経済産業省
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独立行政法人評価委員会(第34回) 議事録

日時:平成19年7月18日(水)13:00~18:00

場所:経済産業省別館第4特別会議室

出席者

木村委員長、青木委員、荒牧委員、伊丹委員、岩村委員、内山委員、大橋委員、小野委員、梶川委員、橘川委員、小泉委員、鳥井委員、早川委員、原臨時委員、平澤委員、松山委員、室伏委員、八木委員、柴田臨時委員

議事録

木村委員長

第34回経済産業省独立行政法人評価委員会を開催いたします。

本日は、前回、業務についてご説明いただきました新エネルギー・産業技術総合開発機構とともに、本年度見直しが行われることとなりました2法人、日本貿易保険並びに中小企業基盤整備機構から、業務についてまずご説明をいただき、質疑をお願いしたいと存じます。

また、その後、各分科会と部会でご審議いただきました各独立行政法人の平成18年度の業務実績評価、及び平成18年度中に中期目標期間が終了した独立行政法人の中期目標期間における業務実績評価を各部会から順次ご紹介いただき、その評価結果についてご審議いただきたいと存じます。

本日ご審議いただきます法人は、原子力安全基盤機構、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、製品評価技術基盤機構、日本貿易振興機構、経済産業研究所、情報処理推進機構、工業所有権情報・研修館、産業技術総合研究所の8法人でございます。

なお、本日の議論につきましては、資料及び議事録を公開することといたします。

議事に入ります前に、7月10日付で政策評価審議官に着任されました石黒審議官からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

石黒政策評価審議官

ご紹介いただきました政策評価審議官の石黒と申します。前任の高橋の後、7月10日付で異動してまいりました。本日は、お忙しいところを、またお暑い中を当省所管法人の独立行政法人に関する評価につきましてご審議のためご参加をいただきまして、厚く御礼を申し上げます。

また、木村委員長を初めといたしまして、独立行政法人発足以来、この委員会におきまして、先生方におかれましては熱心なご審議、分科会でのご検討などを行っていただきまして、本当にありがとうございます。

皆様ご案内のとおり、昨今、独立行政法人、また、独立行政法人に限らず、私どもの業務や組織についての見方というものが大変厳しくなっております。実は、本年6月に閣議決定されました経済財政改革の基本方針、いわゆる「骨太」でございますが、そちらにおきましても、本年中に全独立行政法人について改革プランを策定するということがとり決められております。そのような流れもございまして、もう既にさんざんやっているじゃないかと、委員の皆様方からすればそうお感じになっておられる方もおられるかとは思いますが政府全体で再度、独立行政法人のあり方について見直すという流れになってきております。

そういう意味で、本日のご審議、そして評価につきましては、決して独立行政法人の存続自身を自己目的化するつもりはございませんが、これから行政法人がどうあるべきかというところにつきまして厳しいご意見や評価をいただくことが、ある意味では独立行政法人のためにもなるといったことかと思っております。そういう意味で、大変長丁場のご審議ではございますが、よろしくお願い申し上げます。

本日は、独立行政法人の改革の観点から、1年前倒しで中期目標の見直しも行うことになっております、日本貿易保険と中小企業基盤機構の理事長お二人から業務についてもご説明いただくことになっております。また、8法人の業務実績の評価ということでご審議をいただくことになっております。

5時間ということで大変長丁場でございますが、よろしくお願い申し上げます。

木村委員長

それでは、早速でございますが、議題に入らせていただきます。

議題1の日本貿易保険の業務について、まず、今野理事長からご説明をお願いいたします。

今野理事長

日本貿易保険の理事長の今野でございます。よろしくお願い申し上げます。

お手元に資料1というパワーポイントのコピーがございますので、これに沿いましてご説明をさせていただきます。時間が大変限られているということでございますので、できるだけ効率的にご説明申し上げて、ご質問をちょうだいするようにしたいと思います。

1枚おめくりいただきまして、1の日本貿易保険の概要でございます。この貿易保険事業は、1955年に政府が始めまして、ずっと20世紀を通じて旧通産省が直接運営してまいりました。これを2001年に独立行政法人制度ができましたときに切り離しまして、初めての非公務員型の独立行政法人ということで、日本貿易保険の発足になったわけでございます。

ちなみに、世界の貿易保険機関をみますと、政府直営でやっておりますのが世界で一番古い貿易保険機関でありますイギリスだけでございまして、イギリスの通産省が今でも部内の一部局でやっております。それ以外は、欧米ともに、また最近は途上国も多うございますが、何らかの形でエージェンシー化しております。そういう意味で、この改革は世界の流れに沿ったものと申し上げられるかと思います。

その内容でございますが、真ん中の枠の中にございますように、名称は日本貿易保険と申しまして、国際的にはNEXIと呼ばれております。

職員数は157名、資本金は約1,000億円で、この全額が政府出資でございます。

貿易保険事業の簡単なご説明を次の3ページにつけましたので、ごらんいただきたいと思います。この絵の真ん中に日本企業というものとNEXIがございますが、これが私どものフロントでございまして、NEXIは日本企業が右側の外国に対しまして輸出や投資をする、そういったときの対外リスクをカバーする保険契約を結びます。この対外リスクと申しますのは、戦争や内乱や送金規制といった非常危険といわれるもの、それから、外国の企業が倒産をしたり債務不履行に陥ったりという信用危険といわれるもの、その2種類をカバーいたします。それによって代金や投資収益が回収できないというリスクをカバーするわけでございます。

ちなみに、輸出でございますので、運ぶ途中に海が荒れて壊れるとか船が沈むといったことがございますが、これは損害保険の分野でございますので、私どもはカバーしておりません。あくまでも外国における非常危険、信用危険に伴う代金回収リスクをカバーしております。

左側にNEXIと日本政府が結ばれておりますが、これはNEXIに対して日本政府が100%出資をしておりますと同時に、個々の保険契約につきまして90%の再保険を引き受けてもらっております。そういう形で基本的には政府の信用力をもって日本企業の対外リスクをカバーするという仕組みになっているわけでございます。

もう一つの政府の役割と申しますのは、下の方に書いてあります回収でございます。私どもの仕事は、お客様である日本企業との間で保険契約を結ぶのが仕事の半分でございまして、もっと大きな半分が実はこの回収にございます。と申しますのは、通常の保険でございますと、事故が起きて保険を払ったら終わりでありますが、その後、貿易保険では回収をいたします。基本的には、借金をいわば踏み倒した外国政府等から、交渉してお金を返してもらうわけでございます。これはほとんどの場合に政府の対外交渉力を使います。

そういうことで、回収につきましては、政府の外交力、対外交渉力を使って回収するということで、この保険が成り立っているわけでございます。これにつきましては後ほどもう少し詳しくご説明申し上げたいと思いますが、以上でございまして、基本的にはこの貿易保険の仕組みは、政府の信用力と対外交渉力を背景にして企業が輸出を当初行う場合の対外的な代金回収、投資回収リスクをカバーする、そのような保険制度でございます。

そういうことで、20世紀を通じて50年間、ほぼ政府が直接やってきたわけですが、この2001年にNEXIがつくられましたその趣旨というのは、公共的なサービスといえども、やはり法律性と顧客満足を追求すべきであるという改革の精神であったかと思います。

そういうことで、4ページに経営の基本方針がございますが、私どもの考え方は大きく申し上げますと、1つは、お客様中心主義ということを創設以来の基本精神にしております。NEXIができましたそもそもの理由は、お客様である日本企業のユーザーの満足を得るということが目標でございます。そのためにさまざまな取り組みをしておりますが、主なものだけここに挙げてございますけれど、1つは、「お客様憲章」というものを早期につくりまして、これはホームページにも出しておりますが、お客様との約束を明確化いたしております。

ご参考までに、青い小冊子がございますが、これは「お客様憲章」の写しでございます。どういうことが書いてあるかといいますと、これは実は数値目標でございまして、例えば4ページをお開きいただきたいと思います。例えば真ん中の5の左側の下から3行目ぐらいに黒抜きで「2カ月以内」と書いてあります。

これは何を意味しているかと申しますと、保険金のご請求があったときに、2カ月以内にお払いをしますという約束でございます。それを満たすためには、例えば資料が不備なときにはほっておきませんで、右の方に黒抜きで「3営業日以内」とございますが、資料が足りないときは3日以内に必ずご連絡をして足りるようにしますと。そういうことを細かく数字を書いてあるわけでございます。これはお客様との約束でありますが、実は内部の規律でもございまして、これをオーバーしますと、当然、お客様からクレームが来ることになります。

現在のところ、この「お客様憲章」に設けられましたすべての数値目標は全部達成をしております。この件についてのお客様の苦情はございません。これは1つの例でございますが、私どもの業務は、お客様の満足を得るためにということで構成されているわけでございます。

そのために必要なのは組織文化でありまして、官民の人材を結集しております。現在、157名でございますが、約半数が経済産業省からの出向者でございます。これは貿易保険の業務知識は戦後ずっと旧通産省だけでやってきましたので、経済産業省にしかないわけでございます。現在も半数がなお出向してきていただいております。

そして、プロパー職員が現在54名になりました。これは金融貿易業務に実際に携わっている中堅の人たちをジョブマーケットから中途採用いたしております。新規ではございませんで、民間のビジネスの経験をもった人たちを時間をかけて中途採用してきておりまして、現在、54名に至っております。そのほか、銀行、保険会社等から幹部職員を出向させてきていただいております。

そういうことで、NEXIはハイブリッド組織でございまして、私どもはよくこれは実験場だといっておりますが、こういうさまざまな経験をもった人たちがNEXIに集まりまして、お客様中心主義をベースにした融合した1つの組織文化をつくるということで努力しているところでございます。

次の保険商品の内容充実ということについてですが、例えば中小企業向けの保険とか、最近ですと資源エネルギー問題が大変重要になってきておりますので、資源エネルギー総合保険の創設とか、そういう形で時代のニーズに合わせた保険内容の充実を図っております。

次の手続の簡素化というのは、実は非常に大事でございます。これは戦後50年、役所がやってまいりました。役所の仕事は、公平性と厳密さ、不正があってはいけませんので、山ほど証拠書類を集めて、非常に細かく最後の1けたまで全部計算するわけでございます。ビジネスはそれでは成り立ちませんので、割り切りが必要でございまして、合理的な範囲で四捨五入もしなければいけませんし、余計な資料はもらわないということで、どんどん簡素化をしてきております。この点につきましてはお客様からも大分ご評価をいただいておりますが、なお不十分だと私どもは考えておりまして、今年度の最大のテーマはこの簡素化のさらなる徹底であると考えております。

このような私どもの取り組みにつきましては、毎年、お客様アンケートを実施いたしまして、細かくご意見をちょうだいしております。これは単に評価ということだけではなく、いろいろ苦情や注意事項をちょうだいいたします。これにつきましては全部一つ一つ調べまして、署名いただいているお客様にはその結果を個別にご報告いたしております。そして、ホームページにも調査結果を全部公開しております。

私どもの合言葉は、昔、役所の時代は、これは貿易保険法という公的な制度の施行なものですから、非常にかたいわけです。ところが、ビジネスは毎日変わっているわけでございます。昔は、「世論に合わない」というとそれでお断りで終わっていたのですが、NEXIはそこから仕事が始まると。合わないかたい制度と毎日変わるビジネスとの間をつなぐ応用問題を解くのがNEXIである、それが解けて何ぼだと、給料がもらえると、こういうのが私どもの基本的な合言葉でございます。

もう1つの柱は、効率化でございます。効率化、透明性は非常に大事でございまして、主な例を少し申し上げますと、新システムの開発をいたしました。旧来のシステムは90年代の初めに旧通産省の保険課で開発したものでございましたが、いわゆるレガシーというものでして、メーンフレームを使いました大きなシステムでございます。ただ、それを継ぎ足し、継ぎ足し使ってきたものですから、大分使いづらくなってきておりました。それで、NEXI創設の際に、このシステムをかえなければいけないという大命題になっておりました。

それで、eガバメントのときに、日本政府が「旧レガシーからの脱却」という看板を掲げたこともありまして、これに沿いまして非常に徹底した経営改質体制をとりました。初めにNEXIの業務分析につきまして、業務フロー分析に2年以上かけまして、その後、要件定義を明確にしまして、それで完全な競争入札をいたしました。入札対象も、1社に全部落としますと後でコスト高になるということで、3つの部門に分割をして発注をしたわけでございます。

それで、当時はモデルケースということで大変お褒めをいただいておりましたが、これがうまくいきませんで、おくれました。いろいろ聞きますと、eガバメントのプロジェクトは政府のいずこも大変苦労しているのだそうでございます。メーンフレームを一遍で捨ててしまって、全部サーバーで新しい言語で書きかえるというのはそう簡単な事業ではなかったわけでございます。と申しましても、システムがなければ私どもは仕事ができませんので、職員挙げてこのシステムにとりかかりまして、開発ベンダーにも特にお願いをしまして、これはたまたまメーンのところが外資系のIBMさんだったのですが、腕ききのエンジニアを世界12カ国から集めてもらいまして、最大のときは

600人のSEを入れまして、NEXIの職員は157名でございますから、もう大変な人数でございましたけれど、それで大車輪でつくっていただきました。

それが功を奏しまして、昨年末にカットオーバーいたしましたけれど、非常に順調でございます。この種の規模のシステムで1日シャットダウンで済むということはないといわれていますが、私どもの場合は1日もシャットダウンしたことはございません。ということで、成功いたしました。これにつきましてはeガバメントの最初の成功ケースだということで、推進ご担当部局からお褒めをいただいたところでございます。システムについては、これは完璧ということはございませんので、なお改善に努めなければいけないとは思っております。

もう1つは、専門性の向上でございます。NEXIは専門機関でございますので、結局、職員一人一人の専門性の向上がかぎでございます。そういうことで、人事制度につきましては、プロパーの職員につきましては、NEXIに入る前の職歴も含めて15年程度、年齢でいきますと37歳前後でございますが、そこまでで定期昇給はなくなります。そこからは完全な専門給になりまして、部内で専門の審査委員会というものをつくりまして、非常に透明な形で各分野ごとの専門能力に即して個々人の達成度を評価いたしまして、グレードをつけました。それに沿って昇給も行うし、昇進も行うという体制をとっております。

このためには研修には非常に力を入れておりまして、社内でもさまざまな研修をやっておりますが、同時に、周りにあります大学や専門学校に夜間あるいは週末に通っている職員が非常に多うございます。NEXIも、1人頭20万円といっていますが、予算を用意して補助金を出しまして、それぞれの研修を支援しているところでございます。

そういうことで、こういう専門的な知識・能力を身につけた人材を、組織原理としてはフラット化ということで、できるだけフラットに個々人に責任と権限をもたせて、責任は部局長がとるという形で運営しているところでございます。

これからは少し数字の話になって恐縮ですが、5ページをお開きいただきたいと思います。5ページのグラフが貿易保険の実態を一番よくあらわしているのではないかと思いますが、これは過去20年間の貿易保険事業の推移をグラフ化したものでございます。

真ん中に0の線がございまして、それより上に出ておりますのか収入、下にマイナスが入っているのが支出でございます。これは現金ベースでプロットしてございます。0から上に出ております背の低い黄緑色の棒グラフがございますが、これが保険料収入でございます。大体300億~400億円ぐらいの間でずっと推移してきております。これに対して、下の方に長い藍色の棒が出ておりますが、これが保険金の支払いでございます。

それで、一目瞭然でございますが、支払い金の方が圧倒的に多かったわけでございます。これは1982年の中南米の債務危機から始まりまして、イラン・イラク戦争、湾岸戦争とか、いろいろ動乱が続きまして、どんどん保険事故がふえてきたわけでございます。そして、ピーク時が1992年でございまして、このときは借入金が6,800億円というところに達しました。もう大穴であったわけでございます。それで、保険料も上げましたし、一般会計からの繰り入れもしていただきましたが、それでももちろん足りません。

ただ、借入金の折れ線グラフをごらんいただきますように、どんどん減ってまいりまして、99年には累積借金は全部返しました。どうしてこれを返せたかという秘密が、この0より上の方に出ておりますピンクの棒グラフでございます。これら先ほど申し上げました回収金でございます。どうしてこんなに回収ができているかということですが、結局、政府間交渉なのですけれど、一番大きな回収の源はパリクラブという仕組みでございます。

これはご案内の方もいらっしゃると思いますが、表だけご説明させていただきますと、途上国が典型的な例で、例えばブラジルがデフォルトを起こす、債務不履行を起こすといった場合に、最初に入ってくるのがIMFであります。IMFがスタンド・バイ・クレジットを供与しまして、コンディショナリティといいますが、その国の経済構造改革プログラムをつくるわけです。そして、国との合意をするわけです。それができましたときに、パリクラブということで、パリに私ども債権国政府が集まります。それで、ブラジルならブラジルのその国の大蔵大臣を呼びまして、IMFにも来ていただいて、構造調整プログラムの内容を聴取いたします。それに沿って、それではどういうペースで借金を返せるかということを協議するわけでございます。

そして、多くの場合にはリスケジュールをいたします。3年で返すべき借金を15年返済にしましょうということで、時間をかけて少しずつ返していただく。そのときに条件がありまして、これはコンパラビリティといいますが、抜け駆けはしないと。みんな同じ条件で少しずつ痛みを分かち合うと。同時に、債務国に対しましては、ほかの債権者、例えば銀行にいい条件で返してはいけませんよという条件をつけます。

そういうことで、これは戦後のIMF体制の一環でございまして、国のシャフトエレメントといいますか、国がデフォルトを起こしましたときに、国の経済を再建する仕組みがこの国際社会にできているわけでございます。そういう中でこのパリクラブというのは機能しておりまして、そこを通じて私どもは返済をしてもらう。そういうことでこの制度は成り立っているわけでございます。これがありますので、世界中の主要国は全部、この貿易保険制度を国が運用しているということになるわけでございます。

あとはサッとごらんいただきますと、5ページ以降でございますが、お客様中心主義の成果もあろうかと思いますけれど、保険の引き受けはふえてきております。保険料収入も、でこぼこはございますが、比較的順調に入ってきております。

7ページでございますが、現在の国際金融情勢を反映しまして、保険金の支払いは減っております。事故がなくなってきております。そして、回収金がどんどんふえてきているということで、この2年間でほぼ5,000億円返ってきております。もうほとんど優良債権はなくなりましたので、来年度以降は減る予定でございますが、そういうことで、経理状況は極めて順調でございます。

8ページでございますが、一言だけつけ加えさせていただきますと、政府の機関でございますので、日本経済のニーズに合わせなければいけないということで、例えば、資源開発のための資源エネルギー総合保険を創出する、あるいはFTA/EPAを日本国挙げて推進しておりますが、それに沿った取り組みをする。あるいは、中堅・中小企業の国際展開を支援する。そういった新しい保険種を開発してきているところでございます。

最後に、9ページでございますが、この貿易保険制度で日本が非常に特異でございましたのは、国家独占でございました。これが平成17年に自由化されまして、現在、民間参入で完全に自由化しております。NEXIは、この民間参入の方向に沿いまして、民間保険会社に対しましては販売業務の委託等をしまして、ノウハウの移転をすると同時に、新規参入の障害になるような制度を全部取り払いました。ということで、こういう新しい自由化された環境の中で活動しているところでございます。

最後は走りまして恐縮でございましたが、ありがとうございました。

木村委員長

ありがとうございました。

ただいまのご説明、あるいはそれ以外についてでも結構でございますが、何かございますでしょうか。

原臨時委員

保険ということなので、少し金融関係に絡みますので質問させていただきたいと思います。回収金で大口が戻ってきたので、次年度以降はこれが減るということになると、普通の保険業務ということになってくるかと思うのですが、そうしたときに、8ページに資源エネルギー総合保険とか中小企業輸出代金保険とかというものの創設とか販売開始ということが入ってきますが、こういう新しい保険の制度設計とか販売とか、このあたりは民間の保険会社の保険との競合とかということもあるかと思いますが、どのように考えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。

今野理事長

この貿易保険には国際ルールがございまして、収支は相償しないといけない、収支トントンでないといけないということがございます。しかも、これは単年度ではこの種のものは無理でございますので、長期的に収支相償しなければいけないという国際ルールがございます。この理由は簡単でございまして、貿易保険が損をしますと輸出補助金になります。これはWTO違反でございます。逆に得をしますと税金になります。輸出税になりますので、これは意味がないわけでございます。したがって、収支トントンでないといけないと。長期というのは何年かということですが、国際相場は20数年ということでございます。どこの国の貿易保険機関も大体22~23年で大きなサイクルを描いております。5ページのグラフはほとんどほかの主要国も同じでございます。

そういうことで、80年代初頭から始まった一つの大きなクレジットサイクルは今終わったと。そして、今は回収しているわけです。この回収金は次のクレジットサイクルのための重要な原資でありますので、それこそ一銭もむだにしないでとっておかなければいけないと。こういう仕組みになっているわけであります。こういう長期のサイクルなので、民間保険機関ではなかなか保険の支払いができないので、どこの国でも国がやっていると、こういう性質のものであろうと思います。

それで、民間との仕分けでございますが、自由化いたしましたときに、ユーザーから非常に大きな条件がございまして、これはユーザーに選ばせてもらいたい、選択の幅を広げてもらいたいと。NEXIもやる、民間保険もやる。そしていい方を選ぶのがユーザーだと。それが市場メカニズムでしょうと。というのが日本の経済界からのご要望でございまして、現在、そのような制度を担っております。

ただ、どちらかといいますと、民間保険会社は短期ですね。私どもは10年、15年というリスクをとりますが、民間保険会社の場合には通常の輸出ですと半年、6カ月のユーザンスでございます。

それから、比較的リスクの少ない国に対する信用保険リスクをカバーする場合が多うございます。ただし、民間保険会社は金融情勢によって非常にカバーが変わります。金余りで余り事故がないときには民間会社は非常に積極的でございます。そして、危なくなりますと非常に引いてまいります。そういうことで、ユーザーは常に自分たちは選択できるように、NEXIはあらゆる商品を用意しておいてもらいたいというのがユーザーのご希望でございます。私どもはそれに沿って、私どもの業務目標が顧客満足であり効率化であるとすれば、むしろこういう民間の競争は刺激でございますので、ありがたい切磋琢磨だということで努力しているところでございます。

木村委員長

ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございました。

次は、議題2の中小企業基盤整備機構の業務についてでございます。鈴木理事長の方からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

鈴木理事長

中小企業基盤整備機構の理事長の鈴木でございます。15分ぐらいお時間をいただきましてご説明をしたいと思います。お手元に4点セットの資料をお配りしてあると思います。資料2―1の「中小企業基盤整備機構について」、別紙2、そして私どものパンフレット、そして3周年のときに日刊工業の取材を受けた記事でございますが、資料2―1でご説明をしたいと思います。

