経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第17回)‐議事録

日時:平成18年5月22日(月)
於:経済産業省1120号会議室

出席委員

平澤小委員長、池村委員、伊澤委員、鈴木(潤)委員、冨田委員、永田委員、畑村委員並びに吉本委員

開会

事務局(技術評価調査課柴尾課長)から、委員の異動の紹介を行った。

引き続き、事務局(技術評価調査課石川課長補佐)から配布資料の確認、前回議事録についての説明及び確認を行い、了承された。

議事概要

冒頭、プロジェクト評価案件23件及び制度評価案件2件の審議については、分量の関係から「次世代航空機用構造部材創製・加工技術開発」、「管理型処分技術調査」、「中小企業産業技術研究開発事業」、「石炭生産・利用技術振興費補助金(石炭利用技術)」及び「京都議定書目標達成産業技術開発促進事業」の5件について個別審議を行い、ほかの20件(「二酸化炭素大規模固定化技術開発」、「次世代衛星基盤技術開発」、「分散型エネルギーシステムの平準化基盤技術研究開発」、「低エネルギー消費型環境負荷物質処理技術研究開発」、「事前炭化式ガス化溶融炉プロセスの開発」、「難加工性特殊鋼等に対する次世代圧延技術の開発」、「回転炉床炉による有用金属回収技術の開発」、「鋳片表層改質による循環元素無害化技術の開発」、「石炭・古紙等活用型二酸化炭素固定化技術開発(エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭素固定化技術開発)」、「石炭・古紙等活用型二酸化炭素固定化技術開発(石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術の開発)」、「資源循環型住宅技術開発の推進」、「高効率エネルギー利用型住宅システム技術開発」、「エネルギー使用合理化処理困難廃棄物処理システム開発」、「発電用新型炉技術確証試験」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開発(高度保安情報管理システムの開発)」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開発(電子式流量計測型保安ガスメータの開発)」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開発(供給管等ガス漏洩検知システムの開発)」、「安全管理対策のための調査研究」、「有害廃棄物等汚染土壌修復技術実用化開発」、「石炭生産・利用技術振興費補助金(石炭生産技術)」、「電気分解と膜処理による染色廃水の脱色と再利用技術開発」、「将来型航空機運航自律制御支援システム技術研究調査」及び「産業公害防止技術開発費補助金」)については一括して審議する旨の説明があり、了承された。

1.個別審議(プロジェクト評価、制度評価)

まず、「次世代航空機用構造部材創製・加工技術開発」について、航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐から説明後、質疑応答がなされた。評価小委員会での指摘事項への対応については、小委員長一任とした上で了承された。

具体的な質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    委員の先生方からご審議いただく前に、永田先生から、一言ごあいさつをいただきたいと思います。

  • 永田委員

    このたび委員になりました大阪市立大学創造都市研究科の永田と申します。専門は公共経営、組織マネジメント、評価ということで、ここ数年はやりの政策評価といった問題について研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、今の案件につきまして委員の方からご発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

  • 伊澤委員

    このプロジェクトそのものは大変よくやっておられるように思うのですが、1点、少し奇異に感じた点がございます。それは、この複合材料の研究で低コスト化を図るために電子線を使われていますが、一般的には電子線を使うと相当高価になるというのが私の常識ですが、加熱処理よりも電子線で硬化した方が安くなる、そういう目処が立った上でこういうことをされているのでしょうか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    その点は、今現在、実用化が完全に保障されたというところまでは、まだもう一山あるかと思います。ただ、ご承知のようにオートクレーブ等を使った加熱処理による複合材の成形は相当コスト高になるものです。例えば先ほどボーイング787は50%複合材を適用していると申し上げましたが、実はこの複合材部分の大部分は、日本の担当部位であり、例えば主翼などは三菱重工が一体となり複合材で成形して、それをボーイングに納めるという計画ですが、巨大な主翼が丸々入る巨大なオートクレーブをこの787のために新たに名古屋に据えつけをして、ようやく今度運転が始まるというところに来ております。

    これまではそういうやり方でやってきましたが、設備投資に非常にお金がかかりますし、次の機体、あるいはさらにその次の機体についてはこういうやり方ではなく、できれば加熱しなくて済む方法をぜひ構築したいということで、その1つの有力候補として電子線と紫外線硬化法、更には、可視光で硬化させる方法についても検討しております。そういったものを試作して最終的には次世代の複合材成形法として確立したいと思っております。今検討されている候補として3つほどあり、今回の方法はその1つだとご理解いただければと思います。

    ちなみに、MHI(三菱)が今回787の主翼等で複合材の加工施設等を新たに設置したのですが、一連の設備投資で400億円近い投資をしているということでございます。そういったものが省略できるような方法を常に追求しているということでございます。

  • 平澤小委員長

    化学屋の常識からは余り考えられない感じです。電子線は一気に照射する訳にはいかないため、ウエハプロセスのように付加価値の高いものをつくるところですら電子線加工は、ほとんど採用できないわけです。説明資料の中に「連鎖硬化概念図」、つまり一部に照射すると中の方にずっと連鎖硬化の反応が起こっていくというのがあります。もしこのようなメカニズムが電子線照射をきっかけにして起こるならば、1つ候補として考えられる気もします。そのあたりがポイントではないでしょうか。

  • 伊澤委員

    今お答えいただかなくても結構です。この資料を読んだ時に、一般的に言って多くの方が少し首をかしげるのではないかと思いますので、せっかく書かれるのであれば少しコメントされた方が誤解されないのではないかと思います。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    ご指摘ありがとうございます。電子線を使うと加工時間も短縮されるという話があり、資料の中には明記していないのですが、少なくとも今実際に実施している製造法に比べてもはるかに高速な加工が可能だということで、それを目標としてやっておりますが、今細かいデータが手元にありませんので、後でお示しして、今考えているところの趣旨を補足して説明したいと思います。

  • 谷審議官

    実用化のところを担っている人たち、エンジニア側が次のニーズに基づいてやっていますので、恐らくもう少しきちんとした説明ができると思います。その辺のところを報告書に入れるなり、十分、担当課でクラリファイした上で先生にまたご説明したいと思います。

    こういった分野をやっている人たちではない、例えば一部の研究者等が思いつきでやっているということではありませんので、もう少しきちんとした説明ができると思います。若干、読み取りにくい点があるというのはご指摘のとおりだと思います。

  • 平澤小委員長

    特に大きい構造材料を照射するにはかなり電子線を振らないといけないわけです。そういう装置は少し考えにくいので、多分、連鎖硬化のような現象が起こるのだろうと思いますが、そういうことがなければほとんど使えないのではないかという気がいたします。このあたりをまたコメントとしていただければと思います。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    もしよろしければ、今私どもの委託先から担当者が来ておりますので、少し補足いたします。主担当者は本日来ておりませんので、必ずしも完全なお答えになるかどうかわかりませんが、少し補足させていただきます。

  • (財)次世代金属・複合材料研究開発協会榎本

    次世代協会の榎本と申します。

    ただいまご指摘がありましたが、電子線を使うというのはあくまでも最終的に複合材を硬化するスピードを速くすることが主目的でございます。今、電子線をつくる前の工程はジャムコというところで実際につくっており、今はかなりゆっくり固めていくのですが、電子線を使うことによってかなりスピードアップが期待できるのではないかと思っております。ただし、今おっしゃいましたように、設備の問題等がございますので、その辺のところは今後さらに十分に詰めて総合的なコストの評価でやっていきたいと思っております。

  • 鈴木委員

    この中間評価検討会の今後の方向性に関する提言の中に、どの分野で競争力を高めるかターゲットの絞り込みが必要だという提言がされています。この研究計画は19年度末までですが、この提言内容はこの計画の中で今後進めるときにターゲットを絞りなさいという話なのでしょうか。そうだとしたら実際どういう形で絞り込みが行われているのかをお聞きしたい。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    先ほど研究開発マネジメントの線表をお示ししておりますが、最終年度から数えても残り2年ということで、今進めております各分野、これからいよいよ部材レベルでのクーポン試験等を実施し、ねらっていた強度が実現しているかといったことの検証フェーズに入っていきます。そういう中で、非加熱の話であれば何種類か実施しておりますし、健全性診断技術等も複数の方法を実施しており、それが果たして本当にどこまで実用化し得るものかという見極めの段階でありますので、今はこの形で18、19年度とやらせていただき、その中でまた、私どもの技術はボーイングとかエアバスからも非常に関心を示されており、そういったところとの話し合いも含めてどれが次世代機により良い成形方法になるのか、もし採用するならば、どの方法が一番実機に近いのかということの絞り込みを行い、20年度以降も複合材の高度化をさらに進めていきたいと思っております。そのときのテーマの選定につなげていきたいと考えております。

