経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第12回)-議事録

日時:平成17年3月25日(金)
於:経済産業省1028号会議室

出席委員

鈴木小委員長、池村委員、伊澤委員、大見委員、後藤委員、冨田委員、畑村委員、平澤委員並びに吉本委員

開会

今回から、パソコンを使用する等、資料配布方法を変更した旨、鈴木小委員長から説明がなされた後、事務局から、資料の確認、前回議事録についての確認、説明があり、了承された。

また、第11回評価小委員会において、プロジェクト、制度、いずれも事業初年度予算要求時点、中間評価時点の関係者の氏名を記入すべきとの議論があったが、これを受け、今回以降、報告書の中にこれら関係者の氏名を記載する旨、事務局から説明した。

議事

1.プロジェクト評価結果について(審議)

冒頭、プロジェクト評価案件12件の審議については、分量の関係から「ガソリン硫黄分低減化技術等の開発事業」についてのみ個別審議を行い、ほかの11件(「エネルギー使用合理化総合鉱害防止技術開発」、「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」、「次世代型分散エネルギーシステム基盤技術研究開発」、「ミニマム・エナジー・ケミストリー技術研究開発」、「太陽光発電技術研究開発」、「超低損失・省エネルギー型デバイスシステム技術研究開発」、「未来型CO2低消費材料・材料製造技術研究開発」、「エネルギーシステム総合評価基盤技術研究開発」、「経年内管対策更新技術開発」、「石炭生産・利用技術振興費補助金(石炭生産技術)」及び「ガス導管漏洩対策技術開発事業」)については一括して審議する旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

「ガソリン硫黄分低減化技術等の開発事業」について、石油精製備蓄課野中課長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 鈴木小委員長

    技術の根本的なエッセンスはどこにあるのか。個別の技術として、何を使ったことによって、こういう脱硫が可能になったのか。

  • 野中課長(石油精製備蓄課)

    触媒技術である。

  • 鈴木小委員長

    触媒の発見、探索がうまくいったということか。

  • 野中課長

    コバルトとモリブデンとを組み合わせた触媒が立体的にどのような反応場をつくるかということを解析しながら、求める反応場ができるような触媒を開発した。

  • 鈴木小委員長

    触媒探索は、民間企業ではかなり進められている。54億もかかるのはなぜか。

  • 野中課長

    燃料を実際の自動車に適用して、燃費や、排ガス性能を測定している。この場合、耐久性を見る必要があるため、5万キロから50万キロの走行をしながら、走行条件、燃料を変えていろいろなパターンで燃費や排ガスを調べていく。こちらの方に非常にお金がかかる。

  • 鈴木小委員長

    これからの3年間、16年度も含めて何を行うのか。

  • 野中課長

    燃料開発が終わった16、17、18年度は、例えば10ppmを1ppm以下にしたら、排ガス処理装置や自動車にどのような影響を与えるかを見ていく。また、PM(Particulate Matter)は終了したが、超微量のSPM(Suspended Particulate Matter)と言われているもの、こういったものの評価法も14、15年度で開発したので、それを使って実際、充分に測定する。オクタン価を上げた燃料についていろいろな走行性能や排ガスの測定も行う。

    さらに、バイオ燃料やGTL(Gas to Liquid)等々の新しい燃料を使った排ガス性能や走行性能を調べるというように、今後の新しい燃料の動きに対応した走行性能、燃費等々、排ガス等々の測定をしていくというのが、この16、17、18年度の主な内容になっている。

  • 伊澤委員

    研究目標に、例えばサルファーやNOxの濃度が書かれてあるが、同時に、既存のガソリンの精製コストと同程度ということが目標にある。

    こちらについて余り報告がなかったが、例えばサルファー20ppm、10ppm、1ppmでは、製造コストが大きくは変わらないにしても、幾分は差があると想像するが、どうか。

  • 野中課長

    コストダウンに向けて、ここで開発した触媒の工業化を検討しようと思っていた。その工業化の検討の中で、プロセスとの絡みの中で、より安い触媒の使い方、プロセスを開発しようと思っていたが、既に今年1月から10ppm以下のガソリン、10ppm以下の軽油を供給しなければいけないということで、コストを下げることはあまりできないまま、石油業界が10ppm対応のために新しい触媒等を用いて約2000億円の設備投資を行い、前倒して10ppm供給を実現した。

    したがって、今後、各精油所で、新しい触媒を使ったプロセスのコストダウンを、この研究開発ではなくて、各精油所の段階でこれから進めていくという大きなステージの変化があった。このため、元々5年かけて行うはずだったコストに関する目標は、この2年間では完全には達成し切れていないという部分はある。

  • 伊澤委員

    2000億円の設備投資では、恐らく減価償却費等が相当出てくると思う。現状でどのくらいのコストアップになっていて、どの辺まで下げようとしているのか。

  • 野中課長

    精製コストから言えば、精油所等々によるが、リッター1円から2円上がるようなことになるであろう。

  • 伊澤委員

    結構コストがかかっているということか。

  • 野中課長

    そうである。そのために、特に初期段階の投資に対してインセンティブ補助金的な制度を16年度から始めており、その負担をできるだけ軽減しようとしている。

  • 平澤委員

    評価報告書(案)の評価結果を見ると、4.の「効果とコスト」、コストパフォーマンスという意味だと思うが、3.6と余り高い平均点ではない。ほかの項目は4以上になっている。今の説明を聞く限り、かなり効果はあったと理解していいと思うが、評点が低い原因は何か。

