経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会(第27回)‐議事要旨

日時:平成21年4月27日(月)16時~18時30分
場所:経済産業省本館国際会議室

出席者

委員:
橋本委員長、淺間委員、安宅委員、荒川委員、伊藤委員、射場委員、上原委員、川上委員、久間委員、宍戸委員、新名委員、須藤委員、田井委員、堤委員、夏梅委員、西島委員、前田委員、谷田部委員、横山委員
事務局:
西本審議官、小林産業技術政策課長、土井研究開発課長、谷大学連携推進課長、奈須野技術振興課長、長濱技術調査室長・技術評価室長、福田産業技術総合研究所室長、福田研究開発課企画官、徳増研究開発課長補佐

議事概要

  1. 研究開発のマネジメントの在り方
  2. 研究開発人材の育成の在り方
  3. 日本のイノベーション・エコシステムの現状と課題
資料4、5-1、6-1、7、8、9に基づき、事務局から説明。また、資料5-2を産総研伊藤理事から、資料6-2をNEDO上原理事から説明。その後の委員からの主な意見は次のとおり。
  • 東京医科歯科大学では、発明が出てきた場合、特許化するかどうか、プレマーケティングを行っている。国立大学であるので、まずは日本企業に当たり、次に海外企業に当たっている。ただし、ライフサイエンスの場合は日本の治験に時間がかかるので、人工心臓などの場合はドイツの企業と共同研究を行い、海外で認められた後、国内へ逆輸入するような方法をとる。次に、プロデュース人材については、ドクターが安心してプロデュース人材の道を選べるよう、雇用の安定化に取り組むべき。育成については、企業と大学のインターンシップなど価値が高いのではないか。
  • イノベーション・エコシステムについて、日本の弱みを強化する処方箋について説明があったが、基本的戦略を練る段階から、海外の一線級のマネジメント人材を連れてきたらどうか。また、理工系離れ対策として、理科の楽しさを教えるという説明があったが、大変さと楽しみを同時に教えるべき。
  • 学があまりに出口を意識しすぎている。基礎や地道な研究をしてほしい。産業界を意識するのであれば、採択の時点から産業界の意見を聞かなければならない。日本は一流の研究をやっているにもかかわらず、評価のシステムが二流。公的研究機関の設備として確実に意義があるのがあるのは、スプリング8、Jパーク、スパコンなどの大規模基盤共用施設。日本はこれに恵まれており、産業界も活用している。ただ課題は運用するスタッフに余裕がないこと。優れた施設を高度に維持し、サービス精神をもって企業に使ってもらうという点が重要。
  • 大学の講座の後任人事はナンセンス。退任した教授と同じ領域の後任を探すのはあり得ないやり方で、大学として必要な部分を考え再配分すべき。2点目はオープンソースの話。基礎研究をしても、臨床試験を行う公的な場所がない。何らかの公的機関で担ってほしい。また日本は、VCやエンジェルの規模が小さいので、大企業が社内ベンチャーをつくり、スピンオフすることを支援すべき。3点目に、18歳の時に医学部に入ると、社会を見ないうちに医者にしかなれないのは問題。マルチタレントを育てるために海外で人を育てることを奨励すべき。大学が人材の吹きだまりにならないようにして、優秀な人材を輩出するべき。
  • ナショナルプロジェクトの考え方や枠組の整理はきれいにできている。そのオペレーションが大事。オペレーションのやり方は省庁により異なる。例えば、経産省は産業競争力を重視し、文科省は大学の関心を重視する。そういったメリハリをつけた基本を作り、分野にどうリソースを配分するか、時間軸をどう定めるか、ヒットをねらうかホームランをねらうかのテーマ選定、リーダーの選定を最適にするべき。一朝一夕にはできないが、バランスとセンスが磨かれたリーダーの質を向上させる仕組みを作るべき。
  • プロデューサーが必要。イノベーションは市場と技術を結びつけて経済価値を出すこと。国際競争を勝ち抜くには、それを推進するプロデューサーが欠かせない。コーディネーターとは少し違う。市場形成力と技術のマネジメントをどうするか。もう一つは死の谷を越えるため、発明・発見を実証することが重要であり、国が担うことが必要。具現化に取り組んでほしい。
  • 研究開発のマネジメントは、最終的には「成果は何か」と聞かれることとなる。説明の中に、成果の定量的評価がなかった。難しいことであるが例えば、ホームランを打つ筋力がついたことも評価できる仕組みを作ることが重要。
  • 産総研に対する期待を見ると、短期的で成果のイメージが見えるが、社内に資源がないのでお願いしたい、というところと、長期的で将来的に何が必要かわからないからやっておいてほしい、というところにわかれる。また、ナショプロは経済的意義だけではなく、例えば社会的価値、科学技術的価値などについても、国としての尺度があるべきだと思う。