  • 鈴木委員

    今ここで絞り込みむのではなくて、19年度末の成果をみて、その次にやろうとしたら絞り込みを行いますということと理解してよろしいですか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    そのように理解しております。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。今の案件に関しまして、先ほどご指摘いただいた点、原課からまたコメントをいただきまして、私の預かりとさせていただきたいと思います。伊澤委員にも原課からのコメントを回覧したいと思います。よろしくお願いいたします。

次に、「管理型処分技術調査」について、放射性廃棄物対策室吉野室長から説明後、質疑応答がなされた。評価小委員会での指摘事項への対応については、小委員長一任とした上で了承された。

具体的な質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    評価検討会の座長の方のお名前はわかるのですが、ほかの6人の方はどういう方なのかということ。これは具体的なお名前に関心があるというわけではなく、この種の課題に関しては、単に実験データを出すだけではなくてリスク評価が非常に重要になってくるのではないでしょうか。そういう専門の方が入っておられるのかどうかということをお伺いしたい。

  • 放射性廃棄物対策室吉野室長

    座長は東北大学の多元物質科学研究所の杤山先生、この廃棄物処分の専門の先生でございます。委員といたしましては、名古屋大学エコトピア科学研究開発機構環境システムリサイクル科学研究部門の榎田先生でございます。それから、東海大学応用理化学エネルギー工学専攻の大江先生、研究マネジメントの観点からお入りいただきました三菱総研の北田研究員、それから処分をするとなった場合の事業者の立場として、日本原燃株式会社の開発建設部副部長の西村さん、日本原子力研究開発機構のバックエンド推進部門の副部門長の林道さんでございます。研究開発の評価そのものに関しては十分な知見をもった方々にしかるべく評価されているものと考えてございます。

  • 冨田委員

    9の図で農作物への移行のデータが日本のデータとIAEAのデータで2けた違うというのはよく起こることなのですか。

  • 放射性廃棄物対策室吉野室長

    IAEAの方は個別に日本人がよく食するホウレンソウのようなものに限ったものでなく、一般にグリーンベジタブルと幅広くデータをとられているようでございます。その意味で物によっては保守的に出るというようなこともあるということでございます。カテゴリー分けの結果ということでございます。

  • 冨田委員

    それは少し違うのではないですか。ベジタブルのところはミックスドベジタブルかもしれないけれども、例えばグレインは、シリアルをとればそんなに違いは出ないと思いますし、ポテトであればミックスとは言えないでしょう。これはよくあることであればいいのです。これぐらい差があってもいいのかどうかを伺っているだけで、日本のデータが非常に良いということであればそれは結構です。

  • 放射性廃棄物対策室吉野室長

    手元にデータはないのですが、IAEAのデータは各国の研究者がそれぞれの国で取ったデータを集約し平均として出したもの、日本の方は日本国内のさまざまなデータをもとにつくられたものということで、その地点毎の状況によるものとしか答えられません。また事情がわかりましたら個別にご説明をさせていただければと思います。

  • 冨田委員

    なぜ質問したかというと、こういった仕事は多分北海道でやることになるのではないかなと思うので、もしわかれば何かしておいた方がいいのではないかなと思うのです。

  • 平澤小委員長

    確かにこれだけ数値が違うというのは、その原因がどこにあるのかということを一応確認した上で数値を信頼したいと思います。よろしくお願いいたします。

    この技術も非常に重要な案件だと思います。先ほどの課題にしてもそうですが、今回は評価検討会での検討の様子がプレゼンテーションの中でよくわかるようになっているという印象を受けております。

次に、「中小企業産業技術研究開発事業」について、産業技術総合研究所室長野室長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    この案件は事業と名前はついておりますけれども、プログラムに相当するものの評価ということになろうかと思います。

  • 冨田委員

    プロジェクトマネジャーを置いたことは非常に重要なことだと思うのですが、問題はどうやってプロジェクトマネジャーを選ぶか、あるいは選んだか、これからどうそれを変えていくのかというところにあると思います。これが事業の成否をほとんど100%決めるといってもいいくらいだと思うのですが、今まではどうで、これからどう変えられるのですか。

  • 産業技術総合研究所室長野室長

    重要なポイントだと認識しております。後で産総研から細かい話をいただきたいと思いますけれども、プロジェクトマネジャーの役割は重要だという委員会の指摘もいただきまして、単に共同研究機関だけではなく、それが終わった後も製品化とか事業化の支援、あるいはフォローアップ、そういったものを今年からはエクステンシブにやるよう強化しております。

    選定について、少し細かい話になりますけれども産総研から説明いたします。

  • 産総研企画本部

    プロジェクトマネジャーについて簡単にご説明させていただきます。

    昔我々は国立研究所でございましたので、この種の仕事に関しては、全く人がいなかったわけです。ということはそういう人をつくらなければいけないということから、産総研になりまして産学官連携推進部門をつくりました。そこでシーズとニーズをマッチングするような仕事をしていただく方を配置して、その人が今回はプロジェクトマネジャーとなっております。特に産総研の特徴でありますように、北海道から九州まで各地域に研究センターをもっております。そこでずっと研究をしていた人は、結構その地元密着の形で研究をしております。そういう方を、地域からニーズを引き継いで産総研の技術とマッチングする形でのプロジェクトマネジャーとして配置していますし、かつオーバーオールで産総研の産学官連携推進部門を中心としてこういうプロジェクトに対して中心的にマネジングしていきます。かつ、先ほど申しましたように、プロジェクトが終わった後、事業化までは1年で終わる話ではなく、2年、3年と続くわけです。実際には平成13年度に終わったプロジェクトでも今年度になってやっと製品化するケースもあるということで、毎年終わったプロジェクトについては、産総研の研究系退職者を活用しながら実際に中小企業を回っていただき、今の技術内容等についても調査している次第でございます。

  • 池村委員

    進捗状況3、6ページと関連していることですが、地域の中小企業の側からみて産総研と連携できたことを肯定的に評価しているのは明らかですが、産総研側へ地域の中小企業と連携できたことをどう思うかを問うとしたら、肯定的な評価になるのでしょうか。産総研側からこの点に関する評価はありますでしょうか。

  • 産総研企画本部

    産総研からみてどうかというご質問ですけれども、我々は独立行政法人になったわけであって、逆に社会への還元ということを求められる時代になった。これは国立研では全くなかったことです。そういう点では、企業からこの程度製品化の比率が徐々に上がってくる。我々からみれば自分の開発した技術が製品化への道筋をつけたという形で、それについてやっていくことに対しては非常に肯定的に考えております。

    ただし、産総研の組織は2,500人おります。2,500人全員がこういう研究に携わるというわけにはいきません。そこはある比率のもとにこういうことをやっていくという姿勢をみせることが必要だと思っております。特に産学官連携推進部門におきましてもこういう形での実用化に対して、いろいろな地域で説明しますとまた新しい形で提案が来るという形で、中小企業といい循環になりつつあります。ただし、産総研が中小企業全般を支援するわけにはいきませんので、これからは公設試あるいは地元の大学等も含め連携しながらやっていくという形をとって進めていきたいと思っております。

  • 産業技術総合研究所室長野室長

    研究ユニットの数は54ということになっております。国立研の当時は計量研とか機技研とか化技研等15あったのですけれども、独立したユニットの数は非常にふえているということでございます。

  • 池村委員

    54のユニットがすべてこのタイプのプロジェクトを持つということですか。

  • 産総研企画本部

    すべて持っているわけではございません。ほとんどのユニットは実施例として137テーマという数をやっておりますので、例えば製造業に近いところ、例えばモノづくりという名前のものや先進製造プロセス、そういうものが非常に多いです。それから、バイオ系統のうち食品加工に近いような分野だとか中小企業に密接なもの、今日のテーマの中に出てまいりました標準のようにほかのどこでもやってない研究に関しては非常に密接な関係がありますが、例えばリスク評価という分野は中小企業とは少し違うため、このような分野に関してはやっておりません。研究センターに近いところで先端をやっております。

