経済産業省
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独立行政法人評価委員会(第14回)-議事録

日時:平成15年10月30日(木曜日)
場所:経済産業省本館17階第一共用会議室

出席者

木村委員長、秋山委員、安西委員、岩村委員、打込委員、梶川委員、橘川委員、小泉委員、鳥井委員、鳥居委員、永田委員、原委員、平澤委員、宮内委員(鍛冶代理)、宮原委員(西川代理)、八木委員

議題

  1. 10月1日設立独立行政法人の中期目標及び中期計画の変更について(報告)
  2. 新設独立行政法人の中期目標について
  3. 制度WGにおける議論について(報告)
  4. 産業技術総合研究所の非公務員型化に関する検討について(報告)

議事概要

木村委員長
おはようございます。委員の方も大体おそろいになったようでございますので、始めさせていただきます。
第14回経済産業省独立行政法人評価委員会でございます。委員の皆様におかれましては、御多忙のところお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。
早速でございますが、議事に入らせていただきます。
本日の議題、4つございまして、まず1番目が、10月1日に発足いたしました法人の「中期目標及び中期計画の変更について」でございます。2番目が「新設独立行政法人の中期目標について」、3番目が、かねてより御議論をお願いしております「制度WGにおける議論について」でございます。4番目が、「産業業技術総合研究所の非公務員型化に関する検討状況について」の報告でございます。

1. 10月1日設立独立行政法人の中期目標及び中期計画の変更について

木村委員長
10月1日に設立されました法人の中期目標及び中期計画につきましては、既に本委員会において御審議いただき、御了承をいただいたところでございます。しかしながら、前回申し上げておきましたとおり、内閣官房に置かれております特殊法人等改革推進本部参与会議から示されました中期目標及び中期計画案に対する意見に基づいて、10月1日に設立されました法人の中期目標及び中期計画の一部が修正されております。これは、可能性があることは前回御報告いたしました。したがいまして、事務局からその点について、まず御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
藤野政策評価広報課企画調査官
まず、早速資料1-1をごらんになっていただきたいんですが、これは先回、9月17日の当委員会におきまして説明させていただいた資料です。復習までに、下、2.(1)をごらんになっていただくと、「総費用をどう削減・効率化していくのかを示すため、一般管理費に削減目標を設定するだけでなく、別途、事業費に対しても削減・効率化の具体的な数値目標を設定すべきである。」云々というふうな記述がございました。先回、この委員会が開催されたのは9月17日だったんですけれども、実はこの資料1の指摘があったのが9月12日という非常に微妙なタイミングでございまして、9月17日の段階では、中期目標、中期計画における総事業費の削減・効率化の目標について記述し切れていなかったものですから、先日の委員会では、事務局、委員長一任ということで預からせていただきました。その後、財務当局ともいろいろ調整を進めましたので、その結果について、簡単に報告させていただきます。
まず、お手元資料1-2でございますけれども、このページは日本貿易振興機構(JETRO)でございます。中期目標の下半分をごらんになっていただくとアンダーラインを引いてございますが、「各年度以降で新たに必要となり運営費交付金を充当して行う事業についても、翌年度から年1%程度の効率化を図るものとする。また、各事業については、実績に関する評価及びニーズを踏まえ、必要な見直しを図っていくこととする。」ということで、表現ぶりにおいては微妙なところがありますけれども、そこのところで「新たに必要となり運営費交付金を充当して行う事業について」ということで、政策ニーズを踏まえつつ新たな事業を立ち上げること、場合によっては運営費交付金を増額し得るということは、ここの記述にこういう形で盛り込ませていただいております。
もう1ページめくっていただきますと、これがNEDOでございますが、これにつきましては、中期目標の欄、下4行目のアンダーラインのところに、「産業技術政策及びエネルギー・環境政策の観点からの新たな要請に配慮する。既存事業については進捗状況を踏まえて不断の見直しを行う。」ということで、「新たな要請」のところで、新規事業についての増額を踏まえた予算の査定について配慮するということが明記されております。
参考までに最終ページ、これが原子力安全基盤機構でございますが、これについては、中期目標の欄、下4行をごらんになっていただくと、「既存事業については不断の見直しを行い、原子力安全の確保の観点から新たに事業が必要となる場合にも全体の効率化に配慮する」ということで、基本的には新たな事業の可能性については、目標及び計画におきまして類似の表現で書き込ませていただいております。
先回の委員会のときに本件について御説明させていただいた際には、多くの委員の方々から、政策の必要性に応じて新規事業について一律にカットするというのは適正ではなく、新たな政策ニーズがあれば、それについての増額もすべきであるということで、非常に多くの御指摘なり御声援をいただいたものですから、その姿勢で財務当局とも調整して、このような形でまとめさせていただきました。
簡単ではありますが、報告させていただきました。
木村委員長
ありがとうございました。
この点につきましては、前回の議事録、今お手元に修正依頼が行っていると思いますが、それをごらんいただきますと詳細に出ておりますので、御参照いただければと思います。
ただいまの件について、御質問、御意見等ございますでしょうか。
非常にいい方向に行ったというふうに私は思っておりますが、よろしゅうございましょうか。
それでは、ただいまも御紹介ございましたが、前回、こういう修正に関しては、委員長の私と事務局にお任せいただきたいということでお願いしておりましたので、特に御意見がございませんければ、これをお認めするということにしたいと思います。
ありがとうございました。

