経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第10回)‐議事録

日時:平成16年7月7日(水)
場所:経済産業省944号会議室

出席委員

鈴木小委員長、池村委員、伊澤委員、後藤委員、冨田委員、平澤委員並びに吉本委員

開会

照井産業技術環境局審議官(産業技術担当)より開会に先立ち挨拶があった。

陣山技術評価調査課長による配付資料の確認があった。また、前回議事録についての確認、説明があり、了承された。

議事概要

1. プロジェクト評価結果について(審議)

冒頭、プロジェクト評価案件6件の審議については、分量の関係から「新高度技術普及共同利用促進事業」についてのみ個別審議を行い、他の5件(「石油産業高度化技術開発」、「実用発電用原子炉廃炉設備確証試験/技術実証」、「将来型軽水炉安全技術開発/シビアアクシデント対策設備安全性調査」、「プルトニウム有効利用炉心技術調査/炉心安全性調査」及び「放射性廃棄物共通技術調査」)については一括して審議する旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

「新高度技術普及共同利用促進事業」について、情報通信機器課藤原補佐から説明後、質疑応答があった。概要は以下のとおりである。

平澤委員
この事業を始めるときから、非常に有効な事業になるのではないかと注目していた。まずまずの成果を上げられたのではないかと思っている。(評価検討会の)委員が指摘しているように、なぜ事業展開の途中でやめてしまったのか、残念である。
中小企業の高付加価値製品化を図る上で全国的に展開してよいものと考えていた。実際には2カ所ということで、この種の産業の高度化にかかわる事業は、研究開発とは違うものとして別の枠組みに位置づけて、その産業が育つことを見届けるまで継続してよい事業である。今後のフォローアップに期待したい。
伊澤委員
この事業の中の3番目の試作委託支援事業が大変良い。これに一体どのくらいの予算がかかったのか。あるいは実際にLSIを試作するときの経費の何割ぐらいがサポートされているのか。5年間で総額23億円というと、大したLSIは試作できないというのが率直な感想である。私どもの会社でいろいろなLSIを試作するが、1件でも数億円かかってしまう。相当規模が小さく、桁が違うというのが私の率直な印象である。平澤委員が言われたように、もっと積極的にサポートするべきではないか。全体のバランスがよくわからない。
藤原補佐
個別の費用割合は、60%補助である。主に、CADの購入費等に使われている。ハブ等との関係においては、資金的な問題もあるが、まずはVSAC(社団法人電子情報技術産業協会「システムLSI開発支援センター」)がハブと交渉することが非常に重要である。「VSACからの注文であれば引き受ける」というようなことも多々あり、一中小企業だと手がけてくれなかったものを手がけてくれた、ということの方にメリットがあったと考えている。
与信については、予想外に効果があり、ハブとの付き合いができたことで、ベンチャー企業、中小企業も、ここを卒業したら直接、取引をするということが可能になってきた。
鈴木小委員長
VSACは、この後どのように運営されていくのか。
藤原補佐
VSACは5年たち一応解散している。機材等は財団法人福岡県産業・科学技術振興財団に移管している。そちらの方で頑張っていただくという形で、他の地方公共団体もそれをみて、「私のところも」と手を上げていただければ、今まで培ったノウハウ等を提供できると考えている。事業としては終了している。
鈴木小委員長
別の仕組みで経済産業省がサポートすることはあるのか。
藤原補佐
今のところはない。
鈴木小委員長
評点は3.87。75 080%であり、満足したと考えよいのか。期待が大きく、大変意欲的な取り組みであり、成果もそれだけ上げたと考えられる。残念ながらフォローアップがもう少し必要であり、何か良い仕組みがあればということであろう。23億使って、23億収益を上げるようになったわけだから、これを継続するとどうなっていたのだろうか。
藤原補佐
非常に難しいところではある。ここでつくったのはニッチな半導体だったのではないかと考える。アナログとデジタルの混合といったところを目指してきた。大規模なLSIというよりもニッチなところに使われるドライバー等が多かったと思われる。
