経済産業省
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独立行政法人評価委員会(第40回)-議事録

日時:平成21年2月16日(月)15:00~16:45
場所:経済産業省第1特別会議室

出席者

木村委員長、青木委員、伊丹委員、岩村委員、小野委員、岸委員、坂本委員、鳥井委員、中林委員、早川委員、原委員、八木委員

議題

  1. 日本貿易保険の次期中期目標及び中期計画について
  2. 中小企業基盤整備機構の次期中期目標及び中期計画について

議事概要

  • 木村委員長
    それでは、時間になりましたので始めさせて頂きます。本日は、お忙しいところ、ありがとうございます。第40回の経済産業省独立行政法人評価委員会ということになりますが、よろしくお願いいたします。
    本日は、日本貿易保険及び中小企業基盤整備機構の次期中期目標及び中期計画について御審議いただきます。そのほかに報告事項など全体で2時間を予定しております。本日の議論につきましては、いつものとおり、資料及び議事録を公開することといたします。
    議事に入ります前に、経済産業省において人事異動がありましたので、御紹介を申し上げます。11月4日付で政策評価広報課長に稲垣課長が着任されております。何代目になりますか。
  • 稲垣政策評価広報課長
    7月以降3人目です。
  • 木村委員長
    最初の方から数えると10人を超えていると思います。これだけ頻繁に交代されるところは珍しいのではないかなと思います。それだけこの職がハードであるのか、あるいは皆さんが有能であるためすぐ引っこ抜かれるということか、どちらかもしくは両方だと思います。よろしくお願いいたします。

