経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第18回)‐議事録

日時:平成18年7月11日(火)
於:経済産業省825号会議室

出席委員

平澤小委員長、池村委員、伊澤委員、菊池委員、鈴木委員、冨田委員、永田委員、山地委員、畑村委員及び吉本委員

開会

事務局(柴尾技術評価調査課長)から審議官の異動の紹介を行った。

引き続き、事務局(技術評価調査課渡辺課長補佐)から配布資料、前回議事録についての説明及び確認を行い了承された。

議事概要

1.プロジェクト評価結果について

まず、「石油精製等高度化技術開発」について、石油精製備蓄課渡辺課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    何か御質問、御意見等ありましたらお伺いしましょう。いかがでしょう。では、私の方から最初に。今御紹介いただいた研究テーマ、開発テーマというのは、この委員会の使命であるいろんな研究開発課題を横並びで見たときの資金配分というような観点から見た場合、直感的には何となくおんぶにだっこのような、提言の最後のところにもありましたように、本来国が資金投下をすべき課題かどうかといったようなあたりに多少疑問があるわけですが、このあたりは石油産業全体のありようともかかわるわけで、何かお考えをお聞かせいただければと思います。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    これは、石油産業全体でのという御質問が今ございまして、それと本プログラムのそもそもの成り立ちのところと、なかなかお答えするのは整理が難しいんですけれども、まずCO2対策でありますとか環境対策といったものは、CSRの観点からも各企業独自に取り組むべき事案にはなってまいりましたが、当然一定分野、国が背中を押さないことには始まらない分野であることも事実でございます。そういったことから、詳細テーマに触れて言いますと、要するに36テーマですか、かなり多岐にわたってしまった。これは、立ち上げ当初はこれだけの部分に着手をしてみることというのは必要であったとは思うのですけれども、先ほど申し上げたとおり、3テーマのカットを初めとして、こうやって、やってみた結果、もう背中を押さなくてもいいというところについては、ある程度のカットをするなり他の部分に寄せるなりという、重点化・効率化というのを図っていくというのが大変必要だというふうに思っております。

    今お尋ねのありました石油産業全体から言えばどうかという点において言えば、石油というのは今後もやはり、もちろん燃料電池のさらなる活用、要するに水素のさらなる活用等々、もしくは電力であれば原子力とその他のバランスみたいないろいろな課題の中で、やはり主軸であるエネルギー産業であることはどうしても事実になってきます。事実になってくるからこそ、環境対応、省エネ対応といったところは、ある種エネルギーの中で先頭を切って対応していかなければいけないという思いは、我々担当官にもございますし、もちろん公益法人であります石油産業活性化センター、なかんずく石油業界もみんな持っているものですので、これに関して背中を押す手をやめることは避けたいと思っていますし、先ほど申し上げたとおり、全部をおんぶにだっこして持っていく気は我々も毛頭ございません。特別会計も限りあるものでございますので、そこはより重点化を図っていきたい、このように思っています。

  • 平澤小委員長

    私の方で確認がおくれましたけれども、これは中間評価ですので、今お答えになりましたように、多少見直しを含めて継続したいということのようです。

    では、先生どうぞ。

  • 伊澤委員

    今の御質問にもちょっと関係するんですけれども、恐らくこのプロジェクトと似たようなプロジェクトが幾つか進んでいるのではないかと思います。私がちょっとウェブで調べたら、石油精製高度機能融合技術開発というのが今年度から始まっているようでありますが、そういった関連のプロジェクトとこのプロジェクトの関係を御説明いただけますでしょうか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    今委員から御指摘ありましたプロジェクトは、通称RINGプロジェクトと呼ばれているものでございまして、要するにリファイナリー(R)のインテグレーションを高めていかなければいけない、こういう発想のもと、主にコンビナートにおいて石油精製業と石油化学業、要するに、そもそも原料である原油とかナフサみたいなところを同じように使っていて、同じような地域にある石油精製業、石油化学、もちろんその外延部分には、当然そこには電力でありますとか鉄でありますとかいろんな産業が周辺部分にあると思うんですけれども、こういう産業間の壁を越えて効率化・最適化が図れないかということに着目をした、そういう事業でございます。

    石油産業と石油化学の壁を乗り越えていくときに何が必要ですかというのをやっていく中で、当然用役の部分の有効活用でありますとか、特に今回のRINGプロジェクトであれば、コンビナートから出てくる水素というものを最適に配分するような、要するに無駄のない、コンビナート単位で見たときロスのない使い方ができないかといったような研究開発にお金を投じさせていただいています。ですから、こうしたことも省エネルギーでありますとかCO2排出削減という観点では、まさに御指摘のとおり、同じことをやっていくことになります。

    同じことをやっているときに違いは何かというと、今例示に挙げさせていただいたRINGプロジェクトというのは、コンビナート単位でどうやって全体の最適化を図るのかという仕組み。つまり、産業の壁とか企業の壁とか地理的な壁というのをどうやって乗り越えて最適なシステムを出していくかということなので、今例えばこちらの石油精製高度技術開発事業でやっているようなことを生かしながら、その上で産業の壁を越えていくにはどうしたらいいかというシステムになっております。

    したがって、それぞれの例えば某Aというコンビナートに製油所が2つあって、石油化学が2つあったとしたときに、この製油所では、この石油精製高度技術開発事業で培ってきた研究開発の成果を生かして、製油所自体のレベルというのは最適、最高標準まで上げていただく。省エネルギーであれば、省エネルギー効率を一番いいところまで上げてもらう。上げた上で、石油化学なり例えばガス化学産業なり電力会社なりと手を結んだときに、一番いい効果を出せるのは何ですかというのが、次の、先生から御指摘のあった例示となります事業でございます。