半導体製造会社にとってもVSACのようなものがあれば、自分のところでやれる、引き受けるというビジネスが5年たって出てきた。市場原理に任せてもある程度うまくいくのではないか。この事業が継続した場合の試算はしていない。
吉本委員
79ページに、費用対効果の販売額があるが、九州の半導体ベンチャーは比較的収益性の低さが課題になっており、費用対効果をみるときに販売額でみるということが1つの方法になると思う。これらの産業は設備型ではなくてほとんどが人件費であるから、そういった意味では付加価値を表すものだと思う。収益が出ているという意味で販売額をみてよいのではないか。
藤原補佐
そのように理解している。
平澤委員
このまましぼんでしまうのはいかにも残念である。設計者を養成するというのは、かなり迂遠なものであろう。もう少し直接的に各地域の中で、回路をLSI化して高度化しようという、そういう中小企業のニーズを吸い上げて、ここでやった方法を生かしてつないでいくというような支援事業を、各地域の経済産業局が1つの事業の柱にしていくようなことは十分あり得るのではないか。そういうことを通じて、自分たちで設計までやりたいというような意欲的な中小企業が出てくれば、さらに講習会といったような話になってくるかと思うので、ぜひ考えてもらいたい。
もう1つは、このように設計者が養成されて、その設計者が新しい付加価値を生み出していくことになり、講習に必要な費用はそれほど多くはないはずである。それに対して、その設計者が後々、事業を通して付加価値を生み出すという部分をフォローアップしていけば、必ずたくさん出てくるに違いない。やはり付加価値の増加額で投資額と見合うかどうかというようにして判断していくべきである。
また、事業が継続していくならば、ある時点でそういう本質的な成果がどれぐらいになったかというのは非常に興味深い分析課題になるのではないかと思う。
冨田委員
この事業の目的・政策的位置づけのところで、文部科学省とうまく事業が図れなかった点について、主たる原因はどこにあったのか。
藤原補佐
いろいろ働きかけをしたが、端的に言うと、VDEC(東京大学「大規模集積システム設計教育研究センター」)はCADをアカデミックディスカウントで購入したための制限がついおり、学生の教育用には使えるがビジネスには使えない。ここを突破することができなかった。ただ本件においては、講習会で大学の先生方にも講習をやっていただき、後半には立命館大学の滋賀キャンパスに場所を設けていただいて、そこを使わせていただいたこともあった。かなりお互いにできることはやったが、いろいろな制約があったということが一番の原因である。
冨田委員
この事業は完全に終了してしまうのではなくて、例えば大学の方では何らかの講座、コース、として残っているということか。
藤原補佐
そうである。
冨田委員
こちらもかなりの強化になるということでよろしいか。
鈴木小委員長
5年で終了して、それなりの評価をいただいたということだと思う。その後どういう形でこれを、いろいろな意味で継続していくのか。これは経済産業省でも考えていくことが必要だと思う。平澤委員からもあったように、あと何年かして、これが一体どのように活きていくのかという点を、何らかの機会に検討することもあるかと思う。5年でここまで来て、その後、民と国の側でどういう役割分担をして、これをつないでいくのか。そのときに大学がどういう役割を果たせるのか。むしろこの予算を例えば大学に注ぎ込んだとしたら、あるいはもっと成果が上がったかもしれないし、いろいろな考え方がある。広い意味で、大変良いところに着目し、良いプロジェクトを動かし、それなりの成果を出した、ということで、それを今後、どう考えるかというようなところを検討課題とするということでよいかと思う。

(2)一括審議

「石油産業高度化技術開発」、「実用発電用原子炉廃炉設備確証試験/技術実証」、「将来型軽水炉安全技術開発/シビアアクシデント対策設備安全性調査」、「プルトニウム有効利用炉心技術調査/炉心安全性調査」及び「放射性廃棄物共通技術調査」について、事務局(技術評価調査課原田評価企画調査官)から説明後、質疑応答があった。概要は以下のとおりである。