日本貿易保険の次期中期目標及び中期計画について

  • 木村委員長
    日本貿易保険の関係者の皆様に御入場いただきたいと存じます。
    それでは、議題の1番目から始めさせていただきます。まず、日本貿易保険の次期中期目標について事務局から簡潔に御説明をお願いし、引き続きまして中期計画について今野理事長から御説明をいただきます。では、事務局よろしくお願いいたします。
  • 岸本貿易保険課長
    貿易保険課長をしております岸本と申します。よろしくお願いいたします。
    日本貿易保険の中期目標について、まず簡単に御説明させていただきます。お手元に資料1-1、資料1-2ということで中期目標の(案)がございます。1-1はポイントでございますけれども、お配りしてございます。そちらを見ながら聞いていただけましたらと思います。
    日本貿易保険でございますが、最初にできた独立行政法人、しかも4年間で中期目標を設定してございまして、これは三期目の設定ということになります。留意すべきは、先般の独立行政法人改革の中で整理合理化計画策定の際に、平成22年度末までに政府全額出資の特殊会社に移行するということになってございますので、今回の目標につきましては、その計画に従って、特殊会社に移行するまでの期間の目標値ということで策定させていただいております。
    お手元資料1-2の冒頭のところに、貿易保険の背景などについて簡単に御説明させていただいております。貿易保険の特徴として、一期、二期とほとんど同じでございますけれども、貿易保険は昭和25年に制度発足したものでございますが、それ以来、日本企業の貿易投資を支援するということで、民間の保険では負担できないリスクをカバーしてきたということで、政策的にもさまざまな点から貢献してきているものでございます。
    特に今回の中期目標の策定に当たって、その2段落目のところでございますけれども、昨今の国際金融情勢、サブプライム問題に起因した世界的な金融不安、こうした中で日本企業の海外の貿易投資活動についても影響が懸念されるところでございます。貿易保険によってそれに対応していくという点が強く期待されているということで、今回の中期目標に当たっては、これがかなり大きなウエートを占めるものというふうに考えてございます。
    2点目の考慮事項は、その次の段落でございます。先ほど御説明させていただきましたとおり、独立行政法人は平成13年に創設されて、これまでも専門的かつ効率的・効果的なサービスを提供するという意味で非常に高い効果を上げてきたと認識してございますが、独立行政法人全体の改革の中で、経営の自由度と効率性をさらに高めるため、全額政府出資の特殊会社に移行するということになってございまして、それまでの間、今期の中期目標に基づいて効率性・効果性の向上に努めていくというふうに理解しております。
    そのさまざまな背景もございまして、先般、昨年の4月から6月にかけてでございますが、産業構造審議会貿易保険小委員会におきまして貿易保険の制度のあり方について審議を行ってございます。組織につきましては、今申し上げましたような特殊会社化等を踏まえて、より一層効率的・効果的な組織にしていくべきであると。さらに日系企業の海外活動が多様化している中で、サービスの向上についても保険商品の見直しなどやっていくべきだというふうな御指摘をいただいてございまして、そうした点につきましても、今回の中期目標の中に反映させていただいている次第でございます。
    ポイントだけなんですが、資料1-1にございますとおり、まず中期目標の期間につきましては、法律上、中期目標の期間としては3年から5年となってございますので、今回の目標設定に当たっては、3年間で目標設定をさせていただいてございます。ただ、先ほど御説明させていただきましたとおり、特殊会社への移行ということが予定されてございますので、移行した暁には、その前日までをもって中期目標は終了するという形で考えてございます。
    目標の中身につきましては、二期の中期目標と同じく3本柱になってございまして、サービス、その他業務の質の向上と業務運営の効率化、財務内容の改善ということになってございます。中身につきましては、後ほど中期計画の中でも触れられると思いますので、ポイントだけ御説明させていただきますと、業務の質の向上につきましては5本柱、1つ目が「商品性の改善」、2点目が「サービスの向上」で、具体的な数値目標も含めて業務処理の迅速化を図っていくという目標設定。3点目が、「利用者のニーズの把握・反映やリスク分析・評価の高度化のための体制整備」で、質を高めていく組織整備をきっちりやっていくということで、今回目標設定に当たりまして御指摘のございました内部統制の充実とか情報開示などについても反映させております。
    4点目が「重点的政策分野への戦略化・重点化」でございます。こちらにつきましても、昨今の金融危機の観点を加味いたしまして5本柱でございますが、1点目は金融危機への機動的な対応をきっちり行うということ。2点目が資源エネルギーなどの安定供給確保支援、これは第二期から引き続き行っていくということ。3点目は環境社会構築への支援ということで、第二期までは、どちらかと申しますと環境への悪影響がないように環境影響評価をきっちりやるというとらえ方だったわけでございますけれども、今期におきましては、地球環境保険制度というのを活用して、積極的に省エネ・新エネを推進していくという形にさせていただいております。4点目が、金融危機の対応とも表裏一体になってございますが、中堅・中小企業の国際展開支援というのを挙げさせていただいております。最後に5点目でございまして、これも第二期までにはなかった項目でございますけれども、昨今取組が進んでございます我が国の国産航空機の海外展開支援、原子力発電所の建設の海外進出支援、サービス、その他の分野における支援ということについても積極的に取り組むということで書かせていただいております。
    5点目が「民間保険会社による参入の円滑化」で、産構審などでも指摘のございました協調保険などについて取り組むことということで書かせていただいております。
    業務運営の効率化につきましても、行革の中での指摘を踏まえまして、業務運営については第二期中期目標期間において削減した水準以下とするということで、第二期の努力よりもさらに努力を進めていくということ。総人件費につきましても、行革推進法に基づいた取組を行うということ。給与水準、随意契約の見直しなどにつきましては、同じく行革の中で御指摘のあった点を踏まえて対応していくということで書かせていただいております。
    システムの開発につきましては、これは保険事業、リスク管理の観点からも極めて重要なことでございますけれども、既に開発した第四期システムにつき、保守・改造をやることによって効率化・迅速化を図っていくと書かせていただいております。
    財務内容の改善につきましては、財務基盤の充実と債権管理・回収の強化に引き続ききっちり取り組むと整理させていただいてございます。
    以上でございます。
  • 木村委員長
    続きまして、理事長よろしくお願いいたします。
  • 今野理事長
    日本貿易保険(NEXI)の理事長の今野でございます。
    ただいま保険課長のほうから第三期の中期目標の御説明がございましたけれども、私どもは、これを達成するという観点から第三期の中期計画を策定いたしました。これが資料1-3でございます。この項目立て等は、中期目標に沿いまして、いわば役所がつくられた目標を達成するという観点から整理して書かれております。これを全部御説明するのも時間がございませんので、むしろ現在の最大の課題といいますか、私どもが力を入れております、国際金融危機の中でNEXIが今どういう姿勢でこの仕事に取り組んでいるかに重点を置きましてまず御説明をさせていただきたいと思います。
    今回の国際金融危機は、文字どおり未曽有のものでございまして、まだ出口が見えてないというのが率直なところであろうかと思います。こういう中で、私どもは公的な輸出信用機関として、いわばどこまでセーフティーネットの役を果たせるのかという、それが試されていると考えております。同時に、私どもの財務体質あるいはリスク管理能力といったところの限界もまた問われていると思っておりまして、攻め、守り両面において、文字どおり正念場を迎えているというのが私どもの認識であります。そういう意味で、NEXIは今臨戦態勢にあります。
    こういう金融危機に当たりましても、私どもの基本的な構えというものを申し上げますと、3点申し上げてよろしいかと思います。1つはリスク管理を徹底するということであります。2番目は、徹底したリスク管理を踏まえた上ではありますけれども、保険の引き受けは積極的に行うということであります。3番目は、国際的な連携を強化するということであります。
    リスク管理のところから申し上げますと、もう既に保険事故はふえております。今年度、昨年の4月から本年1月までの累計で保険金支払いの金額を申し上げますと、金額ベースで前年同期の5倍になっております。件数で3倍、金額で5倍。金額で申しますと152億円に上っております。しかも昨年の10月以降、深刻な信用事故の報告がふえてきておりますので、これは今後さらに相当の勢いでふえていくと。どこまで行くかということは見えないというのが現状でございます。
    そういう中で、私どもはどういうリスク管理をしているかということなのでございますけれども、部内でよくたとえておりますたとえ方を御紹介させていただきますと、私どもはいわば大洋を航海する船でございまして、天気晴朗なときは、何人かの見張りが定期的に「異常なし」と報告してくれば事は済むわけでございますけれども、今は嵐でありますので、実際、手前のほうに大きな波が来ている、大波が来ているというのが見えたときには、まず全員が持ち場についておって、いち早くそれを見つけて、これを直ちに艦橋に報告して、艦橋では直ちに回避行動の指揮をとる。機関員は、早速そこで全員動くという体制がありませんと、船は波にぶつかって沈んでしまうわけであります。
    したがって、そういう意味でも私どもは今戦時態勢でございまして、現場のお客様と接する職員、あるいはカントリーリスク等を分析する職員それぞれ、明らかに異常だということではなくとも、これは何だろうかと思うようなことがあったら、直ちにイントラネット、部内のEメールで全員に回す。それぞれの責任者はこれを直ちに判断して、次の行動に移すということを徹底いたしております。事実、ほぼ連日のようにこの種のメールが飛び交っておりまして、1つのメールが例えば債権回収部門から出てまいりますと、与信管理あるいはカントリーリスク、こういったところから、それはこういうことではないかというレスポンスがすぐに出てまいりまして、多くの場合は、そういうことならそれでいいんだということで「異常なし」となる。それはそれで大事なことでありまして、その中から、実は「異常あり」ということで国の格下げをしたり、バイヤー、海外の企業の格下げをしたり、窓口を閉めたりといった対応行動をとるのが実は毎週のように出ている、こういう状況でございます。
    早期の対応というのはどうして必要かと申しますと、1つは、当然早目に動きますと事故に至らないで済む場合が結構多うございます。そういう意味では損害の極小化につながります。これは保険金をお支払いするのを少なくするというだけではなくて、お客様の損害自身が少なくなるという意味で非常に重要であると考えております。
    2番目は、仮に保険金支払い事故になりました場合でも、早目に手を打っておきますと後で回収がずっと有利であります。これは時間との勝負でございます。
    3番目に、状況をいち早く察知をしまして、私どもの格付を上げたり下げたり、あるいは窓口を閉じたりいたしますことは、ほかのお客様に対するシグナルになるわけでございます。ごく最近、先週も、ある中南米の有力な産油国の国営企業の格下げをいたしました。これは、日本の企業が行っている工事に対する支払いが遅延しておったからであります。格下げをしたら、すぐに現地の大使のところに抗議が参りました。現地の大使には、もちろん私どものほうから既に御連絡をしておりますので、大使のほうからは、どうして格下げをせざるを得ないかということをきちっと御説明をしていただきまして、もしこれを格下げしないでこのまま放置をしておくと、日本のほかの企業との取引に対して間違ったシグナルを与えるというようなことで、一定のルールのもとで例外のない行動をしていますということを説明していただきまして、それで引き下がっていただきました。早く延滞を解消していただければ、私どもの対応も急ぎましょうという御回答を大使のほうからしていただいたところでございますが、そういう日々のリスク管理やリスク対応について全社を挙げて行っているところでございます。
    2番目は、このようにわきは固めないといけないわけですけれども、私どもは保険機関、しかも公的な保険機関でありますので、こういうときこそセーフティーネットの役割を果たさなければならないということです。お客様方には、私どもは保険の引き受けリスクは拡大しますということを公言いたしておりまして、積極的に案件は持ってきてくださいと申し上げております。
    ただ、統計を申し上げますと、日本の輸出が大分減ってきておりまして、これを反映して若干減りぎみでございます。全体の保険の引受額はそれほど大きく減っているわけでもないんですが、一番影響を受けておりますのは、貿易一般保険と申します輸出に一番リンクした保険でございます。この数字をただいま申し上げますと、昨年の10月が、前年同月でございますけれども-8%。11月が-23%、12月が-42%という激減をいたしております。これは日本の輸出額も対前年同月で、10月が-8%、11月が-27%、12月-35%という勢いで減っているものですので、それに平仄が合っているといえば合っているわけでございます。ただ、私どもの現場の感覚から申しますと、多分保険のカバー割合、NEXIの保険のカバー割合はふえているのではないかと思われます。と申しますのは、従来、保険をお使いでなかったお客様も、むしろリスクが大きくなったということでNEXIの門をたたいていただいてもらっております。