私どもの中小企業基盤整備機構は、前身が5つほどございました。1枚めくっていただきますと目次がございます。この中で、私どもの沿革、そして、2004年7月に機構が発足いたしましたので、この3年間の改善の取り組み状況、私どもの業務の特徴、この3点をご説明したいと思います。

1ページでございますが、私どもの中小企業基盤整備機構は昭和40年代にできました特殊法人と、その後のものを含めまして、5つが母体になっております。大きな流れの1つは中小企業関係でございますが、昭和37年に中小企業指導センター、40年に小規模企業共済事業団、この流れが最近まで中小企業総合事業団になっておりました。

それから、昭和37年の産炭地域振興事業団の流れが地域振興整備公団となりました。

もう一つは、特定不況産業信用基金が50年代にできておりますが、それが産業基盤整備基金になり、そして2004年7月に3つの特殊法人が一緒になりました。

2ページでございます。統合のときにおける状況でございますが、総合事業団、地域公団、整備基金の3つ、合計しますと900名ぐらいの方々が仕事をしていたのが一緒になりまして、その2ページの右は中期計画で4つの柱、分野に分けておりますが、そういう形で業務が一緒になりました。このときに、私が3年前に理事長に就任いたしましたが、その際に私が強調しましたのは3点ございます。

1つは、特殊法人から独立行政法人になった、その独立行政法人の意味を生かした意識改革をしてほしいと。一言でいえば、利用者の視点に立ってスピードをもって民間的な発想でということかと思います。

2つ目は、3つが一緒になりましたので、その統合のメリットを早期に出す、あるいは融合・総合化というメリットを生かしてほしいと。

3つ目は、従前は地方に拠点がありましたが、この機構になりましたときに全国を9ブロックに分けまして、それぞれ体系的な支部を設けました。かつ、職員を中期目標上、支部に半分以上配置するということで、支部を通じた地域密着の業務運営というのが1つのポイントになっていますので、この本部・支部のネットワークという点を強調いたしました。

そういう意味で、意識改革、統合、支部の活用ということでございます。そういう形で3年間、業務の運営をやってまいりました。特に中期計画の大きな枠組みがありますので、その中期計画の枠組みに照らして、業務の効率化、そしてもう1つの大きな柱であります中小企業地域へのサービスの充実、この効率化とサービスというのが2大目標かと思っております。

3ページ以降にその3年間私どもがやりました業務面の効率化とサービスの充実を羅列しております。1つは、中期計画で私どもは大きな1つの枠組み・制約を受けておりまして、他の独法と同じでございますが、一般管理費の削減、人件費の5%カット、それに加えまして、私どもは機構発足のときが884名でしたが、5年間で99名、約1割に当たる削減を行うということでございまして、人件費の5%カットともう1つは人員を5年間で約1割カットするという制約のもとで、効率化とサービスの向上を図るということが私どもに課せられた課題かなと思っております。

その中期目標の課題をこれまで3年間、私どもとしては着実に実施をしてきたと思っております。職員の方も、99人減らすところを、現時点におきまして83名でございますので、あと2年間で99名の削減数達成は可能だろうと思っております。

このような中期目標を達成するためにどのような効率化をしたかということですが、1つは、法律に基づく業務の縮小がございました。そこに2点ございます。

1つ目は債務保証関係ですが、これは産業基盤整備基金のときから7つの債務保証業務を受けておりましたが、この3年間で3つの債務保証を法律上手当てをしまして廃止をいたしました。

2つ目は産業用地の関係でございますが、産業用地につきましては、機構発足のときに全体で1,300ヘクタールございましたけれど、これを10年間で何らかの形で利活用する。そのために、6つの産業用地のカテゴリーがございますが、その大半は新しい業務を行わないと。あるいは、法律上、業務を一定の期間に限定するとなっていましたが、残ります2つの新事業創出関係と産業集積活性化の団地は法律上は新規団地開発が可能になっていましたが、これを法律上も基幹業務にいたしまして、そういう意味では6つの団地業務は、機構発足後10年間におきまして廃止ないしは管理業務に移行することとなっております。

そういう法律上の業務の見直しに加えまして、4ページでございますが、その他のいろいろな効率化を心がけました。

1つは、支部と産業用地事務所を統合する、あるいは大学校と支部を統合するという形で、機構発足のときに10カ所の事務所が全国にございましたが、現時点では7カ所を支部に統合いたしまして3カ所、これも今年度中に3つの事務所を支部に統合して、産業用地の事務所は全部支部に一括するという形で今考えております。

それから、全国に9つの中小企業大学校がございましたが、市内に近い仙台と広島につきましては、大学校と支部を一緒にいたしまして、管理関係の効率化を図りました。そういう意味で、支部を中心にした業務運用をする、そしてそれ以外の産業用地事務所や大学校につきましては、極力統合ないしは管理費の一元化をするといったことをしております。

もう1つは、外部への委託という面でございまして、2つございますが、市場化テストというものにつきまして、私ども中小企業大学校について旭川校で現在モデル事業をやっております。ちょうど1年たちました。現在、委託を受けましたところは順調に行っておると思っております。この市場化テストは、旭川校を踏まえまして、今後、他の大学校についてどうするかをこれから検討することになっております。

それから、業務のアウトソーシングも進めておりまして、共済業務、給与支払い業務等もアウトソーシングをやりまして、この3年間で20名近い外部への委託により職員の数を減らしております。

また、受益者負担という形で、予算面におきましても、大学校の受講料を適正化するとか、今年度は中小企業総合展というイベントをやっていますが、そこにも有料制を導入するということで、効率化を行っております。

5ページは、サービスの面です。片や、そのような形で効率化をやっておりますが、法律ないしは予算に基づきまして、中小企業を中心に新しい業務を求められております。

真ん中にございますように、法律に関するものが、一昨年は新連携事業、昨年は中心市街地活性化支援事業とものづくり関係、今年度は中小企業の再生支援と地域資源、企業立地促進の支援事業、この3つの法律に基づきまして、私どもへの業務の委託、あるいは追加がございました。

片や、予算関係につきましても、そこにございますように、事業承継から始まりまして、マーケティング等、予算面での業務の拡充がございました。こういった業務も消化しながら、先ほどの5年間で99名という人員の削減をすると。そういう意味で、私どもは全般的に業務のスクラップ・アンド・ビルドを行いまして、そういう定削のための人員の獲得と、新規業務を達成するための人員の充足という面で3年間やってきたつもりでございます。

それから、ミクロ的に、お客への対応も、夜間・休日も大学校の研修を行うとか、電話相談をするとか、そういった関係のサービス面でも充実を図っております。

6ページ以降は、そういった中小企業基盤整備機構の業務の特色に触れております。6ページで業務全体を概括しておりますが、私どもは大きく中小企業関係と地域がございますけれど、中小企業につきましては、ベンチャーから始まりまして、事業承継、事業再生、あるいは災害といったセーフティネット、そういう形の業務を3つの分野に分けまして、創業・新事業展開の促進から始まりまして、経営基盤の強化、日常的な経営についてのいろいろな情報、相談、人材、そういった面での基盤づくりをする。それにセーフティネットという形で経営環境の変化への対応ということで、再生支援、共済制度、災害対策といったことをやっております。

もう1つは、地域開発につきましては、従前は産業用地が中心でございました。これは10年間で業務を縮小するということですが、その産業用地の業務の縮小のプロセスにおいて、地域と中小企業の関係の地域資源、そういったハードからソフトへの転換を図りつつ、この産業用地新規関係を全体の基盤機構の中では事業の縮小を図ってまいりたいと考えております。

そのような業務が非常に総合的・多岐にわたるわけですが、私どもは、中小企業の発展段階に応じてそれぞれのテーマをきめ細かくやる。それをトータルでみまして、新しく事業を起こす面から事業の廃業、それに至るプロセスまで、これまたライフステージに応じた対応をするということで、いろいろな支援メニューを用意しておりますが、まず最初に、企業をつくるというベンチャーの関係につきましては、ベンチャーに対する人材、情報提供、それが新しくシーズとニーズが一緒になって技術開発をする段階への助成、そして発展してマーケティングの段階、そして資金の面、そういう各企業を起こすプロセスに応じた支援メニューを中小企業のニーズに対応して適用しているということでございます。

8ページは次の事例ですが、今度は、後継者がいない場合にどうするか、あるいは事業を再生するに当たってどうするか。これはいわば開業率から廃業率の方の議論かと思います。我が国においては、今、開業率と廃業率が逆転して、企業が毎年10数万減少しておりますが、その企業活力を維持する意味で、ベンチャー、新しい企業を起こすという面と、もう1つは、高止まりの廃業率をなるべく下げる。そういう意味では、後継者がいないということによって中小企業が廃業するケースが年間7万ぐらいありますが、この数をどうするか。あるいは、事業再生可能なものに対してどういう支援をするか。そこにつきまして、経営改善についての問題点の把握、人材育成から始まりまして、専門家によるハンズオン支援、あるいは資金援助等、その支援策を各支部における相談窓口が中小企業のニーズに応じて対応しているということでございます。

特に事業承継につきましては、私どもは事業承継協議会の事務局を2年間やりまして、事業承継のガイドラインづくりをやった上で、後継者がいない場合に一時その企業を預かるという事業承継ファンドを昨年からやっております。

事業再生につきましては、従前、事業再生ファンドの組成を我々はやっておりましたが、6月28日に全国本部の事務局を私どもは委託を受けまして、全国にある各県の事業再生協議会に対する側面からの支援、あるいは事業再生ファンドがない地域における再生支援マネジャー、あるいは再生資金をどうするか、そういったことを全国的な視点から事業再生をやる。こういう業務が追加されております。

9ページは、まちづくりということで、商店街対策を含めましたまちづくりにつきまして、昨年、中心市街地活性化法が改正されましたが、これもまちづくりを行う最初の問題点のところから、各地区にまちづくり計画をつくる協議会が発足した場合には、その協議会への支援、協議会がまちづくり計画をつくりまして国の認定を受けた場合の事業実施費、こういうステージに応じた支援策を用意しておりまして、それを各自治体なり協議会の方からの要請に応じて我々の支援策を活用するという形になっております。

最後の10ページが、中小企業430万に対する基礎的な事業といたしまして、最近、私どもが評価しておりますのは、インターネットを使ったポータルサイトのj-net21でございます。これは現在、月に250万件ぐらいのアクセスがございますので、独立行政法人ではトップ3の中に入ってきているのかなと。ホームページも私どもは充実しておりまして、それを入れますと、全体で月に450万ぐらいのアクセスがございます。経営課題なり各地区の支援策の変化、そういったものを常時更新をして情報提供する。それから、中小企業の方が何かあったら電話相談を受けるということで、全国統一の電話相談の「なんでも相談」というのをやりました。これで受けまして、私どもに来る必要のある場合には窓口相談、他の機関へのあっせん、政府系金融機関や商工会議所等にはあっせんをする、こういう基礎的な情報提供と相談を充実した上で、先ほどのようなベンチャー対策、あるいは事業承継、事業再生、まちづくり、そういう個別のテーマに対してライフステージに応じた支援をしております。

以上が概括的な説明でございますが、最終的に、私どもの分科会の伊丹会長からいわれておりますのは、私どもは非常に施策が総合的で、かつ、6つの勘定に分かれている、経理区部上はさらにそれが20ぐらい分かれている、そういう複雑な業務をどういうプライオリティーを置いて、どこに人と資金を配分するのか、そういうトータルマネジメントを心がけてほしいということと、引き続き業務の改善・改革のスタンス、これにつきましては分科会の方からのご指摘もあり、私どもは3年間トライをしてきたつもりでございます。そういうことで、残り2年間の中期計画はございますが、この3年間の改善・改革のスタンスとトータルマネジメントの充実ということで、全体的に中小企業基盤機構の効率化、サービスの充実に今後とも努めてまいりたいと思っております。

以上でございます。

木村委員長

ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に関しまして、何かご質問がありましたらお願いいたします。よろしゅうございますか。

ありがとうございました。

次の議題に進ませていただきます。議題3以降は、8法人のそれぞれの評価の結果のご報告とそれに伴うご審議となっております。

では、まず、原子力安全基盤機構の平成18年度業務実績評価及び第1期中期目標期間業務実績評価について、大橋部会長からご報告をお願いいたします。

大橋委員

資料3―1が平成18年度の業務実績評価、資料3―2が、平成15~18年度の3年半ですけれど、4年度間にわたります中期目標期間の業務実績評価です。

資料3―2の中期目標期間の実績評価につきましては、総合的にこれまでの4年度間を評価したものでありますので、資料3―1を用いまして平成18年度についてご説明させていただきます。

1ページですが、全体評定としてはAといたしました。算定式のウエイトですが、左上にありますように、業務運営の効率化を25%、サービスの質の向上を重点に起きまして60%、財務内容を10%、その他を5%と部会で議論いただいて決定をした次第です。

次に、評価の全体的な概要というところでありますが、法令に基づく原子力発電所の検査、また、専門性の高い安全解析、調査業務、そういうところにおきまして原子力安全・保安院のニーズに応じまして適切に業務を実施しております。特に耐震関係の解析を整備や美浜や志賀の事故等に関しまして非常に質の高い解析結果を提供できたということから、中期計画を超えたパフォーマンスが認められると評価いたしました。

業務運営の効率化については、機動的・弾力的な組織運営が行われました。

2ページですが、サービスの質の向上については、今申し上げたような点と、2点目のオフサイトセンター、3点目の平成20年度から予定しております原子力発電所の新検査制度の構築に関しまして、原子力安全・保安院を適切にサポートし、ガイドラインの策定等に資したということが認められます。

また、研究論文等についても高い成果を出しておりまして、総合してA評価と判定いたしました。

3ページ、業務運営の効率化ですが、ここのところでは、全般的に継続的な業務を実施したということで、内容はA評価がほとんどで、一部、B評価も含まれておりますが、割愛させていただきます。

あとは契約等に関する事項ですとか、11ページの役職員の給与等に関する事項というのは、特段コメントすることもありませんので、記載の内容をご評価いただければと思います。

恐縮ですが、15ページに飛びまして、サービスの質の向上です。ここは検査業務と解析業務、その他緊急時対策等の補助業務をやっているところであります。16ページをごらんいただきたいと思いますが、法令に基づく検査等業務でB評価になっておりまして、新聞報道等によりましてご存じの先生方がいらっしゃるかもしれませんが、ことしの3月に法令検査におきまして記録確認漏れが一部発見されたということがあります。その記録確認漏れについては後ほどまとめてご紹介をしたいと思います。

そのほか、原子力施設の安全性に関する解析業務や防災支援業務等はA評価としております。

飛びまして、22ページですが、安全性確保に関する調査、試験、研究業務ですが、日本の原子力安全基盤を継続的に確保していくための試験・研究を実施しておりまして、これに関しましては外部の専門家による評価委員会を設けまして評価をしていただいており、そこの評価委員会の場でも、JNESが実施しております試験研究に関して極めて高い評価が得られておりまして、その評価内容を精査した上で、A評価としております。

23ページの下の10の安全規制に関する国際協力ですが、これもアジア地区を中心に日本がリーダーとなるべくいろいろな仕組み、または国際会議での発表・協力等を行っておりまして、A評価としております。

25ページ、財務内容についてですが、これはおおむね中期計画を達成したということでB評価としております。

最後にその他事項がありまして、その他事項としては、重みは小さいのですが、原子力安全・保安院以外の官庁からの要請に応じまして適切に対応してきたということで、これは目標達成でB評価としております。

以上、まとめまして、18年度の総合評価をAとしたわけですが、1点、議論になりましたのは、国の検査におきます記録確認漏れということです。平成15年10月にJNESが設立されたわけですが、実は東京電力が検査の記録を不正に改ざんしたという事件を踏まえ、急遽半年前倒しで設立されております。そのときに定期安全管理審査という新しい審査制度がつくられました。当初は全数立会検査を実施しておりましたが、そもそも原子力発電所の安全を確保するのは事業者が第一義的に行うということで、事業者が検査を実施して、プロセスを行政規制として確認をしていくというのが本来の筋であるという判断をもって、その後、一部を立会検査にして、一部を記録確認検査ということで行っております。

JNESの検査官が現地へ行きましてある検査を実施する際、まず始めにある範囲につきまして、例えば半分とか3割について立会検査を実施するという宣言をいたします。そして、残りについては電力会社が実施した検査の記録を確認して、プロセスを確認するということにしております。検査官は、立会検査及び記録確認検査を行いまして、それを確認して最終的に検査の合格を宣言するわけですが、今回は、電気事業者が実施した検査記録の一部について確認を忘れたということが検査の記録確認漏れということでありまして、もちろんその事業者が先行して検査を実施しておりますから、何か問題があれば当然相談がありますし、検査の延期という相談もあるはずですから、実質的にはすべての検査は合格していたというのは仮想的には理解できるところです。

実は当時、事業者も「この記録を確認していただいていません」ということさえ気づかなかった、そういう意味合いから、事業者に対しても迷惑をかけていないと、安全性にも特段の問題を生じたわけでもないということであります。その事象が起きたときに、JNESは、組織一体となって適切な対応をしまして、全検査記録を調べ、今後どうしたらよいかということで短期間の中で根本原因分析なども行いまして、今後の対応についてきめ細かい案を立てたりしております。

JNES部会で議論になりましたのは、当初、自己評価としてはここの部分についてCがついておりました。それで、事務局と私が相談いたしまして、最初の原案としては、記録確認という非常に軽微なことではあるけれども、法定検査の記録をミスしたということから、事務局案としても同様にCということにしまして、JNES部会にお諮りをしたところです。

私以外の委員が全員、非常にささいなこともCにするということは、検査官のメンタルヘルスに悪影響を及ぼす恐れがある、それよりもその後の取り組み結果が大切であるので、評価はBにかえるべきだという意見が全員から出まして、BにするかCにするかというのは非常に政治的要素の強いところではあったのですが、私はまとめ役として、JNES部会の委員の先生方の意見を尊重するという形で、今回、Bと評価させていただきました。

それで、総合としては、先ほど申し上げたようにA評価にいたしまして、中期目標期間につきましては、過去は3段階で評価しておりまして、平成18年度から5段階の評価にいたしました。最初のページ以外は特に申し上げる点も余りないと思いますが、平成15年度と16年度はB、17年度はA、18年度はAということです。それで、最初の年は出だしで検査業務を中心にバタバタやっていたところがありますので、単純な数字の平均というよりは、内容の全体を見ながら総合評価をするということからAといたしましたが、数字の平均によっても重みをつければAという評価になります。

以上のとおりです。よろしくご審議をお願いいたします。

木村委員長

ありがとうございました。いかがでございましょうか、ただいまのご説明に対しましてご質問等はございますか。

小泉委員

18年度評価ということでありますので、今のご説明の内容について申し上げることではございませんが、コメントとして、今回のような中越沖地震、こういったところでの柏崎原子力発電所でのいろいろな事故、これからだんだん詳しくなってくると思いますが、私が聞いている範囲ですと、どうもフェイルセーフが働いていないような感じがいたします。ですから、例えば、漏れたらその水が出ないようにしておくとか、火災が起こったらすぐ消せるような対応がされているとか、ここに出ているいろいろな論文レベルの研究というのも大事ですが、実際に国民の信頼を失わないということが非常に重要なポイントだと思いますので、この辺、原子力安全基盤機構の中でどの程度そういう分野に対してこれから意見がいえるのか、あるいはどの程度の責任を有しているのか、その辺をお示しいただければと思います。

原統括安全審査官

先生ご指摘の火災の件と水漏れの件ですが、私どもは今そちらでやっているのですけれど、原因究明については、申しわけございませんが、まだ調査段階ということで、どうして漏れたのかについてはまだ公表にまで至っておりません。今、現地に4人ほど派遣して、鋭意努力しているところでございますので、その件についてはもう少しお時間をいただければと存じます。

それから、こういう事故が起こった場合のフェイルセーフも含めての安全解析のデータベースとその情報が、いかにJNESで分析されて、規制外にどう活用されるかということでございますが、本件の火災と漏えいのところは原因究明を待たなければわかりませんけれど、一般的には、今申しましたように、JNESの中に情報を収集して技術基準とか内規とか要領書という形で国へ情報を提供し、委員会の議を経て日の目をみるというのが、この18年度の中にも若干触れておりますけれど、そういう形で適時そういう反映できるようなシステムになっているということで今ワークしているということでございます。

八木委員

評価ということについて一言申し上げたいと思います。5~6年余りここで評価をやっておりますが、私は、当初A、Bどちらが基準なのかという議論がここであったと記憶していますけれど、私の頭の中では、基準というのはBだと思っているんです。つまり、予算などやるべきことが、100パーセント達成できたものはBであって、Aというのはそれを上回って達成するとか、前年より相当改善されたとか、世の中でいうマーケットシェアが上がったとか、利益が上がったとか、そういう格別のものがあればAになってしかるべきだと思います。

そういう意味で、この評価を拝見しますと、原子力発電に関しましては、私もメーカーの一員でそっちの方のものをつくっている関係で、いささか忸怩たる部分もあるのでございますが、率直に申し上げます。昨今発生している叱られて当然の事故や事象については、第一義的には民間のメーカーや事業会社が責められて当然と認識しております。そして、これらを契機にして、ここしばらくの間に規制強化が進められたり、いろいろと体制強化が進められて、例えばこちらの独法側の体制も拡充、増強されてこられたと思っております。ただ、いろいろな改善もなされたと評価しておりますが、状況がまだまだ改善の途中であって、これで十分というレベルには至っていないのではないか、また官民の間の意識や実態との間にまだ乖離もあるようにも認識しております。そういうことからみて、このJNESのリーダーシップの発揮というのはこれからますます期待したいと思います。とくに、このサービスの質の向上というのはAになっておりますが、この辺がBで、総合がBで、中期の方もBというのが、この原子力行政全体をみたときの、そういう背景を勘案したときの評価ではないかなと感じておりますので、一言申し上げておきたいと思います。

大橋委員

今の点に関して、よろしいでしょうか。

木村委員長

はい、どうぞ。

大橋委員

原子力安全の規制行政というのは非常に難しいところがありまして、推進行政のようにプラントをたくさんつくるとか、設備稼働率を上げていくという、明確な指標がないところなんです。どのように安全の合意を得ながら国として国民利益に役立つように原子力施設を安全に運用していくかというのは、どうやれといわれると非常に難しいところです。

ご存じのように、ここ数年でいろいろな不正事件やトラブルなど、過去の事象が大変多く明らかになってまいりまして、今回の地震も私自身そう思うのですが、またかという感じがしておりまして、そういう意味で、当初、保安院が定めました中期目標の内容に比べまして、格段に多数の事象や解析するべき事項が出てきております。

今回の耐震問題につきましても、先ほどご説明申し上げましたように、新設計指針に基づいて解析できる枠組みを既にJNESでつくっておりますから、今回、柏崎の事象にかんがみまして、これからそれが極めて役に立っていくことは間違いないと思います。

