かるのではないかと。それは先ほどの伊藤委員の第4象限の話ともつながるのではないかと。そういうふうに感じました。以上です。
  • 淺間委員
    少しダブるかもしれませんが、まず、資料6-1の「ナショナル・プロジェクトのあり方について」に関しては、まず国がやるべき話として攻めと守りというのがあると思うんですね。攻めというのはいわゆる新たな価値創造であるとか、イノベーションであるとか、これに関する評価というのはさんざん今議論されているのですが、もう一方で、ビジネスになりにくいのだけれども、国としてやらないといけない話、安全・安心であるとか、そういうものに関する枠組みは重要で、こっちに関しての評価となるとますます難しいのではないか。そこはやはりもう少し考える必要があるのかなと思いました。
    それから、資料6-1でちょろっとだけ書いてあるのですが、標準化、これは非常に国家戦略としては重要で、現在もISOとかOMGの会議とか出ていますと、企業から出てこられている方がボランティア的、あるいは時には手弁当的に頑張っておられて、企業のために利益があるからということでやっているのですが、やはり各企業での戦略だけではなくて、国家戦略として標準をとりにいくということに関して投資をすべきではないかと考えます。
    それから、投資に関して、いわゆる研究開発に対する投資だけではなくて、研究開発されたプロダクトというのでしょうか、そういうものをむしろ買い取るであるとか、補助金を出すとか、そういう出口方向に投資をするというのも、例えば参画する企業にとってはそれが売れるということをある程度見通した上で研究開発ができるという上で非常に有効なのではないかと思いました。
    それから、資料6-2に関して言うと、これはNEDOさんの投資の話なのですが、ここは極めて研究開発を方向づける意味で重要な部分だというふうに考えます。ですから、ここに関してはいわゆる研究開発の進行に伴った柔軟性であるとか、評価の仕方のあり方を制度自身全体をもう1回評価するような枠組みというのがあってもいいかなというふうに思いました。
    最後に、人材育成なのですが、私は理工系離れの原因というのは非常に簡単で、インセンティブがわかないからだというふうに思っています。どんなに理系が好きで、理科に精通した知識を持った学生も、どうしても優秀な学生ほど先が見えてしまうので、外資系の証券会社に行ったりするケースが非常に多く見受けられて、そういう意味では明るい将来、例えば待遇であるとか、インセンティブ、そういうものを改善するような国策というのが必要であるかなと思いました。
    特に基礎研究をビジネスにつなげるような話に関しても、教員の教育というのは非常に重要だと思います。これは好きな研究だけやって、特許を出すというのは大体使えない特許になってしまうケースが多くて、やはりビジネスを知っている人がむしろどういうふうに特許を出すべきかというような教育をするであるとか、コーディネーターもいわゆるコーディネーターとしての教育だけではなくて、研究の現場も知っているようなコーディネーターを出すというような方策が重要だと考えました。以上です。
  • 荒川委員
    それでは、人材育成に関して2点ほどですが、私は男女共同参画の仕事をしていまして、やはり女性研究者がこれだけ少ないというのは、国際的に見て余りにも不自然でございます。産業ニーズの半分は女性が発すると考えているわけですから、他国と比較して余り見劣りしないように。私の知る資料では最近では韓国に追い抜かれているという説がありますので、もう少し頑張っていただきたいと思います。特に大学が多いのは文部科学省さんが中心になって数値目標を決めてくださっているのですが、企業が意外と少ない。これは採用は多いのですけれど、就職した後の待遇がいろいろ悪くて、やめていく人が多いのではないかと思いますので、そこら辺、改善していただけたらと思います。
    あと1点、理工系離れで、算数、理科、最近情報という科目が高校で必修になっていますが、あれが技術課程の部類に入っていまして、パソコンでワープロの仕方を教えるという、それが情報というようなイメージを全高校生に持たれていますので、そこら辺の改善もお願いできたらと思います。以上です。
  • 横山委員
