経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第16回)-議事録

日時:平成17年9月30日(金)
於:経済産業省1028号会議室

出席委員

平澤小委員長、伊澤委員、大見委員、菊池委員、鈴木(潤)委員、長谷川委員、山地委員並びに吉本委員

開会

着任挨拶:谷審議官、西本参事官、柴尾課長

事務局(技術評価調査課石川課長補佐)から配布資料の確認、前回議事録についての説明及び確認を行い、了承された。

議事概要

1.プロジェクト評価結果について(審議)

冒頭、プロジェクト評価案件「遠心法ウラン濃縮事業推進費補助金」、「原子力発電プラントフレキシブルメンテナンスシステム開発」及び「エネルギー使用合理化坑廃水処理技術開発」の審議については、個別審議とする旨の説明があり、了承された。

(1)個別審議

まず、「遠心法ウラン濃縮事業推進費補助金」について、核燃料サイクル産業課宮川企画官から説明後、質疑応答があり、原案どおり了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    今の説明の中にもあったように、原子力関係の縦方向の政策展開の中でこれは今展開されている施策であるということと、中間評価としてもエネ庁の中の核燃料サイクル技術検討小委員会とそれからウラン濃縮技術評価ワーキンググループ、この2階層で詳細に検討してあるということであろう。この産業構造審議会評価小委員会としては、技術評価といういわば横串の観点から、もし何か議論いただけることがあれば議論したい。いかがか。

  • 山地委員

    中身がなかなか説明されないため隔靴掻痒の感があるが、少なくとも現行の日本の遠心分離の濃縮技術の問題点としては、破損率が少し想定外に大きくて所期の容量が達成できないとか、あるいはコストが高くて国際競争力がない。この2つが非常に大きな問題点だと思う。今回開発している新型の遠心機で、この2つの課題は克服できる見込みがあるということか。

  • 核燃料サイクル産業課宮川企画官

    まず、一番最初の破損の問題だが、現行動いている機械の破損のモードは特定されている。それから原因も特定されている。したがって、現行機と同じことが起こるとは思っていない。しかしながら、今後大丈夫かという質問については、我々も先ほど一番最後のところで長期信頼性は極めて重要だということで、最もホットイシューだと思っている。

    今後そういったことを淘汰して確証を深めていかないと、実機を導入していくのは難しいと思っている。そういう意味でカスケード試験は重要性があると思っている。

    それから、2点目のコストに関してだが、遠心分離機の応力レベルが高くてフェイタルな回転部分、ここについては目標を達成している。ところが、それ以外の静止部品についてはまだコストダウンをしていかなければならない。よく御存じの外側にあるケーシングなど、そういった回転しない部分はまだこれから努力する余地がかなりあるというのが現状である。

  • 大見委員

    何もわからないので素直に聞かせてもらいたいのだが、この単機の回転体の寸法がどれくらいで、重さがどれぐらいあって、回転数が定常状態で幾らで回っているのかということと、今回ねらっているカスケードというのは、何ステージぐらいになるのか。

  • 宮川企画官

    一番きついところを聞かれまして、一つもお答えできないというのが本音である。ちなみにカスケード試験に用いる単機の遠心機の大きさも対外秘である。

  • 大見委員

    そこから秘密なのか。

  • 宮川企画官

    然り。

  • 大見委員

    了解。

  • 宮川企画官

    ちなみに、回っている速度そのものはマッハ数で言うとマッハ9である。ただ、マッハ数はご存じのように密度の関数であるため、同じ速度でも真空に近いところで回せば高い数値となり、圧力の高いところで回せば小さくなるという性格であり、遠心の回転速度がいくらかということについては濁した答えになっている。

  • 大見委員

    それは大気圧下と考えて良いのか。

  • 宮川企画官

    そこは答えられない。

  • 大見委員

    今のようなことを聞かせていただいたのは、いろいろな先端産業分野でも、高速回転で非常に信頼性が高くて寿命の長いものが非常に重要である分野は多数あり、このプロジェクトでまずそういう突破口を開いていただいた成果を、先端産業分野の技術にどんどん、出せるものから出していただけるとありがたいという思いからである。

  • 宮川企画官

    核不拡散の問題とそのバランスを取る必要があるだろう。ただ、感覚的なものを申し上げると非常に語弊があるが、恐らく産業界で使われている軸受けに比べると、荷重が小さ過ぎて多分駄目ではないかという感じがする。かなり高速回転していると言っても、産業界がイメージするようながっちりした軸受けであるかというと、かなり華奢なもの。私も機械屋だが、寸法的にも産業界の類推するより小さなものだという感じがする。ダイレクトなお答えができなくて恐縮である。