そのように、事業をしていく上で、思ってもいない、その2倍、3倍といっていいと思いますが、それぐらいの仕事が出てきて、それを着実にこなしたという意味では、私はA評価でもいい気がしていますし、部会でそう評価をいただいたと考えております。

内山委員

今の中越地震の問題で私からも1点質問したいのですが、今回の地震の最大の問題は、海底の中に活断層があったということですね。今までは活断層については地上を中心に評価していた。そういうことで、根本的に活断層評価を見直さざるを得ない。すなわち、海底の方まで活断層がどうなっているのかと、その上でこれから新耐震設計審査指針も考えていかなければならない流れができてしまった。この設計指針については随分議論されていますが、いま一つ国民の間には本当にしっかりやるのかと、あるいは海底の活断層も含めて、今後、本当に評価していけるのだろうかという不安が非常に広がってきています。これについてJNESの基本的な考え方、あるいは方針をお聞かせいただければと思います。

大橋委員

JNESというのは決していいわけをするところではありませんが、受け身の組織でございまして、保安院のニーズに応じて仕事をしていくと。また、その上で、保安院の行う行政を先取りをして何か提案していくということはあります。今、内山先生からご指摘のあった件は、大変僣越ですけれど、原子力安全委員会でよく検討していただいて、どういうベースでということが指定されれば、JNESの方で安全解析に対するベースとかいろいろな知見を総合して、安全規制行政ではこうしていくという知見が出せるように思います。

事務局から何かありますか。

原統括安全審査官

指針適用のところについてちょっとだけいわせてもらいますと、活断層を評価するというのはこれまではこういう形でやっていました。地層に活断層があらわれているとか、非常に褶曲した場所が出ているとか、そういう調査をするということで地震のサイズを決めるという1つのルールと、もう1つは、未知の活断層を初めから決定論的に、マグニチュード6.5で発電所から半径10キロのところにあるという決定論というのが今までの指針でございました。

これが昨年25年ぶりに改正されまして、それを受けて、今、大橋先生からありましたように、原子力安全委員会が決めた後、現在、JNESも含めて1年間かけてそれを解析したりするテクニックなどを駆使して、事業者が調査して、今、先生がご指摘の調査結果をいただいて、JNESもそのバックチェックとダブルチェックをするという体制にもう既に組み込んでおりますので、今回、柏崎から出てくれば、必ずやJNESで解析をするというのが近々入ると思います。

鳥井委員

大橋部会長の方からご説明があって、予定よりはるかにたくさん仕事が来たのだということでしたが、はるかに仕事がたくさん来て、それをこなしたからAだというのはおかしいと思うのです。つまり、こういう問題は、それなりの体制がちゃんとできていて初めてAなのであって、一人一人が一生懸命頑張りましたと、よく頑張ってくれましたという話ではあるのですが、それで国の体制として、エージェンシーの体制として、Aです、来年も頑張ってくださいねといっていいのかというと、違うような気がするんです。

そこは本質的な問題というのがあって、そこをきちんと指摘していかないと、国としてもここの部分をないがしろにしてしまう可能性があるという感じがするんです。我々評価委員会がそれをやるのかどうかはよくわからないところはあるのですが、我々も何かいわなくてはいけないことなのではないかと思います。

原臨時委員

意見ということで、結構なのですけれど、原子力については、今、活断層の話も出ましたが、何か事が起きると、「ああ、そういうこともあったのか」ということと、「単なるミスでした」という話がとても多いという印象がありまして、資料3―1の2ページの書き方ですが、上から4つ目の○のところで、「研究成果論文が米国機械学会の最優秀論文賞を獲得した」と書かれて、その次に、「検査に係る業務については、記録確認漏れの事実が判明したものの、計画どおり実施できている」と書かれているのは、納得ができないというか、すごく違和感を感じるんです。原子力ですから、検査に係る業務での記録確認漏れが非常に大きなことに結びつく可能性もあるわけで、これを一体どのように評価をしたのか、考えたのかということがまず書かれるべきであって、それを「計画どおり実施できている」でくくるのかしらと。

それから、優秀論文賞を受けたことはその上に書くことかなという感じもちょっとございまして、先ほどもささいなことだからC評価はちょっと酷だろう、B評価というお話がありましたけれど、記録確認漏れが非常に大きな事故に結びつく可能性も大きいわけなので、原因究明とか、二度と起こさないということの体制をどう考えたかを書かれるべきだと思います。

木村委員長

ありがとうございました。では、大橋委員、お願いします。

大橋委員

ありがとうございます。いろいろご指摘いただいているとおりなのですけれど、原子力安全基盤機構という保安院をサポートする組織がどういうことをやって点数を上げていくかというところは、非常に難しいところにいろいろご意見をいただいているところがあるかと思います。ほかの法人のように、何か契約件数をふやしたとか、お金をこれだけ節約したとか、これだけの新しい企業を設立したとか、そういう指標が非常に難しいところです。

それで、部会でも必ず議論になりますのは、どういう数値目標でどこまで達成したらAで、どこまではBだということが必ず出るのですけれど、なかなかJNES自体も答えられない、部会としても答えを出せないようなジレンマに陥っているところです。ここまでやったからAだろうというのは、確かにご指摘のとおりなのですけれど、我々はやはり中期目標として行政庁が決めたものに対しまして、いろいろなトラブルやいろいろな解析する事象ができてきて、それをやっているからとおっしゃるのですが、実際にその業務を知ると、本当に土日もなしで専門家が集まって議論しながら、ヒーヒーいって業務をこなしているような実情のところもありまして、そういうことを踏まえた上で、部会の先生方によって、中期目標に比べてAと評価していいんじゃないかという評価を得ているところであります。

検査業務については、先ほど申し上げたとおりで、ここに書けとおっしゃられれば、10行くらい書くエクスキューズはあるのですが、ここはサマリーのところですのでこれぐらいになっております。

研究成果論文に関しましては、このJNESという組織の特殊性を反映しておりまして、1つは検査業務のような実務に関する部隊と、そのほかに、原子力安全というのは、当面の安全ではなくて、今後どのようにしていくのだとか、指針を得るために研究や幅広い業務を行っておりますので、そちらの方でもポイントを得たということから、ここに書かせていただいているところであります。

荒牧委員

今ちょうど定量的なお話が出ましたが、例えば、19ページに、解析モデルの時間を100分の1に短縮できるシステムを開発したとありますけれど、私などの素人からすると、ことし1年で100分の1にできるのであれば、なぜ今までこんなにかかっていたのかという非常に素朴な疑問があります。世間の注目が非常に集まっている中で、逆になぜ今までする機会がなかったのかと。その辺は技術的なものなのか、あるいは人的な制約によるものなのか。その辺を教えていただけますか。

木村委員長

それでは、青木委員からご意見を伺ってからにしましょう。

青木委員

ありがとうございます。業務運営の効率化というところですが、17年度までがBで、ことしがAになっています。それ自体は構わないのですけれど、例えば中期目標と、その後何が行われたからことしはAになったかというところをみていきますと、不正アクセスの防止のためのさまざまな手段を講じたですとか、情報漏えい対策のためのことを行ったと、これは中期目標を超えたものと評価して果たしていいのだろうかと。世間の目が厳しい今、こういうことを確実にできて初めてBということになるのではないかという疑問もわいてきます。それで、全体に業務運営の効率化については、Aというところまではいえないのではないかと思いました。

木村委員長

それでは、平澤委員、先にどうぞ。

平澤委員

多少違う視点からの議論ですけれど、よろしいでしょうか。

木村委員長

はい。

平澤委員

保安院と機構との関係というのは、私が担当しております製品評価技術基盤機構と原局・原課との関係と多少似ているわけです。それで、独法化された最初の段階というのは、基盤機構に対して原局・原課の方からいろいろな指示があったりして、いわば仕事が降ってくるのを待っているという、そういう側面もあったわけですが、6~7年たってみると、NITEの側の専門性が深まりまして、逆にいろいろなことを提案できるようになってきているわけです。

それで、原子力安全基盤機構についても、保安院に対して専門性を深めて、リスク管理、危機管理に関しての基本的なことはかくあるべきということをいえるようなものに成長していただきたいと思っております。

木村委員長

それでは、まとめてお答えをお願いいたします。

大橋委員

まず、ご指摘のありましたコードの件、4,000時間を100分の1に短縮したというのは、ほっておいたということでもありませんが、コードの計算速度を速くすることが実務的に意義があるということで取り組んだということです。4,000時間というのは実質的には役に立たない、解析できるだけというところだったのですが、これを100分の1に短縮することによってまともに使えるコード、実務的に使えるコードにしたという意味合いから、科学技術上のそれほどの独創性があるかといえば、そこはありませんけれど、実務的に役に立つようにしたという意味では非常に意義が高いと考えています。

2点目の業務運営に関しましては、総合的に判断したもので、実はJNESについては人的構成が非常に問題であるところで、専門家が必要ですので、中途採用で非常に高年齢の方をたくさん抱えているという実態があります。これに関しまして、若いドクターコースを修了したような学生を採りながら、また、中途採用を考慮して、中期的にどういう人的構成でどのように対応していけばいいかということを近年工夫してきたということも踏まえて、総合的にAと評価いたしました。

最後の専門性を生かして行政庁に提案できるというのは、全くご指摘のとおりで、JNESは専門能力を高めてきておりますので、安全審査のやり方ですとか、検査業務について効率化ということの提言は今しているところでありますが、その範囲をふやしていきながら、安全行政をリードとまではいえないのですが、原子力安全・保安院のやっていく規制行政を先取りするような形の提案というのを今後心がけていくように指導したいと思います。

木村委員長

ありがとうございました。

一通りご意見をいただきましたが、評価結果に対する疑問が出されましたので、大橋委員、恐れ入りますが、部会できょうのご意見をご紹介いただいて、再度ご審議いただきたいと思います。

そして、最終的な評価結果の取り扱いにつきましては、これまで同様、事務局と私と部会長とで対応させていただければと思います。いただきましたご意見は十分尊重するつもりでございますので、よろしくお願いいたします。それでは、そういうことで処理をさせていただきます。ありがとうございました。

橘川委員がまだおみえになっておりませんので、先に製品評価技術基盤機構についての説明をお願いいたします。平澤委員、よろしくお願いいたします。

平澤委員

それでは、資料5であります。

1ページですが、総合評価としてはAであるとなっておりますけれど、4つのポイントのうち、サービスの質の向上を70%として、残り3点を10%ずつとして評点いたしました。サービスの質の向上の部分というのが、経費的にも業務費としてやはり7割程度とっているという観点からであります。

NITE自身は、18年度、第2期の初年度であったわけですが、第1期との比較においてどのようになっているかということを1つの視点にもちながら、評価を行いました。

3ページをごらんいただきたいのですが、4つのグラフがあります。左上ですが、第1期の業務経費がどのように推移したかをかいております。太い線から下の部分が、最初の年度に定めた業務がどのように推移したか。上の部分が、後々、業務がふえてきた部分がどのようになっているかということであります。

これを受けて、右上のグラフですが、18年度から第2期に入るわけですが、17年度、つまり第1期の最後と比べるとどのような経費配分になっているかを示しております。事業分野ごとにその推移がわかるようにしておりますし、また、右上の一番右の縦のグラフは、経費別に、費目別にそれを区分し直したものであります。

全体としては、経費をかなり切り詰める形で18年度の第2期の第1年度が始まったということになります。

恐縮ですが、もとに戻っていただきたいのですが、全体を考えてみますと、NITEのミッションというのは国民の安全・安心の確保ということにあるわけでありまして、そのミッションに照らして、新しい業務として、化学物質のリスク管理業務というのを加えました。そのほか、第1期の業務区分を見直して多少再編したところがあります。製品安全に関しては、この間、やはり随分いろいろな社会的問題が起こって、それに対する対応、特に製品安全ということに関して業務が急に非常にふえたわけであります。それらをこなしながら経費を削減していくということで、パフォーマンスとしてはAとしていいのではないかと思っております。

それぞれのポイントについてでありますが、このポイントの詳しい話は後でお話しするといたしまして、経費の削減というのが、3ページの先ほどの下段の左側の図をごらんいただきたいのですが、全体として交付金で行う業務の部分を比べて減少しているということがわかります。

それから、一般管理費についても、特に人件費を含めて削減するような取り組みをしてきたということが読めると思います。

それから、細かい話になってきますが、各評価ポイントごとに目立ったことを上げてみますと、業務運営の効率化は今触れたとおりでありますけれど、サービスの質の向上はパフォーマンスの側がどのようになっていたかということであります。後に詳しい部分をご紹介しますが、特に社会的な問題があった生活安全分野でみてみますと、事故品の確認件数というのが前年度比で83%ふえるという状況であったわけですけれど、それらに適切に対処したということであります。

それ以外のバイオテクノロジー分野、化学物質管理分野、適合性認定分野においても、同様の取り組みがなされているといっていいと思います。

財務内容の改善については、受講者が3年サイクルで非常にふえる、そのほかの年は減るということになるわけですが、18年度は減る状況になっていたわけです。それで、手数料収入に相当するものが減少したわけですけれど、一方で、棚卸し資産を削減するとか、不要になった機器を売却するとかして資金回収に努めるということに新たに取り組んで、これは粛々と業務をこなしましたという評価であります。それから、受講者の激減による穴埋めに相当するのは積立金があったわけで、それを取り崩したというわけです。

2ページの下ですが、マネジメントに関しては、3ポイントあります。

1点目は人材養成で、これは特に若手を中心にして戦略的にそれを育成していくということに努めてまいりましたが、この点に関してはかなり成果を上げてきたと思います。

2点目は広報で、これはかなり強化をしました。その結果、新聞の掲載件数がNITEの名前が出てくるのが70%ふえるとか、テレビの放映件数は、もともと余り多くなかったということもあるわけですが、5.8倍という状況です。

マネジメント自身のあり方に関しても、新しい業務が時系列的に偏在して出てくるわけでありますが、当然のことながら、新規任用というのを極力抑えて、内部人材を多面的に活用するということを柔軟に行ってきたと考えております。

そのほか、マネジメント上の工夫はいろいろされているわけで、全体として、財務内容はBでありますが、そのほかのポイントはAという評価であります。

次に、4ページですが、今のポイントを個々にみていくことになるわけですけれど、時間の関係もありますのでざっと触れさせていただきます。

まず、4ページでは、経費の節減が事業部門あるいは業務分野全体としてそれぞれどのような推移をたどっているかを書いていますが、その状況をまとめたものが7ページのグラフであります。業務の再編等を行いましたので、必ずしも1対1には対応していませんけれど、それぞれの部門ごとにどのように推移したかということがわかります。この業務経費の数値を比べてみますと、化学物質管理のところでは、18年度にリスク評価という事業分野が出てまいります。これは新たに設定したものです。それから、PRTRが全体としては多少ふえている。また、紫色の化審法による部分も経費としてはふえている。右下の生活安全分野も、業務がふえて、立入検査と製品安全のところが経費はふえています。

このような経費増を伴いながら、しかし、なぜふえたかというと、業務内容が格段にふえたからであるということが5ページに幾つかの代表的な例として挙げてあります。バイオの分野でいうと、ゲノム解析と微生物の収集という業務と一体化いたしまして、系統収集をして、重要な収集物について、その情報の付加価値を高めるためにゲノム解析を行うという、そういう一体的な業務に切りかえたわけでありますが、ゲノム解析だけを考えてみますと、その取り組み方自身を工程別に人員を配置する等の合理化をして、経費を単位当たり16.5%削減するという形になっています。

同じように、化学物質管理についても、ふえた業務に対して資金の増加はそれほど多くなくて、例えば化審法の規制法の話だとすると、数えると1件当たりでは9.1%削減したことになるとか、適合性についても同様であります。経費としては2.5%ふえているけれど、仕事量が14.4%ふえて、結果として1件当たりに直すと10.4%仕事を合理化していることになろうかと思います。

生活安全についても同じようなことで、この間、たくさんの情報が収集されて、それが解析されたわけでありますが、それに伴い経費もふえましたけれど、結果としては処理1件当たりに直すと12.9%削減していることになるという状況であります。

それから、業務の合理化に関しては、6ページに2番目のポイントとしてアウトソーシング等のことがありますが、これも外部機関と契約してアウトソーシングに努めるということをやりますし、専門家を外部で確保するということもやりました。それについてA評価であります。

それから、電子化については、粛々とこなしましたという意味でB。

こういう3つのポイントを考慮して、全体としては業務運営の改善についてはAであるということにいたします。

8ページ以降、やや事務的な話になるわけですが、下の評価ポイントの中ほどにありますように、契約に関する事項として、随意契約の割合が、昨年度は33.8%だったのが、件数ベースで今年度は23.9%に減らしているということになります。

そのほか、11ページに、役職員の給与等というのがありますが、公務員型であるわけで、基本的には給与法に照らして決めることになっていて、ラスパイレス指数を比べてみると、中ほどにありますように、公務員との比較で104.6と若干上回る。これは大都市圏に職員が多いということを反映していると理解しておりますが、ほぼそういう基準並みの賃金にしてあるということになろうかと思います。

15ページですが、ここはサービスの質の向上で、中身としては、パフォーマンスがどれぐらい上がったかということであります。先ほど多少触れましたが、バイオテクノロジーの分野でいうと、収集株の数が計画に対して12%上回った、解析の仕方についても非常に短縮されるような取り組みがあったということ。化学物質管理に関しても、計画に対して約50%増ぐらいの情報収集提供をやったと。それで、アクセス件数等も非常にふえているということであります。

それから、先ほど触れましたように、化学物質の収集した情報をもとにして、リスク管理ができるような手法を開発して、そのリスク管理を継続していけるような体制を整備したということがあります。

それから、適合性認定分野に関しても、省庁横断的な認定機関の事務局としてそれらをとりまとめる役割を果たすと同時に、外部の専門家をネットワークして、それで適切な適合性認定ができるような体制を整えてきた。

また、国際的な認定業務というのは今までなかったのですが、そういうことを新たにやり始めた。

生活安全分野に関しても、非常にふえた事故情報に対して、それを適切に処理したということになろうかと思います。

今、分野別に概略をお話ししたわけでありますが、16ページから後は個別の業務部門に関してどのような状況であったか、そしてそれをどのように採点したかということがあります。ここは繰り返しになりますので、触れないことにしたいと思います。後でご質問があればお答えいたします。

28ページ、財務内容の改善に関してです。これも先ほど粛々とこなしたと申しましたが、例えば、不要になった機材を売却して得た資金量というのは、400万円と微々たるものでありますが、こういう取り組みをやるとか、消耗品等の在庫ゼロという管理などをして、財務内容の改善には頑張ったというわけですが、これはB評価であります。

そのポイントについては、29ページ以降の特筆すべき事項という欄に多少具体的にありますので、それはごらんいただきたいと思います。

36ページ、最後の評価ポイントのマネジメントに関しての部分です。先ほど人材育成と広報とマネジメント自体の改善の3ポイントあると申しましたが、3番目のマネジメント自体の改善というところで申しますと、今、新規採用を極力抑えて内部人材を柔軟に活用するというやり方で業務をこなしてきたということを申しましたが、38ページにその幾つかのポイントを上げてあります。

例えば、最初のポイントは、企画管理機能を強化するということから、若手・中堅職員で組織する企画委員会というものをつくって、そのアイデアを経営トップに生かしていくというシステムを始めました。

また、目的管理制度ですが、これは第1期の途中から導入したわけですけれど、過度な目的管理制度にならないように注意を払いながら、しかし、ミッションに合わせた業務運営ができるようにと、そういう仕掛けとして改善をしてきたということであります。

また、業績評価制度を導入するということをやっているわけですが、評価の高い事例を得られるように制度を規定として定着化させるということをやります。また、所員の能力評価の制度に関しても、不公平にならないような配慮をしながら、能力評価制度が導入できるように取り組んできたというわけであります。

最後のポイントは、パフォーマンスを図るときに、本質的な業務成果は何かということを考えた上で、これがアウトカム評価でありますが、それを機構全体、分野ごとに、また業務部門ごとにというようにだんだんブレークダウンして、今、業務部門ごとに本質的なものを認識し、それを実現できるようなシステムを個々に取り組むということに努めているわけであります。

以上、第1期でほぼ組織として整備されたものを受けて、業務内容を第2期発足に対して見直しし、再編し、新たな必要な業務を加えるということをして、初年度が終わったと。総合的にみますと、3つのポイントでA、財務内容に関してはB、全体としてはAと判断いたしました。

木村委員長

ありがとうございました。事務局、よろしいですね。ご質問が出たらお答えいただきたいと思いますが、ただいまのご説明に関しましてご意見はございますか。

原臨時委員

いつもNITEは非常にユニークといいますか、評価方法でも非常に工夫をなさっていらっしゃると思って、大変興味深くいつもお聞きしておりますが、2点ございます。

1つは、マネジメントという評価項目を立てられたということですね。ほかのところはその他というところでくくっていらっしゃるようなことを、わざわざマネジメントでくくって評価項目とされようとしたお考えをお聞きしたいと思います。

それから、製品安全については大変事故が多くて、ガス湯沸器もそうでしたし、たくさんございましたので、その部分、予算も人手も要ったということになると思いますが、7ページをみると、業務運営の効率化の生活安全分野でも、製品安全のところは使われた費用が若干多くなっていますが、実は製品安全の分野は大変難しいのは、原因究明のところなんです。企業はもちろんご自分のところですからおやりになるのですが、公で原因究明をしてくださるところがなかなかなくて、ぜひNITEあたりに頑張っていただきたいと考えているのですが、やろうとすると今度はコストがかかるということですよね。

そうすると、費用効率的には、やらない方がコストは要らないわけですが、国民の目からするとNITEにはその機能を果たしていただいた方がいいと思っておりまして、今回、外部に製品事故調査委員制度というものをスタートさせていらっしゃいますが、このあたりについてはどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

平澤委員

事務局の方でもし補足することがあればお願いしたいと思いますが、まず、第1のマネジメントでありますけれど、これは第1期のときに特に業務内容が雑然と集められているような機関だったので、それら全体を統括するにはやはりマネジメント上の改善に努力しなければいけないということを考えて、こういう項目を立てたわけでありまして、それを引き継いだとお考えいただきたいと思います。

それで、2つ目のご質問と関連するわけですが、NITEもそれぞれの地域に支所があり、本所のほかに上総にNBRCというものがあるというわけで、特に支所に在籍する人員に対してのスキルアップ、新たにミッションに合ったスキルがこなせるように人材養成をしていくということが、非常に大きな課題になっていたわけです。そういうことも含めてマネジメントが重要だったというわけでありますが、製品安全のことは、支所が今まで担うことが多かったわけですけれど、製品安全で原因を解析する専門性を高めるというのを、それぞれの支所を集約していって、担当分野を切り分けていったわけです。そして、地域ごとに、といっても関東と関西が中心でありますが、担当する原因究明の専門家をそこに集めて養成していくと、そういう体制を第1期でとってきたとご理解いただきたいと思います。