(石油産業高度化技術開発)
伊澤委員
石油産業高度化技術開発について、評価概要(資料1、P.1「2.評価概要」)の下の2つのパラグラフを見ると、本事業は研究開発成果としては大変すばらしいが、実用化という観点ではこのままでは使えないといっている。産業界にいる人間として、175億円を使って技術開発を5年かけて、出てきた技術が使えないというのは、信じられない。目標の設定が間違っていたのかもしれないが、評価の仕方にも、評価委員の方に産業界の方が入っていない等、の問題があるのではないか。
池谷補佐(石油精製備蓄課)
若干補足すると、本技術開発に関しては特許出願が125件出ている。更に特許を取得したものの中で、実施許諾まで行っているのが7件ある。また、本研究開発で取得した特許を元にして、来年を目処に低NOXのバーナーを製品化する例も出てきている。さらに、まだはっきりと時期までは決まっていないが、幾つか開発中の触媒も実用化の見込みがある。本研究開発は実際の成果にも結びつきつつあり、今後も更なる実用化に取り組んでいるところである。
鈴木小委員長
むしろそういう成果がきちんとわかるような概要の書き方をした方が良い。
冨田委員
なぜこのPEC(財団法人石油産業活性化センター)だけが他の案件と違って評点結果なしということになるのか。
原田企画調査官
評点に関しては、各評価検討会ごとに任意に行うこととなっている。事務局としては、今後、評点の有効性を計るデータにもしたいので、できるだけ評点を付けて欲しいということはいっているが、義務化はしていない。
鈴木小委員長
何年間か試行して、またその評点の付け方もいろいろ検討して、基準化がされていくと考えてよいか。
陣山課長
若干試行を積んで、いろいろな課題もあろうかと思うので、その点を踏まえながら、原課とも相談しながら検討していきたい。
冨田委員
任意であるというならば理解できるが、結果(評点)をつけないという理由も必要である。良い成果が出ているにもかかわらず、それが書かれていないのはわかりにくい。
鈴木小委員長
その点は、事務局に検討をお願いする。
平澤委員
先程の質問にも関係するが、やはり全体としてみたときに、経済性効果として予算に見合ったものが得られているかということが重要である。今の段階ではまだ途中なので十分把握できないわけだが、この委員会として、過去のもの、あるいはこの委員会がさらに進んでいったときに今の課題、それを対象にしてもう少し経済性分析を適切にやるような仕組みを考えた方が良い。ターゲットの置き方とか、あるいは課題のやり方に対して、それに見合ったような効果が上がるような仕組みをもう少し整備することが必要ではないか。これは前回の議論にもあったように思う。
鈴木小委員長
そもそもプロジェクトを計画する段階である程度の経済効果を読んでスタートしなければいけない。その辺を読みながら、それがどう達成できたか、はっきりとみえるようにしたい。

2.制度評価結果について(審議)

冒頭、制度評価8件の審議については、分量の関係から「二酸化炭素固定化・有効利用技術実用化開発」、「未踏ソフトウェア創造事業」及び「ウェルフェアテクノシステム研究開発事業」)の3件について個別審議を行い、他の5件(「地球環境国際協力推進事業」、「地球環境保全関係産業技術開発促進事業」、「革新的実用原子力技術開発費補助金制度」、「エネルギー使用合理化在宅福祉機器システム開発助成事業」及び「世界標準形成地域技術実用化開発事業」)については一括して審議する旨説明があった。

(1)個別審議

「二酸化炭素固定化・有効利用技術実用化開発」、「未踏ソフトウェア創造事業」及び「ウェルフェアテクノシステム研究開発事業」について事務局(技術評価調査課原田企画調査官)から説明後、質疑応答があった。概要は以下のとおりである。