  • 鈴木委員

    新聞報道などで現行の六ヶ所の遠心機が結構破損して止まっているというのがあったが、素人的な心配としては、今のこのスケジュールで開発していて、もっと前倒しする必要はないのか。今の遠心機がもうそんなに保たないのであれば、もっと開発を前倒しして、リプレースを早めに導入される方が良いのではないか。

  • 宮川企画官

    我々もなるべく早く研究開発を上げたいと思う一方で、信頼性がお金にダイレクトに効いてくることや前回の失敗もあるので、これ以上早くすることは少し辛い。逆に今の十分に時間がとれない段階で、どうやって確認を取っていくのかというところに汲々としているところであり、無理だろうと思う。逆に私はもう少し時間的余裕が欲しいというところが本音である。

  • 平澤小委員長

    十分お考えの上でこのような計画になっているというふうに理解できるだろう。

    他にいかがか。よろしいか。

    それでは、この案件についてはこの委員会としても了承したことにさせていただく。

次に、「原子力発電プラントフレキシブルメンテナンスシステムの開発」について、産業機械課佐藤課長補佐、中村補佐から説明後、質疑応答があり、評価小委員会での指摘事項を評価書に付すとした上で了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 伊澤委員

    説明に技術的なことが余りなかったのでよくわからなかったが、1番目の資料の最後の方の表で評価、達成度はほぼ達成、あるいは二重丸と書いてあるが、後半の資料の5ページの2.のところでは、目標設定が定性的であると書いてある。定性的な目標を掲げて達成度が非常に良いというのが、どうも理解できない。こういうプロジェクトを立てるときに、目標が定性的ということは一般的なのか。むしろこれは大変問題ではないかと思ったが。

  • 産業機械課中村課長補佐

    少し報告書の中を見ていただきたい。

    表2-2-1で、先ほど定性的な目標ということで掲げられていたのは、例えば(4)の画像センシング用インテリジェント検出器の開発という、今までにないものを開発するというようなことである。要素というか部分的なものはあるが、それを総合したものを開発していくという観点で、定性的な表現があった。ただし、中間評価等の際に、より定量的なもので示すよう指摘があり、ある程度目標値として現時点の可能性について時間的な指標を定めて、実施した経緯がある。

  • 平澤小委員長

    私自身やはり同じような疑問、わからない点がある。フレキシブル・マニュファクチャリング・システムのそれなりのコンセプトは良くわかるが、メンテナンスという時に、ここに挙げてあるのは個別のメンテナンスのための測定装置のように見受けられるが、フレキシブルというのは、どういう形で組み合わされてフレキシブルになるのか。個別の装置をそれぞれ開発しているというだけではないかという気もする。

  • 中村課長補佐

    言葉の意味としては、フレキシブル・メンテナンス・システムのフレキシブルとは、原子力プラントの定期点検が今まで一定期間のもとに確実に行われなければならないところを、これが定期点検の期間並びに定期点検における点検・検査の場所、あるいはセンサー等細かなものについて、より科学的な根拠において具体的にある程度点検の間隔を延ばしたり、あるいは常態監視、運転監視をしながらその検定期間を延ばしていくことであり、その際の根拠を求めるためにこの技術が必要だということである。システムとして総合的かと言えば、個別の要素技術にはなっているが、遠いところから見ていくとかなり総合的に見ることができると考えている。

  • 平澤小委員長

    そうすると最終的な判断をする時に、いわば各評価要素のようなものをフレキシブルに組み合わせて、全体を判断できるような形になっていると理解して良いか。

  • 中村課長補佐

    それぞれの技術要素については、定性的なものもあるが、ほとんど定量的な技術指標を掲げており、それをクリアしたか否かでこれが判断され、全体として評価されたと思っている。

  • 平澤小委員長

    定性的か定量的かということを離れ、フレキシブルという意味内容が、最初の方で説明があったように、コンセプト倒れにならなくて良かったというような評価があったが、それは実態として、どのようなものが実現されたから良かったということになるのか。

  • 中村課長補佐

    具体的には、例えばセンサーの点検周期を判断する技術がある程度有効性があるということで、その原子力プラントにおける設備の定期検査の周期を延ばすことも技術的には判断可能であるということがわかった。しかし、それについては規制等があるため社会的認知を得てから採用されればというところである。