2. 新設独立行政法人の中期目標について

2-1. 情報処理推進機構の中期目標について

木村委員長
それでは、次に、議題2番目に移ります。新設独立行政法人の中期目標につきまして、それぞれ事務局より御説明をいただきます。
なお、毎回申しておりますけれども、経済産業大臣は中期目標を指示する際に、あらかじめ評価委員会の意見を聞くということになっております。
まずは、情報処理推進機構からお願いいたします。
嶋田情報処理振興課長
情報処理推進機構(IPA)を担当しております情報処理振興課長の嶋田でございます。よろしくお願いいたします。お手元の資料2-1-1に基づきまして、簡単に私の方から御説明をさせていただきます。
IPAにつきましては、平成16年、来年の1月5日付をもって独立行政法人に移行することとなっております。それを控えて、中期目標につきましては、安西慶應義塾長を分科会長にお願いいたしまして、8月6日、9月29日に分科会を開きました。きょう御提示しているのが、その中期目標でございます。同時に、パブリックコメントにつきましてはその間に行いまして、約10件の意見をいただきまして、それを反映した形で中期目標をつくったわけでございます。
今の現状と中期目標のポイントを、今申し上げた資料2-1-1に基づいて御説明したいと思います。1ページをごらんいただければと思います。IPAの概要というのが書いてございます。昭和45年に設立されまして、事業規模で言うと年間152億でございます。定員で約80名の職員がおります。日本の中では、ソフトウェアに特化した唯一の公的ないわば振興機関という位置づけでございます。
2ページをごらんいただきたいと思います。では、具体的に何をやっているのかということでございますが、1つは、ソフトウェアの開発をやっております。これは、当然民間でいろいろな開発があるわけですが、民間では十分に開発が期待できないもの、これに絞って、この分野で年間約100億円弱、件数にして100件ぐらいでございますが、ソフトウェア開発の支援を実施しております。実際に、例えば幾つか例を申し上げますと、最近、IPv6という話が言われておりますが、あの立ち上がりのときには、このIPAからお金を出して、実質、国際標準に至るまで支援をしてきておりますし、例えば離島における遠隔医療のシステムであるとか、自動車産業でのいろいろな調達のための共通基盤の作成とか、相当使われているものについても、いろいろな支援をして実績を上げてきております。
それから、2つ目の業務に債務保証業務というのがございまして、これについては、特に中小ベンチャー企業を対象にして、技術評価に基づく資金調達支援をしております。これは、実は基金が100億円あるんですが、実績としては2億円程度にとどまっておりまして、これをもうちょっときちんと使うというのが一つの課題になっております。
3番目の大きな柱がセキュリティー、情報処理システムの信頼性、安全性に関する基盤整備の分野でございます。事業規模で10数億のお金を使って、専門家も入れて20~30人の規模でやっておりますが、例えばウィルスとか不正アクセスがあった場合に、その情報を集めて、またそれをパブリックに出していくということもやっておりますし、それから諸外国は、いずれもこれは国あるいは公的な機関がやっている仕事ですが、暗号の技術評価というのがございます。こういうものも担当しています。それから、セキュリティーに関する評価とか認証の制度、これは国内だけではなくて国際的な制度がございますけれども、こういう国際的な制度についてのいわば認証機関としての活動もしております。
それから、大きく分けて4つ目の柱、これは人材の育成でございます。金額で言うと約20億弱のお金をかけてやっています。これは今大きな変わり目にございまして、昔は100万人ぐらいソフトウェアの技術者が足りなくなるという前提で、地方にいろいろセンターをつくったわけでございますが、今はむしろスキル標準という形で、コンテンツあるいは共通の物差しとなるようなものを供給していくという形に変えつつあります。もう1つは、ソフトウェアは、御承知のように、非常に独創性豊かな人材をどう発掘するかというのが一つの勝負になるものですから、そういった事業もここ2~3年で新たに始めております。
3ページをごらんいただきたいと思います。今回の独立行政法人化に伴いまして、幾つかの事業は廃止することといたしました。それから行政改革の議論の中で、幾つかの事業について、こちらで新しくやるということになったものもございます。大きく言うと、ソフトウェアについては、なかなか担保がない産業でございますので、資金が回らないと。したがって、資金が回らないところを補完するために、公的機関がいろいろやるというところの役割は、ある種これだけソフトをめぐる状況、あるいは経済全体が大きくなってきましたので、それを前提にした事業は少し廃止をしていこうということで、1つは融資業務、もう1つは、3つ目に特定プログラム開発承継業務というのがございますが、いわば一般的なプログラムを自分でつくるもの、こういう資金で支援をしていたものについても、もう終えることにいたしました。
それから新しい業務としては、情報処理技術者試験という、国でやる試験、法律で決まっている試験がございまして、今、年間80万人の方が受けています。この試験について、やっぱり国でやる試験は民間法人、財団法人みたいなのに任せるのではなくて、国でやるのか、そもそも国でやるのをやめて民間にやっていただくのか、2つに分けろという議論が延々と自民党も含めてございました。行革の一連の過程の中での結論は、この試験については、やっぱり各ベンダーとは中立的な試験で、今、80万人利用があるということを踏まえて、国でやるべきだということになりまして、それで、人材育成を担当しているIPAでこの試験をやるということになり、新しく業務として追加になったわけでございます。
以上が今現在の状況ですが、今後中期目標を策定するに当たって、どんなバックグラウンドで考えているかという話で、ちょっと5ページをごらんいただきたいと思います。ごく簡単に申し上げます。この5ページに絵がございますけれども、「我が国のソフトウェア産業の現状と課題」と書いた資料です。我が国のソフトウェア産業は、ある意味でソフトウェアが単なるIT産業のためのソフトウェアではなくて、製造業も含めたいろんな産業の競争力を規定する時代になっている、あるいは社会経済システムそのものをつくっている基盤となっているという時代において、我が国自体の特殊性がございまして、相当競争力あるいは安心・安全なソフトウェアの提供という意味では、課題が多うございます。その1つの課題は、そこに国・自治体、金融業、製造業、下の方にベンダー、いわば供給側と書かせていただきましたけれども、この間で、実は市場による競争に基づいて、ベンダーの方も競争力のある人が勝ち残っていくという体制ができて、技術力が上がっていくというのが通常の形なわけですけれども、ソフトウェアの場合には、単に価格とブランド、この2つが大きな競争のいわば指標となって進んできている。
したがって、中身の品質、生産性については、当然その競争もあるんですけれども、少し諸外国に比べるとおくれをとっているというのが現状でございます。これの1つは、やはり労働力の流動性が低いので、国・自治体あるいは産業界の方でもユーザーサイドにおいて、今の複雑化するソフトウェアあるいはITの状況の中で、本当に中身をわかって厳しい発注をできる人がなかなかいないところがふえてきたという面があると思います。
一方、そういう中で、ある種のリスクをヘッジするために、ゼネコン体質と言われます体質を産業としてはつくっておりまして、そこに富士山みたいな形で書かせていただきましたが、いわゆるプライムの企業のもとに、5次、6次、7次という非常に多重的な協力企業がくっついているという産業構造になっています。これはこれで一つの合理性を持っていたんだと思いますが、最近起こっていますのは、中国、インドを初め諸外国が相当ソフトウェアの分野に力を入れてきた。ある意味ではオフショア調達と我々呼んでおりますが、アウトソーシングもかなり進んでいきますので、ある種の空洞化の懸念が、本来雇用を確保しなければいけないソフトウェア産業においても起きる懸念が相当に出てきているということでございます。
一方で、大学、国立研究所、ここはソフトウェアについては、普通のほかの工学に比べますと相当コンピューターサイエンスに偏っておりますので、産業界の方から見て、効果的な連携ができているとは言えない状況だと思います。
以上のようなことを考えますと、7ページをちょっとごらんいただきたいんですが、単にIPAの事業の中身を効率化するということだけではなくて、今回の中期計画を実際にやっていくに当たって、IPAの中身の再編成をやりたいと思っております。一番最初に「目指す方向」というのを書きましたけれども、基本的な認識は、単にIT産業のためのIPあるいはソフトウェアということではなくて、社会経済、それから産業競争力全般に影響を及ぼすソフトウェア、これにどうやって公的な立場から貢献していくか。そのために、どうやってIPAといういわば公的なプラットホーム、基盤だと思っておりますけれども、ここをどうやって機能するように変えていくかという観点から、いろいろ事業の再編成をしようと思っております。
そこの絵の「独法IPA」と書いた中に、幾つかセンター、センターと書いてございます。これは、新たにセンターを箱ものでぽこぽこつくるという意味ではございません。今やっている事業を、人も含めて再編成をして、公的な立場から貢献できるようにしようと。同時に、センターといたしましたのは、民間の本当に専門家の方に、例えば2年ないし3年の任期でも結構なんですが、来ていただいて、ある程度自由度を持って、その分野において公的な軸として活躍していただこうと、そういうふうに変えていこうと思っています。
今のIPAは、一言で言うと、ちょっと前後が逆になって恐縮ですが、6ページ、その前のページに、今何をやっているかというのが書いてございます。一言で言うと、この法人のお客様、顧客はIT企業でございます。それから主たる事業は、そのIT企業に対して、研究開発とか人材とかそういうのに絡めて、足りない資金をどうやって供給するかというのが、大きなざくっとしたアジェンダーでございます。
次の7ページ、前後して恐縮ですが、時代が変わってきているので、それを単にIT企業だけではなくて、一番下に、製造業、金融、建設、個人、政府・公的機関と書きましたが、いわばユーザーサイドも視野に置いた、そこに公的なサービスを提供できる機関に変えていきたいということが1つでございます。
もう1つは、資金の供給に偏っていた業務の内容を、むしろ、いわばプロフェショナルリズムに基づいた専門的な知見を出していく。あるいは、例えば人材で言うと、各社それぞれが、ITについてのいろいろな人材の自分での評価の基準というのを持っていますが、それを国全体あるいは各社ごとに、会社を超えて比較できるような共通の物差しを提示してやると。そんなことを一つの仕事としてやることによって、人材全体の底上げを図るとか、そういう、いわば専門的な知識に基づいて公的な貢献を図るというふうに業務自体を変えるというのを一つの大きなアジェンダーにしておりまして、そういう形で今回の中期目標もつくらせていただきました。
