経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第20回)‐議事録

日時:平成19年3月30日(金)
於:経済産業省346号会議室

出席委員

平澤小委員長、池村委員、伊澤委員、菊池委員、鈴木委員、冨田委員及び吉本委員

開会

冒頭、事務局(技術評価調査課渡辺課長補佐)から配布資料、前回議事録についての説明及び確認を行い、了承された。

議事概要

冒頭、プロジェクト評価案件19件の審議については、分量の関係から「地層処分技術調査」、「ビジネスグリッドコンピューティング」、「環境負荷低減型燃料転換技術開発事業(DME直接合成製造技術開発)」、「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」及び「航空機用先進システム基盤技術開発」の5件について個別審議を行い、ほかの14件(「低品位廃熱を利用する二酸化炭素分離回収技術開発」、「計量標準基盤技術研究(電源利用技術開発等委託費)」、「計量標準基盤技術研究(石油生産合理化技術開発等委託費)」、「太陽光発電技術研究開発(電源利用技術開発等委託費)」、「小型民間輸送機等開発調査」、「超高速輸送機実用化開発調査」、「製鉄プロセスガス利用水素製造技術開発」、「経年内管対策更新技術開発」、「超臨界二酸化炭素テキスタイル加工技術開発」、「密閉処理浴中の薬剤反応・吸着の定量化装置の開発」、「エネルギー使用合理化技術開発補助金光干渉繊維の用途開発」、「超高密度LSI製造用次世代リソグラフィー材料技術開発」、「石炭生産・利用技術振興補助金(石炭生産技術)高効率選炭システム」及び「石炭生産・利用技術振興補助金(石炭灰有効利用技術)溶融繊維化技術開発」)については一括して審議する旨の説明があり、了承された。

1.個別審議

「地層処分技術調査」について、吉野放射性廃棄物等対策室長から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    今のご説明に関して、まずは何かご質問ありますでしょうか。1つお伺いしたいのですが、調整会議を設置されたということですが、この組織の中身といいましょうか、内容といいましょうか、それはどのような構成になっているのでしょうか。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    先ほど触れましたように、現在はまず立ち上げようということで、資源エネルギー庁の私どもとJAEA(日本原子力研究開発機構)と各研究機関の方々に入っていただきまして、具体的な研究開発の整備、それからそれをどのような研究テーマに落とし込んでいくかという作業をしてきたわけなのです。実は足元でこの事業の進め方に関して、予算の執行に関して、今年度から一般競争入札の導入を求められておりますので、今までのように各研究機関が参加するスタイルでの調整会議というものは、言葉はちょっと悪いですが、談合みたいにとられかねないところがありますので、今、少し組織の見直しをいたそうと思ってございます。やはり個人の参加で、この分野の研究開発を先導されるような、もちろん研究機関の代表の方でも構わないのですが、そういう方々ですとか、現在は外側からごらんいただいています大学の先生方などもこの中に入ってきていただいて、有識者による会議体ということで仕組みを少し変えていこうと思っております。

    それから、フォーマリティー(形式)に関しましても、これまでは任意の会議体ということだったのですが、国の原子力に関する審議会との連携づけみたいなことも今後考えていきたいと考えております。

  • 平澤小委員長

    他の先生方はいかがでしょうか。どうぞ。

  • 鈴木委員

    平成16年に旧核燃料サイクル開発機構の研究開発評価委員会で伺ったものですから、2点ほどお伺いしたいのですけれども、16年時点では幌延が特におくれていて、実際、概要調査が間に合うのか、その成果が本当に概要調査に生かせるのかという疑問が大分出ていたのですが、その進捗は今どうなっているのでしょうか。それが1点目です。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    1つは、先ほど文献調査地区の場所が出てきたと申し上げましたが、これは4年前から公募しておりまして、やっと出てきたと。これは私の立場からすれば申し上げにくいのですが、全般的には当初想定したよりも処分事業など全体のスケジュールがおくれていますので、今の時点では間に合わなくなっているということはないと思っております。ただし、今、文献調査が始まりますと概要調査地区の選定がほぼ2年後、さらにその4年後ぐらいには次の地区の選定となってまいりますので、着実に進めていく必要があるかと思ってございます。

  • 鈴木委員

    もう1点が今の文献調査が始まるというのと関係するのです。幌延と東濃でいうと、幌延の方が堆積岩で東濃が結晶岩という役割分けがされていると思うのですけれども、仮に今の東洋町がどちらのタイプかよくわかりませんが、そちらでもう概要調査が決まりそうだということになった場合、余り必要なくなるかもしれない堆積岩の方とかもまだ続けられるということなのでしょうか。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    ちなみに東洋町は堆積岩系の岩石でございまして、幌延の方が近いということなのです。若干、岩質が違いますので追加的な研究が要るかと思うのです。東洋町はまず第1番目の候補ということで、この後もできるだけ多くの地域に文献調査への応募をお願いしたいと思っておりますので、引き続きジェネリック(一般的)な地質環境を想定した研究が必要ではないかと思っております。

    ただし、概要調査を経てさらにその先の調査となってまいりますと、当然に地点が絞り込まれてまいりますので、それに応じて今ある研究をどう絞り込んでいくのかという精査は必要になってくるかと思います。

  • 鈴木委員

    ありがとうございます。

  • 平澤小委員長

    他にいかがでしょうか。どうぞ。

  • 菊池委員

    適切な質問になるかどうかちょっとわからないのですけれども、今、この資料をみていて、実は私の頭の中で非常に違和感を感じていて、なぜかというと、プロジェクトの評価のときの目標と事業目標と政策目標というのが余りにも巨大過ぎてその間が、わかるのですけれども脈絡がつけにくい。それなのにもかかわらず、ここではいろいろな仕組みを組んで、最終的な責任、何とかしていろいろなことをやっていかなくてはいけないというのはわかるのですけれども、今回、プロジェクトの設定されている目標というレベルでの中間評価だとすると、それはかなりさらっと書き過ぎているのではないかなと。むしろもっと事業目標とか政策目標との連携でもって、国民の利益とか国民の安全、安心までくっつけるのであれば、プロジェクトの目標設定段階においても平澤先生がよくやられているアウトカム的な思想をもう少し入れていかないと、100年という体系には合わないのではないかなというのが、素人なのですけれども、思われます。ただ、かなり昔に岐阜の方には行ったことがありますので少しはわかっているのですけれども、何かプロジェクト目標とのずれというのか、ずれてはいないのかなというのは、そこら辺はどうですか。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    ご指摘の点は、今回、「地層処分技術調査」技術評価検討会に参加いただきました三菱総研の北田委員からも指摘がございました。ただ、若干この事業に関して特徴的なのは、いずれ20年後に処分施設の建設が始まるときに、規制庁に対する事業許可の申請をしなければならないと。そのときに、その場所が十分な性能を有していて、その後、千年、万年、その先という期間において十分な安全確保ができるということを証明してみせなければならないということになるわけです。

    証明するために、いかなる確認が必要なのか、証明するための評価技術がどうなのか、工学的技術がどうなのか、さまざまな要素を束にしなければならないということで、きょうは細かいですので紹介しかねましたが、実際には証明するためのさまざまな要素技術を束ねて、ある段階までに、事業許可の最後の段階のちょっと手前に地点の選定もありますので、まず選定に必要な証明として、どういうことが必要なのか、最後の事業許可を得るための安全評価のために何が必要なのかということを事細かに整理して、その中で必要な研究テーマを設定して、必要な事業化をしてきているという面がありまして、私どもとしてもうまく説明ができればいいのですけれども、そうした特徴を有している事業とご理解いただければありがたいと思ってございます。

  • 菊池委員

    ありがとうございます。

  • 平澤小委員長

    他にいかがでしょうか。大分時間が過ぎていますけれども、この課題は非常に重要な課題でして、今お2人の先生からご質問がありましたが、私自身もほぼ同じ懸念をもっているわけです。やはり国民がアクセプト(承諾)するような研究でないと意味がないわけです。研究だけやれば済むという話ではないわけで、どのようにすれば社会的な需要、受け入れが確保できるのかということを常に念頭に置いた研究計画、あるいはそれの進め方というのを心がけていただきたいと思うのです。

    そのためには、やはり組織のつくり方全体にもさらに工夫が必要ではないかなと思います。今の調整会議というのは、まさに関係者の調整をするような会議という感じなのだけれども、それは多分、推進側の会議になるだろうと思うのです。ところが、推進側がいろいろなチェックポイントの妥当性を考えるとか、懸念されることをどのようにして調査すればそれが判明するかとか、こういうことをお考えになるのは当然なのです。それが妥当かどうかということを、やはり国民の目線で納得できるような仕組みを組み込んでおかないと、技術開発はできたけれども、結局はどこも受け入れないということになってしまって、私はこういうことを一番懸念します。

    今、最後に詳細にご説明くださった点を含めて、今、どういう段階の研究をやっているのかということを逐一オープンにできるようなやり方、それからまたその中身を外からオープンに開示してほしいということを受け入れるような透明性の高いやり方を考えていただきたいと思います。ここのところが、従来の原子力村だけでやっていたようなものと基本的に違う社会技術の展開だとお考えいただきたいと思います。

    どうぞ。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    1点だけ申せば、一応この調整会議の中でも全く同じ問題意識をもって、調整会議の今後の展開を示したスライドの3番目に、国民社会とのコミュニケーションと掲げているのですが、実はこれまでも整理をするだけで手いっぱいで十分に議論できておりませんでしたので、そこを十分配慮して、この後、取り組んでいきたいと思っております。

  • 平澤小委員長

    ですから、例えば東洋町の住民が知りたいと思うのは、どういう点を調査すれば安全であるということがわかるのかということのまずは調査の中身ですね。それから、他と比べて東洋町がいいということを、これは今後候補が幾つか出るとして、それらを比較して、ある種のコストパフォーマンス、これはリスクを考えた上でのコストパフォーマンスということになるかと思いますけれども、それで選定していくという選定のプロセスをどのようにつくるのか。まずは前段として、どのようなチェックポイントで安全性を確認するのかということについて、少なくともプランとしてはこういうことをちゃんとやるのだということがわかるようにご説明いただければと思います。十分そういうことをやっておられるだろうということは私も想像はしておりますけれども、くれぐれもその点、よろしくお願いいたします。

    どうぞ。

  • 鈴木委員

    規制側の話と推進側の話が両方ございますよね。それで、原子力機構でもいっていたのが、ああいうこの関係の研究開発の実施主体の方が両サイドに情報を提供しなければいけないような立場になっていると。それをどうちゃんと整理するのかというのが、2年前にもかなり問題になっていまして、その辺、今、国の方ではどうお考えになっているのでしょうか。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    私どもの基盤的研究については、中立性、客観性を確保できる技術の成果を提供するということで、実施主体側にも安全規制側にも両方に同じように使っていただけるものを提供したいと考えております。

    ただ、安全規制側の方々は、自ら評価手法をきちっと持たれたいというところがございますので、そこを少し微妙なところを使い分けしながらやっている面はございます。

  • 平澤小委員長

    通常、これは70年代から、例えば環境の問題がかなり深刻になってきた段階で、私は化学が元々の専門ですが、化学関係の会社の研究開発というのは、いわゆる開発していくのと開発されたものの安全性、特に環境に関しての安全性を別組織で確認していくという2本立てで研究するような体制がかなり普及してきたように思うのです。原子力については、まさにそういう体制であるべきだと私は思っているわけなのです。ですから、安全規制の側、あるいはリスクを考えていこうという側からは、さまざまな懸念が出てくると思いますけれども、そういうものを含めて研究が進行するような体制が必要だろうと思います。

    このときにリスク、あるいは危機管理の基本的な考え方での、かなり深刻な理念的な対立みたいなものがあるだろうと思います。規制側が完全に事前に全部のリスクをつぶして安全なものにしなくてはいけないという立場をとったとすれば、これは自然科学、あるいは技術の性格上、いつまでもたってもほとんど不可能ということに多分なるのではないかと思います。ですから、この問題は非常に中長期の課題ですから、そう簡単にはいかないと思いますけれども、何らかの危機が起こったときに、それに十分対処できるようなリカバーと申しましょうか、そういうことを十分何重にもそのシステムを重ねて、たとえ何かが起こったにしても、それはこういうやり方でさらに防御できているのだという種類のアプローチというのは、もう1つあるだろうと思うのです。このあたりも十分ご検討されてチェックするポイントを絞っていかれるのがいいかと思います。

  • 吉野放射性廃棄物等対策室長

    今の点は2つに分けられるかと思うのですが、1つには安全サイドと推進サイドの立場に関していえば、調整会議の仕組みを示したスライドの右側に原子力安全・保安院の下に原子力安全基盤機構という機関もございます。そうしたところでは、将来、事業者が出してくるであろう申請書面をきちんと自らが審査できるような、自らの技術、知見を持とうということで研究を進めておられるということでバランスできるような体制になっております。