ご承知のように、温風ヒーターとかその他さまざまなケースがあったわけですけれど、それについては単に情報を収集するだけではなくて、収集した情報をランク分けして、重大な事故については原因究明に取り組むというところまで仕事を伸ばしていくという規定になっていまして、この間もそれに従った仕事をしてきたと。

ただし、組織あるいは装置等が十分に対応できるように整備されているかというと、私も幾つか回って愕然とするようなところもありまして、それは内部だけではとてもこなせないわけで、やはり外部の方たちの協力を得て取り組んでいくことが必要になってきたと。それで、新たにそれを制度化したとお考えいただければと思います。

木村委員長

ありがとうございました。よろしゅうございますか。

原臨時委員

そうすると、この外部の事故調査員の方々へは費用はお支払いしていらっしゃるのですか。それとも、向こうの機関の費用でやっていらっしゃるのですか。

木村委員長

事務局、どうでしょう。

中山知的基盤課長

謝金が出ます。

平澤委員

謝金ベースで支払っているということは私も聞いていました。それから、例えば、直接解析にかかわるような費用はNITEもちでやっているということです。

梶川委員

非常にわかりやすい評価で、ありがとうございます。ただ1つ、業務運営の効率化の中の2番目の外部能力の活用という項目ですが、ここでBとなる基準と、具体的にかなりご努力があらわれている内容と実績の方に書かれていますが、どの辺がAなのかをご確認させていただければと思います。

木村委員長

いかがでございますか。

平澤委員

1つは、体制を整備してきたということがあるわけですが、もう1つは、体制整備とかかわるわけですけれど、新たに非常にふえる仕事を内部でこなせるような仕組みをつくっていくという点で、業務運営の効率化に寄与したということだと思いますが、具体的には、3つの○の点が取り出した部分でありますけれど、最初の○の部分は、電子媒体で情報を集めるという体制を第1期を通してやってきたわけですが、これがさらに進化された形でできるようになって、それで一括して外部に定型的な処理を任せるようなことができるようになったと。こういうことで経費を節減してきたということです。

それから、2番目は、先ほどのご質問にもあったように、外部の方のお力を得て、それとあわせて取り組むような体制にしたと。それで、なかなか適切な調査員の方というのはみつけられないわけですが、即戦力になるような方を得たということです。

それから、3番目のポイントは、いわば連携の話ですが、第1期を通して、消防や警察から事故情報等を得てくる、あるいは地域の消費生活センターなどから得てくるような、そういうネットワークを強化していくということをやってきたわけですけれど、第2期の製品安全に係る事故があったことも影響して、そのネットワークが格段に強化されてきたということではないかと思います。質的な面と量的な面が半分ずつぐらい寄与してのAという感じでしょうか。

木村委員長

よろしゅうございますか。

梶川委員

はい。

室伏委員

手短にお伺いいたします。最後から2ページ目に戦略的な広報の実施ということが書かれてございますが、NITEが非常に広く重要なお仕事をしていらっしゃることは私たちにはわかるのですけれど、一般社会の中でNITEが余り知られていないということを、感じております。経産省の独立行政法人の中でも、NITEの知名度が低いということを感じますので、今後、NITEがどういう広報戦略をとられるのかを伺いたいと思います。それから、安全・安心ということに関して、一般の方々の教育とか、子供たちへの教育とか、そういう啓発活動が極めて重要だと感じておりますので、その辺についてNITEに今後ぜひもっと努力していただきたいという気持ちがございますので、よろしくお願いいたします。

平澤委員

事務局からもお答えいただきたいと思いますが、NITEの本所の中に1つ実験ができる展示場のようなものを設置して、そこを舞台にしてNITEの広報活動をやるということを事業として展開したわけです。それで、もしかしたらご承知かもしれませんが、子供を対象にして、親子で製品安全についての確認作業を行えるような、そういうイベントを催して、そのイベントで子供の記者が報告をするような仕掛けにして、それを全国紙に広告として掲載するということをやったわけです。

これは1回のものですけれど、地域等に宣伝して、小中学生がその施設を見学に来るようなことをやっているわけです。また、もう一方で、事故情報等に関してのブリーフィングというものも、そのスペースを利用して記者会見等をかなり強化してやるようになっております。

というわけで、第1期に関して、今お話がありましたように非常に地味な仕事をやっているので、第2期は広報に戦略的に取り組むべきだというので、それを中期目標のポイントに上げたわけで、それに答えるような形で今のような具体的な業務を展開しておられると思います。ただ、まだ地味でありますし、情報誌も出してはいますが、こういうものがさらに浸透するような努力は必要だろうと思います。

木村委員長

事務局、よろしいですか。

中山知的基盤課長

先生がおっしゃるとおり、今、部会長から紹介がありましたナイトスクエアというものについて、最近、テレビの取材も受けていますし、それをきっかけにして学校の課外授業でお越しいただくということもふえております。こうした風が少し吹き始めた時期でございますので、製品安全のみならず、NITEは、おっしゃっていただいたとおり、地道でまじめな仕事をたくさんさせていただいておりますので、製品安全について関心が高まったこの時期をとらえて、他の地道でまじめな仕事についても光が当たるように、私どもとしても最善を尽くしてまいりたいと思っております。ありがとうございました。

内山委員

前回に質問したかもしれませんが、他省庁におけるこういった製品の安全問題とどう関係しているかについてお伺いします。ここに挙げられている製品には、環境省の問題とか厚生省の問題、あるいは農水省の問題と、随分親密に関係のある事項が多いのですが、そういった他省庁とどのように連携をとりながらそれを生かしているのか、あるいはそれに対する相乗効果があるのか、特に18年度はそれに対してどのような活動をなさったのか、そういうところをお聞かせいただければと思います。

木村委員長

それでは、事務局、お願いします。

中山知的基盤課長

環境化学物質に関する分野などにおいて、環境省その他関係省庁と具体的な行政事務において連携するような取り組みはさせていただいております。例えば、この資料で申しますと、15ページの中ほどに書いておりますが、「省庁横断的に認定機関協議会を立ち上げ」と書いておりますのは、その辺も含めた話でございます。

それから、ほかに消費者保護機関は多数ございますけれど、事故情報については今後とも情報交換を進めていきたと思います。それは、消防、警察だけではなくて、他の消費者行政担当官庁とも情報交換は進めていきたいと思っております。

一方で、NITEは、先ほどから何回かご紹介をさせていただきましたが、事故原因分析のようにほかの消費者保護行政担当機関ではできないような、また、やっていないような仕事もさせていただいておりますし、そうした事故原因分析のような仕事は、単に消費者保護というだけではなくて、メイドインジャパンの競争力といいますか、クオリティの維持確保、向上といったものにも最終的には貢献していく分野だと思っておりますので、そういう情報交換は今後とも密にさせていただきつつ、NITEが特に強みをもっています分野については、今後とも発展させていきたいと思っております。

木村委員長

よろしゅうございますか。

それでは、ご意見がいくつか出ましたが、評価結果を修正するというご意見はございませんでしたので、この評価結果を当評価委員会の評価として製品評価技術基盤機構に通知をさせていただきます。ありがとうございました。

それでは、橘川委員がおみえになりましたので、1つ戻りまして、議題4の石油天然ガス・金属鉱物資源機構の平成18年度業務実績評価についてご報告をお願いいたします。

橘川委員

石油天然ガス・金属鉱物資源機構、通称JOGMECの部会の評価について報告させていただきます。

それでは、資料4に基づいてお話しさせていただきます。

1ページですが、項目のウエイトづけであります。結論からいいますと、サービスの質の向上を75%とするという形でウエイトづけをさせていただきました。理由は、昨年の政策金融にかかわる審議でも出た点ですが、昨年の途中で新国家エネルギー戦略というものが決まりまして、2030年までに自主原油40%という目標が新たに設定されて、エネルギー基本法に基づくエネルギー基本契約も年度の途中で改定されるという事態がありました。エネルギーセキュリティを重視するということで、一連の政策金融にかかわる見直しの中ではやや特異だったと思いますが、国家のリスクマネーの上限を50%から75%に拡充するという方向の変更が行われました。

したがって、サービスの質の向上という点を特に重視する必要があるのではないかということで75%としまして、その中の4つの中で石油開発を一番重いウエイトにしたというのがウエイトづけの特徴です。

次に、このペーパーに従いまして項目ごとに説明させていただきます。

2ページから始まります業務運営の効率化、ウエイト15%、評価はBであります。この項目では、全体として、次のページにありますが、ホームページのアクセス数が273万から442万になったとか、2ページにあります経理システムや人事システムの改革といったことで、中期目標に沿って着々と進んだという評価であります。ただし、この独法はもともと2つ問題をもっておりました。

1つは、随意契約の比率が非常に高い。これは国家備蓄会社から備蓄機能を継承して、それを民間の会社に委託するという、ちょっとほかとは違う事業のスタートをしております。それは、備蓄業務の関係で人員と施設を民間の会社に継承しますために、競争入札というスキームがなじまなかったわけです。ただし、随意契約の比率は、前年度は82%だったわけですが、12ポイントを下げて70%にしました。これは例えば、備蓄基地10基地のうち、電力購入について競争入札を5カ所で導入するなどということをやりました。その結果、最終的な評価ポイントは備蓄コストを中期目標で10%減らすという目標だったのですが、18年度中に19%減らすというところまで一応超過達成したというところを評価しまして、Bという評価になっております。

2つ目の問題点はラスパイレス指数です。ここはもともと大卒の比率が一般公務員47.3%のところを80.9%、大学院卒の比率が3.7%のところを38.8%、首都圏勤務者が38.8%のところを87.2%という形で、石油あるいは金属の上流技術の開発ということで、技術者集団という側面をもっていますので、ラスパイレス指数が前年度でいいますと128.1と高かったわけです。そして、今年度はこれを可能な限り引き下げるということで、2ポイント下がって126.1となっております。総合的な評価としましては、平成18年度の給与報酬総額を6.4%減らしたと。これは9ページあたりに書いてある点でありますが。

そういうところをみまして、業務運営の効率化に関してはトータルBという評価にさせていただきました。

続きまして、13ページから、サービスの質についてでございます。この報告書は22ページですが、全体のスキームの関係でこういうつくりになっていますけれど、ウエイトづけ75%をかけたサービスの質の向上のところが、このペーパーでは22ページの中で7ページということで、3分の1しか触れられないということなので、主として、Bと違って、AないしAAをつけたところはどこを評価したのかについて、補足的な説明をさせていただきます。

まず、13~14ページのサービスの質の向上(1)(石油開発)ですが、ウエイトづけ20%、評価Aであります。ここはBではなくてAをつけた大きな理由は2つあります。1つは、先ほど申しましたリスクマネーの供給新制度、75%まで出資比率を拡張したという、この制度の変更に対して非常にスピードも速く、あるいは効果的に対応したという点であります。

このスキームは、リスクマネーの供給をつくっても実際にウォークしないと全く意味がないわけなので、制度をつくるところからJOGMECはいろいろ制度設計にかかわった。また、制度が立ち上がった後は、1月22日から2月8日にかけて、JOGMECの理事長と関連石油上流会社の13社が各社ごとにトップ会談を行って、年度内に10社弱の具体的な申し込みがありまして、年度をまたぎましたが、既に新聞等で大きく報道されましたけれど、伊藤忠のナミビアの天然ガスプロジェクト、4,500メートルの深海。それから、現時点でまだ具体的な名前は発表できないのですが、ほぼ固まりつつあるということが、アメリカ方面で第2号が続いているという状況であります。それが1つです。

2つ目は、新たな石油開発のプロジェクトとして、知見活用型の地質構造調査というもので、これはJOGMECの内部からの提案で生まれてきたと。これは金属の経験が生きております。というのは、これは権益獲得に至る前の産油国・産ガス国に対しまして、「うちはこういう技術をもっているので、地質構造調査を行いますよ」といったことをやりまして、それに基づいて権益獲得への道を開くという、事前型のプロジェクトであります。既に中米及びアジアで具体的な動きが始まっておりまして、そのほか、アジア、アフリカ、中東からも問い合わせが来たという状況になっています。

次に、15~16ページのサービスの質の向上(2)(金属開発)ですが、ウエイトづけは19%、評価はAAとなっております。AAという非常に突出した評価になりました理由は2つあります。

1つは、9カ国において16件の初期の探鉱、ジョイントベンチャー調査と呼んでおりますが、権益獲得につながるような初期の探鉱にJOGMEC自身が参加しまして、そこで複数の新しい鉱床を発見しました。そして、特にオーストリアのボーダー及びチリのコースタールカッパーという2カ所において、ボーダーの方ではJOGMECのもっています電磁波を使った高精度物理探査、チリの方においては衛星写真の解析という独自技術によって、銅と金を中心とした新鉱床を発見しまして、さらに進んで、住友金属鉱山がその両方の権益を獲得するというところに道を開いたという点が1つであります。

2つ目ですが、チリのレガリートという、これは世界的な規模で270万トンあるといわれている銅の大鉱山におきまして、日本の国内需要のそれだけで10%に当たります年産10万~15万トンの銅地金の生産につながりますプロジェクト、これをほぼ100%のオペレーションシップで日本の会社、日鉱金属と三井金属鉱山が獲得したわけですが、それに対しまして54億円という金属鉱業事業団及びJOGMECを含めまして、史上最大規模のリスクマネーの供給を融資という形で行いまして、その獲得に成功したと。

これにほぼ匹敵するというのは、歴史をさかのぼりますと、1982年に19億円の融資というのをやっているそうですが、そういう意味では、25年に1回、ある意味では史上初めてというような成果でしたので、こういうことはそうめったにあることではないということで、AAという評価をつけさせていただきました。

次に、17~18ページ、サービスの質の向上(3)(資源備蓄)であります。ウエイトづけ19%、評価Aとなっております。

ここでAをつけた理由は2つあります。

1つは、ここの分野では石油及びレアメタル及びLPGという3つの分野がありますが、LPGでは地下備蓄がおくれているという問題がありますけれど、一方で、地上の備蓄が始まったということで、ここでは特に大きなポイントはないのですが、ポイントを稼ぎましたのは一番大きな石油備蓄のところであります。石油備蓄というのは、カトリーヌ以来、新たな機能が注目されまして、従来のように置いておけばいいというだけではなくて、きちんと石油備蓄を放出できるかどうかという、機動的な対応が求められるようになりました。ポイントが2つありまして、中身の油が、今まで日本がためていた油は割と重質油という重たい油で、市場に出しても使い物にならないというものでありましたが、それを、JOGMEC始まって以来ですが、20万キロリットルほど軽質油に入れかえたというのが1つです。

それから、実際のオペレーションがきちんとできないと備蓄の機能を果たさないわけですが、これも5つの基地の間で、遠距離間の基地間の転送というものをやったということが1つです。

もう1つのレアメタルにおいて、ニッケルの売却を3度にわたって行いました。ニッケル価格は、平成18年度の間にトン当たり1.3万ドルから3.5万ドルという形で、ほぼ3倍ぐらいに上がったわけですが、その過程で、4月、8月、12月に機動的に放出を行いまして、これは非常に市場からも評価されたという点を全体的にみまして、Aという評価をさせていただきました。

残る2つはいずれもBなので簡単に触れさせていただきますが、19ページ、サービスの質の向上(4)(鉱害防止)です。北海道と山形で新たに2件、事業を受託して、鉱害の原因を突きとめるという成果を上げましたが、全体としてみれば、中期目標をきちんと行っているという範囲であるということで、Bという評価にしました。

最後に、20ページ、財務内容の改善であります。ここにおいても2つ注目すべき成果がありまして、1つは独自技術、知的財産権で傾斜坑の掘削技術の管理システムというものを売りまして、平成17年の段階で2億6,000万円、18年で4億5,000万円の利益をあげました。これは内閣府が発表しています独立行政法人全体の知的財産収入ランキングという中で、平成17年度は、産総研が1位でありまして、2番目がこのJOGMECであります。18年度はまだ発表されていませんが、ふえております。

もう1つは、先ほどのニッケルの売却で25億円の利益を上げました。ただし、これについてはそれも含めて中期目標の達成、順調だという範囲内だと判断して、Bという判定を下しました。

合計しまして平均点をとりましたところ、総合評価はAということであります。

木村委員長

ありがとうございました。事務局はよろしいですね。

それでは、ご質問等がございましたら、お願いします。

鳥井委員

金属のところですが、こういう仕事というのは研究開発と非常に似ているところがある、というと言い過ぎかもしれませんけれど、粛々とやっていて、うまくいくと非常にいい成果が出る。けれど、いい成果が出たからといっていい点を上げるというよりは、どちらかというと、いい成果が出るような仕組みをつくったとか、マネジメントができたとか、そういうことでこの場合はいい点を上げるというのが筋なのではないかなという感じもしていまして、幾つかいい鉱山が発見されたということですが、これが果たしてたまたまなのか、それともいい仕組みができていて今後も期待できるのか。その辺をお願いします。

橘川委員

極めてごもっともな質問だと思います。私どもの理解ですと、金属の開発と石油の開発と2つもっているわけですが、今のところ仕組みは明らかに金属の方が先行しておりまして、こういう成果が上がる蓋然性が金属の方が高い状況の中で、そこまでだけだとAなのですが、今回はまれにみる成果にもつながったということでAAをつけさせていただきました。本来は、石油の方も金属のようなところまでいけばいいなと考えております。

初期の掘るところに積極的にJOGMECがかかわっていけるという、これは石油の権益のあり方と金属の権益のあり方がどうも違うので、石油はそう簡単に入っていけないということがあるようですが、国際的にも金属鉱業事業団のときからそういう仕組みはワークしていたと聞いております。先ほどの知見型というのが、金属から石油にヒントを与えたというのも、それの1つだと思います。

松山委員

基本的には適切な評価をされていると思いますが、ちょっと気になったのは、資源備蓄のところで、予定Aとおっしゃったのですが、中期計画でみていると、先生が先ほどおっしゃったようなことをやることが計画に書いてあるので、それをちゃんとやりましたという意味ではBなのかなと思ったのですが。アウトパフォームのところをもう一度教えていただければと思います。

橘川委員

説明がちょっと不足しておりました。実は石油備蓄に関しましても、一昨年、石油備蓄小委員会というものが開かれまして、そこで決まったことが、1つはカトリーヌを受けて製品備蓄を行うということ、もう1つはきょうここで出てきました既存の国家備蓄を機動的に運用できる仕組みをつくれと。この2つが決まったんです。この2つはいずれも現中期目標の後に決まったことでありまして、それを平成18年度に初めて実行した。そういう意味では、Bを超えるという意味のAでした。説明不足でした。済みません。

内山委員

鳥井先生と同じように、金属開発のところでAAになったところについて質問します。実際に9カ国、16件についていろいろな投資を行ったとおっしゃられましたけれど、そのうち今回は極めていいものが2件くらい、評価はAAに相当するものだとなっておりますが、それ以外のところで、場合によってはマイナスになっているところがあったのではないかと。それはどんなふうに考えられたのか、あるいはなかったのか。その辺の状況を説明していただければと思います。

橘川委員

具体的なデータは事務局に補足していただいた方がいいと思いますが、もともとリスクマネーの供給なので、100%当たるという話ではないのですけれど、聞いているところによりますと、これは現在進行形のところでありまして、この9カ所が今後幾つ成功するかというのは、2カ所にはとどまらないと聞いております。ただ、どれぐらい失敗したのかというのは私自身はデータがないのですけれど、わかりますか。

成瀬燃料政策企画室長

具体的なデータは今手持ちはないのですが、昔は千三といわれて確率の度合いが非常に低かったわけでございますけれど、今は共同調査ということで、有望なところに対して現地国と共同で、かつ、日本企業も関心をもっているところにJOGMECがかかわっていって調査をやっているということで、実施プロジェクト数も、平成15年度の4件に比べてだんだん上がってきていまして、18年度は16件ということで4倍になっていますし、その確率の度合いはかなり高まってきているのではないかと思っております。

小野委員

これからのこともありますので、ニッケルの話をぜひご検討いただきたいと思うのですが、国際的な価格高騰で3回放出して25億の利益を上げられたというのは、非常に結構なことですけれど、ニッケルの場合は、ファンドと生産国あるいは主要社側との神経戦みたいなことで値段が動くわけでして、ことしの5月は5万4,000ドルぐらいまで上がって、今、3万5,000ぐらいまで下がってきているわけですが、国家備蓄の機動的な放出ということを国家間で条約を結んで、相方の国同士が少しニッケルの財源を融通できるという仕組みをつくってもらうと、ファンドにとっては大いに驚異になって、いつも在庫が5,000トンになるとこのぐらいまで上がってしまうとか、在庫が1万トンになると今下がってきているみたいな、そういう新聞評価なのですが、仕組みとして、国家の間の融通をとれる仕組みをつくっておくと、ファンドが入ってきにくいとも思いますので、ぜひそういうご議論を機構の中でもしていただけるとありがたいと思いまして、コメントをさせていただきました。

木村委員長

事務局、よろしくお願いします。

成瀬燃料政策企画室長

ニッケルなどを備蓄している国というのは、まだそうたくさんはないと思います。6カ国ぐらいなんですけれど。国際的な会議はいろいろな需給動向と価格動向で議論されておりますが、その融通まで踏み込んだ形での議論ということについては関係者と相談していきたいと思います。

青木委員

15ページです。先ほど鉱床を発見なさったときに、1つは物理的な探知機があり、もう1つは衛星写真のとおっしゃっていましたが、これは両方とも日本の衛星であり、日本の探知機なのでしょうか。そういうものが確立していたらいい仕組みができて、今後のためにもAAだといってもいいように思うのですけれど。

成瀬燃料政策企画室長

基本的には、日本の探知機というよりは、アメリカの衛星で撮ってきたものをどう分析するか、どう解析をするかというところにコア技術がございまして、地表面の写真を撮って、それによって地下の地質構造をある程度解析ができると。その地質構造をみることによってどこに鉱床があるのかというのを分析できるソフトなりシステムが確立されているということは、我が国の開発にとって非常に強みになっておりまして、そういう技術をもっているということが海外に比してみても非常に大きなアドバンテージになっているのではないかと思っております。

青木委員

衛星画像はいつも買えるというわけではないですよね。仮に日本の企業が同じような機能をもつ衛星をもっていたら、仕組みとしてはより安定したものになるというふうにはいえるのでしょうか。それほど単純な話でもないのでしょうか。

成瀬燃料政策企画室長

基本的には、画像自身は買えるのではないかと聞いており、今の段階ではそこに問題は起こっていないと聞いております。

木村委員長

ありがとうございました。

ただいまの3番目のAAについては若干ご意見も出ましたので、部会長と相談させていただきたいと思います。取り扱いは当方にお任せいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(暫時休憩)