以上、考え方を申し上げましたが、実際の中期目標のポイントが資料2-1-2でございます。ここをごらんいただくとおわかりになりますように、中期目標自体は1ページの真ん中辺でございますが、4年3カ月間、平成20年3月31日までを対象にいたしまして、例えば業務運営の効率化というところでは、今述べたような考え方に基づいて多様な人材を集めて、既にこれは実際やっておりますけれども、成果主義による人事評価などを徹底する、あるいは業務の電子化を図るといったような効率化を図ることとしています。
2ページ目以降、これが今申し上げたIPA全体の組織のアジェンダーを変えていく過程で、ソフトウェア開発分野、情報セキュリティー、人材、その3つの柱について、具体的にどういうふうに変えていこうかというのを述べてございます。具体的な中身に入るとちょっと時間を食いますので、基本的には、今申し上げたように例えばソフトウェア開発で言えば、公的な機関として支援をするに当たって、企業の選別あるいはプロジェクトの選別、実際に支援していくに当たっても、なるべく民間の専門家の方に深く関与していただくようにすると。実はプロジェクトマネジャー制度というのをここ数年で急速にしいておりまして、昔はそういうのはなくて、勝手に委員会でやっていたんですけれども、今はほぼ全数がプロジェクトマネジャー、これは大学の先生であり民間のこの分野の専門家の方なんですが、に選んでいただいて、実際に育成のところまで相当関与をしていただいております。そういった形の専門家を深くインボルブするという方向をもっと深くやっていきたいと思っております。
一方、セキュリティーにおきましては、公的な機関が、いわば国際的な相場感で言っても相当やる部分がふえておりますので、そこについて、所要の人材も集めて対応をしていくということを考えております。
3ページでございますけれども、3番目に人材。人材につきましては、地方においてセンターをつくるとかそういうことではなくて、先ほど申し上げたような、いわば共通の物差しをどうやって国として打ち出していくのか。それから、とがった人材をどうやって発掘するのか、そういう点に焦点を絞って人材育成をやっていきたいと思っております。
それから、財務につきましては、実は80万人受ける情報処理技術者試験というのが今回新しくくっつくことになりますが、この試験については、とにかく受験手数料収入で自分で回るようにするということを目指そうと思いますし、地域においていろいろなセンターをつくっていたやつも、その県と相談をしながら、この中期目標期間内にとにかく整理を始めていこうと思っております。
それから、管理費等におきましては、ほかの法人との並びで抑制をしていくということでございます。
簡単でございますが、以上でございます。
木村委員長
ありがとうございました。
分科会長の安西先生、何か補足ございますでしょうか。
安西分科会長
ソフトウェアが日本の経済を活性化する、あるいは産業力を高めるということは、だれもが総論としては、何となく、あそうかなと思っていながら、具体的に、じゃだれがどういうふうにすればそれができるのかということについてはっきり物が言える方は、それほど多くはないというふうに思います。今ありましたように、特にセキュリティーですとかソフトエンジニアリング、オープンソース等々のことについて、これまではIT産業をバックアップする、特に電機メーカー等をバックアップするということが重点的に、日本の、特に経産省等では行われてきたように思いますけれども、ソフトウェアは、人材も含めて、今は相当広範な産業分野において必須の技術になってきているわけです。にもかかわらず、これは私が見るところでありますけれども、いわゆるここにあるような製造業、金融、建設云々、さまざまな分野において、ソフトウェアの技術については、ほとんど丸投げに近いような状況があるように思われます。ちょっと言葉が言い過ぎかもしれませんけれども、結局そういう分野でもってソフトウェアのプロフェッショナルがいないということが非常に大きな問題点だというふうに思われます。
そういうことを総合的に考えますと、このIPAが今後、さっきありましたように、いわば方針をある意味で改めて、いろいろな分野に対して人材の供給、人材育成、また重点的なオープンソース、あるいはITスキルの標準の形成、あるいは特にセキュリティー――セキュリティーというのは、国だけの問題ではなくて、いろいろな産業分野にかかわることでありますけれども、そういったことを重点的に進めていくということは非常に重要だというふうに思っております。
特に私は、シロアリ論といいますか、ちょっと長くなりますけれども、情報技術というのは、日本はある程度いっているのではないかと、進んでいるのではないかというふうに、家で言えば、外から見るときれいにペンキが塗ってあって、きれいに見えて、まあいいんじゃないのというふうに思われるかもしれないけれども、大黒柱の中は空洞化している。それでシロアリと、こういうふうに言って歩いているのでありますけれども、実際にソフトウェアの基幹技術を担えるような人材というのは、日本には払底しております。これは大学も同様であって、こちらにも責任があると思いますけれども、そういう基幹の技術を担える人材を日本が独自に育成していかないと、これは産業競争力どころの話ではない。これからはやはりソフトウェアは非常に重要であるにもかかわらず、だれもが総論としてはそう思っているにもかかわらず、具体的にそれを伸ばしていく機関というのが、これからの時代を見据えてないというのが現状だと思いますので、IPAは独立行政法人化されるのであれば、そういうことに対して責任を持っていくべきだというふうに思っております。
以上でございます。
木村委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの御説明並びに安西分科会長からの御説明に対して、御質問等ございますでしょうか。
どうぞ、鳥井さん。
鳥井委員
安西先生の言われたこと、極めてもっともだと思うのでありますが、国がそのプロを育てるということが果たして妥当なのか。うまく育てられたら、これは民の人たちも喜んでそれを受け取ってくれて、ちゃんと事業化ができるものだろうという気がするわけであります。
それから、例えばソフトウェア技術者の試験なんですが、英語なんか見ますと、民間の試験がきちんと世界で流通しているわけですね。これも国がやらなければならないということは、将来にわたって考えにくいことかなという気がいたします。
それから、さまざまな基準認証だとかそういったことの業務、端的に言うと基準認証みたいな業務をやるよと、こうおっしゃっているんですけど、例えば標準の世界を考えてみますと、あらかたの標準というのが、民で認証されるというメカニズムが入ってきていますし、いろんな技術基準にしましても、これを民に開放していこうじゃないかという方向へ行っているんだと思うんですね。
そういう意味から言いますと、IPAの仕事のかなりの部分が、いずれは民に移管できるんじゃないかという感じがするのでありますが、この評価委員会でもかつて大分議論になったのでありますが、民に移管できるものは移管しましょうよということなので、そのメカニズムというのを、何か内蔵しておく必要があるんじゃないかなと。何か個別的な判断で、これは民に移してもいいです、これは移さないという、そういうことじゃなくて、こういう状況になったら、これは民にどんどん移管していくんだというような、そういう確固たる線引きというのか、線引きといって、それがリジットにできるとも余り思わないわけでありますが、何かその考え方というのを、IPAの場合には中に内蔵して、そこにいつも照らしながら業務を見直していくというような、そういう方向が必要なんじゃないかなという感じがしますので、ぜひその辺を加えて、今回の中期目標で加える必要があるかどうかというのも若干の疑問はあるのでありますが、少しその辺はお考えいただきたいなという感じがいたします。
木村委員長
いかがでしょうか。
原委員
共通する質問なので。
木村委員長
では、原さん。
原委員
鳥井先生と問題意識を共通して持っておりまして、先に質問させていただけたらと思うのですが、この組織は昭和45年からスタートしているということで、30年以上たっていると。かなり古い組織ということで、そういう場合、タコ足配線的にいろんな業務が膨らんできていると。そういう意味では、今回整理をされて、物差しづくりとセキュリティーと人材育成のところに焦点を当てていくという形での中期目標を立てられた、絞られたという点では、中期目標の立て方としては、私、妥当かなというふうに思うのですが、今、鳥井先生がおっしゃったように、評価の目というものを一体どういう形で組み入れておくのかということも大事かなというふうに思っております。既存の、今までの独立行政法人もいろいろやっていますけれども、過去やられたものに対して、数値目標を立てたり、こういうふうな形でということで整理をしてきましたけれども、さらに大胆に中を変えていこうというふうになっていますので、そうすると、その中期目標の立て方とか、そういうのが妥当だったのかどうかというようなところ。だから、今までいろいろ評価していたのより、もう少し大きい枠組みでの評価の視点みたいなものを入れておけるような形に、仕組みとしてはつくっておいた方がいいのではないかなというふうに考えております。
今回は中期目標ということなので、評価という観点はまた別に議論をするのかというふうに思いますけれども、中期目標を立てられるときにも、その評価の観点をどういうふうに盛り込むことができるかを入れて立てていただきたいというふうに思っております。
以上です。
木村委員長
では、お願いします。
嶋田情報処理振興課長
では、私の方から幾つかお答えします。
全般論で評価の目というお話が原先生からあり、あるいはメカニズムを内蔵したらどうかという鳥井先生からのお話がございました。基本的に独立行政法人は、民間でできるものをやる必要がない機関だと、事業の1つ1つについて見ていって、もしみんな民間でやった方がいい、あるいは公的な部分でやる必要がないということであれば、それはつぶしたらいいと思いますし、そういうことでこの評価委員会自体も御評価いただいていると思いますし、分科会でも御議論いただいていると思います。そういう意味では、議論の過程に当然考え方がビルトインされてやっているというのが私どもの認識なんですが、ちなみにちょっと申し上げると、例えばアメリカでは、いわば公的機関としてソフトウェア・エンジニアリング・インスティチュートというのはカーネギーメロンにくっついた形であります。これは国防総省が7割ぐらいの金を出しています。このIPAでやっていたプログラムの自動精算というプロジェクトが実はあって、それに刺激を受けて、彼らが一生懸命つくったんです。今何が起こっているかというと、これは私どもの非力で大変恐縮なんですけれども、世界的なソフトエンジニアリングのいわば拠点になっています。日本の企業も、大企業がむしろそっちに人を派遣して習いに行くという状況になっています。彼らいわく、日本が一生懸命やっているのをまねしてやったんだけど、この分野はむしろそういう形での公的なコミット、ある種の公的な人材の集積基盤、そういうものをつくるのが大変重要だと、むしろ僕らに今言っているような状況でございます。
ヨーロッパも同じように、NASAで同じようなことをやっていた人がトップに帰って、フラン・フォーバー財団の金を受けながら、それを始めています。オーストラリアは、おととしつくりました。シンガポールも今つくろうとしています。今、世界的に知的経済の流れの中でソフトウェアが非常に大事になっているので、例えば人材育成とか、さっきのセキュリティーの問題、そういうものについて少し公的な役割を強めなくちゃいけないという全体の方向だと私どもは認識しております。ただ、今のIPAは、恐らくそのニーズには十分に合ってないだろうと。それをとにかく抜本的に変えるところから始めたいというのが、きょう御説明した内容でございます。