  • 吉本委員

    2点ほど質問させていただきたい。

    実施体制について、募集と応募は産総研の中で行われているのでしょうか。つまり地域の中小企業との共同研究を発掘するというのは水面下で行われているのであって、産総研とこういうプロジェクトにぜひ参加したいという中小企業から声がかかるのを待つ状況なのか、あるいは中小企業に幅広くこういう事業があるということを周知の上で公募しておられるのか。なぜかというと、3ページ目のところに年度によって応募件数にすごく大きなむらがあるので、その応募の体制はどうなっているのかという点が1つ。

    もう一つは、成果の一つとして特許の件数があったのですが、これは国際出願の特許ということなのかどうかを教えていただければと思います。

  • 産業技術総合研究所室長野室長

    広報や公募に関しては、初めのころからパンフレットを利用していると聞いています。それをPRで拡大しようというのは今年以降の話です。

    応募件数は予算額にある程度比例しているということはありますが、例えば16年度、233件という非常に多い数であったのは、2期に分けて募集したことによると思います。今年が21件ということで、少なくみえますけれども、実は先ほど申し上げましたように経済産業省の政策に合わせて複数の会社で認めるということにしたため、会社の数にすると68社と、それなりの共同研究開発体制になっていると思います。

    詳細の話と2つ目の質問、特許の関係については産総研の方から。

  • 産総研企画本部

    今の応募に関してですが、我々は国立研究所だったので、最初はこういうことがあること自身知らなかったのです。そういうことで、このごろになってやっと成果が出てきて、PR活動を始めて、産学官連携を含めて我々自身がいろいろなところを回って、こういう制度があるから一緒に事業の手伝いをしましょうという形でもっていっています。

    それから、各地方の経済局と密接な形になって、例えばシーズとニーズのマッチングの会などというところにも積極的に出て、こういう制度を使って一緒にやりませんかという話を持ち込んで、プログラムマネジャーを含めた産学官連携推進部門のコーディネーターなり、シニアリサーチャーという方が中小企業へ何回も足を運んで一緒にできる技術を探している。それから、そういう人たちを集めた技術で共同提案の形で募集をして、その後、外部委員を使った審査を用いて採択をしていくというスケジュールになっております。

    特許に関しては、実施に関してはすべて中小企業のものにしか出ておりません。産総研の特許は年に1,200件ございます。そのうち単独が3分の2で800件、共願が400件ございます。この中の多くも特許を出していますけれども、実施する前に出願した特許があります。それに関しては単独なのですが、そのことをこういう形で共願での特許を出しており、これは最終的にどういう形になっているかというと、特許が実施されると実施収入が将来的に入ってきます。これに関して今は研究者に戻る仕組みに少しなっておりますので、やっていることに対してインセンティブにもつながっております。

  • 吉本委員

    特許の方でお尋ねしたかったのは、知財立国ということで国も特許の取得を進めていますけれども、基本的にはこれから中小企業ですら国内出願には余り意味がないというのが世の潮流だと思います。特に産総研と一緒にやっているからにはこういう特許は積極的に外に対して通用するという、いわゆる国際競争力をもつという意味での国際出願ぐらいのものを取っておられるのかということです。

  • 産総研企画本部

    国際出願に関しては1年以内に出すのですが、審査をして出すという仕組みになっています。共願につきましては、中小企業と共願で出したものに関しては比率がございまして、中小企業もその分もたなければならないというところに閾値がございまして、そこのところがどんどんできる仕組みがあれば出していくのですが、現状からみるとそこのところで中小企業のリスクをもつケースがございます。産総研の方針としましても、いい特許、基本特許に近いものに関しては国際特許を出していくという方針には間違いございません。

  • 冨田委員

    プロジェクトマネジャーは一度担当すると、それを3年とか5年もつと先ほどおっしゃられたけれども、プロジェクトマネジャーの人件費は事業費の予算に入っているのではなくて別にとってあるのでしょうか。事業終了後の面倒見はどうやっているのですか。

  • 産総研企画本部

    産総研の運営交付金でみております。ただし、事業化に対して研究費をつけ足すということに関しては、逆にいうと、2~3年後まで一緒に中小企業とやらないと実用化ができないので、中期目標に合った研究テーマであれば当然のことながら運営交付金で一緒に研究を続けていく、こういうスタンスでやっております。

  • 鈴木委員

    これは相手企業に独占的な実施権を与えていらっしゃるのか、あるいは原則的にオープンライセンスでやっておられるのか、どちらでしょうか。

  • 産総研企画本部

    共願に関しては、当然のことながら独占実施権を与えております。ただし、単独に関しましては、産総研のスタンスは非独占です。ということで最初に特許を使って実施した場合には非独占という形をとりますけれども、もし企業があった場合には公募という形をとり、独占を希望する企業が他になければ独占ということもできますが、実質はまず非独占がスタートで、その後、共願として出したものに関しては、相手側が独占を希望すれば独占が付与できるという形になっているため、最終的には企業独占の形に近くなるのではないかと思っております。

  • 平澤小委員長

    この課題自身が今までと違っていわばプログラムに関する評価、しかも18年度からある程度内容を変えるということで、今までやってきたことの制度的な評価をしてみて、それに見合って次に新たなやり方に改善していく、このような時点での評価に当たるだろうと思われます。そういう観点からみたときにはどうもわかりにくい資料ではなかったかと思っておりました。

    制度でどのような成果を上げてきたかということについてはよくわかるわけですが、実際に見直すときには制度の仕組みを見直すということが多い。位置付けみたいなものは通常それほど大きくは見直さない。とすると、今までの制度がどのようなものであって、どういう欠陥があったからこのように見直すとか、こういう点は非常によかったため、それを強化した制度にしますとか、そのような制度的な設計の対比がわかるような形で出ていればもう少し理解しやすかったのではないかと思います。

    吉本委員から最初にご質問があったように、中小企業と産総研、どちらが主体性をもってどのように進めていくのかということに関しての制度設計が私も余りよくわからなかったので、その辺がある程度クリアになってきたわけなのですが、そういう制度設計そのものに関連して成果の様子が理解できてくるのではないかと思った次第です。

    全体としては実績を上げている制度であるので、このような見直しの中で継続されていくということに関しては問題ないかと思いますけれども、よろしいでしょうか。

    先ほどの第2番目の案件については、最後に確認をとるのを忘れていたわけですが、これは冨田先生からもご指摘がありましたように、数値がかなりずれていることに関してそのままを比較するというのは良くないでしょうから、その原因についての理由を明らかにしていただくということを私の預かりにさせておいていただきたいと思います。冨田先生にはまた情報をお回しいたします。

次に、「石炭生産・利用技術振興費補助金」について、石炭課谷本課長補佐から説明後、質疑応答がなされた。具体的な質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 冨田委員

    お話を伺うと非常にいい話で大変すばらしいと思うのですが、石炭にS(硫黄)は入っていないのですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    硫黄は入っております。

  • 冨田委員

    硫黄のことに一言も触れていないのですが、大丈夫なのですか。俗にいわれる酸性雨問題とか外に出てくる汚染物質といったらいいのかよくわかりませんが。

  • 新日本製鐵(株式会社)並木

    新日本製鐵の並木でございます。石炭中には当然サルファ(S)は入っておりますので、その点につきましてはガス化した段階でほとんどがガスの方にまいります。ガス中からサルファを除去することは一応既存技術でガス生成というところでございますので、そういった方法を付加することで対応をとろうと考えております。

