経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(第25回)‐議事録

日時:平成21年1月28日(水)14時~16時20分頃
場所:経済産業省別館10階1020号会議室

出席者

委員:
平澤委員長、伊澤委員、大島委員、菊池委員、鈴木委員、辻委員、中小路委員、山地委員、吉本委員
経産省出席者:
西本審議官(産業技術・環境担当)、小林産業技術政策課長、福田研究開発企画官
事務局:
長濱技術評価室長、大久保産業技術総括調査官、御代川補佐 他

議題

  1. プロジェクト評価の結果について(審議)
    1. メタンハイドレート研究開発促進事業(フェーズ1終了時)(中間評価)
    2. 高感度環境センサ部材開発(中間評価)
    3. 石炭利用CO2回収型水素製造技術開発(事後評価)
    4. 二酸化炭素炭層固定化技術開発(事後評価)
  2. 国の研究開発評価に関する大綱的指針の改定について(報告)
  3. 経済産業省技術評価指針の改定案について、「技術に関する施策の評価」について(審議)
  4. その他

議事概要

  • 大島委員から新任のあいさつがあった。
  • 事務局(技術評価室大木)から、配付資料の確認及び説明を行った。

1.プロジェクト評価結果について(審議)

1.メタンハイドレート研究開発促進事業(フェーズ1終了時)(中間評価)

メタンハイドレート研究開発促進事業(フェーズ1終了時)中間評価の結果について、資源エネルギー庁資源・燃料部石油天然ガス課保坂課長から、補足資料-1に基づき説明を行い、その後、質疑応答があった。質疑応答については、以下のとおり。

