経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第15回)-議事録

日時:平成17年7月25日(月)
於:経済産業省831号会議室

出席委員

平澤小委員長、池村委員、伊澤委員、大見委員、鈴木(潤)委員、長谷川委員、畑村委員並びに吉本委員

開会

木村産業技術分科会長の指名により新たに評価小委員長に就任した平澤東京大学名誉教授より挨拶を行った。

また、事務局(技術評価調査課石川課長補佐)から配布資料の確認、前回議事録についての説明及び確認を行い、了承された。

議事概要

1.プロジェクト評価結果について(審議)

冒頭、プロジェクト評価案件「メタンハイドレートの開発促進事業」及び「高性能断熱建材技術開発等対策事業」の審議については、個別審議とする旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

まず、「メタンハイドレートの開発促進事業」について、石油・天然ガス課祝谷課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 伊澤委員

    コストパフォーマンスについて云々する状況にないというのはよくわかるが、現在のように、原油が高くなっている時代に、例えば原油がバレル当たり幾らになれば、これは意味が出てくるのかという指標がなければ、このメタンハイドレートをくみ出すのに、石油で言えばバレル1000ドルに相当するというと随分先の話だと思うが、その辺について何かコメントしていただきたい。第1期の終わりごろには、そういうデータが出てくるのか。

  • 石油・天然ガス課祝谷課長補佐

    周辺の土の分布状況、技術の開発動向等々の流動的な要素が相当あり、第1段階の終わりに具体的な形で数字を出すことについては、もう少し検討が必要だと思っている。

    ただし、日本の近海において相当に有望な資源であり、日本の技術も使える開発事業ということで、例えば20年後、30年後、あるいは、この事業が実際に終わる2016年頃には、日本の強みとしての方向性を打ち出したいと考えている。

  • 伊澤委員

    例えばバレル1000ドルなのか500ドルなのか、はたまた1万ドルなのか、その程度のラフなエスティメーションは、地盤の状況がわからなくても出てくるのではないかと思う。そのくらいラフでも良いから大雑把な数字がないと、このプロジェクトの説得力が欠けるという気が強くする。

  • 祝谷課長補佐

    賦存状態とか生産手法が絞り切れてないということも踏まえて、まさに先生が言われた方向でどこまでできるかという検討並びに、最終的にどこまでできるかという問題はあるが、そういう方向でやりたいと考えている。

  • 池村委員

    海洋開発技術に関してはJAMSTECがノウハウを蓄積しており、特に海底のコアの採取に関してはJAMSTECも充分に経験を積んでいると思う。先ほどの説明では、外国の船を使っているとのことであったが、日本として重要なこの課題に関して、JAMSTECとの間にどのような協調関係があるのか。

  • 石油・天然ガス課伊藤課長補佐

    プロジェクトの内容を検討する検討会にJAMSTECの理事に参加していただき、情報交換と指摘をいただいて実施している。

  • 池村委員

    JAMSTECも、メタンハイドレートのコアの採取を行っているか。

  • 伊藤課長補佐

    メタンハイドレートは、高圧で低温という二つの条件がそろった時にのみ安定的に存在するものであり、サンプリングの時に非常に手間がかかる。と言うもの、その状態を保持したまま陸上に上げなければ、たちまちのうちに分解してしまう。

    そのために、我々のプロジェクトでは、その状態を維持するためのサンプリング装置も開発して、これまで事業を推進している。JAMSTECは、そのような技術をまだ開発していないため、サンプル取得に関しては我々自身がやっている。

  • 畑村委員

    メタンハイドレートの分布を見ると、大陸の周り、例えば日本の一番海溝の深いところにたくさん分布しているようである。普通に考える賦存状態とは別に、一つの国のエネルギーが何かに依存する程度を考えた時、随分違う意味づけが本来あるべき。日本の周りに出てくる可能性は、多分メタンハイドレートしかないのではないかという感じがするため、普通のウエートづけとは違うウエートづけの主張が本当はなければいけないのではないか。

    したがって、他国ではやらなくても、日本ではこれだけのことはやらなければいけないという戦略があると思うが、どうか。

  • 祝谷課長補佐

    そういう意味で言うと、大きな位置づけ、まさに日本としての資源戦略という意味では、これが日本独自として持てるものだろうという位置づけをしている。基本的な位置づけは先ほどの計画の中にもそういう方向性で書いており、それを総合エネ調でも認めいただいている。まさに、それに必要な技術開発と位置づけてやっている。

  • 畑村委員

    位置づけの程度がどのくらいかわからないが、年間に40億とか50億という金額は、桁外れに小さ過ぎるのではないか。もう少し大きな戦略的技術開発があるなら、もっと規模が大きくなければいけないという評価がすごく大事だという気がするが、どうか。

  • 祝谷課長補佐

    まさに今はフェーズ1ということで、基礎技術的なものが使えるかどうかという基礎レベルにとどまっているが、ある程度目途がつき、さらに賦存状況がほぼ確実で、産出することが経済的にも見込みがあるというスタディが出た暁には、あるいは、その少し手前から、例えば増額をする等々は積極的に考えていかなければならないと思っている。