  • 冨田委員

    スクラバーで全部取れるから必要ないとおっしゃっているかもしれないのですが、取った後どうするのですか。

  • 新日本製鐵(株式会社)並木

    一般的な工業的方法であれば単離サルファという形で遊離して使うことが考えられます。

  • 冨田委員

    これは確かに水素と炭酸ガスという点からみてもすばらしいのだけれども、Sは大丈夫だということを一言入れておいていただいた方がよろしいのではないかと思います。

  • 石炭課谷本課長補佐

    ご指摘ありがとうございます。

  • 池村委員

    国として非常に重要な技術だということはよくわかります。ただし、本格的な数百億円の炉をつくることを前提でパイロットプランを計画しているのか、それともその炉をつくる価値があるかを決めるためのプロジェクトであるのかが、やや不明確にみえます。今30億円をつぎ込むのは、どこかの会社が本格的な炉をつくることが前提で、それに対して前段階のパイロットプランをつくることと了解してよろしいのでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    国といたしましても、この技術、成果は何かと考えますと、当然基礎的な研究を行うというアカデミックなところではなくて、あくまでも今後、石油、ガスがピークを迎え枯渇するというときに、何が今後の将来的なエネルギーになるのか、化学原料の材料になるのかと考えますと、当然準備を行っていかなければいけません。この20トンというのは商用化には2段階ぐらい早いのですが、あくまでも将来的には商業化して10年後、20年後、エネルギーという面では足が長く、他の技術に比べるとまだ道半ばというようなご意見をいただこうかと思いますが、将来的な確実な事業化に向けて推進させていく第一段階というところで考えてございます。

  • 平澤小委員長

    3ページにある図、この装置自身は上下2つに色で分けてありますが、下の部分は昔の石炭ガスの発生装置に相当するものですね。上の部分は水素添加で石炭を改質するという、これも古来やってきたものですね。その両方を組み合わせて何らかの効率の良いことにしようというアイデアなのではないかなと思います。

    そのときに発生するCOを、「シフト反応」と書いてありますが、ここでH2にもう一度転換して水素をチャージするというサイクルを組み合わせてある。こういう複合的なサイクルは、何を目指してこれを運転するのかにより熱効率とかコストは全く変わってきます。あるときは例えばCO2を抑制するといったことを念頭に置いたシミュレーションをやり、あるときには合成ガスがたくさんとれるといったシミュレーションをやるというふうにしていけば部分的には良いものになっているということだが、このあたりが軽質油をつくるようなケミカルズを生み出そうとするのか、それとも発電用の燃料をつくるというところに使うのか、というように全体としていろいろな適用の仕方があるとは思いますが、評価をする段階で良いところだけをみせるような評価になっているのではないでしょうか。

    例えば8ページのところも既存のものとの比較ということになっているけれども、既存のものはそれぞれが何を目指していたのかというと下側に相当する部分であるわけなので、こういう組み合わせたものがもしあれば比較の対象としてはいいのですが、少し比較の対象にはならないのではないかなという気がします。

    費用対効果については、詳しくは触れませんけれども、先ほど申しましたように何を目的に運用した時にどうなるのかということをもう少しいろいろ検討しなければ、例えば水素をつくる反応のところではどのような損失があるのか等を全部足し合わせていくとなかなか難しい話になるのではないかなと思います。

    それから、評価結果のところで、やはり委員の名前がここでは挙がっていないのですけれども、石炭関係というのは関係者が非常に少ないので、そういう人たちの仲間内で評価しているのだとすればやはり問題であり、ぜひ名前をここで挙げていただきたい。

  • 石炭課谷本課長補佐

    ターゲットが絞られていないというお話もありましたが、これは正直いって多目的に利用できるというところをねらっておりまして、発電も可能であり、FT合成にも使えますし、当然軽質油も採れるというところでございます。そういう意味では、水素だけをねらったものといいますと燃料電池等の利用も考えられるのですけれども、その燃料電池、この5年の動きをみますと、盛り上がりをみせた途端に水素社会がなかなか来ませんねという話も出ております。そういった意味ではこの技術自体、商用化されるのは2015年とか20年というロングタームを考えておりますので、ある程度適用範囲が広いというところも1つは特徴だと考えてございます。

    その意味では、生成するCOとH2というガスを使ってFT合成でいろいろな原燃料をつくれるということもありますし、FT合成なしでも直接軽質油、付加価値の高いベンゼン、トルエンやキシレンもつくれる。そういった意味では設備の建設費等を考えますと後段に大きな装置は要らないというところも、1つは既存のShell炉とあわせた後段の設備との比較、そういった形で今後比較していくことを念頭に置いて、計画されております経済性評価のところで今後行わせていただきたいと考えてございます。

  • 平澤小委員長

    大きい投資をする前に今のようなシミュレーションの仕方等をもう少し詰めて、大きい投資に見合っているかどうかということを十分に判断できるようにしておいていただきたいと思います。

  • 冨田委員

    「評価結果」という16ページのところとA3で書かれている評点でいくと、「目標の達成度の妥当性」の点数が余りよくないので、もう少しすり合わせをうまくやっておいた方がいいのではないかという気がします。というのは、例えば「波及効果・事業化についての妥当性」は1.83、「成果、目標の達成度の妥当性」も1.83ということで、もう少し高い点をもらってもいいのではないかと思う。

  • 平澤小委員長

    これは3点法ですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    3点法です。

  • 冨田委員

    これは3点法ですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    3点法でマックスが3点です。

  • 冨田委員

    そうですか。失礼しました。これは相当いい点数なのですね。

  • 平澤小委員長

    いい点ということです。

  • 石炭課谷本課長補佐

    3点法で総合評価2.5というのはかなりいただいたのではないかと自負しております。

  • 冨田委員

    これは3点法と5点法と混在していますね。

  • 平澤小委員長

    その辺もまた検討する必要があるだろうと思います。

  • 冨田委員

    今回、相当間違って発言しているかもしれない。申しわけないです。少しどこかに満点を書いておいてほしいですね。

  • 平澤小委員長

    先ほどの評価委員については、この小委員会で名前を一応検討させていただければと思いますが、所属とお名前をおっしゃってください。

  • 石炭課谷本課長補佐

    資料の2にございます。

  • 平澤小委員長

    パソコンの中の資料でしょうか。わかりました。

    それでは、この案件についても評価としては了承いたしましたということですが、一般的な話として今後の評価法のあり方ということに関してのコメントはあったというようにお考えいただければと思います。先ほどと同様であります。

次に、「京都議定書目標達成産業技術開発促進事業」について、地球環境技術室山形室長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    この案件も先ほどの産総研と同じような制度的な仕組みのもとで運用されているもので、今回のご説明は制度の中身がよくわかるように整理されていたと思います。

  • 池村委員

    本委員会の中でも何度も出てきたことですが、この種のプロジェクトにおいてはプロジェクトリーダーの役割が大きく、プロジェクトの成否を決める要因にもなりえます。今回もプロジェクトリーダーを置いておられるわけですが、分室Cの主任研究者がこのプロジェクトのリーダーであるとなっており、国の機関や国が関係した機関の従来からの通例ではありますが、個人の顔が見え難くなっています。しかし、国民の側も国が関与していることに関して、個人の顔が見えることを要求する傾向にあります。分室Cの主任研究者と言うだけでなく、個人名が記載され、その人がリーダーを務めたプロジェクトはうまくいった、またはうまくいかなかったということが明示されることが重要に思えます。そのあたり、今回は個人の顔に関して余り踏み込んでおられないわけですが、その点に関してご意見をいただきたいのですが。

  • 地球環境技術室山形室長

    池村委員のご指摘のとおり、個人にリーダーシップをとっていただくとともにさまざまなプロジェクトのマネジメントについてもリーダーシップを発揮していただこうということで、RITEと研究部隊との間の窓口役を当然その方にしていただくことになります。顔が見えるということはこの書類の中ではまだ反映されておりませんけれども、年に1回、研究発表会をやっております。その場は毎回150人程度集まっておりますけれども、その場ではその方から直接発表していただいて、その方がやっているという形を見せていきたいと思います。

  • 池村委員

    もちろんそういうことは理解できますが、何年か経っても、公開された書類として個人の役割が容易に追跡できることは重要です。あのような優れたプロジュクトを遂行した人材だということが評価できるわけで、プロジェクトリーダーのやりがいにもつながり、国の企画するプロジェクトの活性化につながる方向だと思います。