    私もNEDOの技術委員会とか、採択委員会、それから先日、ここにおられる堤先生が企画された日本が世界をリードしている蓄電池関係のシンポジウムに参加したのですけれども、そういうところでいろいろな方にお聞きしますと、私自身も感じていることなのですけれど、同じ分野の人がずっと同じ研究をしていて、同じようなプロジェクトにずっとかかわっていると、なかなか革新的なブレークスルーが出てこない。だから、違う分野の人がそのプロジェクトに入り込む仕組みというのが大事なんだというのをよく言われる。私もまさにそのとおりだと思うんですけれども、私の大学でも新領域創成科学研究科というのが柏キャンパスにできまして、私も一昨年4月に先端エネルギー工学専攻というところに電気系工学専攻から移ったのですけれども、そこでは航空の先生、核融合の先生、そして電気の先生などが入りまじっていろいろ刺激し合うという、1年たってようやく私もその意味がわかってきました。確かに資料では異分野、異業種の融合というのは書いてありますけれども、なかなか制度としてそういうところがうまく機能していないのではないかと思いますので、ぜひその辺、有効的な仕組みというのが必要ではないかという気がいたしました。
    それから、もう1つは、国際化のあり方で、日本では市場が小さくても、海外では市場が非常に大きなもので、日本が基本技術を持っていてそれをもう少し発展させたら使えるものがあり、経産省のプロジェクトなどを見て思うのですけれども、そういうものは国家プロジェクトとしてやりにくいというのがあります。ですから、市場が日本では小さくても、海外で大きなものというのをぜひ国家プロジェクトでも取り上げられるような仕組みというのが、この資料7にちゃんと書いてありますので、ぜひその辺をお願いしたいと思います。
    現在オバマ大統領の打ち出しているグリーン・ニューディール政策等で賢いグリッド、スマートグリッドで日米協力しなければいけない段階にあると思うんですけれども、まさに資料7の競争段階の技術の国際協力ということで、国研やNEDOさんが、また企業さんが、これからどうアメリカと協力していくのか。これがいい試金石になるのではないかと、私は傍らで見ておりまして、ぜひこの辺うまくやっていただければなと思っております。以上でございます。
  • 上原委員
    先ほどから評価に関するコメントを幾つかいただいておりますので、NEDOが現在行っております研究評価の評価軸といいますか、どういう物差しで見ているかということを御説明させていただきたいと思います。
    まず標準的な評価項目は事業の位置づけと必要性、そもそもこれは社会に役に立つ制度、プロジェクトであったのかどうかというのがまず1つ。これは国のプロジェクトということで、そういうような評価項目がつきます。
    それから、研究開発の管理がうまくいったのか。産学連携等でやっておりますので、そういう複合体での研究がうまくいったかどうかというのが2つ目の評価項目。
    3つ目の評価項目は研究開発成果そのものです。立派な成果がありましたかどうかということですね。
    それから、もう1つは、実用化・事業化の見通しはどうか。それがうたっている、うたっていないというところで評価がされる。
    ということで、この4つについてそれぞれ点数をつけて、合計した結果が総合評点というふうになっているわけでございます。
    さらに、事後評価、最終評価におきましては、成果の項目のところで、世界初、もしくは世界最高水準の成果が出ているかどうかということをチェックする項目を設けています。
    それから、事業化に関しましては、事業化の見通しが特に明確であるということも評価の対象となっております。
    簡単でございますけれど、追加して御説明いたしました。
  • 田井委員
    たくさんのことを言われたので、私は言っても仕方がないこともたくさんありますので、言わないのですけれども、でも、一番大事なことはやっぱり人材だと思うんですよね。何だかんだ言っていても、毎年毎年新しい人が入ってくるのですけれども、何だか知らないけれど、教育する人がたくさん増えて、教育する人も増えて、教育される人も増えて、本当にいいのかいなと思っているのですが、もう24~25歳になって教育なんかしたって何の役に立つのかと、はっきり言うと私なんか思うんですけれども、それまでにできちゃっているわけですね。例えば非常に理科の嫌いなお母さんに育てられた子供たちが、そんなに楽しく理科の分野に来てくれるだろうか。今日も人材のところでありましたけれど、ドクター取りながら、MBAも取れなんていうような、そんな難しいところに喜んで、楽しくいくだろうかというふうに私なんか思うんですね。もっと楽しく、私たちもそういうふうに努力はしていますけれども、会社の中でももっと研究者である人は研究者らしくがんがんやれと。やってくれと。そんな余計なこと考えるなと。ただ、マネジメントをやれる人はそういうふうにしますよ。だけど、そうでない人に、例えば裁判所に、おまえ、政治やれと言っているようなものですよね。だからだんだんおかしくなってきているのではないかと思うんです。いろんなことを要求するものだから何をしていいかわからない。