    それから、後者の将来のリスクに備えてということでは、これは、これからテーマの掘り下げなども必要なのですけれども、長期にわたるモニタリング技術とか、いざというときの回収技術というものは、諸外国、特にフランスなどではそうしたところに非常に意欲的に研究も進めて始めておられますので、日本よりも早いわけです。日本もいずれそうしたものに備えた研究テーマの整理ですとか、実際の事業化といったことが出てくるかと考えております。

  • 平澤小委員長

    他によろしいでしょうか。それでは、委員会でのコメントを含めて十分対処をお願いいたします。どうもありがとうございました。

    それでは、今の結論としては、さまざまなコメントがありましたけれども、原案が了承されたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

次に、「ビジネスグリッドコンピューティングプロジェクト」について、情報処理振興課安田課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。大変適切なご報告だったと思います。

    どなたかご質問等ありますか。

  • 伊澤委員

    大変立派な成果だと思いますが、8ページの上に書いてありますようにストレージでは270社以上に広く使われている一方で、グリッドミドルウェアは4社しか使われていません。この数字をみますと幾分違和感があるのですが、恐らくミドルウェアが余り使われていない理由があるのではないかという感じを持つのです。ただ単に広告宣伝といいますか、販売促進が悪かっただけなのでしょうか。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    この表の書き方が説明不足で申し訳なかったのですけれども、この4社につきましては、まさに事業成果であるミドルウェアをすべて使っていただいている企業が4社あるということでございます。技術開発のところに6つの要素技術を書いておりますが、この要素技術の6つすべてではなく幾つかを、各社がそれぞれ、JP1、Systemwalker、WebSAM、という製品の中に組み入れており、それらの製品は既に販売されております。したがいまして、ミドルウェアの要素技術をすべて導入している企業は4社なのですけれども、その成果の一部を運用管理ソフトウェアの中に取り入れて導入している企業は実はもう少し数が多くございまして、その結果として事業化貢献額が累計約200~2000億円に及んでいるということでございます。

    ただ、我々はそれでもちろん満足しているわけではございませんで、システムとして成果を取り入れて頂く企業をもう少し増やしたいと考えておりまして、金融であるとか製造業であるとか、そういったユーザーをもう少し獲得していきたいということで、コンソーシアムの活動をこれからも推進してまいりたいと思います。

  • 平澤小委員長

    どうぞ。

  • 菊池委員

    印象的な話なので失礼になってしまうのですけれども、最後のところで、この評価をなされた先生方が3点満点で評点をつけています。私たちも十数年来いろいろな評点のものをみてきて、ぱっと見た時に本事業の評価の点数が低いのです。評価の文章をずっと読んでいって結構優れた成果があがっております。何かそこにギャップを感じてしまうのです。たかが3点ですけれども、2.2点だからとか1.幾らだからとか、どうでもいいではないかというのではなくて、何で低くなってしまうのだろうなというのが見えません。今おっしゃられたような発展性とか、その後ろに書いてある相互運用性、インターオペーラビリティー(相互互換性)みたいなものが欠けているということでしょうか。この評価報告書を何回も何回も見ていると、何でもうちょっと点数が高くならないのかなと思うのですが、何かあったのでしょうか。

  • 平澤小委員長

    私も全く同じ思いをしておりまして、成果・目標の達成度の妥当性が1.8点というのは、ご説明の中では、当然2点以上あってもおかしくないと思います。それから、波及的な部分については、現時点では事業終了の翌年度分だけしか評価できないので、まだ未達の部分があるということも理解できなくはないのですけれども、評価項目の3、4、5というあたりが低い理由はどういうところにあるのですか。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    全体のプロジェクトの中でこのプロジェクトの評価が高いか、低いかというのは、私どもで判断は難しいのですが、外部評価の先生からこういう評価をいただいておりますので、これを受けとめております。ご指摘いただいた目標達成度のところが少し低いのは、あるとすると、一部目標が定量的でなかった、すなわち、顧客企業が満足したかといった定性的な目標を一部設定しているところがあって、そこをもっときちっと定量的にするべきということを割と厳しく見られた先生がいらっしゃったということでございます。そういう観点で見ると確かに1.8点かもしれないですけれども、定性的な目標も含めて考えていただくと目標はしっかり達成しているということです。全体の事業の中での本事業への評価の客観的な比較は、我々はできないのですけれども、我々としては、本小委員会で十分に目標を達成しているという評価、御指摘をいただきまして非常にありがたく思っております。

  • 平澤小委員長

    もう少し言うならば、数人の先生の名前は伏せておいて構わないのですが、個票というのでしょうか、個別の先生がこういう項目につけられた1、2、3のバランスがどうなっているかというのは、どこかに資料はありますか。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    個別のものはお出ししないと伺っておりますが、実は確かに1人の先生から、特にビジネスの観点から低い評価をいただいていることもあって平均点で下がっております。4人の先生からは高い評価だったのですけれども、1人の先生から、さっき申し上げたような定量的な目標が一部ないとか、もうちょっとビジネス戦略を考えるべきといった御意見を頂きました。

  • 菊池委員

    ただ偏差をみると、それほど差は大きくないです。皆さん、割と3点はつけなかったということでしょう。変な言い方をすると、ずっとみていくと、私がもし評価委員だったら結構良い点数をつけてしまうかもしれません。それはなぜかというと、そのような調査をなさって、書き方もそうなっております。そこでこの評価ということは、この分野の専門の方たちから見ると何かあるのではないかと思ってしまうのです。そうではないのですか。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    確かに御指摘のように、3点の評価をして頂いた先生と2点の評価をして頂いた先生が大半です。1点を頂いた先生が1人いらっしゃるという状態です。

  • 菊池委員

    それで引っ張っちゃうのですね。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    御指摘のとおりそれで少し引っ張った面はあります。

  • 平澤小委員長

    ですから、我々としては1点をつけられた先生の評点の背景を本来ならもう少し吟味したいというところだろうと思うのですが、このままではこれ以上の深い議論はできないかと思っています。

  • 鈴木委員

    例えば今後の展開として、政府調達に取り入れるとか、独法などでこういうのを積極的に導入するとか、そういう計画はお持ちではないですか。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    政府や独法のシステムの中でのニーズはこれから吟味しなければいけないと思いますけれども、もう少しユーザーが増えていく中で、それも当然ユーザーの中に入ってくるのだろうと思います。

  • 平澤小委員長

    政府調達というのは、イノベーションを推進する重要な政策ツールだと認識されているわけなので、これもまた今後ご検討いただければと思います。

  • 吉本委員

    2点ほどお尋ねしたいと思います。最初に標準化ワーキングをつくっていらっしゃるということで、IT分野では大変タイムリーな組織だと思うのですけれども、同時に知的財産権といいますか特許も取得していらっしゃると思うのですが、国際標準戦略と知的財産戦略をどのように兼ね合わせて、このプロジェクトの中では考えていらっしゃったのでしょうか。2点目として、かなり会議の場でも共同議長に就任したり、仕様も採択されたりということなのですが、結構ITの分野では、国際標準は取ったものの使われないということも多いです。要するに企画として残ってはいるのですけれども、実働化されていないケースが非常に散見されるのです。ですから、国際標準を取って確立した後、それをいかに使っていただくかというところが一番重要だと思うのですけれども、そういったところに今後どのような布石というか考え方をなさっていて、それは比較的うまく展開されているという評価でいらっしゃるのかどうかを教えていただけたらと思います。

  • 情報処理振興課安田課長補佐

    標準と各社の知財関係は後ほどご説明しますけれども、後半ご指摘いただいた、今後、標準化されたものをきちっと使っていく、ユーザーを増やしていくという点に関しては、まさに御指摘のとおりでございまして、標準の世界の中で我々の事業の成果が入っておりますので、成果を取り入れた製品をどんどん増やしていくことが標準をユーザーの中で拡大することにつながっていくことになります。後は、標準とは別な意味で、有効性であるとかコストの面とか、まさにユーザーが導入するに当たっての障害が幾つかありますので、そこをクリアにしていくことで、自動的に標準だからいいということではなくて、商品がいいからということで導入が促進され、結果として標準が普及するということになると思います。

  • 富士通株式会社阿部ソフトウェア事業本部運用管理ソフトウェア事業部長代理

    前半の質問に関してですけれども、今回のプロジェクトではとにかく標準化を推進するということでやらせていただきました。標準化したものに関しては当然IPフリーということになりますので、今回40数件の特許を出させていただいておりますが、これらは標準化した部分以外に関して各社で積極的に特許化した結果であります。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。

  • 吉本委員

    はい。

  • 平澤小委員長

    他にはよろしいでしょうか。大分時間も押しておりますので。

    それでは、この案件も原案のまま了承ということでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。どうもご苦労さまでした。

次に、「環境負荷低減型燃料転換技術開発事業(DME直接合成製造技術開発)」について、石炭課谷本課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。ご質問等いかがでしょう。どうぞ、冨田先生。

  • 冨田委員

    余り詳しくない分野なのですけれども、作るにしても、何から作るかという原料問題が一番大事ですよね。この場合は、天然ガスから作る、或いはシンガスから作るということになっているのですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    最も経済性、あるいは環境性を考えますと、天然ガスを利用してやろうと考えていますので、まずは天然ガスの製造国、産ガス国でこういったプラントを建設したいと思っております。

  • 冨田委員

    そうすると、今エネルギーを我が国は確保しようとしているので、いつもどこかにやられてしまって輸入できないということがあったりするようにも見えるのですが、そういう点は心配ないと見ていいのですか。天然ガスは黙っていても使えるのでしょうか。輸入するにしても、あるいは現地でDMEに合成するにしても大丈夫だというご検討はされているのですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    現在、まだそこまではいっていませんが、ガスをいわゆる製品として出すというよりも、石油との随伴ガスとか、中小規模のガス田でLNGにするにはちょっとコスト的に見合わないというところを利用いたしましてDME化すれば、いわゆる資源としても有効活用できるのではないかというような考えでやっております。

  • 冨田委員

    石炭は原料としては全く考えないのですか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    究極的には、石炭の可採埋蔵量が150年以上ありますので、最終的には石炭をガス化して利用するという方法、あるいは石炭を採掘する際に出てきます炭坑メタンガスを利用する考え方があります。ただ、石炭のガス化技術自体は、まだ当課でも研究段階になりますので、これがプルーブな(立証された)技術になりましたら、また改めて経済性等を考えてやっていくことになるかと思っています。

  • 冨田委員

    それともう1つ、最後なのですが、石炭とか天然ガスを使うとすれば、炭酸ガスの削減、いわゆる京都議定書の問題とあわせて考えると、これでは減らしたということになるのでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    一番最後のこちらの画面ですが、ご指摘のとおり石油、LPG、LNGに比べまして、LCAでみますとふえております。ただ、燃焼のところだけをみますと、石油よりも低い、LPGとほぼ同等ぐらいということですので、生産、あるいは輸送、精製の部分につきまして、特に生産の部分だと思いますけれども、ここで、例えばCCS(二酸化炭素の回収・貯留)といった対策をとることによって、何らかの形で対応できるのではないかということです。日本で利用する場合、いわゆる燃焼だけをみると、そんなに遜色ないCO2の排出量かなという考えになっています。

  • 平澤小委員長

    他の方、いかがですか。

    中間評価のときのことを思い出すのですけれども、中間評価のときには、経済性に関して、例えばLPG車で走らせた方がはるかに安いではないかとか、そういう種類の議論がありました。それで、今のようにLPGとして捨ててしまうようなものを利用しながらプラントをつくってというようなことも多少考えておられるようなことを伺ったのです。その場合には、今度はスケールメリットの問題もあって、価格がどうなるのかとか、やはり車の燃料として利用するというときに、今、我々が利用しているものに対してこういう加工を加えていく段階で、さらに高いものになるというのは明確なわけです。そういうものがどのようにしてメリットがあると考えることができるのかという議論があって、結局、回答が明確にはならないまま継続されてきたような記憶があるのですけれども、その後、検討されて、今のような疑念といいましょうか、こういう技術を展開すること、車用の燃料として使うということの疑念がどのように転換されたのか、計画としてどのようにつくりかえられたのかというあたりをお伺いしたいのです。

  • 石炭課谷本課長補佐

    1つは、車用ということでございますけれども、軽油代替ということであれば、現在、軽油につきましてもSOx、NOxはかなり厳しい規制になっておりますが、DMEにつきましては、SOx、NOx、さらにPMはほぼ排出されない。環境面につきましては、かなり厳しい環境基準になってもクリアできるということでございますので、今後、石油を改質して生産される軽油では対応できないものにつきましては、DMEという代替エネルギーという形で進められるのではないかと考えております。

    あと、燃料コストというところにつきましては、当時からプラントのコストが1.5倍になるとかそういったところで、なかなか試算しづらいような状況になっておりますので、そこにつきましては、今後、利用という形では、さらに経済性云々というところを遂行していきたいという考えになっております。