  • 菊池委員
    中間評価の報告書の中に、「最もクリーンな」とありますが、「最もクリーン」の根拠は何でしょうか。もう1点、諸外国との提携はよくわりますが、現段階での技術のポジショニングはどのようになっているのでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    1点目は、燃焼時のCO 2排出量の観点から、石油、石炭に比べて天然ガスが一番少ないという意味で、「最もクリーンな」と書いたものです。
    2点目は、今後の展開にもよりますが、早く技術を確立して生産できるようにしたいと思いますと、ある程度、技術を公開してフィードバックした方がよいという考えもあり、先生方とも御相談しながら進めています。現在、アメリカを中心にメタンハイドレートのコンソーシアムができそうな感触です。その時に、昨年のカナダでの結果をどのように扱うかは、皆様方の御意見やお考えを伺い、総意を得ながらやっていくべきと思っています。実際に、少し技術を公開して、早く確立するほうに寄与した方がいいという考えもありますが、全体の中で自分たちのポジションをどこに置くかというレバレッジとしての考え方のもとで検討を進める必要があると思っています。
  • 伊澤委員
    補足資料-1の9頁の生産シミュレータのデータにおいて、右下にあるグラフは、エネルギー産出比がばらついていますが、このパラメーターは何をもって書かれているのでしょうか。
  • 産業技術総合研究所(成田)
    産業技術総合研究所メタンハイドレート研究ラボの成田でございます。エネルギー産出比がばらついているという御指摘ですが、これは減圧法の場合であれば坑井圧力をいろいろ変え、例えば3メガパスカル、4メガパスカル、5メガパスカルと、このような感度分析値も入っております。また、坑井加熱併用法ですと加熱する温度のパラメーターも変えたりして、エネルギー産出比を出しております。そのような意味から、ばらついているということでございます。
  • 伊澤委員
    パラメーターはよくわかりましたが、このグラフを見ていると、どのくらいのコストがかかるかについて大ざっぱに計算できると思うのですが、そのような検討は進んでいると理解してよろしいでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    現在、日本のLNG輸入価格が立方メートル当たり40円から70円ぐらいの幅ですが、現在の建設コスト、ただ、現在は少し下がり気味なので、数カ月前の建設コストの場合には92円ぐらいの数字になります。ただ、仮定条件がすべて成立する、シミュレーションが全部正しくて、1坑井当たりの減圧の効果がかなり続くということであれば、46円ぐらいまでは減る可能性かあるかもしれません。逆に予測のシミュレーションよりも減圧の効果が及ばない場合は、174円ぐらいになる可能性もあるということです。これはもう少し連続産出実験をしてみないと、この46円から174円というのは幅が非常に大きいわけでありまして、どこに辺に落ち着くかは、もう少しやってみないとわからないところがあります。
  • 伊澤委員
    ありがとうございました。
  • 平澤委員長
    今の点に関連して、私も御説明を伺いながら確認したいと思ったのですが、減圧法の場合、メタンが気化熱を奪いながら蒸発していくわけで、結局、律速になるのは、地中にあるメタンへの伝熱速度が連続運転の場合ではないかと思います。今回実施したのは6日間という非常に短時間ですが、シミュレーションの結果から、現在考えておられる減圧法で可能なのでしょうか。
  • 産業技術総合研究所(成田)
    実際に伝熱と自ら堆積層が持っている顕熱、その2つの熱が利用されるわけですが、今回6日間の試験を行ったところ、90%以上が堆積層自体の顕熱で消費されております。伝熱を評価するためには、なお一層、長期の試験が必要という段階でございます。
  • 平澤委員長
    要するに取り出すため、温度がどれぐらい下がったかということが測定できたわけですね。
  • 産業技術総合研究所(成田)
    そのとおりです。
  • 平澤委員長
    わかりました。
  • 山地委員
    文部科学省の所管のJAMSTECの「ちきゅう」は、有効に活用できると思いますが、このプロジェクトではどうだったのでしょうか。あるいは今後、他省との連携等についてはどう考えていますか。他省ではなくとも、資源開発の船もありますが、これまで何か役に立つところがあったのでしょうか、又は今後どのようにしていく考えなのでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    今回の賦存量調査は、基本的には3次元地震探査が中心になりまして、サンプリングのメタンハイドレートそのものは、「ちきゅう」が就航する前に行ったものです。
    今後は文部科学省とタイアップしていく必要があると考えており、相談もしておりますが、問題は、「ちきゅう」はかなり深い地層でないと有効性が発揮できないことです。メタンハイドレートが賦存する層は、海底から100メートルないし300メートルのところであり、「ちきゅう」は数千メーターのところで活躍できる船なので、少しオーバースペックなところがあります。
    また、私どもでは、三次元物理探査船「資源」という船を導入しましたので、連携を図りながらやっていく必要があると考えています。メタンハイドレート開発実施検討会の先生方からも連携を深めることについて指導を受けているところです。
  • 中小路委員
    経済性や環境影響はフェーズ3で行われるということで、それまではひたすら技術で、シミュレーション開発していくと思うのですが、その途中に出てくるいろいろな成果物、例えばシミュレーションのプログラム等は大きな価値があるのではないかと思います。それを研究者や技術者に任せて公開するしないを議論するよりは、もう少し経済性の側面からの効果も配慮してプロジェクトを展開していけば、例えば、フェーズ1でつくったいろいろなシミュレータをシェアウエア的にしてお金を稼ぐことも可能で、それをフェーズ2、フェーズ3に回していくこともできるのではないかと思います。
    このプロジェクトですと、メタンガスがでたら、それをどう商業的に使うか、経済的に使うかにしか意識が向いていないと思うのですが、これだけ長いプロジェクトだと、むしろ自前でどんどん儲けていくことも考えてよいのではないかと思います。
  • 平澤委員長
    今の点につけ加えれば、開発中の技術において、最初に決めた目標だけでよいのかという議論が常に出てきます。そこで途中段階で、そのような種類のシミュレーションは簡単にできると思いますので、地中からの伝熱がどのくらいかなどは、モデルをつくって試験をし、何気圧の減圧だったらどれぐらいの効率が出るのか等を確認しながら技術上の目標を変えていく、又は絞っていくといったアプローチは、おそらく部分的にはやっておられるだろうと思いますが、フィードバックといいますか循環的に開発していくアプローチが必要だと思いますがいかがでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    私自身は、メタンハイドレートの生産性を中心に考えていましたので、いろいろな先生方の御意見も賜りながら検討したいと思います。アメリカがアラスカで考えているところは、メジャーが持っている鉱区なので、メジャーが本気で行ったら技術的にはすぐできてしまう可能性があります。日本としては、むしろシミュレーションのところなどに価値があるというのが私の認識です。それはシミュレーションの生かし方、先ほどの先生の御指摘のレバレッジの使い方だと思いますが、それはいろいろな方面で考えてみたいと思っていますので、今の御指摘は検討したいと思います。