木村委員長

それでは、再開させていただきます。

議題6の日本貿易振興機構の平成18年度業務実績評価及び第1期中期目標期間業務実績評価について、部会長代理の柴田臨時委員からご報告をよろしくお願いいたします。

柴田臨時委員

独立行政法人日本貿易振興機構部会、JETRO部会の部会長代理の柴田でございます。JETROの平成18年度及び第1期中期目標期間の業務実績につきまして、去る7月6日に部会を開催いたしましたので、その結果の概要をご報告申し上げます。

最初に、平成18年度業務実績の評価結果をご報告申し上げます。資料6―1をごらんいただきたいと思います。

1ページの総合評価です。業務運営の効率化、サービスの質の向上、財務内容、その他の4つの評定事項から総合的に算定をいたしまして、A評価といたしました。

全体として目標に沿ってすぐれた事業を行っている、あるいは過去の事業活動から大きな改善がみられるということを評価しつつ、一方で、最近の独立行政法人改革をめぐる議論をみましても、JETROの事業の重要性が一般の方々に余り知られていないということにつきまして、広報活動についてもっと努力すべきではないかという議論が相当出てまいりました。

2ページですが、業務運営の効率化につきましては、18年度は質の面ではおおむね中期目標を達成しているものの、量の面においては中期目標を超えてすぐれたパフォーマンスを実現したということで、この項目はAと評価をさせていただきました。

具体的には、一般管理費や業務経費の削減、海外事務所の整理・統合をいたしまして、合理化もいたしました。また、事業の選択と集中による効率化、こういうことが進められておりましたところを評価いたしました。

一方で、随意契約の件数、あるいは職員の給与水準については、一定の改善がみられるけれども、今後さらに一層の改善が期待されると判断をいたしました。

続きまして、11ページですが、サービスの質の向上につきましても、平成18年度は質の面ではおおむね中期目標を達成しているけれども、量の面においては中期目標を超えてすぐれたパフォーマンスを実現ということで、これもAの評価をいたしました。

具体的には、対日直接投資について、量的に案件発掘件数が多くて、質的にも世界投資促進機関の場を活用いたしまして、各国公的機関と連携を深めていること、あるいは中小企業の輸出支援につきましては、量的に商談件数が多くて、質的にも、食品あるいはコンテンツ等、政府の施策に合致した支援策が実施されている。

対日アクセスの円滑化につきましても、一村一品運動などの開発途上国の産業育成支援などの事業が国際的にも非常に評価できるということ。

知的財産の保護につきましては、質的に、具体的事例による相談等の事業が評価できる。

こういったところを評価いたしました。

一方で、対日投資促進、中小企業支援、知的財産権保護などに従来の古い時代のJETROの業務がかなりシフトしていること、あるいはそういうサービスの利用者から高い評価を得ているのに、これらの事業内容の重要性がどうも世の中に十分伝わっていないということ、あるいは国民の間でも昔の大企業中心の輸出促進のJETROというイメージが強過ぎて、最近の新しい対日投資促進といった面についての部分が説明不足だということで、今後、改善していくべきと判断をいたしました。

さらに、16ページ、財務内容でございますが、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したということで、Bという評価をいたしました。

具体的には、受益者負担収入は着実に増加しておりますが、引き続き増加に向けた努力を行うべきと判断をいたして、Bといたしました。

また、19ページをごらんいただきたいと思いますが、その他の事項につきましては、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したということで、これもBという評価をいたしました。役割を終えた施設の縮小・廃止、あるいはさまざまな研修メニューによりまして職員の専門性の向上、あるいは中途採用等、採用形態の多様化といった取り組みが進んでいると評価をいたしました。

引き続きまして、第1期中期目標期間業務実績評価についてご報告申し上げます。ただし、第1期最終年度である18年度の評価と、第1期中期目標期間全体の評価結果は結果的にほとんど同じ内容のものでございましたので、詳細は資料6―2をごらんいただくこととして、ここでは評価結果のみご報告を申し上げます。

業務運営の効率化につきましてはA、サービスの質の向上についてもA、財務内容についてはB、その他についてもBいたしまして、その結果、総合評価はAとさせていただきました。

以上、JETRO部会における評価結果のご報告を終わります。ご質問等がございましたらお答え申し上げますので、よろしくお願いいたします。

木村委員長

ありがとうございました。事務局、よろしいですね。

それでは、ご意見やご質問がございましたら、お願いいたします。

青木委員

業務運営のところとサービスのところですが、業務運営のところで、組織の見直しで、去年、国内事務所の削減の話も出ていたと思いますが、その辺はどうなったかということを教えていただきたいと思います。

また、5ページで、随意契約の件数は減っているけれど契約額はふえてしまって、その注のところに理由はありますが、そういうことがあったときに、この評価でいいのかという問題は残るかもしれないと思いました。

さらに、サービスのところですが、13ページで、役立ち度が9割以上達成しているとありますけれど、これは商談はどのぐらいの費用がかかるものなのでしょうか。輸出のための相談を受けることができて、それが無料に近いものであったり、コストが安ければ、それはアンケートの結果もよくなるということもあるかもしれないと思いますので、その辺を教えていただけたらと思います。

木村委員長

それでは、事務局からお願いします。

稲垣通商政策課長

通商政策課長の稲垣でございます。今の3点についてご説明申し上げます。

まず、国内事務所でございますが、従来、JETRO側の負担が概ね3分の2、地元負担が概ね3分の1というルールで、各県の事務所を維持をしておりました。そして、現在、それをJETRO側の負担と各県の負担を2分の1ずつにかえて、JETRO側の負担を低くする、逆にいえば、各県においてもそれだけの負担をしても維持をしたいという県は続けるけれど、そうではない県についてはもう止めてしまいましょうということで、今、各県とまさに調整をしております。この結果、数がどうなるかというのはそのお答え次第の面はありますが、いずれにしても、JETRO側の負担は相当減ってくるのではないかと考えております。

それから、随契については、おっしゃるとおりだと思います。ただ、5ページの下のところをごらんいただきますと、JETROの場合は、例えばFOODEX JAPANという、これは食品の輸出についての世界的なコンベンションなわけでございますが、こういったものについてはどこと契約するかはFOODEX JAPAN事務局から指定をされているとか、あるいは複数年度にまたがる事業なので2年目以降はどうしても随契になってしまうとか、いろいろな事情はございます。ただ、随契については、17年度から18年度、可能な範囲で数を減らしましたが、19年度、もう少し正確にいいますと、ことしの下半期からさらに随契については競争入札等にもっと移行していくということで、今、議論を進めております。

それから、13ページの輸出のところは、ある種、そうだとしかいいようがなくて、JETROが専門家をリテインして、特に地方の中小企業が多いのですが、そういう今まで輸出に目が向いていなかったところに輸出ができるよう、相談を受けていますので、確かに役立ち度が高くなるのは当たり前といわれれば当たり前かもしれません。

柴田臨時委員

追加のご説明を青木委員にさせていただきますが、委員の中でもこの随契問題についてはかなりきつい意見が出まして、ただ、今、事務局の方から申し上げたように、我々は民間ですから随契のやり方について一つ一つ話をしたわけですが、競争入札に不向きな、海外の政府とのコントラクトとか、そういうなかなか随契になじまないものが結構多いのですが、いずれにしてもそういう方針ですから、次のケースについてはよく注意をして、できるだけやってくれという意見がございました。それだけ追加をさせていただきます。

木村委員長

それでは、梶川委員、どうぞ。

梶川委員

今の随契のお話と、もう1つは、この業務運営効率化の最初の一般管理費と業務経費等の削減率をここに書かれておられますが、これは14年度対比で書かれていて、少なくとも18年度に関してみせていただくと、業務経費等は14年度対比で前年5.1、当年4.0というのは、むしろ年度でみると増加傾向におありになるのではないかと。私の読みが間違いかもしれませんが。全般に、ここの効率化が極めてビートのある基準をかなりオーバーパフォームされているというふうに読みとれるところが少し少ないような気はするのでございますが、どうでございましょうか。これは14年度と比べて、17年度は5.1減っていますが、18年度は4.0ということは、逆にいうと、増加傾向におありになるような気がしますが。

稲垣通商政策課長

すみません、調べます。

木村委員長

目標が4%ということですから、梶川委員がおっしゃるとおりだと思いますが、目標は達成していますね。ただ、アウトパフォームしているかどうかは問題だということですね。

梶川委員

中期目標期間全体としては達成しているのでしょうけれど、単年度で18年度評価としてみた場合には、むしろ前年より効率が少し悪くなったというか、業務経費ですので、行われることがふえれば当然ふえてこられるので、一概にはそういうお話にはならないのですが、少なくともこの評価表にお書きになる論理的整合性はちょっととりづらいのかなという気はしたのですけれど。

稲垣通商政策課長

すみません、調べてご連絡いたしますが、18年度は、WTOの関係で、二階前大臣が指導した一村一品運動というのを相当幅広く追加的にやらせたので、その関係で17年度と比べて支出がふえたという面はございます。それだけが原因か調べて、またご報告いたします。

梶川委員

そうであると、このコメントの書き方は難しくなるんじゃないでしょうか。

鳥井委員

中期目標期間中の評価ですが、アジ研とJETROが一緒になって質の転換が図られたということがきっとあったのではないかなという感じがしておりますので、中期目標期間を通して考えてみますと、そこは極めて重要な要素ではないかという感じがしまして、「一緒にセミナーをやりましたよ」とかという表現よりも、もう少し踏み込んで表現をしてもいいのではないか。JETROの業務の質はずっと変わっていったというのはアジ研の影響もかなりあるんじゃないかという気もするので、そこは少しお書きになった方がいいかなという感じがします。

柴田臨時委員

ありがとうございます。我々の中でも、鳥井委員がおっしゃったアジ研のことについては意見がございまして、アジ研の活動とJETROの活動との整合性といったところを、アジ研の内容をもう少し一般の人にわかりやすくというお話がございましたので、今の鳥井委員のご指摘は、我々の中でもその辺が問題になりまして、JETRO側にはそのことをかなり強く伝えてございますので。ただ、書き方については考えたいと思います。

稲垣通商政策課長

確かにそれは書いていないので申しわけございません。ただ、JETROとアジ研が一体化して3ついいことが起きています。

1つは、経費的には、それぞれ間接部門があるわけですが、それを一体化をしましてトータルとしての効率化を図っております。それから、アジ研サイドにとっても、2年かけて研究をやるわけですけれど、毎年テーマを内部的に取り上げる際に、それが研究のための研究ではなく、どういう意味があるのかという議論が随分されるようになってきておりますし、他方、JETROの海外調査部にとっても、ご指摘のように、アジ研のいろいろな蓄積、あるいはいろいろな知見を生かしてできるということで、統合の相乗効果は出ていると思います。ただ、その点の記載が余りないのは事実だと思います。

木村委員長

では、その辺、よろしくお願いいたします。

荒牧委員

評価に直接は関係しないのですが、10ページに職員の給与水準の比較が載っておりまして、研究職員の給与水準が、他法人に比べて非常に低いと思うのですが、一方で、高学歴で専門性の高い方を雇っていく上での競争力というのでしょうか、このあたりには何か支障はないのでしょうか。明らかに水準が低い理由がありましたら教えていただけますか。

稲垣通商政策課長

これは技術職員については基本的に旧JETRO本部、研究職員については旧アジ研の基本的には給与規定がそのまま来ておりますので、今までそういう給与でやってきたということの反映だと思います。ですから、アジ研側の給与が他の研究職員や国家公務員と比べて相対的に低いと。他方、JETRO本部の給与は、皆さん東京で大学卒ということや語学力ということもあるのだと思いますが、国家公務員全体と比べると若干高い。そういうことがそのまま反映されているのだと思います。

就職に支障はあるのかといわれると、もちろん高い方がいいのだと思いますが、ただ、今でもJETRO本部もアジ研も、正直申し上げて、なぜこんなに応募が多いのかなと思う状況でございますので、そう大きな支障が出ているとは思っておりません。

木村委員長

よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

それでは、ご意見が出たのは業務運営の効率化の点ですが、これについては部会長の浦田委員とご相談させていただいて、少し考えたいと思います。そういうことでお任せいただけますでしょうか。

ありがとうございました。それでは、次へまいります。議題7の経済産業研究所の平成18年度の業務実績評価です。小野分科会長、よろしくお願いいたします。

小野委員

それでは、経済産業研究所の18年度の実績評価でございます。資料7をごらんいただきたいと思います。

総合評価もAということで、業務運営の効率化が20%、サービスの質の向上が60%、財務内容が20%ということで、A・A・Bという評価が合計するとこういう形になっているということであります。

今回、評価をしていく我々分科会の中でも、3つの点について議論をしてまいりました。1つは、政策インパクトのある研究は十分やっているのかなという点。2つ目は、世界的な研究ネットワークへの参画は十分なのかなということ。3つ目は、クライアントというものははっきりしているのかと。クライアントの視点から運営されているか。そういう点を起点にして評価をしてまいりました。その結果が、今ご紹介した総合評価Aということであります。

それでは、資料に従いましてご説明をさせていただきます。

まず、業務運営の効率化でございますが、3ページをごらんください。ここに評価のポイントで、一番上の○で流動的な雇用形態ということを表現しておりますが、この実績をみていただきますと、そのページの真ん中あたりに、50%以上を任期つき任用、非常勤、兼職等という流動的な雇用形態となっています。この実績は82%ということで、これはちょっと信じられないような数値になっています。

それから、管理部門の職員の割合も、対前年で7%減って32%まで落ちてきているということあります。

4ページに、契約に関する事項とございまして、随意契約の改善がどの程度進んでいるかをみていっているわけですが、基本方針ということで、一般競争入札をふやしていこうということを明確にし、また、研究所という性格から、委託調査とか翻訳とか、委託先の能力というものを尊重する必要がありますので、そこについては企画競争とか公募といったことを原則にしていこうということで、原則を打ち立てまして、その結果、5ページに、金額、件数が記載してございます。

件数でいきますと、87件のうち、一般競争入札が14件、企画競争が11件ですが、引き続き随意契約をするものはまだ58件残っておりまして、金額的に多いものをみていきますと、分室関係、他機関との共同研究、データベースの利用・購入費、派遣職員、こういうところが随意契約ということです。この辺の改善がどこまでできるかということですが、とりあえず18年度は前年に比べて少し前進をしていると理解をしております。

その結果、6ページをみていただきますと、随意契約が80%になりまして、17年度に比べて19%よくなってきているということで評価ができるのではないかということです。

7ページに、一般競争入札、企画競争・公募の具体例を示してございます。そういう意味で、随意契約は少し進んできたかなという評価をしております。

10ページ、役職員の給与ですが、評価のポイント、一番下段のところに、事務職員の給与水準は国家公務員との比較において99.1となっていますということと、研究員の処遇について、先ほどいいましたような年俸制の採用、フラット化、変動化の手法をとり入れていますということであります。具体的な金額は12ページの参考5に、職員と国家公務員、他独法等との給与水準の比較ということで書いております。ご参考にしてください。

それから、メインのサービスの質の向上でありますが、14ページに記載してございます。18年度はAという評価をしているわけですけれど、アウトプット指標、従来からやってきましたその結果は、量的にも質的にもかなり上のレベルになっていると評価をしています。また、シンポジウムとかBBLの開催総数も目標を達成して、これもレベルが上がってきていると思います。

今回、特に皆さんにご理解をいただきたいのは、3つ目の○の「効果的、効率的な政策研究に必要なデータベースの構築については、生産性向上の要因分析等に資するものとして、EUの公的プロジェクトであるEU KLEMSと連携し、産業別生産性の国際比較が国内で唯一可能なJIPデータベース2006の整備を行った」ということが書いてございますが、これは昨年の7月にシンポジウムを開きまして、こういうパンフレットをつくって、CDも一緒についていますが、その成果がかなり皆さんから評価をいただいたということです。後でその辺も少しみていただきます。

それから、14ページの下段、個々の評価項目ですが、論文の公表数が89件の実績ですとか、アンケートの結果が88%ですとか、15ページでは、論文数32件に対して50件ですとか、それぞれ項目を目標とみていただきますと、研究所の刊行数が4冊あったのが3冊ということで1冊減っていますが、それ以外は全部目標をきちんと達成してきているということで、それぞれ中期計画に基づいたことをやってきているなということであります。

16ページの真ん中あたりに、先ほどのデータベースのユーザーによる利用状況というのが書いてありますが、そこの実績の3)JIPデータベースというのをみていただきますと、これが1万1,000件くらいのアクセス数になっておりまして、皆さんからの評価をいただいているということです。

16ページの下段は、シンポジウム、BBLのアンケート結果を記載しておりますが、目標66%に対して、満足度は82%、METIの職員の方は84%という実績になっております。そういう意味で、サービスについては相当高いレベルまで来たなと評価をいたしました。

17ページに財務内容を記述してあります。通商産業政策史編纂業務というものが4番目の事業として入っていますので、これが最終年度に原稿料を支払うということがございましたので、ちょっと後ろ倒しになっていっておりますが、ほぼ予算のとおりにはなっています。この評価を、中期計画には達成しているのだけれど、私ども評価委員としては、自己収入実績といったものをもっとふやしていけないのかと。利益のいろいろなノウハウというものをもう少し広く使い、それによって、企業でいえば経常利益を上げていくことが目標になるわけですから、それに近い意識で独立行政法人のコントロールの手法としてもそういうことを掲げることは有効なのではないかと思って、もう少し努力をしてほしいなということで、中期計画は達成しているけれどということで、Bにしております。

この評価をするときに、民間企業と違って、独立行政法人のときは、予算を節約してもなかなか評価されないという仕組みになっているようでして、そういう意味では、独立行政法人の経営努力の認定の仕方ということについて、委員の皆さんでも少しご議論をいただいたらどうかなと思っております。費用が減少したことで利益が上がっているのではだめなのだと。独立行政法人の経営努力というものをちゃんと立証して、自己収入で上がった分を評価するのはいいのだけれど、節約した程度ではだめなのだと、そういうことが財務省の基準のようでもありますので、独立行政法人としてもう少し目標観をもって、収益に結びつけるような仕組みになるといいなと思いました。

以上、A・A・Bを足しますと総合的にAということになりました。皆さんのご審議をお願いいたします。

木村委員長

ありがとうございました。事務局の方はよろしいですね。

それでは、ご意見をお願いいたします。

青木委員

また業務運営の効率化のところですが、確かに随意契約額には改善がみられますけれど、初めが99%から始まっているということと、件数が85%、そして内訳がきちんと書いてあるのでよくわかるのですが、私はむしろ逆かと思っていまして、特殊な研究であったり、委託先が決まっているところがあり、研究所の性質から随意契約が多くても仕方がないのかと思っていましたら、会場ですとか派遣職員やタクシー代というところはもう少し何とかなった後でAの方がいいのではないかと思いました。

木村委員長

では、事務局、どうぞ。

大川経済社会政策室長補佐

随意契約というものをできるだけ減らしていくということについては、まさに努力が始まったところで、今後やっていくべきかなと思います。今、ご発言にもありましたが、研究の内容についてなかなか競争入札になじまないものもありますし、今、会場の話がちょっと出ましたけれど、会場も、安ければどこでもいいというわけにもなかなかいかないこともあったりして、試行錯誤しながら取り組んでいるところでございます。ただ、やはり随意契約というものをできるだけ減らしてという方針には従っていきたいと思います。

内山委員

先ほどの財務内容のところで気になるところがあります。この組織はかなり研究職のレベルが高い組織かと思いますが、その分、給与もほかに比べて随分高いように思えます。もちろん、給与が高いというのは悪いことではなくて、その分、業績がよければいいわけで、それなりにしっかりしたものが出されていれば評価されることだと思います。

ただ、気になるのは、大学も含めて法人は、競争的資金を一生懸命努力して確保している中で、ここがゼロというのは、努力をしなかったのかということで気になっています。競争的資金に応募していなかったのか、その辺の実態はどうなっているのかを教えていただければと思います。

大川経済社会政策室長補佐

結果としてゼロだったということはあるのですが、応募があったかどうかは調べます。競争的資金の獲得が少ないというのは、確かにご指摘のとおりかと思います。研究所という制約、そして常任研究員もそうですが、外部のいろいろな先生にお願いして研究をするという体制もありまして、まずは行政の方からお願いしている研究をやっていただくということがありますし、それから、やや難しいのかなと思っているのは、応募するに当たっては、フォーメーションを組んで、いろいろな大学の先生などにお願いした上でとりにいくというところもあるのですが、いざ落ちてしまうとなると、そのフォーメーションを組んだりする費用がむだになってしまうとか、そういうところが制約になっているところもありまして、ただ、今、分科会長からもお話がありましたし、これはしっかり努力してとっていくべきかなと思っております。

内山委員

フォーメーションを組む費用がかかるというのは、全くよくわからないですね。ほかの法人だってすべてそれはやっていることです、自主努力で。私は、正直いうとC評価でもいいかなと思ったのですが、あえてそこをB評価にした理由はどういうところなのかなという気がします。

木村委員長

その辺はいかがですか。

小野委員

私が評価するのは非常に単純でありまして、17ページの純利益というところをみていただきますと、これが企業でいうと経常利益のようなことになるわけですが、こういう項目が最終年度で6,000万ぐらいあったと思いますが、平年からみるとこれがほとんど残らないような形になっている中で、初年度、1,200万円も残してくれたという意味では、それなりの努力を中期計画に基づいてきちんとやってきているということだと理解をして、Bということにしました。

木村委員長

ほかにございませんか。

鳥井委員

競争的資金については、私も驚いたのですが、18年度予算計上が200万円という予算が組まれていたわけです。これは何を想定して

200万円という獲得をお考えになっていたのか、お教えいただきたいと思います。例えば、科研費のCということだと1件200万円ぐらいなのでしょうかね。科研費のCを1件とるというようなことだったのでしょうか。

大川経済社会政策室長補佐

過去の実績でこのぐらいはとりたいと思って計上したのでございますが、残念ながら未達に終わってしまったというところです。

鳥井委員

目標として掲げるにはちょっと恥ずかしい感じがするのでありますが、いかがでありましょうか。

木村委員長

では、次は室伏委員、お願いします。

室伏委員

業務運営の効率化ですが、流動的な雇用形態を50%以上という目標で、実績が82%であると。これはよいことだととらえられているようなのですが、私は本当にこれが良いことかというのは疑問があります。余りにも流動的な雇用ばかりですと、若い人が実際に腰を落ちつけて研究をするということができるのだろうか、基盤的な研究ができるのだろうかということを非常に疑問に思います。流動的雇用をふやすことが本当によいことなのかどうかということは、もう少し考え直す必要があるのではないかと思っています。

木村委員長

それはコメントとして伺っておきます。

梶川委員

私も同じところでございまして、実際にこの研究所は企画部門化しておられるのかどうかという、マネジメントの方針自身が、この評価と直接つながるものではないのですが、ここまで来られると、どういう研究所の運営を考えられているのかなというのをお聞きしたいと思います。それに基づいて評価が出てくるのかなという感じで。50と82は大分違うような感じがしたものでございますから。