  • 平澤小委員長

    従来の原子力の規定によれば、個別のセンシング、あるいは老化の程度等を測るやり方があって、その個別のものについて規格が決まっていて、それをすべてクリアしなくてはいけない。それに対してこういう新たな測定法を組み合わせていろいろ測定してみると、1つは例えばクリアされていなくても、全体の様子を見ればより運転期間を延ばすことができるとか、そういう種類の判断ができるようなシステムといった意味か。

  • 産業機械課佐藤課長補佐

    小委員長の言われるとおり、1つの考え方としてそういったものへの応用は考えられると思う。今回原子力発電プラントということであるので、検査とかその維持は法律による規制の部分が多いけれども、そういった法律とかけ離れて、いわゆる産業プラントだけ見てみると、そうした1つのセンサーを活用することによって、一つ一つ細かく常に監視しなくてもある程度柔軟に、全体がわかるような意味でのフレキシブルさは出てきていると思う。

  • 山地委員

    そのフレキシブル・メンテナンス・システムの目的は、恐らく常態監視に基づく運転中の保守であろう。もっとわかりやすい表現をとってくれると、何のためにこれをやっているのかがわかる。ここにも保守高度化と書いてあるが、高度化というのは非常に抽象的である。何の目的としてこの要素技術を開発して、仕上がりはここだというものがもう少し説明されるとわかりやすかった。

  • 長谷川委員

    何か核心部分がよく入ってこない表現という気がする。最後のところの評価票は二重丸がたくさんあったというのは結構だが、どういうことができるようになり、どこが利点かということを、もう少しすんなり入る形で表現していただきたい。

    それから、個別の指摘事項の1番目のところで、「国としての方向性を示さないといけない」、それから、「必要であれば規制の面から検討するなど積極的に関与するのが不可欠である」と書いてあると言うことは、国としての方向性が示されていないということか。3分の2も国費が使われているわけだから、方向性を示してあるのではないかと漠然と思う。ここのところをどのように考えているのか少しお答え願いたい。

  • 佐藤課長補佐

    冒頭に説明したとおり、まさに産業機械、物づくり、製造業の立場から今回のプラントでのメンテナンス開発のプロジェクトに携わってきた観点から言うと、同じ経済産業省の中でもちろん原子力を担当している部署があるが、私ども自身は、プラント全体への汎用的なものをイメージしながら取り組んできた一方で、当然原子力発電プラントと書いているため、そうしたものへの裨益も当然考えなければいけないという意味で、今回こういう指摘を受けたわけである。そこはこういう評価を受けたということを踏まえて、これから関係部署にこうしたことも当然伝えていき、技術が活用されるように取り組んでいきたい。そういう意味では、まさにこの指摘されたことを取り組んでいかなければいけないと考えているところである。

  • 平澤小委員長

    今2点あったうち後の方のことに関連して、達成度評価の表を拝見すると、個別の開発目標についての評価があるわけだが、要するにメンテナンスシステム全体としてどうかということに関連した評価は、ここでは見受けられないように思う。そのことと全体の目標をどこに置いているのかは結局リンクしているはずだろう。原子力の発電装置のメンテナンスということ自体、これは原子力産業としては重要な話だと思うわけだが、政策的にこういうことを展開するというより大きな意味から考えると、最初の方でも説明があったように、もう少し広く見て、一般のこの種の複雑な機械システムのメンテナンスを、いわば個別に図るやり方ではなくて、それらを総合したシステム化した新しいメンテナンスのシステムを開発すると言うのであれば、産業技術としてはよくわかる位置づけだろう。そのように理解するのだが、これを拝見すると、システムとしての評価は余り全面には出ていないと思う。これは長谷川委員の後半の質問と重なる部分である。

  • 菊池委員

    もともとそういう発想でやっていないのではないかと思う。つまり要素と書いてあって、それでFMSの分担をされていて、それぞれの例えば費用対効果、それぞれの企業が書いている中身は基準が全くばらばらである。ということは、棲み分けされていて、それぞれが好き勝手に費用対効果を書いており、全体のFMSという発想は評価できない。そういうプロジェクトである。ですから、目的それ自体が、お題目はそう書いてあるかもしれないけれども、評価の最後の方では「要素」という言葉がたくさん出てきて、でも動きませんと書いているわけである。だから、そういう意味では少し甘いのではないかと感じる。

