経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第26回)‐議事要旨

日時:平成21年3月6日(金)9時30分~12時
場所:経済産業省本館第1~第3共用会議室

出席者

委員:
橋本委員長、淺間委員、安宅委員、阿部委員、伊藤委員、上原委員、川合委員、川上委員、久間委員、宍戸委員、新名委員、田井委員、堤委員、西島委員、宮部委員、谷田部委員、横山委員、岡島委員代理
事務局:
鈴木局長、西本審議官、小林産業技術政策課長、土井研究開発課長、谷大学連携推進課長、奈須野技術振興課長、長濱技術調査室長・技術評価室長、福田研究開発課企画官

議事概要

科学技術基本計画8分野に関する産業技術の観点からのレビューについて

政府研究開発投資の重点化についての全般的審議

資料4、5に基づき、事務局から、科学技術基本計画8分野に関する産業技術の観点からのレビュー及び政府研究開発投資の重点化の在り方(たたき台)について説明。その後の委員からの主な意見は次のとおり。
  • 事務局案に基本的に賛成。今回の経済危機はこれまでをリセットする良い機会。知識ベースの施策にどう結びつけるかという点が重要。明らかなのは、ナノテク・材料分野が強いことと、中国・韓国が急激に追いついてきていること。強いナノテク・材料をベースにしてバイオ、環境などほかの産業に展開させるのが良い勝ちパターン。何に向かっていくかの象徴的なキーワードとしてグリーンナノテクを入れて良いのではないか。また、今後の方向性として、COEとネットワークがバランスしなくてはいけない。インフラストラクチャーへの投資が必要。ネットワークが落ちてはいけない。もう一つ重要なのは、トランスレーショナルな部分。いろんなシーズがあるが、道筋をきちんと示すことが必要。
  • 日本の置かれている状況について、これまでは輸出を増やして外貨を稼ぎ、資源、食料を輸入して国富を維持してきた。これから何を売るかは議論しなくてはならないが、内需拡大だけでは無理がある。これまでのものづくりのレベルを維持するためには、モノポリーな日本人だけでは成り立たず、外国人をたくさん入れる政策が必要。グローバルと言うより、トランスナショナルな方向に動くべき。
  • 1点目は人材育成について。参考資料に示されているとおり、日本は米国、EU、中国に比べて研究者数が少ない。これからは日本人だけ育成してもどうしようもなく、アジア大という枠組みでまとまる必要がある。人材の確保には、外から入れざるを得ないし、入れる場合はアジア大で考えざるを得ない。技術開発は重点分野で研究者の頭数を増やし、かつボトムアップを図らなくてはならない。2点目に、重点化戦略について。ある程度の選択と集中は必要だが、少々危険な面もある。環境とエネルギーを一緒に考えるだけでなく、ものづくりやナノテクとの連携も考え、次世代産業基盤に波及効果があるするようにすべき。3点目は、巨大技術について。航空機、タービンなど、巨大技術は世界で一社、二社に集中するもの。これを押さえる必要がある。さらに、ポスト自動車の次世代産業を真剣に考える必要がある。次世代産業はロボットだと思う。ロボットには輸送、ITなどあらゆる産業の要素技術がある。
  • 継続的に一定額を投資していくべき分野と、緊急的に投資する分野を分けて考えなければならない。ライフサイエンスは継続的な投資をすべき分野。時間軸と投資に見合ったアウトプットを考えて、第4期ではどこに継続的に投資し、どこに緊急に投資するかを考えることが必要。ライフサイエンスは特殊な分野であり、日本の保険制度では6兆円程度の市場規模しかなく、会社を大きくするにはグローバルな展開が必要。そのための臨床研究が必要で、そのための制度的な重点化が重要になる。ベンチャーについては、10年から15年遅れているため、現時点で投資に見合った成果を求めるのは酷なこと。さらにベンチャーを興すには失敗をおそれない社会が必要。人材育成については、理科教育を考えなければならない。日本人がリーダーシップをとるため、日本人の理科教育を考えなければならない。
  • 1点目は、2025年には、納税者人口が減るから納税額が減る。納税額が減るから国の投資も減る。国の投資が減るのは明らかなので、今のうちに重点分野を考えなければならない。安全性や有効性、制度を評価するレギュラトリーサイエンスのように、横断的で企業が投資しにくい分野へ国として投資が必要。2点目は、ライフサイエンスにおけるイノベーションエコシステムの解離はその通りであり、制度を変えなければ、科学技術を磨いてもうまくいかない。その理由は、日本の法体系がライフサイエンスを増進するのに不向きなことと、国民皆保険制度により国内需要が頭打ちになること。イノベーションにつなげるための制度改革が必要。3点目は、学生に技術を考えさせるだけでなく、将来どのように成功していくかを考えさせ、新しい業態を作ることまで考えさせる教育が必要。