木村委員長

事務局、何かありますか。

不規則発言になるかもしれませんが、外部資金を取ろうというインセンティブが低いのではないでしょうか。初めからの委員の方は皆様ご存じだと思いますが、初年度でしたでしょうか、予算を6割位しか使っていなかったんですね。ということで、財政的には非常に潤沢だということがあるのではないかという意見がありました。予算を絞り上げられると、必死で外部資金をとるということになるのだと思うのですが、その辺の問題が若干あるかもしれませんね。

事務局、何かわかりましたか。

大川経済社会政策室長補佐

流動的雇用の話でございますが、企画部門化しているのかというご発言がございましたけれど、研究員として採用させていただくときにも、任期つき任用という形でさせていただいているので、このように82%となってしまっているということで、決して企画だけでやっているわけではもちろんございません。

それから、本当に任期つき任用でいいのかと。しっかり腰を落ちつけてやっていただくにはどうなのかというお話は、もちろんご指摘としてありますし、しっかりと研究していただくためにはそれなりの期間はもちろんあるかと思います。それは今後の課題かもしれません。

木村委員長

流動研究費の数が多いと、外部資金というところへは目が向かないんですね。全体的なマネジメントの問題は確かにあるのではないかと思います。

小野委員

雇用形態の82というのは、普通、民間でも考えにくいような驚くべき数字だと先ほど申し上げたのですが、結局、任期つきの、3年間なら3年間とか、5年間なら5年間という契約を研究者の方もするものですから、その数値は流動的な雇用形態の方にカウントされるので、結果的にこういう数字になっているんです。

この評価チームの中でも、本当にいい人が採れているのか、こういう数値が出たときに議論をしてまいっています。それから、この独法が始まったときに、年間20億というオーダーで5年間やっていきましょうと、それが18億になって、今、16億ぐらいまで下がってきていますが、そういう予算を削減してくるという努力を片一方で総額的にはしていると思います。ただ、外部資金を獲得する努力というのは、民間ベースでいうともうちょっと足りないと。

これだけいいメンバーが集まっているわけですから、もうちょっといろいろな工夫をして、外の財源をとりにいけないのか。そうすると、例えば共同研究なんかはもっとやったらいいじゃないかというと、財務省からその共同研究をしている部分のカウントのとり方みたいなものは余り評価されないとか、民間では理解しにくいようなルールになっているような気もしますので、そこはわかりやすいように、外の資金をとってきたらみんな評価されるのだということが徹底できるようにしたいなと思います。いいコメントをたくさんいただきました。ありがとうございました。

木村委員長

ほかにいかがでしょうか。

それでは、かなり厳しいご意見も出ましたので、分科会長、恐れ入りますが、分科会へもう一度お持ち帰りいただいて、分科会でご議論をいただければと思います。私も前から感じていましたが、マネジメントの問題が若干ありますね。82%というのはやはり異常ですね。その辺のことも含めて少しご議論いただきまして、先ほどのJNESと同じような取り扱いをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

それでは、次へまいります。議題8の情報処理推進機構の平成18年度の業務実績評価でございます。松山分科会長、よろしくお願いいたします。

松山委員

それでは、簡潔に述べさせていただきたいと思います。資料8でございます。

1ページでございますが、総合評価としまして、18年度はAとさせていただきました。内訳については、そこに書いてございますように、サービスの向上のところを5つのサブカテゴリーに分けさせていただきまして、基本的なサービスとして、情報セキュリティ、ソフトウェア・エンジニアリング、IT人材の育成という3本柱のところで20%ずつということで、個別のサービスのところもしっかりと中身をみていくということで評価方法を決めさせていただきました。というのが全体的なことでございます。

総評のところは飛ばさせていただきまして、3ページ、業務運営の効率化に関しましては、総合的にはAとさせていただきました。基本的に、IPAに関しましては、情報処理、あるいはソフトウェア、セキリティ関係における日本の基準でありますとか、基本的な認定をここが行うのだということをしっかりと独法になってから確立してきたということがございます。あわせまして、業務運営の効率化に関しましては、地方支部の廃止ですとか、市場化テストの導入ですとかということで、ビジネスライクな業務運営の効率化というものを理事長が先頭に立って行ってきておられます。

具体的な数値としましても、一般管理費の削減というのも目標を超えてきておりますし、あるいは広報的なことにおきましても、メールで情報発信を積極的に行うということで、その存在感のアピールというのを非常に明確にしておられます。

また、先ほど来ご議論になっています随意契約に関しましても、金額ベースで前年度58%が42%、件数で前年度59%が47%となってきております。ただ、これは、例えばあと10%、20%いかないのかということもございますが、そこにも書いてございますように、情報処理技術者試験をやっておりますので、これに関しましては、問題の秘密性保持ということがございますので、そういうところで随意契約というものがある程度は残ってきているというのが実態となっております。それにもかかわらず、こういう形での実績を上げてきておられるということでございまして、業務運営の効率化に関しては、目標を超えて数量的に実績を上げておられるという形の評価でございます。

次に、12ページ、サービスの質の向上でございます。中を細分しておりまして、ソフトウェア開発分野というのがまず1つ目でございます。これに関しましては、オープンソースということで、特定のメーカーの支配下にあるようなソフトだけではなく、みんなが広くオープンに使えるようなソフトウェアを推進していこうということで、これに関しましては政府のソフトウェア調達におきましても、オープンソースの重要性ということを広く認識していただくようになってきており、具体的な普及活動が政府の調達基準というところにも入ってきております。

また、オープンソースというのは、特定のメーカーがいろいろコマーシャルで宣伝するものではございませんので、オープンソースに関しますいろいろなソフトウェアの利用状況に関しましてウェブで公開しまして、アクセス件数は累積でございますが、425万件という非常に大きな関心を得ております。これはここには書いてございませんが、地方自治体すべてではございませんけれど、幾つかのところではすべて商用のソフトを廃止して、オープンソフトに業務を切りかえてコストダウンを図ったということなどが、テレビの経済ニュースなどで流れるというところまでインパクトのあるような形になってきております。

次に、15ページ、情報セキュリティでございます。もともとそんなに大きな所帯ではございませんが、皆様ご承知のように、ウイルス不正アクセス等々の騒ぎを経まして、現時点ではIPAが情報セキュリティに関する国の統一的な窓口である、あるいは状況に関する最新の情報はIPAのホームページから得られるのだということは、一般の方々も含めて広く認知ができてきていると思っております。

ちなみに、こういう一般のPCベースの話から、最近新たに取り組まれております内容としましては、携帯とか自動車というところで、いわゆる組み込みソフトウェアという形で非常に膨大なソフトウェアが実は皆様方の使われている日常機器の中に入っております。そういうものに対するセキュリティというのはどうなのかということで、気がついてみると携帯電話が乗っ取られているということもあながち冗談では済まないということもございますので、そういう組み込みソフトにおける分野にまでセキュリティの観点を広げていこうということを手がけておられます。

そういうことも含めまして、情報セキュリティ対策に関しましては、大きくいいますと、我が国の情報処理のセキュリティに関する拠点としての活動を積極的に展開して、しかも、それはある種の権威としてしっかりと確立をされているのだということで、AAとさせていただいております。

次に、17ページでございますが、ソフトウェア・エンジニアリングでございます。ソフトウェア・エンジニアリングに関しましては、これも大きな社会問題を引き起こしておりますが、証券会社等のシステムダウンでありますとか、IP電話網のサーバーのダウンでありますとか、いろいろなところで社会システムが大規模・複雑化することによって、その不具合によって日常生活が大幅に毀損されるということが多発してきております。

こういうことに対して、IPAとしましては、信頼性をもてるようなソフトウェアの評価の仕方、検証の仕方というのはどういうことかに関する調査も昨年手がけまして、そういう形の診断ツールの開発、あるいは提供ということを行政の方に対しても提供されているということでございます。

さらに、先ほど申しました組み込みソフトウェアというのは実は日本が非常に強いソフトウェア分野でございまして、これをさらに強くして、メイドインジャパンの高付加価値な製品の価値をさらに高めて、世界に不動の価値をつくり出すための非常に重要なポイントでございまして、そういうところに関しても、標準的な仕様、あるいはトラブル、バグといいますが、それを招かないような形のコーディングの手法というものを業界を含んでまとめてこられている。従来はどちらかといいますと、各産業、各企業が個別の文化・基準によってソフトをつくってこられて、それでいろいろ不具合が起こってきているわけですが、そういうものを企業の壁を超えてきちっと標準的な作法としてまとめていこうというので、基準をつくっていっておられているということでございます。

そういう活動を評価させていただきまして、これに関しましてもAという評価をさせていただきました。

次が、これも非常に大きな問題でございますIT人材の育成ということでございます。IPAは情報処理技術者試験センターを吸収されて、ボトムラインでのそういう資格認定業務を片一方で幅広く行い、人材育成の底を広く固めていくという部分と、もう1つは、後ろの方に書いてございますが、独創的なトップの人材育成を行うための未踏ソフト、これはスーパークリエーターということで100名弱認定されてきておりますが、こういう人たちを育てるという業務をあわせて行っておられます。ですから、ボトムアップからの底上げと、トップ先導的なエスパープログラムみたいな感じになりますが、そういう卓越した人を発掘し、育て、認定するということを組織的に行っております。

さらに、ソフトウェアのスキルを評価するというのは非常にわかりにくい。どうしても小説家みたいな形になりかねないところがございまして、できた作品がいいからその小説家がいいのだという感じのところの評価がありまして、それでは産業の基盤として情報関係が育ちませんので、数年前から、ITスキル標準ということで、どういうことができればどういうレベルとして考えればいいですよということを、それぞれの情報関係の細かい専門分野に関してスキルレベルというものをきちっと標準化していこうということがなされてきております。

昨年度来、このITスキル標準と情報処理技術者試験とを関連づけるということにも取り組んでいただきまして、ソフトウェア技術者の技能レベル標準というのがこういうものを参照することによって明確化してきております。

そういうことも踏まえまして、これに関しましてもA評価とさせていただいています。

言い忘れましたが、情報処理技術者試験に関しましては、アジア地域への統一試験という展開を目指しておりまして、そこでの試験問題の提供等々、実際のそういう業務のノウハウの伝授ということも国際協力的に行っておられまして、そういう意味でのすそ野がさらに国際的にも広がっている活動を始められているということがあります。

情報発信でございますが、「シンクタンク機能」というのは、先ほどいいましたように、ソフトウェアシステムが社会を担っているということでございますので、いろいろなリスクに対して、あるいはいろいろな開発目的に関して、そのコンサルティング的な業務も含めて、情報発信、あるいは技術の状況を積極的に公表していこうということで、情報誌などを出されておりますが、典型的にわかっていただけるのが、ホームページの内容がそれに伴いまして充実されて、昨年度、累積だと思いますが、9,500万件アクセスということで、約1億件ぐらいのアクセスが来るサイトということで、IPAの存在感というものが社会全般に広がっているということがこれでおわかりいただけるのではないかと思います。

そういうことも評価いたしまして、情報発信に関しても、セキュリティが非常に多くなっておりますが、非常に有効にされているということで、A評価とさせていただきました。

最後に、財務内容その他でございますが、IPAに関しましては、先ほどいいましたように、情報処理技術者試験という、試験業務というお金をいただける、収入を上げることができるセクション、勘定をもっておられます。これに関しましては、受験者数が最近は順次減ってきております。これは少子化ということもあるかと思いますが、1つはソフトウェア産業に対するイメージが若い人たちの間で余りよくないということもありまして、一時のような熱は少し引いてきたかということでございまして、昨年度は収入減が6.2%となりましたが、特に試験実施におけるさまざまな経費削減施策というものが行われまして、経費としては8.1%の減ということで、受験者数が減るにもかかわらず、トータル的にはプラスということで収益をもたらす形になっております。

ちなみに、経常利益率ですが、この試験に関しましては、前年度5.3%から7.2%ということで、財務的にもこれが非常に貢献しているということでございます。

もう1つ、財務的なポイントとしましては、過去の償却済み債権というのがございまして、これは帳簿上は償却済みでございますが、それを回収する努力をされまして、昨年度でございますが、1億700万円回収したということで、これは収益という形で計上されております。

また、債務保証残高に関しましても、債務保証しており増加しておりますが、代弁済の率というが、後ろに表が出ていると思いますけれど、中期計画4.0%に対して、昨年度は2.3%ということで、非常に効果的に行ってきているということであります。

財務的な話として、これは当初から懸念がいろいろございまして、改革に取り組んできていただいている地方のソフトウェアセンターというのが全国にございます。そこでも、経営コンサルタントを入れて、各都道府県等のご意向も踏まえて業務改革を積極的に進めていただいている。あるいは、前年度ではございませんが、これまでに継続が難しいものに関しては廃止ということで、事業の見直しを適宜行ってきていただいているという状態でございます。そして、財務的には、最終的に、昨年度は4.2億円の経常利益を上げられております。

以上を総合しまして、これだけAをつけてもいいのかという感じでご批判があろうかと思いますが、分科会といたしましては、今申し上げましたようなポイントで、着実かつ具体的な成果を目にみえる形で上げてきていただいているということで、非常に高い評価となっております。

木村委員長

ありがとうございました。事務局、よろしいですか。

八尋情報処理振興課長

1件だけ、今、分科会長から申し上げたとおりですが、先ほど、駆け込み寺的な存在になっていますということですけれど、「セキュリティ」とグーグルもしくはヤフーで入れていただきますと、トップ3、トップ2ぐらいに必ず「IPA」という言葉が出てまいります。それぐらい、コールセンターもつくりまして、ワンクリック詐欺からウイルスの問題まできちんと、自動落としということで答えたりしておりまして、そういう意味での存在感も基本的にはきちんと国民からも得ておりますし、東京証券取引所等々を含めて、LINUXを採用してそういうデータベースの共有をして、さらなる次世代化ということにも協力させていただいておりまして、欧州、アメリカ等々からみても、ソフトウェア・エンジニアリングやセキュリティについてはIPAがコアで進めているという存在感を出してきていると思っております。

木村委員長

ありがとうございました。それでは、ご質問をどうぞ。

八木委員

1つだけ、財務関係でございますが、ここのバランスシートをみると、繰越欠損金388億があります。これは後で清算の予定ありと書いてはありますけれど、一般企業の場合など、バランスシートに繰越欠損金があるという状態だけで、少なくともAではないと思います。今後、一日も早くそれを清算するという懸案事項をもつという意味では、BもしくはCぐらいのランクでなければいけない性質のものではないかと考えます。

原臨時委員

これが8つ目の法人だと思いますが、そちらの評価から比べて、こちらがAとAAだけという評価は、やはりちょっと納得ができないところがございます。例えば、15ページの情報セキュリティ対策の強化がAAということになるわけですが、検索を入れるとトップ3に入ってくるということではあるのですけれど、ウイルスと不正アクセスについて非常に国民の関心が高まっているので、何とかしたいということで検索をなさる方が非常に多いと思うのですが、実際にそういうことが解決されたのだったらAAという感じがするのですけれど、今の状況は、ここに書かれているのは、例えば平成18年度の実績及び評価の一番最初の○のところは、1日当たりの相談件数が17年度が32件だったのが18年度が43件、その次の○では「国民の認知度が飛躍的に向上」となっていますが、17年度が8万件だったのが12万件ですね。それから、一番下のセミナー受講者の満足度の向上というのは83.6が84.3ということで、これはAAというよりは、ごく普通に、手がたく前年と同じように業務をおやりになっていらっしゃって、少し努力をして改善がみられるというあたりの評価ではないかと私は思いますので、全般的に評価が甘いのではないかということが大変気になります。ぜひご検討していただけたらと思います。

荒牧委員

財務内容に関して2点ほどあります。

1点目に、23ページの(2)で情報処理技術者試験の受験手数料収入というところですが、ここがBになる評価基準というのは、あくまで受験手数料収入の拡大をベースにして考えていらっしゃる話だと私は理解しています。実績として利益を上げられたことは評価できると思いますが、目標に対する実績評価がいつの間にか経常利益率の向上という話に置きかわっている感がありまして、目標に対する評価説明がやや不足しているかなという気がいたします。

2点目は、26ページで、繰越欠損金のうち377億円の清算が行われると出ていますけれど、清算が行われることによってどのようになるのかという説明が若干不足しているように思います。通常、廃止事業の清算などを行った場合には、新たな処分損などでむしろ損失が拡大するのではという気がしていますが、その辺もご説明いただければと思います。

青木委員

同じような点ですが、26ページの繰越欠損金がこれだけあるときに、中期計画を上回ったといえるだろうかという疑問は残るだろうと思います。ですから、八木委員、荒牧委員とその点は同じ考えです。

そして、18ページの「米国、独国と並びソフトウェア・エンジニアリングにおける世界の3大拠点の1つになりつつある」ということをお書きになるときに、もう少し具体的にどういう基準があって、それをクリアして拠点の1つになりつつあるのかということを、あと2~3行あった方がより納得がいくような気がいたします。

鳥井委員

やはりセキュリティのところですが、これは去年もおととしもAAがついていて、3年、4年とAAが続くと、中期目標期間でどのぐらいのことが起こらなければいけないのかというのをある程度イメージしないと、後が苦しくなってしまうような気がするのですが、どうでしょう。私の感じですと、中期目標を1けたを上回るぐらいのことがないと、ずっとAAが続いたということはいいにくいかもしれないなという感じがするのですが。

木村委員長

ありがとうございました。それでは、松山委員がお答えになれるところと事務局に答えてもらうところと分けていただいて結構ですので、お願いいたします。

松山委員

財務的なところは事務局にお任せしますので、セキュリティとソフトウェア・エンジニアリングでございますが、セキュリティに関しまして、あるいはこの年度ごとの評価の考え方は、我々の分科会としましては、あくまでも中期計画に対してその年度の評価がどうであったかということです。ですから、前年度からデルタがあったということではございません。それはこの評価の仕方としても、ここに書いてありますように、「当該年度の評定がBとなる基準」という、この「基準」は中期計画です。前年度ではありません。それは確認させていただきたいと思います。木村委員長、それはよろしいですか。

木村委員長

そうだと思います。

松山委員

そうですね。ですから、AAが続くということは、毎年、中期計画を上回ってやっているだけであって、だんだん右上がりということではなくて、AAの状態をちゃんと保ってやっているというふうにお考えいただければ、ちょっとは誤解が解けるんじゃないかなと思います。先ほどのセキュリティのところで原臨時委員からもございましたけれど、80何%の満足度でAAをつけて前年度やっているのですから、それよりちょっとでも上がったらことしはAAでしょうと、そういうふうにお考えいただきたいんです。

ですから、リファレンスとして、対前年度でやっているときの言い方を多くいたしましたが、基準はやはり中期計画の数値目標に対して満足度がどうか、満足度に対して80%というのは十二分ではないですかという評価をしているとお考えください。年度ごとに、Bが続いたら普通にちゃんとやっているということを考えますと、Aというのはそれを超えているということですね。ですから、前年度ではないということはご確認いただきたいと思います。

それから、セキュリティに関してですが、これは専門的な話になりますけれど、「それが解決されたら」とおっしゃったんですね。ところが、情報セキュリティというのは、ご存じのように、人間は賢いですから、対策をしたら必ずその対策を破る対策を考えますね。ですから、これは終わりがございません。ですから、何かが解決されたということはないんです。これは窓ガラス効果とか、最近でいうと落書き効果というんですね。それは何かといいますと、校舎の窓ガラスが割れた状態になっている、放置しておくと次のガラスも割れる。落書きされる、放置しておくと次の壁も落書きされる。これは必ず全部1個ずつ消すんです。それはあきらめないんです。そういうことを情報セキュリティではやらないとだめなんです。

ですから、落書きする人、窓ガラスを割る人を全部捕まえて監獄に送れと、そういうことではないんです。それはあり得ないと思って、必ず即対応するという体制をどうやって機敏にやるかというのが情報セキュリティの基本です。そこは何かを達成したら終わりということはないので、これは果てしない戦いをしっかりやっておられる。飽きもせずに一生懸命やっておられるという、その努力は大いに敬服に値するということでございます。一度やられたらわかると思いますが、疲れます。向こうは不特定の全世界何億人の人ですので、本当にありとあらゆるものがいっぱい来ますので、もうやめたいというのが現場の声として正直ありますが、投げ出さずに一生懸命やっているというのを逆にご評価いただきたいと思います。

もう1つ、「米国、独国と並びソフトウェア・エンジニアリングにおける世界3大拠点の1つになりつつある」ということを書かせていただきましたのは、ソフトウェア・エンジニアリングに関するセンターというのは我が国にはないんです。それで、SEC(ソフトウェア・エンジニアリング・センター)というのをつくられて、そこを国際的に通用するような拠点にしていこうというのが、IPAの戦略的な位置づけでございます。

それが、18ページの左に書いていますが、米国ソフトウェア・エンジニアリング――カーネギメロンというところも有名なのですが、フラウンホーファ研究所との連携を図って、その標準的なもの、あるいは先ほどいいましたように、オープンソースに関しましては国際的なオープンソースの運動をしているグループがございますので、そういうところへ日本からコントリビューションするといったことで、実績とともにプレゼンスをちゃんと示していっているということがございまして、単なる日本国内における拠点ということを超えて、セキュリティに関しましても、ソフトウェア・エンジニアリングに関しましても、着実にその基盤をつくられて認知度を上げられている。そういう説明になると思います。

財務的な話は、事務局の方からお願いしたいと思います。

木村委員長

その前に、鳥井委員からどうぞ。

鳥井委員

おっしゃることは非常によくわかって、そのとおりのルールになっていると思うのでありますが、そうしますと、1回AAをとって、後は普通にやっていればずっとAAだよという議論になりかねないと思うのです。ここは少し評価委員会として考えないと、ルールはおっしゃるとおりで、そのとおりされているのでありますが、ほかのところは1回AAをとって、次がAだったら、下がっていることになるのだよと。これは本当にそのコンセンサスでいいですか。そこはちょっと考えておかないと、いろいろなことがあり得てしまう可能性がありますよね。

木村委員長

これは政策評価広報課に答えてもらいましょう。

波多野政策評価広報課長

まず、中期目標、中期計画に基づいて評価をしていただくというのは、そういうことでございます。あとは、A、AAといいますのは、質または量のいずれか一方においてすぐれた場合にA、両方とも超えた場合はAAということでございます。これは国民の税金を使って社会に納得感をもって評価をするということでございますので、AAというのがついて、次の年にAになったから落ちるということではなくて、それは毎年評価をしていただくというのは、毎年さら地からみていただいて、基本的に毎年Bから出発していただいてみていただくということでございますので、AAの次にAがついても、それは「非常によくやった」というのが評価委員会の評価でございまして、それは継続的に同じようにやったらAAになるということではないということでございます。

木村委員長

それでは、財務諸表についてお願いします。

八尋情報処理振興課長

今、大きくご指摘いただきました繰越欠損金の388億でございますが、この大半は独法になる前の特定プログラム開発というところの承継勘定でございまして、来年の1月4日をもって閉めるということで、この項目は、377億、その試験プログラムの勘定だけでございますが、外れるということで理解をしております。