  • 野中課長

    第1回と第2回の評価検討会の間に採点していただいているという影響もある。第1回の評価の時には、「重要であることはわかるが、お金をかけすぎている」とかなり厳しい指摘を受けて、第2回までの間に説明を行って理解をしてもらったが、採点していただく段階においては、説明が十分ではなかった。

  • 平澤委員

    このプロジェクト全体は、いわゆる研究開発投資の部分と、インセンティブを付与して政策誘導していく部分の両方ある。

    したがって、研究開発投資の観点から見ると、政策誘導の部分に多くのお金がかかっているからどうかという議論もあり得るが、率直に言うと、政策誘導というか、インセンティブ付与のやり方は実に多様な方法論があると思う。評価としては、そういう方法論をもう少し考えるべきという意味で、評点が低いという可能性もあるのではないか。

  • 野中課長

    インセンティブという点について、そのような投資をするためのインセンティブは、もちろんこのプロジェクトにもそういう位置づけもあるが、これとは別の予算で、研究開発とは違う形でのインセンティブ付与を行っている。

    15年度の事業が終了する時点で、インセンティブを増大させる政策への手法の転換があって、16年度には別の予算を手当した。インセンティブの部分は、今回の評価対象であるプロジェクトの14、15年度の内容には余り含まれていない。

  • 平澤委員

    先ほどあった100云々とは。

  • 野中課長

    10ppmのものを使って実際に何万キロも自動車を走って排ガスを測定すると、知的基盤的なデータ収集にお金がかかっている。

  • 平澤委員

    研究開発そのものではなくて、普及とか導入とか、そういうインセンティブを与えるという、そういう政策の枠組みというふうに考えるべきだと。そこにお金がかかったということか。

  • 野中課長

    基盤としてのデータ収集もインセンティブということであれば、ご指摘のとおりである。当初は、公共的性格の強い基礎的なデータ収集を行う知的基盤の構築を実施したという点が当方の説明に明確に入っていなかったため、評価検討会の委員からも社会に対して明確に説明すべしと指摘されたが、こうした重要な事業に費用がかかったということについては理解が得られた。

  • 大見委員

    むしろお願いと言った方がいいのだが、確かに通常の車はいろいろな走行モードがあり、エンジンの動作状態も最適状態からかなりずれて使われていることも多い。例えばハイブリッドカーにすると、エンジンは完全に一定状態を保ち、つねに最大の圧縮状態で着火するため効率はよくなる。

    モードはほとんど一定のモードに決まるので、ハイブリッドに使われているエンジンで構わないが、我々もいろいろなガスや薬液の中の不純物退治をさんざんやってきた。どのレベルまで下げるとクリティカルに高い効果があるかを予め大学等で全部調べ上げて、産業界を引っ張っていくという仕事の仕方が非常に効率が良い。

    例えば、次は1ppmを目指すという話だけではなく、どこまで下げるとPMやNOxの精製過程の効率がよくなるかということをハイブリッド用のエンジンぐらいのもので条件を特定して、ここまで下げるとこれだけ効果があるということを、少量のサンプルであればそれほどお金はかからないと思うので、先行して実施した方が良いのではないか。

    一つの参考になると思うのだが、ガスであるとか超純水、薬品の中で、ほかのものに悪さをしないレベルのポイントは概略0.1ppm。だから、まずそこまでは行けということで産業界を引っ張った。エンジン用の燃料がどういうことになるのかという技術的なことは、わからないが、ただ下げていけば良いというやり方では絶対だめだと思う。

    分かり易い例として、半導体産業の廃液の中のフッ素の量を減らす場合、厳しくすると立派だと思って、1ppmと決めている自治体がある。ところが、自然界にはホタル石(CaF2)というものがあって、これは水に触れると15ppm(飽和溶解度)のフッ素が出てくる。それが自然の姿であって、自然界の値より少なく規制することは、自然の逆汚染になる。

    もともと自然界にあったものと同じレベルにする方が良いのに、きれいにする方が良いと、量だけの話をするというばかなことが起こる。どこまでやると本当に効果があるのかということを先行的に突きとめる仕事をやるべきである。

  • 野中課長

    ハイブリッドは使っていないので、それを使う可能性は検討する。

    先ほど1ppmと言ったが、1ppmですぐ実証試験をやるという意味ではない。世界的に見れば10ppmが一つの線になっている。ただ、排ガス処理の耐久性等々は、正に少なければ少ないほど耐久性、排ガス対策は良くなるという指摘をされる先生も多い。コスト関係も含めて、まず調査分析をして、もし意味があるとなれば、実機を回すということで進めていきたい。今の指摘をしっかり踏まえて、今後のプロジェクトを進めていきたい。

  • 鈴木小委員長

    この問題は、先日の中環審答申の大気部会からも出ており、大気の問題を考えるために、道路システムの問題、車の開発の問題等、総合的に経済産業省として、どこを目指していくのか。それはロードマップとも絡むのであろうが、経済産業省として目指すものがあって、そこにこのプロジェクトがどう位置づけられるかというところがほしい。

    プロジェクト自体は、これから何十億かを使って、どういうことになるのかわからないが、ある意味では成功例というか、この段階では前倒しで慎重に規制が動いていくという意味では非常に貢献したのではないかと思う。