    いずれにせよ、単にRING事業というのは一つの例示でございまして、他の事業の中でも当然方向性は全く同じものというのはあると思います。そのときに個別の事業だけで展開をしていては、予算事業全体としての最大効率性は図れないというふうに我々は思っておりますので、そこの部分については生かせるものを生かしていきながら、大きな全体の技術研究開発という絵姿の中できっちりとした整理学、ダブりがあれば、そこの部分は削るし、もし重ならせた方が、効果が出るのであれば、遠慮なく重ならせていただくしと、そういう発想を持っております

  • 平澤小委員長

    いかがでしょうか、他に。では、菊池先生。

  • 菊池委員

    提言の方の文体といいましょうか、いわゆるプロジェクトを選定するという基準も非常に難しいんですけれども、ここの場合、プロジェクトを中止する提言の方は割とぼやかして書いてあって、あるテーマは中止するべきだろうとか、そういう程度で書かれているんですけれども、対応方針の方は、「実用化の可能性について」云々でということは、何かここの提言と対応方針の間に少し距離感を我々感じるわけで、そこに具体的な何らかのいわゆる評価基準または中止基準というんでしょうか、そういうものをお持ちになっていらっしゃるんですか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    中止基準が、例えばある事業において何%、要するに目標値の何%の乖離があった場合に中止するとかいったような具体的な数値で基準を設けているわけではございません。今まさにおっしゃられたとおり、提言のところでは、「あるテーマは中止すべきであろう。」みたいな言い方がなされていまして、ところが我々の対処方針で、「実用化の可能性について指摘」というふうに若干踏み込んでいます。実際の評価検討会の中で、評価検討会は2回とり行われておりますけれども、そこでの質疑応答のやりとりの中で、やはり各委員から得た具体的な御意見等を参考にすれば、本当に実用化できますかというところに重きがございました。一方で提言は、それぞれの委員の方がお書きになられた文体というのをできる限り生かした形で書いておりますので、逆に言えば、その先生が踏み込まなかった部分についてはこういう書き方になっているところもあるかと思うんです。

    したがいまして、我々としては、実用化の可能性も酌み取りつつしっかりやってまいりますということを質疑の中で申し上げた結果、全体として提言そのものも了承されておりますので、こうした「実用化の可能性について」という書き方を対処方針でさせていただいた、こういうことになります。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。他に。では、山地先生。

  • 山地委員

    さっきも話が出たんですけど、ちょっとテーマがたくさんあり過ぎて何か評価しにくいなという感じなんですよね。その中でも、特にCO2削減の中に位置づけられている総合監視自動化とか設備管理とかというのは、CO2削減と切り離しても、本来事業者としてやるべきことのような気が非常に強く受けるということが1つ。

    もう1つは、CO2削減にしても全製油所に普及した場合、年間200万トンというわけだけど、この研究開発に、これは総額ですけど2年で50億とかですよね。これ、5年間でしたよね。ものとして実現するためには設備投資が要るんだろうから、今後我が国の原油の比率を下げていって、需要はそんなに伸びない中で、精製工場をどういうタイミングでこういう新設、設備を導入していくのか、そういうところの設備投資の評価もして、じゃCO2削減として幾らぐらいかという評価が要るんじゃないかと思うんですよね。そういう評価するプロジェクトというのを一つつけておいたら、我々聞いていて、そうかなと思うんだけど、このままだと、幾らのものやらわからない。可能性はあると言われただけなので、本当にこの研究開発は意義があるものかどうか非常にわかりにくい。大してお金がかかると思わないので、そういう評価するテーマというのがあっていいんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    今、山地委員から御指摘いただいた点は2点ありまして、1つは、要するにほっておいても企業がやるのではないかという多分御指摘だと思います。ここの部分については、当然実際の事業の立ち上げの際も、毎年毎年の状況に合わせて精査を行っております。要するに今この事業は始まっているわけですけど、これから我々がどういう点で精査するかといえば、もうストップして、逆に民間が背中を押さなくても各自企業で取り組める段階まで来ているのではないかということは、毎年毎年かなり厳しく見させていただいております。先ほど申し上げたとおり、これが単純に競争力強化の観点だけでいうのであれば、恐らく民間各企業も競争力強化、要するにはっきり言えば、金になるんだから頑張るぞという方向に行くという側面もあろうかと思いますけれども、やはり社会的要請への対応、要するに京都議定書に関連したCO2、環境規制への対応ということになりますと、やはり国が一定の役割を占めることというのも国のプロジェクトとして重要かと思っておりますので、そこはバランスをとりながら、一般民間企業が自分でできるものについては自分でやるという方針を貫徹したいと思っておりますので、いただいた御意見に沿った形でやらせていただきたいと思っております。

    2点目ですけれども、要するに費用対効果ですね。投資した結果、効果というものをどこまで見出せるのかということがまさに必要かと思っておりまして、先ほどはちょっと時間もありませんでしたので、プレゼンテーションの中ではさらっと触れさせていただいたんですけれども、実際に事業主が自分たちの研究開発でやった成果をもとに、そこにコストが幾らかかって、そのための効果が当初の目標と比べてどうなのかということをきっちりレビューする。国は国で全体の、もちろん石油精製備蓄課でも予算の枠というものがございますし、資源エネルギー庁でも予算の枠というものがございますけれども、そうした枠の中で、効果が他のものと相対的に見て出せていますかということはレビューを行っていくつもりでございます。そうした中で、特に省エネルギーですとかCO2というものは、計算して積み上げれば、具体的な効果の出る成果の話でございますから、ここはきっちりやっていきたい。例えば競争力強化というものですとなかなか質ははかれないかもしれませんけれども、CO2とか省エネルギーというのは計算をすれば出る話でございますので、ここは今後もしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。大分時間が過ぎてまいりましたけれども、他に御質問、御意見はございますか。

    それでは、この課題に関しては特に改めなくてはいけないという御指摘はなかったかと思いますが、今後、後期運用する中で委員からの御指摘があったことを踏まえて、より一層趣旨に合うように担当課の方で図っていただければというふうに思います。よろしくお願いします。