  • 畑村委員

    同じようなことをいつも考えなければいけない。例えば原子力でエネルギーを獲得しようと考えていても、使ってみるとかなり膨大な資金が後始末にかかりそうということがわかってくる。そういうことを考慮すると、メタンハイドレートについてはもう少し違う視点を初めから主張して、やっていくことが必要な気がする。最後はコメントである。

  • 吉本委員

    前回ある委員から、メタンガスの温室効果とか、環境アセスメントの周辺はどうなっているのかという質問があったと記憶している。ほかの化石燃料も同じだと思うが、今回の報告書では、地球規模での気候への影響に関しては対置する理論があり、どちらとは言えないという結論で終わっているが、ここに関する見解がもしあれば教えていただきたい。

  • 伊藤課長補佐

    地球規模の環境に与える影響等々については、さまざまな文献があることは認識しており、それらについても情報収集はしている。

    しかしながら、今の状況は、特定の学説をもって結論が出ている訳ではなく、ハイドレートが分解して地球規模の温暖化等々に影響を与えたのかどうかも一学説だという認識である。

  • 長谷川委員

    9ページの環境分野というのが環境に対する影響の査定に関するところか。そこに四つ並んでいるのがこういう掘削をしたときの環境影響評価か。

    海洋の生態は専門ではないが、この辺の評価に関わっているいろいろな技術を見ていると、特に海洋の生態環境に関する査定は明確に見えてくるようには思わないが、このようなメタンセンサー検証とか、既往手法をベースとした構成式構築がどう生態学的環境影響の評価になるのかをもう少し説明していただきたい。

  • 伊藤課長補佐

    なかなか難しい研究分野であるということは承知をしている。

    まず、海洋の環境に与える影響等については、実際にハイドレートが存在すると想定される海域の海底環境がどのようになっているのかという現場の調査から実施している。

    また、一昨年、実際に南海トラフで基礎試錐を行った際に、その前の段階での環境の状況及び基礎試錐が行われた後の海底の状況の調査も行い、いわゆる基礎試錐を行った行為がどのように影響を及ぼしたかを踏まえて、環境影響因子等を探ろうとしている。

    また、この環境分野での研究は、生物影響への因子だけではなく、例えばハイドレートを産出する時に海底地盤に何らかの影響が生じる可能性があると想定されるため、地盤の変位測定が可能となるようなセンサーの開発であるとか、メタンが微量でも漏れ出した場合に検出できるセンサーの開発等もあわせて行っている。

  • 鈴木(潤)委員

    第2回の陸上産出試験を延期した経緯について少し説明していただきたい。

  • 祝谷課長補佐

    第1回目の産出後、日本海の近辺で試錐を行い、そこで実際にメタンハイドレートを取り出したところ、それまでの生産技術で対応できる部分もあれば、対応できない部分、つまり対応できないような地層の重なり方が発見された。

    そのため、それに適切な生産技術を改めて追加的に開発する必要が出てきたため、今、その開発を急いでやっている。

  • 鈴木(潤)委員

    フェーズ1はどのくらいまで延長するのか。

  • 祝谷課長補佐

    技術開発の動向を見ての延長ではあるが、希望としては、18年度に第2回目の産出試験ができればということで、鋭意その技術開発並びに調査をやっている。変更はあるが、目標としては、そういう形でやっている。

  • 平澤小委員長

    今、いろいろ議論していただいたように、メタンハイドレートに関しては、大きくは二つのフェーズがあると思う。最初は伊澤委員や畑村委員が指摘されたように、メタンハイドレートそのもののフィージビリティは、リスクの面とコストパフォーマンスの面があるのではないかという、その概略がわからないかという話であった。

    もう一つは、メタンハイドレートを掘削するといっても、幾つかの方法があり、代替的な手段がフェーズ1の段階では幾つか考えられる。それについてのフィージビリティを詰めた上で、フェーズ2に移るのが通常の進め方だと思うが、フェーズ2はまだ基礎的な掘削で、実務的にはフェーズ3になるという計画だと思う。

    皆さんの発言をまとめると、そのようなポイントポイントを押さえて今後の計画を見直しながら進めていただきたいと言うことだと思う。

    このメタンハイドレートについては了承いただいたということにさせていただく。

次に、「高性能断熱建材技術開発等対策事業」について、住宅産業窯業建材課住宅産業室吉田企画官から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    先ほどのメタンハイドレートのプロジェクトに比べると数十分の1ぐらいの予算規模で、はるかに小振りだが、これはこれでエネルギーに関連して非常に有効な開発課題だと思う。

  • 畑村委員

    断熱材として、こういうものが必要だということもわかるし、費用は小さいけれども、これなりに意味があったものだと思うが、そもそも製造産業局に住宅産業窯業建材課が必要かどうかを表している案件だという気がする。本当に窯業の建材として必要なのか、課があるからこのプロジェクトをやったのかというのが出てきている気がする。

    この技術評価調査課をつくる一番初めに言われていたことが余りきちんとやれてないという気がする。いつもプロジェクトをやると、プロジェクトの評価自身はできが、国のこういうところでやるべきものだったのかどうかという一番高いレベルの視点が忘れがちになるため、そこを議論するためにこういう評価小委員会をやるので、委員になってほしいと言われて委員になった。ある時期に、もう役割が終わったプロジェクトだから、中身云々ではなくて、プロジェクトに取り上げたこと自身がそれだけの意味があったかどうかという評価をしないといけないだろう。