    このプロジェクトに対する中間評価、河野先生に座長をしていただいた本件に関しては、大体良いか。

    本件については了承いただいたということにさせていただく。

(2)一括審議

「エネルギー使用合理化総合鉱害防止技術開発」、「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」、「次世代型分散エネルギーシステム基盤技術研究開発」、「ミニマム・エナジー・ケミストリー技術研究開発」、「太陽光発電技術研究開発」、「超低損失・省エネルギー型デバイスシステム技術研究開発」、「未来型CO2低消費材料・材料製造技術研究開発」、「エネルギーシステム総合評価基盤技術研究開発」、「経年内管対策更新技術開発」、「石炭生産・利用技術振興費補助金(石炭生産技術)」及び「ガス導管漏洩対策技術開発事業」について事務局(技術評価調査課原田評価企画調査官)から説明後、質疑応答があった。その結果、「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」については次回再審議、それ以外のプロジェクトについては了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 大見委員

    わからないので素直な質問であるが、CO2を海洋の中に閉じ込めるというが、これが海水中にCO2を溶かし込む技術だとすると、pHがどんどん酸性側に5、4と下がってしまう。生物が全然生きられなくなるのではないか。

    半導体や大型ディスプレイの製造工程で、いろいろな薬品をなるべく使わないようにしようということで、CO2ガスを超純水の中に溶け込ませて、pHを5、4と制御しながらオゾン水と組み合わせて使うという技術を開発していて、CO2というのはpHをコントロールするのに便利なガスである。本当にそんなものを海に溶かして、pHが1違ったら、生物はみな死に絶えてしまうのではないか。

    また、燃料電池の時にいつでも出てくるのが水素ガス。自動車に載せることを考えると、何百気圧という水素ガスボンベは大変重くて、自動車の重量を何10%も増加させる。高速走行物体の進歩の方向はつねに軽量化である。エネルギーに使うような原料をガスにするという発想が全然ついていけない。やはり液体であるべきだと思う。本気なのかということを伺いたい。

  • 鈴木小委員長

    プロジェクトの当初の評価段階で、その辺の議論をしなければいけない点だと思うが。

    CO2の海洋投棄と言うか、海洋貯蔵と言うか、これは、本当はRITEの方に話していただくのが良いのかもしれないが。

  • 山形大臣官房参事官(環境担当)

    CO2の海中への希釈については、生物に影響のない方法と、その影響がないことを評価する技術をここで開発している。ちなみに、海水の量に対して注入する二酸化炭素の量は海水に比べれば微々たるものであり、地球温暖化を解決するために入れたとしても、0.1変動するかどうかという程度のpHの変動量になる。

  • 大見委員

    具体的には、海水の中のCO2の濃度はどれぐらいを想定しているのか。1ppmとか1ppbとか、どの程度なのか。

  • 山形大臣官房参事官

    ppmではすぐには表しにくいが、中深層における自然界での年間変動幅で言うと、pHで0.1~0.2程度である。

  • 大見委員

    0.1ppmとか、そんな量ではないか。我々が実験する時は、pH5に制御しようとすると、ppmオーダーのCO2を水の中に溶かし込んでいる。

  • 鈴木小委員長

    海洋隔離という場合はかなり深海に溶かし込むことであるが、通常いろいろなところで疑問に思われているのは、海洋大循環によって、何千年かすると、どこかで大気に触れる。その段階で、せっかく溶かし込んだものが出てくるという、それを一体どうするのかという話があるが、その辺はどうか。

  • 山形大臣官房参事官

    そういうタイプのものではない。

  • 鈴木小委員長

    どういうものか。

  • 山形大臣官房参事官

    希釈するものである。

  • 鈴木小委員長

    いずれは大気に放出されるのではないか。

  • 山形大臣官房参事官

    通常の人間活動から出てくるCO2の大気中濃度の方が高ければ、海洋中からは放出されない。

  • 鈴木小委員長

    どんどん温暖化が進んでいけば心配ないという発想か。

  • 山形大臣官房参事官

    そうではない。通常予想されているCO2の大気中濃度と海水中に溶けているCO2の量の分圧が、海水中の方が低ければ出てくることはないということである。

  • 鈴木小委員長

    しかし、大気中と海洋というのは、ある意味では、長期的に見れば平衡関係にある。人口排出源のCO2を溶かし込めば、そこで固定しない限りいずれ大気中に出ていくことになる。

  • 山形大臣官房参事官

    人間活動からのCO2全量を海水に入れれば、そういうことはなるかもしれない。そういうことでなくて、分圧を考える。

  • 鈴木小委員長

    わずかだけ入れても意味がない。人間活動の半分のCO2をどうするかということが課題になっている。RITEの方でいろいろと考えているのではないか。

    もう一つ、原理的な問題として、水素を自動車の燃料電池の原料として使うという発想はどうなのかという、これは根本的な議論であるが、これはどうか。

  • 丹波産業技術調査官(産業技術総合研究所室)

    事業の中では、ガスをそのまま使うということも一部念頭に置きつつ、水素貯蔵合金の性能を向上させるなど、エネルギー密度の高い状態で利用できるような形にしたいと、探索的な研究をやっているところである。

  • 伊澤委員

    似たような質問であるが、太陽光発電技術研究開発の成果の欄にCIS系太陽電池と書いてあるが、これはセレンを使って太陽電池を作って、なおかつ変換効率が18.5%とある。これが一体どういう意味を持つのか。確か、トップデータではシリコンの太陽電池は20%を超えている。成果として数字が羅列してあるが、その意味合いを書かないと理解されない。

    また、次のページの超高効率太陽電池基盤製造技術で、シリコンの結晶を引き上げるときに高周波の磁場印可をして10%の均一性のものができたと書いてあるが、これも太陽電池と一体どういう関係があるのか。むしろLSI用の基盤の開発を実際にはやっているのではないかと想像するが、位置づけをもう少し明確に書くべきである。