  • ITやライフサイエンスと同列にナノテク・材料やものづくりが語られる点、つまり縦糸と横糸の関係にあるものを同列に並べてどう重点化するかという議論には違和感がある。もう一つは、環境エネルギーをひとまとめにして重点化することは不可欠。インベンションが経済効果を生むイノベーションにつながっていないという問題をどう解いていくかということが重要だが、まず環境エネルギー分野でどういうインベンションが必要かを考えるべき。サイエンスをテクノロジーに発展させるためには、グローバルな産学連携の仕掛けが大事。日本へいかに優秀な研究者を集めるかという仕掛けがますます重要になる。重点分野別に、日本の大学のランキングが明示されると、産学連携がやりやすくなる。
  • 日本の医薬品市場は小さい、また知財では機能性成分を高含有する食品の割合が高いと言うことを踏まえると、ライフサイエンスから健康増進へ、というのは、良い方向性だと思う。インテルが情報のプラットフォームを作りながら、ヘルスケア事業に進出しようとしている中、日本もライフサイエンスと情報通信のシナジーを発揮させるべき。情報は、技術開発と産業の関連が難しいところ。プロジェクトを行う際にどういうプロフィットが出るのかというシナリオを作りつつ進めることが有効ではないか。NEDOのハイブリッド型プロジェクトに未来のシナリオを取り入れてほしい。ナノテクは出口を特定して投資を集中するのが難しい分野。魅力的なエコロジー形成、インフラ形成に重点を置いて、世界中から環境の良さにひかれて集まる研究者を集めると良いのではないか。また、資料5の中で説明のあった知的・人的資源による国富の確保を砕いていうと、獲得した知識を国富に直結させるシステムが必要。健康で安全・安心な社会の構築については、これによって国富を増大させる方向性を出すという、もっと攻めの表現にしても良いのではないか。
  • 環境とエネルギーを統合することに賛成。当該分野は研究開発に長期間を要する。今後は、材料、情報通信などと技術の統合化をしなければならない。継続的投資が必要な分野。エネルギー効率の向上は国際的にもキーワードになっており、標準化においても重要。ものづくり分野では、電気電子がものづくりに関係ないと誤解している学生が多い。産業界・マスコミが一体となって、もっとアピールが必要。
  • 研究開発は基礎研究であっても目標を明確にしないと成果が出ない。産業の国際競争力を高める内容になっているかなど、まずは経済産業省のプランにおいて、具体的、詳細な計画を作ることが必要。ナノテクはいろんなものの融合体。半導体、MEMS関係もあるし、化学的なものも入っている。SiCや太陽電池など世界をリードできる技術と、カーボンナノチューブなど産業化までに距離がある技術が混在しているため、もっと整理をしなくてはいけない。同列にリソースを投入しては効率が悪い。また、環境分野は技術を産業として大きく育てられると良い。
  • 環境とエネルギーを統合することに賛成。NEDOからも1000億円以上投資している重要な分野。社会基盤、フロンティアはむしろ航空宇宙と書くべき。航空機や人工衛星では、日本の強みである新材料に依拠した技術に競争力がある。材料まで含めると波及効果が大きい産業なので、位置づけをしっかりとすべき。ものづくりでは、技術継承の面が強く出ているが、学生を巻き込んで実験の場ができ、アイデアを確かめる機会をつくると良いのではないか。
  • ロボット技術(RT)に触れられていないのが残念。ロボット技術は多くの科学技術を支える体系になっている。実空間で物を計測、認識、制御、システム化する技術で、日本は高いレベルにあるし、人材も多く輩出している。産業用ロボットだけではなく、輸送機械や医療機械など様々な技術に埋め込まれ、人材育成にも役立っている。ロボットへの投資をやめると底辺の技術力が落ち、ものづくり全体のポテンシャルが落ちると思う。基盤技術として位置づけ、情報通信分野に入れるべき。また、どういう研究開発を情報通信に入れるか明確化すべき。インフラ技術としてのRTと、応用へ結びつけるRTが重要。