  • 平澤小委員長

    では、伊澤先生、どうぞ。

  • 伊澤委員

    今のご指摘に関連して17ページの表で、LNGからつくるDMEの値段が書いてございますが、これの原料が2003年の天然ガスだと書いてあるのですが、直近のLNGのCIF(運賃保険料込み価格)と比較すると、この天然ガスからつくったDMEの価格というのは、6ドルぐらいになるのか、あるいはもっと上がってしまうのか。その辺の実態をちょっと教えていただけますか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    ここに天然ガスと書いてございまして、これはいわゆる石油性とか、ガス性から出てくる随伴ガスとか、そういったものを考えておりまして、LNGみたいに液化したものではなくて、中近東の生産現場で出てきたもの、さらに中小ガス田等で余ったものを利用するという考えになっておりまして、確かに価格調整ということは必要かと思います。現時点で幾らになるか、単純にLNGとリンクして高くなっているかというのはちょっとわかりませんが、当時の状況からみますと、約2倍になっておりますので、この6ドルというのは、多少低目に計算されたものだと考えております。

  • 伊澤委員

    ということは、現在のLNGが12ドル、11ドルぐらいだということですから、LNGに比べれば非常に安価な燃料がDMEを使えば得られるという状況になったと理解してよろしいのでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    恐らくLPGにつきましても、同じように2003年よりも2倍ぐらいに増えていますので、そういった意味では現時点で比較しますと、仮にガス、コークスで捨ててしまうぐらいのかなり安い価格でガスを原料として作ったと考えれば、経済性は高いだろうと考えているものです。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。

  • 伊澤委員

    2倍も違うのだとしますと、それこそ国策としてもっと積極的に使う努力をすべきだと思うのですが、実態として本当にそこまでいっているのかどうか、その辺の問題点が、17の下の脚注がありますよね。この辺を読んでいると、一体、実態はどうなっているのか、或いはこの値段以外に、例えば中小のガス田で作ったときに、設備投資は少ないにしても、長期的に考えたときに成り立つのかとか、何かここには出ていない他の問題があるのかと疑ってしまうのですが、そういう問題は考える必要はないのでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    一番の理由は、日本での利用を考えますと、利用する機会がないというところでございます。

    冒頭説明させていただきましたが、そのままLPGの代替とか、軽油代替には使いませんで、ある程度燃焼機、あるいはそういったエンジン等の改良が必要になってきますので、そこで燃料だけが安くても、利用機器のいわゆるコストダウン、あるいは現在でも技術開発を行っておりますけれども、そういった技術開発によって、よりコストダウンとか利用効率を上げるという形で利用する機会をつくらないと、やはり日本として利用するのはなかなか難しい。ただし、中国では既に自動車に入れたり利用していますので、現在のところ、中国でコークスを生産する際に出てくる安い随伴ガス、これはすべて大気に放出しておりますけれども、それを使ってDMEをつくることが可能なのではないかということで、この技術を適用できるのではないかと検討しているところでございます。

  • 平澤小委員長

    どうぞ。

  • 池村委員

    関連しますが、評価の概要の中で「政策的な誘導が不可欠である」という提言がなされていますが、これは経済産業省に対する提言になるわけです。この提言に対しての担当課としての取り組みや方針、お考え等をお聞かせ下さい。

  • 石炭課谷本課長補佐

    現在、利用機器の研究開発を引き続きやっております。さらに、実際、DME自体が製造されて大量に日本に入ってくるとか、どこかで大量に生産されているというものではございませんので、すぐに日本国内で何らかの対策をとって利用するというわけではございませんが、今後、利用機器の改造設備、いわゆる発電に使う場合の発電機とか、家庭用に使う場合の家庭用の機器といったものを既存のものから改良する際に、改良費につきまして支援、補助するかとか、究極的には燃料費を下げるために燃料費補助を行うというようなことも現在、検討されているというところでございます。

  • 平澤小委員長

    私は、基本的にやはり疑問に思うのですけれども、今のようなことをしてまでDMEを普及させなければいけない積極的な理由がどこにあるのかというのは全く説明されていないのです。タックスペーヤー(納税者)の立場から考えてみると、どうしてそんなにこのDMEにこだわって、政策的な補助までしてそれを普及させようとするのか。今、例えば車の燃料等に利用し難い石炭から車の燃料をつくるときに、石油がどれぐらい、ガソリンがどれぐらい値上がりした時には使えるようになるとか、資源の枯渇のトレンドとDMEの有効利用とはどのようにかみ合うのかとか、そういうものがないと、今の状況の中で、積極的にDME普及を目指した様々な技術開発を続けることの意味が理解できないのですけれども、これはいかがですか。そこを明快にご説明していただけるのならば伺いたいのだけれども、また委員の方、何かコメントがあればお伺いしたい。

  • 石炭課谷本課長補佐

    先生のご指摘のとおりでございまして、現時点でそこを明確に回答するところはございません。この研究が開始されました平成14年ぐらいに、一時ブームといったことがありまして、クリーンなエネルギー、石油が枯渇するので、代替エネルギーとして何かないかということで、いろいろな研究開発が始まったのだと思います。そういったときに、いわゆるブーム的にDMEの利用、或いは低廉な製造技術の開発ということで、いろいろと並行的に行い始めたというのが実態だと思っております。

    今後、天然資源、化石燃料とか、そういったところがどうなっていくかというのは今後どうなるかにもよるかと思いますが、1つの手段として、こういった燃料資源という形でマルチソース(多様な資源)からマルチユース(多様な利用)といった燃料資源ができるという手段を持つということも、エネルギーの安定政策としては必要だということを考えております。

  • 平澤小委員長

    計画をつくった当初からかなり状況が変わってきたり、これは事後評価であって、今後どのようにこの知見を生かして事業展開をするのかということの事前評価ではないわけなので、事後評価として我々は最終的にどのように判断するかということをもう少し考えてみたいのですけれども、いかがでしょうか。

  • 冨田委員

    大変難しい委員長からの質問にお答えになって大変だったと思うのですが、私も多様な燃料のオプション(選択肢)の1つとして持つということは、決して悪いことではないとは思うのです。ただ、ここのところの結論で、木質系バイオマス、あるいはバイオマスからのエタノールは比較にならないというような表現をとられているのですが、このように決めつけて書くとまずいのではないかなと思うので、もうちょっと違う表現もあり得るのかなと思います。

    つまり、売ってくれなかったらおしまいなわけで、我が国はどっちみち化石燃料に依存することにはかなり危険を伴うわけです。そうすると、資源問題をよくみて、DMEも多様な原料で多様な用途が使えるという意味で非常に重要だということについては合意できるのですが、ただ使い方、あるいは使うに当たっての流通システム、その他も考え合わせてみないとうまくないのではないかと思います。だから、結論として持っていくときに、この方法が最もいいのだと書くと、ちょっと強過ぎないかなという気がするのですが、やはりDMEは、多様な選択肢の1つであるということに過ぎないのではないかということです。

    それともう1つは、評価すべきものは、やはりここに書かれているように、この技術が世界に誇るべき成果を上げたというところはおっしゃるとおりだと思うので、まさに同意なのですが、私の申し上げた点は、その反対というわけではないでしょうけれども、もう1つの指標である波及効果、事業化についてというところの点が悪いですよね。これは、やはり皆さん、評価委員の方もそう思われたのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

  • 石炭課谷本課長補佐

    まさしくそうでございまして、事業化というのがまだ足が遠い、すぐに事業化が見えている事業ではなく、既に商業化炉の1歩手前まで来ている技術開発ではあるにもかかわらず、次のステップがまだみえていないというのが、ここの波及効果、事業化についての妥当性の部分の低い評価になっているということでございます。

  • 平澤小委員長

    他の委員の方、いかがでしょう。特にはありませんか。私は、やはり技術開発としては、検討会で評価されたようなことというのは冨田先生と同じ意見なのです。技術は開発されたけれども、現実には経済性の問題でそれが使われないというのは、従来よくあった通産省時代からのまずい点だったわけです。ですから、そのことをやはり十分踏まえるべきだろうと思います。

    それで、先ほど今の時点で考えたとして、例えば今、ガス田の近くで捨てているようなものを使えばとおっしゃるわけだけれども、もう少し資源が枯渇してくれば、そんなものは捨てっこないわけです。もっと高く売れるわけですから、そういうものも収集して、LPGガス、LNGガスとして利用しようということになるに違いないわけです。ですから、そういういわば荒唐無稽なと私は思うのだけれども、家庭で利用できるということはいうべきではないだろうと。

    もう一方で、非常に中長期で考えたときに、やはり石油のピークはもう既に超えたといった認識もあったりするわけで、今後の問題として、1つは石炭をどのように利用しながら移動体の燃料にするかという問題があり、もう1つは日本の問題で考えれば、今、冨田先生がおっしゃられたように、カーボン資源としてはバイオマスしかないといいましょうか、そのような状況なわけです。ですから、今回もちょっと検討はされているわけですけれども、長期的にはやはり石炭やバイオマス原料からDMEとして利用していくというプロセスを、これは非常に長期的な話だと思いますが見据えて、しばらくこの技術をとっておくとか、既に石炭を利用している中国でこの技術をもっと磨いてさらに発展させるとか、何かそういう現実的なシナリオを主張されるべきだろうと思います。

    ですから、検討会の中で、先ほどのご質問に対してお答えになったように、このまま通常の燃焼機器で使えるような補助金を出そうとか、この燃料を消費者が安く購入できるように補助金をつけようとか、これは結局タックスペーヤーからみれば、何ら安くないわけであって、そういう無駄なことをしてまで普及させようというような話には適応しがたいのではないかと私は判断しますが、委員の先生方、いかがでしょう。

  • 冨田委員

    私も同感です。

  • 平澤小委員長

    特に他の先生方の反論やコメントはおありでしょうか。よろしいでしょうか。

    そうしますと、この課題に関しては、原案のままというより、今、私が主に申し上げたような理由から、もう少し委員会としてのコメントをつけて、評価報告書としたいと思いますが、いかがでしょう。はい、どうぞ。

  • 菊池委員

    そのときに、ここの報告書での逃げ道は、いわゆる地球環境で、かつ中国とかそういうアジアの諸国へ逃げていくと、確かに、国が指導して作った技術であるから我が国のということはあるのですけれども、やはりオンザプラネット(惑星共同体)的な発想で発展的な課題を考えるという意味では、技術移転というのは確かにそうなのですが、現実の現場は、泥臭い話なのですが、DMEも1つの選択肢の中で、ただ2050みたいなのが出てきて、CO2削減の云々といったときには、ポイントが低くなってしまうわけです。

    ですから、やはりもうちょっと直近のところでの中国も含めて展開なさろうとしているのであるとすれば、ただ単に上げてしまうのではなくて、もっとビジネスとして展開するという面はとっておいた方がいいのではないのか。極端に言えばそれしかないのかというのが残念なのですけれども、ただ国内で技術を陳腐化させないでとっておくということは、今までのプロジェクトからすると非常に厳しいと思うのです。だとすると、何かプラントが朽ちてよく残っているというあれに終わってしまうし、人はというと、死んでしまった。データは使い切れない。技術的な継承はというと、そういうものもないというのがあるとすれば、世界のどこかで生きていくという形をとらざるを得ないのかなという感じはします。その点を残してほしいと。

  • 平澤小委員長

    その点に関しては、私も全く同感です。他にコメントありますか。そういうことならば、今の評価報告書は原案のままではなく、ここで議論した意見をもう少しコメントとしてつけ加えた上での報告書にしたいと思いますが、その内容に関しては、一応、委員長預かりということでよろしいでしょうか。原案をつくった上で、各委員の了承を得たいと思います。どうもありがとうございました。

  • 石炭課谷本課長補佐

    ありがとうございました。

次に、「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」について、地球環境技術室西尾課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    私の進行の不手際で大分時間をオーバーしておりまして、この時点で、予定された時間は来ているのですけれども、まだ重要な検討課題が残っております。委員の先生方、もうしばらくよろしいでしょうか。ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

    それでは、今のご説明に関して、ご質問等をまずお受けしたいと。いかがでしょう。では、冨田先生。

  • 冨田委員

    これからもう着実にこの技術を進行させるというのは、地球温暖化問題も考えると、日本の地位からいって大変大事なことだと思うのですけれども、おっしゃったのかもしれないので、聞き逃したかもしれないですが、もう一度伺いますが、我が国のこの技術は、カテゴリーBというのも含めまして世界的にみてどんな位置にあるのですか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐西尾課長補佐

    基本的に地中にCO2を送り込むということに関しましては、石油や天然ガスのような実際の採掘の技術を数多く使っております。そういった意味では、石油メジャーのようなところが非常に高い技術を持っているということは確かでございます。ただ、我が国でこれを適用しようとする場合には、もともと石油などがほとんどないところにCO2を送り込むことを考えなければいけないということもあり、技術的には遜色ないと思っておりますし、今後、日本でこれが実施できるということは、世界でも可能性を広げるということにつながると考えております。

