経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第25回)‐議事要旨

日時:平成21年2月6日(金)9時30分~12時
場所:経済産業省本館国際会議室

出席者

委員:
橋本委員長、安宅委員、淺間委員、荒川委員、伊藤委員、射場委員、上原委員、川合委員、川上委員、久間委員、宍戸委員、新名委員、須藤委員、堤委員、西島委員、前田委員、谷田部委員、横山委員、松田委員代理
事務局:
西本審議官、土井研究開発課長、谷大学連携推進課長、長濱技術調査室長・技術評価室長、岡田総括技術戦略企画官、福田研究開発課企画官

議事概要

中長期的な研究開発政策について(資源配分論(総論))

資料3から8に基づき、事務局から、中長期的な研究開発政策について説明。その後の委員からの主な意見は次のとおり。

  • グローバル化戦略の中で、海外の若い人材をうまく取り込む観点が重要。韓国や中国が伸びる中、韓国や中国の若くて優秀な人材を日本に取り入れられれば再び逆転できる。第4期の検討では国内の人材だけでなく海外の人材の取り込みも重要な課題。また、資料7にあるとおり、ニーズとシーズのどちらから入るかというより、つなぎの部分が大事。研究の芽が出たところで急に重点課題になる。基礎部分では重点になりそうなものがあるが、埋もれていたり活用されていなかったりするものがある。今後の社会システム形成には、シーズとニーズを結びつけるトランスレーショナルな部分が課題。
  • 健康と安全を守るという説明があるが、海外では、健康は推進するものと考えられている。健康は推進するものと位置づけた方が産業を生むと考える。ライフサイエンスは、ニーズを考えない研究開発でずっと失敗している。ヘルスケアの分野では、ニーズからシーズへつなぐことしかできない。人は健康になりすぎることはできず、体の限界は決まっているので、そのニーズを考えて研究開発をしなければならない。日本と同様に欧州も高齢化する中、日本はエイジフリーな社会を作り、外国の富裕な高齢者を呼び込むと良い。語学教育などにも役立ち、本当のオープンイノベーションにつながる。産総研をよりオープン化にすることによる役割もあるのではないか。
  • 産学連携について述べたい。この状況だからこそ、産学連携が大事と考える。基盤的な研究をする大学と産業界がどう連携するかが大事。特許はライセンスというより、特許を呼び水に共同研究や受託研究を生むことが多い。特許をとって技術移転というより、広い意味で活用して欲しい。産学連携の大学における一元化が課題である。多くの大学は共同研究開発センター、知的財産本部、TLO、インキュベーションセンターなどいろいろ部局がある。特許はライセンスを受けるよりも、それを元に共同研究して、より大きく育てたいという企業が多い。各部局が特許やライセンスの実績を上げようとするではなく、戦略としてどう産学連携を使うかが大事。産学連携が一元化され、研究戦略に組み込まれるべき。また、ニーズは大学にもあると思う。ライフサイエンス系は、医師が患者にふれているので、ニーズをよく知っている。分野によっては、大学からのニーズを吸い上げるということを考えても良い。
  • 産業界から見て魅力ある学官の成果が必要。学官が産寄りになって小ぶりになった。学官は基礎的研究や一企業では投資できないところに投資すべき。大学の特許は、よくぞ獲得したというものと、企業としてやりにくくなってしまうものの両面がある。件数だけではない評価システムを検討すべき。また、アンケートは研究開発投資額をベースに対象を絞っているが、研究開発投資比率の高い企業・産業を政策対象とすべき。。光る中小企業や特徴ある企業が恩恵を得る政策を考える必要がある。民間ではできないプロジェクトを国主導でやることは必ずアウトプットがあるので、価値がある。