  • 平澤小委員長

    同じ観点からの指摘だと思う。その点まとめて、いかがお考えか。

  • 佐藤課長補佐

    当初計画の目標を立てた際、要素技術の技術目標しか設定しなかったところは、今にして思えば全体を見た評価も設定しておくことが必要ということではないか。ただ、当初の技術開発のところで、目標設定が個々の要素技術ということの設定になっていた部分においての評価は、中間評価、事後評価でいただいたものなのではないかという印象はある。

  • 平澤小委員長

    今の点で何か指摘すべきことはあるか。

  • 大見委員

    これができたことによって、この間、関西電力などで起こったチューブの肉厚が90%も減って、チューブが破裂したということは少なくともなくなるのであろう。もともとチューブの肉厚が減らないチューブをつくらなければ駄目だと思うが。

  • 中村課長補佐

    修理データであるとか、エラーデータ等の集積、あるいはそれを抽出して訓練等に利用する、あるいはデータとして早期に抽出するという技術も含まれているため、あのような点検漏れなどに係るミスもなくなると考えている。

  • 平澤小委員長

    実際に報告される中身は、個別のセンシング等に関してのパフォーマンスであって、今のようなことは読み取れないように思う。それをもう少し取り扱い方、つまりソフトの面にどのようにそれらを組み合わせてやっていくのかということに関しての評価がやはり必要だろう。それこそ従来個別にやっていたものをもう少し高度化する、本当のポイントではないか。その評価書の中に今のようなことが書かれているかどうか。

  • 中村課長補佐

    美浜の件については書かれていないが、個別の要素技術を応用していけば、それは可能ということである。

  • 平澤小委員長

    問題はシステム化、つまり応用するところの仕組み自体が、この課題の題目、タイトルにはあるが、それが中身として展開されていないように思う。

    この件に関しては、他の観点から何か意見をお持ちの委員がいらっしゃれば発言いただきたい。

    よろしいか。

    そうすると、これは今我々が議論したような内容に関して評価書に、この小委員会の意見ということを付加して書き込むということで、処理するということでよろしいか。

続いて「エネルギー使用合理化坑廃水処理技術開発」について、鉱山保安課餅田課長から説明後、質疑応答があり、評価小委員会での指摘事項を評価書に付すことを検討するとした上で了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    8ページ目に費用対効果という表があるが、これは何度も経産省の費用対効果の仕組みに関して、この委員会でクレームをつけてきた。しかしながら、それがまたここでも直っていないのではないか。

    というのは、このプロジェクトで投入したお金だけでこの技術ができ上がったのかというと、決してそうではないだろう。企業も自分でお金を出している等、その他のことが関与している。この効果が幾らあったかは一応推定されるとしても、そのうちこのプロジェクトの寄与率をかけないといけない。あるいはコストを、このプロジェクトだけではなくて企業がかけたお金等を全部出して、全体としての総効果に対して比較をしなければならない。そのような寄与率という概念をぜひ入れてくださいと、もう何度もこの委員会でも言っている。そうでなければ、非常にインフレの誇大宣伝だと受け取れるだろう。これは今後の改善課題ということで置いておきたいと思う。

  • 大見委員

    意見というよりお願いだが、人間の体等に悪いものを除去する技術は、これからもずっと非常に大事な技術である。あれが入っていてはいけないこれが入ってはいけないという決まりが、世界中で沢山出てきているが、そのようなきれい事を言っていて、この先我々は本当に産業をやっていけるのかという問題もよく考えておいた方がいいと思う。

    わかり易い例を申し上げると、今我々は薄型の大型テレビを大産業にしようとしている。これには沢山のガラスを使うため、ガラスを安く非常に少ないエネルギーで作ろうとしている。気泡があると薄板ガラスは使えないため、消泡剤としてヒ素を1%から1.5%ぐらい添加するのだが、ヒ素の入っていないガラスに比べると5分の1ぐらいのエネルギーで同じ面積のガラスを作ることが出来る。

    我々は、実はここに名前も出てきた企業等と組んで、使い終わったガラスからヒ素を全面回収するというチャンネルをつくっている。我々は、ヒ素が悪いことはわかっているが、地球トータルの環境問題、エネルギー問題を考えると、大型ディスプレイ用にはヒ素入りのガラスを使わざるを得ないと私自身は判断している。漏洩させなければ良いのではないかと考えている。