  • 丹波産業技術調査官

    スペースの都合で数字を強調する方が良いと思い、こういう書き方をして大変失礼した。

    現状ではシリコンの太陽電池が利用されている。シリコン自体は地球上に非常にたくさん存在するが、太陽電池に使う場合には、非常に高純度なものが要求される。このため高純度のシリコンを生成する技術のキャパシティからすると、これから太陽電池が一般家庭の屋根の上に乗るという場合には、そこの部分までなかなかつくれないという可能性がある。そこで、シリコンに代わるものも含めた検討が必要ではないかということで、探索的な研究をやるというのが位置づけである。

  • 伊澤委員

    幾分は理解できるが、そういう状況で、わざわざセレンのようなものを使うのか。セレンは毒物である。幾分表面はカバーするにしても、製造工程上、相当問題ではないか。小さな電子素子であればまだしも、非常に大面積のものをつくるのであろう。その辺の位置づけの議論が、報告書には書いてあるのかもしれないが、非常に奇異な感じがする。

    それから、先ほどのシリコンも、高純度のものをつくること自身はそれほど問題ではなくて、ここでは引き上げるときに均一性を上げるだけ。かつてそういうことに関与したことがあるが、太陽電池をつくるのに、こんな高周波の磁界をかけて作るのか。

  • 鈴木小委員長

    省エネルギーならわかるが、ミニマム・エナジーケミストリーというのは何を想定しているのか。原料と生産物の間のフリーエネルギーのレベルに比べて、今消費されているエネルギーが何十倍、何百倍になっている。それをフリーエネルギーの差のところまで近づけるぐらいのことをやるのかと思ったが、省エネ型漂白技術云々という内容である。ミニマム・エナジーケミストリーについて、産総研でコンセプトをつくり上げているのか。

  • 丹波産業技術調査官

    化学プロセスで使用するエネルギーの最少化を目指すという意味である。

  • 鈴木小委員長

    最少化というのは、どこをもって最少化と考えているのか。今の技術ではここまでしか行かないという話では別にミニマム・エナジーケミストリーというほどのことはない。

  • 丹波産業技術調査官

    石油産業のプロセスの省エネ化はかなり進んでいるということであるが、もう少し革新的なものを目指すという意味である。

  • 鈴木小委員長

    革新的という言葉の方が適切である。

  • 吉本委員

    どのプロジェクトと言えないが、今回の評価の項目の中に、効果とコストに関する分析というところがある。総合評価のところは、これを費用対効果というふうに表現しているケースもあるが、肝心の費用対効果が語られているのではなくて、全体的に効果を一方的に語っており、いわゆる予算投入した執行額に対して見合っていたのかが第三者にわかりにくい、というのが全般的な印象である。

    中間評価はやむを得ないところがあるかもしれない。事後評価のプロジェクトに関しては、例えば太陽光発電技術研究開発のように、内容を見てみると、研究テーマが多いので一概には評価できないとされながらも、費用対効果、効果とコストに関しては平均点が4.17と、むしろほかのプロジェクトよりも高い点数が出ているケースがある。逆に、執行額が少ない中で効果が出ているにもかかわらず、シビアな点数が出ているケースもある。

    全般的に効果というのは、実施者の思い入れもあり、列挙しやすい。費用対効果というのは客観的に説明しにくいというのは我々も重々承知しているが、もう少し第三者にわかるような形で書くべきであるというのが全般的な印象である。

  • 鈴木小委員長

    効果とコストという項目は何が期待されているのかをもう少し評価の段階で明確にしておくことが必要。効果として、この技術の開発によって、将来的に国全体としてどれくらいのコスト抑制につながり、そのために、これだけの研究投資をしたという話を求められている。正に、このプロジェクトの中での効果とコストということになると、コストベネフィットという意味での適切な評価ができていない。

    かといって、経産省が、これまでやってきた波及効果まで全部含めてしまうと、何をやってもメリットがあるようなプロジェクトになるので、難しいところ。どういう形で評価してもらうかを評価指針等で明確にしておくと良いのではないか。

  • 原田評価企画調査官

    指摘のとおり。

    現在は、技術評価指針でどういうやり方をやらなければいけないか、その技術評価指針の解説版的な形で標準的評価項目、評価基準を設けている。その中で、効果とコストについて分析し評価するという項目が挙げられている。一つ一つのプロジェクトの展開方式、それから、そのプロジェクトの特有の問題で、どういった分析ができるかは一つ一つ顔が違う。そのときに、どういった手法を用いれば何が表現できるかが、まだまだ知識の蓄積も足りない状態かと考える。

    単に標準的項目、基準に基づいてやるだけではなくて、その中身をもう少しはっきりさせる努力を、これからますます行っていきたい。

  • 吉本委員

    今回、全般的に環境問題とリンクするようなテーマが多い。例えば太陽光発電やCO2固定技術でもそうであるが、それを行うことによって再度エネルギーを投入している。そのエネルギーの総合的なインプット、アウトプットとして本当にCO2低減に効果があるのか、例えば、太陽光パネルをつくること自体に相当なエネルギーが投入されているという話も聞く。全体としてのエネルギーサイクルの中での費用対効果についても、環境案件に関しては語ってもらえるとわかりやすくなる。

  • 原田評価企画調査官

    然り。これも標準的項目等をどう挙げるかである。例えば、環境の問題に関しては、CO2やエネルギーのことを論じろという書き方は可能かと思う。検討してみたい。

  • 鈴木小委員長

    太陽光電池の場合には、300万かけてつけたものが電気代として何年で回収できるのか、15年か20年か、そのうちに家の方が壊れてしまう。今のところ、どこまで進んでいるのか。わかりやすい形で説明すべき。これは事前なのか、事前のスペキュレーションと、事後にそれがどう改善されることになったのかが明確にあらわれてくるとわかりやすいだろう。