    また、現在は全く民間市場も自由化しておりますので、民間の保険会社も参入しているのでございますけれども、これまで民間保険会社を使っていたけれども、ここに来て民間の保険会社が窓口を狭めたということで、NEXIのほうにカバーをしてもらいたいというふうに来られるお客様もございます。それが私どものセーフティーネットたるゆえんでございますので、どうぞ御利用くださいというふうに申し上げているところでございます。
    これに加えまして、マーケットの事情に対応しまして、新しい商品、新しいプロセスをいろいろ考えております。それを少し御説明申し上げたいと思いますが、資料1-3の後ろのほうに参考資料という1枚の紙がございます。この1枚紙に「金融危機に対する貿易保険の新たな対応」というのを書いてございますが、これは裏を返していただきますと中身がございます。ちょっとこれを御覧いただきたいと思います。
    四角いのがまず3つございますが、この左側の絵がいわば新しい商品でございまして、これは本邦海外子会社向けの貸付支援と称しておりますが、これはどういうことかと申しますと、この絵で申しますと、左の四角の絵の一番右の下に海外の子会社がございます。日本の企業は、今や多くの子会社を海外に展開をいたしております。この海外の子会社は、通常はその運転資金は現地で調達をいたしております。現地でCPや社債を発行したり、あるいは現地の銀行から借り入れたりする。その中にはもちろん邦銀の支店もございますけれども、借り入れたりするわけでございますけれども、何分ヨーロッパ、アメリカの銀行システムはほとんど機能不全でございまして、かつCP、社債等の発行もできないという状況は去年の秋以降続いております。そういう中で海外の子会社は、いわば貸しはがしに遭っているわけでありまして、運転資金を本社に求めてきているわけでございます。本社は、当然日本のメーンバンクに融資を求めるわけですが、日本の銀行は円資金は持っているのでありますけれども、特に最近になりますと、自己資本比率の問題でリスク資産を非常にとりにくい状況にございます。御案内のようにバーゼルIIのもとでは、このように株価が下がりますと自己資本の額が目減りいたします。かつ景気が悪くなって貸出先の企業の業績が悪くなりますと、今度はリスク資産の引き当てを増やさないといけないわけであります。両面から自己資本比率のスクイズがきいておりまして、日本の銀行も新しく運転資金を出してくれと言われても、そう出せないというのが実態でございます。
    これに対応しまして私どもは、従来、運転資金に対する付保は行っていなかったのでありますけれども、政府と相談をいたしまして、1年以上の運転資金を大量に貸し付ける、それについてリスクを大量に引き受けると。大量と申しますのは、とりあえず1兆円という枠を設定いたしましたけれども、海外の日本の子会社にこの金融危機の中で生き延びていただくというためのいわば呼吸をお手伝いするということに決定いたしました。この1月に決めたばかりでございますけれども、実は殺到しておりまして、1兆円と申し上げましたけど、この3月期までにそのうちの相当部分がはけてしまうというふうに考えております。これが一つの最近の金融危機に対する対応でございます。
    ついででございますのでもう1つ御説明させていただきますと、真ん中の箱を御覧いただきたいと思います。先ほど申し上げましたのは日本の銀行のリスク引き受け支援でございましたけれども、真ん中の絵は、日本の輸出者、商社、メーカー等の輸出企業の流動性支援でございます。この絵を御覧いただきますと、真ん中に輸出者とございまして、右側にバイヤーとございます。バイヤーは海外におるという想定でありますけれども、日本の企業が輸出をいたしますと、それに対して輸出代金の債権が発生するわけです。これに対しましてNEXIは保険を掛けるという仕組みになってございますけれども、NEXIの従来の慣行は、これはどこの国でも大体そうでございますけれども、この付保債権は輸出した企業に保有しておいていただくと、転々売買はしないでくださいというのが建前でございました。
    と申しますのは、これは万一事故が起きましたときには、輸出者に対しまして私どもは保険金を支払います。その後、今度は輸出企業の御協力を得ながら、借金を踏み倒した海外のバイヤーから回収をしないといけないわけでございます。その回収のパートナーが、輸出企業がいなくなっちゃいましてどこかの投資ファンドということになりますと回収ができなくなるものですので、従来は転々流通は困りますという仕組みでございましたけれども、この際、思い切ってこの制限を緩めまして、むしろどうぞ譲渡してくださいと。これは銀行に譲渡してくださいと。銀行に譲渡すれば、輸出企業は輸出債権を直ちに現金化できるわけでございます。流動性が手に入る。
    先ほどの回収のことでございますが、それは買い取った銀行と売った輸出企業と一緒に回収義務を履行していただきますという、日本の銀行の場合にはそういう約束をしていただけるものですので、連帯して回収義務を履行していただくという前提で、譲渡承認を積極的に行うというふうにいたしました。これがごく最近行っている、この1月にとりました措置でございますけれども、私どもはこれでとまるとは思っておりませんで、マーケットはどんどん変わってきております。
    したがいまして、ほぼ毎週のように銀行、商社、メーカー、輸出関係企業それぞれのレベルで、トップ、ミドルマネジメントあるいは現場の皆さん、いろんなレベルで意見交換の場を持たせていただいておりまして、マーケットの実態に応じて今後とも柔軟に、クリエーティブといいますか、いろいろ知恵を絞って、とにかく今のこの状況に皆さんに対応していただくようにしたいというふうに考えておるところでございます。
    以上は、いわば金融危機に対するマイナスの、防衛の信用付保でございましたけれども、実はこの金融危機は、ある意味では日本の企業にとりましてはチャンスでもございます。と申しますのは、これは非常に企業判断としては難しいところだと思いますけれども、世界的に資源価格が下がっておる、あるいは優良な企業の株が下がっておるということは、海外資産を買収する一つのチャンスでもあるわけでございます。当然今の円高というのも大きなファクターでございます。そういう中で、日本の企業はわきを固めながらも、出物をねらっていると言ってはあれでございますが、そういう企業も少なくございません。
    その場合にも、当然資金手当てということになりますと、銀行の先ほど申し上げましたリスク資産をとりがたいという状況の中にあるものですので、そういった場合には、私どもは積極的にリスクをお引き受けすると。日本企業の長い目で見た成長への布石、それに対するお手伝いをさせていただこうと思っているところでございます。
    3番目は、簡単に申し上げますと国際的な連携でございますけれども、現在はグローバルな危機でございますので、対応もグローバルでないといけないということで、世界の貿易保険機関と非常に密接な連絡をとり、お互いどのような対応をしているかということについて、いわば知恵を交換し合っているところでございます。その中で、NEXIとしましては単に相手から知恵をもらうだけではなくて、いろんな形で国際的なイニシアティブをとる努力をしているところでございます。
    1つだけ御披露させていただきますと、昨年の11月にアジアの貿易保険機関のトップに東京に来ていただきまして、そこで金融危機対応について協議を行いました。その結果、アジアの保険機関同士で情報交換をし、人材を育成し、また再保険協定というネットワークをつくって、お互い支援し合おうと約束をしたところでございます。現在、それに沿いまして、アジア8カ国から研修生が日本に来ているところでございますけれども、私どもの意識といたしましては、アジア全域、日本企業のいわばサプライチェーンのネットワークが張られているわけでございまして、これがどこかでこけても非常に困るということでございますので、アジア全体の貿易保険機関を支援しながら、日本企業のアジア全域に展開している活動を支援していきたいと考えているところでございます。
    以上が金融危機対応でございますが、最後に収支計画だけ一言御説明させていただきます。資料の1-3の中期計画の最後のほうに、3枚の別添がついてございます。これは予算計画、収支計画、資金計画でございます。これは独立行政法人のフォーマットにのっとったものでございますので、予算計画は、いわば現金主義の国の会計に即したような表になっております。別添2の収支計画は、どちらかといいますと企業のPLに近いものでございますが、3はキャッシュフローに近いものというふうに申し上げてよろしいと思いますが、この別添2の収支計画を一言御説明させていただきます。
    これは赤字の計画になっております。御覧いただきますと、純利益-167億円となっております。これは3年間の合計の金額でございます。したがいまして、これもこういうフォーマットでございますので、それに沿って書いてございますけれども、これは何を意味するかということを一言御説明申し上げますと、まず収益の部で正味収入保険料303億円とございますけれども、これを元受けの保険料に換算いたしますと、年間320億円元受けの保険料をいただくという前提になっております。これは第二期の平均の元受け保険料が360億円でございましたので、そこから10%減るという前提でございます。これは日本の輸出が減る等々の状況と、私どもがむしろ保険のカバーをふやしていくという努力と、両方を勘案した上で320億円と。こういうふうに想定で置いたわけでございます。
    問題は保険金の支払いでございますが、上のほうの経常費用の正味支払保険金を御覧いただきますと、390億円とございます。これは正味でございますので、かつ3年間でございますので非常にわかりにくいんですが、これを年間の元受けの保険金支払い、一体NEXIの窓口から出ていく保険金のお金は年間幾らかと考えているかということを申し上げますと、1,300億円でございます。実は保険金の予想は、ほぼ不可能といってよろしいかと思います。どの程度フラクショネートするかと申しますと、第二期の期中平均は75億円、100億円未満でございました。ただ、過去を振り返りますと、ひどいときには、1991年でございましたが、3,400億円年間に払っております。保険料の10倍、保険金を払っております。結局そういうことで、予測しがたい海外のリスクをとるのがこの仕事でございまして、予測しがたいので民間ができないというので国がやっているのが貿易保険でございますので、これについて予測をするというのは実は非常に不可能に近い仕事でございますので、むしろ一定の前提を置いて想定を立てるという作業になるわけでございます。
    私どもは今回の危機の想定は、アジア通貨危機の2倍強の保険金を払うという想定をいたしました。1997年、8年のアジア通貨危機のときには、支払い規模年間600億円程度払っております。今度はグローバルでありますので、より深く広いという前提で年間1,300億円と想定いたしまして、今回の数字にいたしております。これは本当の予想というよりは想定、一定の前提を置いた仮定でございます。貿易保険の性格上、このような作業をせざるを得ないということで御理解賜ればと存じます。
    以上でございます。時間を超過いたしまして恐縮でございました。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
    それでは、引き続きまして岩村部会長から、部会における審議経過について補足をお願いいたします。
  • 岩村部会長
    岩村でございます。部会の審議もございますし、事務局の説明、貿易保険の理事長の御説明も踏まえまして、部会としての考えておりますところをお話しいたします。
    今回は第三期の中期計画でございますので、御審議のためには第一期と第二期との比較も申し上げる必要があると思いますが、第一期の中期計画においては、基本的には国の業務でありました貿易保険を独立行政法人に切り出して、切り出すことの意味は何だろうかというと、国の信用に支えられてはいるけれども、業務の方法論としては、民間の保険会社あるいは金融サービスに劣ることのないサービスを設計しようじゃないかということで中期計画をつくり、また相当の評価まで得たと思います。
    そうした評価を得たからこそ第二期の中期計画においての主たる目標は、どちらかというと、サービスの向上そのものよりは制度設計ないし組織設計の話に大きくシフトしたなというふうに思っております。ここで大きく議論されたのは、貿易保険の特に民間でもできると思われておりました、過去形のほうがいいと思います、先進国向けの貿易輸出金融の民間開放、それから、ここまでよくやれているんだからやれるじゃないかということが発想の基本だったと思いますけれども、独立行政法人という組織を株式会社組織に変更したらどうかということで、この2つについても、どちらも第二期の中期目標期間中に相当の前進あるいは実質の実績の積み重ねはなしたと思っております。