    むしろ専門家っぽく、この人は頑張るのだと。隣にマネジメントやる人がいればいいわけですよ。大学の先生でも本当に研究する人に特許を書けなんて言う必要ないわけですよ。その先生は一生懸命研究されて、隣に特許を書く人なり何なりがいればいいわけですよね。何もかもやらせてしまうからおかしくなっているのではないかと思うんですね。
    AISTさんなどもすごく努力されているのだけれど、さっきの企業の要望なんてめちゃくちゃですよね。4象限に全部わたっているわけですからね。かつて我々が、うちも今赤字ですけれども、要するに全体でどこに向かっていいかわからないような総合電機やっているのと同じになっちゃうわけですね。
    だから、もう少し、方向はきっちり決めて、そのかわりそれをみんなで頑張ってちょうだいよというふうな形にしていかないと、おまえ、特許が足りない、おまえ、人が足りないよと、そればっかりやっていると育たないのじゃないかと思うんですね。
    1つだけお願いしたいのは、僕らもNEDOさんには随分お世話になって、あそこはどうしてそういうふうにスムーズにいくのかなとちょっと今考えていたのですけれども、やはり自分で余り持つものをこだわらないで、どんどん取り入れちゃうからかなというふうに思うんですね。AISTさんの場合はすごくいい人がたくさん中にいるものだから、結構こだわっちゃうんじゃないかなという気がしましてですね。むしろその技術をもっともっとオープンに出していただければ、もちろん公開何とかとかいろいろあると思いますけれど、現実にいらっしゃる方が本当にどこからどこまでどういう研究をされているかというのはなかなかわかりません。本当は知りたいなというふうに思って、前に伊藤さんともお話ししたことがあるのですけれども、現実にはなかなかとりにいく時間がないというのがあるのですけれども、もっともっとコミュニケーションしたいんですけれどね。なかなかできないというような状況がありまして、依頼研究もらうからいいんだとか、そういうことじゃない形にしていただければすごく知の資産が生きるのではないかなと思うんですね。もう少し研究所は研究所らしく、大学は大学らしく頑張ってほしいなと。
  • 堤委員
    2点ほどあります。
    第1点が、基盤的資金と競争的資金の関係で、ナショナル・プロジェクトのあり方にも関係するのですが、1つの冗談話みたいなのですけれど、数年前まで燃料電池一色でした。ところが、今どういうふうになっているかというと、電池に移っているんですね。燃料電池をやっていた企業の人はほとんどが今電池関係に移っています。数年前、電池は重要ですよという話をしたら、何を言っているんですか、電池はこれからは全部燃料電池になるんですと。こういう話を某何とか省の人から言われたことがあるんですけれど、実際そういうふうに動いている。
    よく考えると、研究者も実は大学の研究者はちょっとおくれていくんですが、企業のほうがまず移っている。やっている人は同じなんですね。大学のほうも、あるときは燃料電池でお金をもらい、あるときは電池でお金をもらいと、こういうことは簡単にできる。要するにそんなに私たちは人材は豊富ではなくて、その都度合わせているというのが実は実態です。要は燃料電池か電池かという話ではなくて、基本はそれにつながっている共通基盤といいますか、技術の本質があって、それは電気科学のあれですが、そういったものを含んだものですね。
    何が言いたいかというと、エネルギーに関してはリードタイムが長いんですね。それと素材とを一緒に考えるとちょっとミスマッチが起こるのではないかと。例えば20年、30年かかるのは当然で、とはいうものの、こういう技術を開発しなくてはいけないという大目標は厳然としてあって、そこをどううまく基盤的資金と競争的資金をマッチングさせるか。それはナショナル・プロジェクトのあり方をどう組むかというところに物すごく神経を使うといいますか、頭を使わなくてはいけない点ではないかなというのが1点です。
    もう1点は、人材育成ですけれども、我が国は何といっても1億しかいないわけですね。要するに2%です。その中で、アメリカ、ヨーロッパに対抗していくとすれば、これも前から言っていますけれど、アジアの中で、アジア大で考えざるを得ない。だから、人材育成も研究者の数とか、それも含めて、アジアの枠組みで考える。アジアの中で教育もやり、例えば留学生を引き受けたり、また帰っていく。その人たちがまた一緒に現地、あるいはまた日本に帰ってきて一緒に研究開発をやるような体制というのをちゃんと考える必要があるのではないかと思います。以上です。
