経済産業省
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独立行政法人評価委員会(第41回)-議事要旨

日時:平成21年5月26日(火)10:00~11:30
場所:経済産業省本館2階西8会議室

出席者

木村委員長、荒牧委員、伊丹委員、内山委員、小野委員、梶川委員、岸委員、小泉委員、中村委員、早川委員、原臨時委員、平澤委員、森田委員

議題

  1. 独立行政法人産業技術総合研究所の業務等について
  2. 独立行政法人を巡る最近の動向について
  3. 経済産業省独立行政法人評価委員会運営規程第二条第二項に基づく報告について(日本貿易保険及び中小企業基盤整備機構の中期目標及び中期計画について)
  4. 今後のスケジュールについて

議事概要

1.独立行政法人産業技術総合研究所の業務等について

資料に沿って産業技術総合研究所(産総研)から説明を行った後、委員から以下の質問があった。

  • 委員
    人員計画の達成状況はどうか。研究職員2348人に対して事務職員690人は多すぎないか。
  • 産総研
    資料の研究職員数には契約職員や外部研究者等が入っておらず、それらを入れると実際の研究者数は6000名以上となる。実際には常勤職員の倍ぐらいの研究者が滞在している状況となっている。事務職員は産総研発足当時の約900名から、現在は690名まで減らしたところ。つくば地区では相当の合理化を進めてきたが、地域センターの窓口機能など必要なものもある。
    また、研究所はリスク管理が重要となっている。事務職員はそうした役割も担っている。効率化は忘れてはいけないが、安全やリスク管理等も重要である。
  • 委員
    産総研における人材育成は貴重な試みであると評価。今回の試みと継続した予算と補正予算の関係はどうなっているのか。継続的な資金確保を考えられないか。
    また、人材育成については、全国の大学も同じ認識を持っている。特にポスドクが将来的にフリーターを育成しているのではないかという危惧も持っており、こうした点をどうするかずっと考えている。イノベーションスクールはなかなかいいアイデアだと思うが、もう少し詳しく説明して欲しい。
  • 産総研
    イノベーションスクールについて。昨年度からの現下の経済情勢もあり、今年度約200名程度受け入れる予定。イノベーションスクールが動き出したのはこの経済危機が始まる前の一昨年から。昨年度については10名を受け入れた。このような中で、たまたま昨年秋の経済危機があり、一気に補正予算のご支援をいただいて200名弱という規模に拡大はしたが、私どもは当初より、経済危機にかかわらず中長期的に取り組みたいと思ってやらせていただいている。
    ポスドクに関する認識はご指摘の通りであり、現在の日本のR&Dを支える貴重な人材であるにもかかわらず社会的ステータスが不安定という矛盾がある。これを解消し、より広い視野をもって、産業の連結点となるような人材の育成を目的としている。
  • 委員
    産総研ではそれぞれの直近の技術開発課題と、地球温暖化対策のような中長期的な課題とをどのように組み入れていく仕組みになっているのか。
  • 産総研
    環境等に関する中長期的な視点については、産総研ではまさに今、持続的な発展可能な社会ということを前面に出してやっている。具体的には2つ。
    1つはエネルギーを創る「創エネ」。太陽電池やその規格標準化への大きな貢献、ケミカルを使わずに木材からエタノールを作るバイオマス、あるいは100度以下の低温工場排水などのエネルギーを有効に使う地熱発電等。
    もう1つは「省エネ」。典型的には半導体チップの消費電力を逓減させる技術の開発を行う「ドリームチップ」という国家プロジェクト等は産総研が中心となってやっている。また、パワーエレクトロニクス関係では、産総研では昨年の12月から炭化珪素(SiC)という材料を使ってシリコンの性能の10倍から100倍高い大電圧のデバイスを作るプロジェクトを、電機メーカーと連携して始めている。
    それ以外にも、「省資源、省エネルギー、省廃棄物」という持続的発展社会に必要な3つの要素を指標化し、今開発している技術がその指標で見たときにいい方向に向かっているかを戦略に書き込む等の取組を行っている。さらに、社会との関係では経済省がやっている産業技術ロードマップにも産総研研究者が大挙して参加し、国全体の省エネ化、エネルギー創出の技術開発に貢献させていただいている。
  • 委員
    産総研は日本の産業分野においてR&Dで多くの業績を残していることは高く評価できるが、最近の世の中の方向として欧米などでは技術をいかにシステムに組み上げていくかを中心に産業育成を行う流れが強くある。
    日本の産業育成は、要素技術の開発も大事であるがシステム化によって産業をどう育てるかという視点も大事。
  • 産総研
    日本の産業の特徴を考えると、1つ1つの技術レベルで見ると決して負けてないのだが、それが事業のシステムとなる場合にはどうしても日本はボトムアップのアプローチになる。