    第三期でございますけれども、第一期、第二期とはまた様相が大きく変わってきたというふうに思っております。ただいまの事務局及びNEXIからの説明にもありましたように、かつてない金融危機あるいは世界経済の危機、もはや金融危機というよりは世界経済の危機だと思いますけれども、それにどう対処するか。一言で言えば、初心に戻ってという言い方がいいかどうかわかりませんけれども、初心というのは、独立行政法人になって初心という意味ではなくて、そもそもの貿易保険というサービスの初心に戻ってということだと思います。さらにいえば、やはり日本は貿易立国でございます。日本の経済を支える輸出をどのように守るかということが、今まで考えていなかったほどの重みでのしかかってきている、そういう計画であるというふうに御理解いただければいいと思います。今までは輸出、特に先進国向けの輸出というのは、民間開放の議論からもありましたように、あえて国が手を出さなくてもいい業務だというふうに分類されていたと思いますが、今やそんなことは言っていられない。
    そして、その目で見直してみると、輸出の構造も大きく変わってきてしまっている。かつて貿易保険という業務が国のサービスとして行われていた時代、特にその初めのころの時代、日本が国際経済に復帰したころの時代というのは、輸出というのは現地の輸入業者に輸出した輸出債権が回収できればそれでよしと、それが輸出のリスクであるという時代だったと思いますが、今や日本の製造業、日本の輸出産業の状況はそれとは全く異なっておりまして、現地にたくさんの子会社を展開している。単なる販売子会社ではなくて、金融子会社であるとか開発子会社であるとか、あるいは権利の管理会社であるとか、そういった会社を展開し、理事長の説明からもありましたように、そこが現地の米国においてはドルで、欧州においてはユーロで、金融をつけながら回っているという状態が今大きく崩れそうになっている。その状態の中でどういうサービスができるだろうかということについて知恵を絞り、やれることをやっていくということを考えなければいけない待ったなしの状態にいると思います。
    当然のことながら、危機に立ち向かうわけでございますから、財務は悪化すると思います。そういう観点から申しますと、第三期の中期目標において、あるいは中期計画において考えなければいけないことのポイントは、悪化する財務、かさんでいく保険金です。今、アジア金融危機の2倍というお話ではありましたが、これはあくまでも腰だめでありまして、そんなもので済むかどうかということ自体が大きな疑問でございます。そういう悪化する財務、かさむ保険料、そして、かつての国そのものではなくなっている貿易保険というサービスの形態にもかかわらず、いかにして日本の貿易信用の信任を維持するかということが、貿易保険においての大きな課題であると思います。リスク管理の徹底であるとか、あるいは要所をとらえた保険サービスの設計というのもそこにかかっていると思いますので、そういう形で3年間の業務計画を推進していってほしい。そして、それが推進されていくかどうかを監視する、あるいは評価するのが部会の任務であると考えております。
    以上でございます。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
    それでは、ただいまのお三方のお話について、御意見、御質問ございましたらお願いいたします。
  • 原委員
    貿易保険については、今、有用性はすごく高まっていると同時に非常に厳しい状況にあるというふうに感じておりまして、報道などでも承知をしているところなんですが、実際に中期目標は、これまでここでの検討というのは、次の年度を考えながら平時の対応でいつも評価をし、次の目標を組み立てていくというような作業をやってきているんですけれども、貿易保険については、1年前、半年前に議論していたような状況とはまた相当に変わってきているという感じがしていて、確かに重点施策分野への戦略とかという中、それから財務内容の改善というので、資料1-1の後ろのページの4に財務内容の改善と書かれている(1)とか(2)とかを超えるような話になるというふうに思っていて、とりあえず第三期の中期目標(案)で出されていますけれども、もう少し短期、例えば半年とか1年とかで内容について検討をしていくというような仕組みもとっておかれたほうがいいのではないかというふうに思いますが、それは経済産業省に聞くべきことかなとは思うんですけれども、いかがでしょうか。
  • 木村委員長
    その辺、いかがでしょうか。
  • 岸本貿易保険課長
    全く御指摘のとおりでございまして、目標を立てる段には、まさに企業でも中期計画とか立てていらっしゃると思うんですが、この時期に中期計画を立てる企業って大変だなと思いまして、部会の委員の企業の方にもお話をしたら、全くそのとおりで、企業の中でもこんな時期に立てるのはというような議論があったと聞いていますけれども、中期目標につきましては、制度としましては、目標について必要な改善をすべきであれば、そのときに改善を命じることができるという仕組みになってございますので、想定できない目標をいっぱい立てても仕方がございませんので、環境の変化に合わせて目標案を変えるときには変えていくということでないかというふうに考えてございます。
    それから、計画のほうですので理事長のほうからお話しいただいたほうがよろしいのかもしれませんけれども、計画の策定に当たりましても、日本貿易保険のほうからそういうお話がございまして、9ページ6.その他のところでございますけれども、一言、「本計画については、貿易保険はその運営が国際政治経済情勢の変化に的確に対応したものである必要があることから、今後、大きな情勢の変化がある場合には、機動的な対応が可能となるよう適時適切に見直しを行います。」という一文を入れていただいた次第でございます。
  • 木村委員長
    ほかにございませんか。
  • 小野委員
    大変難しい時期に今野理事長の立てられた御計画、ちょっと心配なので物の考え方を聞かせておいていただきたいんですけど、資料1-3の9ページの5番目、短期借入金の限度額というのを500億というふうに設けておられるんですけど、どういう考え方で限度額を設定されたのかということ。
    もう1つは、4番目に書いてあります人材の育成のほうです。危機対応の人材育成というのは非常に難しいテーマだと思うんですね。アメリカの証券会社がみんなつぶれちゃうみたいなときに、どうやって人材を育成するのかというのは、これもちょっと理事長の基本的なお考えみたいなものを御紹介いただければと。よろしくお願いします。
  • 木村委員長
    お願いします。
  • 今野理事長
    まず、借入金のほうでございますけれども、NEXIの現在の財務状況は、ここ数年の世界じゅうの金余りを反映して、回収が大変よく進みまして非常にようございます。一言で申し上げますと、NEXI発足当初、振込資本金が1,000億円でございましたけれども、今、資本の部合わせまして2,600億円ぐらいになっております。NEXIは90%を国に再保険を出しておりますので、単純に考えますと、2兆6,000億円まではいわばそのままお払いできるというわけであります。ただ、私どもはこの2,600億円を全部現金で持っているわけではございませんで、主に国債でございますが、公債で運用をいたしております。そうしますと、短期的にキャッシュが回らないことがあり得るわけです。現在はそれはございませんけれども、万一大型の事故がございますと、短期的にいわば国債を売るよりは、これは満期保有を前提に運用しているものでございますので、売らないで銀行からそれを担保にお金を借りて回したほうが合理的というのがございますので、それを目いっぱい見込んで500億円としたところでございます。
  • 小野委員
    銀行のセーフティーネットの枠みたいな考え方と考えていいんですか。
  • 今野理事長
    この500億円までは、実はそれ以上の預金をしているわけでございますので、いつでも借りられるということになっております。これはクレジットラインを引いていただいているかは、ちょっと私も専門の者に聞いてみないとわかりませんけれども、いつでも借りられるという状況になっております。
    専門人材はおっしゃるとおりでございまして、今、この危機が起きたからといって急に人は育成できるものではございませんので、NEXI発足以来、専門人材の育成に努めてまいりました。これはどういうことかと申しますと、NEXIが発足いたしましたときは、実は全部国の職員、あるいは一部の民間金融機関から出向してきていただいた職員でございました。プロパーの職員の採用をぽちぽちと始めまして、これも新卒を育成したのでは間に合いませんので、金融機関等の業務経験のある人をジョブマーケットから中途採用をずっとしてまいりました。現在、職員のうちの約半分が、この中途採用のいわばプロパー職員のになっております。
    これに対応しまして、私どもの人事管理制度も専門家志向のものをつくっておりまして、職歴15年ぐらいまではいわば年功で昇給いたしますけれども、その後はいろいろな専門分野ごとに経験年数に完成度を加味して、AとかA′とかタイトルをつけまして、それに応じて給与が上がっていくという仕組みを導入いたしております。かつ職員の研修を促すために、社内での研修制度、社外研修への助成制度、これは多分この種の機関では類を見ないんじゃないかと思いますけれども、手厚くいたしておりまして、ほとんどの職員が何らの形でいろいろな研修を受けてきております。そういうことで、まだできまして8年しかたっておらない組織でありますけれども、相当程度専門的なレベルは上がっているんじゃないか。これは国際的に比較しましても、今、よく国際交流をしておりますけれども、私どもの職員の専門に対する評価は、国際的にもそれなりのものをいただいているというふうに考えております。
  • 小野委員
    ありがとうございました。
  • 木村委員長
    ほかにございませんか。
  • 八木委員
    今御説明を伺いまして、特に最後の参考資料の御説明で(1)(2)(3)とございますけれども、企業にとってみますと、特にこの(1)(2)あたりは非常にきめ細かい配慮がなされているということで、喜ばしい施策だなと思っております。この(1)も(2)も、既に我々目の当たりにこういうリスクを感じておりますので、これからいろいろ利用させていただきたいと思うのであります。特に(2)の貿易保険の付保債権の流動化についてでございますけれども、これは、例えば金額の上限は契約総額、つまり付保総額と考えてよろしいんでしょうか。これは1つ御質問であります。
    もう1つは、これはお願いのような質問ですが、民間保険会社による参入の円滑化というのがうたってありますけれども、当初これが出たときは、ちょっとうたい文句ぐらいかなと思っていたのが、昨今、民間の大手はヨーロッパの取引信用保険会社と提携を結んで、既にこの領域に入りつつあります。ただ、少額で短期のものが多いので、とてもこちらのような大きなものは扱えない。ただ、この仕事を拡大したいという気持ちは民間各社にもあると思います。
    そこで、協調保険のことが書いてございますけれども、これについては、これからも積極的に進められるのか。損保会社からもいろいろ提案が出ているかに聞いておりますけれども、ゆくゆくまた日本貿易保険が株式会社になられたときに、今度はライバルになってしまうのかなと、こういうふうにも思うのでありますが、その辺についてこれからの姿勢をお伺いできればというふうに思います。
  • 木村委員長
    お願いします。
  • 今野理事長
    まず、債権流動化のほうでございますけれども、値決めは民間同士の話でございますので、輸出企業と銀行との間で決められることでございまして、私どもは特に制限を設けておりません。
    民間参入でございますけれども、もう民間参入は不可逆的に決まった制度でございますので、今後とも進んでいくと思っております。こういう危機のときになりますと、ヨーロッパでもそうでございますけれども、民間の損保会社がリスクを余りとれませんので、窓口を狭める。そうすると、私どもにお客様がふえてくる。これは、マーケットが普通に戻ればまた民間のほうへ戻っていく、こういう状況なんだろうと思いまして、そういうことでよろしいのだろうと思っております。
    協調保険は、真剣、まじめでございまして、実はこれまでずっと勉強してまいりました。特に協調保険は、保険を引き受けるのは簡単なんですが、保険金を払ったとき、特に払った後回収をするときに、だれがどういう割合で先取りするかというところが面倒でございまして、一度ほぼまとまりかけた話が、双方の弁護士がこれではだめだと言ってうまくいかなかったことがございまして、その経験を踏まえて、現在も勉強しております。実は今度はうまくいくんじゃないかという案件が今仕掛かりでございます。1ついいものを出せば、その後は続いていくんじゃないかというふうに期待しているところでございます。
    最後に株式会社でございますけれども、今回の行政改革の決定は、常時政府全額保有の株式会社、いわば特殊会社ということでございまして、この貿易保険のNEXIの業務そのものは、公的な信用機関、保険機関という性格は変わらないというふうに理解しておりますので、ライバルというよりは協調すべき関係というふうに考えております。
  • 木村委員長
    よろしゅうございますか。
    それでは、特に修正という御意見はございませんでしたので、次期中期目標及び中期計画については、当委員会としては、ただいま御説明いただいたものに対して異存ないと回答したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    それから、これは毎回申し上げておりますが、次期の中期目標及び中期計画は、いずれも現在財務当局等と協議を行っておりまして、今後若干の修正が入る可能性がございます。その修正については、私に御一任いただきたいと存じますが、よろしゅうございましょうか。
    (「異議なし」の声あり)
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
    それでは、日本貿易保険理事長、保険課長、ありがとうございました。御苦労さまでございました。