  • 平澤委員長
    今のレバレッジのことと関連して常々考えていることですが、例えば、現在、韓国では、技術課題をかなり絞って、そこへ集中投資するという体制ができている。その技術課題をみると、自国のために行うものと、輸出又は海外で使うものを明らかに分けています。また、海外からいろいろ呼び込むための開発等、グローバルなスタンスで技術課題を設定しています。本件では、例えば世界のメタンハイドレート賦存量は、大まかに既に確認されていると思いますが、どのような国が強い関心を持つ対象国になり得るのでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    原油価格が、147ドルと最高値になったこともあって、各国で、メタンハイドレートの賦存量を一斉に調べ始めたところがあります。陸地にあるのは、アメリカ、カナダが中心で、あとは海が多いです。
    輸出なのか国内なのかは、先ほど申し上げたようなシミュレーションの部分は先行していますが、技術的にはメジャーの技術のほうが大水深のところも含めて優位なので、恐らくほかの国のところまでビジネスを我々が伸ばしていけるかというと難しいのではないかと思っています。このため、国内にある資源を、いかに商業ベースでやるかということの意味が強い技術開発だと思っています。他方、ある程度賦存量があると思われて動き出しているのは、例えば、インド、韓国は言うに及ばず、中国が動き出しています。そのような国々とどのように関係を結んでいくのか、実際にかなりの研究開発に資金が必要になりますので、ある程度、みんなで出し合いながら、同じ技術を確立することが重要であると考えています。
  • 平澤委員長
    ありがとうございました。
    もう1点、今のような大きな戦略にかかわることとして、何回かこの委員会でも議論したことがあると思いますが、こういう研究開発プロジェクトを推進しながら、何らかの成果に到達するという種類の大型技術開発課題の場合、従来から、最初に考えた目標にひたすら向かって行くというケースが多く、私は、評価する時、異なるポイントを常に意識しておくべきであると思っています。
    第1は、サイエンス上で分からない部分がどれほどあるのかという点。サイエンスの部分で不透明であるにもかかわらず技術開発に取り掛かるのは、非常にリスキーなため、技術課題を集めていくような段階で、まずサイエンスの分かっている部分を確認する。
    次は、経済性についてです。技術ができたときには経済性が問題になりますので、技術開発かなり大きい資金をつぎ込んで行う段階になると、その次のフェーズの経済性のシミュレーションを常に行うことが必要です。
    更に、同時並行的にやらなければいけないのが社会的受容。社会が受け入れてくれかということです。原子力等は、そのような点が非常に重要になり、技術開発の進め方の段階から、社会が受け入れてくれるようなやり方をしないと、経済性にも見合うことは確認されても、結局社会が拒否することにもなりかねません。
    このようなフェーズを常に頭に置きながら、一つ一つのフェーズを最後まで行って次に移るというやり方ではなく、並列的に次々と、その先のフェーズについてシミュレーションをしながら研究開発を進めていく。これは国の基本的な技術開発のアプローチだと思っています。
    これは、私の独自の考え方ではなく、この委員会で今まで議論する中で、常にそのような観点からの指摘が出てきていて、既に御退任になった委員ですが、科学的にクリアな部分があるのに、大きな資金をつけることに対して、徹底的に本質的な議論を展開されていたということがあります。このようなことから、経済産業省として確認しながらプロジェクトを進めていただきたいというのが要望としてあります。
  • 大島委員
    事業の目的や内容は、非常にクリアに説明していただいたのですが、予算総額が非常に大きい中で、予算配分がわからないため、経済性等を議論するのが難しいと思います。あまり細かいものは必要ないと思いますが、重点領域、分野等への予算配分について概要をつけていただいたほうがわかりやすいのではないかと思います。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    予算の内訳については、平成20年度までの予算総額297億円のうち、資源量評価で190億円、生産手法の開発・シミュレータの開発で66億円、環境影響評価で41億円です(評価報告書(案)32頁「5-3資金配分」)。
    経済性については、もし減圧するだけのエネルギーを投入して、出てくるエネルギーがそれを割り込んだということになった時には、直ちに中止しようと思っています。私が委員会ではっきり言明してきたことです。たとえそれまで100億円使っていても、それが分かった時点で、中止しようということでやっておりますし、経済性を追求しながら進めていきたいと思っています。
    社会的な問題については、2点ほど問題があり、メタンが何らかのアクシデントで噴出したときには温暖化効果となり、大変なことになりますので、この問題をしっかり対処すること。また、最近指摘を受けていることで、新潟の地震は、天然ガスをとったことが原因であると主張されている先生がいらっしゃいますが、我々としては、層がかなり異なるので、そのようなことはないと考えていますし、諸外国の論文でもそのようなことを書いているものはありませんので、大丈夫だと思いつつも、我が国は地震国家でもありますから、そういう面での理解もしっかり得ながら、万全を期して進めていきたいと思っています。また、問題点があれば、1回立ちどまって考えることも必要ではないかと考えております。
  • 鈴木委員
    全体の推定されている賦存量が13年分で、しかも減圧法だと5割程度しか回収できないということであれば、たかだか5~6年分ではないかと考えると、本当にこれ以上やる意義があるのかという議論はないのでしょうか。
  • 石油天然ガス課(保坂課長)
    この資源をどう位置付けるかということになりますが、おそらく最後の資源だと思っています。最後の資源というのは、いわゆるイージーオイルと言われた陸上の石油がまず中心にきて、この後は、大水深に移って、それから重い重質油に移ってきているわけです。今度はオイルサンドやオリノコの石油がきて、その後に石炭のガス化がくるのではないかと考えています。一方、原油価格がどのくらい高騰しているかということだと思いますが、そのようなときに、その次にくるのがおそらくメタンハイドレートだと思います。民間にはとてもそのような先のところの資源には手が出せませんので、国で準備しています。すぐにでも商業化できるかはなかなか難しいと思いますが、資源全体の位置づけでは最後の資源であり、そのときには、原油価格はかなりの値段になっている可能性があるのではということでエネルギー政策上位置付けて進めています。
  • 平澤委員長
    よろしいでしょうか。
    大分時間が過ぎておりますので、このあたりで本件は終了したいと思います。ただ今、先生方から出ましたご指摘については、評価報告書(案)にコメントとして追記していただくということで、プロジェクトを進めるべきかどうかということに関しては、特に異議はなかったと理解しております。コメントの文面は、私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。それでは、そのようにしたいと思います。