    そういうところにこういう技術をどんどん使えるので、平澤先生が寄与率をもう少し考えるよう言われたが、それとは少し別の、具体的に実施したのは確かに鉱山廃水処理事業だがそれ以外にもこういう分野に役に立っている、あるいは役に立てるべきであるということを積極的に述べた方が良いのではないか。企業等と組んで、ものすごく効率の良いガラスからのヒ素の回収技術を我々は作り上げたので、ものすごく助かっている。

    そういうものがこれからは沢山出てくると思う。入っていて自然環境に溶出すると、人体や自然環境に悪影響のあるものであっても、地球環境をトータルに考えたらエネルギー生産性を徹底的に高くしてCO2排出量に大きく貢献するといったようなものがこれからたくさん出てくると思う。すべての現象は自然科学の法則に基づいて起こる。そのときに、ここからの技術をどんどん使って自然環境に影響を与えないように回収して行ったら良いのではないか。

  • 平澤小委員長

    今のことは、要するに開発された技術が技術目標だけではなくて、それを後にどのように移転していくか。その効果がもしリンクしていれば、当然そこまで言及して良いと思う。いわばインパクト、波及的な効果と我々は考えている部分である。そこのところはまたそれなりのプレイヤーが関与して、それなりのお金を使ってそれなりの技術に仕上げていくという話になってくるだろう。もしわかっている部分があれば波及効果を組み入れて結構である。

  • 菊池委員

    これは何をやったのかがよくわからない。簡単に言うと、要するに金のかかるモーターを外したいというだけなのか。これはシステムと言っているが、そういう重金属類であれば、最後に溜まった廃液は結局そのままにしているのではないか。

    それで計算すると、すべてがいわゆる高圧モーターを使わなくなったところでインパクトが20何%出てくるため、それだけですべてが効くという模型を開発したのか。

  • 鉱山保安課餅田課長

    個別の研究は、ある鉱山のあるラインで試してどのくらい削減効果が出るかやっている。技術導入可能な鉱山というのは、鉱山でアンケートを取り、同じようなものを利用できるということを確認して、そこを拾い上げて出してきている。

    したがって、個別の技術は個別ごとに積み上げており、組み合わせた場合どうかという評価はされていない。ただし松尾で言えば、ファジー技術開発、例えば酸化バクテリアによるもの等、幾つかのものを組み合わせてやっている。また、例えばシックナー技術、これをやると費用が膨大になるためやっていないが、これを入れたと仮定してまた計算するというようなやり方をやっている。ただ、それぞれの技術は、適合する鉱山には既に入れており、そういう点では個別研究ではあるが、実用化はされている。

  • 菊池委員

    了解した。

  • 伊澤委員

    この技術開発でセールスポイントと言えるような技術は何だったのか。例えば8ページの表に、消石灰から生石灰に切り替えたと書いてあるが、これは技術開発ではなくて、ある意味で当たり前のことのような気がする。どうもその技術のポイントがわからない。これだけ効果が出ているなら、もっと宣伝したら良いと思う。

  • 餅田課長

    生石灰に変えた部分だが、これは技術開発要素が高いというものではない。セールスポイントは、電力消費を抑えられる技術がいろいろあるということを見出したことである。それは、このような鉱山で使えるということである。

  • 伊澤委員

    そのいろいろな中の代表的なものを1つ、ぜひ教えていただきたい。

  • 餅田課長

    松尾で言えば酸化バクテリアの活性化する条件を確定させた。それによって鉄の二価から三価へ変化させる時の条件がわかって、それで実行すると省エネ効果がこのくらい上がるところを判明させた。

  • 平澤小委員長

    今のような要素技術の中の話も一つあるが、先ほどの経済性評価の観点から見ると、例えば今消石灰から生石灰に切り替えるというと、生石灰をつくるのに大変なエネルギーを使う。ライフサイクル・アセスメントの考え方を入れて省エネルギーのことを評価しないといけない。トータルのライフサイクル・アセスメントを前提にしたような計算をしないと、何やっているのかわからないという話になってくるだろう。

  • 鈴木委員

    中間評価をされた2002年には既に経済産業省としての評価の指針が出ていたと思うが、そこで定量的な評価を導入するとか、新技術を導入する方向に転換するということは考えられなかったのか。