  • 伊藤委員
    先ほど田井委員から大変率直な御意見をいただいて、いや、そのとおりだなと思ったのですけれど、それで2点申し上げたいのですが、1つは、こういうオープンイノベーションを議論するときに、プレーヤーとして、いつもやり玉に上がるのが大学とか国研のビヘービアがどうのこうのということがあるのですけれど、一番大事なのは、企業のまさに経営の問題だろうと思うんですね。そのときに、先ほど安宅委員の話もありましたけれども、産総研に対する期待というのは非常に広いのですけれども、私(わたし)的に言えば、要は何やってもいいけれど、ちゃんとメリハリつけてやってくれということなんだろうなと思うんですね。それは今産総研、本当に第1種、第2種、ネーミングはともかくとして、その研究は一体何の研究なのかというのをラベルを張って、中途半端な研究はしない。産業化であればきっちりそのようなマネジメントをするし、基礎は基礎で、別にやるなとは言っていなくて、それはしっかり戦えと、そういうふうにやっているわけですけれど、一方で、やはり企業のほうでは、本当にこういう国研とか大学を自らの競争原理の中でどういうふうにコスト削減、コスト削減と言わなくてもいいですけれど、イノベーションのツールとして使っていくのかという、その辺がもう少しきっちり描いていただく。あるいはそれを我々にもお示しいただく。こういうことも必要ではないかなと。そうなると我々のビヘービアもそれを見据えて明確にやっていけるような気がしております。
    先ほど産総研のを幾つか紹介しましたけれども、産総研も想像して、企業はきっとこういうふうにしたいのだろうという想像で、今かなりオープンな仕組みを用意しておりますけれども、最後はそれを使っていただくのは企業だと。それで、先ほどの経済発展がないとイノベーションとは言わないという議論からすれば、企業が儲けていただかないとイノベーションとは言えないということですから、企業側の努力もまた一層必要ではないかと思います。
    あともう1点、人材育成ですけれども、実は公的研究機関というのは非常に難しい立場で振る舞わなければいけない。つまり、ステークホルダーがたくさんいまして、所管官庁、それから産業界、大学、それから一般市民、3対問題、4対問題の中で、私どもいろいろ発言も注意し、行動も気をつけなければいけない。そういう努力をしておりますから、そういう意味で国研のようなところをひとつ活用の場として使っていただくのは非常にいいと。つまり、企業も私どもつき合ってみますと、やはり企業のことしか知らないんですね。そういう意味では国研のような、一見のうてんきに見えるかもしれませんけれど、非常に複雑な力学を我々毎日経験しておりますから、ぜひこういう複雑な力学、パワーゲームの中で人材を育てるというのもまたいいのではないかと。そういうふうに考えている次第です。以上、2点です。
  • 須藤委員
    ナショナル・プロジェクトに関しまして1点だけ申し上げたいというか、コメントさせていただきます。
    私自身も以前、10年ちょっとぐらい、複数のナショナル・プロジェクトに参画した経験がございます。今日拝見した資料を見ますと、大分その当時から比較しますと、プロジェクト運営ですとか、さまざまな改善がなされているようでございます。
    1つ、資料6-1の14ページでございますけれども、「一定程度の失敗を許容する仕組み」というのが非常に私にとっては大きな、これまでの方針と違いを感じたところでございます。
    そこでちょっと考えましたのは、前のフェーズでイノベーション・スーパーハイウエーというものをやらせていただきました。それにも参加させていただいたのですけれども、目標は1つですけれども、途中で参画できる。また、理由によっては途中で離脱できる。そういう柔軟な政策を実行しようということだったと理解しているのですけれども、ナショナル・プロジェクトに関しましてもそういう発想をぜひ取り入れていただいて、最初の目標は1つでも、途中で方向が変わる場合もございます。また途中で離脱して、違う成果を求める場合もございます。企業の場合は特にそういう柔軟性が求められている時代でございます。
    そういった意味では、失敗かもしれませんし、目標が異なるという場合もございますので、こういった途中で離脱するような場合でも正当に許容して評価をする。そして、再チャレンジを阻まない。こういった社会の通念というものになっていただけるといいかなと。経験から予算と、また起案時の目的ですね。プロジェクトというのはそういうものに非常に縛られて、ヘッダーが重かったのですけれども、柔軟なプロジェクト運営をしていただければ大学も企業も非常に参画意欲が高まるのではないかと考えた次第でございます。