それで、幾つか個別の論点で言うと、国がプロを育てるのは無理だと。それは全く国がやるんじゃなくて、大学なり民間なりがやる話だと思っておりますけれども、今の大学の実際に教えている状況を見ますと、ある種のコンテンツを利便性のためにみんなが集まって供給すると。それに基づいてそれぞれにやっていただくということは、一つ意味があることだと思っていますが、そういう自分で教育するということから、むしろコンテンツの供給だとか、あるいは人材の評価物差しの提示、こういうところに仕事を絞りたいと思っています。
それから試験につきましては、いずれは民間にという話がございましたけれども、私どもが聞いていますのは、やはり各ベンダーがやっている試験は、そのベンダーそれぞれのものだと思いますし――それとも、コンプレートとかああいう話でございますか、と思っておりますので、ある種の中立的な試験、これは今でも実際80万人受けているということは、それだけのニーズがある、それから、それぞれの会社の人事評価なり技術者の評価に組み入れられているということだと思いますので、そういった形でニーズはあるし、やっていくべきだと思っています。むしろ今は、アジアの各国に対してこの試験の仕組みを輸出するようなこともやっておりまして、アジアワイドでだんだん人材が動いていく中で、できればこういう共通の物差しあるいは共通の試験によって評価された人たちが流動化していくということも目指せたらなと思っています。
それから基準認証については、一般的には全く鳥井先生おっしゃるとおりだと思いますが、特に暗号とかセキュリティーの分野については、各国とも公的な機関がやっているというふうに認識しておりまして、そういう意味では、公的独立行政法人としてのIPAの任務は相当あるというふうに私ども考えております。
木村委員長
どうぞ、鳥井さん。
鳥井委員
私が申し上げたのは、ないと言っているわけではなくて、できるものはどんどん民間に移していったらいいでしょうと、こう申し上げていて、こういう言い方を私がするのはちょっといけないかもしれないですけど、評価委員会に余り過大な期待をされても、これは民営化するべきですとか、これはそのまま国がやるべきですというのを、明示的にこの委員会が結論を出せるというものではないので、何かその考え方のもとになるものを埋め込む必要があるだろうというふうに申し上げた わけです。
もう1つ、人材について言いますと、中立機関というのは、何も国だけが中立機関じゃなくて、民だってベンダーから中立する機関は幾らでもあり得ると、こういうことです。
以上です。
木村委員長
どうぞ、鳥居先生。
鳥居委員
IPAができた昭和45年というのは、そのわずか7~8年前の昭和38年ぐらいを考えますと、まだ東大はPC―3という真空管のコンピューターをつくっていた時代なんですね。ちょうど同じころ、K―1という、慶應では日本で初めての手づくりの、これも東大と同じ手づくりで、東大は真空管で、うちの方は、私の親指の先ぐらいのトランジスターを使ったコンピューターをつくっていた。つまり、IBMの市販機を購入して使っている企業は、三井系に2社しかなかった。それが40年ごろになってどーっと入ってきて、やっと大蔵省とか日銀にもコンピューターが入る時代が来た。そのときに、SSというのが通産省の肝いりでできたんです。SSというのは、システム・アナリスト・ソサエティー。これは、完全に1人1人が独立したシステムアナリストたちのサークルだったわけですね。平松さんが電子課長のときにつくったんですけれども、それと前後してIPAができたんですね。非常に重要な役割を両者が果たしてきたんです。SSは、赤坂の何とかいうホテルに事務所があって、あれが焼けたときについでに解散しちゃったんだけど、こっちは残ってくれたおかげで、非常に重要な役割を果たしてきた。
そういう歴史をずっとたどりながら、では、今何が起こっているのかというのを考えると、日本のコンピューター教育は、今、嶋田課長がおっしゃった言葉の中にもありましたが、各大学で教えているコンピューターサイエンスなるものが、どんどん既製品のマクロのソフトウェアの使い方に偏っていて、それをつくる技術、もうちょっとどぎつい言葉で言うと、1ビット、1ビットをいじれる人間が減っているんですよ。かつてSSをやっていた時代のシステムアナリストたちは、マシーンランゲージから自分で1ビット、1ビットをいじってプログラムを組んだり、あるいはアッセンブラーそのものを自分でつくったり、コンパイラーをつくるということができた。ところが、今はそのノウハウがなくなっちゃっているから、そういう技術が必要なときはどうするかというと、中国の大学を出た、中国で特訓を受けた中国人の人を雇った方が、よっぽどすごい微妙な仕事ができる。そういうのをたくさん雇っている企業が現にあるわけですね。
この間も、日本のある電機メーカーが訴訟を受けましたけど、それはパソコンの2進法だけで全部やってくれていれば何でもないのに、一部バイナリーコーデッドデシマルという、要するに2進法の組み合わせも、10進法で動いている部分があるわけですね。その部分を組み込まれたおかげで、同じ値段で買って同じ値段で使っているつもりが、効率としては何分の1かになっちゃっているという、集団訴訟に今かかっているわけです。それは、そういうところまでいじれる人間が、どんどん大学のコンピューターサイエンスの教育の中から落ちていっているわけなんですね。
今、一つの例として申し上げましたけど、政策誘導しなければならない分野が幾つかあります。そういう政策誘導の役割を果たすのであれば、IPAの新しい大事な任務が政策的にあると私は思っています。
木村委員長
ありがとうございました。
岩村さん、どうぞ。
岩村委員
新しいタイプの、今までと少し違うタイプの独立行政法人が評価委員会の中に入ってきたなという印象がございますので、少し申し上げたいと思います。
民と公の区別の話、民と国と言ってもいいでしょうか、線引きの話がやはりIPAの場合は常に問題になろうかと思います。今のお話を伺っていると、一般にはよく言う議論のタイプですが、民間では無理な機能だから国がやるんだということが主張されているように思いますし、私は、それは合理的な判断基準だと思います。ただ、気をつけた方がいいことは、一方で、民で無理なことは国がやっても無理だろうという論理もあるわけで、過去の例を見る限り、民間企業が競争的に開発したり推進したりしてうまくいくような環境にあるときには、公的機関がやっても同じことはうまくいくし、その逆のときも、また同じような傾向があると。ですから、やはり民では無理だから国がやりますというだけの理屈では、IPAの業務を整理することが難しいでしょうし、ましてや、いずれ問題になりますアウトカムが何だろうということについての議論は難しくなるだろうと思います。
これからですので、考え方の整理をいずれお願いしたいなと思いますのは、やはりIPAが業務をやる理由というのは、恐らく私は、特に情報処理ということで言えば、3つぐらいあろうかと思うんですね。1つは、多分まだ産業的にあるいは技術開発的に幼稚な段階だから国がやるんだという議論で、この部分については、ちゃんと回るようになったら民に移管しなさいよという議論が当然成り立つわけで、それは一つのIPAの分野ですから、その分野に対する評価のスタンスとしても、むしろちゃんと民に移管されていくような体制がとられているかということが評価の基準になっていくというものがあると思います。ですから、幼稚だからという理由だったらそういうことになろうかと思います。
2番目に考えられる理由は、恐らく市場が失敗しているというケースで、例えばセキュリティーでウィルス対策みたいなものは、よくそういうことがあろうかと思うんですね。特定のネットワークに参加しているノウドの管理者が、パソコンの管理者あるいはサーバーの管理者が、非常にいいかげんなセキュリティー管理をやっている、しかしネットワークでつながっているので、その人のいいかげんさが、周りの人に外部性という意味で迷惑を与えてしまう。そういう状態を考えると、なかなか自分のコストの負担というだけではセキュリティー対策が完結しない可能性があるので、それについては、公的なサービスは存在するという理由は考えられると思います。そうすると、このケースについては、IPAの事業のどれがそれに該当するかというのはIPAと評価委員会の事案でありますが、民に移管すればいいという性格のものではないという気がいたしますので、そこの部分は、幼稚だからという考え方とは違う整理が要ると思います。
3番目は、これがあるかどうかわかりませんが、今、インテリジェンスポリシーとかインテリジェンスオーソリティーについては、海外でも国がやっているという指摘が出ておりますが、私の知る限りでは、特に米国で暗号が国の機関に所掌される大きな理由は、国の安全保障と結びついているからで、そういう意味で言えば、国の別の機能、民間とは別の国独自の安全保障という機能にバンドルされているので国が見ているという、これが3番目のケースであります。このケースについては、むしろ独立行政法人が担うのがいいのかどうかという議論が出てくると思いますので、別のところでも国がやっているからというだけの理由では、なかなか説明が難しい部分がいずれ出てくるだろうと思いますので、それはこれからの中で整理や検討をお願いしたいと思います。
木村委員長
ありがとうございました。
秋山先生、お手が上がっておりましたか。
秋山委員
後ほどまた。
木村委員長
では、永田委員お願いいたします。
永田委員
中期目標の期間について私は御質問したいんですが、中期目標というのは3年から5年ですよね。まさに新しい時代の要請に応じた非常に重要な仕事をする独法が誕生するということだと思うんですが、この中期目標のアウトプットを出していく期間として4年という形を提示した場合、それだけ重要で、まさに情報という分野を扱うだけに、4年でアウトプットを出します、つまり目標を立てた計画を出すというのが、社会なり国民に対して遅いと言われる可能性はないだろうかと。もちろん、これだけの新しい取り組みや重要な取り組みをやるのですから、ある程度の期間は要るとは思うんですが、4年で出しますという形にしたときに、これは業務計画を見ていませんので何とも言えないんですが、直感的なので申しわけないんですが、遅いんじゃないのと言われる可能性があるのではないかと。つまり、例えば3年で少なくともこれぐらいのアウトプット、中期目標を達成しますということをある程度明示する必要があるのではないかと思いまして、4年という期間について、もちろんこれは、戦略計画をこの後どう書いていくかにリンクするのですが、その辺、少し再考する余地があるのではないかなと思うんですが。
木村委員長
では、秋山先生どうぞ。
秋山委員