  • 餅田課長

    2002年の中間評価は、松尾の総合実証試験のやり方を酸化槽と中和槽を1つにするべきなのか、それとも2つに分けるべきなのかという方向性を決めるものであった。1つにした方が省エネ効果は非常に高くなるが、SSがどうしてもクリアできないという問題が生じた。それで、省エネ効果は低いが、その2つに分割する方法で良いかという点を評価していただいた。総合実証試験の運営のための中間評価である。

  • 鈴木委員

    指針に言われるような全面的な中間評価ではなかったということか。

  • 餅田課長

    然り。

  • 平澤小委員長

    他にはいかがか。よろしいか。

    それでは、この案件に関しても、特にこのプロジェクト固有の話ではない部分が大部分であるが、今の議論の中で評価委員会としてコメントをつけるべき点に関して、私の責任で文言を追記したいと思うが、よろしいか。
     

2.施策評価結果について(報告)

「民間企業等の研究開発支援」、「クリーン燃料開発プログラム」、「火力発電の高効率化のための技術開発・高効率発電設備導入促進」及び「中小企業の研究開発支援」に関する事後評価結果について、事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から報告後、質疑応答がなされた。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    施策評価は4件あったわけだが、これ自身は政策評価法の中では、担当課自らが評価するという形、自己評価の形式で良いことになっている。その結果について今報告があった。ただし、自己評価をするに当たっても、原局、原課だけで評価したというよりも、もう少し枠組みを広げて、有識者等交えながらの評価委員会を作って評価したのではないかと思っている。幸い担当課の関連の方たちもお見えなので、もし何かあれば質問等お願いしたい。

  • 山地委員

    クリーン燃料開発プログラムの2番目のDMEのところの評価、5枚目のスライドにある目標達成度の2番目のところの地球温暖化問題への対応策であるCO2排出量削減についてである。DMEはいろいろなものからできるが、天然ガス、石炭ということを考えているのだが、大規模発電用にDMEを利用することがCO2排出量削減で大きなウェートを占めるという評価だが、少し理解に苦しむ。バイオマスからということであればわからなくもないが、これはどういうことを対象にして評価されているのか。

  • 平澤小委員長

    今のポイントに関しては、技術評価、DMEを開発するという、その製作工場をつくるというところまでの技術評価課題に関してこの小委員会の数回前に議論した時も、やや似たような話が出てきたと記憶している。施策全体に関連して、DMEが全体として有効なメカニズムであるのかどうかということに関して、かなり厳しい意見が多かったように記憶している。

  • 山地委員

    私はDME全体に反対ではないが、特にここのことは理解ができない。何をお考えなのか。

  • 平澤小委員長

    次回までに文書等で追加の説明をいただけるようにするということでも結構かと思う。

  • 鈴木委員

    一番初めの民間企業等の研究開発支援という施策だが、専門の菊池先生とかいらっしゃるので余り私が言うことではないかもしれないが、もともとこの施策の目標として設定されたものが、民間企業の研究開発投資が増えることが目標であったならば、それは何かもともとの設定が少し違うのではないかという気もする。

    というのは、ここに書かれているような民間企業の研究開発投資が前年度比6.2%増とか、こういうのはもう完全にマクロの経済環境が改善したため、民間の売り上げがふえてR&D投資が増えただけのことではないかというのは、多分一般的に言われる話である。恐らく国が政策的に民間の研究開発を直接支援するという目的は、民間だけではできない基礎的な部分を支援するとか、民間1社ではできないような大規模な施設を整備するとか、もっと論理的に言うと、私的な収益率よりも社会的な収益率が高いことが証明できるようなものに限るとか、そういうことであるはずだと思うので、ここまで大ざっぱな評価をされるというのは少し理解に苦しむ。

  • 技術振興課豊國課長

    税制の関係のところだが、そもそもこの税制が導入された経緯は、アメリカで税制が増加型から総額型に変わった。その後、研究開発投資額が非常に増えたということを踏まえて、日本でも同じような税制が導入されたということである。

    私どもが調べた限りで言うと、平成14年度、15年度、税制の導入前の研究開発投資の伸びがそれぞれ1.0、1.6である。それから、その後、この段階では16年度は6.2%ということだが、その後17年度のデータも出てきまして、そこでも5%ぐらいということで、税制の導入前と導入後で1%ぐらいから6.2%、5%ということでかなり大きな研究投資の増が発生しているということである。

    民間企業にいろいろとヒアリングをいたしましても、研究開発投資を伸ばさなければならない必要性が高い中で、リスクの大きさだとか、それから企業の財務の中での制約ということがあってなかなか伸ばせないという状況であった中で、税制の導入がかなり有効に機能したというような回答を得ている。