  • 宍戸委員
    公的資金の国際化についてなのですが、先日アメリカの研究機関の人から日本の公的資金の制度ではほとんどオーバーヘッド、間接費に対する支出を認めないという話を聞きまして、本当かどうか事実確認を私はしていませんけれども、一方で研究開発のマネジメントが非常に重要というような議論が今されているわけで、そういったことであれば、やはりそういう間接費的な部分、これはいろんなものをカバーすると思いますけれども、そういったものを認めるような制度の改変というんですか、ということも、これは当然欧米の事例をきちっと確認されてからだと思いますけれども、ぜひ検討していただければと思いました。以上です。
  • 新名委員
    1点、人材育成に関連してですけれども、我々大学で学生を教えていますけれども、大体ドクターの学生は修了後助手のポストを見つけることだけ一生懸命なんですよ。それでドクターを終わって、ポストがなければ、ポスドクで3年、5年はとにかく、30歳後半になっても不安定な身分で苦労しています。先ほどから産学連携とか、あるいはサポートチーム等々議論がありますが、そういうところへ学位をもってサイエンスがわかる人がどんどんいくべきだと思います。理学系出身の学生はドクターを終わって、民間企業へ行くように言うと、それだけでもがっかりするんですよ。大学にいたいんですよ。ましてや産学連携とか、あるいは大学で研究協力課へ入って応援するように言うと、とんでもないんですよ。現場の教員は産学連携、地域交流から、もちろん研究もみんなやらせるわけです。分担するためにも、サイエンスがわかる若手の人にそういうところへ行ってもらうには、モチベーションを持たすような給料面での配慮が要るのではないかと思います。
  • 夏梅委員
    1点だけ、非常に重要なことだと思いますので、資料9でございますけれど、18ページ、これは非常に重要なことを示唆しているなと私は思っています。いわゆる投資と成果の関係で、リニアに投資をしたとすれば利益とか成果にも還元されるというものと、もう1つは、余り比例しないといいますか。これは実は小川先生は前から製品のアーキテクチャに分けて、いわゆる摺り合わせのものと、いわゆるモジュラー型のものではかなりマネジメントは違いますよと。横軸は開発費ですから、こういうところに余り投資してはいけないと言っているわけではなくて、実はエレクトロニクスでも、インテルでも、ノキアでも非常に収益を上げているところがありますので、マネジメントを考えられる上でここら辺のところを層別して、特に日本が強いのはエレクトロニクス以外になっていますけれど、摺り合わせのところ。エレクトロニクスの中でも素材などは、かなり日本は摺り合わせのものが多いですから、非常に強い。競争力だとか重点化だとか、どういうところでやるかだとか、あるいはイノベーションのマネジメントをどういう具合に層別してやっていくかということを議論する上では、この16、17、18、ここら辺のところの小川先生の提言というのは非常に重要なあれだろうなと思っていますので、ここら辺のまとめのところは余りそういうふうになっていませんけれども、これをいわゆる現状と課題をどういう具合に次につなげるかということで、さらに深めていただけると非常におもしろいなと私は思っています。
  • 橋本委員長
    ありがとうございました。
    ここで時間の関係がありますので、とめさせていただきますが、最初に申し上げましたように、各論といいますか、それは次回から取りまとめに入りますので、今回がそういう意味で最後になりますので、メール等々で御意見を事務局のほうにお寄せいただけますと、それを取り込んだ形でさせていただこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

4.その他

(1)技術戦略マップ2009の策定について(報告)
(2)イノベーションプログラムの改訂について(報告)
(3)「経済危機対策」関連施策について(報告)

・福田研究開発課企画官より資料10、資料11に基づき報告
・徳増研究開発課長補佐より資料12-1、資料12-2に基づき報告
・土井研究開発課長より、次回の開催日時等について連絡

以上

 
 
最終更新日:2009年5月21日
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