  • 平澤小委員長

    具体的には、例えば実施テーマ、参加企業名というのがありますが、ここのところにプロジェクトリーダーの名前が入っている、そういうことでよろしいでしょうか。

  • 池村委員

    はい。

  • 平澤小委員長

    これはこの制度だけではなく、全体的な問題としてまた検討を深めていきたいと思います。

  • 永田委員

    今ご説明いただいた京都議定書関係ではなく、全体を通じての質問なのですが、よろしいでしょうか。

    今回が中間評価ということで、中間評価ということを考えますと、まず評価がどうであるか、現状どこまでどう評価するのか、もう一つの論点はこの評価結果を踏まえて今後どうするのか、その2つがあると思う。特に研究評価につきましてはだれを評価しているのか。経産省を評価しているのか、委託先を評価しているのか。もちろん全体を評価しているということだと思うのですが、そうなってきますと今回の個別の研究開発事業に書かれている提言であるとか課題について、今後は指摘されている事項をだれがやるのか、またいつやるのかというところを明示しなければ、せっかくこれだけかなり詳細に評価がされていまして、突っ込んだ課題の指摘もあると思うのです。

    評価報告書自体は評価委員会が出すのでこのままで構わないと思うのですけれども、今回のこの評価委員会で指摘された課題についてどうするのかというところについても非常に関心のあるところで、評価報告書を公表するのであれば、指摘された課題については今後どのように考えるのかということもあわせて公開する必要があるのではないかと思うのです。

  • 平澤小委員長

    今の点は非常に重要なポイントだと思うのですが、我々全体の問題でもあるわけです。例えばNEDOでは次の会のときに、出てきたコメントがどのように受けとめられたか、どのような措置に転化されていったかということの報告が個別にあるのです。その詳細な、あるいは真剣な取り組みを伺っていて、評価委員全体としては非常に感銘を受けるということが多いのです。

    ですから、経済産業省としてももちろんほったらかしてあるわけではないだろうと思いますので、これは評価課の方でまとめて、各担当課でどのような対応をされたのかということに関して、重要な点だけでいいですが、ご報告いただき、また、担当課の方では検討委員会の方で指摘されたことを、今回の報告の中でもその指摘を受けてこのように変えますといったような話もいろいろ出てきたかと思いますけれども、それは検討委員会での評価に対する対応が余り十分には書かれていないような場合もありましたので、こういうことも含めて評価課の方でフォローアップしていただければと思います。

  • 谷審議官

    一言申し上げれば、かつてこの評価小委員会では割と評価されっ放しということだったのです。しかし、この3年ぐらい、委員長からもいろいろご指導いただきまして、これは上辺だけではなくて実際に、今日も最後に報告があるかもしれませんけれども、この場での評価を踏まえて仕組みを変えたとか、持ち帰ってもらって民間の方々とも実際に、ご指摘のとおりというところは計画の中身を変えたりしているケースが随分ございます。そういう意味では言われっ放しということではない。ただ、十分かというところは委員の先生方のいろいろなご意見があろうかと思いますので、引き続きそういう基本方針でやっていきたいと思っています。ひとつよろしくお願いいたします。

  • 平澤小委員長

    今の5番目の案件に戻ってご発言があればお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。

  • 谷審議官

    1点、池村先生に一言だけ一般論でお答えすると、国の方の委託プロジェクトとか、いわゆる国プロのようなものは、あらゆるところでプロジェクトリーダーの名前を出して、この人にやってもらっていると明確にしています。これは基本的に補助金で民間の事業ということでありますから、RITEとかICETTが中でかんでいますけれども、基本的には企業が自らのリスクで 、2分の1をもってどこまでのリスクかというのがありますが、企業自らがやりたいというところを提案公募で採択しています。したがって、やっている人を隠すということは決してないと思いますが、国のプロジェクトですとそこをよくも悪くも明確にしていって、なあなあでやっているのではなくて、きちんとこういう人たちがやっている、あるいは国もこういう人たちに任せているということを最初からオープンにしてやっています。

    こちらの方は補助金ということで若干性格の違いもあって、委託や国プロほど徹底していない面もあろうかと思いますけれども、別に隠すべきような話ではないので、出そうと思えば出せると思います。国プロですとだれがやっているかというと、大学の先生も含めていろいろな人が絡んでいますので、そこはどういう体制でやっているかというのは非常に重要だと我々も考えていますので、そこは非常に意識して出すようにしています。

  • 池村委員

    若干の補足ですが、今回は、国と企業とを結ぶ役割として、プロジェクトリーダーを置いているわけです。そういう際には個人の顔が見えた方がよいのではということです。関連して指摘したい点は、今までの説明の中でも、事業を実施した企業について単にゼネコン等と記載され、企業名が出てこないプロジェクトが幾つか見うけられます。原子力関係のものはそういうものがまだ大分あるように思えます。

  • 平澤小委員長

    今の案件に関して1つだけ追加があります。評点結果を拝見しますと「3.成果・目標達成度の妥当性」と「4.事業化についての妥当性」、つまりパフォーマンスが評価検討委員会ではあまり良く評価されておらず、政策的な妥当性、位置付けは非常に高いけれども、パフォーマンスが良くないということのようですが、これは何か改善することに関して検討されましたでしょうか。

  • 地球環境技術室山形室長

    この評価をいただいた時、主に中心的な議題になりましたのは、CO2、温暖化ガスを減らすために研究開発をするというのは当然リスクも高いし国がすべきだということなのですけれども、当初制度設計するために、2008年から12年まで第一約束期間に貢献するということは、そのときに実用化していなければならない。その実用化の定義が当初あいまいであったために、この「成果・目標の達成度の妥当性」がそもそも評価し難いというご意見もございまして、そこのところは非常に厳しく評価いただきました。

  • 平澤小委員長

    目標を明確にわかるようにまずは掲げておく、これは非常に重要な話だと思います。全体に共通する話です。そのような改善を経てまたいい成果につながるならばと願っております。どうもありがとうございました。

    これで個別案件については一応審議終了ということでよろしいでしょうか。
     

2.包括審議(プロジェクト評価、制度評価)

(1)前半13件

「二酸化炭素大規模固定化技術開発」、「次世代衛星基盤技術開発」、「分散型エネルギーシステムの平準化基盤技術研究開発」、「低エネルギー消費型環境負荷物質処理技術研究開発」、「事前炭化式ガス化溶融炉プロセスの開発」、「難加工性特殊鋼等に対する次世代圧延技術の開発」、「回転炉床炉による有用金属回収技術の開発」、「鋳片表層改質による循環元素無害化技術の開発」、「石炭・古紙等活用型二酸化炭素固定化技術開発(エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭素固定化技術開発)」、「石炭・古紙等活用型二酸化炭素固定化技術開発(石炭・天然ガス活用型二酸化炭素回収・利用技術の開発)」、「資源循環型住宅技術開発の推進」「高効率エネルギー利用型住宅システム技術開発」及び「エネルギー使用合理化処理困難廃棄物処理システム開発」について事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 永田委員

    今ご説明いただいた8番について、「総合評価」が満点ということですが、ほかの項目をみますと2.2というようにばらつきがある。それでも「総合評価」が3点になっているのはどういう理由でしょうか。

  • 技術評価調査課中村産業技術総括調査官

    3点法以前の5点法の場合の総合点は各項目の点数の平均をとっていたのですが、この3点法では総合評価は総合評価で改めて点数をつけるという方式にしたものです。ほかの項目の平均ということではなく点をつけることになっているため、こういう点になっています。

  • 平澤小委員長

    恐らく評価委員の思考構造がどうなっているのかということになるのでしょう。

  • 永田委員

    総合点で3をつけるということはほかのところも高いと思ったのですが、ほかの項目で低いものもあるというのは少し気になったのです。評価委員の中でどれかを非常にウエートをもって評価したため「総合評価」としては3点になったと思うので、そのウエートをかけたであろう項目は一体何なのかと思ったものですから。

  • 技術評価調査課中村産業技術総括調査官

    各委員の方がどこにウエートを置いたかここではわからない。しかも標準偏差ゼロですので、皆さんが3点をつけたという感じです。

  • 平澤小委員長

    これでみると「政策的位置付け」が3点ではなくて3プラスだと、このような感じでしょうか。

  • 伊澤委員

    この委員会で石炭関係の話を何度かお聞きしているのですが、石炭に絡む全体的な位置付けがよくわからないことが多い。先ほどご説明いただいた10番と個別審議の4番について何かおわかりでしたら関係をご説明いただきたい。