  • 全体枠組みは難しい議論。シーズとニーズをつなぐという点では、政策と分野は直結しない場合があり、政策目標の必要性に応じて分野を統合していけば良い。分野はきわめてバーチャルであり、分野の考え方を改めても良いのではないか。二つ目に、課題対応型人材は、純粋な科学研究をする人材とは少し性質が違うのではないか。戦略を考える人材が重要。プランニングや行動力、政策課題に対し多様なニーズをまとめてシーズを作る人材にスポットライトを当てて、活躍させ育てていくべき。三つ目は、資料6に分野別投資割合があるが、エレクトロニクスが減っている。日本を支える産業が自動車とエレクトロニクスだとすれば、どういう意図があるのか精査して欲しい。特にエレクトロニクスは空洞化と激しい競争があり、打つ手がないから予算を減らすのではなく、きちんと産業をデザインして予算を投入すべき。
  • まだ出口指向になっていないと思う。知らない間にシーズ指向になっている。基礎研究とは別に、出口指向、デマンドアーティキュレーションを徹底してやることが重要。出口について、グローバルな視点で国としてどんな体を成すのか前面に出すことが重要。日本が国として直面している問題を逆手にとって、健康・安全といった根源的な需要を満たすにはどんな科学技術を磨けばよいのか考えるべき。もう一点は、次世代人材育成について。人材育成は、日本としてこういう価値を大切にするという国民的合意形成が大事。出口指向とその人材育成のための国民合意形成が重要である。
  • 分野別での対応は出口指向にすべき。国家理念や大目標がないとイノベーションはない。国家理念に対しどういう社会システム、産業構造に持って行くか考えるべき。理念にしたがって重点課題を設けるべき。分野に分けて考えるとバラマキになってしまう。例えば、移動手段が必要であれば、もっと効率の良い乗り物を目指してイノベーションを起こせる。別の例では、二酸化炭素を減らすためだけに素材産業を海外に持って行くということではなく、我が国の強みである様々な部材が供給できることを活かさなければならない。どこに重点化したらよいか戦略を立てることが重要。
  • 次の世代の出口をどうするか。2050年に向けて、人口増は不可避。石油以外に鉱物、水資源も問題になる。鉱物はなくならないので、低コストで集める技術が大事。水浄化技術も大事。経産省が主導し、企業が連合して国の技術として育てるべき。2050年、2100年がどうなるかを具体的に共有して、必要な技術にターゲットを絞ってやるべき。
  • 人材育成に予算がつぎ込まれているが、どのくらい成果が出ているのか。電気・情報系は人材を求める声が多いが、学生に人気がない。満足が得られないのではないか、と考えられている。また、論文は博士やポスドクの数に依存するが、日本は貧弱。博士課程を出た後の就職先がない。学術界と産業界が歩み寄って、産業界に活かせる博士を出せたらと思う。国内ニーズだけでなく、海外ニーズも把握するべき。少子高齢化というと、高齢化ばかりに目が向くが、少子化はほとんど出ない。女性研究者が仕事とどう両立できるかという点について、情報通信技術が役に立つのではないか。広い視野でニーズを拾って欲しい。
  • 次世代の社会システムを想定して出口からの視点を重要視することに賛成。欧州では情報通信システムともリンクしたスマートグリッドの考え方を5,6年以上前から進めている。米国もオバマ政権のもと、欧州同様のシステム開発を進めている。エネルギー供給が通信技術や輸送機械などを幅広く統合して社会システムにすることをやっていかなくてはならない。こうした観点から、分野の枠を外すことに賛成。幅広い分野に精通した人材育成をしなければならない。
  • プロジェクトを終了した後のフォローアップ結果によれば、うまく上市できた要因は、一つにしっかりした技術、もう一つは社内に力強いリーダーシップや強力なサポートがあったこと。この二つが両立しなければうまく商品化できない。また、テーマ設定に関しては、25兆円という大目標を立てるのであれば、米国の宇宙開発のようなチャレンジングな国プロを設定して研究開発をすれば様々な技術が育つと思う。
  • アンケートでは、50社くらいが科学技術政策に関心がない。関心がない会社には、政策がどうであれ我が道を行くという健全さもあるが、政策への関心が高まらないと全体としての動きが難しい。次の科学技術基本計画では、できればすっきりした形で日本はこれで行くということを全体に浸透させ、アピールをしやすい形にまとめて欲しい。