    今、説明していただいた11件に関して、海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発は、もう一度説明をいただいた方がいい。そのほかの件については一応了承いただいたということで良いか。

    では、CO2に関しては次回、4月の段階でもう一回説明をいただくことにさせていただきたい。そのほかの件については了承いただいたということにさせていただく。
     

2.制度評価結果について(審議)

冒頭、制度評価案件4件の審議については、分量の関係から「DME燃料利用機器開発事業」及び「地域新生コンソーシアム研究開発事業等」について個別審議を行い、ほかの2件(「デジタルマイスタープロジェクト」及び「地球環境国際研究推進事業」)については一括して審議する旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

「DME燃料利用機器開発事業」について、石油流通課小野企画官から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 鈴木小委員長

    国全体として、ガソリン、石油がフェィズアウトしていくところをどう設定し、そこにDMEをどう間に合わせ、その全体像の中でDMEはどれくらい力が入っているのかが前回はわからなかった。

    これはLPGで走っているタクシーにそのまま代替ができるのか。それとも、ディーゼルか。

  • 小野企画官(石油流通課)

    自動車用として非常に期待されているのは、大型のトラックといった分野である。

    セタン価が高いという特徴がある。CNGなりLPGの自動車は小型のトラックにしか使えない状況であるが、非常に大型で力が必要な分野に極めて大きな力を発揮するのではないかと期待されている。

    説明文にあるように、軽油代替であり、軽油で走るものは基本的にDMEでも走れると考えている。

  • 鈴木小委員長

    例えばディーゼルの乗用車は日本では非常に抑制されている。本来は、エネルギー効率から言うとはるかに普通のガソリンよりも良い。そういう観点でDMEはどういう位置を占めることになるのか。これが使われるようになれば、自動車会社を指導し、ディーゼルの乗用車がもっと普及するようになるのか。

  • 小野企画官

    特徴のところにあるように、そもそもは合成ガスからつくるので硫黄をゼロにできる。サルファーフリーという軽油やガソリンが出てきているが、フリーといいつつも10ppmはサルファーが入っている。DMEは合成ガスなので、サルファーはそもそも減らせる。それから、ディーゼルで一番問題になる煤についても、PM(粒子状物質)をゼロにできる。そういう意味で、ディーゼル代替、正に軽油代替で非常に期待される。

    一方で、自動車会社が非常に乗り気かという点については、自動車会社も、燃料電池を含めていろいろな燃料に取り組んでおり、DMEもそのうちのOne of Themとして考えているが、これに全部シフトさせることは今のところ考えていない。ただし、消費者の声等が高まれば、自動車会社も本腰を入れてくるだろう。

  • 鈴木小委員長

    いかがか。よろしいか。

    本件については、了承いただいたということにさせていただく。

「地域新生コンソーシアム研究開発事業等」について、地域技術課長谷川課長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 大見委員

    平成9年に始めて、使った予算額にはまだ及ばないが、随分実績が出てきている。非常に効果が出ている。

  • 長谷川課長(地域技術課)

    波及効果等も含めれば、さらに相当な効果もあったと考える。事業委託が終わってから、5年程経って成果物を売り始めた例もある。

  • 大見委員

    (事業委託期間については)2年では大変。3、4年はないと無理。例えば、文科省等で、ある程度基本的な技術をしっかり作った後、これにアプライするチャンネルをつくると良い。文科省の公募事業で落ちた案件を拾っているようではだめ。向こうでしっかりした技術を作ってから来ないといけない。他府省枠というのは非常に良いのではないか。

  • 長谷川課長

    総合科学技術会議でも、府省間の科学技術施策を連携させた施策群をスタートさせている。その中の「地域科学技術クラスター」という連携施策群に、本事業も入っている。すべての省が集まって、それぞれの地域施策を議論し合い、どのようにつなげていくかという議論が既に始まっている。

  • 冨田委員

    地域から来た人間としても全く同じように感じている。北海道でも随分活用させてもらっている。2年というのをどう使うか。要するに、プロジェクトを選ぶときに適切に選びなさいという意味はよくわかるが、少なくとももう1年、何とかならないのか。

    文科省や元の生物系特定産業技術研究推進機構で基礎的なものをやった後のつなぎの部分が非常に大きく働いている。この効果を上げるためにも、ぜひ続けていただき、もう1年伸ばしていただきたい。

  • 大見委員

    公募か。

  • 長谷川課長

    そのとおり。現在は、(事業委託期間が)2年と言いながら、(公募~契約期間に約半年を要するため、実質的に)1年半強という感じであるが、制度的にいろいろ検討しているところである。

  • 伊澤委員

    制度としては大変良い。ただし、説明資料7ページの表の1番と4番については、両方とも技術的には30年ぐらい前に開発されているものである。

    1番(情報通信デバイスに活用される酸化物単結晶ウェハーの開発)について言えば、リチウムタンタレートの業界は、生産設備が余っていて、赤字で困っている。こういうことをやると、逆に日本の産業がだめになっていくのではないかとすら思える。選考に当たっては相当注意しないと、むしろ過当競争を導入していることになるのではないか。

    4番(高純度透明石英ガラスの開発)も幾分似たことであるが、こういう技術が本当に地域産業に貢献するのか。今、通信用の光ファイバーはほとんどこういう方法でつくられているが、高純度の石英もこういう方法でつくられている。それが本当に地域産業に貢献するかどうかまで考えると、幾分首を傾げる。