中小企業基盤整備機構の次期中期目標及び中期計画について

  • 木村委員長
    続きまして、中小企業基盤整備機構の関係者の方に御入場をいただきます。
    それでは、議題の2番目、「中小企業基盤整備機構の次期中期目標について」です。まず事務局から簡潔に御説明をいただき、続きまして前田理事長のほうから御説明をいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
  • 横田参事官
    中小企業庁参事官の横田でございます。私どものほうから、お手元の資料2-1に基づきまして、中小企業基盤整備機構の第二期中期目標の概要について御説明したいと思います。
    まず、この機構の中期目標、後で御説明します中期計画の策定に際しましては、伊丹分科会長のもとで平成19年の12月から6回にわたりまして、直近では先週の月曜日ですけれども、審議をいただいて、この原案を作成しております。第一期の中期目標の際には、この機構が平成16年7月に3法人が統合して設立されたということで、まずはその3法人の融和を図るということをベースにしつつ、全国に9つの支部を置きまして、職員を重点的に配置した上で、現場の中小企業のニーズに対応するということでやってまいりました。
    二期目の中期目標を策定する段階では、この資料2-1の上のほうに書いてございますように、現下の急激な経済環境変化に対する痛みの緩和ということが、5年間の中期目標期間のうち前半は特に重要な課題になるだろうと。それから、昨年の9月に閣議決定いたしました「新経済成長戦略」に基づきまして、中小企業の構造変化、新たな成長を後押していくということが、第二期を通して非常に重要な課題ではないかという認識のもとで目標を設定しております。
    まず、I.の「国民に提供するサービスの質の向上に関する事項」のところですけれども、ここにあえてまくら書きみたいなものを置かせていただいております。赤字で記載しているとおり、中期目標期間の前半においては、現時点で予見することができない不測の事態に直面するおそれがあるため、こういった問題については機構みずから迅速に対応するということです。これは分科会での御指摘を踏まえてあえて入れているもので、役所から指示を受けなくても機構の判断で迅速に対応していくということでございます。
    Iの中に大きく3つの柱を立てておりますけれども、これは中小企業基本法に基づく国の施策の柱をもとに書いてございます。最初の1.の「新たな価値を創造する事業展開の促進」というところでございます。先ほど申し上げましたように、特に現在急速に売り上げが減少している中小企業がございます。こういった中小企業の新たな販路拡大を支援し、、売れる商品づくり、ジェトロといった関係機関などとの連携を含めた内外市場の開拓ということで、中小企業のモデルとなるような成功事例を創出していくということ。そのベースとして、大都市圏や大企業等とのネットワークをつくる、あるいはマッチング機会あるいはファンドといったようなことで、ビジネスチャンスの拡大や新事業の取組を支援していくということでございます。
    2つ目に「経営基盤の強化」ということでございますけれども、全国自治体のもとにも中小企業の支援機関はございます。そこで中小機構は、そういったつながり力の中核機関ということで役割を果たしていくということ。(2)にございますように、施策情報サイトの運営とか、あるいは中小企業大学校を使った研修といったこと。最後に、中小企業は工業系もありますし商業系もございますけれども、連携・共同化の推進ということ、の3つの役割を果たしていただきたいということです。
    3つ目に「経営環境の変化への対応の円滑化」ということでございますけれども、この通常国会にも中小企業の再生支援に関する法案を出しておりますけれども、平成19年から中小機構は再生支援協議会の全国本部という役割を担っております。そういった面、あるいは再生ファンドというところで再生の支援を行うほか、今日の日刊工業新聞にも出ておりましたけれども、小規模共済、倒産防止共済について制度見直しの検討を予定しておりますが、こういった見直しが行われた場合も含めた機能強化、加入者確保ということでございます。最後に、地震あるいは台風といった災害に円滑に対応するための措置ということでございます。
    そのほか、期限が定められているような業務がございます。
    資料の右側に参りまして「業務運営の効率化に関する事項」ということで、第一期に続きまして「現場重視中心の組織運営」ということで、地域に重点的に職員を配置してまいります。人材育成につきましては、機構の職員みずからプロジェクト実施能力を持たなくてはいけないわけですけれども、全体のコーディネート能力を強化していくということ。現場の利用者の意見を踏まえた上で事業強化を行って、新たに対応していくということ。それから「業務運営の効率化」ということで、一般管理費、前年度比3%削減、あるいは総人件費、平成18年度から6年間で6%以上削減といったようなことに対応していくということでございます。
    最後に、III.「財務内容の改善に関する事項」ということでございますけれども、小規模共済のほうの繰越欠損金の削減とか、あるいは工業用水道施設、まだ機構が所有しているものもございますので、こういったものの早期移管に取り組むということでございます。
    以上が第二期中期目標(案)の概要でございます。
  • 木村委員長
    では、お願いいたします。
  • 前田理事長
    中小企業基盤整備機構の理事長をやっております前田でございます。引き続きまして第二期中期計画について御説明をさせていただきます。
    お配りしております資料の2-3というものがございます。お手元に開いていただきたいんですが、中期計画は少し分厚くなりますから、ポイントだけをここに書いてございます。主としてこれに基づきまして説明を進めさせていただきます。
    中期計画のポイントの1ページでございますけれども、まず計画策定の考え方というのが1.に出てまいります。この中の(1)は「現状認識と政府の基本方針」で、これは繰り返しをされているところでございますが、大変厳しい環境に中小企業が置かれているものですから、これからも引き続き中小企業の体質強化や成長する新事業への取組を政府としては促進したいと。これは構造的な部分でありまして、中小企業対策はそのほかに金融を中心とした部分がありますが、私どもはいわゆる金融機関ではございませんので、人・物・金のうちの人と物のほうを主として担当するところでありまして、構造変化に適応する部分を私どもが担当しているということであります。
    (2)の「中小機構の担うべき役割」のところに書いてありますのは、これまで私どもは中小企業の経営力の強化を支援するということに重点に置いてきましたけれども、これからの5年間におきましても、経営力の強化の支援というのは引き続き大変重要であるというふうに考えて、そこへ私どもの役割を求めております。
    しかし、そう言いましても、現在の経済状況というのが大変厳しいものがあるものですから、「中小機構の取組の重点」ということで(3)に書いてあります。1ページの一番下のところでありますが、私どもは中期計画の期間が5年間ということで、かなり長いものですから、そのうち特に今のように経済情勢が厳しい中にありましては、目標期間の前半において主として重点を置いてやるべきことを計画の中で書いております。大変厳しい状況にありますから、まずそれを把握して、それに対する対策を講じるわけですが、具体的に言いますと、これも後に出てまいりますけれども、例えば中小企業倒産防止共済の貸し付けであるとか、事業が下り坂に入ったときの事業の再生であるとか、売り先を求める販路開拓であるとか、農商工連携等々の支援を行いまして、これらは大変緊急を要する事業でありますから、体質の強化をそういったことで図っていきたいと思っております。
    2ページ目に入ります。ただいま私は前半のことを申し上げましたが、2ページ目には目標期間全体、5年間を通じて行うと書いてございますが、これは専門家を継続的に派遣したり、ファンドを通じたリスクの高い事業への投資といったようなことで、言ってみれば成長する新事業への取組に対する一貫した支援を行いたいと考えております。
    以上、考え方を申し上げましたが、いまひとつ具体的に述べたものが、次の2ページの大きな柱の2から書いてある具体的な業務であります。まず、第二期中期計画の期間の前半において重点的に取り組む業務といたしまして、「中小企業倒産防止共済における貸付けの迅速な対応」というのがございます。これは連鎖倒産を防止したり、例えば自分の取引先が倒産することによって自分も巻き込まれて倒産するとか、そういったものを防止するために共済制度を持っておりますが、現在のような不況期にありましては大変重要な役割を果たすことになります。これは、もう既に自分が積み立てた金を貸し付けてもらうわけでありますから、いわゆる金融審査というふうな時間的なものをとらないで、短い期間の間に迅速な貸し付けを行いたいと思っております。積み立てた資金の10倍程度を貸し付けるということであります。
    それから(2)に書いてありますのは、御承知のように、事業の再生というのが最近でも話題になっておりますが、そのための再生ファンドをつくって再生を支援したいということであります。
    (3)にありますのは、農商工連携、地域資源活用による事業化の支援ということでありまして、これは農業と商工業が手を携えて新しい製品を開発する、研究開発をやったりして開発をする、そしてそれを売り出す、こういうことでありまして、地域にあります資源や技術を使って新製品を生み出していこうということでありますが、その際、せっかく新製品をつくりましても、マーケットに売り込んで、マーケットから消費者の手元に届けるのが大変大切な仕事になりますから、その販路開拓の支援を行う専門家とか、あるいはバイヤーを紹介したりすることが大切になってまいります。商談会や展示会といったものを開催いたしまして、物をつくった側とバイヤーさんとの結びつきの場をつくったりしていおるわけでございます。
    その次に(2)にありますのは、第二期の中期目標期間の全般にわたって取り組むべき仕事を書いてございまして、1つは、目標の実現まで一貫して経営ノウハウを支援する。私どもの一つの特徴は、技術開発なら技術開発という一側面だけをやるんじゃなくて、ずっと初めからそれを最後のお客さんに売り込むところまで、いろいろな専門家を使いまして一貫して続けて支援するようなところも特徴になっておりまして、そういうことをやっていくということが(1)に書いてございます。
    (2)に書いてありますのは、リスクの高い事業に対する資金供給であります。例えばアーリーステージといいますか、成長の初期段階にある中小企業や新しい事業に取り組む中小企業に投資を行うためのベンチャーファンドなどのファンドをつくっておりまして、これを大いにつくっていきたいと思っております。
    それから、経営幹部に対する実践的な研修というのが3ページの一番上に(3)として書いてございます。私どもは中小企業大学校というものを全国に9つ持っておりますが、この場でいろいろな中小企業者の経営者や管理者に研修をしてもらいまして、全国の9カ所で1年間に大体3万3千人ぐらいが受講するようになっておりまして、実践的な研修を実施したいと思っております。最近の研修は、リーダーシップをどうやってとるかというようなことに人気が出たり、その時々でいろいろ変わったりするわけですが、そういう研修をやっております。
    3ページの(3)でありますが、そういったいろいろな事業をやるに当たりまして、私どもがどういう業務を実施する体制で臨むかという考え方を少し書いております。1つは、中小企業は全国に420万もあるというぐらい言われておりまして、大変、数が多うございます。とても単独でできるというようなことではありません。私どもは地域の支援機関、例えば商工会議所、商工会、都道府県、大企業や大学校といったところとも交流をして、連携しながら中小企業のための支援を行っていきたい、こう思っております。それが(1)であります。