    その役割は評価小委員会がやるということを昔から聞いているから、その議論をしないといけないと思う。本当に経産省に住宅産業窯業建材課が要るのかというと、僕は要らないだろうと思う。その議論までひっくるめて検討するために評価小委員会をつくったのであれば、その議論する必要があるだろう。

  • 技術評価調査課陣山課長

    必要性についてということで、国としてやる必要性、また、その中で経済産業省としての必要性に関する評価項目がある。組織の話、課が必要かどうかという話はここでの議論とは別だと思うが、国のプロジェクト、経済産業省のプロジェクトとしてやる必要があったのかという、本来であれば事前評価の時にしっかりと評価しておくべき項目であるが、その辺についての議論もやっていただきたい。

  • 畑村委員

    事前評価の時は、まだそこまでいかないというのがある。石炭の事業はいつもそう。だから、やり方がどうだったかという評価はそれはそれでいいが、ここまで全部終わった時に、もうこれは要らないものだったという評価をしたということがどこかに出てこないと、始めたものは全部大成功で、全部意味があった、特に担当の人たちからすれば、大成功でないと終われないからそうなる事情はわかるが、それでも、一番初めにここの技術評価調査課がこの評価をプロジェクト毎から外して全部をやろうと言った目的は、事業を行った意味・意義について事後評価の時期に検討するためだと思って、委員続けている。こういう時だけは言う義務があると思って発言している。当初の目的の設定自身は構わない。終わった時点で、当初、そういうものを設定すべきだったかどうかを評価し直すことがすごく大事である。

    それから、追跡評価をやっているが、その思想は、単発で終わるプロジェクトを長期的にきちんと見ないと、後からすごく無駄があったり、間違った方向に行くという事があるからやっている。これは金額小さいからどうこうと言いたくなるが、こういうことにお金使うことを、みんなで大事だと言い合うのはほどほどのところでやめておいた方がいいという気がする。

  • 平澤小委員長

    指摘された点は、追跡評価という別の枠組みの中で議論されるべき話で、今回は事後評価なので、達成度評価について、まずは押さえておく。

    それだけでは不十分だということは指摘のとおりなので、それを追跡評価の枠組みの中でより上位の政策自身に照らして妥当なプロジェクトであったかどうかを改めて議論する場が必要であると評価論では整理している。

  • 畑村委員

    妥当だったかどうかは要らないと思う。その時点でやるべきだったかどうかということを言っているのではなくて、その時々にはきちんとした評価をしているが、ある時間が過ぎ、その評価自身を後から見直して、あの時やらなかったのがおかしいと言うのはすごく失礼な気がして仕方がない。

    したがって、それは言いたくないが、終わった後でいろいろな状況を通して見ると、こういうやり方でいくものは次はやるべきでないとか、もっと違う状況を途中で考えながら、例えば4年あるうちの2年ぐらいのところで評価を実施してみると、やはり打ち切るべきだったということまで、終わった時点で意見や考えが出ることが大事であり、そのために評価部会をつくったのではないか。

  • 谷参事官

    このプロジェクトが終わってからであるが、2年前に1年間、住宅産業窯業建材課長をやっていた。

    課がどうだということはいろいろな話があるため、この場で議論することではないが、畑村委員が言われたことは、まさにこの委員会での活動も含めて、評価をして、次の運用につなげていくところが評価の一つの非常に大きな眼目である。

    具体的に申し上げれば、住宅課では、別途同じような事業もやっていたが、ナショプロと言っていたこの手の技術開発は全て止めた。この手の事業は全部、NEDOの補助金制度、実用化補助金として実施している。

    ただ、それは国が音頭を取ってやるものではなくて、いい相手がいるなら、こういう制度があるから、そこに行けばいいじゃないかということで、今こういう技術開発を一生懸命やるというよりは、いろいろなシックハウス対策とか、これは経産省的なセンスでも、税制との関連とか、国交省と違った分野で我々も頑張るところはいろいろあるので、そういったことはやっており、こういう個々の建材の技術開発というのは国が音頭を取ってやるのではなくて、民間への補助金でやる方向に切りかわっている。そういう意味では、この委員会でも、今のようなことを評価していただくというよりも、これはこういうものだとか、あるいは、こういうのはどうなったのかということを個々のプロジェクトのもとにやっていただければ、それはそれで、こちらもきちんとお答えできると思う。

  • 畑村委員

    私が言いたいのは、まさにそのことである。したがって、国が音頭取ってやるよりは、個々の企業が競い合いながら、しかし全体としては国の方向に合致しているのであれば、そのサポートをする方が、社会全体としてはすごく能率がいいし、いい方向へ行くと思う。

  • 谷参事官

    そう切りかわっているものも結構ある。この委員会はかなり前からやっているが、そういうことはその都度言っていただければと思う。今いる担当者が一生懸命過去の事業を評価したり、今やっている事業は今やっている事業で評価しているので、こちら側サイドの人に聞いてもらえば、結構切りかわっていると思うが。