次に、「新燃料油環境調和型利用研究開発」について、石油精製備蓄課渡辺課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    御質問等ございますか。どうぞ、吉本委員。

  • 吉本委員

    御説明ありがとうございました。

    今回の説明の中で、今後のバイオマスの可能性ですとかさまざまな代替エネルギーへの今回の成果の応用ですとかというお話もございましたし、当然、今石油価格は高騰しているとはいえ石油ステーションの基礎のインフラが使えるという点でも非常に重要なテクニックであるということもよくわかるんですが、前回、非常にエネルギー系の評価が多かったということもございましたので、このプロジェクトだけに限ったことではないんですが、やはり何本も走っている石油に関するプロジェクトですとかその他の代替エネルギーに関するプロジェクトも含めて、それぞれの成果が相互にどういうふうにリンケージし合って、経済産業省さんとして具体的に全体のエネルギービジョンとして、こういうふうに資金投入をして評価の連携を図っていくという、ちょっと全体像が見えないので、個別個別のプロジェクトの評価については納得のいくところがあるんですが、これは今回のプレゼンに対する意見というよりは全体的に1回、エネルギー全体の戦略に関するプロジェクトの評価を一覧できるようなものが御提示いただけないかなという要望がございます。

    2点目ですけれども、先ほどマネジメントのところの評価が若干低かった、それは個別の参加プロジェクトメンバーが限定されているとか、他との連携が若干薄いという点があったんですが、そこで、今回の今後の提言に対する評価のところの資料の中で、既に後継プロジェクトが平成17年度から19年度の3カ年計画で走っているというところがございましたけれども、その後継プロジェクトの中で先ほどのマネジメントのあたり、そういった評価の低かった部分が具体的にどのように軌道修正されているのかというところに少し関心を持ちましたので、そこを若干御説明いただけたらと思います。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    1点目のエネルギー全体の位置づけにつきましては、私、石油精製備蓄課ということではありますけれども、当然資源エネルギー庁全体で考えなければいけないことだというふうに認識しております。現在、資源エネルギー庁では、「新・国家エネルギー戦略」というものを先月策定させていただきまして、これはエネルギーセキュリティーを軸に、エネルギーセキュリティーの確保、向上、維持を軸にエネルギー全体をとらえていきたいという戦略論でございますけれども、当然その中で技術戦略課題というものを非常に重要視してとらえております。

    我々がこの提言をまとめる際の発想というものは、似たようなものばっかり被ってやっていてもしようがなく、1つでやったことがよそに波及していかなくては意味がないですし、特に燃料電池みたいにエネルギーの中でもさまざまな分野にわたるものについては、きっちりとした絵姿を描かなければいけませんということはきっちりと認識をして取りまとめさせていただきました。特に燃料電池に関しては、燃料電池推進室の主導のもと、これまでも当然担当課レベルでは意思の疎通を図ってきたつもりではございますけれども、例えばもろもろの事業の査定評価をいただく際に、もっとこれは効率化できるのではないかということは大分厳しく御指摘をいただいているところでございますので、今あるからということに囚われずに、抜本的に見直すということを我々役人としても図っていかなければいけないと思っておりますので、いただいた御指摘を踏まえながら、きちっとした全体像を描いていきたいと思っておりますし、多分私以外の者もそういうふうに考えていると思います。

    2点目ですけれども、後継事業については、これはまた途中でして、先ほどの石油精製高度化技術開発も同様でございましたけれども、これから我々石油精製備蓄課の方針としては、毎年毎年やることについてはレビューをきっちりかけて、当初設定していた物差しをどこまで満たしていけるのかということが非常に必要となってくるのではないかという認識を強く持っております。したがいまして、固体酸化物系の燃料電池に関する研究開発についても、そもそもの事業の選定段階で、一つ、被っているもの、他と重複感が見られるもの、二つ、民間企業に任せておけば進む可能性が非常に高いものについてはこれを認めないというのは、まず事業の当然の前提でございます。その上で将来の実用化・普及までの、具体的な道筋というものは、当然研究開発でございますから研究開発の成果によって変更していくものですので、完全に具体的に階段の一段一段まで描けているかというとそうではありませんけれども、実用化・普及というものをどこにターゲットを置いていくのかということを念頭に置いていない事業では、やっていても意味がないということを話し合いながら進めているところでございます。

    その中では、特に外部の有識者というのは、いわゆる大学の先生に限らず、その他研究機関からも別にライバル視せず意見を得るということを強く求めておりまして、こういうことで17年度から19年度の新しい計画はより効果のあるものが出るものというふうに期待をしておりますし、信じているところというのが現状でございます。

  • 平澤小委員長

    よろしいですか。重ねてあればどうぞ。

  • 吉本委員

    外部の連携以外に、具体的に参画会社のところのメンバーの顔ぶれというのはいかがなんでしょうか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    参画会社に関しましては、手を挙げたらとるということではないという、そこ1点でございます。これでお答えになりますでしょうか。

  • 平澤小委員長

    山地先生どうぞ。

  • 山地委員

    最後に出たバイオマス混合燃料ですけど、CO2の観点からすれば、バイオマス混合燃料だからそのまま燃焼してもカーボンニュートラルですが、わざわざ液体燃料にしておいて、DMEもあるのかもしれませんけど、また水素に変えるというのは、何か不思議な話だと感じます。それは採用しないみたいだから結構なんですけど、そこはどう思っているんですか。本当にそんなこと考えていたんですか。バイオマスを液体燃料に変えて、さらにそこから改質して水素をつくろうなどと考えておられたんでしょうか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    この御意見をいただいた評価検討会の委員の方も、「バイオマス混合燃料わざわざという点はあるが」という前置きをした上でこの御意見をいただいております。それで、結局バイオマス混合燃料というのは、今の品確法と言われている石油の品質に関する法律では、例えばエタノール分を3%まで混合することが可能となっていまして、したがって、97対3ですので、全体としては非常に占める割合が低いわけですね。これが例えば50年後、100年後というところまで見通したときにどうなっているのかというのはだれにも保証がつかないということは、これまた事実なわけでございます。当然全体としての石油の量というのもどうなっているかというところもあるわけでございます。そういった状況下の中でフレキシブルに対応するときに、バイオマス混合燃料の改質というものも考えなくてはいけないようなことも来るかもしれないんだから、射程から外さないでくれという御意見だというふうに我々も受けとめまして、まさに先生御指摘のとおり、わざわざこれでやっているものをまた改質するのかという話はあると思っております。