    (2)は、最近では中小企業からの要望も、デューデリジェンスをやってほしいとか、昔でいう帳面をつけるとか税務対策をするとか、レベルが大分高いような要求もいろいろ出てまいります。私どもも、そういったところに対応して職員の能力を高めたいと思っておりますし、また外部の専門家とのネットワークを強化したいと思っております。
    (3)で書いてありますのは、現場を重視した組織運営ということでありまして、全職員の5割以上を各支部に配置したいと思っておりまして、それも優秀な人を配置いたしまして、全国の地元における中小企業のニーズを十分に吸い上げて対策を講じていきたいと思っております。
    以上でポイントについての説明は終わりますが、もう1つ、2-4という資料がその次についていると思います。これでいまひとつ、例えばという例示を示すような格好で具体的なところを申し上げておきますと、3ページをお開きください。3ページには、前に説明をさせていただいたところで「新たな価値を創造する事業展開の促進」というのがありますが、このちょうど中ほどのところに「マッチング率50%以上」という言葉が出てまいります。私どもは、このページ以降書いてあるように、数値目標を書きましてそれを目標にしてやっていきたいと思っているのですが、その例で言いますと、大都市圏、東京や大阪に対する販路開拓を支援してほしいという要望があったりします。そのときに、私どもが専門家を派遣して支援した件数、そのうち見積もりなどの商談に入ったところは何割ぐらいあったかというので、私どもは、目標にマッチング率は5割以上にしたいと。細かくまた支援終了後1年以内等々書いてございますが、例えばそういう目標をつくっております。
    それから、次の4ページを見ていただきますと、「経営基盤の強化」というところであります。下から2つ目の真ん中の枠のところに、これも「事業化率50%以上」というのがありますが、これは農商工連携とか地域資源というふうなことで、その事業を国が指定いたしましたときに、私どもがそれを育てていく支援をやるわけであります。国からの認定を受けて2年経過したときには、その商品やサービスを事業化した割合が50%以上を目標にしたいと思っております。
    次の5ページをあけていただきますと、「経営環境の変化への対応の円滑化」ということで例を1つ申し上げますと、これも中ほどの「目指すべき成果」というところの四角の一番下のところに、「契約者サービスの向上」ということで、先ほど申し上げました倒産の場合に、連鎖倒産等を防ぐために、自分の取引先が金を払ってくれない、債権を払ってくれないというようなときに貸付を行いますが、その貸付を審査する期間は短くないと役に立ちません。短ければ短いほどいいわけであります。それで、自分が積み立てた金の10倍程度を10営業日以内に貸付をするという、その10営業日以内に貸付を行える割合を80%以上に高めたいと思っております。第一期の目標、中期経営計画では、これが18日以内で80%という目標でありましたが、これをさらに10営業日に縮めたいと思っております。
    幾つか例を紹介いたしましたが、ついでにもうひとつ、6ページを見ていただきますと、「業務運営の効率化」というところで、先ほど申し上げました現場重視の組織運営、現場主義によりまして全職員の5割以上を重点的に支部に配置するとか、専門家を育てるとか、あるいは一番下のところには、これはほかの独立行政法人も同様かと思いますが、一般管理費をしかるべく抑えていくとか、交付金を1%以上カットするとか、こういうことが目標に書いてございます。
    以上、駆け足で御説明をさせていただきましたが、これを全部通して3点ほど、私は第二期中期計画の考え方のポイントを申し上げておきたいと思います。第1点は、第一期の5年間は今年度までですが、これは土台づくりの期間でありました。3つの法人が一緒になったものですから、相乗効果を発揮するように土台をつくってまいりました。全国各地に支部を置いたり、政策のツールを増やしたりといろんなことをやりました。そこで、第二期の中期目標期間は、この土台づくりが終わったという前提に立ちまして、私どもはサービス機関でありますので、サービスの質を向上させたり、あるいはその中身としては、地域ごとの産業構造などを反映した特色を出したりということで、サービスの質の向上ということの、いってみれば平面の上に厚みを加えるところを私どもはやっていきたいと思っております。立体的な構造にしたいと思っております。
    第2に申し上げたい点は、この計画が未曽有の経済危機の中に始まるということであります。したがいまして、そのために、特に5年間という計画期間ではありますが、中期の目標期間のうちの前半を特に私どもは大事にしていくといいますか、ぬかりのないように目を光らせていきたい、と思っております。
    3番目に申し上げたい点は、中小企業を私どもが支援するに当たりまして、各企業が危機を乗り越えることができるように、私どもとしてはスピードと情熱を持って業務に取り組む、これを経営方針にしたいというように考えております。
    私からの説明は以上であります。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
    それでは、伊丹委員、部会での審議状況等について補足をお願いいたします。
  • 伊丹部会長
    簡単に補足させていただきます。
    先ほど中小企業庁の横田参事官から御紹介がございましたように、この中期目標、中期計画に関する議論を分科会で始めましたのは1年も前のことでございました。まさかこういう経済状況になろうとは全く思わずに、6回ほど議論を重ねてまいりました。前半は、中小企業庁が中小機構そのものの目標をつくるにあたっての原案を議論するというよりは、機構の方たちに、自分たちとしてはどんな目標をつくったらより発展するだろうかということを現場から考えていただくこともプロセスとしていろいろ入れたりしまして、さまざまな議論を重ねてまいりました。結果として、本日提出されております中期目標と中期計画に落ちついたわけでございます。
    今、前田理事長からお話がございましたように、この中期目標、中期計画の5年間のうちの特に最初の2年間ぐらいはいろんなことが起きそうだと。そういった状況になったときの準備として、中小機構の任務の範囲内で最大限のことができるように、目標なり計画をつくっておくということで、先ほど横田参事官から御説明いただきましたように、わざわざ迅速に機構みずから中小企業庁の指示がなくても対応するということを目標の中に書き込んでいただくとか、あるいは中期計画の中にも、先ほど前田理事長が具体的な例を幾つか御説明になりましたが、緊急の対応をするということを色々な箇所に書いていただき、また具体的なことをお考えいただくということをお願いしました。そんなような結果で作成した中期目標と中期計画でございます。
    ただし、余り緊急性ばかりを言っておりますと、5年という期間がございます。したがいまして、本来この機構の責務でございます中小企業の体質改善だとか、あるいは新たな価値を創造する事業展開の促進への目配りが余り過少にならないような、全体のバランスをも考える必要があった、そういう計画づくりでございました。その結果として、今お聞きいただきましたようなさまざまな数値目標をつくっていただき、それもこの5年間のことを考えれば適切かどうか分科会としては判断して、これを今日の委員会に御報告する次第でございます。
    なお、この機構は、先ほど理事長からお話のございました共済において資産を持ち、それが、2割程度ですが、株式市場等で運用されております。したがって、そこでの評価損がかなりの金額出ておりまして、その繰越欠損金をすべて解消しろと言われると、とてもではないけど全くの絵空事の計画になりますので、そこは現実的に書いてございます。
    以上でございます。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
    それでは、ただいまの御説明に対しまして、何か御質問、御意見ございましたらお願いします。
  • 八木委員
    最後に伊丹委員がおっしゃった財務の状態でございますけれども、たしか7月のここでの評価委員会でも大分問題になったと思うんですが、今の共済勘定は、最初、この法人ができたとき9,400億ぐらい赤字があったと思うんですが、それが昨年の3月末で7,000億を割るぐらいまで減らされました。ただその後、今のお話があったように、厳しい状況が続いているので、またちょっとふえているんじゃないかなと心配しております。如何でしょうか。お聞きしたのは、赤字の増加が今いろいろ理事長以下でお話しになった施策の展開に悪いほうへ影響しないかと思うからです。ここの中にある収支の計画が、5年間で3,000億程度プラスになるということで出ておりますけれども、そうなると、大分回復に時間もかかるので、そういう意味での制約がないのかなと、これがちょっと心配な1つです。
    もう1つは、お願いというか質問なんですけれども、企業倒産が非常にふえているということで、中小企業の倒産防止に対応のスピードアップとかいろいろやるんだということをおっしゃいました。それは非常にいいことだと思うんですが、やはり企業がそこまで追い込まれるというのは理由があるわけなので、その瞬間にお金を出すだけで終わるんじゃなくて、その根本のところをきちっと正すような施策をお願いしたいのです。これは、御説明になった前向きの施策がここに役立つとは思うのでございますけれども、やっぱりその場その場の厳しい状況に合ったサポートというか、そういうものがそれこそ必要になると思うのであります。これはぜひ的確な対応をお願いしたいと思います。次に「ファンド」という言葉が結構いろいろ出てまいりました。私のイメージのファンドというのは、非常に短期的に効果を求めるという性向がありますので、これは逆に心配です。中小企業といえども企業の体質を変えるというのは、そう簡単ではありません。ファンドを呼び込むにしても、そこら辺をよく配慮された運営が必要なのではないかと思います。
  • 前田理事長
    私から、ただいまの御意見に対しまして若干の説明をさせていただきたいと思います。後者につき、先ほど伊丹分科会長は、数字について余りおっしゃいませんでしたが、実は金額でいいますと、かなりの額になっております。これは日々変わるものですから、今日言ったのがどうかわかりませんけれども、想定していなかったペースで増えてきております。しかし、まず第1に申し上げたいのは、キャッシュフローにつきましてはそれだけ累損がたまっておりますが、支払いが通常必要なのが年間数千億ありますが、その倍ぐらいのキャッシュフローは常に用意されておりますので、いわゆる企業運営からいいますとキャッシュフローのほうは大丈夫だということです。
    それから、3千億円ぐらいを5年間の間に改善するというのは、実は私どもは金融の専門家の方々に運用委員会というのをつくってもらっておりまして、そこで、どういうふうな運用をするか。私どもの運用方針は、どちらかというと安全サイドにかかっておりまして、いわゆるリスク資産としては7兆5千億ぐらい現在あります。そういう運用資産のうち2割、最近は額が減りましたからもう少し下がっているかもわかりませんが、リスク資産はそれぐらいの割合にとどめるということで、他の運用機関と比べると安全サイドにかかった運用をしていると思っております。株式の値下がりと円高が最近の損を膨らませたということであります。ただ、これは閣議でも、効率的かつ安全な運用にも努めることということも同時にかかっておるものですから、引き続き委員会の意見を聞きながら、しっかりとした間違いのない運用に努めていきたいと思います。
    当然のことながら運用は中長期でありまして、ある共済の金は、自分の退職金の積み立て等ですから、平均のメンバーになっている経営が17年間とか大変長い期間であります。したがいまして、私どもはそれにふさわしいきちっとした安全かつ効率的な運営に努めていきたいと思っております。