(二酸化炭素固定化・有効利用技術実用化開発)
鈴木小委員長
2004年度で前倒して終了している。この後は京都議定書関連の事業等にマージしていくのか。それとも個々の研究は全部、終了させるのか。
宗像補佐(地球環境対策室)
本件(個々の研究)は今年度で終了させる。
鈴木小委員長
京都議定書目標達成産業技術開発促進事業の内容はどのようなものか。既にスタートしていて、例えば、今、ここで進行しているものとの関連などはどのようになっているのか。全体像がわからないと、本件のみの説明ではわかりにくい面もある。
宗像補佐
33ページに示してあるものが平成15年度時点でのエネルギー環境二酸化炭素固定化・有効利用のプログラムであり、本日、審議いただいている案件は実用化開発に位置づけている。既にもう一本、実用化開発ということで京都議定書目標達成産業技術開発促進事業がスタートしており、これに統合する形で今回の二酸化炭素固定化・有効利用技術実用化開発は終わることとしている。
この京都議定書目標達成産業技術開発促進事業は、民間企業が独自に取り組む技術開発に対し、事業費の2分の1の補助を行い、期間は3年間で実用化に向けて実施するというものである。これにシフトしていくということを考えている。
鈴木小委員長
制度の仕組みは良いが、プロジェクト等の中身は本当に京都議定書目標達成のためにどういう設計が経産省としてなされていて、そのためにどういうプロジェクトを動かしているのか。そういう意味での上位概念はできているのか。できていないと困る。
宗像補佐
地球温暖化対策については具体的な対策の指針として地球温暖化対策推進大綱がある。これを踏まえて、それぞれ短期的な取組によって成果をあらわせるものと必ずしも短期的ではなく、中・長期的な取組もしていかなくてはならないものがあり、先程のプログラムの概念図で、基盤技術やプロジェクト研究については2010年というよりも、2010年以降に研究成果があらわれてくるものと位置づけている。実用化開発については2010年をターゲットにしている。
鈴木小委員長
要するに、2010年に京都プロトコルの我が国の目標が設定されているわけで、それを実現するためにどういうプロジェクトを動かしていくことが必要なのかという議論はどこでなされ、どういったプロジェクトが選ばれて、どう動いていくか、そこの仕掛けはどうなっているのか。個々のプロジェクトは確かにそれなりの成果は出て、うまくいったというような結果が大体において評価として出ていくのでは。この新しいプログラムの名前が「京都議定書目標達成産業技術開発促進事業」となっているから、それなりの覚悟でやっているのだろうとは思うが。
平澤委員
今のことに関連して、本件の評価をサポートするシステムはどういうやり方だったのか。アンケート調査や情報収集もやったように評価書の中にあるが、委員会が直接アンケート調査をしたとは思えない。どういう仕掛けでこういう調査をやったのか。そのことが、結局、委員長がおっしゃる個々のプロジェクトをみたときに、それが目標達成に役立つような成果につながっていたのかどうかということを細かく分析する仕組みだったのではないかと思う。
原田企画調査官
アンケート調査は、参考資料として、その結果を載せている。評価検討会を組織してから事務局側(制度担当課及び技術評価調査課)で相談をし、実際の調査は外部に委託してアンケート調査を実施した。
平澤委員
外部に委託したときに、実用化を通じて削減に役に立つような成果がどれだけ達成されたのか、あるいはされる見通しなのかということを含んでいたのか。外部に委託した内容が明確にはこの報告書の中に出てきていない。
原田企画調査官
制度の運営についての質問事項であった。
平澤委員
やり方だけではなく、中身と連動しているので中身が達成される良いやり方だったのかどうかという面が同時に図られないといけない。
いずれにしても、これはかなりたくさんのプロジェクトが対象になっているので、そこから個別の情報を収集し、役立ち方、そのときのマネージメントのあり方を分析するのはそうたやすいことではないだろう。このように途中で制度を切りかえられたのは、何かもう少し明確な目標を立てた方がいいというような判断があって切りかえたのか。
原田企画調査官
この実用化研究は、新しい技術で京都議定書のマイナス6%をどのぐらい担うかという一応の目標がある。