    したがいまして、まずは石油系燃料の改質技術、足元をしっかり固めようという結論に舵を切らせていただいているところでございます。ただ、当然可能性として否定するのは、どんどん世界が狭まっていくことになってしまいますので、我々はちゃんと念頭に置きながら、優先順位としては今やっていることを、足元を固めたい、このように思っております。

  • 平澤小委員長

    他にいかがでしょう。

    最後に、では私から。このプロジェクト自体は3種類の改質法を同時並行的に進めていくという、そういうプロジェクトだったと思うんですが、事後評価としては、その3種類の改質法それぞれ目標として掲げたものが、単にどの程度の達成度であったかというだけではなく、今後あるいは今の状況を見た上で、どの方式に絞ったらいいのかとか、あるいは絞るためには何をやったらいいのかとか、そういう種類の、中3つやったんだけれども、その後どうなるのかというあたりがもう一つよく見えなかったんですが、担当課としてはいかがでしょうか。

  • 石油精製備蓄課渡辺課長補佐

    確かに、もし仮にこの中で相対的に飛躍的な差がつけば、これは絞り込みをかけるということも、それはまた一つ効率化としてはあると思うんですけれども、今回、自己熱改質と水蒸気改質法、部分酸化改質法とそれぞれ開発した結果、全てのパートにおいて目標値というのは概ね達成されている状況にあるわけです。したがって、それぞれ特徴が違うために、燃料電池全体の開発動向の中で生かせるものを生かしていくという趣旨になりますので、むしろこの後は、燃料電池全体の動向に合わせてこの3つの方法が提供できますというところまで引き上げられたということになると思います。

    今先生がおっしゃられた、この中でさらに絞るとすればという観点は、もうひとえにコストメリットの問題に恐らくかかってくると思います。実際にそれを生かすオケージョンでどうやって実用化するかというときに、実用化の形態によって、かかるコストの額というのは多分大きく変動してくると思いますので、そこの部分のレビューなり、この後2年後にこれがどうなっていくのかというところを踏まえてアップデートしなきゃいけないというふうに思っておりますので、そこを生かした形で将来必要が出れば、3つが2つ、3つが1つ、場合によっては3つが4つになっているかもしれませんけれども、そういうことをきっちりやっていくというふうに思っております。

  • 平澤小委員長

    スペックとしてはいいわけだけれども、最後に残るスペックというのはコストであると。ですから、そこのところを選択の基準にして、どれを取り上げてコストダウンの研究をさらに続ければいいのかとか、こういう見通しをある程度持ちながら今後進めていただければというふうに思います。これは要望ということでありまして、今回の事後評価そのものとは一応切り離しておいていいかと思います。

    以上でよろしいでしょうか。

    そうすると、今2件の評価については、いずれもこの段階で了承したということにさせていただきたいと思います。

    どうもありがとうございました。
     

2.追跡評価結果について

まず、「原子・分子極限操作技術開発プロジェクト追跡評価」について、同追跡評価WG菊池座長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    この御報告に対しては、まず議論をしてみたらどうかというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

    私の方から1つ言わせていただければ、始まったのが92年ですかね、このプロジェクトが始まるときに、私は原子・分子のマニュピレーション(操作)といったようなのはとても工業的なものに結びつかないだろうと、そんなふうに考えていたわけです。ですから、もう少し基礎的な研究をやって、計測とかなんとかそういうところに絞っていくならば話はわかるんだけれどもと、そんなことを考えていたんですけれども、今追跡評価をなさった中で、ここで開発したプロセスが実際のデバイスに使えそうだというのはもう既に見えてきておりますか。

  • 菊池追跡WG座長

    特にこの92年というのは若干早かったんじゃないかと思っています。世界的にも、アメリカの方はこれを見て出発しましたので、ナショナル・テクノロジー・イニシアチブというプログラムは後から走りましたので、そういう意味ではかなり早目に動くことができ、それによって具体的なステップが進みました。それと同時に、人材的な拠点があるので、割とその成果、つまりこのプロジェクトからの技術思想はある程度つないでいるものがあるのではないかと思っております。

  • 平澤小委員長

    私が当初考えたのはちょっと早とちりだったなという反省もあるんですが、もう一方では、依然として当初やった研究というのは、とても役に立たないなといったような分野もたくさんあるのでないかなというように思います。それで、この種の非常に先行的な研究開発の場合に、やはり途中段階でものになりそうかどうかというのを随時見直していって、有力なところに資源を集中するとか、あるいはまだ見えてない部分をそのまま切ってしまうのではなくて、それはそれとして残しておくとか、この種の長期的な研究開発マネジメントがやはり担当課の方で必要なのではないかなというふうに思っております。そういう点に関しても、追跡評価の中で御指摘されていることがあるのではないかと思うんですが、いかがですか。

  • 菊池追跡WG座長

    これに関しましては、今おっしゃられたように、いわゆる成功といいましょうか、ある技術ノードのところのいわゆる判断基準があります。そこをサポートする情報またはデータベースをきちんと、いわゆる個人のベースじゃなくて研究グループのベースで何らかの形で残していくということをしているところは、先ほどの研究グループのように今でも残ってきているんですね。そこをしないと、これはやはり追跡しましても、散逸してしまってよくわからないということが現実にあります。そういうことからすると、どういうふうな研究をすれは効率的なのか、またはどういう方向があるのかというような、極めて基礎的なときには技術的な知見、失敗データとかというベースも超えて、いろいろな技術的な知見、課題をデータベースとして残すような工夫をしておく必要があるのではないかと。