    もちろん、ご指摘のとおり7300億の増のうち何%が税制によるものかということについては、いろいろな過去の研究もあるが、議論の分かれるところではある。ただ、私どもアンケートから、相当部分が税制によるものではなかろうかと。大体税制に対して1.1倍から1.2倍の伸びがあるのではないかという評価をしている。いろいろな研究の中では、もっと2倍伸びるという研究もあり、必ずしも大幅な過大評価をしているということではないだろうと、そういう評価検討をしたということである。

  • 平澤小委員長

    この議論を始めると1時間ぐらいはすぐ経ってしまうだろうと思うが、私自身、研究開発投資型のお金の使い方と、こういう投資減税のようなインセンティブ型のお金の使い方は、どちらがどれぐらい効果的なのかということに関しては、それぞれ外国でも非常に大きな議論をしているところであり、もう少し精密な枠組みの中で、マクロ経済だけではなくミクロ経済の視点を入れて検討すべきだろうと思う。これはかなり大きな課題である。政策評価の課題だと思うため、ここで議論し尽くすことは無理である。外国でやっているから我が方もというような単純な話ではないだろうと思うので。今後また引き続き議論していきたい。

    中小企業の研究開発支援についても同じようなことがあって、幾つかの政策手段、全体をひっくるめてここに書かれているわけだが、その中のどういう部分がどういうところに対して有効性をより発揮しているのかということは、まさに政策評価の中でもう少し精密に把握されていくことが必要だろう。そういうことを通じて施策自体が改善されていくわけである。この委員会は施策の委員会そのものではないので、これも担当課の方で今後詰めていただきたいという要望である。

  • 中小企業庁技術課原係長

    今ご指摘いただいた点に関しては、今回の評価のこの報告の対象となっている中小企業研究開発成果の事業化支援という施策の評価書の本文の中に一応施策マップとしてビジュアル化して、個別事業がどういった施策目的とカバレッジになっているかということは一応整理しているが、この施策結果を踏まえて、今後の中小企業施策、特に新しい施策に関しては、その辺を明確にしていきたいと思っている。

  • 大見委員

    今ちょうど中小企業の研究開発支援の件が出ているので、一例として私の関わってきたところの感想を申し上げておきたい。とにもかくにもスピード勝負の時代になっているため、新しい技術開発は小さな企業の方が圧倒的に早くて役に立つ。この中の6項目の大学発新事業創出実用化プロジェクト、これは3年程前からやっていただいているが、最初の頃は、大丈夫かなと思うような課題もあったが、年々非常にしっかりしてきて、だんだん定着してきて、本当に日本の中小企業を強くする体制ができてきているということを実感しているので、やり始めて途中でやめるとかそういうことをしないように、どんどん役に立つものは継続して強化していくことが大事ではないか。

  • 平澤小委員長

    そのためにも個別の施策の有効性についての確認というか、検証というか、そういうことをある段階でやっていくという形で選別をしていっていただければと思う。

    それでは、今日報告いただいた施策評価については、原局、原課の方で今後検討していただくということであって、我々としてはコメントをつけたというだけで終わりたい。どうもありがとうございました。
     

3.プロジェクト評価のフォローアップについて(第7回~第10回審議案件)(報告)

第7回~第10回までの評価小委員会において審議されたプロジェクト評価結果のフォローアップ状況について事務局(中村産業技術総括調査官)から報告した後、質疑応答を行った。質疑応答については以下のとおり。

  • 冨田委員

    先ほど説明のあった生物機能利用のところだが、昨日NEDOのところでも問題になっていたが、政府の方針が余り弱腰だと自治体がおかしなことをやりだすので、しっかりとそのところのフォローアップをやっていただきたい、もう少し力を入れていただきたい。

    具体的には、経産省側でリードをとれるところが多いと思うので、もうモデル植物があるため、いわゆる実用化の植物を選んで実用化をどんどん進めないといけない時に、障壁になっているのが国内の自治体の動きであり、それが嫌で外へ逃げていって国外でやるとまた変なことになるので、ぜひともそのようなことがないようにしていただきたい。ないようにしても起こるだろうと思うが。最近は地方分権型というような形の流れが多い中でやりにくいかもしれないが、ぜひフォローアップの状況の中にあるようなものを強力に進めるようにやっていただきたい。何か今おかしな状況になってきているので、よろしくお願いしたい。