  • 平澤小委員長

    石炭課の担当課の方が既に戻られたそうです。石炭関係については全体像がみえないというのは、今までも何度かこの委員会でも指摘されていたかと思います。

  • 地球環境技術室御田補佐

    10番の関係ですけれども、石炭全体の施策がどうなっているかということはわかりませんが、我々のプロジェクトとしては二酸化炭素の有効利用活用ということで、その活用の1つとしてこの石炭・天然ガス活用型二酸化炭素利用技術開発をやっております。したがいまして二酸化炭素が主目的で我々はプロジェクト開発をしており、そこは石炭であろうが何であろうが、我々プロジェクトを担当している担当者としては余りそういう観点ではみておりませんでした。石炭全体の中でどういう位置付けになっているのかというのはわかりません。

  • 平澤小委員長

    伊澤先生、後半の方の包括審議の中に石炭課担当のプロジェクトがどうもたくさんあるようです。前半にあるのは、石炭というキーワードは出てきても環境絡みであったりと、別の目的に関係しているということのようです。ですので、先ほどのご質問は後半の方がおみえになってからもう一度お願いします。

  • 谷審議官

    石炭系とか燃料系とか、これは資源エネルギー庁の方がある意味では全責任を負っていろいろな政策を遂行していて、我々産業技術環境局はいつもこういう技術評価をやらせていただくときに、実は内部でも常に伊澤先生と同じ問題意識を、特に私はいつも思っております。それぞれ個々の技術についての論点はあるけれども、その前に全体的に例えば燃料の代替、これについてエネルギー庁としてどのように考えて、その中でこの技術開発プロジェクトがどういう位置付けにあるのかを説明しないとなかなか理解しにくいところです。例えば総合科学技術会議なんかでもよく指摘されているところです。

    笑っていては済まされないので、今エネルギー庁の方は全体としてはそういったことを整合性というか、きちんと長官官房の方で議論しながら進めるというような体制にはあります。ただし、本当に全体が整合的かというと、今のところはいろいろな環境問題も非常に大きく出てきているものですから、ある程度整理をしながら、とりあえず目途がつけられそうなものをあるところまでやり、きれいなステージゲートではないのですけれども、どこかの時点でもう少し絞り込んだ戦略というか、あるいは政策の決定をしていかなければならないというようなコンセンサスは内部ではございます。

    ですから、あれもこれもというところまでやっているということでもないのですが、我々技術部隊からみても比較的あれもこれもやっているのではないかとみえるというところ、エネルギー庁の中ではそういう自覚というか、そこをきちっとまた、今やっているところをどこかの時点で、あるいはこういう場での評価も踏まえながら整理をしていくことになるとは思っております。

    本当は長官官房が来てここでそういう説明をしないといけないと思うのですが、少し代弁で申しわけないのですけれども。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、また後半に補足的な説明があるかもわかりません。包括審議の最初のグループに関連して個別にご質問があれば承りたいのですが、いかがでしょうか。

  • 池村委員

    いつも「事業の目的・政策的位置付け」は点がよく、「成果の実用可能性・波及効果」が悪い傾向が見られており、経済産業省としても気になっておられる点かと思います。今回は、例えば15、16、17では、当初の「政策的位置付け」よりもむしろ「波及効果」が高いという例がありますし、9番も当初の「政策的位置付け」よりは「波及効果」が若干上がっているのですが、そのあたりのプロジュクトの特徴抽出みたいなものはいかがでしょうか。波及効果の方が当初よりも上がっているものの特徴について何か気付かれた点はありますか。

  • 技術評価調査課柴尾課長

    統計的に分析したわけではないのですが、大体こういう傾向ではないかというものを少しお話ししたいと思います。

    まず、一般に政策の位置付けが非常にいいというのは、きちんと政策なりいろいろな上位の施策に沿ってやるというのがある意味予算もとりやすいということなので、そこはすべてのプロジェクトを並べてみて比較的わかりやすい項目であり、点数も高得点を得やすいというところでございます。

    今ご指摘の波及効果について、大まかにいうと比較的基礎研究に近いものは波及効果がすぐには出にくいのですが、この事については検討会の先生方の基本的なコンセンサスはあるのですが、そうはいってももう少しできるのではないかというご指摘もあれば、非常にアカデミックに近いからこういう感じでいいのではないかという意見もあり、比較的点が割れやすい項目です。そういった意味で評価はおしなべて平均をとりますので、基盤に近いものは、波及効果の項目がほかの項目に比べて若干点数が低くなりがちな傾向があります。

    他方で、先ほどご指摘があったガス関係、検知器のたぐいは非常にイメージしやすいですし、ある意味、成果物が形になって出てくるものですから、これは比較的出口に近いということで、もともと実用化に資する研究だということがあります。また、いろいろプレゼンテーションする側もイメージが非常にわきますので、こういう波及があるという具体的な線を引きやすく、プレゼンもしやすいことから点数も高くなりやすいようです。こういったことで、その研究自体の性格が基盤に近いのか実用化に近いのかによって比較的波及効果の点数に差がついているのではないかというのが一般論でございます。もちろん個々によって具体的なものは違ってくると思いますけれども。

  • 池村委員

    最初の政策的な裏づけが余り高くなくて波及効果があるというのが15、16、17の特徴なのですけれども、そのあたりはどうでしょうか。

  • 技術評価調査課柴尾課長

    実用化の中でも非常に大きなプロジェクトであれば上位の政策等に特出しして書いてあるということがあるのですが、プロジェクトが比較的小規模になりますと上位の政策等の行間を読んで、これも関係あるだろうという感じで相対的に位置付けが明確ではないという点で若干点数が低くなる傾向もあるとは考えております。

  • 永田委員

    今回のこの案件は事後評価ですよね。そうなりますと「事業の目的・政策的位置付け」は事前評価のときのものであって、事後評価に「事業の目的・政策的位置付け」を入れて総合評価するのは少し奇異といいますか、それは事前にやっているべき問題で、事後は成果等に評価に力点を置くべきではないのでしょうか。

  • 平澤小委員長

    全体としてはおっしゃるようなことだと思いますが、この事業を実施した直後に振り返って考えてみると妥当だったか、そういう観点は多少加味していいのではないでしょうか。もっと追跡的な段階になれば目標自身をきちんと評価の対象に据えるということになるわけですけれども、そういう意味で項目としては一応入れてあるということです。

  • 技術評価調査課中村産業技術総括調査官

    事前評価は原課が自己評価することになっていますから、中間・事後でも政策への位置付けはどうであったかということを問うように設定されているものです。

  • 平澤小委員長

    自己評価だけではなく、外部の先生たちが評価検討会で実施するという観点がもう1つ入っています。

  • 谷審議官

    池村先生のご指摘について1点だけ、一般的な状況について補足説明をさせていただきます。

    本日は委員長から盛んに検討会はどんなメンバーで評価したのかというご質問がありましたが、特に2~3年前は実施者が自己評価しているのではないかという批判が非常に強くて、今評価課が中心になって、評価委員のメンバーについてもきちんと第三者、あるいは場合によっては当該企業のライバル企業の人に入ってもらうよう改善してきている。全部そうなっているかどうかは、断言はできませんが、例えば3年前、4年前、もちろん違うプロジェクトになりますけれども、そこは自己評価で、当然のことながらインナーでやっていますと技術開発の成果なども非常に高い点数が出てくるのですが、徐々に今は外部の人も入れています。割と厳しいこともいっていただけるような先生方にも入ってきてもらっており、技術の評価については厳し目のものが割と出てきているようになっています。

    厳しい評価について我々は、検討会での評価が良くなかったからと言って実施したことが悪かったということではなく、どういう点についてどういう批評があったかということも踏まえながら、また次のものに転化していきます。そのプロジェクトの評価が悪いから、波及効果が本当にないかと言うとそんなことは全くなくて、これはこういうことで良くなかったため、このプロジェクトのある種の失敗をベースに次にこういうところに着手するということになります。

    重要な技術ではあるが実用化まで時間がかかり企業が着手しにくいプロジェクトに国は資金を出すわけですから、全てがうまくいくということがそもそもおかしく、うまくいくと分かっているものは企業にやってもらえばいいわけです。国が実施してうまくいかなかったという評価もあるプロジェクトをうまく生かしていくことが我々の1つの責務だと思っています。今いったようなことが全てきれいにできているというほどではありませんけれども、そういう面もあるということは一言申し上げます。