    2番目の体質改善のところであります。ここに書いてあるさまざまな数値目標に基づきまして私どもも施策を講じてまいりますが、私ども機構の特徴といいますか支援の特徴というのは、大企業と比べますと中小企業の場合には、相手の手も借りたいぐらいたくさんあるわけです。大企業と比べると、人も余りよくない、資金もだめだ、情報も少ない、いろいろあります。しかし、私どもの相談の姿勢というのは、そういう足らないところを言い出せばまた切りがないわけでありますが、できるだけ中小企業が持っているものを1つでも2つでも探して、少ないけれども探し出しまして、その持っているものを何とかビジネスに結びつけていくことができないかというような、足らないところを指摘するというのではなくて、持っているものをどう生かせるかというところの相談姿勢を基本としておりますので、そういったことで先ほど来のいろいろなことをやっていきたいと思っております。
    3番目のファンドの運用でありますが、おっしゃるとおり、最近、ベンチャーキャピタルのほうもアーリーステージに対する供給が少し下がっておりますが、私どもは、その点は国に準ずるものでありますから、中期的・長期的な視野を失わずに、例えばバイオのファンドのようなところをやってみますと、特にまた時間がかかったりしますが、それに応じて、じっくりとした腰を据えた運用をしていきたいと思っております。もちろんファンドをつくるときには、それぞれ何年間ぐらいというのがありますが、そう短期でもありません。
    以上であります。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。ほかにございませんか。
  • 鳥井委員
    機構が実際にどうなっているかということをよく知らないで申し上げるんですが、私、たまたま最近、政策と現場との間にいるというところを経験して一つ感じることは、バイナリの人間は現場のことを一番客観的に見ているんですよね。それが本当に政策に反映する仕組みになるかというと、意外となくて、なぜそれがないかというと、政策をやっている側が聞く耳を持たないというところもあるかもしれませんが、それ以上に中間にいるところが、ふだん見ている支援対象といったところについてのデータを、過去の経験をきちんと分析してないというところにあるような気がしようがないのであります。
    そこのところをきちんと分析をすることによって、非常にたくさんのデータをお持ちなのだろうと思うので、中小企業は非常に多様ですからいろんなことが必要だと思うんですが、中小企業に対する支援、こういうインプットを与えたらどういうアウトプットをしたかというようなたぐいのデータをうまく活用することで、政策提言ができてくるはずだというふうに思うのであります。これはすぐに、今日やったから明日出てくるというものじゃないんですが、過去のデータも含めて、そういうことをきちんと詰めて研究をしていくというのでしょうか、そういう機能というのを少し中間にあるところが持たないと、知的な証拠に基づいた政策というのがなかなかうまく出てこないという感じがしています。これは別に中小企業機構だけの話じゃなくて、日本中がそうだという感じがするわけでありますが、特に中小企業の場合は相手がたくさんあるので、その辺、少し目標というか計画の中にでも盛り込んでいただいて、ものすごくたくさん人を突っ込んでこの時期にやれという話ではないんですが、地道にこれが続いていくというようなことを少しお考えいただくと、それこそ伊丹委員というまさにすごく良い方に部会長をやっていただいているわけですから、その辺の御指導もいただくというようなことも考えられるんじゃないかというふうに思うのであります。
  • 前田理事長
    ありがとうございました。伊丹分科部会長からは常日ごろ非常に御指導いただいておりますので、5年間を通じて、あるいはその先も御指導を受けたいと思っておりますが、ただいまの御意見は、現場の意見を政策に反映していく、対応していくというところでございます。私も実はそのとおりだと思っております。私どものいわゆる専門家と言われる人は、外部の専門家が、常に雇用している人ばかりではございません、登録している人もいますが、3千人とか4千人おられまして、必要に応じて、その方たちにお願いして働いていただいているわけであります。しかし、私どもは一番基本になる現場の声を上げる基本は、現場主義でやりたいと思いますが、支部が9つありまして、支部の人間の頭の中も含めまして人事を充実させていくということ。半数はそちらに回しますけれども。それで、たとえば、ついこの前から定例化しようということで今議論している一例を申し上げますと、それぞれ支部と地元の社長さん10人とか12人ぐらいの対話を行い、そういう対話の中から直接社長さんの声を吸い上げる、小さい企業の社長もいろいろいますから。そういうのができかけているとか、あるところでは、そういう社長の中の生の声で先のものが出てくるのは、先ほど私は再生の支援と申し上げましたが、再生支援のときには、第二会社方式とかいろんなことで会社を買ったり売ったりすることがその中に出てまいります。そのときに、どうも再生になるような前から、あの会社を買いたい、売りたいというふうな、M&Aみたいなものをちょっとやりたいんだけれども、デューデリジェンスをやる必要があって、自分の会社の値段がわからない。聞きにいったらメガバンクは、自分たちは、小さいからおまえたちのはやっていられないと言うし、小さい金融機関に行くと、今度は能力がないと言うし、機構のほうでそういうデューデリジェンスをやるような人を、困るまで待ってなくて元気なうちからそういうことができる人を紹介してくれませんかとか、そういう声が飛び込んできたり、現場の生きた声がいろいろ飛び交っております。それに限らず、私どもはそういう努力を今後ともやってまいりたい、と思っております。
  • 木村委員長
    どうぞ。
  • 鳥井委員
    今おっしゃるようなケーススタディ的な議論というのは、多々入ってくるそのうちの非常に重要な議論だと思うんですが、もう1つ統計的にきちんと処理のできているデータというのもお忘れなくお考えいただけると、できれば両方あわせてどこかの学会で発表できるというようなことがなされると非常に良いなというふうに思う次第であります。
  • 木村委員長
    ありがとうございました。
  • 小野委員
    質問なんですけれども、2-3の資料の2ページ目の真ん中ぐらいに書いてある再生ファンドというのと、一番下のところのリスクの高い事業に資金供給、このファンドというのが2つ出てくる、ほかにもあるのかもしれませんが。質問としては、今回どのくらいの金額をイメージされておられるのかということをお聞きしたい。私ども大企業、足元1-3月の生産状態というのは大体5割ぐらいの減産状態で、4-6とか7-9もそう簡単に回復するというふうには見えないんですね。年間通じると3割ぐらいの売り上げの減少とか、そういう事態になっているんじゃないか。前半2年と言われたけれども、2年ということじゃないかもしれない。もっと長くかかっちゃうかもしれない。大企業のこの決算も随分、自動車、電機、赤字の決算ということですけれども、これからまた中小企業のほうに人の問題や在庫の問題も反映していくんじゃないか。そういう意味では非常に深刻に我々もとらえざるを得ないので、心配しているんですけれども、そういう意味では神様の救い手がおありになるわけで、どのくらいの規模で対処されようとしているのか、御議論されているところを御紹介いただければありがたいと思います。
  • 前田理事長
    まず、タイプが2つ3つに分かれまして、1つは、投資型であるファンドをつくって、そのファンドを直接相手方の企業に、株式に投資するという形と、もう1つは基金型といいまして、基金にして、もっと言うと、いろいろな利用ができるように運用益をもっていろんな事業に当てるという、これは都道府県などと私どもが一緒にやるケースが多いんですが、そういう基金型。もう1つは、震災が起きたときに、能登沖の地震とか中越沖の地震があったりするときに、何百億というオーダーでファンドをつくるようなケース、これは特別な異例のケースとしてございます。
    ただいまお話がございました再生ファンドだけの例で一つ言いますと、今ファンドの数が16ぐらいありますが、これは企業が再生する過程でいろいろ金を注ぎ込んで新しい第二会社を再生でつくるといったときに、その会社の債権を放棄するほうじゃなくて新しい会社をつくるときに、そこの基金をもって出資をしてあげるとかいうことで、私ども機構として現在230億円ぐらいをお出しするということで、16ぐらいのファンドをつくっております。相手方もあることですから、ファンドの額は500億ぐらいになるわけでありますが、私どもはそれぐらい持っている。
    それから、ファンドは全部でどのぐらいあるかといいますと、投資型のファンドで130余り、基金型は都道府県と組んでやったりするのですが、これが50ぐらいでかなりの数がございますし、そのファンドも地域の信金、信組のようなところと組んでやるファンドもあれば、全国的なもう少し大きなところと組んでやるのもあります。
    それから、先ほど御心配の、2年で終わらない、長く続くかもしれないということは、私どももそういう場合は、今ここに書いてありますのを前半でやめるという趣旨ではございませんので、特に緊急を要するところは、始めるときに気をつけて重点的にやりましょうという意味で、これは後でやめてしまうという意味ではございません。ファンドですから、何年間もかけて案件に投資したりするものですから、時間がかかると思っております。
  • 木村委員長
    ほかにございませんか。
  • 小野委員
    大変難しいと思いますけれども、民間の資金が借りられないような中小企業の方がたくさんおられますので、ぜひ政府の機関としての中立的なお立場できめ細かい御指導をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
  • 前田理事長
    承知いたしました。
  • 横田参事官
    中小企業施策としては、機構のほかに政府系金融機関あるいは信用保証協会という制度がございまして、ちなみに昨年末から緊急保証制度を初めとする中小企業の資金繰り対策をやってきておりまして、先週ぐらいまでに約30万社、7兆円弱ぐらいの資金繰りにつながるような保証なり融資を行っているということでございます。中小機構とあわせて、中小企業対策全体としてそこはしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
  • 小野委員
    余計なことを言いますけど、例えば商工中金がお貸しになっているところって優良企業なんですよ、同じ中小企業の中でも。もっと下があるんですね。だから、地銀、信金にお金も貸してもらえないような企業がたくさんあると思うんです。そういう意味では、今7兆円と言われましたけれども、もっと大変なことになっていそうですねということなので、よろしくお願いしますという意味です。ありがとうございました。
  • 横田参事官
    日本政策金融公庫の中には旧国民金融公庫部分もございますし、各県の信用保証協会をお使いいただいているところについては、企業の規模も非常にばらつきがありますけど、小規模企業含めて御利用いただいていますし、マル経融資といった小規模企業専門の融資制度もございますので、いろんな制度を組み合わせながら対応していきたいと考えております。
  • 木村委員長
    よろしゅうございますか。ありがとうございました。
    御注文は出ましたが、特に次期中期目標及び中期計画について変更すべきであるという御意見は出ませんでしたので、当委員会としては異存ないと回答したいと思います。よろしくお願いいたします。
    これも、日本貿易保険の場合と同じく財務当局との折衝がまだ続いておりまして、若干の修正があるかもしれませんが、その場合は日本貿易保険同様、私に一任ということでよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
    それでは、どうも理事長、参事官どうもありがとうございました。