  • 冨田委員

    つまり、もっと簡単な質問にすべきだったのかもしれないのですが、このCO2貯留というようにおっしゃいますけれども、貯留というのは貯めておいて何か役に立てようという考えに聞こえるのです。これは、廃棄物を埋めておくという考えの方が正しいようにも思えますので、この技術でお金を稼ごうというか、使ってもらうというのでもいいのかもしれない。そうだとすれば、我が国の技術が、世界で使ってくださらないと、どっちかというとネガティブの方ばかりが出てしまうような気がするのでお伺いしたのです。我が国の技術は外国でも使ってもらえるものなのでしょうか。それでないと、着実に前に進めるというのはなかなか難しいように思うのです。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    適用するためには、我が国の現場に合わせた改良が必要であるということでの技術開発というようになると思いますので、それができた暁には、これは非常に有効だと思っております。ただし、現状でこれを持って行ってすぐにどこかで使ってもらうということを想定しているというわけではございません。

  • 冨田委員

    着実に進めるというところでは、むしろ外国でも使ってもらって、例えば我が国ではこうやっていて、我が国のこの技術を使ったのだから、先ほど来話の出ているカーボン税みたいなものをこっちに少しくださいという形で使えれば、ネガティブな要素が随分なくなるのではないかというように思うのと、着実に進める際に、もう1つ、非常に難しい技術なのだと思うのですが、せっかくため込んだ炭酸ガスは、将来何かに使えるのだというプロジェクトは立たないのですか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    諸外国との協力という意味では、例えば京都議定書の京都メカニズムの中のCDMを使った途上国との協力ということでは、我が国が地中貯留技術を使って協力できるのではないかということで、別のプロジェクトからではありますけれども、方法論を2つほど提出させていただいております。そういったところでの協力ということも含めて、我々がお金だけを出すのではなくて技術的な協力もしていくと、特に、先ほどご紹介しましたシミュレーション技術、モニタリング技術については、これだけ精緻に行っているところというのはほとんどございませんので、私どもの方で開発している技術を色々なところで使っていただけるようになるとも思っております。

    それから、もう1件の方が何でしたっけ。済みません。

  • 冨田委員

    これは非常に難しいと思うのですが、せっかくため込んだものを使えませんかということになります。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    これまでにも、例えば天然ガス貯蔵といったようなことで、貯蔵ということに地質構造を使うということは実施されておりますけれども、取り扱うCO2の量が余りにも膨大なものですから、そこに貯めておいて、何か有効に使うということについては、申しわけありませんが、現在のところは考えてございません。もちろん、そこにCO2からメタンを生成する菌のようなものを入れて、将来的な資源として使えるような可能性を追求するというような基礎研究については、別の予算で研究を進めさせていただいているところでございます。

  • 平澤小委員長

    この事業の目標としていること自体は、基本的には公共技術ですから、地球環境を守るための出費というのはやむを得ないわけです。そういう点で、他の代替的な方法に比べてこの方式の地中貯留というのが経済性で安いとか何とかという種類の議論を、今この中でもありましたけれども、ぜひ詰めていただければと思いますが、他にどうぞ。

  • 池村委員

    貯留候補地の選択は簡単なことではないと思うので、お聞きします。電力会社等の個々の民間企業が貯留場所を選定しそこへ貯めていくことを将来像としてお考えなのか、それとも国が貯留候補地を選択し設備を作って、国が貯めていくとの構想をお持ちなのかとの点です。プロジェクト全体のあり方がかなり違うものになると思うのですが、どちらのお考えなのでしょうか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    大変難しい質問なのですけれども、私どもが、CCS研究会において検討させていただいている中でも、我が国に貯留層としてどういうものがあるのかということについては、ある程度、公的な機関が担保できるようにならないかという議論をしているところです。

    現状のプロジェクトの中でも、既にあるデータを改めて解析を付け加えて、可能性のありそうなところをピックアップしてきており、ゼロ次スクリーニングについては、もう出来てきていると考えております。将来的にCCSを進めるためには、インセンティブがなかなか働きにくい技術であるということは言うまでもございませんので、どういった支援の仕方ができるかということについても、CCS研究会の方で提言をまとめさせていただくべく作業をしているところでございます。

  • 平澤小委員長

    他にいかがでしょう。よろしいでしょうか。

    9ページ目のところの絵で、カテゴリーBというのは海底の地中帯水層というタイプという意味なのでしょうか。必ずしも海の底ではないですか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    場所については、陸域も海域もあります。基本的に左側に示しますような、一旦上がって下がるというところに貯まる構造をもっていないという意味でございますので、それは一般的に色々なところにあるものです。

  • 平澤小委員長

    それは横に流れていくかもしれないということなのですね。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    もちろんそういう可能性もあるかと思います。

  • 平澤小委員長

    その点を含めていろいろご検討されるということでしょうか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    そのため、CO2が一体どこまでいくのかということについて、挙動予測をしっかりとするということが重要な課題になるわけです。

  • 平澤小委員長

    それが新たなカテゴリーBですね。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    そうです。

  • 平澤小委員長

    それで今、11ページのところで、弾性波トモグラフィの観測図というのがありますけれども、これは埋めたところ以外にもちょっと色がついているように思うのですが、これは漏れていったのではないのでしょうか。

  • (財)地球環境産業技術研究機構CO2貯留研究グループ水野主席研究員

    それについては私の方からお答えさせていただきます。

  • 平澤小委員長

    どうぞ。

  • (財)地球環境産業技術研究機構CO2貯留研究グループ水野主席研究員

    左上側に、黄色く、若干速度低下レベルがありまして漏れているように見えますが、実は、これは逆解析をやった計算上の結果でございまして、片方から音を出して、片一方で音を聞いて時間遅れ調べていますが、この色が変わっているところにつきまして、例えば直接速度変化を測った線について、圧入前と圧入後で速度変化があるかどうかを調べますと、それは全然ありませんでした。圧入前と圧入後で同じ速度なのですけれども、解析上の都合でこういう結果が出ています。それについてもいろいろ検討しているのですけれども、個別の測線で検証しているということでございます。

  • 平澤小委員長

    今のことで明快だと思います。他にご質問等よろしいでしょうか。

    これは中間評価ですね。本文の方に評点の分布があって、将来性の部分に関しては、かなり低い点になっていますね。これは検討委員会でどういうご評価だったのでしょうか。

  • (財)地球環境産業技術研究機構CO2貯留研究グループ水野主席研究員

    検討委員会の小島委員長のご判断では、将来性とか事業化をここで評価するのは時期尚早ではないかというご指摘をいただいております。

  • 平澤小委員長

    では、保留してあるだけで、悪い理由ではないということでしょうか。

  • 地球環境技術室西尾課長補佐

    そういった意味で、悪いというご評価はいただいてございません。

  • (財)地球環境産業技術研究機構CO2貯留研究グループ水野主席研究員

    とりあえずそういう意味を込めて審議させていただくというご判断でした。

  • 平澤小委員長

    大変結構だと思います。どうもありがとうございました。

    このプロジェクトに関しては、非常に確実に進めておられるように私は思いますが、この検討会での評価を我々の結論にしたいと思います。いかがでしょう、よろしいでしょうか。では、どうもご苦労さまでした。

次に、「航空機用先進システム基盤技術開発」について、航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    どうもありがとうございました。

    これは、平成23年度まで継続される予定の中間評価ということになります。第1回目の中間評価でしょうか。

    では、伊澤先生から。

  • 伊澤委員

    6ページに通信関係のことが書いてあります。私、専門家なのでコメントせざるを得ないのでありますが、光通信というのは一般的に、ここに書いてありますように温度特性が一番問題なのです。私は飛行機の要求スペックというのを知らないので、ここで正確なコメントはできないのでありますが、温度特性を度外視して、他はよかったというコメントの仕方は全く理解できないというのが私の率直な感想なのであります。

    先ほどのご説明では、高温特性が不十分だということなのですけれども、飛行機だと恐らくマイナス70~80度になると思うので、陸上通信、いわゆる公衆通信に比べますと温度はシビアだというのはわかるのですが、問題になっているのは高温特性だけですか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    その点だけと承知しておりますが、きょうは実施者が来ておりますので、実施者の方から補足をさせます。

  • (財)日本航空機開発協会

    JADC(日本航空機開発協会)の者ですけれども、今回問題になったのが高温側でございます。試験の条件でいきますと、プラスで125度までだったと思いますけれども、高温側で、カプラが特性変化を起こして動作が大きくなったという現状だったと思います。

  • 平澤小委員長

    マイナス側についてもテストはされたわけですか。

  • (財)日本航空機開発協会

    マイナス50度までは振ってなかったかもしれませんけれども、マイナスも振っております。傾向は見ております。

  • 伊澤委員

    陸上ですと、マイナス40度からプラス80度ぐらいなのですが、125度というのは相当厳しいので、先ほどもいいましたように、通信のこういった部品はほとんどが温度特性で、それが問題があるのに、おおむね達成されたという表現が妥当かどうか、ちょっとよくわからないのであります。コメントでございますので。

  • 平澤小委員長

    どうぞ。

  • 冨田委員

    私は、専門家ではなくて、専ら乗る方なのですが、今回もカナダのどこかの航空会社がえらい色々事故を起こしておりますが、ぜひとも次のところでは、国産でいい飛行機をつくるという目標を早く立てていただきたいと思うのです。それは、本文の37ページにも書かれているのですけれども、ここに書いてあるとおり読めばそのとおりなのですが、5つのテーマで、機械、どんな大きさの飛行機をつくるのかというのが一致していないということが書かれているのです。これはもしそうだとしたら、ぜひとも何かはっきりとした大きさなり、どんな飛行機を作るのだという形で次の段階に行っていただきたいというお願いです。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    現在進めておりますこの要素技術開発は、非常に汎用的な要素技術として実施をしておりまして、ある意味、大型機から中型機、小型機、いずれについても使い得る技術としてまず確立して、この後いよいよ実用化、事業化の段階になれば、具体的な飛行機をきちっと念頭に置いて、機体メーカーともしっかり連携をとって、これはもちろん今私どもで進めている国産機のMRJ(環境適応型高性能小型航空機)の計画もございます。それから海外では、先ほど申し上げたような、これは将来機として、エアバスでは350XWBもありますし、もっと先になれば737X、320Xというようにどんどん出てきますので、こういった具体的な機体を念頭に置きながら装備品の開発をしていくということになると思っております。それを踏まえて、今いただきましたコメントを踏まえて進めていきたいと思っております。

  • 平澤小委員長

    では、菊池先生。

  • 菊池委員

    私、知的財産の専門なので、こういう分野だと、知的財産というか、知的資産のいわゆる権利化、ノウハウも含めて、もっと中間報告の段階で出ているのではないでしょうか。つまり、全くそういうのが見えなくて、絵がかいてあるだけで、各企業さんそれぞれがおとりになっているのは、JADCさんはどういう知財のマネジメントをしているのかさえも見えないのです。最終的な事業報告でもないでしょうけれども、中間のレベルで、もし本気でこれをビジネスとして考えていらっしゃるのであれば、知財のマネジメントのところがはっきり出てくるべきだと思うのですが、システム関係のところは何も出ていないわけです。ノウハウの「ノ」の字も書いていないのです。ということは、データさえもどこかへ行ってしまっている。それもノウハウ化もされていないということは、営業秘密管理もされていないということでしょう。ということは、余りそういうことは意識していないのだと、こういうものはすべて共同体で使っていけばいいという発想なのでしょうか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    今、基本的にJADCの方で資料管理をしっかりしていただいていると思っておりますが、あとは今、各社で分担しながら作業しているということで、将来的にはこの成果をしっかり使って実用化していただけると思っております。

  • (財)日本航空機開発協会

    特許関係を全くノーケアでやっているというわけではございませんけれども、アイデアとある程度の実行を見通した上で出しているというのが実態でございまして、ちなみに、18年度に何件か出ておりまして、18年度現在ですとプラス8件という特許が加算されております。それが多いか、少ないかというのはまた別問題ですけれども。

  • 菊池委員

    私が言っているのは、本気で国策として考えていくのであれば、特許だけではなくて、ノウハウ、それから営業秘密管理も含めて、営業秘密の法的用件というのはきちんと決まっているわけですから、それも含めて相手の企業さんがきちんと管理しているかどうか、それから、リークがないかどうかも含めて、そういうことまでも成果としてやるべきであって、単に成果の普及と、つまり、補助金をもらっているから、それは一般的に普及させてご自由に使いなさいという発想でなければ、今の時代ですから、知財の管理ははっきりされるべきだと、私はそう思います。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    今の点、補足いたしますと、本件は委託事業で実施しておりまして、国とJADCの間で直接の契約をしているということで、この契約書の中で、例えば学界等での発表1つをとっても、或いはどこかの雑誌に部分的に載せること1つをとっても、すべて私どもに事前に申請を出していただいて、許可制でやっておりますので、その辺の管理はしっかりやって、ノウハウ流出、技術流出がないように、そこは意を配ってやってございます。ご指摘ありがとうございます。