    制度としては大変良いが、選考に当たって、産業の状態も含めて検討しないと間違えるのではないか。

  • 長谷川課長

    売上を立てれば良いというだけでなく、地域産業との関係をよく見て採択案件の選択をすべき、とのこと、ご指摘のとおりであり、注意しつつ事業を進めていきたいと考える。各地方経済産業局も、地域産業との関係をよく見た上で、地域政策面での評価を加味して審査をしている。

  • 平澤委員

    私は、コンソーシアム事業が創設された平成9年当時、(産業技術審議会地域技術委員会の))委員として地域技術施策の検討に携わっていたが、当時、通産省全体としても、シーズ対応型のプログラムがほとんどであった。このため、今後はニーズ型、特に地域ニーズを実現するという点を重視したプログラムをつくる意義があると考えた。

    事業開始初年の委託期間は3年であった。3年のうち1年目と2年目に、評価委員が現地調査をして、制度設計上の問題等を含めて改善すべきこと、あるいは支援すべきことを検討していたように思う。

    3年目が終わったところで成果報告会をNEDOの主催で行った。15~20件程度が対象で、2年経った段階で実用化できるのは、そのうちの2件か3件という感じであった。

    それを本格的なニーズ型に転換できないかと考えた。事前評価のやり方に関して、地域は優秀な技術ということにこだわって選定してくるという傾向がある。当初考えた制度の趣旨は、ハイテクをやるというよりも、むしろ地域ニーズを解決するというところにもっと力点を置いたらどうかというものである。地域ニーズが活用される回転を速めた効果はあったと考える。今後、制度を見直す際も、

    こういうことを3年か4年続けたが、予算が(経済省に)移管され、NEDOで全国区から選ぶことができなくなった。当初考えた者の手を離れた後、補正予算が手当された時期もあり、制度的には荒れた状況になっていた段階もあるのではないかと思う。

    地域ニーズを基軸に議論を深められれば良いのではないか。

    当時は、コンソーシアムの方は地域ニーズ型、新規補助金の方はもう少し地域のシーズを涵養するというように使い分けたらどうかという考えもあった。ただし、こうなると、中小企業庁がやっているものとある程度重なってくるという問題もあったように思う。

  • 長谷川課長

    コンソーシアム事業と新規補助金はオーバーラップしているものであり、地域シーズからニーズへ至までの範囲に対応している。この新規補助金と中企庁の補助金とでは、どこに線を引くかということは確かにあった。

    先ほどの話にあったように、途中段階で非常に予算規模が大きくなり、NEDOでは手が回らない、特に地域の状況をNEDOから見に行くのは困難だということがあり、地方経済産業局が受けて実施した。

  • 平澤委員

    採択に関する事前評価に関しては、評価システムを一本化するのは危険であるということで、事業創設時に、「技術」、「事業化」、「地域」の3つに分けた。

    NEDOで実施していた当時は、地域ニーズは産業局が、技術シーズとしての価値は国研の方が、事業化の部分はベンチャーに詳しい方や銀行で融資を担当している方、こういう方たちを含めてやるという形にして幾つかの側面に評価を分け、それらを統合してNEDOに地域のバランスも考えながら全体的な議論をする評価委員会を最終的につくった。このような仕掛けにした。

    現在は地方経済産業局が実施するようになっているので、もう少しニーズ発掘、地域ニーズで解決したいものを本気になって見つけ出すことに取り組まれれば良いと思う。

    やはり2年では短い。

  • 鈴木小委員長

    文科省の方もクラスターがあり、都市エリアがあり、先ほどの話のように、これらが連携していくというのは大変良いことだと思う。しかしながら、国と地方の関係、経済省が地域の活性化ということができるのかという点がいつも気になっている。経済省が選び出して、このテーマは1億、2億と予算をつけ、2年程実施して何となく得意気になるような話なのか。むしろ大事なのは、地域における科学技術あるいは産業の、正に地域における活性化、文化をつくっていくことであろう。

    そのために経済産業局が、地方にあったとしても、一体何ができるのか。要するに、国のめがねにかなったものを選んでいくやり方が本当に地域の活性化につながるのかという議論を、そろそろ表でした方が良いのではないか。

    そうしなければ、妙なテーマや少し見栄えの良いテーマが多数並び、結局はどういう効果を生むかわからない。地域それぞれの発展の仕方も違うであろうし、持っている地場のいろいろなカルチャーが違う。そこをどう分析しているか。例えば三位一体のように地方だけで回る仕組みになれば良いが、残念ながら、税金が全部こちらへ集まる仕組みであり、それをどう地域に渡していくかという点について、自治体も頼りない面があり、良い仕掛けをこの連携施策群で考えるのが良いのかどうか。どこかで議論していただけないか。

  • 長谷川課長

    通産省時代は立地政策が主であったが、経済産業省では平成13年度に地域経済産業グループという局レベルの組織をつくり、地域経済産業のクラスター、産業クラスターという計画をつくって推進している。

    コンソーシアム事業自身はクラスターができる前の平成9年から実施しているが、平成13年度からスタートした産業クラスターの非常に重要なツールとして、活用されている。地方経済産業局もそういった観点で採択案件を選定している。確かに、このような地域技術施策がクラスターに及ぼす効果は、定量的に示せるようなものではないが。

    また、地域科学技術振興という観点では、総合科学技術会議あるいは文科省との連携を考えて実施している。

  • 鈴木小委員長

    正にそういう仕組みを国で考えて、それを投影していくというのが本当に良いことなのかということを疑問視している。この事業の評価からやや外れる話だが。

  • 大見委員

    文科省の地域結集型プロジェクトを引き受けて実施した経験がある。よくわかったのは、地域のクラスターにしろ何にしろ、プロジェクトリーダーは地元に全く関係のない人が良いということである。