木村委員長

ほかにございませんか。

原臨時委員

意見ということだけでいいと思いますが、確かに評価は中期目標に対してのAAとかAということになると思うのですが、もう一方で、PDCAのサイクルを回していくということも私はあったと思っていて、それから考えると、1つの100という目標があって、去年は104だった、ことしは105だったと、これはAですとかAAですとかといわれて、それで本当にPDCAで回っていくのかということは、一番根本としてはあったように思いますので、ぜひそこは委員間でも共通の理解にしておくことが必要ではないかと思います。

木村委員長

ありがとうございました。ほかにご意見はございませんか。

松山委員

全般的にAがずらっと並んでいるというのでいろいろご意見をいただきまして、私もそういうご意見も理解できる部分があるのですが、ただ、IPAに関しましては、先ほどの累積の欠損金がありますように、もともとは、悪くいいますと、ソフトウェア業界に対していろいろな開発支援を行ってきたというところが、独法になる前からずっと色濃くありまして、そういうのが欠損金になっているわけです。

それに対しまして、独法をこの数年間みさせていただきますと、先ほどいろいろ述べさせていただきましたような形で、国内外における情報セキュリティ及びソフトウェアの信頼性というものに関しての選択と集中、あるいはそれに向けた業務体制の内部的な組織改革というのは着実にやられてきたというのが、私は弁護するという意味ではなくて、客観的事実ではなかろうかと思っております。

そういうところで、きょうはお越しになっておりませんが、理事長が先頭に立って、まさしくPDCAをやるのだというのが独法の当初からやられてきているというのは、横で評価をさせていただきまして、ある種の感動を覚えているところでございます。個人的印象でございますが、そう思っております。そして、去年、ことしぐらいになって、そういうことが具体的な形になってあらわれてきているのだという認識をいたしております。

もちろん、先生方がご指摘のとおり、ずっとAばかりで非の打ちどころがないのかということに関しましては、分科会としてはそういう結論になったということでございますが、これとはまた別に、私個人としては必ずしも分科会のご意見と軌を一にしているわけではない部分はありますけれど、分科会をまとめますと今のような形になるということで、ご説明をさせていただきました。

木村委員長

ありがとうございました。先ほどの繰越金のことではないのですが、前々から総務省の政評委員会に対して我々は、一括して独立行政法人を扱わないでほしいということをいっているのです。さはさりながら、向こうとしては今のシステムとしては一括としてみざるを得ないということになっているので、個々の事情というのはなかなか理解されないのです。ですから、今、松山委員からご説明がございましたけれど、これだけの繰越金があるということは、外からみるとやはり異常なことなんですね。八木委員がいわれたとおりだと思います。

また、世間の風が非常に厳しいので、もう一度、分科会で、ここで出たご意見をご披露いただいてご議論いただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。例えば随契の問題にしても、やはり随契が多いんです。それは事情があるわけです。例えば、2~3年前にある装置を入れたと。そうすると、それを更新しよう、さらに拡充しようと思ったら、同じ業者でなければだめなんです。そういう事情はあるのですが、さはさりながら、やはり外からみると不自然だということにならざるを得ないので、その辺は少し部会でご議論をいただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。それでは、そういうことで処理をさせていただきます。ありがとうございました。

それでは、議題9の工業所有権情報・研修館の平成18年度の業績実績評価でございます。早川分科会長、よろしくお願いいたします。

早川委員

それでは、工業所有権情報・研修館、以下、新しくつくりました略称のINPITという名前で呼ばせていただきますが、このINPITの18年度業務実績の評価を報告いたします。資料9でございます。

今年度の評価は、業務運営の効率化、サービスの質の向上、財務内容、その他の業務運営に関する重要事項の4項目について、5段階評価で行いました。この項目ごとに簡単にご説明申し上げます。

2ページですが、業務運営の効率化です。

まず、業務の効果的な実施についてですが、INPITでは19年1月に特許庁から情報システム関連業務が移管されることを見据えまして、その準備と円滑な実施を期するために、18年4月1日付で既に内部の関連事業部門の組織を再編いたしました。また、新制度に対応する特別相談窓口の設置をいたしました。このほか、非公務員型の独立法人の特性を生かしまして、講習会を土日に開催するということをいたしました。

これらをみまして、その結果、質において中期計画を超えたすぐれたパフォーマンスを実現していると判断いたしまして、A評価としております。

次に、業務運営の合理化ですが、これは業務システム最適化計画の策定のほか、広報閲覧用機器の更新時期や後継機についての検討が行われておりますところから、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したと判断して、B評価としております。

次に、業務の適正化ですが、これにつきましては一般管理費において前年度比3%、業務経費において前年度比6.2%の効率化が図られておりますので、量において中期計画を超えてすぐれたパフォーマンスを実現したと判断して、A評価としております。

次に、人件費削減の取り組みですが、これは19年1月に特許庁から業務移管がありまして、それに伴いまして34名の増員がございました。そこで、この増員分を除いた既存業務分の人件費について説明いたしますが、この19年1月の業務移管を円滑に進めることがINPITにとっての最優先課題でありましたことから、その追加的な準備事務に係る人員の確保とともに、それに伴う超勤手当等が増加したこと等が要因となりまして、前年度より執行額が増加しております。しかしながら、これは今述べましたような特殊事情によるものと判断いたしまして、中期計画全体の中ではB評価と今年度はした次第でございます。

これらの評価を平均いたしますと3.5点ということになりますので、業務運営の効率化全体といたしましてはB評価といたしております。

次に、13ページのサービスの質の向上をごらんください。

まず、工業所有権情報普及業務ですが、ここではIPDLの検索回数、整理標準化データの外部提供件数、公開特許英文抄録の作成件数等、情報普及業務のすべてにおきまして目標値を大きく上回っております。特にIPDLにつきましては、ユーザーの利便性を大きく向上させましたことにより、利用件数がかなり増加しております。これらのことから、量において中期計画を超えたすぐれたパフォーマンスを実現したと判断いたしまして、A評価としております。

次に、14ページ、工業所有権関係広報等閲覧業務です。これにつきましては、INPITに設置しております閲覧用機器におきまして、新国際特許分類でありますIPC8版での検索を可能としましたほか、特許庁審査官が使用しておりますサーチ端末と同等の特許審査官端末というものを設置いたしまして、19年1月からサービスを開始しております。したがって、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したと判断いたしまして、B評価にしております。

次に、審査・審判関係図書等整備業務でございます。この業務におきましては、特許庁の審査・審判の的確な処理に資するために、審査・審判資料となる内外の文献、国際調査の対象となる非特許文献を迅速に購入いたしますほか、技術文献の検索ツールを充実させるために、INPITホームページに掲載してあります技術情報リンクを定期的に確認・追加しております。そこで、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したと判断いたしまして、B評価にしております。

次に、工業所有権相談等業務でございます。これは来館及び電話での相談については原則として直ちに回答し、文書及びメールでの相談は原則として1開館日以内に回答するという基準でございますが、これに対しまして、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したと判断いたしまして、B評価としております。

次に、工業所有権情報流通等業務でございます。これにつきましては、特許流通アドバイザーの企業訪問回数、特許情報活用支援アドバイザーの企業訪問回数、特許流通データベースに関する登録促進普及啓発活動回数のいずれにおきましても、目標値を大きく上回っておりますほか、19年度以降の技術移転人材を育成する環境を整備させるための準備支援を着実に行っております。したがいまして、量において中期計画を超えたパフォーマンスを実現したと判断し、A評価としております。

次に、情報システムの整備でございます。これにつきましては、記載のとおり、質・量の両面においておおむね中期計画を達成したと判断して、B評価としております。

次に、知的財産関連人材の育成についてでございます。これにつきましては、ニーズの高い検索エキスパート研修を初めといたします各種研修をそれぞれの目標回数以上に実施しておりまして、かつ、受講者の90%以上から高い満足度が得られております。このほか、IP・eラーニング学習教材の開発・提供、工業所有権教育用教材の整備・提供につきましても、目標値を上回って実施しております。したがいまして、量において長期計画を超えてすぐれたパフォーマンスを実現したと判断し、A評価としております。

以上、サービスの質の向上全体の評価といたしましては、それぞれの業務の予算、業務に係る陣容を考慮しましたウエイトに基づきまして、評価結果を加重平均した結果、3.7点となりましたので、A評価としております。

次に、16ページ、財務内容でございます。INPITにおきましては、監査法人との顧問契約を締結しまして、経理部門全般の適正な処理を行いますほか、総務部と事業部門との間で予算執行に係るヒアリングを適宜実施いたしますとともに、原則として毎月開催いたしますINPIT運営会議におきまして予算の執行状況報告を行い、効率化が達成されるかどうかの進捗管理を厳格に実施しております。

また、人材育成業務において好評な研修を充実いたしまして、受講料収入を大幅に増加させたことによりまして、全体として前年度比95%増の自己収入を得ております。

これらのことによりまして、財務内容に関する評価につきましては、量において中期計画を超えたパフォーマンスを実現したと判断し、A評価としております。

次に、19ページ、その他業務運営に関する重要事項でございます。これについては3つの事項に細分化して評価しております。

第1のユーザーフレンドリーな事業展開ですが、INPITでは電話による相談を18時までだったものを20時まで延長するというほか、非公務員型の独立法人の機動性を生かしまして、特許情報の利用促進を図るためのIPDL講習会を18年度から中小企業者が参加しやすい土日に開催しております。したがって、質において中期計画を超えてすぐれたパフォーマンスを実現したと判断し、A評価としております。

それから、特許庁との連携ですが、これにつきましては所管省庁であります特許庁の関係者と定期的に意見交換を行うことによりまして、より密接な連携が図られているということから、質・量両面においておおむね中期計画を達成したと判断し、B評価としております。

最後に、20ページですが、広報・普及活動の強化でございます。INPITでは、ロゴとシンボルマークの一新、雑誌・新聞への記事・広告の掲載、各地のイベントへの出展・参加及びニュースメールの配信等を数多く実施しております。

また、特許流通の情報提供のテレビ番組といたしまして、「知恵の輪ニッポン」を13回放映いたしましたほか、内閣府からの協力依頼に応じまして、地域科学技術ポータルサイトに事業紹介を掲載しております。

さらに、民間コンサルタント会社が実施した独立行政法人サイトの使いやすさに関するランキング調査の結果、INPITのサイトが全体の中で4位に入っております。

以上のこと等にかんがみまして、積極的な広報活動がなされて、量において中期計画を超えたパフォーマンスを実現したと判断し、この点をA評価としております。

これらの評価を平均いたしますと、その他業務運営に関する重要事項に関しましては3.7点となりますので、A評価としております。

最後に総合評価ですが、以上述べましたとおりの結果でございまして、これについては1ページに少し書いておりますけれど、特許行政が変革期を迎える中で、INPITの業務内容も近年急速に変化しております。しかし、政策ニーズの変化等に対応しつつ適切に対処しておりまして、主要業務は目標を大きく上回って実施していると判断されます。

そこで、業務運営の効率化を15%、サービスの質の向上を70%、財務内容を10%、その他の業務運営に関する重要事項を5%と設定いたしましたウエイトに基づきまして点数を集計いたしました結果、3.9点となりましたので、法人全体の実績といたしましてはA評価という結論になりました。

木村委員長

ありがとうございました。事務局はよろしいですか。

小川特許庁総務課長

1点、補足させてください。このINPITは平成18年4月に自由度の高い非公務員型の独立行政法人として第2期をスタートさせていますが、その業務の中心はサービスの質の向上に重点を置いておりまして、その非公務員型となったことを生かしながら、利用者ニーズに対応して、先ほどありましたような電話相談の受け付け時間の延長や講習会、休日開催、そういうサービスの質の向上に努めてきているところであります。

また、ことしの1月からは、電子出願普及事業等の情報システム関連事業を特許庁の方から移管しておりまして、そういう業務の追加に対して着実にそれをこなしていると。そういう形で、特許庁とともに知的財産立国政策の一翼を担っているということもございます。このような状況も考慮されてご評価いただいたものと思いますので、ご紹介させていただきました。

木村委員長

ありがとうございました。ご意見はございますでしょうか。

梶川委員

財務内容のところでございますが、A評価になっていまして、コメントに「8%の予算実現をされた」とお書きになられていますけれど、この予算というのは、実施されるべき事業をされて8%が下がったということなのでございましょうか。貸借対照表に交付金債務9億

9,700万円という残高があって、この交付金債務は翌年度に収益化されるという意味は、まだ未実施の事業がおありになって9億

9,700万円経費が払われていないと普通は読みますので、これを除いてもなおかつ8%というのは、10億近い経費になられると思いますが、削減されたと解釈してAなのでございましょうか。

それから、自己収入は確かに大幅にはふえられているのでございますが、この研修はもともと実費をとられると書かれていて、実費をとられて自己収入がふえられるということは、ある意味、事業としてはニュートラルなことだとは思うのですけれど、そのふえられた作業をどこかほかの自分の本来の事業から配分されたのだと思うのですが、こういう形でふえられた自己収入が、金額的にもそれほど大きくはないのでございますけれど、財務内容が特筆すべきAだとご評価をされるものかどうかというのは、私にはちょっと疑問なのでございますが。むしろご質問の方が金額的にははるかに大きいので、まずそちらからお願いしたいと思います。

木村委員長

それでは、事務局からよろしくお願いいたします。

田中工業所有権情報・研修館室長

それでは、説明させていただきます。財務諸表では9億9,700万円というのが計上されてございますが、これにつきましては非公務員化になったこともございまして、今までは単年度主義の契約でやっていたのですが、18年度の契約をしまして、19年度以降もあるということで、このうちの3億近くは次年度に支払う予定の金額になってございます。9億そのものは8%と入れていますが、余らせているわけではなくて、基本的には次年度にも実施する部分が含まれてございます。

梶川委員

ということは、その分が8%の中に入ってこられるということでしょうか。

田中工業所有権情報・研修館室長

はい、数字上は計上してございます。

梶川委員

そうだとすると、削減をされたというより、やらなかったという方が正しい表現になりかねないのではないでしょうか。

木村委員長

そう解釈されますね。

ほかにございませんか。

内山委員

評価の7割がサービスの質の向上になっていますが、サービスの質の向上については資料2枚ぐらいでしか書いていません。そのうちの工業所有権情報普及業務と最後の知的財産関連人材の育成が一番重みが大きくて、ほとんどその2つで決まっています。それらをAと評価しているのですが、その割に1と7の記述に具体性がありません。もう少しその辺をきちんと説明いただけないでしょうか。

木村委員長

事務局、その辺はどうでしょうか。記述の問題もあると思いますが。

田中工業所有権情報・研修館室長

まず、ご指摘のとおり、非常にはしょった記述ぶりで、なかなか伝わりにくいかと思いますが、実は情報普及のところにつきましては非常にボリュームがございまして、その代表例ということで、IPDLが1つの大きなメイン業務になってございます。さらには、外国との技術文献の交換とか、その他多々ございます中で、特筆したものがIPDLということで、その部分をピックアップ的に上げさせていただいたということでございます。

人材育成業務も、7.のところにもございますが、非常に簡便に書いてございますけれど、研修自体は2つございまして、1つは特許庁の職員向けの研修で、これは毎日やっているものでございますが、プラス、知財人材の育成のための対外研修でございますけれど、これも登録調査機関向けのサーチャー研修と呼んでいまして、これは年4回やらさせていただいていますが、こういうものが代表例ということで、さらには検索エキスパート研修も挙げさせていただいていますけれど、研修のカリキュラムも多岐にわたってございまして、代表的に顕著に伸びたものをここに計上させていただいたということで、確かにおっしゃるとおり、もう少しボリュームを上げさせていただければよかったかなと反省しているところでございますけれど。

内山委員

ただ、今の説明を聞いていると、目標に向けて淡々とやったという感じなのですが、特に目標よりも秀でたところがあるようには思えません。B評価でもいいかなという気がしますけれど。

田中工業所有権情報・研修館室長

特に人材育成部分について申し上げますと、研修1回につき受講料をとるサーチャー研修で登録資格を与えるのですが、法的研修でございまして、これについては研修1回で100~150人ぐらいの人たちを集めてやるのですが、これは逆に特許庁の審査官が使っている端末と同じものを使わせまして実際にやってございまして、ニーズが高いものですから、今回、端末の台数も18年度の途中からふやしまして、かつ、研修も長期にわたりますと3カ月近くかかりますので、今回、いろいろな研修場所も借りながら、3回やるところを18年度は4回やっているということでございますので、本来物理的に難しいところをやり繰りしながら、機器も導入しながら、教室の方も確保しながらやったということで、その辺を評価していただいたというところでございます。どうしてもやる場所が限定的になってしまいますので。

小川特許庁総務課長

今の1つ目の工業所有権の情報普及業務などでも、単にIPDLのアクセス数がふえたということだけではなくて、IPDLへの利用というのは、特許出願、または審査請求、そういうときに自分の請求内容が既に前例にあるものなのかどうか、そういうことをよくみてもらいながら、それで請求活動、出願活動の適正化に反映してもらう。そういうところから、検索のやりやすさというものを向上させながらご提供してきておりまして、IPDLの中身の向上とともに、それに伴って量的なアクセスもふえているということでございまして、単純にアクセス数を増加させることだけを実現したというわけではございません。

もう1つ、研修の内容につきましても、この知的財産関連人材というものを幅広く育成していくということは我々政策サイドからも望んでいるところでございまして、特に最近のいろいろなツールでの利用者ニーズに応じた研修形態、例えば、IPeラーニングの教材の開発提供、そういうもののメニューをそろえて、この研修の量的な目標を達成したということでございまして、そういう意味で、質的な拡充によって支えられながら量的な面においても中期計画を実現したということでございまして、単純な努力というよりは、質的な展開も含んだ努力ということでご評価いただいたものと思っております。

木村委員長

ほかにいかがでしょうか。

松山委員

13ページの下のところで、「広報固定アドレスサービスを受けた大学が」ということで、大学に向けてもこういう活動を展開されているということは、私は不勉強で知らなかったのですが、この大学数というのはどのぐらいあるのでしょうか。

と申しますのは、大学の位置づけが、こういう特許関係、知的財産に関してもう少しきちっとした体制をとりなさいというのは、大学にいる者からすると、国の施策として、知財本部等々をつくって頑張ってやっていると。ところが、大学の中からみますと、実はこういう活動を独法がされていてということはよくわからなくて、どちらかというと、大学発明の特許を利活用するのにJSTのお世話になることが多くてということがあって、大学の現場からいいますと、その存在感を感知できていないという感じがございまして、その普及の度合いというのがどの程度なのかなというのがよくわからなかったということがございますが、数値がわかりませんでしたら今のは結構です。

木村委員長

後でもしわかりましたら、松山委員のところへご連絡いただきたいと思います。

田中工業所有権情報・研修館室長

JSTとの関係でいいますと、JSTもいろいろな情報を提供しているわけですが、特許の関係でJSTなどが情報提供する際には、特許庁なりINPITから情報を加工して、基本的なデータを低廉な形で供給できるということで、JSTもそれを加工したりして提供しているという事実もございまして、表面上、JSTが目立つかもしれませんが、そこのところはご理解いただければと思っております。

木村委員長

よろしゅうございますか。

それでは、早川委員、恐縮でございますが、具体的に評価についても意見が出ましたので、ここで出ましたご意見をもう一度分科会でご検討いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。確かに書き方もやや淡白過ぎるというところはあるように思います。いずれにしても、本質的な問題が出ましたので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

それでは、最後になりますが、産業技術総合研究所の18年度の業務実績評価の結果でございます。部会長は私が仰せつかっておりますが、本日は室伏委員の方からご報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

室伏委員

室伏でございます。木村部会長の代理でご報告させていただきます。最後で皆様もお疲れだと思いますので、できるだけ手短にと思っております。それでは、資料10をごらんくださいませ。

まず、業務運営の効率化から簡単にご説明させていただきます。3ページからが業務運営の効率化に関する評価でございます。業務運営の効率化につきましては、6名の評価委員のうちの5名がA判定をつけまして、1名がB判定ということでございました。これにつきましていろいろ議論いたしまして、理事長のリーダーシップによる柔軟な組織改革や業務の効率化、イノベーション推進体制の強化と産業技術アーキテクト新設などの非常に先駆的な取り組み、さらには、大きな組織にありがちな意思決定や実行の遅延性を上手に克服するといったことを評価いたしまして、この業務運営の効率化の項目はA評価と判定いたしました。大変広範囲な試みをしている法人でございますので、3ページからの業務運営の効率化についてはお読みいただければと思います。

先ほどから何度か話題に上っております随意契約のことを少しご説明させていただきます。この件につきましては、11~15ページに記載がございます。産総研は非常に特殊な事情を抱えておりまして、既存の装置の互換性の問題ですとか、調達先の特許が必要であるとか、そういった非常に特殊な事情がございますので、まだ随意契約が多い状況です。

ただ、そういう特殊事情を考えますと、これを減らしていくというのはなかなか難しいことだなと部会では考えました。しかし、できるだけ競争入札をふやすということをこれからは心がけるべきであろうという意見も多く出ました。随意契約の場合には、プロセスをマニュアル化して、内部的に統制をして、それを基準や実績を公表していくということで産総研は対処するということでございます。随意契約は行わざるを得ませんが、その契約の内容、プロセス、そして実績については透明性を保つということで社会からの理解を得ようという、そういうことで対処していくことになっております。

2番目に、国民に対して提供するサービスの質の向上でございますが、これは22ページ以降をごらんください。皆様ご存じのように産総研は非常に大きな組織でございまして、たくさんの事業を行っております。それぞれの事項につきまして、委員会では細かく評価を行いました。それをまとめてご説明させていただきます。

この国民に対して提供するサービスの質の向上につきましては、6名の評価委員のうち、A判定が4名、B判定が2名でございました。議論いたしまして、この項目についてはA評価となりました。研究の高度化、世界的な研究成果の創出、出口イメージが明確化されていること、そして、製品化と知的還元もなされているということが高く評価されるだろうとまとめられました。

また、質の高い研究成果の創出とその活用のための取り組みが着実に実行されておりまして、実行されている内容が質的に非常に高いという判断がなされました。また、組織におけるリーダーシップが十分に発揮されて、それによる成果も着実に上げられています。

研究開発の成果といたしましては、例えば患者自身の肝細胞を注射で移植する治療法の開発ですとか、遺伝子組換え植物や微生物による有用物質生産技術の研究、またはカーボンナノチューブの量産技術、高せん断成型加工法、厚さ10mm未満のナノスケールの深さ方向スケールの校正用標準物質の開発など、世界的にもトップレベルにあるような研究が推進されております。これらは特筆すべき成果であろうと考えられまして、産総研が研究独法であるということから考えましても、非常にすばらしい成果が上がっていると評価できると思います。