今までのお話と多少関係があるかもしれないんですが、資料の3ページの「IT人材の育成分野」というところの文章のキーワードをずっと追って見ていまして、それぞれの意味するところと相互の関連について、これは私だけの理解の不足かもしれないんですが、例えば「人材の育成」と「独創的な人材の発掘・支援」というものが一応分離された扱いになっておりますが、この「人材の育成」という言葉と独創的な人材の発掘・支援」というものとの間に、「育成」という言葉をかなり広く解釈すれば、やはり関連性があるのではないかという。例えば教育の問題にしましても、画一的な――例えばここで、「実践力を有する人材」という教育は、ある決められたフォーマット、ある決められたルールに従って、それをきちんと正確に実現できるという意味がこの「実践力」という言葉に託されていると思いますけれども、教育の視野というのは、もっと幅広く、後段の独創的な人材の育成というところにつながってくると思いますので、そこの関連で申しますと、私は、この分野に国としてこれから力を入れていただきたいと思いますのは、1つは、こうした分野での環境基盤の充実と、もう1点は、独創性の裏としましていろいろな意味での投資リスクがあるわけでございますので、少なくとも基盤充実と投資リスクの大きい分野についての支援、この2つは、きちんと国としての強力な支援といいますか、環境整備が必要なのではないかと思うわけでございます。
例えばこの文章の中に、人材育成については「能動的な働きかけ」というキーワードがありますが、次代を切り開く独創的な人材の発掘・支援というところでは、必ずしも国としてのコミットメントが、あるいは支援のスタンスが、十分にはこの表現では私には読み取れないので、ぜひ独創的な発掘・支援についても、国として積極的かつ能動的な取り組みあるいは投資をしていただきたいなという、これは感想でございます。
木村委員長
ありがとうございました。
どうぞ、小泉さん。
小泉委員
今の秋山先生のお話にも関係すると思うんですけれども、資料2-1-2の3ページの[4]の、特に「ASEAN加盟国、中国、韓国、インド等との相互認証」云々という、ここのところで、人材育成ということで記述があると思うんですが、やはりこれから先を考えていったときに、私は、どうもISOなり何なり、世界基準で日本は動かされていくような気がしてならないわけです。こういったITという技術というのは、今までずっと日本はかなり頑張ってきていると思うし、それが空洞化しないようにということも大事なんですが、先ほどの御説明の中では、アジアから発信していくようなお話もありましたので、私は、例えば国が関与するような形での、民間にはできないという意味では、情報処理技術者試験とも絡めて、こういったIT技術の日本バージョンでの、アジアから発信するような資格みたいなものをこういった国々と協力し合ってつくっていって、アジアからそういったIT技術の資格あるいは発信をできるような国家戦略、そういったものを多少組み込んでいただければ、独法人でやっていく意義が非常に高まるというふうに思っていますので、ぜひこの辺を御検討いただければと思います。
木村委員長
ありがとうございました。
平澤先生、それから八木さん。
平澤委員
私は、安西先生を初めとして、こういう独法化を契機として大きな枠組みを見直すということに踏み出されたということに対して、まず敬意を表したいと思うんですが、これこそ独法化の効果の非常に大きな点だろうというふうに思うわけです。
そうであるわけですけれども、ここで記述されている内容から、もう1つ踏み込んだ部分もあっていいんじゃないかなというふうに思っているところがありまして、それは文章の中にも出てきはするんですけれども、先進的な社会システムの基盤的ソフトウェアを担保するというようなことになっているわけですが、問題は、何が社会が要求している基盤的ソフトなのかということのニーズを見きわめていく、そういうプロセスだろうというふうに思うわけです。既存のさまざまな産業の中で必要としているソフトウェアというのはもちろんあるとしても、まだ成立していないような、情報化社会を支える卵の状態の産業が必要とするような先導的な社会ソフトといったようなもの、こういうものこそ国が早目に発掘して、戦略を立てて取り組んでいくということが必要だろうというふうに思うわけです。
そういう目で見たときに、資料2-1-1の7ページにあるこの絵の中では、今のようなことになる部分がどこにもないのではないかなという気がしているわけです。言葉をかえて言えば、独法IPAの事業内容の戦略を立てる、それをサポートするニーズ分析をするといいましょうか、そういうようなシステムというのが明示的に内部にないと、今のような新しい社会ニーズを掘り起こして先導的に取り組んでいくというふうなことはできないのではないかなというふうに思うわけです。この絵の中にないだけであって、あるいは内部ではそういうことは検討されているのかもしれませんけれども、一言つけ加えたいと思います。
木村委員長
ありがとうございました。
では、八木さんどうぞ。
八木委員
電機産業に身を置くものといたしまして、これまでIPAが果たしてこられた大事な役割というのは身をもって感じているところでございまして、それが新しい観点から、また、こういうふうに多くの業務を整理されながら、効率的に任務を遂行されるというこの中期目標、中期計画については非常に理解できるところありまして、了解したいというふうに感じております。
ここで1つ、財務的な観点で、最後に説明されました出資の健全化というようなところがございまして、繰越欠損金の整理云々と、こういうお話がございましたけれども、債務保証業務の中で出資はまだ2億程度で少ないんだというお話だったので、繰越欠損のウエートも低いかとは思うのでございますが、この期間内に処理しようとしておられるその規模のようなものを、もしできれば確認をしておきたいなと、こう思っております。
木村委員長
事務局、では、最後に何かまとめて御意見ございましたら。
嶋田情報処理振興課長
幾つか御意見をいただいておりますので、順番のお答えになるかどうかわかりませんが、答えさせていただきます。
岩村委員からお話のあった、いわば民間と国でやるテストの話ですが、おっしゃるように、幼稚産業、市場失敗あるいは安全保障という切り口だと思います。ただ、私どもが今回の中期目標をつくるときに基本的に考えたのは、マーケット、いわば民ですね、民も成功も失敗もあると、ガバメントも成功も失敗もあると。民が失敗した場合に、今の官、狭い意味での官、それは何かというと、私ども役所の人間と、それからIPAも割とプロパーの人たちが多かったものですから、そういう人たちが民で失敗した部分ができるかといったら、うまくいってなかったというのは、正直に申し上げてイエスだと思います。
したがって、いわば民間の専門家の方に出てきていただいて、官という意味ではなくて公の役割を果たしていただくという、いわば受け皿として、先ほど申し上げたようないろいろなセンターに再編成しようという発想が出てきておりまして、それでもできなかったら、民でもだめだ、公でもだめだということになるんだと思いますが、諸外国を見ていますと、そういう意味で公をちゃんと機能させていると。そういう形でもっと公を機能させる形に再編成をしたいというのが、今度の中期目標の一つの意図でございます。
それから、永田委員からお話のありました、遅いんじゃないかという話につきましては、私どものIPAでやっている業務のソフトウェアの開発というのは、実際にものになるまでに3年から5年かかっていまして、3年で切っちゃうと、5年かかかるやつはまだ全然できてないものですから、本当は5年なんですけど、それじゃ余りにもあれだということでこういうふうにしておりまして、中期計画をつくる中で、とにかく4年3カ月の間全く目をつぶっていて、それで、はいどうぞということではなくて、ある程度ステップ・バイ・ステップにちゃんと結果がフォローできるような仕組みをつくっていきたいと思います。
それから、秋山先生と小泉先生のおっしゃった人材の話でございますが、独創的な人材の重要性というのはまさにおっしゃるとおりだと思っています。私どものやっていますのは、むしろ一言で言うと天才発掘みたいな話でありまして、本当に目ききの人に発掘してもらって、いわば起業化するまで育ててもらうというのをやっております。これと、もう一方で、実際にソフトウェア産業で働いている人が、単にコーディングではなくて、先ほど鳥居先生からお話のあったような、基本原理もある程度わかって、それからアーキテクトの部分、これはやれる人がすごく少ないわけですけれども、そういうところもできる人も育成していくというのと、その二本立てで進めることが大事だと思っています。両方とも意を払ってやりたいと思います。
それから、アジアの関係で言うと、おっしゃるように、アジアの人材のいわばスタンダードとして発信していくという発想はありまして、例えばe―ラーニングを経済協力と絡めて広げていくというようなことも今やりつつございます。非常に難しい課題だとは思いますが、トライしていきたいと思っています。
それから、平澤先生のおっしゃった、ソフトウェア全体の開発のいわば技術戦略につきましては、7ページをごらんいただくと、ちょっとパワーポイントでA4なので字が小さくなってしまったんですが、「独法IPA」の下に「ソフトウェア知戦略センター」と書かせていただいて、その横に「開発部門」と小さく書いてありますが、いわば今までのように単に提案公募で出てきたものを支援するだけではなくて、世界的な技術の水準を踏まえて、あるいは公的な役割を踏まえて、どこに重点化するかという、いわばある種のシンクタンク的な機能をここにつくりたいと思っています。それに基づいて支援をしていくということをしたいと思います。御指摘の点は、全くおっしゃるとおりだと思います。
それから、八木委員のおっしゃった出資のところの話でございますけれども、さっき御説明した地域センター、これは全国に20カ所ございます。計80億円を出資いたしました。今、欠損金で出ているのは3億円でございます。それぞれのセンターの経営改善と整理によりまして、可能な限り減少したいと思っておりますけれども、基本的に欠損金が出続けるようなやつは、むしろつぶしていくという方向でやりたいと思います。
以上です。
木村委員長
ありがとうございました。
安西先生、どうぞ。
安西分科会長
手短に申し上げます。
改めて申し上げますけれども、ITのかかわる社会構造あるいは産業構造が激変しているにもかかわらず、産業界も大学もあるいは国も、それに追いついてきてないというのが具体的な状況だと思われます。人材の供給につきましても、さっき鳥居先生が言われたように、政策誘導ということは非常に大事で、それを担うべきだというふうに思いますし、また、もう1人の鳥井先生が最初に言われたように、民間との技術移転といいますか交流といいますか、それから人材の交流につきましても、これはIPA独法だけの問題ではなくて、独立行政法人全体の問題として、ぜひそういうことがやりやすい形になっていってほしいというのが個人的な願いでございます。よろしくお願いします。
木村委員長
ありがとうございました。
それでは、1つの法人で中期目標の議論でこれだけ御意見をいただいたのは初めてだと思います。それだけ、冒頭安西分科会長がおっしゃったように、ソフトウェアの開発というのは国の将来を決めるということを我々が認識しているからだというふうに思います。
大変大所高所からの御意見をいただきまして、ありがとうございました。全体として、お示ししました中期目標のポイントの流れについては、それほど御反対がないと。ただ、ディテールについては、ややいかがなものかという話もありましたので、一応いただきました意見を整理させていただいて、私と事務局に御委任いただいて、反映するかどうか、多分反映する点もあろうかと思いますけれども、その辺お任せいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
〔「了解」の声あり〕
木村委員長
では、それで進ませていただきますので、よろしくお願いいたします。