それに対して、どういった割合で何ができるかという検討は、産業構造審議会の地球環境部会という検討の場が大きくある。その中でいわれている技術的な課題に対して、具体的にボトムアップでテーマを募集して吸い上げるというのが、この実用化事業の考え方であった。
スタートしたが、なかなか明確に2010年をターゲットにしたということを吸い上げにくいということと、他2課題あるが、そのうち1課題は地球環境保全のため二酸化炭素ではなくて他のガス類に対しても民間に支援しようというもの。その辺の重複を整理して明確化しようとし、前倒しで中断し京都議定書対応の事業にしたと記憶している。
平澤委員
そうすると、まさに明確な目標を掲げた制度になり、事前評価が非常に重要になってくるので、役に立つ課題かどうかをより分けることが行われないといけない。今回の評価にかかってはいないが、恐らく従来、走っていたのは多少ブロードな目標領域の設定だったということから、かなり絞られたとすれば、いよいよ本番、成果を上げなければいけない。そういう状況のプログラムに変わったというように理解していいのか。恐らく今回の評価にかかった幾つかのプロジェクトを分析する中で、このように制度改革をしないとうまくいかないのではないかというように判断されたのではないか。
鈴木小委員長
今回の対象案件ではなくて、この制度で絡んでくる2010年対応という、まさに今、いろいろなところがその大綱の見直等、いろいろやっている、非常に差し迫った問題である。制度全体としての評価の観点から、ぜひこの京都議定書目標達成という制度をきちんと動かしていくことをお願いし、今回議題となっている制度の後継者となる事業であるから、原課の方で、十分それを反映させていくように、手綱を引き締めていくということでよろしいか。
(未踏ソフトウェア創造事業)
池村委員
P.30(資料2-2)の最後で、本制度は基本的に単年度の制度であるためとある。7.5カ月が実質期間だというようなことで、なぜこれが単年度になるのか。比較的無理が生じやすい形になると思うが、最初からそういう制度設計をしている理由は何かあるのか。
祝谷補佐(情報処理振興課)
単年度については、今まで単年度の予算ということで、それ以上の意味はない。7.5カ月というのは、公募のプロセス、あるいは選定のプロセス等々で若干今まで時間がかかっていたもので、12カ月からの食い込みがあった。最近になり、若干公募の時期を早めるといったような対応をしており、事務局の方でも相当事務手続の簡素化等を進めており、なるべく時間を長く確保する方向で対応しているところである。
池村委員
やはり(評価検討会の)委員の指摘だと思うが、来年度の予約のようなものがないと、なかなか現実には難しいのではないか。
祝谷補佐
事実上、2年ぐらいを見越した形で採択をすることで運用での柔軟性を確保しているという状況にある。
池村委員
非常に意欲的な制度でおもしろい。個人が実際的な意味での実施者になっている形なので、「天才ほど会計が難しい」ということがあって、国の制度として国のお金でやっているが、会計制度とこういう意欲的なプログラムとの間の難しさがあるが、何か努力ができるのか。
祝谷補佐
独立行政法人になり、会計の方でも相当柔軟性が出てきたというところを踏まえ、例えば年2回ぐらい募集をして応募者にフレキシビリティを与えるような形等、改善しつつある。
平澤委員
プロジェクトマネージャー(PM)は2年続けているようだが、単年度というのは、選ばれたスーパークリエイター候補が1年弱しか研究していないという意味か。
祝谷補佐
そうである。
平澤委員
数カ月の取り組みで才能の片鱗を示すというのは、難しい気はするが、こういう分野だから、それまでの蓄積を生かして何かアピールしてくださいということかと考える。
何人かのスーパークリエイター候補を発掘したと書かれているが、目利きとして、誰が良い確率で人を選んでいたかといったようなことはどうなのか。また、そういう人がなぜ良い目利きであり得たのかというような分析をしたのか。
祝谷補佐
まず各PMの間の目利きの確率については大きな差はない。毎年採択が70件から90件程度だが、天才に選ばれるのが20件弱、10件から20件の間。これは各PMともそういう割合になっている。その中で、すぐれたPMは、指導のきめ細かさといったところが一番差異になってくる。つまり最初の採択のときから、その人の事前の実績をよく調べて、採択の時点でほとんどこの人が天才級か天才級でないかは大体見分けをつけている。最初にこの人はいいだろうなと思った人は、やはり天才級として最終的に認められる、といった話がある。