  • 平澤小委員長

    今の話は予定されている議題にも関係するが、要するに、研究開発投資型の案件がほとんどだったが、それがインセンティブ型に切り変わっていっている。その方が、お金の使い方としては、国全体として見ればより効率的だという政策転換の枠組みが一方では用意され、その方向へ遷移途中のプロジェクトだったと位置づけてよいのではないか。

  • 照井審議官

    今、平澤委員長から話があったので、それに尽きているかと思うが、議題の3番の施策評価あるいは今後の基本問題ワーキンググループの議論で、どういう形で進めていくか検討していきたい。

    ここは研究開発関係のものを中心にやっているということだが、その中で一番お金を使っているのはプロジェクトであろうということで、プロジェクト評価はきちんとやっていくということでスタートしている。施策評価については基本的に自己評価でやろうという形で実施しているものがそれをさらに進化させ、外部評価の観点を入れていこうということで、今後の取り組みを改善していく、バージョンアップしていくという形で進めていきたい。時代とともにどんどん評価のあり方も変えていこうということで進めているところであり、そういう流れで今のような意見をどういうところで反映させていくのかについても、検討していきたい。ぜひともそういう観点での意見を引き続きいただけるとありがたい。

  • 畑村委員

    始まったころに比べたら随分と変わっていっている。したがって、この方向で行くのがすごく大事だという気がする。

  • 平澤小委員長

    住宅建材に関してのほかの論点があれば。

  • 吉本委員

    最後の個別指摘のところで、費用対効果については定量的な指標に基づく厳密な判断は難しいという指摘があったが、代替フロンに比べると、コスト的にはどうか。

    今回新しく開発されたものは、既に上市されているものも何件もあるということだが、代替フロンを使った断熱材に比べると、コスト的にも世の中に受け入れられやすい価格競争力のあるものになっているのか。

  • 吉田企画官

    価格的にも受け入れやすいものになっている。既にかなりの売れ行きと聞いている。

  • 吉本委員

    そうすると、結論から言うと、代替フロンのものより何かインセンティブをつけなくても、市場原理の中で受け入れられていくものでできたということか。

  • 吉田企画官

    然り。

  • 伊澤委員

    説明がなかったが、評価報告書概要の成果の(1)にホルムアルデヒドのことが書いてある。物をつくることについては大変うまくいっているようだが、健康問題について、本当に吸着材だけで処理して良いのかが気になる。コメントいただきたい。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター加藤

    断熱材の上に、ホルムアルデヒドが外へ出ないための紙のようなものを上に乗せている。断熱材から漏れないことを確認する性能試験をやり、四つ星の評価を得ている。性能としては四つ星までの評価である。

  • 伊澤委員

    これだけ健康についていろいろ議論されている中で、ホルムアルデヒドを全く使わないプロセスの選択肢ができるかどうかは分からないが、もし必要であれば、そういったものをあわせて開発すべきだと思う。出ないから良いと言われるが、きっと最後は出てくる。外断熱であればまだ幾分はいいのかもしれないが、内断熱に使えば間違いなく出てくる。

  • 平澤小委員長

    技術的にはどうか。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター加藤

    フェノールフォームの材料であれば、その辺の問題は非常に少ないが、出てくることは確かである。そのため、それなりの対策を取ってやっている。

    今現在の基準でいけば、最高級の四つ星レベルであるが、今の段階では原料からいって全くゼロという形にはできていない。

  • 鈴木(潤)委員

    畑村委員が先ほど、終わった時には、もう成果が不要のものであったというようなニュアンスで言われたが、今報告された資料の中ではどこも読み取れない。プロジェクトが終わった時には、その成果は意味のないものであったという事実は実際あったのか。

  • 畑村委員

    私の発言の趣旨は、成果自身はきちんとしているが、それを国のプロジェクトとして位置づけてやることが必要だったのかということである。スタートの時点でそう判断したことはそれでいい。しかしながら、終わった時にいろいろな状況を考え、こういうことをやっている時期なのかどうかを、ここで一度きちんと議論をする必要があるのではないか。

  • 鈴木(潤)委員

    この予算は1億ほど不要が出ているようだが、それは途中で冗長な目的を削ったというようなマネージメントの変更があったのか。

  • 吉田企画官

    そうではなく、通常の予算から財務省の方で節約がかかるため減額になっている。

  • 平澤小委員長

    この件に関して、審議はこれぐらいにしたい。

    実際に報告された内容に関しては了承したということで良いか。なお、大きな問題として、政策的な位置づけという問題について今後とも注視しながら、そのあり方を考えていくという宿題が我々の中には残ったと理解したい。
     

2.制度評価結果について(審議)

冒頭、制度評価案件「ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)」の審議については、個別審議とする旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

「ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)」について、産業技術政策課国際室八木室長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 鈴木(潤)委員

    研究の成果から出てきた知的財産権はどういう形で扱われているのか。

  • 産業技術政策課国際室八木室長

    知的財産権に関しては、基本的には、発明した個人が得るものと理解している。

  • 鈴木(潤)委員

    特に事務局としては出願のサポートなどはしないし、所有権についても完全に放棄しているということか。

  • 八木室長

    そういったサポートは特にしないと聞いている。ただ、今後、我々の対策の一環として、経済産業省として、企業向けの宣伝であるとか、成果をより一層PRして使っていただくという努力は必要であると考えている。