2-2. 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の中期目標について

木村委員長
それでは、引き続きまして、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の中期目標について、事務局から御説明をお願いいたします。資料2-2-1と2-2-2の資料です。
澤資源燃料部政策課長
資源燃料部政策課長の澤でございます。時間の関係上、非常に簡潔に御説明をしたいところなんですけど、非常にややこしい、2つの法人が1つになるという点もございますので、若干順序が逆になりますけれども、最初に2-2-1の4ページの方からごらんいただきたいと思います。
今回の石油天然ガス・金属鉱物資源機構というのは、石油公団と金属鉱業事業団が統合されて1つの法人になるということが、まず大前提でございます。ちょっと名称が長いので、資源機構と省略させていただきますが、もう1度1ページ目に戻っていただきますと、石油公団につきましては、いろんな情報開示の問題その他欠損の問題、こういうのが問題になり、13年の12月19日に特殊法人整理合理化計画におきまして、石油公団については廃止をすると。ただ、公団の持っている機能のうち、リスクマネー供給と備蓄については、体制を改革した上で国家備蓄統合管理という形で機能を残し、さらに金属鉱業事業団と統合して独立行政法人を設置するという方針が定められております。金属鉱業事業団におきましても、業務を限定して石油公団と統合して独立行政法人を設置するということに決まったわけでございまして、それを受けまして、(2)のところでございますが、廃止法と新しい機構法の組織法両方を出しまして、それが去年の7月に成立したわけでございます。
ちょっと駆け足で申しわけございませんが、2ページ目を見ていただきますと、その法律に決められた移行スケジュールが書いてございまして、来年の2月の終わりに資源機構が立ち上がるということになっております。ただ、石油公団の場合、従来からの資産が相当ございますので、その資産処分の業務に限定をして、石油公団を1年間だけ継続して残すということで、再来年の3月をめどに最終的に公団を廃止すると。それまでの間に資産処分を行うということで、一時期、業務限定後の石油公団という形で特殊法人が1年間残る形になってございます。今回の中期目標につきましては、この上の方の独立行政法人の資源機構に対するものでございますので、その辺は峻別して御説明をしたいと思います。
中身でございますけれども、あちこち行って申しわけございませんが、5ページ目に、どのように業務を統合するのかというイメージ図が載っております。石油公団も金属鉱業事業団も非常に似た業務を行っておりまして、まず、資源の探鉱開発に関して、出資、融資その他債務保証などの支援業務を行っている。もう1つは、技術開発の業務を行っている。もう一固まりが備蓄を行っていると。さらに金属鉱業事業団には、鉱害防止ということで、掘った後の鉱害を直していくのを支援していくという業務も残っております。これらを探鉱開発の支援という横割の機能あるいは備蓄、あるいは技術開発という1つの軸に沿って組織を再編していくということでございまして、真ん中に黒枠で囲っております「資源機構」というのは、新しい業務の組織体系になるわけでございます。
そういう形での組織の再編を行うわけでございますが、それに伴いまして、3ページに戻っていただきますと、一番この業務で大きいのが、やはり探鉱を支援し、開発を支援していくという点でございます。これにつきましては、石油公団の廃止に伴いまして、今後、石油・天然ガスあるいは金属の探鉱開発について、どういう形で国と民間あるいはこの機構を組み合わせて資源国外交というのをやっていくかということを審議会で話し合われたわけでございます。
この右肩に少し書いてありますが、平成15年3月、今年の3月に、総合エネ調で「石油公団の開発関連資産の処理に関する方針」というのが報告されております。それの要約したものがこのポンチ絵でございまして、まず、大きく据えられている左側に「中核的企業」というのがございます。従来、石油公団を廃止するときには政府の特殊会社をつくるという構想があったわけですけれども、この報告に至るまでの議論におきまして、政府の特殊会社ではなくて、やはり民間のナショナルフラッグカンパニーというのを育てていくというのをメインにすべきだというのが結論として出ておりまして、ここに中核的企業、メジャーで言えば中堅メジャー程度の規模を持つ会社をつくっていこうというのがまず根本でございます。
それに対しまして、その右下の「資源機構」でございますが、矢印がございますように、戦略的なリスクマネー供給と研究開発支援ということを中心の機能として担っていこうと。この吹き出しに書いてありますように、資源機構によるリスクマネー供給のときに、機構としては、このプロジェクト審査に力を発揮するという点に重点を置いております。定量的・客観的評価に基づいてプロジェクトを審査していくということでございますが、特に技術評価、埋蔵量がどれだけあるかとか、掘れば当たるのかどうかとか、そういった地質構造の調査・分析を行い、さらに経済性を評価するというのがメインのここの仕事になろうかというふうに思います。
その上の「政府」でございますが、政府は、どこの地域に、あるいはどういうエネルギー種別を案件として採択すべきかという基本方針を提示することになっておりまして、ここに書いてございますように、例えば安定供給の観点から言えば、中東依存度の低減であるとか、あるいはその他のところに書いてありますように、石油からLNGあるいは天然ガスという方に案件を重点化していくとか、そういう基本的な方針を指し示して、それに応じて個々のプロジェクトの審査を専門的な能力を持って行っていくというのが資源機構の役割でございます。
政府の役割としてもう1つは、どうしても産油国あるいは産ガス国との、向こうは権益を国が押さえているわけでございますので、そういう意味では産油国外交というのは、どうしてもこの世界からは抜けない重要な要素でございまして、そういう意味で、政府も官民一体となって相手国の権益の獲得あるいは維持、こういったところに力を支援していこうということでございます。
こういうのが全体の政策の体系と組織の位置づけでございまして、それに基づきまして資料2-2-2、この中期目標のポイントという資料に移らせていただきますが、今みたいな基本的な考え方のもとに、国がこの目標を付与するということになります。
まず、基本的な考え方でございますが、今御説明したとおりでございますが、資源の安定的な供給を確保するということが大きなミッションでございまして、それに応じて探鉱・開発の支援、あるいは備蓄、あるいは鉱害防止事業ということをメインの事業の軸にしていくと。
2番目に、専門的な知見と技術力を活用して、業務を効率的・効果的に遂行する。
3番目の丸でございますが、特に職員の専門知識あるいはスキル、こういったものを育成して、専門家集団にしていくということが挙げられております。
丸の4つ目は、さっきポンチ絵でお話をいたしました三位一体の資源開発ということでございますので、省略させていただきたいと思います。
中期目標の中身のポイントでございますが、中期目標の期間は4年と1カ月と。さっき期間の問題が出ましたけど、実はここの世界では、リードタイムが10年あるいは20年近くかかるような案件ばかりですので、4年でも5年でもちょっと短過ぎると言えば短過ぎるわけですが、理事長の任期は4年ということになっておりますので、基本的にはその期間に合わせております。
あと、定量的コスト削減の目標の設定につきましては、基本的には全体の独立行政法人の方針に従った目標を掲げております。
ちょっと駆け足で恐縮ですけど、2ページ目に参りまして、統合しますので、先ほど組織のイメージ図を申しましたけれども、できるだけ共通管理部門を削減し、かつフラット化をして、意思決定の迅速化、あるいはいろんな申請が上がってきますので、その決裁期間の短縮を実現していこうということでございます。
さらに、石油公団のここ最近の歴史からして、やはり内部監査というのは非常に重要だということから、内部監査をマニュアルに基づいて適正に実施していくというのが一つの特徴でございます。
さらに、後でも出てきますけれども、いろんな出資案件などの審査に当たっての判断基準あるいは審査基準というのを、あらかじめ明確化して公表しなさいと。さらに、プロジェクト管理において、実績・事例を踏まえて定期的に見直しをしろという点を目標に掲げております。
サービスの質の向上でございますけれども、繰り返しておりますように、専門能力を確保することが大事ですが、特に外部専門人材もできるだけ積極的に活用していこう。もう1つは情報公開、外部評価、これは特にこの法人には求められますので、この点について強調をしてございます。
共通項目の(1)は、重複しますので省略をさせていただきますが、(2)のところで、特に情報公開の中身、どういったものを公開すべきかというところで、業務方法書は当然のことながら、各種細則あるいは審査基準、さらに財務諸表、行政サービス実施コスト計算書、出融資の採択理由、採択終了案件、業務の実績、損失処理額、こういった財務の指標についてはふんだんに情報公開をすべきであるということを言っております。
その次は、審査期間の短縮によって民間の利便を上げるということが目標に掲げられております。
個別業務といたしまして、特に3ページ目の上の1つ目のポツでございますが、さっき御説明しました、国が定める採択の基本方針に基づいて定量的な技術評価、これは埋蔵量の確率分布であるとか試掘の成功確率の評価であるとか、あるいは経済性評価としては投資収益率、さらに期待現在価値の評価を行うことによって、政策的重要性を加味しながら実施をしなさいということでございます。
加えて、産油国との契約条件も非常に多様性に富んでおりますし、また、これまでは石油公団が出資を行うと、民間の方は、自分たちが主導してといいますか、経営責任を持ってやっているんだという意識も薄くなっているというような事例がございましたので、今回の審査に当たっては、民間株主がやる気があるかどうか、あるいは実施能力が十分かどうかを十分に検討しなさいということを目標として掲げております。
さらに、プロジェクトの管理といたしまして、実際出資したような会社に対して、毎年キャッシュフローを作成して、プロジェクトの達成度を評価すると。ただ、これは申し上げましたように、探鉱段階から開発段階に至るまでに全体として12年から16年かかりますので、さらに資金規模も相当大きくなりますので、これにつきましては、結果が出るのは大分先ということになりますが、年度毎に毎年評価をしていくということでございます。
非鉄金属鉱物資源につきましても、今申し上げたような基本的な方針を共通要素として目標等を掲げさせていただいております。
[2]、ちょうどページの真ん中ぐらいでございますが、従来、事業の評価をする部門と推進する部門というのが渾然一体となっていたものですから、今回、分離一元化をするということによりまして――一元化というのは、別々に一元化をするということによりまして、きっちりと内部でのチェックが働くようにするということが掲げられております。
あと、ちょっと飛びますけれども、(2)で資源国家備蓄というのがございます。備蓄に関しては、この前の改革におきまして、国がすべての備蓄業務を行うと。原油も土地も施設も、従来は国家備蓄会社というところがつくってやっていたわけですけれども、それを全部国の特別会計に移管をしまして、基本的に国家備蓄会社を解散して、メンテナンスのサービスだけを行う。そういうサービスを国からこの資源機構に委託をするというのが今回のスキームでございまして、それを確実に実施してくれというのが目標の1つ目。
2つ目は、緊急時に放出するときに、時間をかけないですぐに放出ができるように、例えば石油については、国の入札による売却先の決定日から7日目以降には常に出せるような形にしなさいというようなことを命じております。
あと、鉱害防止支援その他、次の最後のページでございますけれども、技術・ノウハウの民間支援というのが掲げられております。
IV.に、財務内容の改善に関する事項というのがございますが、先ほども申し上げましたように、出融資あるいは債務保証業務につきましては、今後の収益見通しの適切な評価に基づく個別算定法等による引当金の計上と損失処理を実施するということで、財務状況について透明な形を考えております。
その他のところは、従来やっていた事業をいろいろ整理・合理化したり、あるいは組織上、海外事務所などございますけれども、それについての整理・統廃合についての基本方針を掲げております。
以上でございます。
木村委員長
ありがとうございました。
それでは、分科会長の橘川先生、補足がございましたらお願いいたします。
橘川分科会長
資源機構の部会は、8月18日と10月14日、2度ほど今まで議論してきました。この機構の特徴を反映しまして、議論のポイントは2つだったと思います。1つは、2つの石油公団と金属鉱業事業団が統合する機構であるという点。これに対しては、範囲の経済性を発揮して、共通する間接部門の経費を減らすというところが一番の大きな議論の焦点になりました。
問題は2つ目でありまして、先ほど澤課長から説明がありましたように、資料2-2-1の3ページにありますように、石油・天然ガスのリスクマネーの供給、それが政府と資源機構と中核的な企業の三位一体の枠組みの中で位置づけられる独立行政法人であると。大ざっぱに言いますと、要するに日本の石油・天然ガス事業を大きく官から民へかじを切っていく。そのときのエンジンになるのはこの中核的企業なわけですけれども、それとの関連で位置づけられる独立行政法人であるというところが一つ特徴だったわけで、それについて議論が集中しました。
一番重要な点は、67年から石油公団があって、今までもリスクマネーを供給してきたわけですけれども、いろいろ問題がある。それが、これから独立行政法人になって、果たしてどこがどう違うのかというところがポイントだと思うんですが、簡単に言いますと、誤解を恐れず言うと、今まではやや悪平等、機会均等主義になっていました。日本の上流は弱いと言いますが、代表的な中堅メジャー、同じ敗戦国で非産油国でありますイタリアのエニーと比べますと、トータルの規模はほとんど同じです。ところが、それを担っている担い手が、いろいろ数え方はありますけれども、日本の場合には約30社ある。そこに非常に問題があるわけです。その部分を改めて戦略化していく、重点化していく、リスクマネーの供給を。そこに一つのポイントがあると思います。