2.高感度環境センサ部材の開発(中間評価)

高感度環境センサ部材の開発中間評価、石炭利用CO2回収型水素製造技術開発事後評価、二酸化炭素炭層固定化技術開発事後評価の結果について、事務局(技術評価室大久保産業技術総括調査官)から、事業概要、評価概要のポイントについて説明し、その後、質疑応答を行った。その概要は次のとおり。

  • 菊池委員
    成果の中身がずれているのではないか、割と安易なアプローチをしているのではないかという評価検討会の委員の厳しい御意見がある一方、総論的には、ある程度修正をかけながらやっていったらどうかということになっていますが、そのような厳しい御意見は、大きな変更を伴うほどの問題ではないと評価されているのでしょうか。
  • ファインセラミックス室(大木補佐)
    基本的には、そのように修正を加える方向でうまくやっていけるということで考えています。
  • 平澤委員長
    これは、国があえてやるべきことなのかどうかという点の指摘もあるかと思いつつ、使うセンサの目的が、社会的な問題を引き起こすようなことを対象にしていること、予算額もそれほど大きいものではなく、ある程度の成果も出ているというところでしょうか。
  • 中小路委員
    事業期間として5年間とされていますが、これは5年間必要であると納得できる情報があまりないので、5年間が必要である理由や今後に対する提言に記載されているように、実用化が見えないところでまだとまっている理由について、もう少し説明いただければと思います。
  • ファインセラミックス室(大木補佐)
    スケジュールとしては、大体最初の2年位で、今回の場合は微量にも関わらず、検出できる部分のセンサを開発し、電子情報としてセンシングできるデバイス開発に重点を置いています。ただ、このような製品は信頼性がないとなかなか実用化を進めることができませんので、後半は、実用化に向けた信頼性の確認、実証フェーズ、生産に向けての様々な検討を行っていくというかたちで進めることとしております。一般的に、他のプロジェクトもこのようなスケジュールで進めております。
  • 平澤委員長
    セラミックス材料で、センシングに使えるほど電気信号に変える能力のあるセラミックスを見つけ出すというところは、しかも安定的に定量的にというのは、細々とただし一気にはできない仕事だと思っています。
    ほかはよろしいでしょうか。
    それでは、これは中間評価ということで、中間評価としてはこのままお進めくださいということでよろしくお願いいたします。

3.石炭利用CO2回収型水素製造技術開発(事後評価)、4.二酸化炭素炭層固定化技術開発(事後評価)