    地域だけに任せておくと何が起こるかと言うと、そこで育った人はたくさんの人に恩を受けて育つから、国からお金が来たというと、世話になった人が寄って来るため、ばらまきになって全く何もできない。地方に行けば行くほど地縁・血縁は濃い。そういうことと全く関係のない人が乗り込まないと、金だけほしくて寄ってくる人を阻止できない。

    私が関わった、ある県の地域結集は、この制度の中で一番成功したと言われているものだと思うが、県は当初、「県からも資金を出して一緒になってやる。」と断言した。しかしながら、国の予算が正式に決まって、実施段階になると、「国からたくさんお金が来たのだから、この資金を別に回したい。」と言い出した。そこで、知事に対して、「計画を変更するなら、国から頂戴した資金は直ちに国に返す。」と反対した。それでやっとくい止まるわけです。地方に任せればうまくいくというのは全くうそだと思う。

  • 平澤委員

    私が経験したのも、科研費補助金について、ある大学の報告会が研究内容ではなく補助金の取り方の報告会になっていたことがあった。さすがに、評価委員が厳しく指摘した。おっしゃるようなことは確かにある。

    ただし、悪いことばかりではない。大見先生のおっしゃった例は、地域結集だが、地域コンソーシアムの方は、結集していくメカニズム、これは後にクラスターという概念に発展していくわけだが、そのメカニズムを作り出そうとしている事業である。

    コンソーシアムでは、正に地域のオーガナイザーとして適切だと思われる個人のリストを地方経済産業局が中心になって作った。そういう方たちを中心にして地域ニーズを展開していただく。科技庁の方は、中核になる機関を選定して、その機関にオーガニゼーションを任せる。そういうタイプで地域ニーズを拾い上げようと考えた。

    したがって、そのメカニズムとリストが上がってくる段階で、どれ程異物をパージできているか、こういう問題が一つあるだろう。

  • 冨田委員

    大見先生と同じ考え方を持っている。私も地域結集型に参加したが、自治体が勝手に配分を動かし、約束したことをやらないケースが見られた。結果として、丸く収めるような日本的な形にしてしまうので、非常にまずい。

    鈴木委員長のおっしゃる、地方に任せていくという話はよくわかるが、今は行き過ぎている。中央は、「こういう制度で事業をしており、次にこれをやらなかったら、おたくの地域ではやらない。」というぐらいのことを(地方自治体に)はっきり言うべきである。

  • 鈴木小委員長

    私も地域結集に関わったことがあるのでよくわかる。国が今まで全部、そういう意味ではお膳立てして引っ張ってきた。したがって、地域は群がるカルチャーしかない。

    (地方が)きちんと自立できて、ある意味では三位一体で財政的にも豊かになり、そこの中からちゃんと自立した形で科学技術投資できるような仕組みに、いずれはなっていかなくてはならない。そうしないと、いつまでたっても南北問題が国内にあるようなものである。

  • 冨田委員

    なるべきだというのは非常にわかる。そういう方向に向かうことは望ましい。しかしながら、現状がそれぞれの地域によって違うため、国がかなりの指導力を出してもらわなければいけない。

  • 鈴木小委員長

    地域から本来はそういう指導者が育っていく芽を、今はつんでいる側面があるのではないか。南方熊楠みたいな人がきちんと出ていくような芽を。

  • 平澤委員

    この制度の議論をしたときに、中小企業庁は中央と地方という仕分けをしていたが、それをやめた。東京や関東も一つの地域である。だから、地域がもう少し主体的に運営できるメカニズムを実現しようとした。それまでは、鈴木委員長がお考えのような上意下達型のものが制度のほとんどを占めていた。大見先生がおっしゃるように、あるいは冨田先生がおっしゃるように、成熟してくるまでに時間がかかっているということではないか。

    NEDOで全国のプロジェクトを採択審査していた頃は、地域間競争を適切に行っていたと思う。ある地域では採択がゼロになったところもあった。(現在、採択審査を)地域に分割していることで、(全国レベルで切磋琢磨されなくなるという)弊害が出てきているかもしれない。地域がつける評点を含めながら、全体の有様、国の有様をもう少し評価に入れる、取り込むような制度でも良いのではないか。

  • 長谷川課長

    その折衷案的なことをやっている。まず、本省の事前評価委員の評価をもって、地域に分配をしている。あらかじめ決まった率等で地域の大きさによって額を配っているものではない。全国競争をある程度経た上で、次に地域の中で決めるという、いわば2段階になっている。

  • 鈴木小委員長

    地域新生コンソーシアム研究開発事業、新規産業創造技術開発費補助金についてはいかがか、よろしいか。

    本件については了承いただいたということにさせていただく。

(2)一括審議

「デジタル・マイスタープロジェクト」及び「地球環境国際研究推進事業」について、事務局(技術評価調査課原田評価企画調査官)から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 吉本委員

    デジタルマイスターについて。そもそも国があえてやる必要性はどういったところにあったのか。熟練技能の空洞化、産業の空洞化の防止というところも前面には出しているが、それを国が指導的な立場で行って、なおかつ具体的に結果としてどういう効果が得られたのか。

    特に最後の問題点・改善点については、ノウハウの流出防止に対する対策に関しては企業のモラルに委ねなくてはいけないというところがある。国策としてやるのであれば、戦略的に、最初にリスク管理ありきではないかと思う。結論としては、国が継続する必要性はなかったと思うが、どうか。