平成21年度のスケジュール等について

  • 木村委員長
    最後になりますが、事務局から「平成21年度のスケジュール等について」の説明をお願いいたします。
  • 稲垣政策評価広報課長
    それでは、今後のスケジュール等について御説明させていただきます。お手元の資料3をいただきたいと思います。
    今年度は、昨年度にNEXI、中小機構の前倒しの実施した関係で見直し作業はございませんでしたけれども、来年度は産業技術総合研究所の見直しがございます。そのため、資料3に書いてございますように、例年通りのさまざまな業務実績評価等々に加え、産総研についての業務説明、あるいは6月には各独立行政法人の現地視察、引き続いて8月に産総研についての業務・組織見直しの当初案、12月上旬に最終案の御審議をいただきたいと思っております。また、最終案につきましては、例年どおりでございますけれども、本委員会の御審議を経た後に政府の行政改革推進本部における決定事項となります。それを経て、2月下旬には、これに沿った産総研の次期中期目標、中期計画について御審議をいただきます。
    なお、御案内のように、独法通則法についての改正案が現在国会に上程をされておりますが、継続審議中となっております。当面、引き続き皆様にはお世話になるのではないかと思いますので、よろしくお願いをいたします。
    それから、2点御報告でございますが、まず、お手元の参考資料1を御覧ください。これは昨年の7月、11月に御審議をいただきました、各独法の評価に対する総務省の政策評価独立行政法人評価委員会の2次評価でございます。法人によっては細かい指摘がございますので、資料を御確認いただければと思いますが、別紙3を御覧ください。
    総務省の委員会から「分かりやすい評価に向けて積極的に取り組んでいる評価委員会の例 評価委員会名 経済産業省独立行政法人評価委員会」ということで、本委員会におけるいろんな各独法の評価、横並びと評価できるようなさまざまな工夫、取組について非常によくやっていただいているということで高評価をいただいておりますので、御報告をさせていただきたいと思います。
    2点目でございますが、参考資料2と3を御覧ください。産総研、NEDOの中期計画の一部変更でございます。それぞれ部会で既に御了解いただいておりますけれども、平成20年度の第2次補正予算で決定されました生活対策関連の取組のために、両法人に追加で運営費交付金が措置をされております。この運営費交付金を使う事業に要する部分を特定するために、中期計画を一部変更してございます。
  • 木村委員長
    よろしゅうございましょうか。本日は、どうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

以上

 
 
最終更新日:2009年4月3日
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