  • (財)日本航空機開発協会

    今の経産省さんの契約に基づいて、私どもと会社さんとの間でやはり同じように保守契約を結んでおりまして、同じような管理をしております。

  • 平澤小委員長

    他いかがでしょう。どうぞ、鈴木先生。

  • 鈴木委員

    最後の評点の結果のところを見ますと、左の方の1番目、2番目の評価は標準偏差が非常に大きいのです。それで、11ページから12ページのところを見ていましても、1番目と2番目については、官民の役割分担をもっとちゃんとすべきだとか、機体全体システムの目標を明確にしてほしいという評価がされているのですけれども、やはり航空機はかなり特殊だというのはわかるのですが、経産省の設定されているような政策的な位置づけとかに対して、評価委員の方々でもかなり意見が割れているということなのですか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    私が承知している中では、今回の5つのテーマがどういう形で選択されたのかというようなご指摘は当初ございましたけれども、先ほど来ご説明していますように、基本的なコンセプトとしては、オール電化、エンジンの徹底的な燃費向上という視点から出てくるものですが、それにまつわる一連のシリーズ物として、関連あるものとしてこう選定したということで補足をしておりまして、いろいろなコメントはいただいておりますが、最終的にはこういう評点をいただけたのかなと思っております。

  • 鈴木委員

    恐らく、どこまで国が補助金を出して丸抱えでやるべき、丸抱えかどうかわかりませんけれども、やるべきかということに対する疑問ではないかと思うのです。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    その点については、この事業は委託事業ということで、要素技術研究、まだ初歩的なところということで、そういう意味では具体的な機種も決めない形で、大きいものから小さいものまでいずれにも行ける汎用的な要素技術開発ということで行っているわけですが、まだ非常に先導的な段階ということで委託と考えております。

    ただ、いよいよ具体的な機種を決めて実用化ということになっていきますと、助成事業となるようなリスクの大きいものについては、いろいろな助成のスキームがございますけれども、必ずしも国が100%出すわけではなくて、民間負担がどんどん出てくる、これは段階的にいろいろなケースがございますけれども、民間負担がどんどん入ってくる形で事業化へ入っていくものもあると理解しております。

  • 平澤小委員長

    よろしいですか。他に。では、吉本委員。

  • 吉本委員

    2ページ目の全体的な政策的なロードマップというか、あと3ページ目、4ページ目に研究開発マネジメントの体制ですとかとあるのですけれども、先ほどのITではないのですが、航空機分野にこそ、規格とか標準という概念、そこを検討するセクションなりが、全く姿がみえないところが気になりまして、最終的に国際共同開発に参画するというところもございますと、技術を作り込む段階から、日本の市場だけでやっていこうというならともかく、海外にも汎用性のあるものを作っていこうとなると、やはり規格とか品質保証みたいなところもあわせて走っていく必要があるように感じまして、ちょっとそこのところは体制的にどのようになっているのかなということをお尋ねできればと思います。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    その点なのですが、これも2ページに出ております、ある意味すべてのプロジェクトにおいて国際的な規格標準といったものを踏まえながら進めております。

    例えば、今日、口答では触れなかったのですが、12ページのところを見ていただきますと、6.総合評価のところで、2つ目のポツのところですが、「強力な実施者により、妥当な目標設定を掲げて取り組まれており、DER等も含めて実用化に向けて着実な成果を上げている」というコメントをいただいておりますが、このDERレビューというのが、実はアメリカのFAA(連邦航空局)の型式証明の検査に必要な知見を持った方々ということで、こういった方のレビューをきちんと受けながら要素技術開発を行っておりますので、そういう意味では、ここでやったことがまさに国際標準に則った形で各社取り組まれていますので、その点はきちんと配慮されていると考えています。

  • 平澤小委員長

    では、どうぞ。

  • 池村委員

    評価の中で「将来的には選択と集中」や「テーマを絞った加速化」を行うべきとの提言を受けているわけですが、その提言を受けての取り組みは既に行われているのでしょうか。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    それは、実は先ほどご説明したことと繰り返しになってしまうのですが、当初、評価委員の方からこのテーマがどんなコンセプトなのかということを大分ご下問いただいたようなこともあった訳ですが、私どもは、オール電化という切り口でテーマを絞って選択しているということなので、ご利用いただいております。ただ、この点はコメントをいただきましたので、ここには書かせていただいていますけれども、私どもとしては十分に絞った上でのテーマと考えてございます。

    一方で、この5つで本当に十分なのかというご指摘もございまして、7.の方には随分そういうコメントもいただいておりまして、例えば将来のことを申し上げますと、このオール電化という流れでいきますと、今度は強化していかなければいけないのが、新しい電源システム、あるいはより省電力で発電するシステムといったものを今後は開発していく必要があるのかなということで考えております。また、そういう意味でコンセプトをきちっと押さえた上で適切なものを選択して、そこに集中を図っていくということで、これはまさしく評価委員の方にコメントいただいたことを尊重しながら、私どももまた次を考えていきたいと思っております。

  • 池村委員

    少しわかりづらいのですが、評価は既に決定され進行しているプロジェクトに対してなされており、その評価において「テーマを絞った加速化」が言われているわけです。今言われたのは、「もう既にこういうテーマに絞ってあるから絞ってある」とのご説明で、評価で指摘されている「テーマを絞った加速化」と違うように思えるのですが。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    恐らくもう1つあると思いますのが、今後これを事業化、実用化していくときに、必ずしも全部同じ歩調ではないと思うのです。ですから、国際的な開発状況、それからこういった装備品の世界は、日本は他の機体、エンジンに比べても、世界的にはまだ圧倒的に遅れをとっているということでありますので、どこに一番チャンスがあるのか、また、国際的な装備品メーカーの動きからするとどこに一番集中投下するべきなのかということをよく見極めながら、そういう意味では、将来的に事業化していこうというときに、これらのテーマが全くイコールフッティング(同等の条件)的に進むかどうかはわからなくて、しっかりと周辺環境をみて、絞って事業化、実用化を進めていくということも当然あると考えておりますので、そのように受けとめて、こうした評価を考慮しながらまた進めていきたい。そのように思っております。

  • 池村委員

    ありがとうございます。

  • 平澤小委員長

    他にはよろしいでしょうか。

    そうしますと、この報告書全体に関して、先ほど伊澤委員が指摘された点をどのように扱うかという問題が残っているかと思いますけれども、報告書自体には、達成された成果の中で温度特性の改善の必要性を確認したとなっています。問題は、達成状況のところでにもかかわらず目標をおおむね達成したとなっている。これが妥当かどうかということになるのかなと思いますが、いかがでしょうか。一方で、達成成果としては特性の改善の必要性が確認されていて、達成状況としてはおおむね達成したというのが、ちょっと違和感があります。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    これ、私からお答えすべきでしょうか。

  • 平澤小委員長

    はい。この報告書の原案を作られたという意味です。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    ご指摘はいただいたとおりなのですが、温度特性のこの点だけが今回の設計に必要なデータ取得という意味で、それが大部分だというのは少し

  • 平澤小委員長

    そうではなくて、この本文中、23ページ、これは今問題になっている2番目の機内伝送システムのところに関しての目標値ですね。

  • 航空機武器宇宙産業課和爾課長補佐

    そういう意味で、他のものと比較いたしますと、単純にほとんど何も改善の必要性がないものは目標を達成したと私どもは記述しておりまして、一方で、別にこの機内信号の話だけではなくて、先進空調、電源系統制御システムもそうですけれども、こういう改善の必要性があったものについては目標を概ね達成したという書き方をさせていただいて、但しということで書かせていただいたので、そういう意味では、並びとしては同じように書かせていただいたということで、決して100%達成はしていないということで概ねとさせていただいているので、これについては18年度、19年度に、しっかり進めるようにしております。もしよろしければ、18年度を補足していただけますか。今の改善の状況。

  • (財)日本航空機開発協会

    機内伝送の温度特性の問題、17年度に発生したわけですけれども、17年度の位置づけは、波長多重の基本回路をつくって、それの特性データを取得するというのを主な目的としてございます。18年度に、そのデータを基にちゃんとしたもの、装置をつくるという流れになっていまして、そういった意味では、17年度はどちらかというとデータをとるというのが中心的な位置づけになっています。

    なおかつ、17年度には、問題の温度の原因といいますか、その辺についてもある程度の達成の見通しをもっている。18年度については、実際的に、もう今実施が完了しましたけれども、それは課題が完全に解明されまして、解決して、性能はちゃんと達成できたという成果を得ております。

  • 平澤小委員長

    位置づけについては理解できるのですけれども、伊澤委員が指摘されたのは、マイナス60、70というような温度に関してテストされたのかというと、先ほどはしていないということでした。今のお答えは、それは全部やったというようなことでしょうか。

  • (財)日本航空機開発協会

    18年度では所要の温度範囲でのデータはちゃんととっております。

  • 平澤小委員長

    要するに、高空で飛行機が飛んでいるときの温度領域まではちゃんと確認したという意味ですか。

  • (財)日本航空機開発協会

    確認されております。

  • 平澤小委員長

    そこのところはやってあって、それで問題はないということですか。

  • (財)日本航空機開発協会

    はい。

  • 平澤小委員長

    というようなことならば、この報告のままでもいいかと思いますけれども、いかがでしょう。よろしいでしょうか。

    それでは、この件に関しては、原案どおり、中間報告はこれで我々の結論にもしたいと思います。どうもありがとうございました。

※後日、航空機武器宇宙産業課及び財団法人日本航空機開発協会より、機内信号伝送システム(光通信)の温度特性に係る試験の条件については、米国にあるRTCA(航空通信技術委員会:Radio Technical Commission for Aeronautics)が発行する民間航空機の搭載機器用スペックに関する「RTCA/DO-160、Cat.A1」の規格に基づく温度領域(-55℃~85℃)であったとの追加説明及び訂正があった。
 

2.包括審議

(1)前半6件

「低品位廃熱を利用する二酸化炭素分離回収技術開発」、「計量標準基盤技術研究(電源利用技術開発等委託費)」、「計量標準基盤技術研究(石油生産合理化技術開発等委託費)」、「太陽光発電技術研究開発(電源利用技術開発等委託費)」、「小型民間輸送機等開発調査」及び「超高速輸送機実用化開発調査」について事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から説明後、質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 平澤小委員長

    今ご紹介いただいた全体に関連して、何かご質問等ありますか。どうぞ。

  • 冨田委員

    やはり点の悪いのが気になります。その意味では、低品位廃熱の1.6であり1.8でありという点が悪いのが2つありますよね。斜めに読むのではわからないのかもしれないのですが、これは次にはちゃんと改善されるという見込みは立っているのでしょうね。

  • (財)地球環境産業技術研究機構化学研究グループ小野田主席研究員

    それでは、実行しております私から。小野田といいます。評価点が低い2点について。

    1点の方は、先ほど地中処理の方にも話がありましたように、このプロジェクトは地中処理と一体となってやるものだということで、今、地中処理を評価する段階ではないというような話がございましたので、委員長の先生が今回は余り評価できないということだったと理解しています。

    それから、もう1点の方、成果に対してどうかと。中間段階では、中間目標値まで未達の状況です。そういうことからそういう点数になったと思いますけれども、今までの開発の過程でそれを達成する手段も見出しているということで、評価はそうなっていますが、結果的にはそれでオーケーだという話になったと思います。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。

    それでは、今ご説明いただいた範囲の中に関して、さらに具体的なデータ等、報告書の中身等をごらんになって、問題があればまたご連絡いただくということにして、その部分に関しては了承ということにしたいと思います。

(1)後半8件

「製鉄プロセスガス利用水素製造技術開発」、「経年内管対策更新技術開発」、「超臨界二酸化炭素テキスタイル加工技術開発」、「密閉処理浴中の薬剤反応・吸着の定量化装置の開発」、「エネルギー使用合理化技術開発補助金光干渉繊維の用途開発」、「超高密度LSI製造用次世代リソグラフィー材料技術開発」、「石炭生産・利用技術振興補助金(石炭生産技術)高効率選炭システム」及び「石炭生産・利用技術振興補助金(石炭灰有効利用技術)溶融繊維化技術開発」について事務局(技術評価調査課中村産業技術総括調査官)から説明後、柴尾技術評価調査課長から「超高密度LSI製造用次世代リソグラフィー材料技術開発」についてコメントが述べられ、その後質疑応答があり、了承された。質疑応答の概要は以下のとおりである。

  • 柴尾技術評価調査課長

    若干異例でございますが、私から少しコメントを述べたいと思います。この案件については点数も非常にいいわけですが、評価書をみると若干わかりづらい点が4点ほどあることから、それを個別に指摘した上で原課から補足説明をさせたいと考えております。

    お手元に2―3―12というフルテキストの評価報告書があると思いますので、それを見ていただければと考えております。ページを4枚程めくっていただくと、そこに事後評価報告書概要というもので、iの下段でございますが、目標・指標、それから成果というところがございまして、成果の欄の1行目、「本事業は、予定の期間を9ヵ月延長したものの、上記の5項目の目標を達成し」ということで、以下、文章を省略いたしまして、最後で「目標以上の成果であったといえる」ということで、非常に成果を評価されているのですが、これは評価書本文の表記となかなか合致しない面があるということで、ちょっとご指摘させていただきたいと思います。