  • 池村委員

    この制度はもう15年ということで、制度としては円熟していると思うが、新しい問題、特に国際貢献という点で言えば、生命科学の分野はアジアで非常に強く伸びてきており、その中で日本がどういう役割をするかが重要な問題になってきていると思う。

    今後アジアの枠を増やすということが報告書に出ているが、15年経った時点で、アジアへの貢献に関する方向性について何か検討があったか。

  • 八木室長

    非常に重要な点だと思う。アジアに関しては、2005年から韓国が運営支援国として参加して、これまで日本一国だったところがアジアの国が一つ増えたということはある。

    チームを組む場合のリーダーは運営支援国から出さなければいけないが、チームのメンバーに関しては、どの国から出ても良いとなっており、アジアの色々な国からチームのメンバーとして参加するということは、原理的には大いに歓迎されるところである。

    しかし、池村委員の言われたように、特にアジアに関して、アファーマティブ・アクションをすると言ったことは特にやっていないと理解している。あくまでも申請をフラットに、今までの評価のやり方で評価していると理解している。

  • 池村委員

    それと少し関係するかもしれないが、ストラスブルグに事務局を置いているということで、特に強く主張しなければ日本の指導性が発揮できない側面があると思うが、外国に事務局を置いたことに対する評価はあるのか。

  • 八木室長

    評価というのは、国内での評価ということか。

  • 池村委員

    今回の総合的評価の中での議論についてであるが。

  • 八木室長

    それ自身に対する具体的な評価のコメントはない。ただ、関連する事情として、発足当時の事情が日本の基礎研究ただ乗り論というところからスタートしたということもあり、日本に事務局を置くのではなくて、本部は外国に置いて、日本はあくまでもサポーター、一支援国に回って、でもかなりの金額を拠出するという形でスタートするというのが当時の考え方だったようである。したがって、外国に事務局を置いた理由はそうであったと理解している。

    これは私の個人的な意見だが、むしろ日本国内よりも欧米でこの制度は高く評価されて知名度も上がっているのは、一つには事務局が外国にあって、公平と言うか、公明正大な評価がなされている、運営がなされているというところにあるのではないかと考えている。

  • 吉本委員

    先ほどの知的財産権の件は、興味を持っていた。現状、日本が半分以上の資金を出している中で、アメリカが3割以上の採択率ということであった。こういう国際ファンドで得られた研究成果の知的財産権の帰属はどうなるのか。ファンドを取って成果をおさめた国、例えばアメリカに知的財産権が帰属してしまうのかというところを知りたい。

    日本の基礎研究ただ乗り論に対して資金を出したという経緯であったが、通常よくあるお金で解決しようといった方法に少し近いものを感じる。日本人の応募や採択が少ないということもあるが、例えば日本の国内グラント受賞者へのアンケート結果でも、日本の研究者の国際的ステータスが向上したという回答が35%であり、これは国内の受賞者だけのアンケート結果としてはむしろ低いと思う。

    日本人に対してもアピールが足りないし、日本人研究者のステータスにもつながっていないということで、抜本的にこの制度のあり方は、これを契機に見直すべきだと思っている。マッチングファンドとか、そういう小手先のところで日本人の応募を増やそうというのは、もっと間違った方向だと思う。

  • 八木室長

    後半に関しては、特にPRの仕方は色々あると思う。その点については、指摘いただいた点も含めて、今後の課題として具体的に検討させていただきたい。

    それから、最初に言われた実際にグラントを受ける割合としてアメリカが非常に多く、論文とか、知的所有権といういろいろな成果も結果的にアメリカが持っていくということは当然あると思う。しかしながら、このグラントの精神からして、この分野でのアメリカのポテンシャルが高いという現状を如実に反映しているものと考えており、意図的に特定の国に重みがつくようにすることは、日本特定のバイアス、重みをつけた研究機関ないしは研究者にとって、逆にマイナスの評価になってしまうのではないかと考えている。

  • 平澤小委員長

    OECDのグローバルサイエンスフォーラムの中で、この種の国際的なプログラムの総合比較を数年前に行ったが、今回は制度評価という枠組みで議論しようとしているのでその観点でコメントすると、国際的な制度として、この種のものを設定する第1の要件というのは、国際的なインセンティブのある課題に関してやるべきである。ただ乗り論を日本が一方的に指摘され、それを消去するためのプログラム設定と言うのは国際的なインセンティブに合致しない。日本のインセンティブはあるかもしれないが。

    当初、内容をめぐっていろいろ問題が起こったり、同じように知的財産権の制度上のあり方を確定するまでに非常に難しい議論をたくさんやった。したがって、その種の制度設定の段階から15年ぐらいたって、その成果がどのようになっているかということを踏まえて、新たにその評価をしないといけないと考え、以前、評価してみたところ、この制度はインターコンチネンタルなグループでアプライすべきということになっており、確かに申請書はインターコンチネンタルなグループになっているが、成果を分析してみると、個々の研究者の成果が圧倒的に多く、インターコンチネンタルなグループとしての成果という形にはなっていなかった。

    たまにそういうものもあるが、これを分析してみると、このヒューマン・フロンティアにアプライする前からできていたグループは既に国際的な成果を上げていたグループであるといったことがあり、ここでインターコンチネンタルということを設定して、それがどのように効いていたのかということは、少なくとも成果を分析する限りでは見えない。