    もう1つは、どうしてもやはり属人的なところというのはございまして、そこにくっついてしまうのはやむを得ないところがありますけれども、そこのところをもう一歩入り込んで、技術情報として組織として固定化することが必要なのじゃないか、そういうふうに感じております。

  • 平澤小委員長

    では、永田先生。

  • 永田委員

    まさにその関連なんですが、今日は追跡の案件というのはこの2件挙げているんですけれども、この研究の追跡調査をした結果、成功した例とそうではない例の中の違いが一体何だというところについて、どこかそういうのをストックするような担当なり何かがあるのでしょうか。個別のことについてはそうなんでしょうけど、追跡評価が、いろいろ案件がある中で、共通して汎用性、一般解として出るようなものも蓄積しておくのはすごく意味があることだと思うんですが。

  • 柴尾技術評価調査課長

    技術評価調査課でございます。本来、そういうストックするのは我々の課でありまして、我々はまさにそれが重要だと思っております。ただ、いかんせんまだ追跡評価は歴史が浅いものですから、ストックして分析するにはまだちょっとサンプル数が少ないということで、今、毎年大体2個か1個ぐらいの感じで、ある程度大きなプロジェクトで、プロジェクトが終わって大体5年前後たってという基準でやると、まだ評価が始まってそんなに年数も経っていませんので、これは今後追跡をして、それをストックし、それなりに成功事例、失敗事例というのを分析して、省内並びに対外的にも公表できるものは積極的に公表していきたいというふうに考えていますが、もう少しお時間をいただければというふうに考えております。

  • 平澤小委員長

    私は、集積する内容というのは2種類あると思います。1つはマネジメント上の問題、これは技術評価調査課の方でそれなりに知見を集められるというのは有効だと思うんです。もう1つは、やはり対象の中身ですね。中身の方は、研究開発課とか石油開発を担当している担当課の方でそれなりに整理しないと継承されないだろうというように思うわけですが、何か御意見ありますか。

  • 安永研究開発課長

    平澤先生ありがとうございます。一言で申し上げまして、成果情報というのは、確かにこれを体系的に蓄積する形には必ずしもなってないんです。ただ、アトムテクノロジーのプロジェクトはNEDOでマネジメントをやりまして、何の成果が出ているかというのは、NEDOの評価でも全部記録は残しております。私の立場から申し上げますと、このアトムテクノロジーというプロジェクトは、一言で申し上げますと、数多い経済産業省のこれまでやった研究開発プロジェクトの中の5本の指に入るすばらしいものだったと思います。

    なぜすばらしいかというのは4点ありまして、1つは、先ほど菊池先生からも御指摘ありましたように、真の先見性、独創性もあったと。多くの研究開発プロジェクトがやはり欧米の動向を見ながらやっているということが多い中で、これは本当に日本が一番先だったと。その中に、平澤先生の御指摘にあったようにちょっと早過ぎたなというところがあるのは恐らく事実でありまして、例えば1つの原子、1つの分子を操作しながら物をつくるというのは、まだなかなか産業レベルまでいっておりません。ただし、先見性、独創性という点では非常にはっきりしている。

    2点目が、異分野の融合を仕掛けていたということだと思います。この中にもございますように、バイオの分野とナノテクの分野を最も早く融合したのはこのプロジェクトだったのでございます。

    3点目が、まさしく一番根っこのサイエンスから先端技術を突き詰めていったと、こういうことで非常に波及効果は大きくて、先ほど御指摘ありましたように、既にいろんな電子デバイスの中にも成果が入り始めていると。恐らく5年すると、もっと入ってくると思います。

    さらに4点目は、人材を育てたということであると思います。ただ、もちろん平澤先生御指摘のように、262億円使ったということの言ってみれば投資効果を今判断すると、まだまだ262億に見合うものが出てきたのかと言われると、それは若干苦しゅうございます。ただ、恐らく5年、10年してきますと、この成果の中でかなりのものが大きく出てくると思いますし、実は現実に、この成果を違った形で使った研究開発プロジェクト、大体私がさっと見た形でも5つぐらいは今でも走っております。言ってみれば、当時の遺産で今も研究開発をやらせていただいている部分がございます。ただ、それが確かに表にきちんと出ていないところがあるんですね。そこはきちんと我々の課でも把握をして、押さえていきたいと思います。そうでないと、やはり当時のせっかくの研究開発が今につながったという形にならないと思いますので、そこは御指摘を踏まえてやってまいりたいと思います。ありがとうございます。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    私は、これ、プロジェクトとしてやるというところはちょっと違和感があったんですよ。この領域の研究をとりあえず立ち上げてみましょうと。これはサイエンスの側から考えた将来的に産業につながっていくような新しい研究領域、こういう戦略的な研究領域といったようなセンスで考えると、結局ここで出てきた成果に直接結びついたのではないかなという気がしています。ですから、プロジェクトタイプにできる前から始めたと言った方がいいのかもしれません。プロジェクトとして狙うというようなことがまだわかる前にやるものだとすれば、戦略的な領域設定というようなタイプのものがあれば、これはNEDOの仕事になるのかもしれませんけれども、もう少しそれなりの展開があったのかなというように思っております。

    鈴木先生どうぞ。

  • 鈴木委員

    今、平澤先生がおっしゃったのとも少し関係するんですけど、特に研究開発体制についてお伺いしたいんですけれども、例えば今までの大プロとか次世代なんかで非常に成功した云々と言われるものの中で、集中方式とか持ち帰り方式とかいろんな体制がやられて、それぞれいい点悪い点あったと思うんですけれども、今回のこの全体の構成というのは非常に複雑というか、研究体とか研究機構とかいろいろ出てきたりとかしています。そういうのは、例えばポスドクの問題とかそういうのに絡んで、やっぱり最近また新しくそういうポスドクの問題なんかが出てきたことに対する一つの回答として、こういうプロジェクトの組み方が新たに出てきたというようなことなんでしょうか。それとも、やっぱり集中方式とか持ち帰り方式とかのいい点悪い点というのは、そのまま引きずられているんでしょうか。