  • 伊澤委員
    3番目の石炭利用CO 2回収型の方ですが、資料5の事業概要の最後の文章に、高いエネルギー効率の新プロセスの構築や商用機を想定したCO 2回収率の記載があります。私の感覚では、商用機というとコストがどのくらいかかるかということがまず第1であり、もちろんCO 2回収率も大事だと思いますが、この商用機という意味がこの文脈でわかりにくいので、修正した方がよいのではないかと思います。
  • 石炭課(権藤補佐)
    おっしゃるとおりでございまして、この技術については、石炭を基本的にガス化する過程の中で水素を製造し、あわせて二酸化炭素も有効に回収できるというプロセスで、まさに基礎的なレベルのものでございます。ベンチスケールの実証プラントについても1日当たりの石炭供給量50kgであり、商業機になると桁が違いまして、1日当たり千何百トンとか、2000トンというオーダーにならないと商業機レベルに達しません。
  • 山地委員
    特に、今後に対する提言のところですが、あまり遠慮して書かれると何を言っているのかよくわからなくなりますので、改善していただければと思います。3番目の場合、これはアメリカのフューチャージェンが念頭に置かれていることは大体理解しているつもりですが、ただ、水素にしなければならないというところに関して、燃料電池車の普及拡大が不透明な中、と書かれています。その一方で、電気事業主体の協力を得る必要があるという記載がありますが、単に水素をつくるのであれば、何故、電気事業者の協力が必要なのかがよくわかりません。ここは、水素エネルギー利用の将来動向において、この技術の発展性に不確実性があるため、基礎的なデータがとれたことでとどめておくということなのでしょうか。
    4番目も、この技術の基礎的なことはわかりましたが、基本的にこのまま進めるべきであるという結果ではなかったと理解をしています。何が有望なのか有望でないのかよくわからないので、もう少し明確に書いてはいかがでしょうか。
  • 石炭課(権藤補佐)
    評価検討会での委員の先生方からいただきましたコメントでございますので、事務方として積極的に修正が加えづらいところでございます。
    そうは言いつつ、山地先生がおっしゃるように、3番目の方は、石炭のガス化のプロセスの研究開発ですが、これはもともと8年間の研究開発期間の中で、水素社会につながっていくことを期待しながら基礎的な実験からスタートし、目標となる生成物質として水素をターゲットにしたため、その目標に対して今の技術がどこのタイミングまできているかというところが、評価検討会での指標になり、未だ水素社会が成熟していないので、残念ながらこの技術は実用化につながらないが、将来的な水素社会に期待するとされたものです。また、最近、水素を生成する時に、ガス化炉の中で二酸化炭素も出てきますので、二酸化炭素の生成のプロセスも最近注目されてきている中で、要素的なところやプロセスについて一定の成果が得られたことから、そのあたりを踏まえて、評価検討会の先生方は、当初の水素社会に資する研究開発目標であるものの、二酸化炭素削減、温暖化対策に資するプロセスとして成功した研究もあることをお書きいただいたと我々事務局としては認識しております。
    次に、4番目ですが、山地先生おっしゃるとおり、量的には、世界的に、1年間に100万トンの二酸化炭素を貯留するというのが大規模な1つの指標であると一般的に温暖化対策の中で言われておりますが、この実験のターゲットとした量は、1000トンで、1000分の1位の規模です。石炭層というのはメタンが吸着しておりますが、まさに二酸化炭素が石炭層に吸着しやすいという特性を生かして、原理的にその機能がしっかり発現するのかどうか、石炭層は、二酸化炭素を通すものなのかどうか、そのあたりの原理を明らかにすることを目的としたものです。
    その原理については、一定の成果が得られまして、将来的にも石炭層への貯留というのも、帯水層、その後排ガス田等の大型貯留サイトや原油の増進回収でEORがありますが、より経済性を持つような貯留技術の可能性を見るための実験であったと認識しております。そのような期待度を込めて、温暖化対策につながる1つの手法として期待されているということで、大規模な実験を目指していくことを期待しているというコメントをいただいたと思っています。
  • 菊池委員
    成果として特許件数の記載がありますが、その戦略として、防衛特許なのか、自己実施なのか、ライセンスについても記載がなく、国際標準化へもっていくためにコアにするということなのか、パテントプルについても記載がありません。特許戦略としてどのように考えていますか。
    また、ターゲットが、20年、30年、40年と将来的なところにある中で、特許というのは、ご存じのとおり、一定期間であることから、特許を取得してどのように利用するのかを明確にすることが必要だと思います。
  • 平澤委員長
    評価報告書案に記載以外に特許に関する情報をお持ちですか。
    ただ今の点、検討しておいていただく間、ほかのポイントは何かありますか。
  • 吉本委員
    菊池先生のコメントにも共通するところがありますが、資料8の経済産業省技術評価指針の改定案に絡めてコメントさせていただきます。これから重要になってくるのは、施策評価で、戦略的にこの技術をどう使うかという、まさに先生方から出されているコメントは、一貫してそこだと思います。エネルギー価格の状況や水素社会が実現するかによって、見直しがあることは全然否定することではなく、その都度見直しながら、この技術を使っていくのかどうかを検討すべきであると思います。
    最初の案件で、フェーズ1、2、3と技術の積み重ねから商業化に行くというワンストップではなくて、コンカレントに進めることの重要性というのはまさにそこにありまして、政策評価により、戦略的に商業化を進めるかどうかというところを常に見ていかないと、巨額の資金を投資しても基本的には陳腐な技術に終わってしまう、あるいは、すばらしい技術を使っているにもかかわらず、何の外交カードにも切ることがなく他国の追随に終わってしまう等、そのようなことになりかねないと思います。よって、これからの技術評価というのは、これをどう使うのかというところをやっていただきたいと思っています。そこを見えるように評価に出していただきたいという希望があります。
  • 辻委員
    3番目と4番目は、事業化や波及効果についての妥当性が、評価項目の中でほかの項目に比べて低い評価になっていますが、このような事業化や波及効果の妥当性が低いテーマを進めてしまったことへの反省は、次のときにどのように生かされるのでしょうか。
  • 石炭課(権藤補佐)
    今後の展開も含めて御説明させていただきますと、3番目の石炭利用CO 2回収型水素製造技術ですが、石炭ガス化複合発電IGCCは、世界で商用機として30万キロワット級が4基位稼働しており、発電効率40%ぐらいの能力です。一方、日本で現在、福島県いわき市勿来で、東京電力が中心のCCPが推進母体となり、25万キロワットの準商用機規模で発電効率48%を目指して、来年度までIGCCの実証試験を実施されています。
    さらにもう1つ飛躍的な研究開発ということで、電源開発が中心に行っている北九州市若松でのガス化発電があり、燃料電池を付加すれば55%以上の発電効率まで目指しています。勿来の10分の1位の規模で、ガス化の温度が1600度まで高温にしないと石炭がうまくガス化せず、IGCCということで、ガスタービンを回す複合発電により効率を高めています。勿来の技術は2015年、若松は2025年ぐらいに実用化を目指して研究開発を行っていますが、そこで終わってしまったら、日本の強い技術の進歩は終わってしまうわけです。
    省内で技術戦略マップをまとめておりますが、次の段階は何かというときに、次世代のIGCC、まさに60%とか65%の高効率を目指して進めていくことによって、エネルギー消費量も少なくなり、二酸化炭素の排出量も少なくなる。まさに温暖化対策とエネルギー対策の両方につながっていくようなガス化技術を進めていくことが必要です。そのような技術のために、この3番目の技術は、600度とか700度ぐらいの低温で石炭をガス化し、石炭ガス化から分離回収して貯留するまでという分離回収のところが最もコストがかかると言われており、これは経済性がないから、民間企業だけで行うのは困難であるとよく言われておりますが、これはガス化の過程の中で、二酸化炭素も出てくるし、水素も一緒に出てくるというプロセスで、まだ研究が始まったばかりですが、日本が一番強い技術を有しており、ガス化発電技術のところは成功した事例もあるわけです。