    それでは、恐縮ですが、評価書本体の11ページをめくっていただきたいと思います。そこに(4)研究開発項目の目標と成果ということで、1)CZ法による超大型フッ化カルシウム単結晶の育成技術の確立というところがありまして、具体的な数値目標としては300mmから350mmの単結晶育成条件の最適化、それから、(2)アニール条件の確立ということが書いてございます。

    それで目標の妥当性・設定理由というのがあって、11ページの下に目標に対する成果・達成度が12ページにかけて書いてあるわけなのですが、これは恐らく書き方の問題だけだという気もしないではないのですが、ざっと読むと不明確な点があり、目標の数値を達成したというのがわかりづらい。特に12ページの最後、「これらの検討を進め、結晶重量50kgまでの高重量単結晶の引き上げが可能になった」ということで文章が結んであるわけなのですが、私みたいな素人が読むと、結晶重量の50と目標数値の300から350mmの単結晶育成条件の最適化という関係がちょっと不明瞭でわかりづらいという点が指摘の1点目でございます。

    それから、2点目で、恐縮ですが、22ページをめくっていただきたいと思います。そこに4)光学評価測定技術の確立ということで、目標といたしまして、そこに表になっておりますが、 (1)光散乱点から(5)レーザー耐性というところまでおのおのの性能が書いてあり、目標値もそれぞれに設定されております。その中で指摘したいのが(1)光散乱点の目標値がゼロになっているということ、それから (5)レーザー耐性が照射後の透過率に変化なきことという項目についてであります。

    次の23ページに最初の光散乱点の達成度が書いてあるわけなのですが、実はこれもなかなかストレートには書いていないわけなのですが、23ページの中段のところの最後の文章で、この評価技術を用いることで、育成したインゴットから、よりSC、光散乱点の少ない部分をレンズブランクとして提供することが可能となると書いてありますので、この文章、日本語的に読むと、SCの少ないと書いてあるので、恐らくSCはゼロにはなっていないのだなということが推測されるわけで、これは目標値に達成していない、未達であるということがいえるのではないかと考えております。そこら辺も事実関係、後で説明があると思います。

    それから、同様に27ページに(5)レーザー耐性があります。色々長い文章が書いてあるので、またページをめくっていただき、29ページにそれの成果が書いてございまして、これもレーザー耐性は変化がないということが目標値になっているわけなのですが、そこの文章、2行目の終わりから読み上げますが、「日を追ってフッ化カルシウム単結晶のレーザー耐性も向上してきており、ユーザーの要求するレベルに入ってきた」と。若干文章を飛ばしまして、最後の文章で「さらなるレーザー耐性の向上を目指して、金属元素の影響についても検討を進めるとともに、装置の光学系の改善・改良を継続検討している」ということで、これも未達であるということがある意味明らかではないかと考えております。

    それから、最後に31ページでございまして、製品化のための切断、研削、研磨加工技術の確立ということで、それぞれ目標数値が書いてあって、これは非常に素晴らしいことであるわけなのですが、そこで、黒ポツの2つ目で、切断加工技術の確立、歩留まり95%以上という数値が書いてあると思います。その下に目標の妥当性・設定理由というのが書いてあるわけで、数値を達成したものは、具体的な数値を書いて達成したと書いてあるのですが、実はこの歩留まり95%以上は達成、未達成、一切記述がないということで、読んだ方が達成状況自体、なかなか理解できないということで、若干解りづらい点となっています。そして、少なくとも2点については目標値に対して未達であるということで、そういう未達部分を踏まえて、このプロジェクトはどうなのだろうかということについて、化学課から補足説明をしていただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

  • 平澤小委員長

    ちょっとお待ちください。これ以外の案件について、まずは結論を出しておきたいと思うのですけれども、今ご説明いただいた案件以外、後半でご説明いただいたものについては、このまま、一応この段階では了承ということでよろしいでしょうか。では、そのようにいたします。

    最後に残った、今、課長からご説明いただいた点に関して、化学課からよろしくお願いします。

  • 化学課新階課長補佐

    化学課で技術担当をしております新階と申します。よろしくお願いいたします。

    このような各分野の指導的なお立場にあるご専門の先生方の前で、私ども、化学産業、とりわけ我が国産業の国際競争力の強化の鍵を握るとマスコミ等でも言われております高度部材産業における研究開発の方針と、私どもの評価のあり方に関してコメントする機会をいただきまして、感謝申し上げます。

    この数年、経済産業省が発表いたしました新産業創造戦略、或いは新経済成長戦略におきまして、高度部材産業集積基盤とか、世界のイノベーションセンターというコンセプトを挙げて目指しておりますものは、我が国の国際競争力の源泉でございます摺り合わせの連鎖を構築する仕組み、解りやすく申し上げれば、オセロの隅っこをとっていくという形で、非常に高い付加価値を生む特殊な技術を特許等で固めて、コアコンピタンス(他社が真似できない強み)、競争力の核としていく。さらに、それらのコアコンピタンスを複数、幾つもの企業間で融合させることで、私ども、技術のブラックボックス化と呼んでおりますが、海外に真似ができない技術体系としまして、つくり上げた部品につきましては、例えば労働コストの安い国々で最終製品に組み立てて世界に輸出する。私ども、このような国際分業体制を整備することまで想定して取り組んでおります。

    これらの取り組みの結果、例えばディスプレーとか半導体等の出口の業界がそのようなコアコンピタンスの部材(部品、材料)を有する企業群の近くに新しい工場を立地させて、研究開発型のいわゆるマザーファクトリー(中心的役割を果たす工場)と呼んでおります新工場を建設することで、我が国産業の空洞化を防ぎ、今後20年、30年にわたって国内に安定的な雇用を確保するということを実現するというのが、私どもが取り組んでおります究極の目的でございます。

    事前にこのような総論を申し上げますのは、今回の研究開発の内容と、私どもが常日頃から取り組んでおります研究開発の方針が非常にわかりやすくリンクしておりますので、最初に、私どものそのような取り組みの基本姿勢をご報告させていただきます。

    こうした取り組みの結果、ディスプレー等の分野、あるいは半導体の分野、例えば半導体ですと、東芝が四日市にフラッシュメモリーの新工場を建設いたしましたし、シャープが亀山に第8世代の液晶ディスプレー工場を建設いたしましただけではなくて、次の第10世代のシャープの新工場も国内に建設するという発表をいたしました。このあたりの本音、心は、こうした高度部材、部品材料産業が集積基盤をつくっている、例えば四日市界隈、三重県界隈、日東電工、或いはJSR、そのような研究開発部隊の存在が背景にあるということは間違いございません。そういう観点で、私どもとしましては、このような研究開発型のマザーファクトリーを支援するための部材関連の技術開発を積極的に進めておりまして、本テーマにつきましても、個別企業ベースでその一翼を担う技術開発であると認識しております。

    このような最先端の研究開発におきまして、配慮すべきポイントが幾つかございまして、第1番目は、ユーザーのデバイスメーカーが対外的にはほとんど開示いたしませんノウハウでございます製品、あるいは材料自体の評価技術を材料メーカーが手に入れる、獲得することでございます。これによってのみ、材料メーカーからユーザー企業に対して、ソリューション提案、技術的な課題解決の具体的な手法を示すことが可能となりまして、残念ながら、材料メーカーが出口の大手ユーザー業界の下請的な存在であったというのがこれまでの実態でございましたが、イコールパートナーシップ(対等な協力関係)に基づきまして、付加価値の創造、共有ができることになると私どもは考えております。この本研究テーマの事後評価におきましては、評価検討会の先生方が材料メーカーによる評価技術の確立につきまして大変高く評価していただきました。その結果、補助事業実施企業が認識できていなかった競争力の源泉となる評価技術が非常に重要なものだと、社内的にも見直すきっかけとなったということで、私どもとしても大変感謝しております次第です。

    第2番目が、材料開発の時間感覚に対しまして、とりわけ電子機器関係等のユーザー業界の動きは極めて早いために、フレキシブル(柔軟)な開発体制で機敏に対応することともに、当初プロジェクトに着手した際の目標に拘泥しないで、いろいろなユーザー業界、状況が変わりますもので、その複数の出口に向けて横展開できるような、ありきたりな言い方をすれば基盤的技術を確立していくということが非常に重要だと認識しております。

    若干一般的な話でございますが、一般的にナショプロ(国家事業)におきましては、当初策定した目標が予算要求からプロジェクト終了まで何年もかかるために、現実の市場ニーズと相当乖離してしまうという事例があるとのご指摘を受けたり、国民への説明責任という配慮とか会計検査院との関係で、大胆な方針転換という強力なマネジメントを行うことが躊躇される傾向があるというご指摘もかつてはございました。このテーマにおきましては、評価報告書において、マネジメントの専門家の委員から、34ページの下から2番目のポツにありますが、「この分野は世界的な研究スピードが早すぎて、短波長化技術の進展速度が当該材料開発の速度を結果的に大きく上回った」という非常に厳しいご指摘がございます。これ、具体的に申し上げますと、リソグラフィーのレーザー光源につきまして、このプロジェクトがスタートした研究開発の開始時点では、KrFからArFレーザーに、その次にはF2のレーザーになるだろうと予測されていましたが、わずか数年のうちにF2がスキップされまして、ArFの液侵、そして液侵の二重露光へと、数年の間に出口の技術の様相が変わっていっている。そのような実態がございまして、当初想定した出口市場自体が変化してしまった状況にあります。

    一方で、私ども、この分野でライバル的な立場にございますリソグラフィーメーカーの方を評価委員として迎え入れておりまして、その評価委員の方から、36ページの肯定的意見のポツ4になると思いますが、ライバルの立場にある委員の方から、本チームでフッ化カルシウム単結晶技術を大口径BaLiF3、フッ化バリウムリチウム単結晶育成まで転用できたことは最大の成果であり、かつ将来的に波及効果が大きいことを示唆していると、非常に高い評価をいただいております。

    私ども、こうした対極的な観点を常に考慮して、私どもとしましては、事後評価を行う際に、国民に対する説明責任は当然前提としつつ、当初立てた細かい数値目標に金科玉条に縛られることなく、大きく社会状況、あるいは技術の進展が非常に早く動いておりますことから、その動きに的確に、かつ敏感に、機敏に対応するためには、まず基盤技術をがっちり固めることだという観点に重きを置いてアドバイスしております。また、評価においてもそういう観点で先生方からご指摘いただきました。

    さらに申し上げますと、我が国が世界に誇ることができる最高の資源は、私ども、いつも申し上げておりますが、まさに人材でございまして、技術は人なりと有識者の方々が常日頃いわれておりますとおり、技術者が誇りをもってすぐれた研究開発を進めることができますような仕掛けを整備して、あるいは運用することも重要な配慮事項と認識しておりまして、したがいまして、当方は、事後評価を行う際にも、単に技術的な細かい詰めをすることを目指すのではなくて、技術の改善すべき方向性とか、マーケットへの戦略性のアドバイス、このような観点での建設的なご指摘を各委員から賜ることで、わかりやすく申し上げますと、元気の出る評価というコンセプトを委員の先生方にもお願いいたしまして、こういう基本原則で評価を受けることによりまして、研究者が一層の成果を目指して頑張れるような運営に配慮いたしてきております。本日、評価小委員会の先生方におかれましても、本日の委員会を契機といたしまして、ぜひとも我が国の国際競争力の強化を強力に後押ししていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

    前段がそのように長くなりましたが、私ども、そういう観点で本件をこれまでずっとまとめてきました。先ほど事務方からご質問のありました件につきまして、1点目の300mmφの単結晶の育成が完成したのかどうかという趣旨のご指摘だったかと思いますが、まず11ページの1)、これがチョクラルスキー法による300から350mmφの育成条件の最適化ということで、この最適化研究で、一番下の行になりますが、まず平成15年度に200mmφの技術が確立いたしました。そして、このデータに基づきまして、その後の12ページの中ほどに書いておりますが、シミュレーション等を行いまして、育成条件の最適化という横展開のできる基盤技術を確立いたしました。次のステップで、14ページの目標に対する成果・達成度でございますが、量産技術の確立の研究で、300mmφの引き上げ技術を確立いたしまして、それで止まらずに、実は市場はまだ300mmでございまして、次のフェーズは、ヨーロッパ辺りの大学でごく一部研究が着手されております450mmφというのがございますが、次にどのレベルになるかというのはまだ確定的ではございませんが、その次をにらんで、21ページの3)でございますが、超大型ということで、400mmφの育成炉の設計、製作ということで、次への手を打つことにつきましても、具体的な目標に挑戦しているという形でございます。

    そういう意味で、細かい表現でご不満な点があったようでございますが、ノウハウ等を配慮した非公開の資料がございまして、その中には、成果といたしまして、実際の300mmφの単結晶の写真もございまして、そういう意味で、ご指摘のありました300mmφの単結晶の育成技術は完成していると申し上げて問題ないかと思います。