  • 加納係長(産業機械課)

    国がやるべき意義についてであるが、本制度については、製造現場のノウハウ、技能者が持っている技能をどうやって若い世代に伝えていくのか、熟練工でしかなし得ない技術を熟練に達していない人がどうやってマスターしていくのかというところについて取り組むため、例示的に金型を対象として実施したものである。

    これを放っておくと、技能の伝承が図られない。特に金型の分野では、企業がそれを行う体力がない、それをどうやって実現するかという手法についても情報が薄い。

    そこで国が旗を振り、コーディネーターを兼ねながら、一つは現場、それを支援するソフトベンチャー等がグループを組んで形にしていく。できたものとしては、設計支援ツール、より使いやすい工作機械、そういったものをつくるというところが意義である。

    評価の先生方からいただいた意見の中で、これを続けていってはどうかという話もあったが、例示的に技能のデジタル化、技術化については可能である、また、それは大きな意味があるということを示せたところで、一通りの役割を果たせたという認識のもとに終了した。

  • 吉本委員

    関係する企業にも聞いた。本当に自社内でマイスターの技能を継承できているケースもあるが、横展開ができていない。開発した企業自身もどう使うかわからないと漏らしているところもある。技能と技術はスパイラルな関係であり、ある一時点のものを開発しても仕方がない。継続的に、企業の中で意識的に使われているかどうかは一部疑問を持っているが、趣旨はよくわかった。

  • 加納係長

    ご指摘のとおり。作ったものの取り扱いという面に関しては、国としては、こうやればできるというところの支援をした。今後、継続していくのは、正に企業の仕事ではないかと認識している。

    技術の海外流出という面については、今回は技能の技術化という面での開発支援であり、問題になっている金型図面の意図せざる流出問題については、別の手を打ってやっている。その点については、この開発制度とは別個に対応しているということを了解いただきたい。

  • 鈴木小委員長

    技能がすべて技術化できるわけではない。デジタル化できるわけでもない。どこまでがデジタル化できるのかという仕分けができるようになった、金型以外についても、そういう意味での一般的なコンセプトが確立したということか。金型だけについてやってみて、上手く行きそうだから、終わりにするという話か。

  • 加納係長

    技能を技術化するという手法そのものについて検討するのは非常に難しい、ハードルの高いものである、という認識であった。それが金型を例にしてやってみると、上手く行った。これがほかの分野でどの程度通用するものかということについては、単独で対応してもなかなか推進できるものではない。今後これを考えるのであれば、もう少し枠を広げて、局、さらには経済産業省全体としてどう捉えるかというところである。

  • 鈴木小委員長

    いかがか。よろしいか。

    2件については、了承いただいたということにさせていただく。
     

3.平成17年度技術評価実施計画について(報告)

平成17年度技術評価実施計画について事務局(技術評価調査課陣山課長)から報告した。
 

4.今後の施策評価に向けての課題について

今後の施策評価に向けての課題について事務局(技術評価調査課原田評価企画調査官)から、また技術戦略マップの概要について中村研究開発課長から説明を行ったが、定刻を過ぎたため、次回へ持ち越しとなった。概要は以下のとおりである。

  • 鈴木小委員長

    ただいま施策の評価に関する説明と、技術戦略マップの紹介をしていただいたが、本日、これを議論いただきたいわけであるが、既に予定の時間を10分ほどオーバーしており、次回の委員会においてここから議論をさせていただく、ということでよろしいか。

    これは一刻を争うというよりは、むしろ我々が申しつかっているプロジェクト評価の上位にある施策をきちんと我々が知らずして何でプロジェクト評価ができるのかというところから端を発している。施策評価が内部評価で行われているとは言いながら、どういう形でやるべきかということに関して、我々の方からもいろいろな考え方を申し述べさせていただくことも必要である。このロードマップが、大変立派なものができていくと、システマティックにいろいろなことが動いていくだろうという期待もある。

    20分野という大変な量でもあり、それぞれが3次元構造か何かを持っているだろうから、大変複雑なものにもなっていくであろう。そういうところできちんと整理をしてプライオリタイズをして、プロジェクトの位置づけを見ていくということが求められていくことになる。次回、4月は具体的な評価案件も大変な数があり、苦労をかけることになるかもしれない。例えば早朝から深夜までということもあり得るかもしれない。少し圧縮していただき、また議論の時間を取りたい。また5月にも議論していただけるかと思う。

  • 冨田委員

    もう少しほかの分野も見せていただきたい。

  • 中村課長(研究開発課)

    来週の公表後、先生方にはお送りしたい。

  • 池村委員

    産総研の持っている役割は非常に大きく感じる。産総研のプロジェクトがどう絡んでいるのか、経済産業省では一番大事な組織だと思う。そのあたりも少し説明してもらいたい。

  • 中村課長

    了解した。

  • 大見委員

    何十年か先までの日本の計画を全部世界に見せてしまうのか。

  • 中村課長

    その点については、配慮している。

  • 大見委員

    十分に配慮してほしい。

  • 冨田委員

    然り。

  • 鈴木小委員長

    次の委員会でいろいろ議論いただきたい。

  • 陣山課長

    今回、パソコンを使用していただいた。個別の審査案件については紙媒体も併用したが、こういうやり方でよかったのかどうか、委員の皆様方にメールでアンケートを出したい。また、それに応じて次回のやり方を決めたい。

  • 鈴木小委員長

    よろしいか。次回の日程等は事務局から連絡する。本委員会はこれをもって閉会とする。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月15日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.