そうしますと、今度は逆に、そんな初期条件が弱かったら、リスクマネーを供給しても本当に中核的企業が育つのか、こういう疑問が次に当然出てくるわけですけれども、その点に関して言いますと、いろいろ試行錯誤の中でその芽が育ってきたというところが重要でありまして、具体的な企業名は申し上げませんけれども、日本の全法人の法人所得ランキングの40位ぐらいに入る。つまり、下流の最大手の、ここは皆さん知っている会社ですから言いますが、新日本石油よりも経常利益で上回るような上流企業、中核企業の芽となるような会社が出始めている。そこに一つの焦点を当てながら、戦略的・重点的なリスクマネーの運用をしていくというスキームでこの独立行政法人は発足していくということになると思います。
以上です。
木村委員長
ありがとうございました。
それでは、御質問等。
八木さん、どうぞ。
八木委員
非常に重要なファンクションを持つ法人だと存じます。この提案されている中期計画について、私は了解をしております。この中に、後に御説明のあった2-2-2の中の幾つかの実務的なことが、非常に財務的な面から見てもクリアに書かれておりまして、ぜひこのとおり運営していただければと、こういうふうに考えております。
これで心配は、私の手元にはまだ平成13年3月末の財務状態しかないのでございますけれども、共通している心配事というのは、やっぱり4,000億を超える欠損金の存在だと思うのでございまして、これが独法化されるときにどのような手順を経ていくのかなと。要するに、今1兆6,000億ぐらい投ぜられて、資本のネットは1兆2,000億というのが2年前の結果でございますけれども、それをどういう形で独法が引き継いでいかれるかというのは、今後の運営に非常に大きなウエートを持つのじゃないかということで、これからの行き方とともに確認できればと思っております。よろしくお願いします。
木村委員長
何かありますか。
澤資源燃料部政策課長
その点につきましては、これから財政当局と話し合うことになりますけれども、従来、石油公団が出資してきた案件には、だめになった案件も多々ありますけれども、相当優良案件もございまして、その株式を全部処分するということになっておりまして、さっき申し上げたように、業務限定公団で上場して、それの売り上げ益、これをもって充てていくということになろうかと思います。そこが法人になるのか国になるのか、これから売却益の処分については財政当局と話し合う予定になっております。
木村委員長
ほかにございませんでしょうか。
鳥井さん。
鳥井委員
全くこの分野は専門外ではあるんですが、政府が枠組みを決めるんですよね。それで、機構が審査基準というのを持つわけですね。担う企業というのは、それなりの経営戦略を持つわけですね。多分こういうビジネスというのは、どのくらいのリスクをとるかということは極めて大きな要因だと思うんですね。リスクをちゃんととらなければ、決してうまくいかないわけだと思うんですね。今の政府の枠組みというのを見ていると、何でもかんでも一律10%ですよとか、何か非常に乱暴な議論をやっているのが今の政府の状況のような気がするんですね。余りリスクをとりたくないというのが、言ってみると政治の意向なわけですよね。この辺、どう折り合いをつけていくのかというのは大変難しいような気もしますし、例えばこの評価委員会で何を評価するのかということを考えてみますと、やっぱり適正なリスクをとっているかどうかというのを評価するんでしょうね。適正なリスクマネーを供給しているかどうかということを評価するんだと思うんですけれども、3者の思惑が例えば微妙に食い違っていたときに、この場で評価できるのかどうかというのは非常に疑問がある。
ですから、そこのリスクテーキングに関する審査基準というんでしょうか、その辺が妥当かどうかというようなことを――でも、それも、ここで評価しただけじゃ済まない話なんですよね。ですから、そういう状況の中で、評価というのをどう考えていくのかというのは相当前もって考えていかないと、貿易保険機構とも大分違う感じがするんですよね。きょう議論がありましたIPAとも全然違うような気がするので、そこら、何か少し考えないと苦しいなという感じがしますが、いかがなものでしょう。
澤縮資源燃料部政策課長
この点は、もともとそういう性格を持つものなので、今度の資源機構に非常に専門的な外部評価委員会を、審査に関して、あるいはプロジェクト管理について、既に組織をしてやろうということになっておりますし、また、分科会も専門的に見ていただくということになると思います。
だから、ここではどういうことというのは、またちょっと別の観点があると思いますけれども、基本的には石油公団の時代に、最初の論点ともかかわるんですけれども、50%以上の出資をしていたものを、50%以上は出資しないということに決定していまして、そういう意味では、民間がリスクをとったものについてリスクマネーを供給するかどうかという制度的な歯止めはあります。
あとは、こういう技術評価とか経済性評価をきちんと、プロセスとして透明にやっているかどうかということについて何度でもチェックしていただくということは、これまでの経緯に照らし合わせれば非常に重要なことなので、それをぜひお願いしたいと。
木村委員長
梶川さん。
梶川委員
今の御質問とほとんど関連することなのでございますけれども、こちら、今おっしゃられたように、リスクのとり方の審査体制についてのものは、ほぼ評価の対象にはなられるとは思うのでございますが、これだけ大きな財務的な数値を持つ法人としまして、第IV番目、中期目標の財務の内容の改善に関する事項というところでも、私ども会計的な観点から言いますと、これは財務の内容をそのまま表現をするというだけであって、一定の何らかのガイドラインを、実態についてのガイドラインという意味はほとんど、多分この文言はなしてないと思うのでございますよね。これはせん方ないというか、非常に難しいお立場の表現がここに収斂しているということはわかるのでございますが、やはり今後中期計画を組まれ、法人が運営されていく中で、リスクをとられることの政策的なコストに対する基本的なポリシーを少し何らかの表現を明示的にされていくことが、独立行政法人が逆に言えば健全に動かれるもとなのではないかと。政治的スタンスというのと非常にそこの辺の難しさがあるのは十分にわかった上でお話しさせていただいてはいるのですが、政策コストをかけて事業を行うということについて、この法人は、その他多くの独立行政法人が持つ意味の非常に特徴的な部分を、多分メディア的にも注目を引かれるところだと思いますので、何とかその部分について、基本的ポリシーでも何らかのものがこの財務のところで表現されると、その後の評価というものにも非常に意味が出てくるのではないかと思って、お願いをしたいと思います。
木村委員長
鳥居先生。
鳥居委員
質問が1つと、意見が1つなんですけど、質問は、昔の石油公団の出融資制度は、うんと単純化して言うと成功払いですよね。今度はどういうことになるのかというのが第1の質問です。
2番目は意見ですけれども、この種の仕事はいろんな人材養成を必要とするわけで、わかりやすく言うと、ジオロジストが足りない、いいのがいない、コンセッションをもらってくるための代行能力というのは、日本は非常に劣っている、オペレーションのようなものになると、ほとんど日本には専門的な企業が育ってなくて、シュランベルジャーみたいなほかのところに頼らざるを得ないと。そういったようなところまでカバーするのかどうか。
最後に、その延長で、資源の確保という点では、ウランの確保はどこがやるのでしょうかという質問です。
木村委員長
では、お願いします。
澤資源燃料部政策課長
まず、梶川先生の方からのお話ですが、そこはまさに分科会でいろいろ議論になりまして、いろいろ修正を重ねた上で、2-2-3の中期目標の本体の方をごらんいただきたいと思うんですけれども、10ページでございます。10ページの[1]のa、まさにプロジェクトの審査・採択におきましてどういう基準でやるかということの中で、RORとENPVとかいうのがメインなんですが、その後ろの文章で、「これらの評価については、技術評価及び経済性評価についての数値による判断基準を含む審査基準を設定し、公表するとともに、」というふうに書いてございます。ここで何%というふうに書かなかったのは、中期計画というのは変更するときに物すごく手続が大変なんです、金融情勢とかいろいろあって変わるものですから。ただ、決めたときにはちゃんと公表してやりなさいということになっていますので、その点を御了解いただければと思います。
鳥居先生のお話でございますけれども、まさに人材というのは、悪循環といいますか、鶏と卵みたいなもので、ジオロジストあるいはオペレーター、特にオペレーションについては、そこで相当利益が出るところでございますので、実は中核的企業をつくるときにもいろいろ議論になりまして、数少なくともアラ石とかあるいはJODCOとか、幾つかの案件で、日本がオペレーションをやった経験があるところがございます。また、石油公団にもいらっしゃいます。こういう人たちをできるだけ中核的企業のところに集合させるというか集結をさせていくようなことをもって、今回、育てていくというんですか、時間はかかると思いますけれども、育成をしていこうということを考えております。
成功払いにつきましては、実はそれが一番財務というか不透明な形で、出資というものと融資というものが同じリスクマネーのレベルかということをはき違えているんじゃないかと。したがって、成功払い融資というのは、まさに成功しなければ踏み倒すというようなことになるわけでして、それはおかしいということで、この前の法律、それ以前から批判があって、それはやめたことになっておりまして、廃止されております。したがって、新しい機構では出資しかないということで、そこは整理をされております。
ウランの件でございますが、金属鉱業事業団の時代にそれはできるようになっていたわけですが、資源機構が設立後も、省令でウランというのを施策の対象鉱種として定める予定でおりまして、これから民間企業からの案件申し込みというのを受けて支援をしていくという形になろうかと思いますけれども、基本的には、今度の資源機構で政策対象にしていくということでございます。
木村委員長
ありがとうございました。
では、梶川さん。
梶川委員
私がちょっとお聞きしたかったのは、おっしゃられるテクニカルなお話はよくわかるのでございますが、トータルで、これはある程度やっぱりコストがかかるものなんだと。端的に言って、最後は帳尻が合うのか合わないのかということに関する大きな発想についての一つの足がかり、考え方の足がかり。このエネルギー政策との整合性を確保した上というような、この辺のお言葉が、政策コストとして当然ある程度財務的にはロスが出ることもあり得るんだというふうに読ませていただくということであれば、そういう確認をさせていただきたいと思います。
澤資源燃料部政策課長
まさにおっしゃるとおりだと思います。したがって、これは実際には機構側の方の心配なのですけれども、どうしても見た目、損失引当金とかが先に立ちますので、物すごく悪く見えるんですけれども、それは政策コストの面もありますし、また、リードタイムの件もありますので、その辺は、十二分にこの特殊性のことを考えていただいた上で御評価いただきたいというのは全編を通してある話でございまして、先生がおっしゃるとおりでございます。
木村委員長
平澤先生、どうぞ。
平澤委員
独法の評価のあり方に関しての御質問があったんですけれども、私の考えはこんなふうなんです。この事業それ自身というのは、例えば研究開発の枠組みの中に置いてみると、非常に大型の社会経済的効果をねらっている長期的な研究開発課題といったようなものに類するのじゃないかなというふうに思うんですね。そういうものを評価するときに、ここで提示されているような最終的な期待現在価値といったようなものをはじいてみても、これはいかようにも計算できる話なので余り意味がない。重要なのは、やはり今までの御議論の中にもあったように、どういう体制で取り組むか、どういう長期計画を持っているか、4年ごとの中期目標ではどういうマイルストーンをこなしていくのか、そこでどういう評価をするのか。これは最終的な部分じゃなく、どれだけリスクを減らしてきているかとか、そういう途中経過を我々は見ていくべきなんだろうというふうに思います。
木村委員長
ありがとうございました。
それでは、まだ御意見もあろうかと思いますが、時間も大分押してまいりましたので、議論は以上とさせていただきます。
この石油天然ガス・金属鉱物資源機構の中期目標につきましては、いろいろ御意見ございましたけれども、修正というような御意見はございませんでしたので、皆様方の御意見を受けまして、後ほど経済産業大臣から意見を求められますが、その回答につきましては、本日の審議を踏まえて、私が委員会を代表して、異存ないというふうに回答したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
木村委員長
ありがとうございました。
なお、これも前々回起きたことと同じでありますけれども、特殊法人等改革の観点から、内閣官房に置かれております特殊法人等改革推進本部参与会議におきまして、10月1日に設立された法人同様、両法人、ただいま御説明いただきました2つの法人の中期目標に対するヒアリングが実施される可能性があります。今後、これらヒアリングなどを踏まえて、内閣官房等から各府省の大臣あてに中期目標(案)に関する意見が提示される可能性もございます。このため、本日の中期目標(案)につきましては、現時点における経済産業省独立行政法人評価委員会として審議の上、取りまとめたものでありますけれども、今後、ただいま申し上げた上部の機関から意見がありました場合の必要に応じ、中期目標の該当部分を見直し、次回の評価委員会において修正点をお示しした上で、再度採決をお願いするということになりますので、よろしくお願い申し上げます。これまでと同様でございます。