    また、後半ご指摘がありました評価技術の目標達成に関してのご質問につきましても、市場の実情を端的に申し上げますと、顧客からの要求値は顧客、各社ともに全く値が異なっております。したがいまして、目指すべきなのは、単純な数値目標というよりも、顧客に対して品質保証体制がちゃんとできるかどうかというのを主眼としたものとなっております。したがって、本テーマにおきましては、各顧客、ユーザーの要求値を測定できる5項目を具体的に挙げておりますが、光学評価測定技術を確立して、今回開発いたしました単結晶について、要求値以上のデータを精度よく測定する技術を確立したということで、材料メーカー側の供給責任でございます材料の品質保証が可能になったことが最大の成果の1つであるということで、検討会の場におきましても、具体的に43ページの1ポツあたりでは非常に高く評価していただいております。

    なお、国民に対する説明責任ということで、私ども、技術評価調査課と相談しながら、わかりやすく評価結果を表現するために、報告書の45ページでございますが、評価結果を数値で表現しております。ありがたいことに、総合評価として2.50点という堅実な成果が得られているというご評価をいただきまして、個別の研究開発の目標の妥当性、あるいは達成度については2.75点ということで、非常に高いご評価をいただいております。本当に研究者が感動するような、敬意を表するという熱いご意見を、しかもライバルのユーザーメーカーの技術者の評価委員の方からいただいたりということで、私ども、事後評価の委員会の事務局を行うに当たって、大変感動する場面もございました。そういう意味で、この数値につきましては、私どもとしては、当該分野の専門家の委員によってご採点いただいたものでございますので、事務方としてこの判断の詳細な根拠を変更することは困難でございますので、委員の皆様方からご意見とか、逆にこのように進めるべきではないかというご指摘を賜れれば幸甚と考えております。よろしくお願いいたします。

    以上でございます。

  • 平澤小委員長

    今のご説明も踏まえて、何かコメントはありますか。どうぞ。

  • 池村委員

    この直前にありました航空機武器宇宙産業課のプロジェクトの場合は、我が国の十の有力メーカーへ、総額で三億数千万円の国費を投じるプロジェクトを評価しました。私自身は率直な感想として、比較的に少額な研究開発費を大企業にばら撒くようなやり方が、世界的にも競争の激しい重要な産業分野に対する国の支援として大丈夫なのかとの疑問を感じました。この製造産業局化学課のプロジェクトの場合には、概略同じ額を、1社を選んで投下しておられるわけです。こちらの方がプロジェクトの設定自体の責任が重く、決断が必要だったと思えるのですが、評価の中に「プロジェクトの設定そのものや、設定に至る経緯」に関する評価や議論がありましたでしょうか。

  • 化学課新階課長補佐

    技術的な問題、課題、検討が最大のポイントでございまして、概要の4ページ中ほどに書いております。世界的にはBZ法、ブリッジマン―ストックバーガー法がほとんどでございまして、チョクラルスキー法は、実はフッ化カルシウムではこの社唯一の技術になっております。それだけこの分野で技術的な壁が非常に厚いということで、他の分野での技術をどうやってここに適用するかということで、東北大学の先生のご指導を受けながら、そのシーズを伸ばしてきていた。私ども、日常的にそのような先生方等の最前線のご意見を賜りながら、最善のコアコンピタンスを作っていくということを意図しておりますことから、そういう観点で、チョクラルスキー法でフッ化カルシウムの大型単結晶は極めて最先端の挑戦的な課題で、他に世界でないというのが当初の立ち上がりの段階でも明らかでございました。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。

  • 池村委員

    はい。

  • 平澤小委員長

    今のご説明を伺いながら、最近NEDOのプロジェクトで、これは追跡評価なのですけれども、やはり同種の議論が分かれたものがありまして、私はそれを思い出しました。これはやはり材料に関係したものでして、非常に長期間にわたるファインセラミックスに関係した開発をNEDOでやってきて、これは幾つものプログラムといいましょうか、事業を重ねたものなのですが、7つぐらいだったかな。それで、それを統括してきた研究組合に相当する方と、NEDOの担当している部署の方との間での意見の違いと全く同じ構造ではないかと思いました。

    もう少し具体的に申しますと、NEDOの場合、素材の開発だと、目標として掲げたものが必ずしも有効なものではなくて、それに伴って、いわばアンインテンディドな(意図的ではない)知見が後々非常に有効に機能する。それで、実施者の側からいうと、定められたというか、目標に掲げたものをやりながら得られた知見を基盤的な知識としながら、それを他にいろいろ適用して、はるかに大きな効果を上げるという種類のことができた、それを主張するわけです。例えば、あるAという材料を開発するために、それの設計にかかわる技術であるとか、それの評価にかかわる技術であるとか、テストをどのようにするか、新たな製造法を開発する。こういう種類の成果が、後に技術的な課題としてより重要になる別の材料に適用されて、それが前段の知見として非常に有効に働いたのだという種類の話なのです。だから、特に長期的なプロジェクトなどの場合、あるいは材料開発のようにうまく装置をつくってやるといった種類のフィジカル(物理的)なものに比べれば制御しにくいような部分がある。こういう課題に関しては、えてして今のように意図したものだけではなくて、それ以外に適用される知的な成果が非常に重要になっている。こういう構造ではないかと思うのです。

    私は、NEDOの場合には、そのようなアンインテンディドな部分とか、設定したもの以外に適用して得た成果というものも全部含めて追跡評価の成果としてカウントしてくださいということを申し上げたのです。NEDOの担当者からみると、材料開発をしてある種の部品をつくるということを目標に掲げていたから、その部品の売上高が幾らになったかということを調べてくださいという話だったのだけれども、これはごくわずかしかないわけです。ところが、別の部品を作るために非常に役に立ったとか、作った部品が他では代替できないような半導体製造装置のある基幹部品だったと。それで、より精度の高い半導体を作るときには、それは欠かすことができないのだけれども、そういう部品を開発したというときに、半導体製造の成果をカウントしていいかどうかという問題があるわけです。これも、もし他で代替できないとすれば、半導体製造というところまで波及的な成果としてカウントしていいのではないかというように、あやふやな波及効果は駄目だけれども、その寄与している度合いみたいなものも考慮した上で、その成果としてカウントできる部分というのは、追跡評価の場合でしたら、それはできるだけ拾い上げた方がいいだろうと判断したのです。

    ですから、それを担当したシンクタンクには多少アディショナル(追加的)な仕事として、そのファクツ(事実)を使うのであれば、寄与率を考えた上で、それをなるべくNEDOが望むような金額的なものに置きかえていって、それでそういう基盤的なものの経済効果のようなものまで算定してみてくださいということをお願いしたのです。それで、恐らくこれは直接的な目標として掲げたある材料、例えばシリコンカーバイトならシリコンカーバイトのある部品と、エンジンブレードとかいろいろあります。そういうものの個別的な売上高よりもはるかに大きな効果を得ているというのはよくわかる話なのです。それを把握できる範囲でいいから、もう少ししっかりした信頼性のおける分析をしてくださいということにしたわけです。今回の件も、ある意味ではそれと同じ構造になっているのではないかと思いました。

    しかしながら、もう一方で、当初の目標の置き方自身が慎重であるべきだったのではないか。今意図しておられることを含むような目標の書き方にすべきではなかったかと。数値目標を掲げろということを余りにも言い過ぎているから、先ほどの後段の方でも、欠陥がゼロとか云々というようなことになるわけだけれども、これが例えばユーザーの最も厳しい条件をクリアするとか、それは企業秘密だからいえないというので一応いいと思うのです。あるいは、秘密会で評価するときには、ユーザーからクリアしているかどうかということはいってもらうということはあったって構わないのです。もしそういう実態に合ったような目標の立て方でプロジェクトが作られていれば、今のような齟齬はなくて済んだのではないかと思います。

    経産省のケースでいうと、大型プロジェクトでやはり同じようなことがあったわけですけれども、ロボットの開発で極限ロボットというのがありました。極限ロボットに関しては、3種類の放射線の高いところ、それから水中、温度の高いところに関して作動できるロボットを開発するというのを目標に掲げられているのだけれども、1つしか達成できなかったわけです。

    ドキュメントでいうと、これは達成されていないからといって、非常に低い点数になるということを評価結果の報告会のときに報告されたのですけれども、それに対して実施者の側、これは東大工学部の機械の三浦宏文先生が中心だったわけですが、やはり非常に不満を述べられた。その目標の書き方は、当時の大蔵省向けに書いただけだと。

    それで、実際やろうとしたことは、日本のロボット産業の基盤をつくろうと。知能ロボットへロボット産業を転換するということをやろうというので、二百数十人の各社から集めた人たちと一緒にロボット開発をやったと。それは、その後のロボット産業の日本の競争力を非常に高める起爆剤になったのだと。このことについては疑う余地がないというわけです。それをカウントしないのはおかしいのではないかという話をされている。

    ですから、私が先ほどプロジェクトの作り方といいましょうか、そこのところにやはり配慮すべしというのは、今のような点もあるからなのです。ですから、この報告書をどのように扱うかということに関していえば、意図されているプロジェクトのいわば心の部分がもう少しわかるように成果の中で書かれるといいのではないかなと思うのです。

    だから、当初掲げたもの自身が妥当な目標であったかどうかということに関しての1つの説明です。それが今、口頭で述べられたこと、ユーザーのニーズとは多少違うものであったということですね。しかしながら、本質的に重要な部分というのは、こういうことで開発されたものをユーザーがちゃんと使用されるといいましょうか、それによって新たなリソグラフィーの技術をつくっていくということに役に立っている。役に立ち方というのは、必ずしも掲げた目標そのものを達成したから役に立ったということではなく、いわばアンインテンディドな部分、当初予定しなかった部分を含めて、結果的には検討会で認識されているように、当初考えたよりもはるかにいい成果。これはフッ化カルシウムだけではない、他の材料について、それを適用できることになって、そのために非常に有効だったという種類の話です。これがもう少しわかるような表現になればいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。委員の先生方、どうぞ。

  • 吉本委員

    先ほどのプレゼンの思い入れが報告書にないので、すごく惜しいと思いました。個人的には、きょうの説明の中で非常におもしろいといったら失礼なのですけれども、やはりナショプロというのは、お時間の関係もあるので、どうしても内容のアウトプット(成果)の説明になってしまうと思うのですが、私、個人的には今みたいなどういう思い入れでこのプロジェクトを走らせていったのかというところの思い入れがすごい重要だと思うのです。

    先ほど冒頭におっしゃったことというのはすごく重要なことだと思っていまして、例えば材料の評価試験は、確かに技術屋の中では何かマイナーで地味な分野かもしれないのですけれども、材料の評価試験方法確立というのが基本的には製品分野のまさに競争力の根幹を握るのだよと。それで社内の技術者の方がエンカレッジされて(勇気づけられて)、そこがまさに競争力になっていく。それは日本の部材産業のあり方だと思いますし、そういったところがこういうプロジェクトを通して、また企業の方にも周りの方にもわかっていくということ自体すごく重要だと思いますし、確かにNEDOでも経済産業省さんでも、最初計画を作ってしまいますと、そこから計画変更をする手続を考えるだけでぞっとしてしまうので、このまま行こうかみたいに流れていくところがあるのですけれども、そういったところがあるにもかかわらず、そういう問題意識を発注者側も認識していらっしゃるということ自体、私は素晴らしいなと思いました。

    そのような思い入れとか、人材の話でもそうなのですけれども、成果だけではなくて、今、委員長先生がおっしゃったような周り的なところでも、拾い上げられるところがあれば、そこはぜひ盛り込んでいただきたいのですが、報告書にそのスパイスがなかったのが逆に残念で、逆にプレゼンを聞いてよかったと思っています。

  • 平澤小委員長

    他の委員の方、いかがでしょう。

  • 平澤小委員長

    どうぞ。

  • 冨田委員

    大変迫力のある発表で大変面白かったというか、私は部外者なので実際の技術的なところはよく解らないのです。ただ、波及効果が実際にできたものはフッ化カルシウムしかないと思うのですけれども、マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウムまで及ぶというところの記載はどこにあるのですか。

  • 化学課新階課長補佐

    12ページあたりでベースのシミュレーション等知見がかなり蓄積されましたもので、現実に既にフッ化バリウムリチウムについては挑戦を始めております。その途中状況を先日、ある学会で発表いたしましたが、かなり反響が大きかった。そんな状況です。

  • 冨田委員

    ここには今のフッ化バリウムもフッ化リチウムも何も言葉が出てこないでしょう。12ページには。

  • 化学課新階課長補佐

    済みません。この事業のこのテーマということで、この部分には基盤研究としてのシミュレーションのプロセスを書いております。フッ化バリウムリチウムについては

  • 平澤小委員長

    どこかに書いてありましたね。

  • 冨田委員

    ずっと後ろに書いてあるのですか。

  • 化学課新階課長補佐

    はい。項目1の仕分けがかなり厳格にされておりまして、余り他のことを書かないで、その項目に的確に従うようにということでございまして、書き方について、私ども、事後評価報告書をきちっとまとめるのが担当ベースでは初めてだったもので、その辺りの文章の不足の部分はお詫び申し上げます。現実にはその社は次のフェーズも含めて研究活動を始めておりますので、その成果は間違いなく横展開して、日本の競争力が更に強化できると考えております。