それから、ホームページでの情報公開も非常に積極的になされておりまして、また、一般の方々への産総研の公開ですとか、出前事業とか、研究者が外に出向いて一般の方々にアウトリーチ活動を行うということも活発になさっております。この法人がもっております情報公開とか、それに関連した個人情報保護というレベルはかなり高いものであると判断されました。また、毎年、改善のための努力がなされておりますので、これも評価されるという議論になりました。

さらに、活発な業務展開を行っているということが評価されまして、これは中期目標計画を十分に達成されている、その計画を超えてすぐれたパフォーマンスが実現されているということで、A評価と判定をいたしました。

最後に、財務運営の内容ですが、これは全員がB判定ということになりました。もちろん計画は十分に達成されておりますが、計画以上のすぐれたパフォーマンスというほどのことでもありませんでしたので、着実な前進が認められ、中期計画に基づいた適正な財務内容ではあるということで、この項目はB評価といたしました。

この3つの大きな項目につきまして、1ページをごらんいただきたいのですが、産総研のミッションにかんがみ、業務運営の効率化は20%、サービスの質の向上は70%、財務内容の改善を10%ということで、このフォーミュラに基づきまして計算をいたしまして、その結果、総合評定はAとなりました。計算の結果は3.9点という点数になっております。

こういう評価になりましたが、部会で委員から出たご意見、その他いろいろなコメントについて少しご紹介をさせていただきたいと思います。

1つは、産総研が国の政策に沿った研究機関であるということを踏まえて、今後も研究を進めてほしいという意見でした。また、大学や企業の研究所にはできないような研究、産総研でしかできないような研究を実施して、研究のハブになってほしい。そして、大学と企業、さらにそれらとの連携を深めることを期待しますという意見がありました。そういった中では、産総研はぜひ主体的なリーダーとなって国の政策にのっとった研究の中に大学や企業を巻き込んで、研究を発展させてほしいという意見がございました。

また、業務運営の効率化の中で出てまいりましたが、産業技術アーキテクトを設立しております。これは大変高く評価されました。これはこれからの産総研が研究を進めていく上で非常に重要な戦略だと考えられます。ビジネスまでのロードマップを産業界側と共有して取り組むことが必要でありますし、そのためにはこういった役割を担う産業技術アーキテクトの増員が必要であろうという意見が出ました。現在、まだ1名しかおりませんので、これからさらに産業技術アーキテクトをふやしていってほしいという意見がございました。

また、それと関連して、産業技術アーキテクトと一緒になって連携プロジェクトや研究に目配りをするようなプロジェクトオフィサーを産総研としてプロパーで抱えてほしい、そういうことが望ましいのではないかという意見もございました。

また、バイオ技術などで非常にすばらしい研究が進められていますが、いまだ産業界との距離は遠いように思われます。ですから、基礎研究をインキュベーションするシステムを拡充して、産業界との間をつなぐ努力をさらにしてほしいという意見がございました。また、地域センターを産総研はたくさんもっておりますが、その地域センターの機能と役割がまだ余り明確ではないので、もう少し明確にしなければいけないのではないかという意見もございました。その役割を明確化して、再構成をし、産総研らしい取り組みをしていくことが必要であろうということでした。

それから、地域との連携や大学との連携につきまして、現状では連携ができるということが地域や大学に余り知られていないということがございますので、もっと積極的な広報をして、産総研側から地域や大学に向けての働きかけを強化してほしいという意見も出ました。

また、研究から製品化、そしてビジネスにつなげるまでのプロセスを、実効を得ながら加速化することが必要である。そのためには、技術ビジネスを理解している人々とのネットワーク構築が重要なので、産総研と産業界が双方向で人の派遣をすることが有効であろうということがいわれました。現在、双方向での派遣ということは余りなされておりませんので、もっと積極的に双方向での人の派遣ということをやっていく必要があるだろうという意見がございました。その技術を社会に活用する際には、企業側にコミットメントを求めることが大切であるというご意見でした。

また、業務運営の効率化につきまして、組織の変革が頻繁に行われて、効率化が非常に推進されているという状況はございますが、余りに変革が速過ぎるので、産総研の皆様の中に変革疲れが出る可能性があるのではないか。ですから、逆にそれで非効率化を招く可能性もあるので、もう少し考え直した方が良いのではないか。変革が速過ぎることに対する懸念もありました。

そして、最後ですが、イノベーションの概念は非常に広いものですから、産総研の役割は時代とともに変わっていくだろうと考えられます。企業や大学との違いを踏まえた産総研の役割をもっと明確化して、政策オリエンテッドなR&Dを行うべきであろうというご意見が出ました。

そのほかにも細かい意見はたくさんありますが、それはこの資料10の中にまとめてございますので、お時間のあるときにぜひお読みいただきたいと思います。今ご紹介しましたのは主なご意見だとお考えいただきたいと思います。

木村委員長

ありがとうございました。何かご意見をいただけますでしょうか。

八木委員

期待する産総研なので、少し厳しくみたいと思うのでございますが、例えば、22ページでご報告のあった研究成果は興味のあるところでございますが、この辺は、新しい産業を興すような、あるいはいろいろな技術にパラダイムシフトを起こすようなレベルのものでしょうか。産総研ですと、あるレベルまでの開発の成果が出るというのは当然じゃないかと期待するものですから、そういう意味で、もう一歩高いものを我々は期待したいところがあるんです。産業界からみて、何度も申し上げているように、産総研とのパイプがすごく太くなって研究開発効率も上がったというのは、いろいろなところで聞いております。ただ、一方、このテーマが少し小粒化していないかということも聞こえるものですから、あえてそのようなご質問をする次第でございます。よろしくお願いいたします。

木村委員長

それでは、産総研の事務局からいかがでしょうか。

都筑産業総合研究所室長

例えば、22ページにありますようなカーボンナノチューブの研究開発は世界初で大量合成ができることになりまして、今まではほんのちょっとしかできなかったものを大量生産に導いたということで、これは各委員から非常に高く評価をいただいております。これによりまして、さまざまな触媒ですとかいろいろな形の応用化につなげられるのではないかということがございました。

それから、例えば患者自身の肝細胞を注射で移植する治療法ですが、これも産総研で開発されたということでございまして、これはバイオ技術によっては製品化までにいろいろと難関があるのですが、こういったところについてはかなり期待ができるのではないかというご評価をいただいてございます。

それから、技術をインキュベーションしていただきたいということでございますが、先ほどありましたように、産業技術アーキテクトですけれど、これは産総研の中でまとめられた概念でございますが、技術を社会につなげていく、そのために技術のプロセスを設計して、それで実行して、社会に成果を還元していく、そういう役割を担う者ということでございまして、そういう役割を位置づけて、その方々が産業技術変革イニシアティブというプロジェクトにも取り組んでおりまして、技術をつなげる戦略的なプログラムを産総研の中でもいくつかつくっていまして、今、3つテーマがございまして、そういう中で、小粒なものの成果ではなくて、それをさらにシステムや社会変革につなげていくようなプログラムを立ち上げているところでございます。

木村委員長

八木委員が今おっしゃった小粒化しているんじゃないかというのは、産総研のポリシーにも関係しているんじゃないかと思います。といいますのは、工技院の時代というのは基礎研ということでかなり批判を受けたわけですね。そういうことで、吉川先生が理事長になられて、実用化に資する研究をやれということでありますので、どうしてもその研究テーマの拾い方がそういうところへ行ってしまうということはあるんじゃないでしょうか。ですから、本当にドカーンというものになかなか取り組めないということは、産総研になってからの1つの課題として残っているのではないかと私は思います。

ですから、余りにも実用化といわない方がいいんじゃないかなと、吉川先生に個人的には申し上げているのですけれど。

室伏委員

今の木村先生のお話にちょっとつけ足したいのですけれど、先端的なことで実際にアウトカムがみえてくるようなものは、非常に活発に進めていらっしゃることは確かなのですが、評価部会の席で、吉川先生は、「もちろん産総研は基盤的な研究も一生懸命やっています。それがなければ産総研ではありません」とおっしゃられたので、ここに出てきているものはアウトカムにつながるようなものですけれど、もっと大きな根本的なところで、いずれ何かドカーンというようなものが出てくる可能性もあるのではないかなと感じております。

梶川委員

今回、全般の評価が、ある意味では過去の経緯以上に期待値を込めた評価になっているような気もするのでございますが、そういう意味で、この産総研の業務効率等に関しましても、産総研が研究法人のまさに我が国のリーディングカンパニーだという前提を置かさせていただいて、かつ、期待値を込めて評価をさせていただくという意味を考えますと、例えば、先ほど随意契約に関して象徴的に世間でも話題にはなられていて、ご事情も先ほど木村先生からもご説明いただいたのでございますが、先ほど口頭でご説明になられていた、例えばこれが内部統制的な透明度の上がった説明がつけられるとか、そういう仕組みを実現されているというステージに上げられたところで、世間にも模範になる形でのA評価というものを、産総研であるがゆえに、自負をもってこの評価委員会としてやっていくという考え方もあるのではないかなと。

さっきの産業技術アーキテクトというのも、すばらしい発想でいらっしゃるのだと思うのですが、これも1名という段階ではなく、かなり実現がされてこられた段階で堂々とAをつけていくという考え方も、リーディングカンパニーであるがゆえに、どうかなとちょっと感じました。

室伏委員

もしかしたら私の説明の仕方がよくなかったのかと思うのですが、この随意契約につきましては、既に産総研で内部統制に関するきちんとしたマニュアルをつくっておられます。そして、これからその実績などを一般の方々に公表するということをおっしゃっていますので、これは既に動き始めていると考えていただいてよろしいかと思います。

アーキテクトについては、事務局からお願いしたいと思います。

木村委員長

アーキテクトの話は、今、梶川委員ご指摘のように、1名でいいのかという議論が部会でも出ました。ただ、これはスーパー目ききという人です。ですから、めったに得られる人材ではないということで我々も了解いたしました。そういう人をもう少しふやせばというご意見は出たことは確かであります。しかしながら、現在、お一人でも十分機能していますので、それで認めたということでございます。

都筑産業総合研究所室長

それから、アーキテクトにつきましては、産総研の中で育てるという考えもありますし、外からも採ろうということで、今、公募をしております。今、適当な方を何人か考えておりまして、今年度中にはもう1名必ず登用する予定にしております。

それから、産業技術アーキテクトの下にイノベーション推進室というのをつくってございます。これも昨年12月に立ち上げまして、イノベーションを進めるという流れがある中で、組織を機動的に対応しようということでつくりまして、それが産業技術アーキテクトを補佐しております。そういう形で産業アーキテクトは1人ですけれど、その下に補佐する方々が一体となってすることで、イノベーションの創出をつなげていこうと、こういう取り組みをさせていただいているところでございます。

平澤委員

産総研だけではなくて、今回、通して拝見すると、中期目標の立て方と、この評価書の中に出てくる左側の部分、これは多分目標が書いてあって、年度目標ではないわけですね。中期計画にブレークダウンし、それを年次計画にして、その年次計画に対してどういうパフォーマンスかというのが本来の評価であるべきなのですが、中期目標そのもののようなものが書かれていて、例えば、サービスの質の向上の先ほど来議論のある23ページでみると、「公的機関の改革における先導的モデルとなることを目指す」ということをいわれて、コメントの中には、例えば「もっと政策オリエンテッドなR&Dを行うべきだ」といった評価委員のコメントもあったりするわけですね。それでAだというのは、やはりよくわからないですね。

これはほんの1つの例ですが、NITEを含めてほかの機関も、年次計画というものを堅持した上で、その年次計画に対してどのようになっているか。年次計画が中期目標を達成するために、右肩上がりになるように一応立てるわけですね。ですから、それに対してAなのかAAなのかということを議論すれば、波多野政策評価広報課長が最初にご説明されたような意味につながっていくのだろうと思います。

木村委員長

そういう意味で、梶川委員もおっしゃられたように、産総研だけではなく、全体的にみて少し甘い評価になってしまったという気はします。私は産総研の部会でも発言したのですが、中期目標と中期計画の関係が必ずしもはっきり定義されていないところが問題ですね。

そこがきちんとブレークダウンされている法人もあるのですが、私も随分いろいろなところをみたのですが、きちんとブレークダウンされていない法人が多いのです。中期目標がそのまま中期計画になったり、非常に近い形で吸収されたりして、評価できないということがあるので、その辺は今後とも研究していかなければいけないと思います。

平澤委員

そうですね。それと、これは産総研のことに関してですけれど、委員の方のコメントというのは一々もっともなコメントだと私も思いますが、それと評価内容とのつながりがよくわからないですね。年次計画にまでブレークダウンされていないということと通じるのかもしれませんけれど。

それから、先ほど小粒に云々というお話もありましたが、産総研としては、全体の基幹的組織の構造が挑戦的なものを扱う組織からあって、それでなお小粒だとすれば、先導的な機関ではないのではないかとパフォーマンスは評価すべきだろうと思います。その仕掛けを十分に生かしていないということになるのだろうと思います。

木村委員長

その辺は、先ほど室伏委員がおっしゃったように、産総研に関しては私はまだ大丈夫だと思っております。

ほかにいかがでしょうか。

松山委員

業務の効率化といっていいかどうかわかりませんが、すごく気になりますのは、まず1つは、産総研は元はたくさん研究所があってというのが大前提ですよね。そうしますと、産総研として国民から期待されている業務を実行できたという基準は、ばらばらであった研究が融合された結果としてこれが生まれたというのがないといけないと私は思っています。

ところが、今のご説明の中期計画の書き方ですが、すべて縦割りのものでどうなっているかという話で、融合された結果、あるいは産総研でなければできなかった研究というのは、実は何もないということになっているんです。今のこの評価だけで。そうすると、産総研はつくらなくてもよかったということの評価になって、ですから、個別にそれぞれ実績をおもちの研究所が粛々とやられれば、それなりの成果が出る種はずっとおもちなのですけれど、産総研という法人としてやった場合でしかできなかった成果が出ていないじゃないかというのが、成果面で私は非常に不満です。

それなら統合しなくてもよかったということになって、独法としての評価というのは、ばらばらであったのがどう一体化されて、それで研究がどうなっているのかということが一番の評価基準になるのではないかなというのが1つです。

もう1つは、業務のところかもしれませんが、「成果が上がりました」とみんな書いてあるんですね。ところが、研究所というのは、人を育てる、研究者の中からできればスーパースターを生み出すということも非常に重要だと思います。先ほどの小粒になったというのは、私は情報通信系しかわかりませんが、やはりスターがいない、生まれていない、育っているとも思えない。そうすると、過去のすぐれた研究者をそのまま引き取って、その方たちのイナーシャでもっているだけじゃないかと。

そうすると、産総研として実際に人材育成プログラムって何かやっていますかと。そういうことは実は何も書かれていないんです。そして、成果が出た、出たという話ですけれど、じゃあ、それをやられたのがどういう方で、それは産総研の研究支援も含めて、やった成果としてそれが出たのか。そういう記述が全然ないんです。それでは産総研の評価にはならない。少し厳し目にいいますけれど、私はそういう判断です。ですから、産総研という形でしかできなかった成果というものをもっと具体的にお示しいただければありがたいなと思います。

都筑産業総合研究所室長

産総研は平成13年に工技院の16ヶ所を統合して発足しました。まず、壁は除こうということで、研究所の壁を外して54のユニットをつくりました。そして、今、その54から47を廃止して、49を新設しています。離合集散をして、常に新しい組織ができるような組織作りを行っております。ユニットをみますと、もともと化技研だけあるいは機技研だけということではなくて、さまざまなところの研究者が集まって研究をしているということになります。

例えばデジタルヒューマンなどは、ロボットと医療福祉の関係の研究者が集って研究をしているとか、災害情報とか子供の危険などに関する研究をする部門もございますし、地質データをやっていますが、そこに情報分野の技術が入りまして、ジオグリットということで、地質部門と情報技術が融合した研究をしたりとか、その辺はここには書いていないのでわかりづらいところがあるかもしれませんが、そういう意味では、産総研になったからこそ出ている成果というのはたくさんございます。

それから、研究者自身も、もともとは2,500人おりましたが、旧工技院系の研究者が今1,400人ぐらいでございます。また、産総研2,500人のほかにも、外来研究員、ポスドクなどを含めて常時4,000人ぐらいの研究者がおります。したがって、全体で常時いる研究者でみると、工技院からいる方は半分以下ぐらいになっておりまして、いろいろな方々が入ってきて、企業の研究者、大学からの研究者、ポスドクの研究者、そして常勤の研究者ということで、人材の融合はしております。

問題は、企業から来るというのがあるのですが、先ほども指摘事項がございましたように、産総研から企業に出てくるというところが若干少ないので、そういったところはもっと取り組み強化が必要であるという評価をいただいたということではないかと考えております。

鳥井委員

先ほど石油天然ガス・金属鉱物資源機構の話で申し上げたのですが、何かうまいものをみつけたからよかったねと、それで評価が上がるのかというと、こういう研究は違うと思うのです。マネジメントがどういうイノベーションがあって、成果というのはそのエビデンスにすぎないのだと思うので、そこのところを整理していかなければいけない。今おっしゃったような話がワッと出てくると、なるほどマネジメントのイノベーションがあって、エビデンスとしての研究成果があるんだねというのはわかるわけですよね。

評価というのは、何を評価しているのかということをもう少し明確にしないと、これだけ大きな組織ですから。私は文科省で日本原子力研究開発機構の評価をやっていましたが、やはりいっぱい出てくるんです。そういうのを全然評価しないと。マネジメントのエビデンスとしてしかそれは評価しませんよと。なぜこの成果が出るようになったのですかとしつこく聞いたのですけれど、やはりそこなんじゃないでしょうか。

木村委員長

松山委員のコメントですが、私は知り過ぎているということもあるのかもしれませんが、やはり変わったと思います。工技院の時代は、16の研究室がそれぞれが自分の好きなことをやっていました。それを大団結して、非常にはっきりした理事長のポリシーのもとに、とにかく研究成果を実用化するのだ、製品に結びつけるのだということでシステムをつくっています。

ですから、まさしく鳥井委員のいわれるとおりで、確かに松山委員がごらんになって、何も出ていないじゃないかという見方もあるかもしれませんが、根本的なコンセプトをかえたことによって随分業績は出ていると思います。

それから、研究者は変わっていないのではというご意見がありましたが、変わっています。私は人事委員会にも関係しましたが、50幾つのグループ長、ユニット長にだれをリクルートしてくるかというので、大議論をやりました。残念ながら、3割ぐらいしか成功しませんでしたが、それでも各部門にそうそうたる方を呼んでくることができていますから、私はかなり変わっていると思いますし、産総研らしいスタイルはでき上がっていると思います。

ただ、唯一、私も若干心配しているのは地域センターです。私はずっと経時的にみていますから、地域センターが確実に変わりつつあって、それぞれが特色を持ち始めているというのはわかるのですが、6人の委員のうち4人が新しい委員におなりになりましたが、そういう方々が今の断面でごらんになると、何だか性格はよくわからない、ということになるのは理解できます。経時的にみていますと、同じ地域センターも随分特色が出てきています。北海道などは非常にいい業績を出していますし、四国なども健康産業ということで非常に活発な成果が出ていますので、その辺は見方だと思います。

室伏委員

産総研は非常に大きな組織で、いろいろなことをやっているものですから、私も説明をかなりはしょってしまったことになって申しわけないのですが、人材育成のことにつきましては、今、木村先生がおっしゃったように、すばらしい方をリクルートするのと一緒に、若い方もそこで育っています。そして、若い方とお会いして、その方たちの現状を伺ったり、その方たちの将来についてのお話もしたのですが、かなりシステム改革は進んでおりまして、そのことがこの実績評価書に書いていないのがちょっとまずかったかなという気がします。システムはかなり改革されていて、そこで人材育成も進んでいるということをつけ足しておきたいと思います。

なお、男女共同参画の推進ということにも熱心でいらっしゃいまして、保育施設の充実や女性職員の採用比率を上げるといったことにも取り組み、男性も女性も働きやすいような環境づくりにも努力していらっしゃいます。職員の能力が最大に発揮されるような環境づくりと、若い人たちが伸びるような環境づくりということにもかなり前向きに取り組んでいらっしゃるということも申し上げておきたいと思います。

木村委員長

ありがとうございました。

それでは、特に全体の評価云々という話ではなくて、個々の評価の問題でございますので、部会の委員方とご相談して少し議論をしたいと思います。そういうことでお認めいただけますでしょうか。

ありがとうございました。

それでは、スケジュールについて事務局からお願いします。

波多野政策評価広報課長

手短にご説明させていただきます。

まず、スケジュールでございますが、資料11でございますけれど、今年度にあと3回お願いしたいと思っております。まず、8月24日の午前中ですが、これはNEDO、NEXI、中小企業基盤整備機構につきまして、本日行っておりません業績評価、組織・業務全般の見直しの案についてご審議をいただきたいと思っております。

それから、12月上旬に見直しの最終案、2月下旬に新しい中期目標、中期計画のご審議をお願いいたします。また、「経済財政改革の基本方針2007」で、独立行政法人については、ことしすべて見直しを行うということが決定されております。

この評価委員会のプロセスといたしましては、中期目標の見直しを行います3つの法人につきましては、この趣旨も踏まえて見直しをさせていただきたいと思います。その他8つの法人につきましては、独法通則法に基づかない見直しということになりますので、これは別途、事務的に作業を進めさせていただいて、場合によっては部会長の皆様のご意見をお伺いするという形で進めさせていただきたいと思います。

最後に、7月11日に総務省の政策評価独立行政法人評価委員会から中期目標終了時の見直しと業績評価についての総務省の評価委員会としての見方が発表されております。従来の方向性とそれほど変わってございませんが、本日ご議論いただいた関係で、2~3ご紹介させていただきます。まず、財務内容ですが、こういったものは非常に横並びでみやすいので、こういうものが特筆されているわけでございますけれど、先ほどご議論のありました欠損金の考え方が記載されておりまして、過去の欠損金であっても、その削減に向けてどういう努力をしたのかということを評価いただきたいということでございまして、欠損金がそのまま積まれているとやはり評価は下がるということでございます。

次に、随意契約につきましては、各独立行政法人は、去年の暮れからことしの初めにかけましてかなり改善をしていただいたわけでございますが、その改善があらわれますのは平成19年度、あるいは20年度でございまして、18年度の評価をしていただく際には、今の情勢からして、かなり厳しい評価をしていただくのがこういった関係では適切だと考えております。業務の効率化ですとか財務内容などはかなり努力をしていただいたところにBがつくという形でございまして、通常、Aはほとんど想定がされていないと思います。場合によってはCがつくところもあってもという感じでございまして、こういうところは本日ご議論いただきましたとおり、厳しい評価ということで今後ともお願いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

木村委員長

ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。

また次回もよろしくお願いいたします。

以上

 
 
最終更新日:2007年9月21日
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