  • 畑村委員

    私はかなり以前からこの委員会に出ており、以前はいつも文句ばかりいっていたのですが、最近は文句を言わないのです。というのは今いわれたとおりだからなのです。以前は本当に石炭でも何でもいつも出てくるし、似たようなことをやるし、もうやめた方がいいのではないかと言っていたのですが、今ここに出てきているものは、以前とは視点が違っていたり、例えば石炭ならもう要らないのではないかということを前提に考えていることが、もしかすると間違っているかもしれないという気がしていて、そうだとすると、全てを一緒にしてだめだという議論にならないようにしなければいけないのではないかと思います。そういう意味では評価の仕方が形式的になってない部分は、少なくとも3年ぐらい前までより、はるかによくなっている感じがします。

  • 冨田委員

    これはいろいろな点数があるので、NEDOのように幾つかの座標でマッピングした総合的な資料が1枚あった方がいいかもしれない。

  • 平澤小委員長

    そうですね。ポートフォリオをつくるといったことは評価課で対応していだければと思います。

    包括案件の13件に関しては、いずれもこのままでよろしいということでよろしいですか。

     (「はい」の声あり)

(2)後半10件

「発電用新型炉技術確証試験」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開発(高度保安情報管理システムの開発)」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開 発(電子式流量計測型保安ガスメータの開発)」、「物流の合理化と保安対策が同時に可能な集中監視システムの開発(供給管等ガス漏洩検知システムの開発)」、「安全管理対策のための調査研究」、「有害廃棄物等汚染土壌修復技術実用化開発」、「石炭生産・利用技術振興費補助金(石炭生産技術)」、「電気分解と膜処理による染色廃水の脱水と再利用技術開発」、「将来型航空機運航自律制御支援システム技術研究調査」及び「産業公害防止技術開発費補助金」について事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 吉本委員

    最後の23番に対する質問です。点数にこだわるわけではないのですが、例えば「成果、目標の達成度の妥当性」とか「波及効果、事業化について」となると点数的にはかなり低いのですが、評価としては進捗状況もよく今後も継続すべきであるという形になっています。このあたりが割と低い評価になっている理由はどういうところにあるのでしょうか。

  • 環境指導室柏村専門職

    環境指導室の柏村です。点数につきましては3点満点ですから1.5より上で、優等生までいきませんけれども、中の上より少し下ぐらいというところだと思います。すべての案件で実用化までいくということはないですけれども、かなりの割合で実用化の話には入ってきているという状況です。

  • 吉本委員

    制度の問題で、制度をこのように改善すればもう少し目標達成までいくのでしょうか。今後、例えば中小企業をターゲットにするのであれば、単年度事業というのは実際の実行期間は非常に短いですよね。

  • 環境指導室柏村専門職

    これはあくまでも評価をいただいて、先生方からの意見としての部分です。ただし、これをどこまで私たちが対応できるかというと、これは会計法上の話になってきますので、完全にこれを単年度契約から複数年契約というように実態的にはとり切れません。ただし、実態的に最初の提案のときには3年計画で全体を受けた上で毎年の交付をしているという形になっていますから、ある一部分では複数年のような形になっていると思います。

  • 吉本委員

    対応できるかできないかではなくて、どこに原因があるのかを知りたいのです。制度的なところでそういうことがネックになっているのでしょうか。例えばこちらに関してはバイドールになっていて、知的財産が企業の独占にならない体質といったところに何か問題があるのでしょうか。要するに先生方からどういう評価があったかという点はもちろんあるのですが、それと制度設計の改善点とは特にリンクするところはないということなのでしょうか。

  • 環境指導室柏村専門職

    公募をしたときにはあくまでも全体が3年計画として提案を受けています。実際お金は単年度で切りますけれども、毎年切ることの煩わしさが多分あるのではないかと推定されます。昔から複数年契約とか複数年交付という話はいつも出てくるのですが、そういうところでいわれたことだと思います。

  • 吉本委員

    承知しました。今回は件数が多いので事前に目を通した部分もあったのですが、23番は関連性がつながりにくかったというのが正直ありました。評価点と項目毎の評価の文言と提言の内容に関連性があるのかないのかすごく読みづらいです。

  • 環境指導室柏村専門職

    提言の部分につきましては、点数と離れた部分で指摘があった部分については基本的に先生と話をして残すということに決めました。指摘を受けた部分で先生の気になった部分を整理したということです。ですから、審議官がいわれたように、そこは点数とは完全にはリンクしません。

  • 平澤小委員長

    評価検討会の委員の先生方の頭の中ではリンクしているが、そのメカニズムは評価報告書(案)では余りよくはわからないということでしょうか。

    他にはいかがでしょう。

  • 伊澤委員

    20番がやはり石炭で、ここでねらっている低品位炭の有効利用と、先ほど個別審議の4番でご説明いただいた石炭の部分水素化熱分解技術、両方とも石炭を有効に利用するという観点でやっておられるようなのですが、位置付けを素人にわかるようにご説明いただけますでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    20番の低品位炭のアップグレードですが、石炭といいましてもいろいろな成分がございまして、産出される場所、地質年代により炭化度が進んだもの、まだまだ若いもの、どちらかというと木質に近いようなものもございます。実質、日本は今、石炭は99%輸入に頼っておりますけれども、すべて炭化度の進んだいいものを輸入しております。

    このまま続けていかれるかというと、産炭国もいいものだけ輸出用に向けて出していると、低品位炭、まだ炭化度の進んでいない若いもの、褐炭といいますけれども、そういったものが山元に残ってきます。褐炭は40%から50%ぐらい水分の入っているものであって、炭素としてそのまま燃やすことは可能なのですが、それをそのまま日本にもってくると、水を半分くらい運んでいることになりますので、日本に輸入するところでより品質のよいものにつくりかえるのです。

    インフラとして利用価値を上げるというものと日本に持ち入れて利用価値を上げる、そういった石炭に関してもいろいろな面からの問題点がございまして、UBC(Upgraded Brown Coal)に関しては、山元から日本に輸入する場合に、より効率的、より低い熱量のものを高くする。そういった石炭の改質技術の部分と、さらにそれを利用して燃焼させる、コールチェーンといっておりますが、炭坑の開発から、燃やした後の灰に関しましても微量成分が含まれているので対策が必要だと。石炭に関しましてはいろいろな問題点が介在しており、経済的にもよい、賦存量も高いという石炭を今後きちんと利用していけないという状況になっておりますので、そういった対策を国としても何らかの方法でやっていく必要があります。

    そういった場合、民間に任せていけるかというと、費用的な面とか、1社にそういったところを任せてしまうというのは難しいので、ある程度国の方で支援してインセンティブを与えるということでやっているということでございます。

  • 平澤小委員長

    恐らく将来的なエネルギー需給の状況をにらんだ上で時間がかかる話は先回りして手をつけておこうといった位置付けならば我々としても理解できる。しかしながら、ほとんど将来的にも利用する可能性がないような国の石炭を、石炭の質が違うからとしてテーマとして挙げる、以前にはそのようなこともあったと記憶しているのですが、そういうのではない、もう少し本来的に戦略的にやる必要性から出てきているテーマだというようなことをもう少し絞っていただければほかとのバランスがとれてくるだろうと思います。

  • 畑村委員

    ここの議論に出てこないけれども、今いわれたことはすごく大事なのではないでしょうか。事業の目的とか政策の妥当性がどうしても近視眼的になりがちになっています。長期的にみたときに、評価する中身までも本当にそれでよかったのかどうかという更に一次元上のところを本当は評価の項目に入れないと、物すごく大事なものをみんなでわざと忘れてしまっている、そういう面が見えるような気がします。

    普通に評価するとこのようになるけれども、これについては長期的に国の戦略なり何なりを考えたときは、この項目だけはちゃんと評価をしなければいけないのだということを最後のところに摘要のようなもので書いておいて、その主張をきちんと入れておくというのはもしかすると非常に大事かもしれません。