    あと、フッ化カルシウムの方も、実はリソグラフィーの対物の辺りでは確かにライバルメーカーの委員の方のところにとられてしまったのですが、光源に近い方は現時点でこの社のフッ化カルシウムが使われております。量は非常に小さいわけですので、市場規模は小さいですけれども、現実には材料としては採用されております。そういう意味では開発自体は成功していると考えております。

  • 平澤小委員長

    具体的に、例えば12ページのところで、どうしてφで表現しないで重量、キログラムで書いているのですか。これは、ファクツとして300ミリでしたか、それが達成してあるのだったら、そのようにお書きになればいいだけの話だと思うのですけれども。

  • 化学課新階課長補佐

    14ページの方で300mmの確立を行ったということで。14ページの中ほどに平成16年度に

  • 平澤小委員長

    11ページにCZ法による超大型フッ化カルシウム単結晶の育成技術の確立とあって、目標が300から350mmφとありますよね。ですから、12ページの最後のところに、したがって300から350というのが達成されたと。もし達成されているならばお書きになればいいと思うのだけれども。

  • 化学課新階課長補佐

    研究の流れとして1)、2)とステップがございまして、1)は200mmφをベースにシミュレーション等のための条件最適化、要するに基盤技術を作ったというストーリーでございます。300mmφは14ページ以降のということで、14ページの中ほどに平成16年度に300mmφの大口径フッ化カルシウム単結晶の量産技術の確立を行ったということで

  • 平澤小委員長

    14ページのところは、目標がCZ法で300mmφとなっていますね。だから、成果達成度のところは達成したとここで書かれるなら書かれればいいわけです。おっしゃることはそういうことですね。

  • 化学課新階課長補佐

    中ほどというか3分の1ぐらいの達成度のところに、平成16年度に300mmφの大口径フッ化カルシウム単結晶の量産技術の確立を行ったということで、これで

  • 平澤小委員長

    だから、14ページのところでもし書くなら、量産技術の確立を行ったというのは何となく日本語で変ですよね。確立を行うように何か図ったというようにも受けとれて、端的に量産技術が確立されたとか、達成度に見合った書き方ならば、確立を行ったというのは、確立するという行為を行ったというようにもとれるわけで。

  • 化学課新階課長補佐

    確立されたがよかったのですか。

  • 平澤小委員長

    されたとか、そうでないと達成度に見合う表現にはなっていないだろうと思うのです。そういうところでちょっと誤解があったのかもしれないと思いますけれども。

    もう少し戻ると、11ページのところでも、(1)は育成条件の最適化の

  • 化学課新階課長補佐

    最適化の条件出しとか、シミュレーションとかが中心でございます。

  • 平澤小委員長

    育成条件の最適化を図ると。それならばそういう内容があればいいと。それから、アニール条件の確立。育成して、アニールするという両方ということですね。

  • 化学課新階課長補佐

    はい。そして、14ページの2)は、実は16ページの下に書いておりますが、技術的な壁にぶつかったのが、対流が発生してなかなかうまくいかなかったのですが、これを浅くすることで、下から5行目、6行目あたりに、例えば融液深さを半分にすると、自然対流の強度が8分の1程度になる。実は、このことを見出した特許を押さえたのですが、これは非常に大きなコアコンピタンスになるだろうと私ども認識しております。

    通常、例えばシリコンなど単結晶引き上げのときにはなかなか表に出てこないのですけれども、結構深いものでやっているようなのですが、今回、チャレンジする中でCF―10についてなかなか柔らかいタイプの材料ですので、なぜかうまくいかないということで、何回も何回もやっていく中で、シミュレーションデータをもとにして、実はこの深さがそれまでこんな深い融液でやっていたのが、浅くすることで非常にスムーズにどんどん太いものができたというのが大きなブレイクスルーだということで、この辺りが先ほど14ページの中ほどにございます量産技術の確立を行ったという表現のソースといいますか、原因でございます。

    つまり、14ページの中ほどに大口径フッ化カルシウム単結晶の引き上げに成功したと書かずに、量産技術の確立になったのは、単に300mmφができただけではなくて、それを理論的にも量産するために絶対必要な条件として、深みといいますか、対流を抑制するための条件が見つかった、発見されたということでございまして、そういう思いも込めて文章を書いたもので、検討会の場ではそのあたりも含めて先生方からは非常によくやったという形で、技術者は非常に喜んでおりました。

  • 平澤小委員長

    これは、恐らくフッ化カルシウムだけではなく、他のものに対しても同じように。だから、もう1つは温度の均一度が非常に大きな条件としてありますよね。だから、均一度をうんと均一にしてもなお対流が発生するわけで、それによる効果というのを最小限にしようという新たな知見ですよね。そういう知見が、先ほどのように他の材料にも適用できると。こういうのが多分検討会の中では評価されたのだと。その種の話なのだろうと思います。

    細かく読んでいけば、今のように先ほどのいわば心の部分というのは知られているのだろうと思いますが、これはどのように扱いましょうか。何か先生方。1つの方法としては、もう少し公開していい心の部分を付加的に、要するにインテンディド(意図的)な部分とアンインテンディドな部分に分けて、今、インテンディドな部分の中に隠れるといいましょうか、包含するように書かれているのだけれども、実は意図しない、こういうことがわかり、この効果が非常に大きいのだということをもう少し分かるように仕分けをすれば、非常にわかりやすい報告書、評価書になるだろうと思うのです。

    実は、材料関係というのはほとんどそういう話だと思うのです。ですので、その種のいわばテキスト版、このようにつくれば材料関係のアンインテンディドな部分が非常に多い種類のものについては、うまく内容が表現できるという枠組みの1つの典型的な評価書を作っていただけると、後々いいのではないかと思いますけれども、如何ですか。

  • 化学課新階課長補佐

    実は、若干思いも含めて、私ども、何十社かの成功している部材メーカーにヒアリングして、このようなコア技術に着手してから収益源になるまで、ほとんど20年、短くて17、18年とかそんな状況でございまして、私どもとしてはそれを10年に何とか縮めたいという思いでやっているわけでございます。それは、実は評価技術も含めて材料関係に全部共通の課題でございます。この事業だけでそれを書くとちょっとということで、私どもとしては、超高密度リソグラフィー用、LSI用の次世代リソグラフィーに特化して書いてしまいましたもので

  • 平澤小委員長

    それはこの課題に関してで、この課題で意図していた部分と図らずも非常に有益な知見が得られた部分とあるわけですから、アンインテンディドな部分というのをもう少し明示的にお書きになればいいのだろうと。そこに心が隠されているわけですよね。

  • 冨田委員

    もう長くなっているので申し訳ないですけれども、確かに報告書の書き方というのはパターンがあって、決まっているのだろうと思うのですが、今日私が理解したのでは、フッ化カルシウムというのは、やったとき、始めたときにはよかったのだけれども、その使い道は早く進歩してしまって、それだけができたといっても余り価値がなかったということ。ただ、技術はできたので、それの波及効果が大きいのだと理解したのですが、それでよろしいのですか。

  • 化学課新階課長補佐

    若干補足させていただきますと、フッ化カルシウムは、現実にリソグラフィーの光源近くにはたくさん使われ始めておりますので

  • 冨田委員

    使っているのだけれども、そこでは大口径はなくてもよかったのだと。ただし、大口径を作ろうというプロジェクトをつくったので、その技術の開発ができたと。そのようにそのまま書いてしまうとまずいので、一応リチウムにもバリウムにもいけるよという思わぬ展開ができたと私は理解したので、そのとおり素直に書いたらいけないのですかという意味です。

  • 化学課新階課長補佐

    思わぬ展開ではございませんで、私ども当初からそれなりに

  • 平澤小委員長

    だから、それだったらばどうしてそういう他のものにも適用するというように目標に書かなかったのですか。そうでないでしょう。

  • 冨田委員

    だから、折角うまくいったのに、結果としてフッ化カルシウムの大型の方は余り使わなくてもいい、ずっと先に進歩してしまったからという印象を受けるので、その言い訳に聞こえてしまうのです。すばらしい技術だということは認めておりますし、大変いいのだけれども、書き方を工夫された方がいいのではないだろうか。つまり、目標に書いていないから書いてはいけないとか、目標以外のことが出たから駄目だということではないのではないだろうかと。ただ、それが国のシステムとして書いてはいけないのだと決まっているなら、それはやらない方がいいけれども。

  • 平澤小委員長

    それは大いに書くことなのです。ファクツに見合わないことを書くのだったらばもちろんだめだけれども、事実関係としてこのプロジェクトの波及的な、あるいは意図しないでやられたものとして有益なものが得られているのだったら、それはすべて報告すればいいではないですか。

  • 化学課新階課長補佐

    わかりました。それで、総論的な内容になりますことから、評価報告書概要あたりにそういう思いとか

  • 平澤小委員長

    そうではないですよ。具体的な中で、ここで確立したもので、他の物質に関しても同じ原料を適用すればうまくいくようになったとか、そういうことを分けて書けばいいだけの話なのです。各項目で今のような意図していなかったけれども、基盤技術としてこれは非常に役に立ったと。目標としているものもさることながら、そういう大きな波及的な知見が得られたということを分けてお書きになればいいのだと思うのです。

  • 化学課新階課長補佐

    構成としては、私どもは当初の目標に沿って中身を書いた上で、評価の先生方からまさにそういうご指摘を受けて、非常に前向きな展開を、三十数ページあたりはそのような内容がずっと続いているわけでございまして、当初想定していなかった、はみ出て、データとかとった中に入れることがよろしいでしょうか。

  • 平澤小委員長

    もちろんそうなんですよ。それだけの有益な豊富な知見が得られたということ自体が、後で、検討会で非常に高い評価を得たゆえんですから、それを本文の中に十分お書きになるのがいいと思います。そこを遠慮してしまったら、結局材料関係のプロジェクトというのはみんなつまらないものしか出てこないのです。

    材料ではなかったけれども、先ほどの知能ロボットにしても隠された思いみたいなのがあって、これは人材養成も含めて非常に有益だったわけです。ですから、そういう点はもっと堂々とお書きになればいいと思います。

    だから、目標としたものについての達成度というのは当然必要なのだけれども、それ以外の問題に関して有効な知見が得られたと考えられるならば、それはそれとしてお書きになればいい。そこをごっちゃにしてしまうと、単に膨らませているだけだと受け取られるので、項目を分けてお書きになるか、あるいはそれに及ばなければ、パラグラフを分けてさらには云々かんぬんといった書き方でもいいと思うのです。

    ですから、これは事業評価なわけだけれども、事後評価の段階でも今のようにある程度波及的な部分とか、あるいはアンインテンディドな、しかし有効な部分というのは解るわけですから、報告書としては是非そういうのを入れていただければと思います。

    というわけで、趣旨としてはよろしいわけですが、報告書の作りとして、本来有効な部分をそれなりにうまく表現していただくということで、報告書としてはもう一度我々見させていただくということにさせていただきます。よろしいでしょうか。

    では、今日はどうもご苦労さまでした。作り方に関して、なお問題というか解りにくいところがあれば、私、直接相談に乗りますから、ぜひいい雛形を作ってください。
     

3.報告事項

評点結果のポートフォリオ及び平成19年度技術評価実施計画について

資料3「評点結果のポートフォリオ」及び資料4「平成19年度技術評価実施計画」に基づいて、事務局(柴尾技術評価調査課長)から説明があった。概要は以下のとおりである。

  • 柴尾技術評価調査課長

    それでは、お手元の資料4、平成19年度の技術評価実施計画ということで、来年度、19年度の評価対象のご報告でございます。ページをめくって、1ページ目の一番最初に評価対象の概要ということで総括表を載せております。プロジェクト評価が中間13件、事後32件の45件、あと制度、追跡がそれぞれそこに書いてあるとおりということで、合計53件ということになります。ちなみに平成18年度、つまり今年度が31件ぐらいでございますので、大体6割増えるということで、また色々とお手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

    あと、お手元の資料3も審議の過程で既にご参照になっているのかもしれませんが、本日評価をしていただいたトータル19件、個別審議案件5件と包括審議案件14件の評点の一覧表及びそれをグラフ化したものでございます。なお、グラフの横線はすべて総合評価との関係になっておりますので、45度の斜線よりも上にあるところは総合評価よりも相対的に点数が高い。ちなみに目的などはそうなっておりますが、残りの4項目というのは相対的に右下にあるということで、総合評価よりも点数は若干厳し目というのが今回の結果となっております。

    以上でございます。

  • 平澤小委員長

    よろしいでしょうか。

    では、非常に長時間でしたが、これ以上何かあればですが、ここでよろしいでしょうか。

    では、きょうは2時間ほど延長ということになって、ほぼ倍やったということになるわけで、最後までどうもありがとうございました。

――了――

 
 

最終更新日:2008年5月16日
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