    先ほどのノーベル賞の受賞の話のように、全ての人がここの研究によってノーベル賞を得たわけでは決してない。そういう例が幾つかあるのであれば、そこのところを強調すべきであって、単にノーベル賞級の人がアプライしているといったことは余り説得的ではない。

    制度を見直すという立場から考えてみれば、当初はいろいろ複雑な過程があったが、少なくとも今は半分ぐらい資金を外国も出そうと思うぐらいポピュラーになってきた。そこで、少なくとも外国政府がお金を出そうとするようになってきた外国政府のインセンティブはどこにあり、彼らは何を期待していて、それが日本のインセンティブとどのように結び合うのかといった点が今後の問題を考える時のポイントになるのではないか。

    あくまでも、日本だけの立場で、こういう国際的なプログラムの評価をすべきではないと思う。

  • 八木室長

    大変貴重なコメントだと思う。今後のいろいろな政府間会合等で発言する機会もあるので、そういった場で今の平澤委員の意見等を反映するよう発言していきたい。

  • 平澤小委員長

    もう一つは、IMSについて全く同じような問題がある。これも同じグローバルに見て、グローバルなそれぞれのところからインセンティブを持てるような内容にしていくというところにポイントがあるように思う。

    今回の制度評価については、いかがか。ある程度、そのような問題があるということは認識した上で、見直しを通じて、さらに制度的な整備、本来あるべき形に近づけていただきたいということで本件は了承したということでよろしいか。
     

3.施策評価結果について(報告)

冒頭、施策評価案件16件の報告については、分量の関係から前半10件、後半6件に分けて報告する旨の説明を行った。

まず、「健康維持・増進のためのバイオテクノロジー基盤研究プログラム」、「健康寿命延伸のための医療福祉機器高度化プログラム等」、「生物機能活性型循環産業システム創造プログラム」、「21世紀ロボットチャレンジプログラム」、「革新的温暖化対策技術プログラム」、「3Rプログラム」、「化学物質総合評価管理プログラム」、「次世代低公害車技術開発プログラム」、「ナノテクノロジープログラム」及び「革新的部材産業創出プログラム」に関する事後評価結果について、事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から報告後、質疑応答がなされた。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    ここでは個々の施策の中身に関して評価するということではないため、自己評価という枠組みの中で施策評価が実施されているが、例えば説明にあった今後の課題として挙げられているような全体的枠組み等に関連して、委員会としてコメントがあれば発言していただきたい。

  • 吉本委員

    産業領域は融合化しているため、どれ一つ取っても経済産業省の中だけでクローズしているものは、今の時代は少ないと思う。

    その中で、どの施策も大体計画どおり開発が進んでいるということ自体に異論はない。ただし、技術開発、研究開発そのものの成果を問うのならよいが、実用化に際しての問題は、技術ができた後にそれが乗る社会システムがないという点である。例えば細胞医療などは日本がかなり進んでいる部分だと思うが、企業に政策的支援がないかどうかについてヒアリングを行うと、経済産業省にお願いすることはなく、ほとんど薬事法とか厚生労働省サイドの話になる。例えば病院等のアウトソーシング業務の規制緩和をしてほしいとか、薬事法の評価基準となる実験方法の統一的見解を早く出してほしいとか、事業化のために逼迫しているが、望むことは経済省ではない範囲であり、そこで頓挫しているケースがある。ロボットであれば、例えば掃除ロボットとか警備ロボットがエレベーターに乗るためにはエレベーターの設置基準から見直す必要があり、例えば国交省との交渉が必要だとか、道路交通法の改正が必要だとなる。

    したがって、研究開発成果を社会システムに乗せる上で、どういう評価をしていくのかがより問われてくるのではないか。

  • 平澤小委員長

    今の点は非常に重要な問題点である。

  • 畑村委員

    説明では、計画どおり、予定どおり順調に進んでいる。また、問題点として、まだ変えなければいけないことが指摘されているため、評価の仕方としては全体としてバランスはきちんと取れていると思う。しかしながら、このプログラムを始める時に、どういう点を考えておくべきだったかが始めた後でわかってくることがある。それを集約しておくと、次のプロジェクトをやる時に、非常に役に立つだろう。

    ここの評価委員会は、個々のやり方等にコメントを言うよりは、全体のプロジェクトの採択の仕方や進行の方法についてコメントを言うことが大事ではないか。最初に立ち上げた時と今起こっていることの間の差異がどこにあるかを必ず一個ずつのプロジェクトの評価のところに入れたらいいと思う。

    これは、次の問題点とか、やるべきことというものではなくて、本当に進めていくと、最初の時に、これは考えておくべきだとか、もっと柔軟に考えるべきだったことがわかってくるもので、要するに、プロジェクト自身を生き物の成長のように見ていくべき。最初の時点で、全部がわかるわけではない。実施していくうちにわかってきたことを教訓にして、最初に考えるべきだったことを見つけるということを中間でもやり、事後でもやると、次に進める時、非常に良い知見を得られるだろう。