    したがって、一部の技術については、既存の基盤研究技術に発展させていきながら、これは基礎的な研究ですが、ステップアップしながら実用化を目指すため、しっかりと地に足をつけて研究していく必要があると我々は思っています。
    4番目については、先ほど山地先生への答えになっていなかったのですが、成功した例は原理的にはあると思っています。石炭層というのは、二酸化炭素を入れると膨潤しますので、穴が詰まったような状態で二酸化炭素は入りづらいという状況がありますが、そこに窒素で二酸化炭素を運び込めば、空洞があいて二酸化炭素が通りやすくなるという結果が得られています。原理的な成果だと思っていますが、残念ながら、日本では石炭層が薄かったり、断層が多かったりするため、なかなか日本では実用化が難しく、一方で世界的にみると、豪州など石炭の厚さは10m、20mの石炭層を持っているような大資源国がありますので、豪州との間で共同研究の可能性も含め、今後調査に入ろうとしております。
    日本の石炭関係の推進主体であるJCOAL((財)石炭エネルギーセンター)や今回研究者になっておりましたが、豪州の研究機関のCSIROなどの研究機関と共同で、豪州の石炭層をターゲットにした二酸化炭素の貯留技術の共同研究について打診を受けていると伺っており、今回のような原理的な研究の成果は、日本が初めて行ったものですので、その技術を生かしながら、貯留のポテンシャルも確保できるということでつなげていきたいと思っています。
  • 辻委員
    今はまだ基礎研究であり、波及効果が出るのは5年、10年、20年後だということで、本当は波及効果が低いのではなく、波及効果は十分あるという意図が評価者に伝わっていないために、この評点が低くなったという理解でよろしいでしょうか。
  • 石炭課(権藤補佐)
    そのとおりです。
  • (財)石炭エネルギーセンター(氣駕)
    事業の実施者のJCOAL((財)石炭エネルギーセンター)の氣駕と申します。
    特許については、事業化していくために取得しております。確かに特許には期限があって、20年ということになりますが、先ほど来、いろいろ話しが出ていますように、例えば、水素社会の実現性が不透明な中で、この技術がどこでどう使われていくのか、実際には違う方面で使えるものが出てくるかもしれませんので、特許として取れるものは取っておき、次の事業につなげていきたいと考えました。
  • 菊池委員
    本格的に議論するのであれば2時間でも3時間でもやりますけれども、少なくとも、どう使っていくのかということに関してのパッケージングもされていませんし、取らなくても本当はよいのではないか、または、具体的なターゲットがはっきりしていなければ別のやり方もあると思います。もし海外との戦略、また中国との関係を考えるのであれば、特許マップを明確に書いて、どのようなポジショニングをするのかまで検討すべきであると思います。
  • 山地委員
    私の質問にお答えいただいてありがたく思っていますが、私は石炭の重要性は理解しているつもりで、石炭課を責めるつもりは全くありません。ただ、この評価や今後に対する提言のところを、もう少しわかりやすく書いてもらえませんかという注文をしただけのことです。そのような観点から今のお答えを聞くと、4番目はよく理解できました。4番目は、ご説明のとおりだと思いますが、それがこの文章を読んでもなかなか伝わって来なかったわけです。CO 2が炭層にうまく入るかと思ったら入らなかったが、N2を送ると入ることがわかったのが成果です。ただ、我が国で実施するには、今後の展開はないが、海外で展開をしていくということでよろしいでしょうか。
    3番目で説明されたのは、ガス化過程におけるCO 2回収ですが、それは別途やっておられるのではないでしょうか。それに関してどうこう言うつもりはありませんが、ここでは、石炭からCO 2を回収して水素を製造する技術について、基礎的な知見は得られたが、ここで1つ置いておきましょうということでよろしいのではないかと思います。そこがわかりにくいということを申し上げただけです。
  • 鈴木委員
    この2件は事後評価ですが、事後評価をやる意義をかねがね考えています。この個別の事業の目標達成度やマネジメント等について、事業が終わった後で振り返ってみて、プロジェクトのつくり方、目標の置き方、体制等が妥当だったのか事後に評価してもあまり将来につながるものではないと思います。今もう一度同じ状況があったら同じことをやったのだろうかとか、中間評価もこれをやっているわけですが、中間評価のときに軌道修正がなされた場合には、本当に正しい軌道修正だったのか、そのような評価を事後評価のときはもっと重視すべきではないかと思います。
  • 平澤委員長
    本件に関して言えば、ポイントは何ですか。
  • 鈴木委員
    例えば、3番目の今後に対する提言に、わりと私はそのような意味ではよいことが書いてあると思っています。もう少し事業者との協力を得ることも必要であったのではないか、そのような点を検討してほしいと記載されており、私は、今後、経済産業省がプロジェクトを推進していくときの指標として、技術や開発成果をどれだけ活かすかというものがあった方がよいのではないかと思っています。
  • 平澤委員長
    3番目の方は、石炭を発電に使う際に、いろいろな方式があり、ガス化してエネルギーの利用効率で言うと、タービン等を含めて非常に高いものがつくれるようになっている。そこまではいいとしても、その後に出てくるCO 2をどのように処理するのかというところで、幾つかの方式があり得るわけです。その方式いかんによっては、経済性を含めてかなり違いが出てくる。ここでは水蒸気を吹き込んで、水素に転換しながら、最終的にはCO 2をピュアにして回収し、4番目で行うように、CO 2を地層固定する等、そのようなことを行わないと結局、全体としては完成したものにはならないと考えるべきだと思います。
    それぞれの要素技術は固めていく必要があることは理解しますが、類似したプロジェクトで、はるかに大きな資金をかけて、NEDO等で行っているものも評価したことがありますが、石炭利用の全体的な戦略として、日本での石炭利用がどのくらい実現可能性があり、社会的意義があるのかをもう少し大所から検討されて、その中で、例えば、水素転換の効率性がまだ明確でないから、ケミカルプラントをつくってやってみましょうとか、そのような種類の課題は、プロジェクトとしてやっていくのだと思います。
    日本で行うのか、外国の産炭地で行う技術として開発しようということなのか、その辺りの大きな戦略をみた上で、その中でこのプロジェクトはどこに位置づけられているのかを説明されれば、もう少しわかりやすくなると思います。また、その意義も理解できれば、波及効果についての妥当性の評点は、もう少し高いものになり得たのではないかと思います。おそらくやっておられることは、間違えた方向ではないと思いますが、全体像が見えないがゆえに不安になるというのが実態ではないかと思います。
    4番目の方は、サイエンティフィックにアンクリアな部分があり、石炭層にCO 2を吸着させること自体のサイエンスは非常に複雑なので、試しにやってみるということで、実験室内ぐらいの規模で、膨潤の様子や透過性の問題等、そのようなシミュレーションを行い、課題をもう少し詰めた上で、大きな資金を投入し現場で実証する段階に進んだ方が良いのかどうなのかという議論だと思います。
    日本の炭層で固定化できないとすれば、日本で使えない技術の開発を何故行う必要があるのか。オーストラリアにCO 2を運んで埋めてもらうということなら、それはそれでもよいが、最終的にどこまでどのように行い、社会的に意義あるものになるのかをもう少し詰めた上で、その中のこのような部分を試してみましたという位置づけが明確であると理解しやすいと思います。
    これは事後評価ですので、今後の成果の生かし方として先ほどの鈴木先生の発言も含め、コメントを評価報告書案に追記して委員会の結論を得たいと思います。そのコメントの文面はお任せいただけますでしょうか。
    ありがとうございました。