3. 制度WGにおける議論について

木村委員長
それでは、引き続きまして、議題3の「制度WGにおける議論について」に移らせていただきます。
岩村委員の方から、資料3でございますが、御報告をお願いいたします。
岩村制度WG長
制度WGの取りまとめをお預かりしております岩村でございます。資料3をごらんください。
実はこの秋になって、制度WGの活動、少し努力しております。理由は、来年度、今年度ではございません、来年度に産業技術総合研究所と日本貿易保険が評価の中期目標期間の最終年度を迎えますので、それを機に、どんな基準で中期目標の達成度を最終的に評価したかということについて議論の整理をしておく必要があろうかというふうに考えているからでございます。個々の法人の独自性をできるだけ高く中に取り込みながら、柔軟に評価するということは必要でございますけれども、一方では、対外的な説明あるいはわかりやすさという観点から言えば、どういう基準で考えているかということを整理する必要があろうかというところで、その両方の、いわば相反する目標をどうしたらうまく統合できるかということを考えております。
そういう問題意識で10月21日にWGを開催いたしまして、議論を開始いたしました。年内にまだ数回、2~3回は議論をする必要があろうかというふうに思っておりますが、現段階での議論の様子を今報告させていただきます。
議論しておりますのは、大きく2点ございます。資料3の2の具体的検討事項というところに書き上げてございますが、1つは、評価の役割分担、そして分担による効率化、2番目は、アウトカムをどう考えるか、どのような手順でアウトカムを定義するかという問題でございます。2番目の方が実質的な話でございますが、1番目は手順の問題でございますけれども、手順の問題も重要でございますので、整理したいと思います。
1番目の評価の役割分担というところで考えておりますのは、各法人において、法人内での評価検討委員会とか評価会議、そういう評価の仕掛けがございますので、そういった評価の仕掛けと、それから部会における具体的な評価の手順、そして、この委員会における最終的な評価という、この3段階が経済産業省の所掌内でも行われておりますので、全部同じことを皆やるというのは適切でないだろうというふうに考えましたので、それについて、絶対こうでなければいけないというものではございませんが、ある程度の指針のようなものを制度WGで考えていきたいと思います。
基本的には、法人内の評価委員会をできるだけ活用していただくと。しかし、法人内の評価委員会に丸投げするものではないという基準をどこに求めるかと。ちょうど――ちょうどというのもいけませんけれども、産業技術総合研究所は非常に巨大な研究法人でございますので、その意味では産業技術研究所のやり方あたりをモデルにしながら、しかし、ほかの研究業務にも通じるような手順を考えていきたいと思います。
一方、日本貿易保険は、非常に純粋の、珍しいほど業務系の独立行政法人でありますので、こちらの考え方というのも整理していけば、本日の議論で、さらにいろいろな独立行政法人が入ってくるということが明らかになったわけでありますが、差し当たってまず見えているものから、子どもの夏休みの宿題みたいで恥ずかしいのですが、まず見えているものから、ともかく合理性のある評価の仕組みを提案させていただきたいと思っております。
2番目が、アウトカム指標の抽出ということでございます。アウトカムという言い方については、この評価委員会でほぼコンセンサスになってきているかというふうに理解しておりますが、それでよろしいんでしょうねというか、理解しております。実は独立行政法人通則法によりますと、アウトカムという言葉は直接には出てきておりませんで、通則法の34条に、独立行政法人は、主務省令で定めるところにより、中期目標の期間における業務の実績について、評価委員会の評価を受けなければならない、というふうに記載されているだけでございます。
したがって、アウトカムというのは、この評価委員会での議論としてほぼコンセンサスになっているということでございますが、最終的には、業務の実績という中にどこまでそのアウトカムという考え方を取り込めるか。恣意的な指標になりやすい面がある考え方でもありますので、それをこれから整理しなければいけないと思います。
アウトカム、アウトプットという2つの議論の中でこの話はされてきたわけでございます。アウトプットというのは、例えば研究系の法人であれば、研究論文の発表本数といったものがアウトプットでありますし、アウトカムというのは、結局そうした研究がどのくらい社会に貢献したか、付加価値を社会にもたらしたかということになろうかと思います。中間的な性格のものとして、例えば引用の件数とか、そういった代理変数が考えられるわけでありますが、それを恣意的にしないで、しかしうまく取り込むと。一方で、アウトカムというのは考えようによっては、大ぼらになりかねない部分がございますので、大ぼらではない――しかし、アウトカムがやはり重要でございます。特に独立行政法人の場合は、運営交付金をもらって業務をしておりますので、数量的に何か報告書が出てくることは当たり前、論文が出てくることも当たり前でありますので、アウトカムを何とか考えなければいけない。民間の会社であれば、アウトプットというのは工場から出荷される製品の個数でありまして、アウトカムというのは売上高であります。
したがって、民間の場合は、アウトプットのアウトカムへの換算というのを市場メカニズムがやってくれているわけでありますが、それができないからこそ独立行政法人だと、それができれば民間の会社でよろしいわけでありまして、その間をつなぐものとして評価委員会があると思いますが、それをできるだけ具体的に、かつ恣意性はなしにするためにはどうしたらいいかと。恐らく法人の性格とか中期目標の期間と研究期間、あるいは業務期間の足の長さといったことも考えなければいけないかと思いますが、その具体化について、これから各法人の、特に来年度中期目標期間の最終を迎える2法人の現状を材料にさせていただいて、できるだけわかりやすい、基準に近いものあるいは基準を提案させていただきたいと思います。12月にはほどほどのものに到達したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
木村委員長
ありがとうございました。
何か1~2コメントございましたら。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、引き続き御議論をいただくということで、最後の議題に移らせていただきます。

4. 産業技術総合研究所の非公務員型化に関する検討状況について

木村委員長
最後は、産業技術総合研究所の非公務員型に関する検討状況の報告でございます。
産総研より御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
小玉産業技術総合研究所副理事長
では、副理事長の小玉でございます。資料4に沿いまして御報告いたします。
産総研では、現在、非公務員型独立行政法人の移行に関する検討を進めておりますので、中途の状況ですけれども御報告いたします。産総研は、平成13年度に設立されまして、4年の中期計画の期間でございましたので、17年の4月に第2期を迎えるというタイミングでございまして、現在、この問題について検討している状況であります。
資料に沿いましてご説明いたします。1番目に、検討の背景ですが、公務員型独立行政法人が成立されました以降における独法に対するさまざまな変化の状況がございます。大学の独立行政法人化等もございます。これらにつきましては、参考資料の3ページに書いてございますが、これについては改めて御説明するまでもないことでございます。
また、当評価委員会からは、昨年及び今年にわたり2度、非公務員化について検討すべし、あるいは移行すべきという御指摘をいただいております。これにつきましては、資料の4ページに書いてあるとおりでございます。
また、産総研は、独自にこれまでさまざまな制度改革、運営体制の改革を行ってまいりましたけれども、さらにパフォーマンスを高めるためにはどのようなメカニズムが必要か等のニーズを抱えておりまして、そのような背景でこの問題に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
2番目に、現在の検討体制でございますが、私をチーム長として10名のチーム員から成る検討チームを設立いたしまして、また、それを支えるWG等も設立いたしまして、分析等を行っているところでございます。検討チームでは、先ほども申し上げましたようなスタンスで、社会情勢のこの間の急速な変化、評価委員会からの御指摘も踏まえて、また、産総研のパフォーマンスをさらに向上させるには、特に人事制度等のどのような改革が必要か等の検討、また、職員に対しましては、非公務員型へ移行した場合にどのような処遇あるいは環境面での変化があるか等、詳細に分析あるいは情報収集しているところでございます。
3番目に、現在の状況を御報告いたしますと、この10月から検討チームにおきまして、検討の中間状況について職員各層の理解を深めるという趣旨で説明会を開催いたしました。次の2ページ目に経過が書かれておりますが、昨日までで合計16回、私も含めまして全国について説明をいたしております。現在のところ、参加人数は約50%強の1,600名の職員が参加しております。
また、その場でもさまざまな質問が出されておりますが、現在、11月7日までさらにメール等で質問を取り寄せまして、それらについてできるだけ具体的に回答を進めて、職員の理解を深めていきたいというふうに考えている状況でございます。
現在の中途の状況でございますけど、以上、御報告いたしました。
木村委員長
ありがとうございました。
2ページに、10月の9日から29日まで16回、大変な説明会を開催されているようでございますが、何か今後の検討の進め方について御注文等ございましたら、お伺いしておきたいと思いますけど、よろしゅうございましょうか。
どうぞ、鳥井さん。
鳥井委員
大学におりまして、せっかく非公務員型になっているにもかかわらず、なかなかそのメリットが生かせないというようなことがしばしば見受けられるので、もし非公務員型になれるようでしたら、そのメリットを最大限に生かすというような方向で進めていただきたいなと、こう感じる次第であります。
木村委員長
どうぞ。
小玉産業技術総合研究所副理事長
職員の中には、産総研が独法になるときも革新的な改革を行ってきており、今回もやや他の独法より先行して改革することになりますので、改革するならば、最大限可能性を広げるべきであるというような意見もございました。我々も今後、さらにその点の検討を深めていきたいと思っております。
木村委員長
よろしくお願いいたします。
ほかに御意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、以上で本日の議事は終了いたしました。

4. その他

木村委員長
事務局から何かございましたら、よろしくお願いいたします。
藤野政策評価広報課企画調査官
本日の委員会、非常に白熱した議論を聞かせていただきまして、1点だけコメントさせていただきたいんですけれども、議題2と議題3を通じた論点といたしまして、特に鳥井委員から御指摘のありました、部会における議論と本委員会における議論の役割、視点につきましては、岩村先生からも御紹介ありましたWGで議論していきたいと思います。特にIPAのように非常に足回りの早い業界を対象とする法人と、あるいは一方では、資源機構のように10年、20年もかかるもの、特にリスクマネーの供給という非常に微妙な問題にかかわるものを、この評価委員会を含めて、だれがどの視点で見るのかということは、明確にする必要があると思っています。
それにつきましては、各法人や業務の特性に応じて、先ほど岩村先生からも御紹介ありましたWGで個別に議論させていただいて、まずは年度評価において、特に中期目標期間の評価に際しては、評価の視点や尺度は極力明確にした上で、こちらで御評価していただくように事務局としても努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
次回につきましてですが、12月に開催することを予定しております。主な議題といたしましては、本日の評価委員会におきまして議論させていただいた新設2法人の、まずは本日の指摘を踏まえた目標の修正がありましたら、その御審議、さらには、中期計画あるいは評価基準等につきまして御審議いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。日程及び場所につきましては、追って調整の上、御連絡させていただきます。
以上です。
木村委員長
ありがとうございました。
先ほど岩村先生から御紹介ございましたが、これまで各評価ユニットの役割について、モデルを産総研と日本貿易保険の2つに限るということでありましたけれども、きょう2つ、また新手が出てきましたので、やり直さなきゃいけないということで、御苦労さまでございますけど、よろしくお願いいたします。
本日は、大変活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。また次回もよろしくお願いいたします。

閉会

お問合せ先

大臣官房政策評価広報課
担当:笠井
電話:03-3501-1042(内線2262)
FAX:03-3501-5799(内線8226)

以上

 
 
最終更新日:2004年5月6日
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