    それは、今回のような時に、一個ずつではなくて、全体について指摘することが大事である。

  • 平澤小委員長

    今の二人の指摘には全く同感である。5点ほど挙げておきたい。

    第1は、この施策が全体の施策の中で、他の省も含めて、どのように位置づけられるのかを当初考えるべきである。

    2番目は、戦略の作成とか、計画の整備という点でまだ稚拙な部分がある。先ほどの事例にもあったように、要するに、フェーズを変えて展開していく時に、最初のフェーズでは何が本当の目的なのかをより明確にしていく。いずれにしろ、戦略や計画をもう少し整備すべきである。

    3番目が実用化と切り結ぶ点である。多くのプロジェクトで指摘されているように、実用化していくプロセスというのは研究開発そのものではなくて、その後に続く多段階的な制度の整備等である。これを配慮したプロジェクトにすべきである。

    4番目は、マネージメントについて問題があるとされているところもあったと言うこと。

    5番目に、コストへの配慮というのが全般から考えて非常に薄弱だと言う点。

    このあたりについての問題点を事前評価の段階でもう一度とらえ直してみると良いのではないか。

次に、「航空機産業施策」、「大学連携等施策」、「大学発ベンチャー創業支援施策」、「鉄鋼関連技術開発施策」、「都市ガス保安対策」及び「高圧ガス・液化石油ガス等保安対策」に関する事後評価結果について、事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から報告後、質疑応答がなされた。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 畑村委員

    施策としての方向は、それぞれ合っており、この方向で行くのが良いと思うが、全体として評価の部分は考えなければいけないものがあるのではないか。

    それは、国全体で例えば安全・安心を考えなければいけないと言うことで、いろいろな施策をやっているとすると、例えば「都市ガス保安対策」も「高圧ガス・液化石油ガス等保安対策」も当然必要なことである。しかしながら、本当に国民全体が求めているものと比べて、経済産業省がやる政策の中で何か抜けているものはないかを見る必要がある。

    やろうと決めてやったことが的確に行われているか否かという評価は、それはそれで個々には大事であるが、施策として挙げられていないことがあるのではないか、そして、それがあったとすると、どう欠けているのかをどこかが見る必要があるだろう。始めたことや、やろうと決めたこと自身がどう進んでいるかは良いが、ピックアップできていないことによるデメリットが非常に大きくなるようなものが仮にあるとすれば、この評価を評価小委員会がやらなければうまく気がつかないだろう。取り上げていない施策があることをどこかで評価するという、少し違った視点が必要だろう。

    なぜこのようなことを言うかというと、子供の死因の第1位は病気ではなくて不慮の事故である。相当数亡くなっているが、経産省も厚生労働省も取り上げない。自動車会社では、クレームが来るようなものは取り上げているが、実態として本当に起こっていることに気がついてはいるが、取り上げようがないというものがある。

    相当数が事故を起こしていることを知っていながら、例えばガスの保安対策を行って、ガスで何人死んだ、死なないと言っている。自動車のいろいろな周辺で起こっていることで、かなりの数の人が死んでいることを取り上げないことがおかしいと言っているのではない。気がつかないために、施策として取り上げていないが、本当は薄々気がついているような、やらなければいけないことがここに取り上げられていないことを評価委員会かどこかが言わないと、だれも気がつかないままになるのではないかという気がする。特に「都市ガス保安対策」や「高圧ガス・液化石油ガス等保安対策」の説明を聞くと、本当に早くこれらの他にそういう施策を取り上げる必要があるのではないかと思う。

  • 平澤小委員長

    今の点についても後で議論したい。

  • 池村委員

    これだけの資金が支出されていると、国プロに依存する研究者層や組織なりが我が国に多く蓄積してきている。大学の内部にも国プロに頼る若手人材が非常に多いと思う。

    若干今の危機管理とも関係するが、国プロに多くの若手人材が依存する形となっており、大地震のような災害等で、国が多額のお金を必要とするようなことがあった際、国は大学等に出している多額な国プロ的な研究資金を継続して、それに依存している人材をサポートし続けるだけの力があるのか。そういう緊急なリスクが起きた時に、国プロのシステムがどういうことを想定しているのかという問題は、どこかで議論し周知しておくべきことではないか。

  • 平澤小委員長

    先ほどの10件で、最初に政策体系全体の中での位置づけ、政策体系全体それ自身のあり方をどこかで問わなければいけないなという指摘があったかと思う。

    そのためには、経済産業省の中で特に技術開発を担当しているグループはシーズ型でいろいろ政策体系を構想していると思うが、それと密接に関連して、なお社会ニーズを別の視点から分析してみなければ抜け落ちが出てしまうのではないか。これらは結局、政策評価法の施策の事前評価の話に関わってくるだろうと思うが、まだ本格的にそれに取り組む体制がどの省もできていないのではないか。今後、その種の議論をするに当たって、この委員会から事前評価のためのポイントがフィードバックできれば良いと思う。

    もう一つは、実用化につなげていくという3番目のポイントを実際にやっていく時には、それに関連した施策は多様にあり得て、その手段のどれを使うかを評価しながら選んでいかなくてはいけないだろう。つまり、施策展開の手段は非常にたくさんあり得る。研究開発であれば研究資金を投下するという一種類の話で済むが、それを実際に社会の中に定着させていくプロセスはさまざまなメカニズムがあり得る。さまざまなメカニズムの効率性を比較しながら施策手段を選び、それを実施していくタイプの評価がもう一つあるのではないか。