    標準化の提案でも、日本は要素技術の提案の方がより良いものが多い。できるだけR&Dの早い段階から大学や産業界が連携して、これを世界にどう提案していくかというところから取り組まねばならない。
  • 委員
    産総研の担当する仕事は2つのカテゴリーに分けられると思う。1つは市場が成立していて、市場の中で活躍する企業が産総研の成果を受け取ってものにしていくという場合。もう1つは、市場が成立していない、あるいはしにくい社会的課題に対して成果を実現していく場合。
    前者は産総研のこれまでの努力の中でずいぶんいろんなシステムができてきているが、後者の社会的な課題に取り組むという点に関しては、まだ十分ではないのではないか。こうした問題に取り組むには、今までのように産業界との連携だけで済ませるのでなく、社会の中のさまざまなアクターとの連携が必要になる。どのようにして大きなミッションを実現していくのかということに関して、さまざまな仕組みをこれから展開していくことが必要だと思う。
  • 産総研
    市場性がはっきり見えないが社会の存続のためにどうしても必要、という課題はたくさんある。
    大学と民間と官の研究の意義ははっきりと分かれている。大学は学問的な欲求を満たすことで行われるとすると、民間は経済合理主義、市場性があるかどうか、経営に貢献するかという観点。
    官の場合は社会が持続するために、社会が安心安全であるためにという課題と、もう1つ重要な課題として「育てる、先導する」ということがある。これまでも明治以来やってきているが、R&Dがスピードアップして多種多様な材料等が生まれてくる時代となって、責務は非常に大きいと思っている。その成果が既存のマーケットがエスタブリッシュした分野に対しても産業の基盤として大きな貢献をすると思っており、日本の中でそれをやるのは産総研しかないつもりで取り組む必要があると思っている。
  • 委員
    IMDの競争力では日本の科学は2位、技術は16位。要素技術は日本も強いが、実用化の多くはアメリカで行われている。実用化するのはほとんどがベンチャー企業である。
    フラットな組織に興味を持っているが、産総研のように大きいところで50ぐらいフラットな組織をつくっているとのことだが、うまくいったという理解でよろしいか。
  • 産総研
    フラットな組織形態は、大変うまく行っていると考えている。
    産業化への出口のところでもっとスムーズに、もっと大きく捉えたような活動ができないのかは第3期中期目標期間に向けて議論すべきと思っている。フラットの良さを生かす部分と、もう少し成果を大きく実らせる仕組みとを、どういう風に橋渡しするのが適当かという議論を深めているところ。
  • 委員
    研究戦略の中にベンチャー創出というテーマがあるが、平成14年から創出されてきているけれども、今どういう風に育っているのか。
  • 産総研
    ベンチャーの現状は、参考資料のグラフをご覧いただくと、20年度実績で98社まで起業している。現在までに廃業や事業買収で業態が変わっているものもある。ただ、随分と育ってきているベンチャー企業もいくつかあり、これからが本番だと思っていただきたい。
  • 委員
    3つのミッションが書いてあり、どれも大事だが、順序が違っていないか。例えば産総研の社会化ということが十分あってしかるべきことだと思うが、それは本当に第1順位であっていいのか。そもそも蓄積が深くないところに、社会が活用しようとする動機が生まれるだろうか。
  • 産総研
    研究所であるので、御指摘の通りだと考えている。この順序はビジョンとしてまとめて全体を描く順序。マネジメントに当たっては、産総研の予算を生かしながら、さらにもっとレベルの高い貢献をできるようにということで、しっかりと考えていきたい。
  • 委員
    今回理事長がアメリカに行かれて、色んな機関のトップの方とお話しされたと思うが、アメリカ側が日本に何を期待しているのかということを教えて欲しい。また、アメリカが研究している中で、日本が学ばなければならないとお感じになったことをお聞きしたい。
  • 産総研
    米国の国立研究所は少し元気が出てきている。オバマ政権になって、長期的な視点を入れた対策をしなければならないという考えが強くなったように思う。まず研究所を大事にしようと考えているようであり、その一環として予算が少し潤沢になっているようだ。ただ、全方位というよりは環境・エネルギーが重要なポイントであるとも言っていた。
    日本からも学びたい、あるいは日本と協力してやりたい課題が非常に多いということで、連携していく上での向こうから頼りにしてくれていると感じた。
    日本としてアメリカに学ぶ点は、成果を世界に提案していく考え方。彼らは発想が非常にグローバルで、学ぶべき点は多々あり、一緒にやっていくことでいい経験になると思っている。

議題2~4について

事務局から説明を行い、評価委員会として異存ない旨の了承を得た。

以上

 
 
最終更新日:2009年6月3日
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