  • ナショプロの在り方は攻めと守りがある。攻めの方は新たな価値創造など評価しやすいものであるが、守りはビジネスになりにくいなど、国としてやらなければならない研究を評価するのは難しい。評価のやり方を考える必要がある。もう一つは標準化について。国際標準への対応は、企業がボランティア的に活動しているが、国家が戦略的に取り組むべき。また、研究開発への投資だけではなく、研究開発された製品を市場化する、出口へ誘導する投資も有効ではないか。NEDOの投資は研究開発を方向付ける意味で重要。研究開発の進行に伴う柔軟性や制度評価の枠組みを整えてほしい。理工系離れはインセンティブが足りないからだと思う。待遇面などで明るい将来を示す。加えて教員の教育が必要。研究の現場を知るコーディネーターを出す方策も必要。
  • 女性研究者が少ない。最近では韓国に抜かれているというデータもある。大学では数値目標を設けて、女性が増えてきたが、企業の待遇が悪いのではないか。また、理工系教育に関して、高校では「情報」の授業を行っているが、中身の充実をしてほしい。
  • 同じ分野の人が同じ研究をすると、なかなか革新的なブレークスルーがない。多くの分野の研究者が入り交じる仕組みが必要だが、現状では競争的資金を申請するにあたってうまく機能していない。有効な仕組みが必要。また、日本で市場が小さくても、海外で大きな市場があるテーマは、ナショプロとしてとりあげられにくいため、改善すべき。スマートグリッドの日米協力には期待している。
  • NEDOでは、4つの項目で研究を評価している。事業の位置づけと必要性、管理がうまくいったか、成果が上がったか、実用化見通しはどうかという点。事後評価では、成果が世界初もしくは世界最高水準に達しているか、事業化の見通しが明確であるかも評価している。
  • 人材が大事。教育する人もされる人も増えているが、それは解決ではない。ドクターを取りながらMBAもと更に難しいことを求めるべきだろうか。いろいろなことを要求するから何をやればよいかわからなくなる。専門家とマネジメントする人の両方が必要だが、研究者は研究に専念すればよい。また、NEDOも産総研も、技術をオープンにして、もっとコミュニケーションすべき。
  • 基盤的資金と競争的資金について。数年前は燃料電池ばかりで電池を研究している人はいなかった。しかし、共通基盤として電気化学が必要。エネルギーはリードタイムが長い。素材と一緒に考えるとミスマッチが起こる。競争的資金と基盤的資金をどううまくマッチングするか、頭を使わなくてはならない。もう一点は人材。日本は1億しか人口がいないので、米欧に対抗するにはアジア大で人材育成を考えるべき。
  • オープンイノベーションを議論するときは、大学や国研の姿勢がやり玉に挙がるが、企業経営の問題も重要。産総研に対する期待は、メリハリをつけてやってくれということだと思う。中途半端な研究をせず、産業化と基礎を分けてやる。企業は、大学や国研をイノベーションのツールとして利用していくべき。産総研も企業の論理を想像してやっている面があるので、企業側もうまく活用する努力が必要。また、公的研究機関は複雑な力学の下で経験を積んでいるので、人材育成の一環として利用するのも良いと思う。
  • ナショプロについて、十年ほど前から様々な改善がなされているが、一定程度の失敗を許すというところは新しい改革の方向。数年前にイノベーションスーパーハイウェーという考えがあったが、ナショプロにも途中参加や離脱を許容することが必要。柔軟なプロジェクト運営をしてもらえれば、大学も企業も意欲が出る。
  • 日本の公的資金は、ほとんど間接費を認めないと聞いた。一方で、研究開発マネジメントが重要ということであれば、間接費を認める改革も検討すべきではないか。
  • 人材について、助教までは一生懸命やっている。産学連携の分野には、学位をもってサイエンスがわかる人が行くべきだと思うが、理学部の院生に、企業に行きなさいというとがっかりされる。モチベーションを持たせる配慮があればいいと思う。
  • 研究開発投資と営業利益の関係を示している図があるが、製品アーキテクチャーがモジュラー型とすりあわせ型でマネジメントの仕方が違う。マネジメントを考える上で、日本はすりあわせが強いことを踏まえるべき。
  1. その他
資料10、11、12-1、12-2に基づき、事務局から報告。 次回については、5月21日の午前9時半から開催することとなった。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月8日
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