    今回は一応枠組みの話だけであり、それをより実質化するためには、どこかで施策の実態的な部分に深く切り込んでいくような仕掛けをつくらなくてはいけないのではないか。

    これは全部の施策についてやるということはとてもできないが、ある種の選択基準で選んだものについては多少時間をかけて分析してみるといった、幾つかのカテゴリーに分けて対処するといったことが実態的にはふさわしいのではないか。このあたりは経済産業省の中で十分検討いただきたい。

  • 陣山課長

    施策評価のあり方について、色々な論点が出ていたと思う。

    施策のそもそもの位置づけの評価の必要性や、取り上げていない施策の評価の必要性という話があったが、本日紹介した施策よりももう一つ上のレベルのものから見た中での施策の位置づけというものの議論が要るのではないかということかと思う。

    その点に関して、本日、5番目の議題で、研究開発施策評価のあり方の検討という1枚紙を後ほど説明するが、基本問題ワーキンググループの中で秋口以降、施策評価のあり方について議論をしていきたいと考えている。

    施策よりもさらに上位のもので、経済産業省関係で言うと、3回前ぐらいに説明したと思うが、この3月にできた技術戦略マップがある。そういうものに照らしてみて、施策がどういう位置づけなのかという評価ができないかという議論をしたいと思っている。

    また、研究開発だけで終わってしまい、そこから先、実際に使われるまでのところの議論がないのではないかという話があった。

    これについても、この3月に策定された技術戦略マップの中での導入シナリオがあるが、施策を評価する際に、研究開発の部分だけではなく、その先の導入のためのシナリオが施策の中に入っているかどうかという観点からの施策の評価のあり方も検討したいと思う。一方で、導入シナリオが本当に十分なのか、施策を評価する上で本当に使えるものなのかどうかというところも実物に即してワーキンググループの中で議論をしたいと思っている。

    また、経済性のコスト配慮への視点が弱いという話があった。これは施策に限った話ではないと思うが、ワーキンググループの中で、費用対効果などの経済性分析のあり方について、これはプロジェクトなども含めて検討したいと思う。

    実際に費用対効果の分析ができる分野のものもあれば、できないものもあろうかと思う。そのようなものについて、どこまでできるのか、これは分野によって、それから評価する時期によっても違うと思うが、その辺を明らかにしたい。また、できないものについてはどういうやり方があるかということも併せて、このワーキンググループでの検討で明らかにしていきたい。

    それから、始めた時はわからなくても、やってみるとわかるようなことがあり、それはしっかりと把握して後々のために役に立てるべきという話があった。このやり方についても、これはワーキンググループとは外れるかもしれないが、追跡評価のあり方も含めて、どうやれば今後への教訓という形でまとめられるか検討したい。

  • 平澤小委員長

    今の話は5番目の議題に直接関係しているような話である。

  • 照井審議官

    最初に、平澤小委員長から指摘いただいた経済省だけでなくて全体施策の中でどういう位置づけになるのかということだが、二つ紹介させていただく。

    一つは、第3期の科学技術基本計画という、これは国全体として科学技術政策をどうしていくのかということで、来年度からの5カ年計画を議論しており、その中で6つの政策目標を掲げて議論しているところである。この6つの政策目標を実現するために、さらに小さな目標にブレークダウンをしていく中で、各省のプロジェクトはどう位置づけられるのかということが明らかになっていくのではないかと考えている。

    それから、今年度から取り組み始めた新しい試みとして、連携施策群というのがある。ポストゲノムとか、燃料電池、バイオマスという8つのテーマについて、各省連携をして取り組んでいこうと言うものである。そこで、重複しているところ、足りないところを専門家にきちんと見ていただこうということで、総合科学技術会議が中心になって取り組みを始めたところである。この中でどういう議論がなされていくかが今後のポイントだと思っている。

    それから、畑村委員から話があったが、子供の事故の件。産総研のお台場にデジタルヒューマン研究センターというのがあり、金出先生がセンター長をやっているが、家の中で子供が事故で亡くなっているというのが意外に数として多いと言うことである。もともと老人の挙動をどう調べていくかということで研究していたが、子供の方が非常に重要なのではないかということである。

    死亡の原因のデータは、日本ではデータがないが、オーストラリアとか海外では死亡原因のデータがあるということで、そういうところと連携しながら、もう一つは、最初にその情報を得られるのは消防の関係なので、消防庁と連携してどういうデータが取れるかやっていこうという試みが始まっているところである。またご指導いただければと思う。

  • 平澤小委員長

    個別にはさらにコメントがあるとは思うが、大きな枠組みについて我々としてはコメントを申し上げたということに留めておきたい。
     

4.基本問題WGの審議結果について(審議)

基本問題ワーキングの審議結果(PJ評価の評点法の見直し案、PJ評価の標準的評価項目・評価基準の見直し、制度評価における評点法の活用等)について、事務局(技術評価調査課陣山課長)から説明後、了承された。
 

5.基本問題WGの今後の審議事項について(審議)

基本問題WGの今後の審議事項について、事務局(技術評価調査課陣山課長)から説明後、了承された。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月15日
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