  • 菊池追跡WG座長

    これは、いろいろな形で事前、中間、事後評価というのがかなり具体的に入り始めたということの影響を受けているのは事実だと思います。そういう中で、それぞれの研究体制の弱点、利点をこのプロジェクトの中心の人物の者たちもよく知っているんですね。そういうふうなことを考えますと、やはり永遠の課題というのもありますけれども、かなり組織運営的なエモ的な発想での、どういうふうに組織運営をしていくかということについては進んできたのではないかなというのが、今回のここの分野での評価としてはあるのではないかなと思っておりますけれども。

  • 平澤小委員長

    まだ御議論はおありかと思いますけれども、大分時間が過ぎてしまいましたので、もう1件御報告いただいて、それらをあわせてまた議論をしたいと思います。

次に、「マイクロマシン研究開発プロジェクト追跡評価」について、同追跡評価WG菊池座長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    マイクロマシンに関していかがでしょうか。では、伊澤先生。

  • 伊澤委員

    この資料本文の9ページに参画した企業の名前が載っておりますが、この追跡評価報告書をおつくりになった委員の中にこの関係する企業の方が入っておられますけれども、何か意図があってお選びになったんでしょうか。

  • 菊池追跡WG座長

    これに関しましては、直接携わった方の御意見をいただくということが一つの意図としてあります。それから、入らなかった方々に関しましても、そういう意味ではコントロールファクターと言っておりますけれども、そういう方々への直接の調査を行ってやっていくと。そういう中で、この評価委員会というのは実名を入れてなるべく中立公正に見ていこうじゃないかと。かつ、終わったプロジェクトに関して客観的に内部の人が、より一層客観的な第三者的なスタイルで評価をもう1度、非常に酷の場合もあります、または評価に関しての我々がミスリードをしてしまうということもあるものですから、入っていただいたという経緯があります。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。他にいかがでしょう。どうぞ。

  • 伊澤委員

    もう1点。中身なのですが、例えばこの大きな資料の一番左の上の方に、フォトニッククリスタルファイバーという言葉が出てまいりますが、マイクロマシンの研究でフォトニッククリスタルファイバーが出てくるというのは、私にとっては大変奇異な感じがするんですが、これとマイクロマシンとの関係というのはどうなっているのでしょうか。あるいは、そもそもこういう研究をやるためにマイクロマシン研究開発プロジェクトができているのでしょうか、何か随分違うではないかなという気がするんですけど、その辺教えてください。

  • 菊池追跡WG座長

    まさに御指摘のところは非常に重要なところでありまして、先ほどDNAが入っているんだろうかという議論のところの非常に微妙なところでありまして、書き過ぎてしまうと何でも入ってしまう、逆にマイクロマシンがあったからなのかと言われると、それは因果関係上どっちが先なのかよくわからないんじゃないかと、そういうところもありまして、非常に悩むところがあります。その中で、どうしてもこういう追跡評価の場合は数年たってから、関係した方たち、または関係なさらずにプロジェクトには参加しなかった方たち、そして、その成果をどういうふうに利用なさっているかというところにヒアリングをかけていきます。したがって、情報通信関係はそういう方々にお願いをして、現時点でまだ研究なさっている人、または、ある意味では退社なさってどこかの大学に行かれた方々へヒアリングをかけて合わせていくものですから、結果論として見ると、何か前後がおかしいのではないかというような御意見が出るのは、ワーキングのところでも出ておりましたけれども、御指摘のとおりだと思います。

  • 平澤小委員長

    これは、担当といいましょうか、こういう研究領域をこのプロジェクトの中に取り込んだ責任といいましょうか、関係者というのはこの中にいらっしゃいますか。

  • 技術評価調査課稲橋課長補佐

    この事業について、技術的に詳しい調査を実施した者からお答えさせていただいてよろしいでしょうか。

  • 平澤小委員長

    私もフォトニック結晶ファイバーとマイクロマシンというのはなかなか結びつかないんですけれども、このあたりいかがですか。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター 田村

    御説明いたします。これは、もともと形状記憶合金の加工技術から発しています。マイクロマシン内で形状記憶合金を使い極細のアクチュエータを動かすという技術開発がございました。内容は、形状記憶合金を非常に細い細線に伸ばすという加工技術、即ち線引き技術がキーテクノロジーになります。この技術開発によって非常に精密な形状記憶合金のコイルができ、同時に日本が誇るべき線引き技術というものをこのプロジェクトの中で習得いたしました。ご指摘のものは、その線引き技術が派生技術としてセラミックスのファイバーに活用されフォトニック結晶ファイバーの実用化に貢献したという調査結果でございます。

  • 平澤小委員長

    セラミックスに応用するところに関して、このプロジェクトから研究開発費が出たのでしょうか。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター 田村

    それは出ておりません。これは、その後独自に企業が研究開発を行い開発いたしました。

  • 平澤小委員長

    であるならば、これはちょっと書き方の問題、整理の仕方の問題だというふうに受け取ればよろしいですか。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター 田村

    派生技術としてプロジェクトが活用できたということです。

  • 平澤小委員長

    よく理解できます。どうぞ。

  • 伊澤委員

    実は私、今から40年ぐらい前から光ファイバーの研究をやっておりまして、こういう細いものを引く、特にここにセラミックと書いてありますが、恐らくガラスだと思うんですけれども、そういうものを細くする技術は恐らく形状記憶合金の技術もあったのかもしれませんが、光ファイバーについては全く独自に開発されておりまして、もし線引き技術だけであるならば、私は余り関係ないのではないかと思うんですね。むしろ私は、パイプの内径を精密にはかっているのかなというぐらいのことを想像したのでありますが、線引き技術だけだと、どなたが関係あるとおっしゃったか知りませんけれども、恐らく世界中の技術を私一応知っているつもりですけれども、余り関係ないような気がちょっといたしました。余り大きな問題じゃございませんが。

  • 平澤小委員長

    何かお答えあります?