    評価小委員会の委員を長いことやってきたけれども、いつも何か間が抜けている感じがするのは、その部分の本当に戦略性をもって考えているようなものが何かの行き違いで消されてしまうからだと思います。環境の問題、エネルギーの問題、先ほどあったヒューマンエラーの問題なども抜けているものだらけに見えるのです。うまくいく方法だけで考えていていいのか、もう少し違うものを見ないと次々と大事故が続いて起こるけれども、何もわからない、わからないけれども評価としてはいい点がついて、そういう方向ばかりやっているうちに変なものになっているというようなことに仮に気がつくのであれば、評価委員の評価のところでやってやるのが多分一番いいのではないかという気がする。そうであれば、事後評価のところで戦略性というようなことを入れる評価項目を入れたらいいのではないかなという感じがします。

  • 平澤小委員長

    今の点に関しては、この委員会の中なのか、それとも官房の方の政策評価委員会で議論すべきことなのかということはあるかとも思います。

  • 谷審議官

    この委員会でのご意見としてきちんとテイクノートした上で、技術評価のすべての項目でそれがどうかということでもないと思いますので、これからどんどんまたいろいろな評価対象が出てきた時にご相談したいと思います。

  • 畑村委員

    どこかでそれをやらないといけないのではないかという感じがします。

  • 谷審議官

    そうですね。とりあえずテイクノートをさせていただきます。必ずメモに残して、それを技術評価で使えるところには今後も使っていきます。すべての項目が同じかどうか、またご相談したいと思います。

  • 畑村委員

    全部にやる必要はないです。

  • 平澤小委員長

    この点も評価課の課題ということにさせていただければと思います。重要なポイントだったと思います。

    21番ですが、排水処理の際、電気分解と膜処理ということに関連してコストの問題が出てきています。この種の技術というのは通常、代替技術がたくさんあるわけです。こういうやり方でないとどうしてもできないといったことは比較的少ない。代替的な技術が存在している場合に、この種の課題を始めるときにどれぐらいコストを意識してどこまでコストを下げられるか、あるいは下げなくてはいけないかといったことを考えて始めておられたのかということをお伺いしたい。

  • 繊維課小川係員

    この事業を始める段階において目標はいろいろあったと思うのですが、こちらは省エネとかどれほど水質を改善できるかというところにまず主眼が置かれておりまして、その上で、おっしゃられたようにコストとかについても検討しているところでございます。もちろんコストをおろそかにしているわけではございませんし、今後その部分についても鋭意努力させていただくところでございます。

  • 平澤小委員長

    これは染色したときに出てくる排水ですね。それを例えば吸着法で除くとか、さまざまな方式があるわけですけれども、どれぐらいの除去率になるかということともあわせてコストの話が絡んできていると思います。

    この種の技術の場合に方式としておもしろいから取り組んでみるといったようなことではなくて、実用的に見通しがあるからやってみるというスタンスが必要なのではないかと思っているわけです。ですから、もし方式としておもしろいという程度のものであればもう少し小規模でそのパフォーマンスをみていけばいいということになるかなと思っているのですが、全体としてこういうプロジェクトを進めていくときにどこまでそれを管理しておられるのかをお伺いしたかった。

  • 繊維課小川係員

    一般的にもちろんこの技術開発についても、先ほどいわれたような視点、コストの面というのは考えた上でこの選択をしているところでございます。具体的にはこちらには書かれておりませんが、もちろんコスト面について事業の目標にかなうようにしっかりと選択しているところです。

  • 平澤小委員長

    一般的な話として、この技術でないとどうしても解決できないといった種類の話であればコストの問題は二の次であってもいいかもしれない。しかしながら、代替的な技術がたくさんあるような領域でのテーマ選定のときには、やはりそのあたりが重要な選択の要因として取り上げられないといけないのではないかと思っているわけです。

  • 小松精練(株式会社)金沢

    事業を実施した小松精練の金沢です。よろしくお願いします。

    今ご指摘いただきました染色排水に対しましてはご指摘のとおりいろいろな手法があります。一応我々も染色協会さんを通じましてアンケートをとってみました。やはり半数以上の染色工場さんがいろいろな問題を抱えておられるということがわかりましたので、このテーマを取り上げていかなければいけないということが1点あります。

    今ご指摘の点につきましては、例えば業界の中で取り上げられております加圧浮上、一旦沈殿物をつくりましてそれを加圧浮上させるというようなことにつきましては、より電気代もコストも高くなるということで、それに代わるものを考えていかなければいけないということで電気分解をやりますと。加圧浮上に近いような電気分解をすることによって水素ガスが出てきます。その水素ガスにある程度着色物をつけまして、それで浮き上がらせて除去していくという方法をとりました。これは目標値を決めるときにコストということは絶対的に必要になってくると思います。

    私どもが考えましたのは、例えば色をとるにしても完全に飲めるような水までやる必要はないということを含め、今、和歌山県の色に関する条例がありますので、現在でもそれ以上の色になっているのですけれども、さらにもう少し住民感情も考慮した上で現在の色の半分にしようということでやっています。コスト的には50円以下ぐらいを念頭に置きながら、結果的にいいますと33円ぐらいになっております。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。これも一般論なのですが、こういう水処理に電気分解という二次元的にしか処理できない方式を手法として適用すると、非常に効率が悪いわけです。原理的には非常に高コストになるだろうし処理速度も遅くなるでしょう。ただし、他ではできないことが電気分解によってできるといった特殊性もあり得るわけです。ですから、そういうことをいろいろお考えになって有効なところに適用されるというならばいいかと思います。

    同じことで先ほど電子線照射の話がありましたけれども、電子線を照射しようと思うと真空にしなければいけない。それでビームは絞られている。こういうことをずっと掃引していくことは大変な話になる。ですから、そういう技術の原理的なことを考えた上でどこに適用するのかをそれなりに考えて実用化に結びつくところ、有効なところにやるようなプロジェクトの運営をお願いしたいと思います。

  • 小松精練(株式会社)金沢

    貴重なご意見ありがとうございました。染色排水だけではなくて、ほかのいろいろな業界の方に適用しようということを含めて波及効果を出そうと考えております。よろしくまたご指導お願いしたいと思います。

  • 平澤小委員長

    ほかに個別課題についての何かご質問等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

    それでは今対象にいたしました10件については、いずれも評価結果を了承したということでよろしいでしょうか。

    (「はい」の声あり)

    ただし、一般的な評価法に関するさまざまなご意見等に対しては、評価課の方で次回とりまとめた上で考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
     

3.報告事項

(1)DME燃料利用機器開発事業の位置づけについて

前回(第16回)の施策評価結果の報告時に指摘のあった「DME燃料利用機器開発事業の位置づけ」について施策主管課(石油流通課中川企画官)から説明がなされ、質疑応答を行った。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    もともとDMEがこの委員会にかかった際、石炭の代替ではなく、天然ガスを原料にしてDMEをつくるという話でした。天然ガスをそのまま使うのではなくDMEにして使う場合、どのようなメリットがあるのかという質問から始まりました。石炭と比較すればいいだろうということはよくわかるのですが、原料である天然ガスと比べてどうなのかという議論をしなければ、DMEまで加工して、それをまた燃料として流通させるインフラを整備していくことを考えるととても実用的ではないだろうというのがもともと出てきた意見だったわけです。この辺はいかがですか。

  • 石油流通課中川企画官

    それにつきましては、私の職責はLPGの担当でございますが、もともとDMEを最初に需要として期待しているのはLPG代替ということです。LPGの特徴としては天然ガス並みのクリーンさです。かつスタンドアローンで使えるということです。

  • 平澤小委員長

    そういう意味では以前の評価委員会でも議論をしたのです。しかしDMEにするためのエネルギーが必要である。運ぶときには確かに楽かもしれないけれども、LPGでインフラができている社会に対して新たなDME製を普及するには全体のコストとしてどのようになるのかという話をこれまで議論した結果、政策的にどのように進めていくことを考えているのか質問しているわけです。報告事項でもあり、また時間もないので、これはこの委員会というより、経済産業省の中でもう少し課題選択に関してご検討いただきたいとおもいます。

(2)経済産業省の新たな政策評価体系及び平成18年度技術評価実施計画について

経済産業省の新たな政策評価体系及び平成18年度技術評価実施計画について事務局(技術評価調査課柴尾課長及び技術評価調査課石川課長補佐)から報告を行った。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月16日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.