2.国の研究開発評価に関する大綱的指針の改定について(報告)

事務局(技術評価室長長濱)から、資料7-1を基に、平成20年10月31日付けで改定された「国の研究開発評価に関する大綱的指針」について報告を行った。

(意見等なし。)

3.経済産業省技術評価指針の改定案について、技術に関する施策の評価について(審議)

事務局(技術評価室長長濱)から、資料8-1、資料8-2、資料8-3、資料9を基に説明し、その後、質疑応答があった。その概要は、次のとおり。

  • 平澤委員長
    御提案の内容は非常に重要な進歩を含んでいますので、ぜひ我々としても前向きにサポートしていきたいと思っております。
    当初、大綱的指針というのは、技術開発プロジェクトに関しての評価ということで、政策評価法ができる前に発足したものです。政策評価法ができて、どうすみ分けをするのかという議論が続いてきたわけですが、今回の整理で大綱的指針の中に、施策評価を本格的に位置づけることにより、結局、政策評価法における技術に関する部分をあらためて位置づけたと理解してよいのではないかと思います。
    経済産業省の場合には、今までも政策評価法の枠の中で、我々は、技術に関する事業、プロジェクトを評価していたという位置付けに結局はなっていたと理解しています。
    というのは、プロジェクト評価であれば、プロジェクトの評価検討会の先生が御報告されるのが筋ですが、本委員会ではそうではなく、施策を担当している原課の方が説明されるという方式をとっています。これは、文部科学省等とも際立った違いであり、我々は、それだけ政策のほうに少し近づいて評価を行ってきたと考えています。今回の提案は、技術に関する事業というのが、単位として旧来のプロジェクトに近いものであり、それらをたばねて技術に関する施策として評価を行うものと理解しております。
    それでは、先生方の御意見をお伺いしたいと思います。
  • 伊澤委員
    このプログラム評価の重要性については、平澤先生が相当前から何度も、この委員会でもほかの委員会でも指摘されているところでございまして、やっとこういったプログラム評価が実現できるようになるのは大変大きな進歩だと思います。私は、少しでも早くこういうことを実行していただければと思っています。
  • 吉本委員
    全体像が見たいというかねてよりの委員の指摘に本当にこたえていただけるすばらしい取り組みだと思っております。
    技術に関する施策評価において、総合評価は、横断的に記載されるということですが、個別プロジェクトをまとめて記載するというよりは、各プロジェクトを横断的に分析して記載していただけるのでしょうか。
  • 長濱技術評価室長
    御指摘の点は、そのとおりでございまして、個々のプロジェクトについても、総合評価は、従来どおり記載させていただき、それに加えて、技術に関する施策評価として、全体の施策についてどのような方向に進んでいるのか等、総合評価もあらためて施策全体の中でのコメントとしていただくことを考えています。
  • 菊池委員
    全体は大体いい方向になってきていると思います。PDCAサイクルをもう一度考え直したときに、1つ気になるのが事前評価です。継続プロジェクトという場合には、このスキームはワークすると思うのですが、新規のものである場合、査定課との関係で従来と変わらないタイミングで事前評価を行うとすると、それを外部評価とする際に、いい方向に行けば良いが、事前評価の場合は、決まっていないことが多い段階で、いろいろなファクターにおいて解を求めるには難しい時期であり、そのような中で、特定の外部評価委員の先生方にお願いし、評価が出されたとしても、その事業の中身がかなり変わってくる可能性があるので、実務的に心配しているということです。
  • 平澤委員長
    これは私も大綱的指針を読んで仰天したところです。実務的に可能なのか。事前評価をしっかり行う必要があることは常々我々が申し上げてきたわけですが、それを外部評価というかたちで行うのは、実際にフィージブルなのか、これはほとんど不可能ではないかという思いがありました。
  • 長濱技術評価室長
    御指摘の点は我々もさんざん議論させていただきましたが、まず外部評価の考え方は、私ども2通りの考え方を持っておりまして、1つがパネル方式。これは中間評価とか、今回は終了時評価になりましたが、こういった形で先生方にお集まりいただいて、御議論いただいた上で評価、最終決定を下すという考え方。
    それからもう1つは、外部有識者の方から提言なりアドバイスなりをいただくといった簡易的な外部評価も今回1つの考え方として取り入れたいと考えております。
    ただ今、お二方の先生から御懸念がございましたが、特に事前評価については、ケースバイケースでいろいろな形で事前評価をやっていく必要があるという認識は我々も持っておりまして、少なくともパネル方式の評価ではなくて、外部の有識者からアドバイスをもらうようなイメージの評価を推進していきたいと考えております。御懸念のところは十分留意しながら運用に努めてまいりたいと考えています。
  • 平澤委員長
    文部科学省で、私は、政策評価法のもとで運用される評価の当初から、6年間そのシステムを見てきましたが、有識者の意見をできるだけ聞くようにして、次第に位置づけが変わって強化されてきたものです。
    結局、次年度概算要求のリストができ上がって、8月の末にそれら新規課題に関して説明を受けて、それに対してコメントを言う、このような方式に落ち着いてきました。そこで本質的な議論ができると良いのですが、有識者懇談会というものがあります。大綱的指針では、評価は、外部評価により実施する旨、記載されていますが、このような書き方をすると、外部委員会で評価を行うという感じになると思います。この形式と中身との関係になるのですが、私が、懸念、仰天したのは、文部科学省の場合は、その懇談会は、実はロビーストまがいの発言が多く、例えば、スポーツ振興のためにはもっとこういうところに予算をつけてほしい等、そのような種の要望が多く出されるのですが、事前評価というものではないのが実態です。
    したがって、そのようなものになってしまうと逆効果であり、意味がありませんので、外部の人たちの意見、アカウンタビリティーを含めて聴取したという形にするということと、それから実効性のある意見が出るような配慮をしながら、今回手探りでまずは始めてみたらどうかというのが私の思いです。
    もう1点、最後に、プログラムにたばねて評価するという提案に関して、今回、4件の案件を評価したわけですが、3番目、4番目に関しては、例えば、石炭利用エネルギー開発プログラムというものがあって、石炭利用エネルギー開発という大きなターゲットをもった上で、そのプログラムの中に位置付けられたプロジェクトであることを踏まえて議論すれば、そこから出てきた成果を生かしながら、プログラム全体としてさらに施策を進めてよいかどうかという議論ができると思います。ですから、ようやくその種のことが議論できるような段階に、今回の枠組みの変更によって踏み込めるのではないかと思っております。
  • 鈴木委員
    大綱的指針や各省の指針に共通した問題であると思っているのでが、短期的な成果と中長期的な成果に対する目標設定と評価をどのように行うのかが、ほとんど何も書かれていません。非常に難しいから具体的には書けないのかと思いますが、全般に最近の傾向を見ていると、短期的な成果を重視する傾向が強まっているのは、皆さんも感じられているのではないかと思います。そこで、経済産業省技術評価指針の改定案に、何らかの形で書き分けることが必要ではないかと思っています。
    もう1点は、このような評価のスキームとそれを政策に反映していくような仕組みが、果たしてうまく機能しているのかというのを、3年なり5年なりに1回評価するのも必要ではないかと前から思っております。
  • 平澤委員長
    ただ今のポイントは両方とも具体的には非常に重要なポイントで、我々もそういう議論を重ねてきたような気もします。それは恐らく新たに始まる施策評価の枠組みの中のポイントとして位置づけてみたらどうかと思います。そういう文言は多少入っているのではないかと理解します。
  • 長濱技術評価室長
    そのような意図で施策評価の中で、短期的な目標と中長期的にはこういうところを目指していきたいというところは、おのずと明らかにしなければならないと思っています。先ほど御説明申し上げましたが、先駆的な動きになりますので、やや試行錯誤的にやっていく形になってしまうかもしれませんが、皆様のアドバイスをいただきながら、この施策の評価をうまく回していきたいと思っておりますので、引き続きいろいろなアドバイスをお願いしたいと思います。
  • 菊池委員
    実務的なところまで入ってしまいますが、この評価をやっていくときに、ずっと携わってきていつも歯がゆい思いをする1つが、様々な成果や報告書は、PDFになり、デジタル化されてきて割と使いやすくなっていますが、プログラム評価をしようとすると、どうしても課題と成果のマッチングもせざるを得ず、現在は、手でやっているところがあります。体系的に又は概念的にマッチングさせていますが、なかなか難しく、恣意性が入ってしまう。または特定の戦略的イシューがあれば別ですが、平澤先生のおっしゃるプログラムで束ねていくときに、「宇宙」のように独立した分野であれば、ある程度見えているのでしょうが、先ほどの「石炭」のようにばらばらとあって、他の分野でもばらばらとあるものや経済産業省の中だけで閉じておらず他省にまたがるような大きなものもあります。
    また、成果というのはアウトソーシングされているケースがあるので、そのようなものを見ていこうとすると、課題で引っ張り上げようとすると芋づる式ができないという課題があります。もし電子システム導入等も含めるのであれば、そのあたりも検討していただけると幸いです。
  • 平澤委員長
    ただ今の点を少し補足しますと、経済産業省ホームページのトップページを見ると、右のほうに政策評価とイノベーション政策というのが分かれています。他省のものは、政策評価一本です。そこをクリックすると中に入っていき、イノベーション評価というところをクリックすると、結局、技術開発課題に関連したものが出てくる。ところが全体の中のそういう部分が、こことここに連なるというようなものはわかることはわかるのですが、結局それがまだプログラム化されていないので、個別のプロジェクトがぶら下がっているだけというのが現状です。これは技評価だけの問題ではないと思いますが、全体として、そのような類似のものを、より大きな上位の目標に対してくくるということを整理しながら、もう少し見通せる構造にしていただきたいと思います。
  • 長濱技術評価室長
    御指摘の点はごもっともと思っておりまして、先ほど資料でも御説明申し上げましたが、アカウンタビリティー、効率的・効果的な運用、有効利用という、その3番目のポイントでどのようなことをやっていくべきかを考えているところです。菊池先生から御指摘いただきましたが、電子化する過程で、プログラム単位でまとめてデータベースをつくらないと、御指摘のとおり評価をやるのはいいけど、前回の評価結果はどうなったか、提言はどうなっているか、短期的な目標はどうなっているか、そのような大混乱が起こるのではないかと思っていますので、可能な限り電子化して情報を整理していきたいと考えております。
  • 辻委員
    例えば、私は、JST((独)科学技術振興機構)の評価を行っていますが、特に女性は同じようなメンバーになっているように思っています。外部評価でまた評価委員の方を選ばれるとすれば、そのときのメンバーを選定する基準のようなものはあるのでしょうか。もしあるならそれを明らかにした方がよいのではと常々思っていました。
  • 平澤委員長
    もう少し広い分野などにひろげてメンバーを選定するということかと思います。
    ほかにいかがでしょうか。
    よろしいでしょうか。
    細かい文言に関してですが、私もいただいた改定案を少し加筆修正した部分もあります。また、経済産業省内部で検討され、内部決裁を経て最終的なものになるプロセスにおいて、文言の微修正があろうかと思います。これらは、私にお任せいただけますでしょうか。
    それでは、よろしくお願いいたします。