特にきめ細かさといった面では、例えば、熱心なPMは年3回程度合宿をして、ほかに採択した人とも会わせて知的なディスカッションをさせる等、応募者同士の高め合いの場を積極的に設けている。あるいは卒業した採択者と、今、採択している人とのマッチングの場を設けて励まし合う等、きめ細かい対応をされているPMから、優れたものが出ているという面もある。
平澤委員
最終的に天才級かどうかという判断をするのはどういう方たちで、どういう場で判断をしているのか。
祝谷補佐
その認定についても、PMに任せている。PM自身が、自分の採択した中でABCDとつけ、Aがスーパークリエイター、天才クラスと認定している。ただ、それだけだと何をもって天才とするのかがあいまいであるので、IPA(特認法人情報処理進行事業協会(当時))には大枠の天才の定義として、末恐ろしい将来性をもっている、あるいは相当創造性があるといったものがある。どこまで具体的に書くかという面でPMの裁量とのトレードオフがある。いわゆる普通の天才といったところが担保できる形での横並びを事務局でとっている。
平澤委員
今のやり方だと、どのPMも自分の選んだ者の中から天才級が出ないとまずいから、相互比較をして、これは天才級かなというようになっていくのではないかと思われる。厳密にやっている方もいると思うが、最初に質問したように、目利きの間で、つまりPMの間で目利きとしての差がないのは、そういうやり方の中で必然的に出てくるのではないか。
祝谷補佐
一番最初にPMの間での集会、説明会をしており、なるべくPMの間での相異がないように努力をしている。あとは、過去のPM経験者と今のPM経験者との間での話し合いの場を設け、過去、このようなやり方でやってきたとか、あるいは今後、このようにやっていったら良いとか、過去とのずれもないような形での場を提供している。
平澤委員
むしろ選んだ人と最終的に成果を聞いてランク付けする人とは違う人とするべきではないか。選んだときの1つの評価基準に対して別の基準で、あるいは複合的な基準でやってみて、やはりこの人たちは良いと評価すれば改善されるのではないか。ただし、オールラウンドの才能の人たちが選ばれるなどということになってはよくないので、最終評価をするときの評価の仕方は、やはり天才をみつける、これは本当に図抜けている才能がここの部分にはあるといったことを選ぶ仕組みが必要ではないか。これは制度運用上の修正事項というか、検討事項に当たるのではないか。人材を発見するのはなかなか難しい仕事だが、もう少し直感的にわかる部分も結構あり、私も大学で教えていて、そういうのは確かにいる。その点を踏まえ、制度設計をもう一度よく考え直すことを勧める。
鈴木小委員長
なかなか完璧な制度というのはないから、際物的な仕組みというのは、スーパークリエイターと称するときに○○(マルマル)さんが選んだスーパークリエイターとはっきりさせておけば、後でどの先生のお墨付きなら役に立つかということがわかる。
(ウェルフェアテクノシステム研究開発事業)
鈴木小委員長
詳細までみえにくい。産官学というのが、主目的ではないであろうから、やはりウェルフェアテクノシステムというものをどうつくるか、その観点から産官学はこうあるべきだという話が出てこないといけない。この評価の結果だと、産官学がそれなりの形をつくっていないといけないという印象を与えてしまう。
原田企画調査官
説明不足であったが、公募段階でそれ(産官学)を要件としていたので、それが形骸化されていた。要件の建て方に問題があったということか。
杉本補佐(研究開発課)
もとは地域における福祉機器の開発を促進させたいという趣旨で始めており、具体的にそれを進めるための要件として、単に産が開発するだけでなく、その地域の官や学が絡むことでそういった地域における研究開発が進むということで、産学官の連携を要件としている。ただ、具体的に公的機関が提案するということをもって産学官の連携を形づくるということを目標としたが、実際にその後に産学官の連携がどのように進んでいたのかというところをフォローできるような具体的な指標がうまく見つからなかったというところが評価(検討会)での指摘である。
鈴木小委員長
産官学は満たさなかったけれども、ウェルフェアテクノシステムとしてはみるべきものはできたか。
杉本補佐
しかり。もちろん産学官が連携して成果が出ているものも多々あるが、すべての件についてそうでなかったところを指摘された。