  • 理念は第一期科学技術基本計画からのものだと思うが、社会環境や技術の変化の中で、もう一度理念を考えても良いのではないか。サステナビリティや安全・安心などを軸に、理念を考えるべきだと考える。その理念の中で、産業の活性化と社会的課題の解決をペアに考えるべき。社会的課題の解決に際しては、表面的に解決しながら産業につなげていく考え方には問題が出てくる。そのプロセスに学術が貢献していない。技術によってサイエンスが発達することもある。産業活性化の観点から、深い学術研究もやるべき。課題を解決するために必要な分野が見える構造にした方が良い。シーズとニーズを結びつける学際的分野かと思う。また、重点化に関して、大きな産業にのみ投資するのはリスク。集中的投資と将来を見越した分散的な投資のバランスが重要。人材育成は、優秀な学生が他の分野に就職してしまうのを危惧している。企業では明るい将来が思い浮かばないためだと思う。社会的制度設計から考える必要がある。また、人のサステナビリティも考えなければならない。若い人が健全に社会に貢献してするため、広い意味でのサステナビリティを構築していくことが必要。
  • グローバルな視点でいえば、海外の国プロに参加して成果を共有することにより、日本の力に取り込む例もある。グローバルに活かすのが国力につながる。2点目は、環境とエネルギーについて。環境とエネルギーは分野として一緒に考えて欲しい。グローバルな循環型社会を見据えるべき。3点目は人材育成。どういう研究者が大きな成果を挙げるかというと、基礎科学力に裏付けされた高い専門性があり、複数の専門性を持ち、全体的視野を持って、能動的行動をする人材。能動的行動を養うには成功体験が大事。成功体験を得るような人材育成を行わなければならない。
  • 重点4分野を支えるのは日本の強みである生産財の製造業。しかし個々の企業は大きくなく、研究開発投資上位200社にもほとんど入っていないのではないか。国家プロジェクトもなく、研究開発は自前でやってきており、国のサイクルに入りにくい。。大学では機械学科が減って人材が集まりにくくなっている。製造業の位置づけをきちんと政策へ反映することで、研究開発・人材育成がポジティブなスパイラルになり、持続可能な製造業を目指すことができる。
  • 企業の経営と国の政策運営は似ている。環境エネルギーと安全安心というと、総花的なものになりがち。企業の場合は、会社の方向性をビジョンにして、総花的経営から強い製品の集合体を目指している。国もターゲットを明確にするのは良いこと。グローバルに勝ち進める産業を明確化することが重要。グローバルに勝ち抜くためには、技術力が一流でないと続かない。日本のコア産業を明確にして、それを支える学術を位置づけるアプローチに賛成。新しい技術は戦略的に取り組むべき。また、国として最も大事なのは評価。テーマ選択の際の評価と、3年から5年での成果のフォローをしっかりやるべき。これまで評価が不明確だったのではないか。もう一点は、技術開発を行う上で、産業基盤技術とピュアサイエンスはきちんと分けるべき。さらに、今ある技術は新しい技術に比べておろそかになる傾向があり、常に磨き上げるべき。
  • グローバルな視点とニーズを見ることが抜けている。環境で言えば水、石炭利用など。また、ニーズからシーズに結びつけること。複数のものを組み合わせていくことが重要であり、ソリューション・システム・イノベーションを重点配分の目安にして欲しい。シーズとニーズをつなぐ役割を担うベンチャーが育たないのは文化的背景。違う形でシーズがニーズに向かっていく日本の仕組みを考えなくてはならない。
  • 分野をなくすという意見が出たが、マネージメントの意味からは何らかの枠組みが必要。分野横断的取組があれば運用でかなりカバーできる。また、出口指向で要素技術までブレイクダウンしていくのは難しく、中間段階で飛んでしまうことが多々ある。しかし、その部分が重要。
  • シーズがたくさんあるので、組み合わせて目標に向かうことが重要。日本では純粋基礎研究の分野に優秀な人材がたくさんおり、その人材を組み合わせに誘導しなければいけない。

その他

次回については、3月6日の午前9時半から、経済産業省本館の第1~第3共用会議室にて開催することとなった。

以上

 
 
最終更新日:2009年2月20日
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