  • 資料5には、健康で安全・安心な社会の構築と書かれているが、目指すべき社会像のイメージをもう一歩踏み込んで、経済的価値、社会的価値も含めて記述するのが大事。そうすれば、各分野の戦略目標とも連携できるし、国民の合意形成の流れを作ることができる。イノベーションについては、かつて、高度成長期に技術革新ととらえられ、90年代にイノベーションと呼ばれるようになったが、成長のため、景気浮揚のための手段に過ぎなかった。持続的にイノベーションを生み出す体質を社会にビルトインすべき。
  • ライフサイエンスについては、10年、20年前から同じような問題があり、継続的な努力はされていると思うが、簡単にはクリアできない。いかに克服していくのかを考えるのが重要。ベンチャー企業が育たない、臨床検査がうまくいかないなど。一方で、iPS細胞が発見された後、直ちに予算や人材が投入された。ゲノム解読にも大きな投資があった。しかし、どの程度日本の製薬企業でいかされているのか。変革していくことが実行できるのか、はっきりした方向性を出していくべき。現在は長寿社会だが、子供の体力低下や食の問題がある。ライフサイエンスが上げた成果がそのまま健康増進につながるのか。健康増進をうたうこと自体に、社会から浮き上っている部分もあると思う。慎重に検討するべき。
  • まず、資料5に世界を魅了する財・サービスの提供とあるが、強い技術と強い産業のギャップがある。強い技術はあるが産業化できない状態が多い。その意味でも、記述の中でネットワークが脱落しているのは問題。2点目は、昨今短期的経営指標が示される傾向にあるが、企業の研究開発がどうなっているか、その中で政府はどういう時間軸で投資を行っていくか、ぜひ時間軸の議論をしてほしい。3点目は、海外人材の活用について。アジアでの日本のプレゼンスが低い。米国、欧州、中国へ留学に行きたい人が多い中、日本のプレゼンスを上げないと優秀な人が来ない。アジアに日本人の教員やポスドクを派遣するのも一つの案。
  • まず、根源的課題の中では、産業の競争力を強調した方が良い。2点目は、第2期でナノテクが位置づけられて以来、現時点では世界をリードしているが、欧米、中国、ロシアなどが力を入れており、危機感がある。インフラを早急に強化すべき。また、いくつか出口が見えている技術もあるので、継続的にしっかりと投資してほしい。グリーンナノテクを取り入れても良いのではないか。3点目に、エネルギーと環境をまとめるのには賛成だが、水を加えても良いのではないか。
  • 地球温暖化防止のため、太陽光、風力、省エネなどの取組が行われているが、化石燃料消費量が少し減るだけで、出た炭酸ガスはどうしようもない。出た炭酸ガスをどう固定するかということが重要になる。地球上では、6500億トンの炭素を植物が固定している。化石燃料をすべて燃やしても1200億トン程度なので、植物を2割増産すれば良いことになる。遺伝子組み換え植物をうまく使えれば乾燥地の利用などができるが、社会に受容されるかどうかの問題がある。植物でCO2が下がることを位置づけるべき。
  • 低炭素への取組を継続的に行ってきた。この取組は最近のはやりで終わってほしくない。短期的な目標にのみ集中してほしくはない。どの分野に投資してどの程度の時間軸で効果が出るかを目利きしながら配分してほしい。研究開発の基盤強化のところで、拠点形成や人材育成が重要だという発言があるが、文部科学省とも連携してほしい。
  • 国際的人材取り込みは繰り返し意見が出ているが、明示されていないので、次回のものには明示してほしい。
  • 外国の力も使って流れを作らなくてはならない。現実に、精華大学は今や大変優秀で、やる気もある。そういう人と組んでやると安心して商品を出せる。基盤となることをやるのは人材。その上に応用がある。やらねばならない分野と大学の人材育成をタイアップできれば良い。
  • 基礎は大学、応用は企業というのは違う。インベンションだけではなく、イノベーションへつなげる企業での基礎研究へも注目して資源配分すべき。
  • どこの分野ということでなく、どういう社会が重要かという出口主導の議論に賛成。日本がどうやって稼ぐのか、明確化する必要がある。時間軸も入れて具体化しなければならない。トランスレーショナルな分野の人材が不足しているので、基礎研究分野にいる優秀な人材を、トランスレーショナルな分野に引き込むことが課題。

その他

次回については、4月27日の午後4時から、経済産業省本館の国際会議室にて開催することとなった。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月13日
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