(2)一括審議

「地球環境国際協力推進事業」、「地球環境保全関係産業技術開発促進事業」、「革新的実用原子力技術開発費補助金制度」、「エネルギー使用合理化在宅福祉機器システム開発助成事業」及び「世界標準形成地域技術実用化開発事業」について、事務局(技術評価調査課原田企画調査官)から説明後、質疑応答があった。概要は以下のとおりである。

平澤委員
個別に議論したものを含め、制度評価の枠組みについて、もう少し深める必要がある。歴史的に考えると、70年代ヨーロッパで展開した制度に関しての追跡評価を深めてみた結果、良い制度にするためのポイントが幾つかあった。古典的なそういう研究があるが、それを踏まえて今、ヨーロッパでは制度の質を高めるということがいろいろな角度から取り組まれている。こういう状況と照らし合わせてみて、まだ制度評価のやり方自身が非常に浅い、委託した委託先による調査が十分にやれていないのではないか。
古典的にまず彼らが抽出したのは何かというと、ROMEというように略しているが、まずは制度を設定する「根拠」や「理由」が確かに妥当なのかどうかということ。2番目は「オブジェクティブス」で、要するにその制度の目的が明確に定められているか。次が「メジャー」、「手段」。制度を展開する手段が妥当なのか。それから「エバリュエーション」。評価体制が適切にできているか。フィードバックで評価した後、制度を直していく、修正していく、そういうメカニズムがあるかということで、これは基本的なポイント。こういうことに照らして考えてみると、例えば先ほど委員長が指摘になったように、福祉機器の案件でいうと、産官学連携という仕掛け、これはやり方、メジャーに相当し、それは必須であったのかどうかというようなことは問われないといけない。その種の制度の特色をつくっている部分というのを目的に照らして、妥当な仕掛けが組み込まれているかどうか、これが非常に大きな、制度を評価するときのポイントになっていくはずである。
そのやり方を磨いていくと、結局は事前評価。その制度を運用するときに玉を選ぶ選び方、あるいは公募するときに、その提案者がどういう目的でやればいいのかということがよくわかって妥当な提案をしてくるとか、良い循環が生まれてくる。そのような視点から個々の制度を見直してみると、どういう点で問題があったのかということを報告するということが、この委員会に報告していただく材料であるべきではないか。単にこの制度で展開した中身がよかったか、悪かったかというような話だけではない。
鈴木小委員長
制度評価も、いろいろある。それぞれが個別に、余り体系的でない形で出てくると、こちらの方も評価のしようがないというか、議論のしようがない面もある。やはり経済産業省として一体何をどのようにやっていく、そのためにはどういう制度にある程度の基準化したようなものを絞り込んでいくとか、そのようなことをきちんと考えてほしい。目的を達するためにはどうするのか、その議論から、それを具体化する。まさに制度設計の議論がやはり本来、我々がさせていただく必要があるところかもしれない。ここで議論したものが次の制度設計にどのように生かされているか。フィードバックについは、まだまだ委員の先生方の中にフラストレーションがたまっている。短時間でこういうものを見なければいけないので非常に大変である。ぜひそういうところの議論からいろいろ酌み取っていただきたい。評価課で、その辺を少し整理していただきたい。
冨田委員
いつも同じ議論をしている。どういう目的の研究かによって多少の違いはあるにしろ、募集の仕方をどうするのか、それから事前評価、中間評価、事後評価と、そのような評点での評価のポイントのところを書いていくと、制度として、この制度はどういったものを狙った制度であって、そのために何をやって選んだのだというようなポイントを押さえていけば、非常に全体像としてわかりやすくなるのではないか。そのようになれば、横に並べてみても同じような形であらわれてきて、しかしそれぞれの狙いによって強弱なり、大きさなりが違ってくるというのがあってほしいと願う。
池村委員
報告書がこれからの情報公開においてますます重要なものになる。複数の報告書を並べて見ていくと、実際の実施者が非常に透明にみえるタイプに書かれ、委託した会社の具体名が詳細に出てくるものもあれば、「請負業者」、「請負メーカー」、「ゼネコン」としか書いていない報告書もある。国の方針決定において重要になる原子力に関する事業において、実際の設計、施工、計測等を行ったところが「請負メーカー」や「ゼネコン」としか出てこないのは、やはり情報公開の中では不十分に見える。せっかくの良い情報公開の資料なので、だれが実際やったのかということが後まで残る形で報告書を作成するように指導するのが、事務局の役割だと思うが、現時点では余りにも差があり過ぎる。
鈴木小委員長
確かにいろいろな事業を動かした方の顔がみえない。本当に具体的な個人名が上がってきてもいい。評価者についても、リストが入っているものもあれば、ないものもありで、そこは一番関心があるところであり、責任を明確にするという意味でも必要ではないか。
陣山課長
昨年末に各原課が評価を実施するためのマニュアルをつくった。まだ完全なものではないが、その中で先ほどの顔がみえるという点も含めて、プロジェクトによって、制度によって違いは出てくるが、横並びでできるだけみて、わかるようなところという視点を入れていきたい。
吉本委員
今のレポートのつくりだが、かなりみやすい形になっていると思う。個人的にはエネルギー環境二酸化炭素固定化・有効利用プログラムのところで評価委員の発言が、プロジェクトの中での決め事だと思うが、実名入りで入っていたと思う。関心のあるプロジェクトだけで、すべてに目を通していないが、実名入りで議論が載っていると、どの先生はこういう考え方で一貫してプロジェクトを評価されているのだということが読み手にもわかりやすい。総括してあるものより、読む方としては関心をもって読める。また、よく公募企業からいわれるのは、技術のスクリーニングとか好みがあって落とされたのではないかという不満である。実名入りで出るということは、不採択になった方からみても非常に納得のいく評価として活用する余地がある。可能な限り、こういったところは実名で公開していただけるとありがたい。
近藤補佐(原子力政策課)
原子力の方の事情を申し上げると、今回、制度評価ということで実名は出さなかったが、毎年度末に行う個々のプロジェクトの評価についてはどこのメーカーがやっているということは出している。今回の提案公募についても、採択された企業はホームページに載せて、どこがやっているというのはしっかりと公開している。それから毎年度、個々のプロジェクトについてもしっかり評価をしており、評価報告書というのを本にして、閲覧可能になっている。そういった面では情報公開に非常に気をつけている。
鈴木小委員長
実名入りの評価は、その場での議論ではなく、各委員への聞き取りによるものか?
原田企画調査官
両方である。その場の議論と、それから1回目の評価検討会終了後、各委員にコメントを出していただき、そのコメントをまとめたものである。
鈴木小委員長
実名があると臨場感があっておもしろいが、それだけページ数がふえてしまって、読む方は大変かもしれない。きちんとエグゼクティブサマリーみたいなものを、かなり質の高いものをつくっていただけばよろしいのではないか。
原田企画調査官
制度評価のほかの報告書でも同じような記載の方法をとっている。上にまとめ、下に委員の意見。ただし名前は入っていない。地球環境絡みの3制度について同時期に評価検討会を開き、その検討会の初めに、座長の提案によりこれは責任をもって発言するために実名でやりましょうということを合意していただいたので、載せた。ほかのところでは、実名を載せた場合もあるという説明を各座長に申し上げたが、検討会の委員の中では無記名でいきましょうというのが大部分だったということである。