4.その他

(1)事務局(技術評価室大木)から、資料10-1、資料10-2に基づき、「産業技術分科会評価小委員会の運営等について」の改正案について、経済産業省技術評価指針の改定に伴い、文言等の修正を行う旨、説明した。

  • 平澤委員長
    ありがとうございました。
    これは技術的な修正ですので、御異議ないかと思います。よろしくお願いします。

(2)事務局(技術評価室大木)から、資料11に基づき、前回の第24回評価小委員会(平成20年7月3日開催)での審議の結果、評価報告書(案)に評価小委員会としての意見を追記する案件について説明した。

  • 平澤委員長
    ありがとうございました。以上の点、我々が議論したことが適切に反映されていると思います。
    御質問等ありますか。よろしいでしょうか。

審議官挨拶

最後に、西本審議官から挨拶があり、その概要は以下のとおり。

  • 西本審議官
    皆様、非常に活発な御審議をいただきましてありがとうございました。
    私は、産業技術環境担当の審議官でございますが、この会には大臣官房の技術担当の参事官のときから参加させていただきましたので、御議論は自分なりによくわかっているつもりでございます。プロジェクト毎の細切れでなく塊で評価するよう何回も言われておりまして、国の大綱的指針も変わったのでそれを契機に、政策も含めてまとまってきちっと評価するという大方針のもと、政策的位置づけの中で、今のプロジェクトはどうなっているのかが明確になることは大進歩ですので、そのような方向で、これを実りある委員会にますます充実させていただきたいと思います。
    現在、経済危機等、非常に暗い状況にありますが、オバマ新政権はグリーン・ニューディールということで、10年で15兆円、環境とエネルギーに投資をするということです。おそらくアメリカは、今まで環境、エネルギー分野は、石油開発、技術開発も含めて怠ってきたのではないか、アメリカとしては石油価格がずっと安定していたことから新エネルギーや省エネルギーへの投資が非常に薄かったのではないかと思います。
    その間、日本は、サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画、ムーンライト等いろいろな研究開発、新エネルギー、省エネルギー等ずっとやってきた。今振り返ってみれば、いろいろな局面で評価はありますけれども、大きく見たときに、今太陽電池で日本が世界の一番先頭を走っており、そういう企業群がいる。燃料電池、リチウムイオン電池、ヒートポンプ、超電導でもトップを走っています。個別に見ていくとこれまでの施策は、こういうシステマティックな評価はなかったかもしれないが、今までのサンシャイン計画、ムーンライト、ニューサンシャイン等、大きくとらえたときには、これらは大成功だったと思います。
    ただ、今回、アメリカがこれを15兆円のペースで10年間かけてやっていくということになると、これはあっという間にひっくり返されかねないと思います。ですから、これを政策評価という観点では、一体それが身になったのかなっていないのかというところも含めて、しっかり見ていくことが重要であると思っています。
    ようやくアメリカも、日本がやってきたようなことを10倍ぐらいの規模で大がかりにやってくることから、我々も身構えて、成果の出せるものをしっかり手がけていかなければならないため、この評価委員会はますます方向性を決める上で大きな役割を担うと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
  • 平澤委員長
    ありがとうございました。
    これで本日の委員会を閉じたいと思います。
    最後までありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年3月26日
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