  • (株式会社)日鉄技術情報センター 田村

    これは、実際にこの研究を御担当になった企業の方お二人に直接ヒアリングして伺いました。非常に均一に引き伸ばすときの加熱方法、環境設定などが要素技術として大きな効果を及ぼしたと、御本人から伺っております。以上でございます。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。他にいかがでしょう。どうぞお願いします。

  • 吉本委員

    質問というか感想なんですけれども、今回の追跡プロジェクトは両方とも非常に波及効果が大きいという点で共通点があるように思います。その上でちょっと細かい、これは評価なんですけれども、今回このA3の非常にわかりやすいビジュアルな資料というのは、先ほどちょっとエネルギーの分野で私がまさに希望したようなことでございまして、どういう波及技術の連環性があって、それが、特に追跡効果ですから、将来の技術展望、特に具体的な産業分野ですとかイノベーションにどうつながっていくのかというのが人に見えやすかったという点で、大変わかりやすかったと思います。

    あと1つは、評価の今後の提言としては両方のプロジェクトとも、若干マイクロマシンの方が実用化という点ではアドバンスがあると思うんですけれども、両方とも共通して提言されているということは、やっぱり今後のこのプロジェクトの受け皿を経済産業省といいますか国としてどうつくっていくのかというところに提言があるのかなと。やはり受け皿プロジェクトをうまい具合に、過去の資産、遺産が逸失しないような形でつくっていくということを提言されているように感じておりますが、この追跡プロジェクトについて先ほど先生の方から、ストックをどうされているんですかという質問があったんですが、今後のフォローアップとして、この追跡調査の結果を経済産業省さんがどう生かされていくのかという、体制とか具体的な検討の既にそういう着手があるのかどうかという、今後のことについてちょっとお聞かせいただけたらと思います。

  • 平澤小委員長

    研究開発課ですかね、何かもしあれば。

  • 安永研究開発課長

    実はこのマイクロマシンの件について申し上げますと、今MEMSという、マイクロ・エレクトロ・メカニカルシステムスという半導体の製造技術で機械をつくるという方向に発展していまして、その関係のプロジェクトが幾つか実施中であります。マイクロマシンは、やっているときから、いわゆるセンサー関係あるいは情報家電なんかの機器の小型化に非常に有望だということはかなりわかっていて、その点は先ほどのアトムテクノロジーよりはずっとイメージがはっきりしていたわけです。そういった関係から、今マイクロマシンの技術の発展形にあるMEMSのプロジェクトをきちんと発展させるという形で、我々の課もそれから技術評価課も含めて、どういう成果が出たのかをきっちりフォローするということは、一応我々の通常の仕事の中でやっているという形でやっております。

  • 平澤小委員長

    吉本委員の前半のお褒めの言葉の直接の担当、これはどこかで受けて整理されたんだと思うんですけれども、実名はいただけますか。シンクタンクじゃないですか。

  • (株式会社)日鉄技術情報センター 田村

    私どもは日鉄技術情報センターと申すシンクタンクでございます。

  • 平澤小委員長

    だそうです。非常によくまとめておられる、私も感心いたしました。

    他に何かありますか。

    先ほども触れましたけれども、このマイクロマシンもやはり戦略技術領域といったような位置づけならば、非常によくわかると思います。例えば科研費でいうと重点領域研究というのがありまして、中身は二本立てに通常なっているように思うんですが、企画して中心的にやっていく部分と、一般公募でその領域の知見を、余り大きなお金ではないですけれども、持っている人を集めて研究していくという、こういうもののセットでやるわけですね。つまり、今後どのように発展するかわからないという段階で、しかし戦略的に重要ではないかと思われるような技術領域を設定するというときの研究開発の進め方というのは、こういう企画型で全部を進めるのではない、もう少し開かれたやり方の方が、より知見は集めやすいのではないかなというふうに思いました。このあたりも含めて、追跡評価の中から出てきた御提言といいましょうか、そういうものとあわせて担当課の方で検討していただければと思います。これも要望でありますけれども。

    よろしいでしょうか。

    今の追跡評価の2件については、菊池先生の御報告を了承したということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
     

3.報告事項

(1)施策評価の結果について

「新製造技術施策」、「固体高分子燃料電池/水素エネルギー利用プログラム」、「地域における技術開発の推進」、「フロン等に係るオゾン層保護・地球温暖化防止対策の推進」、「住宅産業関連施策」、「地中等埋設物探知・除去技術開発」、「新エネルギー利用技術の研究開発」及び「核燃料サイクルの推進」について事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から報告後、質疑応答がなされた。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    今主には2つ、大きな研究開発資金を投下したものに関しての御説明をいただきました。その他の案件も含めて御質問ありますでしょうか。これは一応報告事項ということにはなっているわけですが。どうぞ。

  • 冨田委員

    バイオマスのところなんですけれども、バイオマスエタノールは、新聞などによると一応モデルをつくったことになっているように聞いているんですが、つくったという報告にはならないんですか。

  • 新エネルギー対策課影沼澤係長

    新エネルギー対策課ですけれども、バイオマスエタノールのモデル事業ということですか。

  • 冨田委員

    ええ、モデル事業をつくったように思うんですが。

  • 新エネルギー対策課影沼澤係長

    例えば今沖縄、宮古島とか伊江島とか、バイオマス絡みで特産のサトウキビや何かからエタノールを抽出して、それをガソリンにまぜ、3%混入する、E3と呼んでいますけど、そういう実証試験を現在沖縄の伊江島であるとか、あるいは環境省さん絡みではありますけれども、宮古島においても実証試験を行うというようなことを、今各省連携して取り組んでいるというところでございます。