3.評価小委員会評価ワーキンググループ(WG)の設置について(審議)

冒頭、「光関係(レーザ加工・計測)研究開発プロジェクト追跡評価WG」の設置について、事務局(技術評価調査課原田企画調査官)から説明し、了承された。

4.平成15年度に実施したプロジェクト評価(第6回(15年5月28日)審議分)のフォローアップについて及び平成15年度に実施した制度評価(第6回(15年5月28日)のフォローアップについて(報告)

上記について、事務局(技術評価調査課原田企画調査官)から報告後、質疑応答があった。概要は以下のとおりである。

鈴木小委員長
どちらかというと、こういう提言を受けて、今、こういうところに取り組んでいる、それが実際にどう変わったかというようなあたりはもう少し時間を待たないと、ということか。
原田企画調査官
事務局でまとめてみたところでは、もう少し時間がかかるのではないかというのが印象である。
鈴木小委員長
その間にプロジェクトは終わってしまうし、制度も終了してしまうという、大体そういうパターンで動いているという感じだ。
ともかく、こういう形できちんとそれぞれの提言に対してのフォローをしていくということがまず大事なことだ。

5.平成16年度技術評価実施計画について(報告)

上記について、陣山技術評価調査課長から報告後、質疑応答。概要は以下のとおり。

冨田委員
これは全部やるということか。
陣山技術評価調査課長
やる予定である。

 
 
最終更新日:2008年5月15日
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