  • 生物化学産業課萩尾課長補佐

    植物の遺伝子組換えはいろいろ話題があって、新規プロジェクトの中で、遺伝子組換え植物で実際に工業原料などをつくっていこうということを今後さらに力を入れていこうという予定でプロジェクトの強化を今図っているところである。この成果を生かして、さらに植物の遺伝子組換え工業原料生産という視点で頑張っていきたいと思っている。

  • 平澤小委員長

    恐らく社会の中でさまざまなバリアがあるだろうから、そういうことを強引に突破するよりも、了解が得られるような試験ややり方を考えながら、しかし急いで強力に進めてほしい、そういう意味だと理解いただければと思う。
     

4.制度評価のフォローアップについて(第7回~第10回審議案件)(報告)

第7回~第10回までの評価小委員会において審議された制度評価結果のフォローアップ状況について事務局(中村産業技術総括調査官)から報告を行った。質疑応答なし。
 

5.追跡評価に関するワーキンググループ(WG)の設置について(審議)

ワーキンググループの設置等について、柴尾技術評価調査課長から説明後、了承された。

また、平澤小委員長からワーキンググループ座長については、産業構造審議会の運営規定第15条に基づき、後日指名する旨、報告を行った。
 

6.その他

議題に係る審議・報告終了後、今後の研究開発施策評価等について自由討議を行った。発言内容については以下のとおり。

  • 平澤小委員長

    一応用意した議題については終了したが、その他の議題に関連して、あるいは今までの議論の中で言い残したことがあれば、ここで御発言いただければと思うが、いかがか。

    この委員会で技術開発を中心にした部分を中心にして議論していたわけだが、それらが組み込まれている施策に関して、やはり技術開発を議論する中でさまざまコメント等が出てきたわけで、どうも関連施策の中身について、これは全部というわけではないが、もう少し本格的にこういう外部委員会を使いながら議論する場が設置されなければ、施策自身の質的な向上、改善はなかなか進まないのではないか。これは全省庁にまたがる大きな課題であり、このあたりは審議官の宿題ということで、また省内で御検討いただければと思う。決して悉皆的に評価するという意味ではなく、それはモニタリングとしては必要だが、やはり大きな施策であるとか、個性的なものであるとか、何か問題があることをいろいろなところで言われているようなものを取り上げて、それについて深く検討する体制があってしかるべきではないか。これは最終的には原局、原課に報告され、原局、原課がそれを参考にして、今後の施策展開に生かしていただければそれでいいということになるかと思う。

  • 谷審議官

    先ず評価システム自体については政府ベースでもまだまだ過渡期であると思っており、我々としても良いアイデアがあればどんどん取り入れるようにしていきたいと考えている。単に評価をした、という事ではなく評価結果を次の施策というか政策の見直しにつなげていく事も極めて重要であると考えており、これまでもそうした問題意識を持って取り組んできているつもりだが、改善の余地はあると思っている。どういう仕組みでやるかという事は今後の検討課題としたいが、本委員会でも審議という事ではなくフリーディスカッション的にいろいろご意見を出して頂く事はよろしいのではないか。

  • 大見委員

    今審議官が言われたことと同じだが、やはりプロジェクトをやって成功する確率をどんどん高めて、実用化にどんどんつなぐためには、どういうことを工夫していくと良いのかが、今日のフォローアップのところなどでも随分工夫してくださっていると思う。そういうものをますますブラッシュアップしていって、税金を使ったプロジェクトの成功率、実用化率をどうすれば高められるかを議論し、ぜひとも良いものにしていきたいと思う。今審議官も同じことをおっしゃってくださったので、ぜひとも我々もお手伝いするので、どんどん反映させていきましょう。

  • 平澤小委員長

    それからもう一つ言えば、政策評価法ができて3年たって、法律自体の実施体制についての見直しが総務省で始まる。それは各省から見直しの項目について上げてくるようにということが議論されているように思うが、文科省では、研究開発課題の特殊性に鑑み、総務省の枠組みをどれくらい緩和して評価したら良いのかといったようなことに関して、かなり積極的な発言をしようというような動きも一方ではあると聞いている。これは評価法の中身を骨抜きにするという意味ではなくて、研究開発の特殊性を踏まえて、それなりのやり方を研究開発に係る省が連合して、第2期の政策評価のあり方についての見直しをぜひ強力に進めていいただきたい。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月16日
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