  • 冨田委員

    だから、言葉尻をとらえるようで悪いけれども、「モデルとなるべき事例を構築していくことが重要である。」と書いてあるのは、むしろ「構築しつつある」というか、もうやっているというふうに書いた方がいいんじゃないかなという意味です。

  • 新エネルギー対策課影沼澤係長

    そうですね、ちょっとその辺、また事務局とも御相談させていただきたいというふうに考えております。

  • 平澤小委員長

    内容としてはよろしいですね。表現上必要な話かと思います。その他いかがでしょう。どうぞ。

  • 池村委員

    お聞きしたいのですが、最後に言われた産総研の中に1つのセンターができたことと同時に、九州大学にも関連したセンターが設置された点を説明されましたが、文部科学省と経済産業省が連携をしながら、そのようなセンターを設置していくようなことが行われると理解してよろしいのでしょうか。

  • 安永研究開発課長

    燃料電池の研究センターについては、これは筑波、産総研中心につくっておりますが、大学の若手の研究者の方、高分子ですとか電気科学の方、こういった方とのいわゆる共同研究みたいな形で、言ってみれば学術的な知見を燃料電池の研究開発に取り入れるという形で文科省との連携はあるというふうに見ていただいて結構かと思いますし、水素材料の方も九大というところのサイト、これは九大という大学のサイトの中につくっておりますので、さらに研究者レベルの交流のみならずインフラ面でも文科省さんと連携をしていると。ただ、役所ベースで話をしているかというと、これはむしろ大学が独立行政法人化しまして、非常にこういう形の連携が現場ベースで進みやすくなったということであるというふうにお考えいただければと思います。

  • 池村委員

    そのような省庁間での連携が非常に良いことだと評価をしてお聞きをしております。

  • 平澤小委員長

    これは今の施策評価の報告の2番目のところ、固体高分子燃料電池・水素エネルギーは16年で終わっているわけですが、今の九大の件についてはこのこととも多少関係しているんでしょうか。

  • 安永研究開発課長

    燃料電池については重要技術でございますので、引き続きプロジェクトを立ててございます。その中でこういう2つのセンターでやっております。

  • 平澤小委員長

    他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

    それでは、私の希望としては、例えば最後の御報告にありました新エネルギー利用技術、これは要するにサンシャインの後継プロジェクトということですよね。非常に大きな通産省時代からのプロジェクトだったというふうに思いますが、これをまたいつかの時点で追跡評価をやっていただければというように思います。先ほどの2つとはかなり違ったものがあるだろうというふうに思いますけれども、それはそれなりに追跡評価をするといろんな教訓が出てくるだろうと思います。菊池先生も引き続きまた、その節はよろしくお願いいたします。

(2)「メタンハイドレート開発促進事業」の総合科学技術会議指定評価適否の検討経緯について

「メタンハイドレート開発促進事業」の総合科学技術会議指定評価適否の検討経緯について、 事務局(柴尾技術評価調査課長)から、中間評価指摘事項への対応について事業担当原課(石油・天然ガス課祝谷課長補佐)から報告後、質疑応答がなされた。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    私、この件に関して、やはり報告で1度取り上げてくださいということを柴尾課長の方にお願いしたんですが、それは委員の方々、それから原課の方たちにいわばお礼を申し上げたいという趣旨であります。この小委員会での検討も非常にポイントを突いた議論をしていただいた。それから、原課も非常に真摯に対応してくださったということが相まって事なきを得たわけでありますが、伊澤先生、私の他に大見先生がこの委員会と総合科学技術会議の評価専門調査会、ダブったメンバーだったわけですが、非常に心外なことですが、我々はいわば性悪説に立った被告席に座らされるような議論の始まりがありまして、それに対しては私もかなり怒ったわけですが、いわば弁明ではなくて、ここでどういう検討をしたかという質問があったので報告しようとしたら、その発言すらとめるような状況だったんですね。こういうことをするということ自体、総合科学技術会議の品位にかかわるじゃないかと私は怒ったわけですが、そんなようなことが第1回でありまして、その第1回のときのやりとりを踏まえて、各委員から、改めて総合科学技術会議でこの課題を取り上げて評価し直すかどうかということに関する意見が出されるということがありました。しかしながら、第2回までの間にこの小委員会での議事録等が回覧されまして、その議事録を読んでみると、ちゃんとポイントに関しての議論をしてあるということが明確になりまして、内閣府の事務方を含めて、それから総合科学技術会議の評価専門調査会の会長も第2回目の冒頭で、前回非常に遺憾なことを言った、と言って謝られたようなことです。それで、我々3人の委員というのは、経産省の傀儡ではなくて、国民の目線でちゃんと評価をしていると。ですから、総合科学技術会議においても同じ立場から議論をしてくださるだろうから、今回は自由に発言してくださいというのが第2回。大体そんなような雰囲気だったように思います。

    それで結論として、改めて取り上げるには及ばないということになったわけであります。これは一つのエピソードでありますけれども、原課が非常に真摯に対応しておられたということが第1でありますし、第2に、改めて申しますが、委員の方たちのちゃんとした議論があったということで、私自身救われたようなものがあります。これを一つの題材にしながら、この委員会での議論というのを改めて身を引き締めてやらなくてはいけないのではないかなというふうに思いました。

    私の方から申し上げたいのは以上でありますけれども、何か御質問等ありますか。あるいは伊澤先生、何か。よろしいですか。

    それでは、時間もないので、この案件はこれだけにしたいと思います。どうもありがとうございました。

(3)前回(第17回)指摘のあった案件について

前回(第17回)指摘のあった案件について、事務局(柴尾技術評価調査課長)から報告した。

  • 平澤小委員長

    今の御報告に何かつけ加えることありますでしょうか。よろしいでしょうか。評価課の方では、引き続き今回のような対応をお願いしたいと思います。どうもきっちりとまとめてくださいまして、ありがとうございました。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月16日
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